JP3672901B2 - 壁パネルの建築構造物への接合構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばツーバイフォー住宅等の建築構造物に使用する壁パネルの建築構造物への接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の壁パネルの建築構造物への接合構造として、例えば本出願人の提案に係る第2845784号特許公報に記載したものがある。図14は、従来の壁パネルを、これの一部を破断して示す斜視図、図15は、その壁パネルを側根太に接合した部分側面図である。
【0003】
第2845784号特許公報に記載の壁パネル1は、上下枠材2,3及び縦枠材4,4(一方は図示しない)を組み立てた壁枠5と、この壁枠5の内外両面に貼り付けた構造用合板6及び石膏ボード7と、それら壁枠5,構造用合板6及び石膏ボード7によって区画形成される閉塞空間に充填された発泡体8…とを、施工前に予め一体形成してなるものである。
【0004】
前記石膏ボード7には、前記壁パネル1に隣接する部材と下枠材3や縦枠材4とを接合するための釘打ち用ガン挿入用の窓孔7a…を一定の間隔で形成したものである。
【0005】
また、前記構造用合板6の下縁部を下枠材3よりも下方に延出し、その下枠材3よりも下方に延出した下縁部6aを側根太9の外面9aに沿わせるとともに、該下縁部6aを当該根太9に釘打ち固定したものである。
【0006】
前記壁パネルの建築構造物への接合構造によれば、現場での作業工数を大幅に削減でき、しかも壁パネルに隣接する側根太等の構造材と当該壁パネルとの接合を確実に行えるようになる。
【0007】
【特許文献1】
第2845784号特許公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記壁パネル1の建築構造物への接合構造では、下枠材3等に比較して強度的に弱い構造用合板6の下縁部6aを、複数本の釘31…を横一列にして側根太9に打ち付けているだけなので、壁パネル1と側根太9との接合強度を十分に確保することが難しく、接合強度の向上が図り難い。
【0009】
敷衍すると、例えば地震等による強い横揺れが壁パネル1に加わると、構造用合板6には、これの下縁部6aを側根太9に打ち付けている釘を中心とした大きな集中応力が発生する。
【0010】
その結果、下枠材3と側根太9とが接合しているにも拘わらず、上記横揺れに伴って、下枠材3に打ち付けられたまま残っている釘31…により、構造用合板6の下縁部6aが断裂され、壁パネル1自体が損壊する虞がある。
【0011】
また、壁パネル1に隣接する側根太6と壁枠5とを接合するための釘打ち用ガン挿入用の窓孔7a…を、釘打ち用ガン(図示しない)を挿入できるように大きく開設しなければならないので、壁パネル1自体の機械的強度を低下させる虞がある。
【0012】
さらに、その窓孔7a…を予め形成しておく必要があり、また、接合後には各窓孔7a…を石膏等によって閉じなければならないが、各窓孔7aの開口面積が大きいので、それらの作業が煩雑である。
【0013】
そこで本発明は、強い横揺れ等が壁パネルに作用するときにも、該壁パネルのパネル板と下枠材との損壊分離を防止することを第1の目的とし、また、当該壁パネルと建築構造物との接合強度を十分に確保することを第2の目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明においては上記課題を達成するため、建築構造物の構造材に壁パネルを複数本の木ねじにより接合するものであって、
建築構造物の構造材を、土台上に側根太を載置することにより構成し、これら土台と側根太の外壁面に外壁材を複数の釘を介して固定するとともに、土台と側根太とを、これらの内外面から複数の釘をそれぞれ傾斜姿勢で打ち込むことにより固定し、
