JP3672912B2 - 半導体集積回路の自動レイアウト方法、及び半導体集積回路の自動レイアウトプログラム - Google Patents

半導体集積回路の自動レイアウト方法、及び半導体集積回路の自動レイアウトプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路(Large Scale Integrated circuit:LSI)の自動レイアウト方法に関し、特に、セルが組み合わされて構成されたセルベースICのレイアウトを自動的に決定する自動レイアウト方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
設計に許される期間が短い特定用途向けIC(Application Specific IC:ASIC)の設計には、しばしば、スタンダードセル方式が採用される。スタンダードセル方式とは、複数の素子(例えば、トランジスタや抵抗)で構成される機能ブロックであるスタンダードセルを組み合わされてICを設計する手法である。スタンダードセル方式によって設計されるセルベースICは、スタンダードセルが一列に並べられたセル列のアレイで構成される。スタンダードセル方式によってASICを設計する製造業者は、予めセルを設計してライブラリに登録して用意しておく。ユーザから発注を受けると、製造業者は、ライブラリに登録されたセルを組み合せてASICを設計し、ユーザに提供する。かかる手法によって設計することにより、短期間で所望の機能を有するASICを設計することが可能である。
【0003】
設計を容易化するために、スタンダードセルの高さは、一般には、ASIC全体について統一されることが多い。高さが統一されることにより、ASICの構造が規則的になり、かかる規則的な構造は、ASICのレイアウトを容易にする。
【0004】
しかし、スタンダードセルの高さが統一されていることは、レイアウトの自由度を小さくする制約にもなる。このようなレイアウト上の制約は、配線を最適に配置する妨げになる。例えば、レイアウト上の制約により、配線を配置するスペースが確保できず、配線が局所的に錯綜する場合がある。逆に、配置される配線が少ない部分には、レイアウト上の制約により、使用されない無駄な領域が多く生じる傾向にある。
【0005】
このような問題を回避するために、セルの高さを一定にするという制約を外して、より効率よい配線の配置を実現するスタンダードセル方式が検討されている。特許文献1乃至3は、セルの高さを一定にするという制約を外したスタンダードセル方式を開示している。しかし、セルの高さを一定にするという制約を外すということは、ASICのレイアウトを規則的にすることによって設計を容易化するという、スタンダードセル方式の本質的な特長を損なうことになる。
【0006】
レイアウトの規則性をなるべく保ちながら、配線を最適に配置することが可能な自動レイアウト技術の提供が望まれる。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−199599号公報
【特許文献2】
特開2001−15602号公報
【特許文献3】
特開2001−176980号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、レイアウトの規則性を保ちながら、配線を最適に配置することを可能にする半導体集積回路の自動レイアウト技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されている。但し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明による半導体集積回路の自動レイアウト方法は、
(A)半導体集積回路が配置される領域(10)に、複数のエリア(11)を規定する工程と、
(B)複数のエリア(11)を分類する工程と
(C)複数のエリア(11)のそれぞれに、論理回路が設けられるコアセル(6)と、コアセル(6)の高さ方向においてコアセル(6)に接合する配線セル(7)(8)とを配置する工程と、
(D)該配線セルとを通過するように該コアセル(6)を相互に結ぶセル間配線を配置する工程
とを備えている。コアセル(6)に電源電位を供給する電源線と該コアセル(6)に接地電位を供給する接地線とは、配線セル(7)を通過して配置される。複数のエリア(11)のうち、(B)ステップにおいて第1種類と分類された第1エリア(多配線用セルエリア又は少配線用セルエリア)に配置されるコアセル(6b)(6c)の高さと、エリア(11)のうち、(B)ステップにおいて第2種類と分類された第2エリア(ノーマル用セルエリア)に配置されるコアセル(6a)の高さとは異なり、第1エリアに配置される配線セル(7b、7c)(8b、8c)の高さと、第2エリアに配置される配線セル(7a、8a)の高さとは異なり、第1エリアに配置されるコアセル(6b)(6c)と配線セル(7b、7c)(8b、8c)との高さの和は、第2エリアに配置されるコアセル(6a)と該配線セル(7a、8a)との高さの和と等しい。コアセル(6)と配線セル(7)(8)との高さの和が統一されつつ、コアセル(6)とセル間配線が配置される配線セル(7)(8)それぞれの高さが可変であることにより、レイアウトの規則性を保ちつつ、セル間配線を最適に配置することが可能である。
【0010】
当該自動レイアウト方法は、更に、
(E)該エリア(11)のそれぞれにおけるセル間配線の混雑度を予測するステップを備え、
該(B)ステップにおける該エリア(11)の分類は、該混雑度に基づいて行われることが好適である。これにより、セル間配線の混雑度に応じて、セル間配線を最適に配置することが可能である。
【0011】
