JP3673095B2 - 配管布設用治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、地中に埋設される地中埋設箱と、その地中埋設箱間を連結する外筒とにより構成される地中埋設路内に、配管を挿通する際に使用される配管布設用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、地中に埋設される複数のマンホール、ハンドホール等の地中埋設箱間は外筒により連結され、複数の地中埋設箱内とそれらを連結した外筒とにより地中埋設路が構成されている。その地中埋設路内には、光ファイバーケーブル等の配線が布設され、その配線は鞘管等の配管により保護されている。地中埋設路内に配管を布設するときは、まず、引き込みロープを一方の地中埋設箱側から外筒内に投入する。そして、その引き込みロープを外筒内を通過させ、他方の地中埋設箱側へ送り出す。
【0003】
次いで、他方の地中埋設箱に形成された上部開口から作業者が地中埋設箱内に入り、複数本の配管の端部を地中埋設箱内に一度に引き込み、前記引き込みロープに配管の端部を連結する。そして、前記一方の地中埋設箱側から引き込みロープを引き戻すことにより、配管が外筒内に布設される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、配管は地中埋設箱の上部開口から地中埋設箱内へ導入された後、屈曲した状態で外筒内に引き込まれるため、引き込みロープを引き戻すとき、垂れ下がって挫屈したり、地中埋設箱の上部開口周縁や外筒の開口縁に摺接したりする。そのため、配管が破損したり傷が付いたりするという問題があった。また、一度に複数本の配管が地中埋設箱内に引き込まれるため、配管布設作業時、それらの配管が上部開口を塞ぎ、地中埋設箱内に入った作業者は作業終了まで外に出られないという問題があった。
【0005】
この発明は、このような従来技術に存在する問題に着目してなされたものである。その目的とするところは、配管の引き込み時における配管の損傷や挫屈を防止して配管布設作業を容易に行うことができ、かつ、作業者が地中埋設箱内に入ったままにならずに配管の布設作業を行うことができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、地中に埋設され地上と連通する上部開口を有するとともに、側壁に貫通部を有する地中埋設箱と、前記地中埋設箱の貫通部と連通して複数の地中埋設箱を連結する外筒とにより地中埋設路を構成し、その地中埋設路内に配管を挿通するために投入側の地中埋設箱の貫通部内に配設される配管布設用治具であって、前記配管が摺接案内される所定長さの案内体を有し、同案内体の下端部には、案内体を外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部に接続可能な接続部を設け、同接続部を、外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部に嵌入可能な筒部と、地中埋設箱の側壁に当接係止する係止部とにより構成し、該筒部は、外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部に嵌入しやすいように接続先端上部側が切り欠かれて構成され、前記接続部を外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部に連通するように配設した状態において、その案内体は長さ方向における少なくとも下端部の近傍が地中埋設箱の上部開口方向へ弧状に湾曲した状態となるものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記案内体は線状材及び板状材の少なくとも一種より形成される枠状体である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記案内体は、その下端部が外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部と連通した状態において、上端部が地中埋設箱の上部開口に臨むように、又は地中埋設箱の上部開口から地上へ突出するように湾曲形成されているものである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記案内体の湾曲部分の内径側は、同案内体の上端部側が切り欠かれているものである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記係止部は前記板状材に接合して前記案内体と一体化されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図2に示すように、マンホール、ハンドホール等の地中埋設箱11はコンクリートにより四角箱状に形成され、その上面には上部開口12が形成されている。また、地中埋設箱11の一対の側壁の対向する位置にはそれぞれ貫通部としての円形状の貫通孔13が側壁を貫通して形成されている。そして、地盤を所定深さ掘り下げ、そこに地中埋設箱11が配設される。