壁パネルを、互いに所要の間隔で対向する2本の縦枠材の上端部間に上枠材が、2本の縦枠材の下端部間に下枠材がそれぞれ横に架設されることにより形成される壁枠と、この壁枠の屋内に面する内面に貼り着けられる石膏ボードと、壁枠の屋外に面する外面に貼り着けられる構造用合板とから構成し、構造用合板の上下縁部を壁枠の上枠材と下枠材からそれぞれ突出させ、側根太上に壁パネルを載置し、側根太の外面に壁パネルの構造用合板の下縁部を接触させて複数本の釘を打ち込むことにより固定するとともに、この複数本の釘を上下多段に配列し、相隣接する上下2段の釘列をなす釘同士を互い違いの千鳥状に配列し、
複数本の木ねじを、壁パネルの下枠材の屋外に面する外面側から内面側に向けて低くなる傾斜姿勢で螺子入れされ、側根太と壁パネルの構造用合板とを接合する第1の螺入列と、壁パネルの下枠材の屋内に面する内面側から外面側に向けて低くなる傾斜姿勢で螺子入れされ、側根太と壁パネルの石膏ボードとを接合する第2の螺入列とから形成し、下枠材の長手方向に第1、第2の螺入列を互いに対向しないよう配列し、これら第1、第2の螺入列の木ねじを水平面に対して傾斜させ、かつ第1、第2の螺入列の木ねじを断面視で交差させるようにしたことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、壁パネルの斜視図、図2は、その壁パネルの外面図、図3は、その壁パネルの内面図、図4は、その壁パネルの側面図、図5は、その壁パネルの下面図である。
【0020】
Aは、壁枠10、パネル板11〜13、パネル板14〜16及び断熱材17…からなる壁パネルであり、縦横寸法を各2700mm前後に設定したやや横長方形のものである。
【0021】
壁枠10は、互いに所要の間隔にした2本の縦枠材18,19の上下端部間に上下枠材20,21を横架するとともに、それら縦枠材18,19間に、これらをほぼ均分する間隔にした5本の仕切り材22〜26を、また、上下枠材20,21間を二分する位置に仕切り材27…を配設した構成になっている。
【0022】
パネル板11〜13は、それぞれ後記する幅にし、かつ、上下枠材20,21よりもやや長い全長にした縦長方形の構造用合板であり、壁枠10の外面に貼設されている。なお、以後、パネル板11〜13を構造用合板11〜13という。
【0023】
構造用合板11〜13は、これらの上下縁部を上下枠材20,21の上下にそれぞれ所定の長さだけ延出させた状態で壁枠10に貼設されているが、本実施形態においては、構造用合板11〜13の下縁部11a〜13aの延出長さL1を、後記する構造材である側根太28の外面28aに重合するように約60mmとしている。
下縁部11a〜13aの延出長さL1は、下枠材21の下面21aと、構造用合板11〜13の下端面11a′〜13a′との間の領域を指している。
【0024】
なお、延出長さL1としては、構造用合板11〜13の板厚や材質等により、例えば50〜75mmの範囲内で適宜設定することができるが、下縁部11a,12a,13aと後記する側根太28とを、互いに所要の間隔で上下2段に配列した複数本の釘31…により打ち付けて固定できるように設定すればよいものである。
【0025】
構造用合板11〜13のうち、構造用合板11の幅は、外面視において、縦枠材18と仕切り材23の各軸心の間隔に一致して形成されている。
【0026】
構造用合板12の幅は、外面視において、仕切り材23と仕切り材25の各軸心の間隔に一致して形成されている。
【0027】
構造用合板13の幅は、外面視において、仕切り材25と縦枠材19の各軸心の間隔よりもやや大きく形成されており、その構造用合板13の一側縁13aを仕切り材25の軸心に一致させることにより、他側縁13bを縦枠材19よりも外側方に突出させた状態で貼設されている。
【0028】
パネル板14〜16は、それぞれ後記する幅にし、かつ、上下枠材20,21よりもやや長い全長にした縦長方形の石膏ボードであり、壁枠10の内面に貼設されている。なお、以後、パネル板14〜16を石膏ボード14〜16という。