第1エリアが、第2エリアよりも該混雑度が高いエリアである場合、第1エリアに配置されるコアセル(6b)の高さは第2エリアに配置されるコアセル(6a)の高さよりも低く、第1エリアに配置される配線セル(7b)(8b)の高さは第2エリアに配置される配線セル(7a)(8a)の高さよりも高いことが好適である。この場合、一般には、第1エリアに配置されるコアセル(6b)のうちの第1コアセルと、第2エリアに配置される該コアセル(6a)のうちの第2コアセルとが、同一の機能を有する場合、該第1コアセルの幅は、該第2コアセルの幅よりも広くなる。
【0012】
配線セル(7)(8)が、電源線が通過する電源配線セル(7)と、該電源配線セルの反対側に位置し、接地線が通過する接地配線セル(8)とを含む場合、第1エリアに配置される電源配線セル(7b)(7c)の高さと、第2エリアに配置される該電源配線セル(7a)の高さとは異なり、第1エリアに配置される接地配線セル(8b)(8c)の高さと、第2エリアに配置される接地配線セル(8a)の高さとは異なり、第1エリアに配置されるコアセル(6b)(6c)と電源配線セル(7b)(7c)と接地配線セル(8b)(8c)との高さの和は、第2エリアに配置されるコアセル(6a)と電源配線セル(7a)と接地配線セル(8a)との高さの和と等しいことが好適である。
【0013】
本発明による半導体集積回路の自動レイアウト方法は、
(F)ネットリスト(3b)に基づいて、半導体集積回路が配置される領域(10)に、論理回路が設けられるノーマル用コアセル(6a)を配置する工程と、
(G)該領域(10)を複数のエリア(11)に分割する工程と、
(H)(H’)複数のエリア(11)のそれぞれについて、ノーマル用コアセル合計面積と接続端子数とのうちの少なくとも一方、望ましくは両方を算出するステップと、
(I)(I)’ 算出されたノーマル用コアセル合計面積及び/又は接続端子数に基づいて、該複数のエリア(11)を分類する工程と、
(J)エリア(11)のうち、(I)ステップにおいて第1種類と分類された第1エリアに、ノーマル用コアセル(6a)の高さ方向においてノーマル用コアセル(6a)に接合するノーマル配線セル(7a)(8a)とを配置する工程と、
(K)該エリア(11)のうち、該(I)ステップにおいて第2種類と分類された第2エリアに配置された該ノーマル用コアセル(6a)を、該ノーマル用コアセル(6a)と異なる高さを有し、且つ、同一の機能を有する非ノーマル用コアセル(6b)(6c)に置換する工程と、
(L)該非ノーマル用コアセル(6b)(6c)の高さ方向において該非ノーマル用コアセル(6b)(6c)に接合し、且つ、該ノーマル配線セル(7a)(8a)と異なる高さを有する非ノーマル配線セル(7b、7c)(8a、8b)を配置する工程と、
(M)該ノーマル配線セル(7a)(8a)と該非ノーマル配線セルを通過するように該ノーマル用コアセル(6a)及び該非ノーマル用コアセル(6b)(6c)を相互に結ぶセル間配線を配置する工程
とを備えている。ここでノーマル用コアセル合計面積とは、エリア(11)のそれぞれに配置されたノーマル用コアセル(6a)の面積の和であり、接続端子数とは、エリア(11)のそれぞれに含まれるノーマル用コアセル(6a)がセル間配線に接続される接続端子の数である。ノーマル用コアセル(6a)に電源電位を供給する電源線とノーマル用コアセル(6a)に接地電位を供給する接地線とは、該ノーマル配線セル(7a)(8a)を通過して配置される。非ノーマル用コアセル(6b)(6c)に電源電位を供給する電源線と非ノーマル用コアセル(6b)(6c)に接地電位を供給する接地線とは、該非ノーマル配線セル(7b、7c)(8a、8b)を通過して配置される。ノーマル用コアセル(6a)とノーマル用配線セル(7a)(8a)との高さの和は、非ノーマル用コアセル(6b)(6c)と非ノーマル用配線セル(7b、7c)(8a、8b)との高さの和と等しい。
【0014】
ノーマル用コアセル合計面積と接続端子数とのうちの両方が算出される場合には、該(I)’ステップは、
(I1)該複数のエリア(11)のそれぞれについて、該エリア(11)のそれぞれの面積に対する該ノーマル用コアセル合計面積の比であるセル占有率を算出するステップと、
(I2)該複数のエリア(11)のそれぞれについて、該エリア(11)のそれぞれの該接続端子数を該エリア(11)の面積で割ることによって端子密度を算出するステップと、
(I3)該セル占有率と該端子密度とに基づいて該エリア(11)を分類するステップ
とを含むことが好適である。
【0015】
当該自動レイアウト方法が、更に、
(N)ハードマクロセルを該領域(10)に配置する工程を備え、且つ、ノーマル用コアセル合計面積と接続端子数とのうちの両方が算出される場合には、
該(I)(I)’ステップは、
(I4)該複数のエリア(11)のそれぞれについて、該エリア(11)のそれぞれの該ハードマクロセルに占められていない部分の面積に対する該ノーマル用コアセル合計面積の比であるセル占有率を算出するステップと、
(I5)該複数のエリア(11)のそれぞれについて、該エリア(11)のそれぞれの該接続端子数を該エリア(11)の面積で割ることによって端子密度を算出するステップと、
(I6)該セル占有率と該端子密度とに基づいて該エリア(11)を分類するステップ
とを含むことが好適である。
【0016】
非ノーマル用コアセル(6b)(6c)が、ノーマル用コアセル(6a)よりも高さが低く幅が広い幅広コアセル(6b)を含む場合、当該自動レイアウト方法は、更に、
(O)(K)ステップの後、幅広コアセル(6b)相互の重なりを解消するように幅広コアセル(6b)を再配置するステップ
を含むことが好適である。
【0017】
当該自動レイアウト方法が、更に、
(P)第2エリアに配置されたノーマル用コアセル(6a)のうち、該非ノーマル用コアセル(6c)に置換されなかったものに高さ方向に隣接して、容量フィルセル(13a、13b)を配置する工程と、
(Q)該容量フィルセル(13a、13b)に高さ方向に隣接して、該非ノーマル用配線セル(7c)(8c)を配置する工程
