JP3673530B2

JP3673530B2 - 粉状ゴキブリ防除剤

Info

Publication number: JP3673530B2
Application number: JP03583394A
Authority: JP
Inventors: 達哉森; 雅代菅野
Original assignee: Sumitomo Chemical Co Ltd
Current assignee: Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date: 1994-03-07
Filing date: 1994-03-07
Publication date: 2005-07-20
Anticipated expiration: 2020-07-20
Also published as: JPH07242503A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、ゴキブリ防除剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来ゴキブリ防除剤としてはエアゾールがよく用いられているが、ゴキブリに直接噴霧する場合はともかく、ゴキブリの通り道に噴霧して通過したゴキブリを駆除する方法においては必ずしも充分な効果を挙げているとは言えなかった。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、３−フェノキシベンジルクリサンテメート、Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドおよび粒径が５０μｍ以下の粒子が９０重量％以上を占めるタルクから実質的になる組成を有し、３−フェノキシベンジルクリサンテメートとＮ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドとの重量比が１：１〜１：６の範囲内である粉状ゴキブリ防除剤を提供するものである。
【０００４】
本発明において用いられる３−フェノキシベンジルクリサンテメートには不斉炭素に基づく立体異性体が存在し、本発明においては活性な任意の異性体および該混合物が使用できる。３−フェノキシベンジルクリサンテメートの活性な異性体としては、例えば３−フェノキシベンジル１Ｒ−シス，トランス−クリサンテメート（ｄ−フェノトリン、住友化学工業株式会社製）が挙げられる。
【０００５】
３−フェノキシベンジルクリサンテメートとＮ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドとの量比は、重量比で１：１〜１：６の範囲内のときにゴキブリに対する防除効力が相乗的に優れるが、特に該重量比が１：２〜１：４の範囲内のときが極めて効果的である。
また、３−フェノキシベンジルクリサンテメートおよびＮ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドの本発明の粉状ゴキブリ防除剤中の含有量は、各々通常 0.1〜1.0 重量％および 0.2〜4.0 重量％程度である。
【０００６】
タルクは、粒径が５０μｍ以下の粒子、通常０．１〜５０μｍの範囲内の粒径を有する粒子が９０重量％以上、好ましくは９５重量％以上を占めるものであり、こうした特定の微粒子を用いることにより、本発明の粉状ゴキブリ防除剤をゴキブリの通り道に処理して通過したゴキブリを駆除する方法において、極めて有効に活用することができる。
【０００７】
本発明の粉状ゴキブリ防除剤は、３−フェノキシベンジルクリサンテメート、Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドおよびタルクから実質的になるものであるが、製剤用の補助剤として通常用いられるＢＨＴ等の安定化剤、色素などを少量、より具体的には本発明の粉状ゴキブリ防除剤全重量に対して１０重量％以下程度含有してもよい。
【０００８】
本発明の粉状ゴキブリ防除剤は、ゴキブリの通り道に処理して通過したゴキブリを駆除するために使用する上で特に有効であり、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ、クロゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等種々のゴキブリ防除に用いられる。本発明の粉状ゴキブリ防除剤の処理量は、一般に３−フェノキシベンジルクリサンテメートとＮ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドとの合計量で５〜５０ｇ／ｍ²程度である。
【０００９】
【実施例】
次に、本発明を実施例にてより具体的に説明する。
まず、本発明の粉状ゴキブリ防除剤の製造例を示す。尚、以下の例において部は重量部を表わす。
製造例１
ｄ−フェノトリン 0.3部、Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミド 0.6部およびタルク99.1部をよく粉砕混合して粉剤を得る。得られる粉剤は、粒径が５０μｍ以下の粒子を９５重量％以上含むものである。
【００１０】
製造例２
ｄ−フェノトリン 0.3部、Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミド 0.9部およびタルク98.8部をよく粉砕混合して粉剤を得る。得られる粉剤は、粒径が５０μｍ以下の粒子を９５重量％以上含むものである。
【００１１】
製造例３
ｄ−フェノトリン 0.3部、Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミド 1.2部およびタルク98.5部をよく粉砕混合して粉剤を得る。得られる粉剤は、粒径が５０μｍ以下の粒子を９５重量％以上含むものである。
【００１２】
次に試験例を示す。
試験例において比較参考のために供試した製剤は、以下の参考例にしたがって製造されたものである。
参考例１
ｄ−フェノトリン 0.3部およびタルク99.7部をよく粉砕混合して粉剤を得る。得られる粉剤は、粒径が５０μｍ以下の粒子を９５重量％以上含むものである。参考例２
Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミド 1.2部およびタルク98.8部をよく粉砕混合して粉剤を得る。得られる粉剤は、粒径が５０μｍ以下の粒子を９５重量％以上含むものである。
【００１３】
参考例３
ｄ−フェノトリン５部、Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミド１５部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル１４部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム６部およびケロシン６０部をよく混合して乳剤を得る。
【００１４】
試験例
15cm×15cmのベニヤ板上に、直径12.5cm、高さ5cmのプラスチック製リングを置き、該リング内に上記製造例１〜３および参考例１〜３にしたがって得られた製剤の下記表中に示される薬量を均一に処理し、次いでチャバネゴキブリ雄雌各5頭を放し、30分後にチャバネゴキブリを回収して餌と水とを与え、3日後に死虫率を調査した。
また、上記と同様に薬剤処理して室温で２週間または３週間保管した後、チャバネゴキブリを用いた同様の試験も行った。結果を表１に示す。
【００１５】
【表１】

^*1 有効成分量は、ｄ−フェノトリンとＮ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドとの１ｍ²当たりの処理量（mg）を示す。
【００１６】
表１に示されるように、参考例３で得られる通常の乳剤に比べて本発明の製剤の極めて優れた効果が認められる。また、参考例１のｄ−フェノトリンのみを有効成分として含むものでは、残効性が充分ではないため、薬剤処理後長時間経過した後で通過するゴキブリの駆除に対してはあまり効果的ではない。
【００１７】
【発明の効果】
本発明の粉状ゴキブリ防除剤は優れたゴキブリ防除効力を有し、特にゴキブリの通り道に処理して通過したゴキブリを駆除するために用いるのに適した粉剤である。

Claims

３−フェノキシベンジルクリサンテメート、Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドおよび粒径が５０μｍ以下の粒子が９０重量％以上を占めるタルクから実質的になる組成を有し、３−フェノキシベンジルクリサンテメートとＮ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドとの重量比が１：１〜１：６の範囲内であることを特徴とする粉状ゴキブリ防除剤。
３−フェノキシベンジルクリサンテメート、Ｎ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドおよび粒径が５０μｍ以下の粒子が９０重量％以上を占めるタルクから実質的になる組成を有し、３−フェノキシベンジルクリサンテメートとＮ−（２−エチルヘキシル）ビシクロ［２．２．１］ヘプト−５−エン−２，３−ジカルボキシイミドとの重量比が１：１〜１：６の範囲内である粉状ゴキブリ防除剤を、ゴキブリの通り道に処理して通過したゴキブリを駆除する方法。