JP3673678B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複写装置、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置において、電子写真感光体、静電記録誘電体などの像担持体の表面に形成された潜像を顕像化する現像装置に関するものであり、特にトナー粒子を用いて現像を行なう乾式現像方式の現像装置に有効に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、乾式一成分現像装置としては各種の装置が提案され、また実用化されている。しかし、いずれの現像方式においても乾式一成分現像剤の薄層を形成することは極めて難しい。しかるに、現像画像の解像力、鮮明度などの向上が求められている現在、この要望に応え得る乾式一成分現像剤の薄層形成方法及び装置の開発が必須となっており、又、これに応じて幾つかの方策が提案されている。
【0003】
例えば、特開昭54−43038号公報に示されるように、ゴム若しくは金属の弾性規制部材、即ち、弾性ブレードを現像剤担持部材である現像ローラに圧接させ、この接触ニップ部にトナーを通過させて、現像ローラ上にトナー薄層を形成し、且つ、そこでの摩擦によりトナーに充分なトリボを与える構成がある。
【0004】
又、非磁性トナーの塗布規制を上記構成で行なう場合、別途トナー供給部材が必要となる。磁性トナーでは現像ローラ内の磁石の磁力によって現像ローラ上にトナーを供給することができるが、非磁性トナーでは機械的な供給手段を必要とする。そこで、本出願人は、特開昭58−116559号公報において、図4に示すように、弾性ブレード3の現像ローラ回転方向上流側に、現像ローラ2に接触させてトナー供給ローラ6を配設し、現像ローラ2上の未現像トナーの剥ぎ取り及び現像ローラ2へのトナー供給を行なう現像装置を提案している。
【0005】
図4に関連して説明したように、非磁性トナーを用いた現像装置では、非磁性トナー7を収容した現像容器5の開口部に現像ローラ、即ち、現像スリーブ2を設け、この現像スリーブ3に対してトナー供給剥離部材としてのファーブラシ構造の供給ローラ6及びゴム又は金属の弾性ブレード3を当接させている。
【0006】
現像容器5内のトナー7は、供給ローラ6により現像スリーブ2に供給され、現像スリーブ2の回転に伴ない現像ブレード3の圧接下へ送られる。ここで、トナー7は薄層化され且つ十分なトリボを付与された後、感光体1との対向部、即ち現像部において現像される。その後、現像されずに残存した現像スリーブ2上のトナー7は、供給ローラ6により剥ぎ取られ現像容器5内の新たなトナー7が再び供給ローラ6により現像スリーブ2へと供給され、上述の作用を繰り返す。
【0007】
これによって、非磁性トナー7を現像スリーブ2上に安定して供給し、トナー薄層を良好に形成でき、感光体1上の静電潜像を忠実に再現して高濃度広面積のベタ黒画像を良好に現像することが可能となった。
【0008】
この現像装置においては、トナー供給剥離部材としてファーブラシ構造の供給ローラ6を用いたが、この他に発泡骨格構造のポリウレタンフォーム等の連泡性の発泡体で供給ローラを構成したものも一般的に用いられており発泡体表面の適度な凹凸によりファーブラシ構造の供給ローラと同様に現像スリーブへのトナー供給及び未現像トナーの剥ぎ取りを良好に行なうことができる。
【0009】
トナー供給剥離部材として、上述のように、供給ローラ6を現像スリーブ2に当接させる構成は、非磁性トナーを用いた場合のみならず、磁性トナーを用いた場合においても有効である。
【0010】
一方、磁性トナーを用いた場合においては、前述したように現像スリーブ2へのトナー供給を現像スリーブ2に内包させたマグネットの磁力で行なっているため、現像スリーブ2上の未現像トナーの剥ぎ取りを充分に行なうのが困難である。
【0011】