とを備え、該容量フィルセル(13a、13b)と該非ノーマル用配線セル(7c)(8c)との高さの和が、該ノーマル用配線セル(7a)(8a)の高さに等しいことが好適である。ここで容量フィルセル(13a、13b)とは、電源線に電気的に接続されている第1電極と、第1電極に対向し、接地線に電気的に接続されている第2電極とを含むキャパシタが配置されるセルである。
【0018】
非ノーマル用コアセル(6b)(6c)が、該ノーマル用コアセル(6a)よりも高さが高く幅が狭い幅狭コアセル(6c)を含む場合、当該自動レイアウト方法は、更に、
(R)該第2エリアに、該幅狭コアセル(6c)に重ならないように容量フィルセル(14)を配置する工程を備えることが好適である。ここで容量フィルセル(14)とは、電源線に電気的に接続されている第1電極と、該第1電極に対向し、接地線に電気的に接続されている第2電極とを含むキャパシタが配置されるセルである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明による半導体集積回路の自動レイアウト方法の実施の一形態を説明する。
【0020】
図2は、本実施の形態の半導体集積回路の自動レイアウト方法を実行するコンピュータシステム1を示す。コンピュータシステム1は、入力装置2と記憶装置3とCPU4と出力装置5とを含む。入力装置2は、コンピュータシステム1の外部からデータを取り込むために使用される。記憶装置3は、本実施の形態の半導体集積回路の自動レイアウト方法を実行するために必要なデータ及びプログラムを保存する。より詳細には、記憶装置3は、レイアウトツール3aと、ネットリスト3bと、セルライブラリ3cと、エリア分類テーブル3dとを保存する。レイアウトツール3aは、自動レイアウトを行うプログラムである。ネットリスト3bは、設計される半導体集積回路の回路の接続関係が記述されたデータファイルである。セルライブラリ3cは、半導体集積回路のレイアウトに使用されるセルが登録されたデータベースである。エリア分類テーブル3dは、半導体集積回路のレイアウトの過程で使用されるテーブルである。エリア分類テーブル3dの詳細な内容は後述され、ここでは記述されない。CPU4は、半導体集積回路のレイアウトを行うための演算を行う。半導体集積回路のレイアウトは、CPU4が、レイアウトツール3aを実行することによって行われる。出力装置5は、コンピュータシステム1の外部にデータを出力するために使用される。半導体集積回路の自動レイアウトが行われて生成されたレイアウトデータは、出力装置5を介して出力される。
【0021】
図3は、セルライブラリ3cに登録されているセルを示す。セルライブラリ3cには、コアセル6と電源配線セル7と接地配線セル8とが登録されている。登録されるコアセル6と電源配線セル7と接地配線セル8は、いずれも矩形である。コアセル6は、ある特定の機能を有する論理回路が収容されるセルである。電源配線セル7は、コアセル6に電源電位を供給する電源線及びコアセル6の相互を結ぶセル間配線が通されるセルである。接地配線セル8は、コアセル6に接地電位を供給する接地線及びコアセル6の相互を結ぶセル間配線が通されるセルである。電源配線セル7は、コアセル6に高さ方向(y軸方向)で隣接して配置され、接地配線セル8は、電源配線セル7の反対側でコアセル6に隣接して配置される。
【0022】
コアセル6、電源配線セル7、接地配線セル8として、それぞれ3種類のセルが用意されている。コアセル6には、ノーマル用コアセル6a、多配線用コアセル6b、及び少配線用コアセル6cの3種類がある。セルライブラリ3cには、ある一の機能を有する論理回路を提供するために、同一の機能を有するノーマル用コアセル6a、多配線用コアセル6b、及び少配線用コアセル6cの3つが登録される。図3には、いずれもインバータであるノーマル用コアセル6a、多配線用コアセル6b、及び少配線用コアセル6cが示されている。
【0023】
同様に、電源配線セル7には、ノーマル用電源配線セル7a、多配線用電源配線セル7b、及び少配線用電源配線セル7cの3種類があり、接地配線セル8には、ノーマル用接地配線セル8a、多配線用接地配線セル8b、及び少配線用接地配線セル8cの3種類がある。
【0024】
ノーマル用コアセル6a、多配線用コアセル6b、及び少配線用コアセル6cは、それぞれ特定の電源配線セルと組み合せて使用される。ノーマル用コアセル6aは、ノーマル用電源配線セル7a及びノーマル用接地配線セル8aと組み合せて使用され、多配線用コアセル6bは、多配線用電源配線セル7b及び多配線用接地配線セル8bと組み合わされて使用され、少配線用コアセル6cは、少配線用電源配線セル7c及び少配線用接地配線セル8cと組み合わされて使用される。
【0025】
ノーマル用コアセル6a、ノーマル用電源配線セル7a、及びノーマル用接地配線セル8aの組み合せは、配線の混雑度が標準的であると予測されるエリアで使用される。図4に示されているように、ノーマル用コアセル6a、ノーマル用電源配線セル7a、及びノーマル用接地配線セル8aの組み合せが使用されるエリアは、ノーマル用セルエリアと呼ばれる。ノーマル用セルエリアでは、x軸方向にノーマル用コアセル6a、ノーマル用電源配線セル7a、及びノーマル用接地配線セル8aがそれぞれ並べられ、ノーマル用電源配線セル7aの列と、ノーマル用コアセル6aの列と、ノーマル用接地配線セル8aの列とが、y軸方向に順に並べられて一のセル列が構成される。ノーマル用電源配線セル7aとノーマル用接地配線セル8aとは、同一の高さを有しており、ノーマル用コアセル6aは、高さ方向においてセル列の中央に位置する。
【0026】
多配線用コアセル6b、多配線用電源配線セル7b、及び多配線用接地配線セル8bの組み合せは、セル間配線の混雑度が高いと予測されるエリアで使用される。多配線用コアセル6b、多配線用電源配線セル7b、及び多配線用接地配線セル8bの組み合せが使用されるエリアは、多配線用セルエリアと呼ばれる。多配線用セルエリアでは、多配線用コアセル6b、多配線用電源配線セル7b、及び多配線用接地配線セル8bがそれぞれにx軸方向に並べられ、多配線用コアセル6bの列と、多配線用電源配線セル7bの列と、多配線用接地配線セル8bの列とが、y軸方向に順に並べられて一のセル列が構成される。多配線用電源配線セル7bと多配線用接地配線セル8bとは、同一の高さを有しており、多配線用コアセル6bは、高さ方向においてセル列の中央に位置する。