【0012】
外筒14はコンクリート又は塩化ビニールにより筒状に形成され、その外径は前記地中埋設箱11の貫通孔13の内径と対応するようになっている。また、外筒14内には複数本の配管としての鞘管15を挿入することができるようになっている。そして、地中埋設箱11の貫通孔13に外筒14の端部を嵌入することにより、外筒14を地中埋設箱11に接続することができるようになっている。その結果、複数の地中埋設箱11と、それらを連結した外筒14とにより地中埋設路16が構成される。なお、配管としての合成樹脂製の鞘管15は筒状に形成され、その内部に光ファイバー等の配線を挿通して保護するようになっている。
【0013】
図1に示すように、配管布設用治具17は金属材料又は合成樹脂材料等により円弧状に形成された案内体としての枠状体18と、金属材料又は合成樹脂材料等によりほぼ筒状に形成され、枠状体18の下端に接合された接続部としての接続筒19とによりほぼJ字状に湾曲形成されている。
【0014】
枠状体18の下端側は、やや円弧状をなす複数本の線状材20を円環状に束ねて円筒状に形成されている。枠状体18の下端部及びそれよりやや内方位置の線状材20の外面は円環状の第1補強板21及び第2補強板22の内周縁に接合され、線状材20を円筒状に固定している。前記第1補強板21の外径は貫通孔13の内径より大きくなっている。
【0015】
第2補強板22より上端側は、円弧状をなす線状材20を半円環状に束ねて半筒状に形成されている。第2補強板22より枠状体18の上端部側及び枠状体18の上端部の線状材20は、半円環状の第3補強板23及び第4補強板24の内周縁に接合されている。その結果、第2補強板22より上端側の線状材20を半筒状に固定している。従って、枠状体18は複数本の線状材20によりその長さ方向へ円弧状に湾曲形成され、その内面側に鞘管15を挿通可能な案内路25が形成される。このとき、湾曲部分の内径側は上端部側へ切り欠かれた状態となっている。
【0016】
接続筒19は筒状の筒部19bと、その筒部19bの基端部において筒部19bに対して直交するように折り曲げ形成される係止部としてのフランジ部19aとより構成されている。フランジ部19aの外径は前記第1補強板21の外径に対応している。そして、フランジ部19aの内端面を第1補強板21に接合して枠状体18と一体化されている。接続筒19の筒部19bの外径は前記外筒14の内径と対応するように形成され、前記筒部19bを外筒14内に嵌入することにより、配管布設用治具17を外筒14に接続することができるようになっている。接続筒19の筒部19bの先端部から基端部方向へは切り欠き部27が形成されている。そのため、筒部19bを外筒14内に嵌入しやすくなっている。
【0017】
そして、図3に示すように、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設したとき、配管布設用治具17の上端は地中埋設箱11の上部開口12に臨むように位置する。その結果、地中埋設箱11に接続された外筒14と上部開口12とは配管布設用治具17の案内路25を介して連通されるようになる。
【0018】
次に、配管布設用治具17の使用方法及びその作用を説明する。
まず、図2に示すように、引き込みロープ28を一方(図2においては左方)の地中埋設箱11a側から外筒14内に投入する。そして、その引き込みロープ28を外筒14内を通過させ、他方(図2においては右方)の地中埋設箱11b側へ送り出す。さらに、引き込みロープ28を右方の地中埋設箱11bの上部開口12から地上へ引き出す。
【0019】
次いで、図3に示すように、引き込みロープ28を接続筒19側から挿通し、枠状体18を通過させて配管布設用治具17内に挿通させる。そして、配管布設用治具17の上端部が右方の地中埋設箱11bの上部開口12に臨むように地中埋設箱11b内に配置し、接続筒19の筒部19bを地中埋設箱11bの貫通孔13に接続された外筒14内に嵌入係止する。さらに、接続筒19のフランジ部19aの外端面を地中埋設箱11bの内壁に当接させて配管布設用治具17を地中埋設箱11b内に配設する。
【0020】
このとき、接続筒19の筒部19bの先端部は切り欠き部27により切り欠かれているため、筒部19bを外筒14内に容易に嵌入することができる。また、筒部19bはフランジ部19a及び第1補強板21に対して直交するように形成されているため、フランジ部19aの外端面が地中埋設箱11bの内壁に当接する。そのため、枠状体18が外筒14内奥部に必要以上に入り込むのを防止して、配管布設用治具17を所定位置に配設することができる。
【0021】