このために、現像スリーブ2上に形成されたトナー薄層のうち、感光体1と対向した現像部において現像されそしてその後に新たに現像スリーブ上に供給されてきたトナーと、現像部にて現像されなかった未現像トナーとが現像スリーブ上に混在し、両者の現像性に差が生じ、濃度ムラを引き起こし易い。
【0012】
そこで、磁性トナーを用いた場合においても、上述した供給ローラを用い、未現像トナーの剥ぎ取りを行なうことにより高画質化を達成できる。
【0013】
更に、トナーとキャリアから成る二成分現像剤を用いた現像装置においては、図3に示すように、トナーのみを収容する、現像容器5の上部に配設されたトナーホッパー30から現像容器5側へトナーを少量ずつ定量補給するためのトナー供給手段31が必要となる。このトナー供給手段として従来では、前述した連泡性の発泡体で、トナー補給ローラ31が形成されていた。
【0014】
このトナー補給ローラ31は、ホッパー30と現像容器5と連通するトナー供給部32に配置される。トナー供給部32は、その上下2ケ所に開口部32A、32B、即ち、押圧部32A、32Bが形成され、トナー補給ローラ31は、この押圧部32A、32Bに、その外周面を当接させて回動可能に配設されている。この発泡体からなるトナー補給ローラ31は、押圧部32Aを通過する時の収縮、膨張によって、ホッパー30内のトナー6をその外周面の孔部に充填させると共に、下方押圧部32Bを通過する際における収縮時において、孔部内のトナー7を吐出させて現像容器5内へ一定量のトナーを供給する。
【0015】
この供給されたトナー7は現像容器5内に設けられた撹拌手段により現像容器5内のトナーとキャリアから成る現像剤と十分に混ざり合い現像スリーブ2に送られ、現像スリーブ2の回転にともない感光体1と対向する現像部へ搬送され、その静電潜像を可視像化する。
【0016】
このように、従来では、トナー供給手段として、ファーブラシや連泡性の発泡体にて作製され、そして、現像スリーブ2へ当接することによりトナーを供給する弾性供給ローラ6が使用されるか、或は、連泡性の発泡体にて作製され、そして、ホッパーの開口部に設けられ現像容器内へトナーを供給するトナー補給ローラ31が用いられてきた。
【0017】
しかしながら、これらのローラは、特に小粒径のトナーを高温、高湿環境下で用いた場合、現像動作を多数回繰り返すうちに次第にローラ内部にトナーがつまっていき、ファーブラシ供給ローラ6の場合には各繊維の間にトナーが入り込み、又、連泡性の発泡体の場合には、各気泡が連通しているためその内部にトナーが入り込んでローラの硬質化を招き、以下に示す不都合を生じていた。
▲1▼ 現像スリーブに当接する供給ローラの場合
現像スリーブに対する供給ローラ6の当接圧が過大となり。現像スリーブ上へトナーを擦り付ける働きが強すぎて、現像スリーブ上へトナーが融着したり、トナーが物性変化(劣化)を起こし、カブリが増大したり、現像スリーブ及び供給ローラの駆動トルクが増大する。又、供給ローラ内へのトナー詰まりの程度が長手方向で不均一になるため現像スリーブに対する供給ローラによるトナーの塗布及び剥ぎ取りにムラが生じ、現像スリーブ上のトナー薄層のトリボ及び層厚にムラが生じる。
▲2▼ ホッパ開孔部に設けられたトナー補給ローラの場合
トナー補給ローラ31の弾力性が著しく低下するために、押圧部32A、32Bにおける収縮、膨張が不充分となって現像器内へのトナーの供給量が低減して、現像濃度が低下したり、トナー供給ローラの駆動トルクが増大する。
【0018】
この様なローラの硬質化による不都合▲1▼、▲2▼を防止するために、従来では
(a) 連泡性の発泡体表面にゴムのスキン層を設ける。
(b) 単泡性の発泡体を用いる。
等の提案がなされている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記(a) の構成、つまり、連泡性の発泡体表面にゴムのスキン層を設けた構成をとると以下の問題が生じた。