【0027】
図3に示されているように、多配線用コアセル6bは、その高さがノーマル用コアセル6aよりも低く抑えられ、その分、セル間配線が通過する領域である多配線用電源配線セル7b、及び多配線用接地配線セル8bの高さは、ノーマル用電源配線セル7a、及びノーマル用接地配線セル8aよりも高い。多配線用セルエリアでは、より多くのセル間配線が配置可能であり、多配線用セルエリアでは、セル間配線の錯綜が発生しにくい。但し、多配線用コアセル6bは、同一の機能を有するノーマル用コアセル6aよりもその幅が大きい。これは、与えられた幅に対して配置可能なコアセルの数が少ないことを意味し、多配線用セルエリアは、チップサイズの縮小については不利である。
【0028】
少配線用コアセル6c、少配線用電源配線セル7c、及び少配線用接地配線セル8cの組み合せは、配線の混雑度が低いと予測される領域で使用される。少配線用コアセル6c、少配線用電源配線セル7c、及び少配線用接地配線セル8cの組み合せが使用されるエリアは、少配線用セルエリアと呼ばれる。図4に示されているように、少配線用セルエリアでは、少配線用コアセル6c、少配線用電源配線セル7c、及び少配線用接地配線セル8cがそれぞれにx軸方向に並べられ、少配線用コアセル6bの列と、少配線用電源配線セル7cの列と、少配線用接地配線セル8cの列とが、y軸方向に順に並べられて一のセル列が構成される。少配線用電源配線セル7cと少配線用接地配線セル8cとは、同一の高さを有しており、少配線用コアセル6cは、高さ方向においてセル列の中央に位置する。
【0029】
図3に示されているように、少配線用セルエリアで使用される少配線用コアセル6cは、同一の機能を有するノーマル用コアセル6aよりもその幅が狭く、その高さがノーマル用コアセル6aより高い。このため、少配線用セルエリアでは、与えられた幅に対して多数のコアセルが配置可能である。これは、チップサイズの縮小の点で有利である。
【0030】
図4に示されているように、ノーマル用セルエリア、多配線用セルエリア、及び少配線用セルエリアのいずれにおいても、セル列の高さは同一である。即ち、ノーマル用コアセル6a、ノーマル用電源配線セル7a、及びノーマル用接地配線セル8aの高さの和と、多配線用コアセル6b、多配線用電源配線セル7b、及び多配線用接地配線セル8bの高さの和と、少配線用コアセル6c、少配線用電源配線セル7c、及び少配線用接地配線セル8cの高さの和とは、同一である。これは、真っ直ぐな電源線を電源配線セル7を貫通して配置することが可能であり、且つ、真っ直ぐな接地線を接地配線セル8に配置することが可能であることを意味する。このように、セル列の高さが統一されることにより、設計される半導体集積回路のレイアウトの規則性が高められ、設計の容易化が図られている。
【0031】
図1は、本実施の形態の半導体集積回路の自動レイアウト方法の手順を示すフローチャートである。図2のレイアウトツール3aは、図1のフローチャートに示されている手順を記述したプログラムであり、該プログラムに従ってCPU4が動作することにより、本実施の形態の半導体集積回路の自動レイアウト方法は実行される。
【0032】
本実施の形態の自動レイアウト方法は、ネットリスト3bの取り込みで開始される(ステップS01)。設計される半導体集積回路に含まれる素子の接続関係を示すネットリスト3bがコンピュータシステム1の外部から入力装置2を介して取り込まれ、記憶装置3に保存される。
【0033】
続いて、ネットリスト3bに基づいてフロアプランが行われる(ステップS02)。フロアプランにより、セル列が配置されるサイト(セル列領域)が決定される。設計される半導体集積回路にハードマクロが使用される場合、ステップS02のフロアプランにおいて、ハードマクロの位置が決定される。
【0034】
続いて、ノーマル用コアセル6aが、ネットリスト3bに基づいて配置される(ステップS03)。ネットリスト3bに記述された接続関係を実現するために必要なノーマル用コアセル6aがセル列領域に配置される。
【0035】
続いて、図5に示されているように、セル列領域10に、複数のエリア11が規定され、そのエリア11のそれぞれについて、セル占有率と端子密度とが算出される(ステップS04)。あるエリアのセル占有率とは、該エリアの内部に存在するノーマル用コアセル6aの面積の合計を、該エリアの面積で割ることによって得られる数値である。あるエリアの端子密度とは、該エリアに存在するノーマル用コアセル6aに含まれるセル間配線接続端子の数の和を、該エリアの面積で割ることによって得られる数値である。ここで、セル間配線接続端子とは、ノーマル用コアセル6aがセル間配線に接続される端子を意味する。例えば、10の面積を有するエリアに、5つのセル間配線接続端子を有するノーマル用コアセル6aが50個と、4つのセル間配線接続端子を有するノーマル用コアセル6aが20個存在する場合、該エリアの端子密度は、33(=(5×50+4×20)/10)である。
【0036】
図9に示されているように、ステップS02のフロアプランにおいて、セル列領域10の一部とハードマクロ12とが重ねて配置される場合がある。この場合、ハードマクロ12と重なっているエリア11のセル占有率は、エリア11の内部に存在するノーマル用コアセル6aの面積の合計を、エリア11のハードマクロ12と重なっていない部分の面積で割ることによって算出されることが好適である。ただし、エリア11の端子密度は、ハードマクロ12との重なりの有無に関わらず、該エリアに存在するノーマル用コアセル6aに含まれるセル間配線接続端子の数を、エリア11の面積で割ることによって算出されることが好適である。