【0029】
本実施形態においては、石膏ボード14〜16は、これらの下端面14a〜16aを下枠材21の下面21aに一致させることにより、それらの上端面14b〜16bを、上枠材20の上方に所定の長さだけ突出させた状態で貼設されている。
【0030】
石膏ボード14の幅は、縦枠材19と仕切り材25の各軸心の間隔に一致して形成されている。
【0031】
石膏ボード15の幅は、仕切り材25と仕切り材23の各軸心の間隔に一致して形成されている。
【0032】
石膏ボード16の幅は、仕切り材23と縦枠材18の各軸心の間隔よりもやや大きく形成されており、これの一側縁16cを仕切り材23の軸心に一致させることにより、他側縁16dを縦枠材18よりも外側方に突出させた状態で貼設されている。
【0033】
断熱材17…は例えばグラスウールであり、それらは、縦枠材18,19、仕切り材22〜27、構造用合板11〜13及び石膏ボード14〜16で区画される各内部空処α…に収容されている。
【0034】
上記した壁パネルAの建築構造物への接合構造は、次の通りである。図6は、壁パネルAを用いた建築構造物への接合構造の部分側面図、図7は、図6に包囲線Iで示す要部拡大図である。
【0035】
壁パネルAと側根太28とは、構造用合板11〜13の下縁部11a〜13aを、互いに所要の間隔で上下2段に配列した複数本の釘31…により打ち付けて固定しているとともに、複数本の木ねじ29…によって接合固定されている。なお、構造用合板11〜13の外面には、図示しない防火サイディングが貼着されるようになっている。
【0036】
具体的には、図8に示すように、上段側の釘列β1と下段側の釘列β2との間隔は20mm、下枠材21の下面と上段側の釘列β1との間が20mm、また、下縁部11a〜13aの下端面11a′〜13a′と下段側の釘列β2との間が20mmとなっている。
なお、本実施形態においては、下縁部11a〜13aの下端面11a′〜13a′と下段側の釘列β2との間を20mmに設定しているが、この間の間隔は比較的広めに設定することが好ましい。
【0037】
同じ釘列をなす隣接する釘31,31の間隔W1は100mmとなっており、上段側の釘列β1と下段側の釘列β2の釘31…は、平面視において、W2=50mm間隔となるように打ち込まれている。
【0038】
換言すると、上下2段に配列した複数本の釘31…は、それらの釘列をなす釘31…どうしをW1/2ピッチずつ互い違いに位置させた千鳥打ちになっている。このような千鳥打ちにすることによって、各釘31の間隔を広く設定することができる。
【0039】
従って、例えば地震等による強い横揺れが壁パネル1に作用する場合のように、構造用合板11〜13に、これの下縁部11a〜13aを側根太28に打ち付けている釘31を中心とした大きな応力が発生しても、構造用合板11〜13の下縁部11a〜13aが断裂されて、壁パネル1自体が損壊することを防止できる。
【0040】
上記した側根太28は土台32の上面に載置されており、それら側根太28と土台32とは、これらの外壁面どうしを跨いで貼り渡された外壁材33を介して、上下4段に打ち込まれた釘31…によって固定されているとともに、側根太28の屋外に面する外面側から内面側に向けて低くなる傾斜姿勢で打ち込まれた釘33…と、その側根太28の前記内面側から外面側に向けて低くなる傾斜姿勢で打ち込まれた釘33によっても打ち付け固定されている。
【0041】
上記各段の釘列の間隔はほぼ等間隔になっているとともに、各列をなす釘31…と、前記した釘列β1,β2をなす釘31…とは、図8に示すように、上下方向で重ならないようにややずらした位置関係となるように配置している。
【0042】
木ねじ29…は、下枠材21の屋外に面する外面21b側から、屋内に面する内面21c側に向けて低くなる傾斜姿勢で螺入した木ねじ29がなす第1の螺入列γ1と、その下枠材21の前記内面21c側から外面21b側に向けて低くなる傾斜姿勢で螺入した木ねじ29がなす第2の螺入列γ2からなる。