さらに、枠状体18の第2補強板22より上端側の湾曲部分の内径側は切り欠かれた状態になっている。そのため、枠状体18の湾曲部分の内径側が上部開口12の下端縁に当たるのを防止して、配管布設用治具17を円滑に地中埋設箱11b内に配設することができる。その結果、配管布設用治具17の円弧状に延びる案内路25を介して外筒14と上部開口12とが連通される。
【0022】
続いて、図4に示すように、地上に引き出された引き込みロープ28の先端に鞘管15を連結し、左方の地中埋設箱11a側から引き込みロープ28を図示されないウィンチ等により引き戻す。すると、鞘管15は円弧状に延びる案内路25上を配管布設用治具17の上端側から下端側方向へ摺接案内され、外筒14内へ引き込まれる。このとき、案内路25は円弧状に延びているため、鞘管15が外筒14内へ屈曲した状態で引き込まれ、垂れ下がって挫屈するのを防止することができる。そのため、鞘管15を外筒14内へ円滑に引き込ませることができ、配管布設作業を容易に行うことができる。
【0023】
そして、引き込みロープ28を左方の地中埋設箱11aに引き戻すことにより鞘管15を外筒14内に挿通させることができる。
以上のように、第1実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
【0024】
(1) この実施形態の配管布設用治具17によれば、配管布設用治具17の接続筒19の筒部19bを外筒14に嵌入係止して地中埋設箱11内に配設したとき、枠状体18はその他端が地中埋設箱11の上部開口12に連通するように円弧状に湾曲形成されている。そして、枠状体18の内面側に形成される円弧状に延びる案内路25を介して、外筒14と上部開口12とが連通される。そのため、鞘管15を案内路25に案内させて外筒14内に引き込むことにより鞘管15が挫屈するのを防止することができる。その結果、鞘管15を外筒14内へ円滑に引き込ませることができ、配管布設作業を容易に行うことができる。また、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設して配管布設作業を行うため、鞘管15を外筒14内へ引き込む際には、作業者が地中埋設箱11内に入ることなく作業を行うことができる。
【0025】
(2) 第1実施形態の配管布設用治具17によれば、枠状体18は複数本の線状材20と第1補強板21、第2補強板22、第3補強板23及び第4補強板24を組み付けて構成されている。そのため、配管布設用治具17の軽量化を図ることができ、その運搬や施工時における労力を低減させることができる。
【0026】
(3) 第1実施形態の配管布設用治具17によれば、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設したとき、その上端は地中埋設箱11の上部開口12に臨むようになっている。そのため、鞘管15を配管布設用治具17の案内路25に容易に載せることができ、上部開口12と配管布設用治具17の上端との間から鞘管15が垂れ下がって挫屈するのを防止して、配管布設作業を容易に行うことができる。
【0027】
(4) 第1実施形態の配管布設用治具17によれば、配管布設用治具17の下端には外筒14に接続可能な接続部としての接続筒19が設けられている。そのため、接続筒19を外筒14に接続することにより、配管布設用治具17を地中埋設箱11の所定位置に確実に配設することができる。
【0028】
(5) 第1実施形態の配管布設用治具17によれば、配管布設用治具17の下端には接続筒19が接合され、その筒部19bの外径は外筒14の内径に対応している。そのため、接続筒19の筒部19bを外筒14内に嵌入することにより、配管布設用治具17を地中埋設箱11に容易に接続することができる。
【0029】
(6) 第1実施形態の配管布設用治具17によれば、接続筒19の筒部19bの先端部は切り欠き部27により切り欠かれているため、接続作業時に筒部19bの先端部が外筒14の内周縁に当たるのを防止して外筒14内に容易に嵌入することができる。
【0030】
(7) 第1実施形態の配管布設用治具17によれば、接続筒19の筒部19bはフランジ部19a及び第1補強板21に対して直交するように形成されるとともに、フランジ部19aの外径は貫通孔13の内径より大きく形成されている。そのため、接続筒19の筒部19bを外筒14内に嵌入係止して配管布設用治具17を配設したとき、フランジ部19aの外端面が地中埋設箱11の内壁に当接する。従って、枠状体18が外筒14内奥部に必要以上に入り込むのを防止して、配管布設用治具17を所定位置に配設することができる。
【0031】
