JP4114115B2 - 屋内塵性ダニ防除組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はダニ防除組成物、特には屋内塵性ダニの防除に好適な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋内塵性ダニ類は、アレルギー性喘息、小児喘息、アトピー性皮膚炎等の原因と言われており、また刺咬、吸血による各種皮膚炎、さらには疥癬症の原因となっている。
また、これらのダニ類は異常発生による不快感や食品類の品質の劣化等の被害ももたらす。これらのダニ類の蔓延は、人類の衛生的、健康的な生活維持を脅かし、著しく阻害するものである。
従来、家屋内に発生するダニの防除薬剤として、DDVP、フェニトロチオンなどの有機リン系殺虫剤やフェノトリン、ペルメトリンなどのピレスロイド系殺虫剤、メトキサジアゾン、ジエチルトルアミドなどが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
屋内塵性ダニ類を駆除するためには、居住空間に薬剤を散布する必要があるものの、安全性の点から薬剤の散布は少量にすべきではあるが、前記のような薬剤単剤ではかなり多量に散布しないと有効性が確保できなかった。このような問題は屋内塵性ダニ類が好む畳や絨毯の内部を処理しようとする時に、これらの内部は薬剤が浸透しにくいために、更に助長される。
一方、これらの問題に対処するため、例えば、特開平5−229909公報ではフェノトリン、パースメスリン、3′−フェノキシベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラートの1種または2種と共力剤または害虫忌避剤を加えることによって、相乗作用により薬剤量を減量させる方法を提案している。しかし、フェノトリン、パースメスリン、3′−フェノキシベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラートの活性は弱く、共力剤、害虫忌避剤を加えたとしても、十分薬量が減らせるとは言えなかった。
また、特開平5−262604号公報ではメトキサジアゾンと安息香酸ベンジルを配合することを特徴とする屋内塵性ダニ防除剤を提案しているが、これもメトキサジアゾンの基礎活性が低く、安息香酸ベンジルを加えたとしても、十分薬量が減らせるとは言えなかった。
本発明は、上記のような問題を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明では、α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートと安息香酸ベンジルを配合し、屋内塵性ダニ防除組成物とする。
【0005】
【作用】
本発明者の研究によれば、上記したような従来技術の問題点はα−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートと安息香酸ベンジルをともに含有させることにより、相乗的に殺ダニ効果が高まることを見出し、その結果に基づき本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は有効成分としてα−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートと安息香酸ベンジルとの配合割合を重量比で2:1〜20:1、より望ましくは10:1〜15:1とする。
【0007】
本発明の屋内塵性ダニ防除組成物はケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、クワガタツメダニ、フトツメダニ、ホソツメダニ、ミナミツメダニ、ホコリダニ、ササラダニ等の屋内塵性ダニ類に対し強力に作用する。
また、本発明の屋内塵性ダニ防除剤は必要に応じて、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、フェノトリン、フラメトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、トラロメスリン、エンペントリン、エトフェンプロックス、トランスフルスリンなどのピレスロイド系の化合物、DDVP、フェニチオン、フェニトロチオン、テメホス、ホキシム、アセフェート、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、エトリムホス、マラチオン、プロチオホス、プロペタンホス、ピラクロホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチルなどの有機リン系殺虫剤、NAC、ベンチオカルブ、プロポクスルなどのカーバメイト系殺虫剤、ジフルベンズロン、ブプロフェジンなどのキチン合成阻害剤、ピリプロキシフェンなどの幼若ホルモン様物質、デヒドロ酢酸ナトリウム等の殺菌剤などの薬剤と混合して使用することもできる。
【0008】
また、本発明の屋内塵性ダニ防除組成物は、α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートと共力剤および/または害虫忌避剤を1種以上を含有されていればよく、一般に屋内塵性ダニ用の殺ダニ剤を製造する際に使用可能な固体状、液体状、気体状の各種担体および製造補助剤などを適宜混合して利用可能である。具体的には、油剤、乳剤、水和剤、粉剤、粒剤、燻蒸剤、燻煙剤、エアゾール剤、シート剤等があげられる。
【0009】
【実施例および試験例】
以下、実施例および試験例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではないことは云うまでもない。