(1)この構成を供給ローラ6に採用した場合には、ゴムのスキン層が現像スリーブ表面に摺擦するために現像スリーブ上へトナーを擦り付ける働きが強すぎて、供給ローラが硬質化した場合と同様に、現像動作を多数回繰り返すと、現像スリーブ上へのトナー融着やトナー劣化によるカブリ増大を招いた。又、スキン層表面を適度に荒らした構成としても、発泡体表面に比べ局所的に硬度が高く、即ち、トナー及び現像スリーブに対する局所的な圧力が高くなるために、同様の問題が発生した。
(2)この構成をトナー補給ローラ31に採用した場合には、前述した押圧部32A、32Bでの収縮、膨張時におけるローラ外周面の孔部へのトナーの充填が不充分になるため、現像容器内への一定量のトナー補給ができず、かつ、押圧部32A、32Bにおけるローラ31のトナーへの摺擦が過大となり、トナーが通過する際に過大な圧力をうけトナー劣化を招いた。又、スキン層表面を適度に荒らした構成においても、トナー補給に関しては改善されたが、局所的な圧力が高いため上述したトナー劣化を防ぎ切れなかった。
【0020】
一方、前記(b) の構成、つまり、単泡性の発泡体でローラ6、31を形成することにより、ローラ表面の適度な凹凸により現像スリーブへのトナーの塗布、剥ぎ取り及びトナー補給を良好に行い、かつローラ内へのトナー詰まりによる硬質化を防止することが可能となる。
【0021】
しかしながら、この(b) の構成を採用した場合には、弊害なく良好な働きをするためには、影響因子に充分留意する必要がある。
【0022】
本発明者らの実験によれば、ローラの働きを十二分に発揮させるための上記影響因子は、発泡体のゴム硬度であり、従来ではこの因子を考慮に入れていなかったために以下の不都合を生じていた。
【0023】
すなわち、ゴム硬度が高すぎる発泡体でローラを構成すると、供給ローラ6として用いた場合には、現像スリーブに対して供給ローラを確実に当接させるような配置をとると、現像スリーブ及びトナーへの当接圧が過大となり従来の連泡性の発泡体を用いた供給ローラが硬質化した場合と同様のトルク増や、現像スリーブ融着及びトナー劣化に伴なうカブリ増大現象を引き起こす。
【0024】
又、このようなゴム硬度が高い発泡体ローラをトナー補給ローラ31として用いた場合にも、押圧部における当接圧が過大となり、ローラの駆動トルクの著しい増加や、トナーへの摺擦力が過大となることで生じるトナー劣化に伴なうカブリ増大を招く。
【0025】
一方、ゴム硬度が低すぎる発泡体でローラを構成すると、発泡体内にゴムの低分子量成分が多く含まれることになり、現像動作やトナー補給を繰り返すにつれてゴムの低分子量成分が被当接物に滲み出し付着したり、弾力性が著しく低下する。このためこのようなローラを、供給ローラ6として用いると、ゴムの低分子量成分の現像スリーブへの付着(汚染)により、新たに現像スリーブ上に供給されたトナーが適正で充分なトリボを付与されずにカブリを発生したり、弾力性が低下することで、現像スリーブへの弾性ローラの当接不良が発生し、トナーの供給及び剥ぎ取り不足によるベタ黒画像の再現性不良を招く。又、トナー補給ローラとして用いた場合においても、押圧部にゴムの低分子量成分が付着し、その上からトナーが付着、堆積しトナー補給を阻害したり、弾力性が低下することで押圧部における収縮、膨張が不充分になり現像容器内へのトナー補給が良好に行なえなくなり濃度薄が発生する。
【0026】
このようなゴムの低分子量成分の滲み出しによる弊害を防止するために、ゴムの低分子量成分を極力少なくしたゴム硬度の低い発泡体を用いると、引き裂き強度が著しく低下し、ローラの繰り返し使用によってローラが破損する弊害を招く。
【0027】
上述してきたように、従来の現像装置においては、発泡体のゴム硬度が高すぎた場合や低すぎた場合において、ローラの働きが不充分になり、不良画像を発生するといった不都合を生じ、好ましくなかった。
【0028】