【0037】
続いて、図1に示されているように、セル占有率と端子密度とに基づいて、エリア11のそれぞれの混雑度が予想され、エリア11のそれぞれがノーマル用セルエリア、多配線用セルエリア、及び少配線用セルエリアのいずれかに分類される(ステップS05)。あるエリアのセル占有率が高いことは、該エリアのうち配線を配置可能な領域の面積が少ないことを意味し、該エリアでは、配線が混雑することが予想される。また、あるエリアの端子密度が高いことは、該エリアに多くの配線が配置されることを意味し、該エリアでは、配線が混雑することが予想される。このように、セル占有率と端子密度とは、配線の混雑度を示す指標として適切である。混雑度が高いと予想されるエリア11は、多配線用セルエリアに分類され、混雑度が低いと予想されるエリア11は、少配線用セルエリアに分類され、混雑度が標準的な範囲であると予想されるエリア11は、ノーマル用セルエリアに分類される。
【0038】
エリア11の分類には、記憶装置3に保存されているエリア分類テーブル3eが参照される。図6は、エリア分類テーブル3eの内容を示す。エリア分類テーブル3eには、セル占有率と端子密度と、エリアの分類との対応関係が記述されている。例えば、あるエリアのセル占有率Uが80%を超え、端子密度Dが120を超えている場合、該エリアは、多配線用セルエリアに分類される。
【0039】
配線の混雑度の評価は、セル占有率と端子密度とのうちの一方のみで行われ得る。しかし、本実施の形態のように、セル占有率と端子密度との両方によって配線の混雑度の評価が行われることが好適である。例えば、図7に示されているように、セル間配線接続端子15をそれぞれに有するノーマル用コアセル6aが配置されているとする。図7に示されている例では、セル占有率Uが低いが、端子密度Dが高い。かかる場合には、配線の混雑度が高いと判断されるべきである。更に、図8に示されているように、セル占有率Uが高いが、端子密度Dは低い場合には、配線の混雑度が低いと判断されるべきである。このように、セル占有率と端子密度との両方によって配線の混雑度が評価されることにより、配線の混雑度の適切な評価が可能である。
【0040】
エリア11の分類に続いて、多配線用セルエリアに分類されたエリアに位置するノーマル用コアセル6aが、多配線用コアセル6bに置換され、少配線用セルエリアに分類されたエリアに位置するノーマル用コアセル6aが、少配線用コアセル6cに置換される(ステップS06、S08)。ノーマル用セルエリアに分類されたエリアに位置するノーマル用コアセル6aはそのまま残される(ステップS07)。
【0041】
続いて、コアセル6の再配置が行われる(S09)。多配線用コアセル6bは、ノーマル用コアセル6aよりもその幅が広いため、ノーマル用コアセル6aが多配線用コアセル6bに置換されることにより、多配線用コアセル6bが相互にオーバーラップする可能性がある。そこで、オーバーラップした多配線用コアセル6bが幅方向(x軸方向)にずらす再配置が行われ、多配線用コアセル6b相互のオーバーラップが解消される。更に、少配線用コアセル6cは、ノーマル用コアセル6aよりもその幅が狭いため、ノーマル用コアセル6aが少配線用コアセル6cに置換されることにより、隙間が生じる。この隙間を有効に活用するために、図10に示されているように、該隙間をまとめて大きな空きスペースが生成されるように、少配線用コアセル6cが再配置される。生成された空きスペースには、必要に応じて他のセルが配置され、セル列領域が有効に利用される。例えば、レイアウト検証によって他のセルの配置が必要になった場合には、少配線用コアセル6cの再配置によって空いたスペースにセルが配置されることにより、チップサイズの増大を防ぐことができる。更に、かかる空きスペースには、ハードマクロ12が配置され得る。
【0042】
続いて、電源配線セル7と接地配線セル8との配置が行われる(ステップS10)。ノーマル用セルエリアにあるノーマル用コアセル6aを挟むように、ノーマル用電源配線セル7a、及びノーマル用接地配線セル8aが配置される。同様に、多配線用セルエリアにある多配線用コアセル6bを挟むように、多配線用電源配線セル7b及び多配線用接地配線セル8bが配置され、少配線用セルエリアにある少配線用コアセル6cを挟むように、少配線用電源配線セル7c及び少配線用接地配線セル8cが配置される。
【0043】
続いて、コアセル6の相互の詳細配線が行われて、レイアウトデータが生成される(ステップS11)。生成されたレイアウトデータがプリンタ、表示装置などの出力装置によって出力される(ステップS12)。
【0044】
以上に説明されているように、本実施の形態の自動レイアウト方法は、配線の局所的な混雑の解消と、チップ面積の縮小とを同時に実現可能である。本実施の形態の自動レイアウト方法では、配線のセル占有率と端子密度とに基づいて各エリアの混雑度を予想し、その混雑度に応じてコアセル6、電源側配線セル7、及び接地側配線セル8の組み合せが選択される。即ち、混雑度が標準的であると予測されるノーマル用セルエリアでは、ノーマル用コアセル6a、ノーマル用電源配線セル7a、及びノーマル用接地配線セル8aの組み合せが使用され、混雑度が高いと予測される多配線用セルエリアでは、多くの配線を配置可能にするために多配線用コアセル6b、多配線用電源配線セル7b及び多配線用接地配線セル8bの組み合せが使用され、混雑度が低いと予測される少配線用セルエリアでは、セルの占有面積を小さくするために、多配線用コアセル6b、多配線用電源配線セル7b及び多配線用接地配線セル8bの組み合せが使用される。これにより、配線の局所的な混雑の解消と、チップ面積の縮小とが図られている。
【0045】
更に、本実施の形態の自動レイアウト方法は、レイアウトの規則性が高く、レイアウトが容易である。即ち、本実施の形態の自動レイアウト方法では、コアセル6、電源側配線セル7、及び接地側配線セル8のいずれの組み合せにおいても、セルの高さの合計が統一されている。セル列の高さが統一されることにより、設計される半導体集積回路のレイアウトの規則性が高められ、設計の容易化が図られている。