【0043】
また、第1の螺入列γ1をなす木ねじ29…と第2の螺入列γ2をなす木ねじ29…とを、互いに対向しないように配列している。
【0044】
各列をなす木ねじ29相互の間隔は、例えば壁パネルAの縦横の寸法等に従って、広狭設定すればよいものではあるが、本実施形態に示すように、壁パネルAの縦横寸法が各2700mm前後の場合、例えば230mmほどに設定することができる。
【0045】
各木ねじ29は、本実施形態においては、図9に示すように、水平面となす角度θを約60°に設定している。なお、角度θは、約60°に限るものではなく、下枠材の幅,木ねじのサイズやピッチ等を適宜勘案して所要の角度に設定すればよい。
【0046】
上記壁パネルAの建築構造物への接合作業は、工場等で予め組み立てておいた前記壁パネルAを現場施工によって行うものであり、概ね次の通りである。
側根太28に壁パネルAを載置することにより、その壁パネルAの下枠材21の下面21aが、側根太28の上面28aに当接するとともに、構造用合板11〜13の下縁部11a〜13aが、側根太28の外面28bに当接重合する。
【0047】
前述したようにして、釘31…を構造用合板11〜13の下縁部11a〜13aに上記した所要の間隔で上下2段にして打ち込んで、該構造用合板11〜13を側根太28に固定する。
【0048】
これにより、構造用合板11〜13が側根太28にしっかりと固定されるとともに、各釘31…の間隔が十分に確保されているので、構造用合板11〜13の下縁部11a〜13aが釘31…によって断裂されて壁パネルAが損壊することがない。
【0049】
さらに、木ねじ29を、下枠材21の長手方向に沿う所要の間隔でかつ所定の傾斜姿勢にして、構造用合板11(12,13)及び石膏ボード14(15,16)の所定位置に螺入する。
木ねじ29の螺入に従って、構造用合板11(12,13)及び石膏ボード14(15,16)の所定位置には、図9に示すような木ねじ挿込み孔30…が次第に形成される。
【0050】
所要本数の木ねじ29…を順次下枠材21に螺入することにより、当該下枠材21と側根太28とを、従ってまた、壁パネルAと建築構造物とを接合する。
【0051】
本発明壁パネルの建築構造物への接合構造、2×4工法による壁パネルの建築構造物への接合構造、及び筋交長補正した在来壁の建築構造物への接合構造について、実大面内せん断耐力試験を行った。
【0052】
[試験方法]
ここでは、次のような構成からなる本発明壁パネル、2×4工法による壁パネル、及び在来壁を用いて面内せん断耐力試験を行った。図10は、本発明壁パネルの建築構造物への接合構造、及び2×4工法による壁パネルの建築構造物への接合構造の試験体及び試験装置であり、図11は、筋交長補正した在来壁の建築構造物への接合構造の試験体及び試験装置を示す正面図である。
なお、図中及び以下の説明において、「SW壁」との表記が本発明に係るもの、「204壁」との表記が2×4工法に係るもの、「在来壁」との表記が筋交長補正したものであり、Hで示す部分が約2500mm、Wで示す部分が約1580mmとなっている。
また、34は、試験体に対して荷重を加える油圧ジャッキであり、28′は側根太、32′は土台である。
【0053】
<SW壁>
枠材の樹種:ダグラスファー
壁下地面材:片面構造用合板9mm、片面石膏ボード12mm
釘接合仕様:CN50釘、周辺部100mm、内部150mm間隔
壁 倍 率:4.5(3.5+1.0)
脚部接合等:図1〜図9において説明したとおり
【0054】
<204壁>
枠材の樹種:SPF(スプール・パイン・ファー)
壁下地面材:片面構造用合板9mm、片面石膏ボード12mm
釘接合仕様:CN50釘、周辺部100mm、内部150mm間隔
壁 倍 率:4.5(3.5+1.0)
脚部接合等:標準的仕様
<在来壁>
在来軸組構法筋交い耐力壁:筋交いの仕様は、平割材たすき掛け
壁 倍 率:4.0(3.5×2)