従って、本発明の目的は、現像剤供給手段を単泡性の発泡体ゴムにて形成し、しかもこの発泡体ゴムのゴム硬度を8°〜15°(アスカ−C)とすることにより、現像剤供給手段の働きを十分に発揮させ、ゴム硬度が不適当な場合に生じる不良画像の発生を防止した現像装置を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る現像装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体と対向する部位に開口部を有し、現像剤を収容する現像容器と、潜像を担持する前記像担持体へ前記開口部にて現像剤を供給する現像部を形成すると共に、前記現像容器から現像剤を前記現像部に担持し搬送する現像剤担持部材と、表面に単泡性の発泡体ゴムを備えており前記現像剤担持部材と接触し前記現像剤担持部材に現像剤を供給する現像剤供給手段と、を有する現像装置において、
前記単泡性の発泡体ゴムは、調製工程で残るゴムの低分子量成分を含有するとともに、そのゴム硬度は、8°〜15°(アスカーC)であることを特徴とする現像装置である。
本発明の一実施態様によると、前記現像剤供給手段は、回動することにより前記現像剤担持部材へ前記現像剤を供給する。
本発明の他の実施態様によると、前記現像剤供給手段は、前記現像剤担持部材へ現像剤を供給するとともに前記現像剤担持部材から現像剤を剥ぎ取る。
本発明の他の実施態様によると、前記現像剤担持部材の回転方向において、前記現像剤供給手段の下流側で前記現像部の上流側に設けられ、前記現像剤担持部材上の現像剤の層の厚さを規制する規制部材を有する。
本発明の他の実施態様によると、前記現像剤は、一成分現像剤である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明に係る現像装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0031】
実施例1
図1に本発明に係る現像装置の一実施例を示す。この実施例において、現像装置は、図中矢印a方向に回転する像担持体、例えば電子写真感光体1上に形成された静電潜像を現像し、可視像(トナー像)とするものである。
【0032】
本実施例で、現像剤担持部材としての現像ローラ、即ち、現像スリーブ2は、基体として直径16mmのアルミニウムスリーブを用い、その表面に定形のガラスビーズ(#600)によるブラスト処理を施して、表面粗さRzが約3μmとしたものを用いた。
【0033】
弾性規制部材としての弾性ブレード3は、前述したように、現像スリーブ2に圧接して当接されており、圧接下にこれらの間に侵入したトナー7を現像スリーブ2上に塗布して、トナー7の薄層を形成させる。弾性ブレード3は、例えばシリコーン、ウレタン等のゴム部材(JISAに規定の硬度が40°〜90°)にて形成されており、弾性ブレード3の現像スリーブ2と対向した面の一部が面接触で当接して、現像スリーブ2を圧接している。
【0034】
本発明における弾性ブレード3の現像スリーブ2への当接圧は、現像スリーブ2の母線方向の線圧で5〜200g/cmが好ましく、本実施例では弾性ブレード3として硬度65°、厚み1.2mmのウレタンゴム製のブレードを使用し、これを50g/cmの圧接圧(線圧)で現像スリーブ2に当接した。
【0035】
なお、線圧の測定方法は、上述したと同じに、摩擦係数の既知の薄板を三枚重ねにして弾性ブレード3と現像スリーブ2との当接部に挿入し、中央の薄板をばね秤で引き抜き、そのときの引き抜き力と、摩擦係数から換算し、線圧とした。
【0036】
本実施例にて使用される非磁性トナー7は、非磁性一成分現像剤として使用されるもので、スチレン樹脂やアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等の各種熱可塑性樹脂中に、カーボン等の顔料を分散してなっている。本実施例では、トナー7として、スチレン/アクリル樹脂とスチレン・ブタジエン樹脂の共重合体及び顔料からなる平均粒径8μmのトナー粉体に、コロイダルシルカ1.0%を外添したものを用いた。
【0037】
次に、現像剤供給剥離手段としての供給ローラ6について詳細に説明する。
【0038】
供給ローラ6は、前述したように、現像スリーブ2上に残存したトナー7の剥ぎ取り及び新たなトナー7の供給を行う。