【0010】
試験例1
α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマート(以後化合物Aと略す)と各種共力剤、害虫忌避剤を1:10になるように混合して溶解させ、化合物Aを0.5%を含有する油剤形態の殺ダニ剤をそれぞれ調製し、この油剤の一部をとってアセトンで希釈し、直径9cmの東洋ろ紙5Aに化合物Aが0.01g/m2となるように、均一に塗布した。また、比較例として、各種共力剤、害虫忌避剤のみの製剤を調製し、0.1g/m2となるように均一に塗布した。アセトンを乾燥させた後、ろ紙を二つに折り、約50匹のケナガコナダニないしコナヒョウヒダニを中に入れて三辺をクリップで止め、強制的に接触させ、24時間後の供試虫の死亡率を調査した。その結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
表1に示したように、α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートと共力剤、害虫忌避剤を配合した製剤は各原体単剤よりも高い効果をしめした。特にMGK−264、IBTA、S−421、安息香酸ベンジルを配合した例では高い相乗作用が認められた。
【0013】
試験例2
化合物Aと安息香酸ベンジルおよび対照薬剤として各種薬剤を白灯油に溶解させ、原体として0.5%を含有する油剤形態の殺ダニ剤をそれぞれ調製し、この油剤の一部をとってアセトンで希釈し、直径9cmの東洋ろ紙5Aに所定の薬量が均一に付着するように塗布した。乾燥した後、ろ紙を二つに折り、約50匹のケナガコナダニないしコナヒョウヒダニを中に入れて三辺をクリップで止め、強制的に接触させ、24時間後の供試虫の死亡率を調査した。その結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】
表2に示したように、安息香酸ベンジルおよびα−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートを混合することにより、相乗効果が認められ、その効果は特に重量比で2:1〜20:1のところで顕著であった。また、従来技術のものよりも少量で有効であることが示された。
【0016】
実施例13
100ml容耐圧容器内に、安息香酸ベンジル3g、α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマート0.5gおよびエタノール30mlを入れ、LPGを加えて合計で100mlになるように充填したエアゾール剤を調製した。
また、同様に安息香酸ベンジル3gのみを配合した製剤(比較例14)、α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートのみを配合した製剤(比較例15)も調製した。
【0017】
実施例14
安息香酸ベンジル10%、α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマート3%、低級ニトロセルロース32%、カルボキシメチルセルロース5%、鉱物質微粉末50%に水を加えて練合し、造粒したのち容器に30gを充填して、燻煙剤を調製した。
【0018】
試験例3
12畳の部屋の四隅に直径9cmの東洋ろ紙5Aを設置し、実施例13および14で調製した製剤を中央で全量を処理した。処理3時間経過後、設置したろ紙を二つに折り、約50匹のケナガコナダニないしコナヒョウヒダニを中に入れて三辺をクリップで止め、強制的に接触させ、24時間後の供試虫の死亡率を調査した。その結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】
表2に示したように、安息香酸ベンジルとα−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートの混合製剤は高い相乗効果を示した。
Claims (2)
- α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートと安息香酸ベンジルを配合することを特徴とする屋内塵性ダニ防除組成物。
- 安息香酸ベンジルとα−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマートとの配合割合が重量比で2:1〜20:1の範囲であることを特徴とする請求項1記載の屋内塵性ダニ防除組成物。
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JP35121398A JP4114115B2 (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 屋内塵性ダニ防除組成物 |
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JP35121398A Expired - Lifetime JP4114115B2 (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 屋内塵性ダニ防除組成物 |
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-
1998
- 1998-12-10 JP JP35121398A patent/JP4114115B2/ja not_active Expired - Lifetime
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