【0046】
なお、本実施の形態のステップS08において、図11(b)に示されているように、少配線用セルエリアに位置するノーマル用コアセル6aの全部を少配線用コアセル6cに置換するのではなく、図11(c)に示されているように、ノーマル用コアセル6aの少なくとも一部をそのままに残し、残されたノーマル用コアセル6aの上下に、それぞれ容量フィルセル13a、13bが配置されることが可能である。容量フィルセル13a、13bは、電源配線セル7に配設される電源線に電気的に接続されている第1電極と、該第1電極に対向し、接地配線セル8に配設される接地線に電気的に接続されている第2電極とからなるキャパシタが設けられているセルである。容量フィルセル13a、13bに形成されるキャパシタは、ゲート容量によって構成されることがあり、異なる配線層に設けられた2つの電極と、その間に介設される層間絶縁膜とによって構成されることがある。容量フィルセル13a、13bが配置される場合、ステップS10では、容量フィルセル13aの上側に少配線用電源配線セル7cが配置され、容量フィルセル13bの下側には少配線用接地配線セル8cが配置される。容量フィルセル13aと少配線用電源配線セル7cとの高さの和は、ノーマル用電源配線セル7aの高さに等しく、容量フィルセル13bと少配線用接地配線セル8cとの高さの和は、ノーマル用接地配線セルの8aの高さに等しい。容量フィルセル13a、13bを配置することにより、ノイズ削減のために電源線と接地線との間に必要な容量を、フロアプラン段階で(即ち、詳細配線が行われる前に)確保することが可能である。容量フィルセル13a、13bを配置することは、更に、セル列領域が有効に活用される点でも好適である。
【0047】
更に、本実施の形態において、ノーマル用コアセル6aが少配線用コアセル6cに置換されることによって生じる隙間には、図12に示されているように、容量フィルセル14が配置されることが可能である。容量フィルセル14とは、容量フィルセル13a、13bと同様に、電源配線セル7に配設される電源線に電気的に接続されている第1電極と、該第1電極に対向し、接地配線セル8に配設される接地線に電気的に接続されている第2電極とからなるキャパシタが設けられているセルである。容量フィルセル14を配置することにより、電源線と接地線との間に必要な容量を、フロアプラン段階で確保することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明により、レイアウトの規則性を保ちながら、配線を最適に配置することを可能にする半導体集積回路の自動レイアウト技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による半導体集積回路の自動レイアウト方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、半導体集積回路の自動レイアウト方法の実行に使用されるコンピュータシステム1を示す。
【図3】図3は、コアセル6、電源配線セル7、及び接地配線セル8を示す図である。
【図4】図4は、ノーマル用セルエリア、多配線用セルエリア、及び少配線用セルエリアを示す。
【図5】図5は、セル列領域10が分割されて規定された複数のエリア11を示す。
【図6】図6は、エリア分類テーブル3dの内容を示す。
【図7】図7は、セル占有率が低いにも関わらず、端子密度が高いためにセル間配線の混雑度が高い例を示す。
【図8】図8は、セル占有率が高いにも関わらず、端子密度が低いためにセル間配線の混雑度が低い例を示す。
【図9】図9は、セル列領域10の一部とハードマクロ12とが重ねられた配置を示す。
【図10】図10は、少配線用コアセル6cの再配置によって生じる空きスペースに、ハードマクロ12が配置された配置を示す。
【図11】図11は、容量フィルセル13a、13bが、ノーマル用コアセル6aの上下に配置された配置を示す。
【図12】図12は、ノーマル用コアセル6aが少配線用コアセル6cに置換されて生じる空きスペースに容量フィルセル14が配置された配置を示す。
【符号の説明】
1:コンピュータシステム
2:入力装置
3:記憶装置
3a:レイアウトツール
3b:ネットリストと、
3c:セルライブラリ
3d:エリア分類テーブル
4:CPU
5:出力装置
6:コアセル
6a:ノーマル用コアセル
6b:多配線用コアセル
6c:少配線用コアセル
7:電源配線セル
7a:ノーマル用電源配線セル
7b:多配線用電源配線セル
7c:少配線用電源配線セル
8:接地配線セル
8a:ノーマル用接地配線セル
8b:多配線用接地配線セル
8c:少配線用接地配線セル
10:セル列領域
11:エリア
12:ハードマクロ
13a、13b、14:容量フィルセル
15:セル間配線接続端子

Claims (13)

  1. (A)半導体集積回路が配置される領域に、複数のエリアを規定する工程と、
    (B)前記エリアを分類する工程と
    (C)前記エリアのそれぞれに、論理回路が設けられるコアセルと、前記コアセルの高さ方向において前記コアセルに接合する配線セルとを配置する工程と、ここで前記コアセルに電源電位を供給する電源線と前記コアセルに接地電位を供給する接地線とは、前記配線セルを通過して配置され、
    (D)前記配線セル通過するように前記コアセルを相互に結ぶセル間配線を配置する工程
    とを備え、
    前記エリアのうち前記(B)ステップにおいて第1種類と分類された第1エリアに配置される前記コアセルの高さと、前記エリアのうち前記(B)ステップにおいて第2種類と分類された第2エリアに配置される前記コアセルの高さとは異なり、
    前記第1エリアに配置される前記配線セルの高さと、前記第2エリアに配置される前記配線セルの高さとは異なり、