【0039】
本実施例で、供給ローラ7としては、金属の芯金61を支軸とし、その外側にシリコンゴム、EPOMゴム、CRゴム等の、しかもその気泡部の壁面が隣り合う気泡部と連通している、単泡性の発泡体をローラ状に形成したものを用いた。又、供給ローラ6の表面は、現像スリーブ2に圧接した状態で図中矢印c方向に回転駆動される。
【0040】
本発明者らは、ゴム硬度の最適範囲を調べるために以下の実験を行なった。ゴム硬度(アスカーC)が5°、6°、8°、15°、17°、20°のシリコンゴム発泡体を用い、外径5mmの金属芯体61に肉厚5mmでローラ状に被覆した外径15mmの供給ローラ6を製作し、現像装置内に組み込み、この現像装置をキヤノン(株)製複写機FC−2に設置した。他の条件は感光体1上の静電潜像の表面電位を暗部−600V、明部−150Vとし、感光体1と現像スリーブ2との間に印加する現像バイアスを周波数1800Hz、ピーク・ピーク電圧1200Vの交流電圧に−250Vの直流電圧を重畳させたものとし、更に感光体1のプロセススピード(周速)50mm/sに対し、現像スリーブ2の周速を70mm/sとし、スリーブ3と感光体1との間の空隙を約250μmに設定した。
【0041】
この条件で、ゴム硬度の異なる各ローラごとに約2000枚の複写動作を行なった結果を、表1に示す。表1において、2000枚時のカブリがトナー6の劣化によるものか、現像スリーブ3への低分子量成分の付着によるものかは、2000枚後に現像スリーブ3をMEKで清掃した後に画出しを行ない、カブリが相変わらず発生しているものは、トナー6の劣化と判断し、カブリが消えたものは、現像スリーブ3への発泡体ゴム低分子量成分の付着(汚染)と判断した。
【0042】
【表1】
Figure 0003673678
表1を見れば明らかなように、ゴム硬度5°(アスカーC)の発泡体を使用すると、現像スリーブ2上へゴムの低分子量成分が付着し、カブリを引き起こし、ゴム硬度20°(アスカーC)の発泡体を使用すると、トナー6への当接圧が過大となり、トナーの耐久劣化を招き、カブリが発生し、好ましくなかった。
【0043】
従って、供給ローラ6を形成する単泡性の発泡体ゴムのゴム硬度の使用可能範囲は、6°〜17°(アスカーC)であり、最適範囲は、8°〜15°(アスカーC)であり、この範囲内においてはゴムの低分子量成分の付着やトナーの劣化によるカブリの発生が全く生じず、現像スリーブ2上のトナー6の供給及び、未現像トナー6の剥ぎ取りを安定して良好に行ない、感光体1上の静電潜像に忠実な画像を得ることができる。
【0044】
実施例2
図2は、本発明の他の実施例に係る現像装置を示す。本実施例においては、感光体1としてフレキシブルなベルト感光体を用いたものであり、現像スリーブ2をベルト感光体1に接触させている。このベルト感光体1は、表層にアルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレート(商品名マイラー)等のベルト基層の表面に例えばOPC感光層を形成したものであり、矢印a方向に移動駆動される。本実施例においてベルト感光体1の周速は約50mm/sであり、現像スリーブ2はこれより速く、周速約100mm/sとし、ベルト感光体1との相対速度をもって現像スリーブ2上のトナー薄層を摺擦させ、両面の当接部分においても、トナー6へのトリボ付与を積極的に行なっている。
【0045】
本実施例にて、現像スリーブ2へ印加するバイアスは、DC(直流)成分のみとし、ベルト感光体1との電位差により現像を行なう。
【0046】
又、本実施例においては、現像スリーブ2とベルト感光体1とが接触する構成となっているため、供給ローラ6として用いる単泡性の発泡体のゴム硬度の使用可能範囲は、狭まると予想され、以下の実験を行なった。
【0047】
実施例1の場合と同じようにシリコンゴム発泡体のゴム硬度を5°、6°、8°、15°、17°、20°(アスカーC)と変えたものを用い、画像形成を行なったところ、低硬度であるゴム硬度5°、6°の発泡体を用いると、現像スリーブ2へゴムの低分子量成分が付着し、更に感光体1上へ移るために感光体1上の潜像が乱れたり、感光体1上の感光層が汚染し、ひび割れを生じる等のカブリ以外の新たな弊害が発生した。