ただし、図11に示す試験体は、上記の耐力壁と寸法を揃えるため、実際に施工される場合よりも壁高さが低くなっており、その分筋交いの有効座屈長が短くなっている。従って、実際の仕様に比べ、耐力が高いと考えられる。
また、壁には片面に12mmの石膏ボードが貼着されているが、柱,間柱のみに釘打ちされており、横架材には接合されていない。この石膏ボード分の壁倍率を、準耐力壁の取り扱いに準じて概算すると、0.6程度になる。これを加算すると、この耐力壁の壁倍率は、上記2種類の耐力壁とほぼ同程度の4.6相当となる。
【0055】
上記した本発明壁パネルの建築構造物への接合構造、2×4工法による壁パネルの建築構造物への接合構造、及び筋交長補正した在来壁の建築構造物への接合構造について、次の2通り(1),(2)の実大面内せん断耐力試験を行った。(1) 本発明壁パネル等の耐力壁自体の面内せん断耐力を測定するため、浮き上がりを拘束する試験方法(これを、壁頭を抑えた状態という。)
(2) 脚部の耐力を知るため、浮き上がり自由とする試験方法(これを、壁頭を抑えない状態という。)
【0056】
[試験結果]
試験の結果得られた上記各耐力壁の荷重‐変形角曲線を図12,13に示す。図12,13は、本発明壁パネルの建築構造物への接合構造、2×4工法による壁パネルの建築構造物への接合構造、及び筋交長補正した在来壁の建築構造物への接合構造に対して荷重をかけたときの、該荷重‐変形角曲線の特性図であり、図12は、上記した壁頭を抑えた状態での荷重と真のせん断変形角、また、図13は、頭を抑えない状態での荷重と見掛けのせん断変形角を示している。
【0057】
各図において、SW壁との表記が本発明に係るもの、また、204壁との表記が2×4工法であり、本発明に係るものを(イ)、2×4工法に係るものを(ロ)、筋交長補正した在来壁に係るものを(ハ)で示している。
【0058】
各図を参照して明らかなように、本発明壁パネルの建築構造物への接合構造が、2×4工法によるものや在来壁によるものに比較し、強度が格段に増していることが明らかである。
【0059】
なお、本発明は前述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
上記においては、複数本の釘を上下2段にして打ち込んだ例について説明したが、複数本の釘を、上下3段以上にして打ち込んでもよいことは勿論である。この場合、構造用合板の下縁部の延出長さを、該段数に対応して増やすようにする。
【0060】
上記においては、上下2段にした複数本の釘は、それらのうち相隣接する上下2段の釘列をなす釘どうしを、W1/2ピッチの一定間隔で互い違いに位置させた千鳥打ちになっているものについて説明したが、上段側の釘列をなす釘と、下段側の釘列をなす釘とが、平面視において重合しない程度に位置させればよい。換言すると、相隣接する上下2段の釘列をなす釘どうしを、W1/2ピッチの所定間隔で互い違いに位置させなくてもよく、さらには一定間隔に限るものではなく、例えば一定本数ごとに釘ピッチを広狭変更するようにしてもよい。
【0061】
木ねじを挿し込むための木ねじ挿込み孔を、木ねじを螺入すると想定される前記両パネル板の部分に予め形成しておくようにしてもよい。具体的には、下枠材のやや上側位置に、所要数の木ねじ挿込み孔を横一列にして形成しておくことが考えられる。この場合、それら木ねじ挿込み孔に木ねじを挿し込むだけで位置決めできるので、接合作業を容易に行うことができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、建築構造物と壁パネルとを十分な強度をもって接合することができるという効果がある。したがって、壁パネルに強い横揺れ等が作用した場合にも、下枠材、石膏ボード、及び構造用合板の損壊分離を防止して建築構造物と壁パネルとの接合強度を十分に確保することができる。