(8) 第1実施形態の配管布設用治具17によれば、枠状体18の第2補強板22より上端側の湾曲部分の内径側は切り欠かれて半筒状に形成されている。そのため、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設するとき、枠状体18の湾曲部分の内径側が地中埋設箱11の上部開口12の下端縁に当たるのを防止して、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に円滑に配設することができる。
【0032】
(第2実施形態)
この第2実施形態では上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図5に示すように、第2実施形態の配管布設用治具17の案内体としての枠状体18は、第1実施形態よりも長い円弧状をなす線状材20を円環状に束ねてほぼ円筒状に形成されている。また、ほぼ円筒状に形成された線状材20は所定間隔をおいて配置された6枚の円環状の補強板30の内周縁に接合されて固定されている。そして、枠状体18はほぼU字状に形成され、その湾曲具合は第1実施形態の場合より大きくなっている。
【0033】
図6に示すように、第2実施形態の配管布設用治具17の接続筒19の筒部19bを外筒14内に嵌入係止して、地中埋設箱11内に配設した場合、枠状体18の上端は地中埋設箱11の上部開口12より突出するようになっている。
【0034】
即ち、第2実施形態の配管布設用治具17は、長さ方向全体が円筒状に形成され、地中埋設箱11内に配設したとき、枠状体18の上端は地中埋設箱11の上部開口12より地上に突出するようになっている。そのため、案内路25内に鞘管15を載せ外筒14内に引き込んだとき、鞘管15の外面は枠状体18に保護される。従って、鞘管15が上部開口12の開口縁又は下端縁に摺接するのを防止して、鞘管15が損傷するのを防止することができる。
【0035】
又、図6に示すように、U字状の配管布設用治具17はJ字状だった前記第1実施形態の場合と異なり、上端部と下端部が同じ方向に位置する。そのため、地中埋設箱11の近くに壁29があって、鞘管15の導出方向が制約を受ける場合にも対処することができる。
【0036】
尚、前記実施形態は次のように変更して具体化することも可能である。
・ 各実施形態において、図7に示すように、所定長さを有し、円筒状に形成された可撓性を有する案内管31の内側に鞘管15を挿通させる。次いで、他方の地中埋設箱11bの上部開口12近傍に足場32を載置固定し、前記鞘管15が挿通された案内管31の一端部を足場32に固定する。そして、鞘管15を配管布設用治具17の案内路25上を、案内管31内を介して案内させ、外筒14内に鞘管15を布設してもよい。
【0037】
このように構成した場合、まず、配管布設用治具17内に鞘管15が挿通された案内管31の他端部側を挿通する。次に、地上に引き出された引き込みロープ28の先端に鞘管15を連結し、図示されない一方の地中埋設箱11a方向へウィンチ等により引き戻す。すると、鞘管15の移動に伴い、同鞘管15を挿通した案内管31及び同案内管31を挿通した配管布設用治具17が地中埋設箱11b内に引き込まれ、接続筒19の筒部19bが外筒14内に嵌入係止される。
【0038】
その状態において、配管布設用治具17は、その上端部が地中埋設箱11bの上部開口12に臨むように地中埋設箱11b内に配設されるとともに、鞘管15が挿通された案内管31は円弧状に延びる案内路25上を介して外筒14内へ引き込まれる。このとき、案内管31は所定長さを有しているとともに、一端が足場32に固定されているため、案内管31の他端は他方の地中埋設箱11bに接続された外筒14の開口よりやや内奥部に位置する。さらに、引き込みロープ28を一方の地中埋設箱11a方向へ引き戻すと案内管31はそれ以上引き込まれず鞘管15だけが案内管31内を介して外筒14内へ引き込まれ、一方の地中埋設箱11a方向へ引き戻される。その結果、外筒14内に鞘管15を布設することができる。
【0039】
従って、案内管31を円弧状に延びる案内路25に案内させて外筒14内に引き込むことにより案内管31が挫屈するのを防止することができる。その結果、案内管31内を通過して外筒14内に引き込まれる鞘管15が挫屈するのを確実に防止することができる。さらに、鞘管15は上部開口12の開口縁、配管布設用治具17の案内路25上及び外筒14の開口縁に摺接するのを防止して鞘管15の外面が損傷するのをより一層防止することができる。
【0040】
・ 配管布設用治具17を光ファイバーケーブル等の配線を外筒14内に布設する際に使用してもよい。このようにした場合も、円弧状に延びる案内路25により配線を外筒14内に円滑に引き込ませることができ、その作業を容易に行うことができる。
【0041】
・ 第1実施形態において、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設した場合、枠状体18の下端部の近傍のみを地中埋設箱11の上部開口12方向へ湾曲形成し、その湾曲部分から上端部側を地中埋設箱11の上部開口12に臨むように直線的に形成してもよい。このように構成した場合も、外筒14と地中埋設箱11の上部開口12を連通する案内路25を構成することができ、鞘管15を外筒14内へ容易に案内することができる。