    前記第1エリアに配置される前記コアセルと前記配線セルとの高さの和は、前記第2エリアに配置される前記コアセルと前記配線セルとの高さの和と等しい
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  2. 請求項1に記載の自動レイアウト方法において、
    更に、
    (E)前記エリアのそれぞれにおける前記セル間配線の混雑度を予測するステップを備え、
    前記(B)ステップにおける前記エリアの分類は、前記混雑度に基づいて行われる
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  3. 請求項2に記載の自動レイアウト方法において、
    前記第1エリアは、前記第2エリアよりも前記混雑度が高いエリアであり、
    前記第1エリアに配置される前記コアセルの高さは前記第2エリアに配置される前記コアセルの高さよりも低い
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  4. 請求項3に記載の自動レイアウト方法において、
    前記第1エリアに配置される前記コアセルのうちの第1コアセルと、前記第2エリアに配置される前記コアセルのうちの第2コアセルとが、同一の機能を有する場合、前記第1コアセルの幅は、前記第2コアセルの幅よりも広い
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  5. 請求項1に記載の自動レイアウト方法において、
    前記配線セルは、
    前記電源線が通過する電源配線セルと、
    前記電源配線セルの反対側に位置し、前記接地線が通過する接地配線セル
    とを含み、
    前記第1エリアに配置される前記電源配線セルの高さと、前記第2エリアに配置される前記電源配線セルの高さとは異なり、
    前記第1エリアに配置される前記接地配線セルの高さと、前記第2エリアに配置される前記接地配線セルの高さとは異なり、
    前記第1エリアに配置される前記コアセルと前記電源配線セルと前記接地配線セルとの高さの和は、前記第2エリアに配置される前記コアセルと前記電源配線セルと前記接地配線セルとの高さの和と等しい
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  6. (F)ネットリストに基づいて、半導体集積回路が配置される領域に、論理回路が設けられるノーマル用コアセルを配置する工程と、
    (G)前記領域を複数のエリアに分割する工程と、
    (H)前記複数のエリアのそれぞれについて、ノーマル用コアセル合計面積と接続端子数とのうちの少なくとも一方を算出するステップと、ここで前記ノーマル用コアセル合計面積とは、前記エリアのそれぞれに配置された前記ノーマル用コアセルの面積の和であり、前記接続端子数とは、前記エリアのそれぞれに含まれる前記ノーマル用コアセルがセル間配線に接続される接続端子の数であり、
    (I)前記少なくとも一方に基づいて、前記複数のエリアを分類する工程と、
    (J)前記エリアのうち、前記(I)ステップにおいて第1種類と分類された第1エリアに、前記ノーマル用コアセルの高さ方向において前記ノーマル用コアセルに接合するノーマル配線セルとを配置する工程と、ここで前記ノーマル用コアセルに電源電位を供給する電源線と前記ノーマル用コアセルに接地電位を供給する接地線とは、前記ノーマル配線セルを通過して配置され、
    (K)前記エリアのうち、前記(I)ステップにおいて第2種類と分類された第2エリアに配置された前記ノーマル用コアセルを、前記ノーマル用コアセルと異なる高さを有し、且つ、同一の機能を有する非ノーマル用コアセルに置換する工程と、
    (L)前記非ノーマル用コアセルの高さ方向において前記非ノーマル用コアセルに接合し、且つ、前記ノーマル配線セルと異なる高さを有する非ノーマル配線セルを配置する工程と、ここで前記非ノーマル用コアセルに電源電位を供給する電源線と前記非ノーマル用コアセルに接地電位を供給する接地線とは、前記非ノーマル配線セルを通過して配置され、
    (M)前記ノーマル配線セルと前記非ノーマル配線セルを通過するように前記ノーマル用コアセル及び前記非ノーマル用コアセルを相互に結ぶセル間配線を配置する工程
    とを備え、
    前記ノーマル用コアセルと前記ノーマル用配線セルとの高さの和は、前記非ノーマル用コアセルと前記非ノーマル用配線セルとの高さの和と等しい
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  7. (F)ネットリストに基づいて、半導体集積回路が配置される領域に、論理回路が設けられるノーマル用コアセルを配置する工程と、
    (G)前記領域を複数のエリアに分割する工程と、
    (H)’前記複数のエリアのそれぞれについて、ノーマル用コアセル合計面積と接続端子数とを算出するステップと、ここで前記ノーマル用コアセル合計面積とは、前記エリアのそれぞれに配置された前記ノーマル用コアセルの面積の和であり、前記接続端子数とは、前記エリアのそれぞれに含まれる前記ノーマル用コアセルがセル間配線に接続される接続端子の数であり、
    (I)’前記ノーマル用コアセル合計面積と前記接続端子数とに基づいて、前記複数のエリアを分類する工程と、
    (J)前記エリアのうち、前記(I)ステップにおいて第1種類と分類された第1エリアに、前記ノーマル用コアセルの高さ方向において前記ノーマル用コアセルに接合するノーマル配線セルとを配置する工程と、ここで前記ノーマル用コアセルに電源電位を供給する電源線と前記ノーマル用コアセルに接地電位を供給する接地線とは、前記ノーマル配線セルを通過して配置され、
    (K)前記エリアのうち、前記(I)ステップにおいて第2種類と分類された第2エリアに配置された前記ノーマル用コアセルの少なくとも一部を、前記ノーマル用コアセルと異なる高さを有し、且つ、同一の機能を有する非ノーマル用コアセルに置換する工程と、