また、複数本の釘を上下多段に配列して相隣接する上下2段の釘列をなす釘同士を互い違いの千鳥状に配列するので、建築構造物と壁パネルとの接合強度をより十分に確保することができる。
さらに、複数本の木ねじを、壁パネルの下枠材の屋外に面する外面側から内面側に向けて低くなる傾斜姿勢で螺子入れされ、側根太と壁パネルの構造用合板とを接合する第1の螺入列と、壁パネルの下枠材の屋内に面する内面側から外面側に向けて低くなる傾斜姿勢で螺子入れされ、側根太と壁パネルの石膏ボードとを接合する第2の螺入列とから形成し、下枠材の長手方向に第1、第2の螺入列を互いに対向しないよう配列し、これら第1、第2の螺入列の木ねじを水平面に対して傾斜させ、かつ第1、第2の螺入列の木ねじを断面視で交差させるので、建築構造物と下枠材の接合強度をバランス良く向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】壁パネルの斜視図である。
【図2】同上の壁パネルの外面図である。
【図3】同上の壁パネルの内面図である。
【図4】同上の壁パネルの側面図である。
【図5】同上の壁パネルの下面図である。
【図6】壁パネルAを用いた建築構造物への接合構造の部分側面図である。
【図7】図6に包囲線Iで示す要部拡大図である。
【図8】その外面から見た部分正面図である。
【図9】下枠材と、これ螺入された木ねじを主として示す部分平面図である。
【図10】本発明壁パネルの建築構造物への接合構造、及び2×4工法による壁パネルの建築構造物への接合構造の試験体及び試験装置の正面図である。
【図11】筋交長補正した在来壁の建築構造物への接合構造の試験体及び試験装置を示す正面図である。
【図12】頭を抑えた状態での荷重と見掛けのせん断変形角との特性図である。
【図13】壁頭を抑えない状態での荷重と真のせん断変形角との特性図である。
【図14】従来の壁パネル、これの一部を破断して示す斜視図である。
【図15】その従来の壁パネルを側根太に接合した部分側面図である。
【符号の説明】
10 壁枠
11〜16 パネル板
11a〜16a パネル板の下縁部
18,19 縦枠材
20,21 上下枠材
28 構造材である側根太
29 木ねじ
31 釘
A 壁パネル
Claims (1)
- 建築構造物の構造材に壁パネルを複数本の木ねじにより接合する壁パネルの建築構造物への接合構造であって、
建築構造物の構造材を、土台上に側根太を載置することにより構成し、これら土台と側根太の外壁面に外壁材を複数の釘を介して固定するとともに、土台と側根太とを、これらの内外面から複数の釘をそれぞれ傾斜姿勢で打ち込むことにより固定し、
壁パネルを、互いに所要の間隔で対向する2本の縦枠材の上端部間に上枠材が、2本の縦枠材の下端部間に下枠材がそれぞれ横に架設されることにより形成される壁枠と、この壁枠の屋内に面する内面に貼り着けられる石膏ボードと、壁枠の屋外に面する外面に貼り着けられる構造用合板とから構成し、構造用合板の上下縁部を壁枠の上枠材と下枠材からそれぞれ突出させ、側根太上に壁パネルを載置し、側根太の外面に壁パネルの構造用合板の下縁部を接触させて複数本の釘を打ち込むことにより固定するとともに、この複数本の釘を上下多段に配列し、相隣接する上下2段の釘列をなす釘同士を互い違いの千鳥状に配列し、
複数本の木ねじを、壁パネルの下枠材の屋外に面する外面側から内面側に向けて低くなる傾斜姿勢で螺子入れされ、側根太と壁パネルの構造用合板とを接合する第1の螺入列と、壁パネルの下枠材の屋内に面する内面側から外面側に向けて低くなる傾斜姿勢で螺子入れされ、側根太と壁パネルの石膏ボードとを接合する第2の螺入列とから形成し、下枠材の長手方向に第1、第2の螺入列を互いに対向しないよう配列し、これら第1、第2の螺入列の木ねじを水平面に対して傾斜させ、かつ第1、第2の螺入列の木ねじを断面視で交差させるようにしたことを特徴とする壁パネルの建築構造物への接合構造。
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