【0042】
・ 各実施形態において、枠状体18を合成樹脂板、金属板等により円弧状に延びる断面が筒状、U字状、チャンネル状、V字状等の案内体に形成してもよい。このように構成した場合も、内面側に案内路25を構成することができ、鞘管15を外筒14内へ容易に案内することができる。
【0043】
・ 第1実施形態において、第2補強板22より上端側を円筒状に形成してもよい。このように構成した場合も、前記(1)〜(7)と同様の効果を奏し得る。
【0044】
・ 各実施形態において、複数本の線状材20を円環状又は半円環状に束ねて枠状に形成し、別体の線状材20を接合してその形状を固定してもよい。このように構成した場合、配管布設用治具17の軽量化を図ることができる。
【0045】
・ 各実施形態において、接続筒19の筒部19bの先端部の切り欠き部27を省略して筒状に形成してもよい。このように構成した場合も、接続筒19の筒部19bを外筒14内に嵌入することにより、配管布設用治具17を地中埋設箱11に接続することができる。
【0046】
・ 第1実施形態において、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設したとき、枠状体18の第2補強板22より上端側が地中埋設箱11の上部開口12の下端縁に当接しないようにテーパ状に形成してもよい。このように構成した場合、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設したとき、枠状体18の第2補強板22より上端側が地中埋設箱11の上部開口12の下端縁に当接するのを防止して、円滑に地中埋設箱11内に配設することができる。
【0047】
・ 第1実施形態の配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設したとき、その上端が地中埋設箱11の上部開口12より突出するように延長形成してもよい。このように構成した場合、配管布設用治具17の案内路25に鞘管15を容易に載せることができる。
【0048】
・ 各実施形態において、接続筒19を省略し、第1補強板21にボルト孔を形成する。さらに、地中埋設箱11の内壁に前記ボルト孔に対応する孔を形成する。そして、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設し、第1補強板21のボルト孔と地中埋設箱11の孔とを対応させるとともに、ボルトを挿通して配管布設用治具17を地中埋設箱11に固定してもよい。このように構成した場合も、配管布設用治具17を地中埋設箱11内に配設することができ、鞘管15を案内路25により案内して、外筒14内に鞘管15を布設することができる。また、鞘管15を外筒14内へ引き込む際には、作業者が地中埋設箱11内に入ることなく作業を行うことができる。
【0049】
・ 各実施形態において、接続筒19のフランジ部19aを省略して、接続筒19の筒部19bの基端部を第1補強板21に対して直交するように接合してもよい。このように構成した場合、接続筒19の筒部19bを外筒14内に嵌入した場合、第1補強板21の外端面が地中埋設箱11の内壁に当接する。その結果、第1補強板21が係止部として作用し、枠状体18が外筒14内奥部に必要以上に入り込むのを防止して、配管布設用治具17を所定位置に配設することができる。
【0050】
・ 各実施形態において、外筒14の開口と地中埋設箱11の貫通孔13とが連通するように外筒14の端部を地中埋設箱11の外壁に接合し、接続筒19の筒部19bを貫通孔13内を介して外筒14内に嵌入してもよい。このように構成した場合も、配管布設用治具17を地中埋設箱11内の所定位置に配設することができる。
【0051】
・ 各実施形態において、地中埋設箱11の側壁において、貫通部を側壁の上部から切り欠いて形成してもよい。このように構成した場合も、外筒14を地中埋設箱11に接続することができる。
【0052】
さらに、前記実施形態より把握される請求項に記載した発明以外の技術的思想について、その効果とともに以下に記載する。
・ 前記案内体は、円弧状をなす複数本の線状材を枠状に束ね、その外面を円環状又は半円環状の複数枚の板状材の内周縁に接合して構成される請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の配管布設用治具。このように構成した場合、案内体の軽量化を図ることができる。また、案内体の湾曲形状を保持することができる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、配管の引き込み時における配管の損傷や挫屈を防止して配管布設作業を容易に行うことができ、かつ、作業者が地中埋設箱内に入ったままにならずに配管の布設作業を行うことができる。また、接続部を外筒に接続することにより、配管布設用治具を地中埋設箱の所定位置に確実に配設することができる。