    (L)前記非ノーマル用コアセルの高さ方向において前記非ノーマル用コアセルに接合し、且つ、前記ノーマル配線セルと異なる高さを有する非ノーマル配線セルを配置する工程と、ここで前記非ノーマル用コアセルに電源電位を供給する電源線と前記非ノーマル用コアセルに接地電位を供給する接地線とは、前記非ノーマル配線セルを通過して配置され、
    (M)前記ノーマル配線セルと前記非ノーマル配線セルを通過するように前記ノーマル用コアセル同士、前記非ノーマル用コアセル同士、及び前記ノーマル用コアセルと前記非ノーマル用コアセルとを結ぶセル間配線を配置する工程
    とを備え、
    前記ノーマル用コアセルと前記ノーマル用配線セルとの高さの和は、前記非ノーマル用コアセルと前記非ノーマル用配線セルとの高さの和と等しい
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  8. 請求項7に記載の半導体集積回路の自動レイアウト方法において、
    前記(I)’ステップは、
    (I1)前記複数のエリアのそれぞれについて、前記エリアのそれぞれの面積に対する前記ノーマル用コアセル合計面積の比であるセル占有率を算出するステップと、
    (I2)前記複数のエリアのそれぞれについて、前記エリアのそれぞれの前記接続端子数を前記エリアの面積で割ることによって端子密度を算出するステップと、
    (I3)前記セル占有率と前記端子密度とに基づいて前記エリアを分類するステップ
    とを含む
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  9. 請求項7に記載の半導体集積回路の自動レイアウト方法において、
    更に、
    (N)ハードマクロセルを前記領域に配置する工程を備え、
    前記(I)ステップは、
    (I4)前記複数のエリアのそれぞれについて、前記エリアのそれぞれの前記ハードマクロセルに占められていない部分の面積に対する前記ノーマル用コアセル合計面積の比であるセル占有率を算出するステップと、
    (I5)前記複数のエリアのそれぞれについて、前記エリアのそれぞれの前記接続端子数を前記エリアの面積で割ることによって端子密度を算出するステップと、
    (I6)前記セル占有率と前記端子密度とに基づいて前記エリアを分類するステップ
    とを含む
    半導体集積回路自動レイアウト方法。
  10. 請求項6乃至請求項8に記載の半導体集積回路の自動レイアウト方法において、
    前記非ノーマル用コアセルは、前記ノーマル用コアセルよりも高さが低く幅が広い幅広コアセルを含み、
    当該自動レイアウト方法は、更に、
    (O)前記(K)ステップの後、前記幅広コアセル相互の重なりを解消するように前記幅広コアセルを再配置するステップ
    を含む
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  11. 請求項6乃至請求項8に記載の半導体集積回路の自動レイアウト方法において、
    更に、
    (P)前記第2エリアに配置された前記ノーマル用コアセルのうち、前記非ノーマル用コアセルに置換されなかったものに高さ方向に隣接して、容量フィルセルを配置する工程と、ここで前記容量フィルセルは、前記電源線に電気的に接続されている第1電極と、前記第1電極に対向し、前記接地線に電気的に接続されている第2電極とを含むキャパシタが配置されるセルであり、
    (Q)前記容量フィルセルに高さ方向に隣接して、前記非ノーマル用配線セルを配置する工程
    とを備え、
    前記容量フィルセルと前記非ノーマル用配線セルとの高さの和は、前記ノーマル用配線セルの高さに等しい
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  12. 請求項6乃至請求項8に記載の半導体集積回路の自動レイアウト方法において、
    前記非ノーマル用コアセルは、前記ノーマル用コアセルよりも高さが高く幅が狭い幅狭コアセルを含み、
    当該自動レイアウト方法は、更に、
    (R)前記第2エリアに、前記幅狭コアセルに重ならないように容量フィルセルを配置する工程を備え、
    前記容量フィルセルは、前記電源線に電気的に接続されている第1電極と、前記第1電極に対向し、前記接地線に電気的に接続されている第2電極とを含むキャパシタが配置されるセルである
    半導体集積回路の自動レイアウト方法。
  13. (A)半導体集積回路が配置される領域に、複数のエリアを規定する工程と、
    (B)前記エリアを分類する工程と
    (C)前記エリアのそれぞれに、論理回路が設けられるコアセルと、前記コアセルの高さ方向において前記コアセルに接合する配線セルとを配置する工程と、ここで前記コアセルに電源電位を供給する電源線と前記コアセルに接地電位を供給する接地線とは、前記配線セルを通過して配置され、
    (D)前記配線セル通過するように前記コアセルを相互に結ぶセル間配線を配置する工程
    とをコンピュータに実行させる自動レイアウトプログラムであって、
    前記エリアのうち、前記(B)ステップにおいて第1種類と分類された第1エリアに配置される前記コアセルの高さと、前記エリアのうち、前記(B)ステップにおいて第2種類と分類された第2エリアに配置される前記コアセルの高さとは異なり、
    前記第1エリアに配置される前記配線セルの高さと、前記第2エリアに配置される前記配線セルの高さとは異なり、
    前記第1エリアに配置される前記コアセルと前記配線セルとの高さの和は、前記第2エリアに配置される前記コアセルと前記配線セルとの高さの和と等しい
    半導体集積回路の自動レイアウトプログラム。
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