【0048】
又、ゴム硬度17°、20°(アスカーC)の発泡体を用いると、現像スリーブ2上のトナー6への摺擦が供給ローラ6の他に感光体1からも加わるため、トナーの劣化も激しく、現像スリーブ2上へのトナー融着も発生する結果を招いた。
【0049】
このように感光体1と現像スリーブ2とが接触する構成をとった場合は、特に、発泡体のゴム硬度を最適範囲内に収めることが必要となる。
【0050】
本実施例においては、前記結果から供給ローラ6を形成する発泡体のゴム硬度の使用可能範囲は、8°〜15°(アスカーC)であり、実際に、実施例1の感光体1と現像スリーブ2とが非接触である場合の使用可能範囲6°〜17°(アスカーC)(最適範囲は8°〜15°)に比べ狭くなっている。
【0051】
なお、本発明は、実施例1、2においては非磁性トナーを用いたが、現像スリーブ2内にマグネットを設け、磁性トナーを用いた一成分現像装置に対しても、適用可能であり、その他本発明の範囲内で種々変更は可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る現像装置は、現像剤担持部材と接触し現像剤担持部材に現像剤を供給する現像剤供給手段は、その表面に単泡性の発泡体ゴムを備え、この単泡性の発泡体ゴムは、調製工程で残るゴムの低分子量成分を含有するとともに、そのゴム硬度は、8°〜15°(アスカーC)である構成とされるので、現像剤の擦り過ぎを防止し現像剤の劣化を抑えられ、且つゴムの低分子量成分の滲みが少なく適正なトリボを与えることができる。従って、良好な画像を長期間安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像装置の一実施例の断面図である。
【図2】本発明に係る現像装置の他の実施例の断面図である。
【図3】従来の現像装置の断面図である。
【図4】従来の現像装置の断面図である。
【符号の説明】
1 像担持体(感光体)
2 現像剤担持部材(現像ローラ)
3 弾性規制部材(弾性ブレード)
5 現像容器
6 現像剤供給手段

Claims (5)

  1. 像担持体と対向する部位に開口部を有し、現像剤を収容する現像容器と、潜像を担持する前記像担持体へ前記開口部にて現像剤を供給する現像部を形成すると共に、前記現像容器から現像剤を前記現像部に担持し搬送する現像剤担持部材と、表面に単泡性の発泡体ゴムを備えており前記現像剤担持部材と接触し前記現像剤担持部材に現像剤を供給する現像剤供給手段と、を有する現像装置において、
    前記単泡性の発泡体ゴムは、調製工程で残るゴムの低分子量成分を含有するとともに、そのゴム硬度は、8°〜15°(アスカーC)であることを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤供給手段は、回動することにより前記現像剤担持部材へ前記現像剤を供給することを特徴とする請求項1の現像装置。
  3. 前記現像剤供給手段は、前記現像剤担持部材へ現像剤を供給するとともに前記現像剤担持部材から現像剤を剥ぎ取ることを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
  4. 前記現像剤担持部材の回転方向において、前記現像剤供給手段の下流側で前記現像部の上流側に設けられ、前記現像剤担持部材上の現像剤の層の厚さを規制する規制部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの現像装置。
  5. 前記現像剤は、一成分現像剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの現像装置。
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