【0055】
請求項2,5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、配管布設用治具の軽量化を図ることができ、その運搬や施工時における労力を低減させることができる。
【0056】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、配管布設用治具の上端部が地中埋設箱の上部開口に臨んでいる場合には、配管を配管布設用治具の案内路に容易に載せることができ、上部開口と配管布設用治具の他端との間から配管が垂れ下がって挫屈するのを防止して、配管布設作業を容易に行うことができる。また、配管布設用治具が地中埋設箱の上部開口から地上に突出している場合には、配管が上部開口の開口縁又は下端縁に摺接するのを防止して、配管が損傷するのをより確実に防止することができる。また、配管布設用治具の上端部と下端部が同じ方向に位置するため、地中埋設箱の近くに壁等があって、配管の導出方向が制約を受ける場合にも対処することができる。
【0057】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加え、配管布設用治具を地中埋設箱内に配設するとき、案内体が地中埋設箱の上部開口の下端縁に当たるのを防止して、配管布設用治具を円滑に地中埋設箱内に配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の配管布設用治具を示す斜視図。
【図2】地中埋設路内に引き込みロープを挿通した状態を示す断面図。
【図3】地中埋設箱内に配管布設用治具を配設した状態の部分断面図。
【図4】配管布設用治具から鞘管を外筒内に挿通した状態の部分断面図。
【図5】第2実施形態の配管布設用治具を示す斜視図。
【図6】第2実施形態の配管布設用治具の使用状態を示す部分断面図。
【図7】実施形態の別例を示す部分断面図。
【符号の説明】
11…地中埋設箱、12…上部開口、13…貫通部としての貫通孔、14…外筒、15…配管としての鞘管、16…地中埋設路、17…配管布設用治具、18…案内体としての枠状体、19…接続部としての接続筒、20…線状材、21…板状材としての第1補強板、22…板状材としての第2補強板、23…板状材としての第3補強板、24…板状材としての第4補強板、27…切り欠き部、30…板状材としての補強板。
Claims (5)
- 地中に埋設され地上と連通する上部開口を有するとともに、側壁に貫通部を有する地中埋設箱と、前記地中埋設箱の貫通部と連通して複数の地中埋設箱を連結する外筒とにより地中埋設路を構成し、その地中埋設路内に配管を挿通するために投入側の地中埋設箱の貫通部内に配設される配管布設用治具であって、
前記配管が摺接案内される所定長さの案内体を有し、同案内体の下端部には、案内体を外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部に接続可能な接続部を設け、同接続部を、外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部に嵌入可能な筒部と、地中埋設箱の側壁に当接係止する係止部とにより構成し、該筒部は、外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部に嵌入しやすいように接続先端上部側が切り欠かれて構成され、
前記接続部を外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部に連通するように配設した状態において、その案内体は長さ方向における少なくとも下端部の近傍が地中埋設箱の上部開口方向へ弧状に湾曲した状態となる配管布設用治具。 - 前記案内体は線状材及び板状材の少なくとも一種より形成される枠状体である請求項1に記載の配管布設用治具。
- 前記案内体は、その下端部が外筒の開口又は地中埋設箱の貫通部と連通した状態において、上端部が地中埋設箱の上部開口に臨むように、又は地中埋設箱の上部開口から地上へ突出するように湾曲形成されている請求項1又は請求項2に記載の配管布設用治具。
- 前記案内体の湾曲部分の内径側は、同案内体の上端部側が切り欠かれている請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の配管布設用治具。
- 前記係止部は前記板状材に接合して前記案内体と一体化されている請求項2に記載の配管布設用治具。
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