JP3122159U - 建築物の耐震補強構造 - Google Patents

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    • E04BGENERAL BUILDING CONSTRUCTIONS; WALLS, e.g. PARTITIONS; ROOFS; FLOORS; CEILINGS; INSULATION OR OTHER PROTECTION OF BUILDINGS
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    • E04B1/18Structures comprising elongated load-supporting parts, e.g. columns, girders, skeletons
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    • E04B1/26Structures comprising elongated load-supporting parts, e.g. columns, girders, skeletons the supporting parts consisting of wood
    • E04B2001/2696Shear bracing

Abstract

【課題】軽量で、取り回しがよく、防火性・耐腐朽性があり、筋かいに頼らずに、耐震性や壁倍率を向上させることが可能な建築物の耐震補強構造を提供する。
【解決手段】左右に対向配置された一対の柱7と各柱7に接合された上段横架材1と下段横架材2からなる構造躯体において、所定の寸法の窯業系サイディング9が横張り状態で当接され、所定の間隔で釘4またはビスで留め付けることによって、建築物の耐震性や壁倍率を向上させる。
【選択図】図1

Description

本考案は、建築物の耐震補強構造に関し、とくに、木造の建築物において、窯業系外壁材などの構造用面材を使用してなる耐震補強構造に関する。
従来より、木造建築物のうち、在来軸組構法においては、構造躯体である柱・梁・胴差し・土台といった軸組構成物に構造用合板や筋かいを取り付けて構造物全体の水平剛性と水平耐力を高め、耐震性を向上させている。ここで、構造用合板としては、たとえば厚さ12mmや9mmで縦横寸法が8尺×3尺サイズのものを使用し、それを釘を使って150mm間隔で外周と間柱に当たる部分に留め付けて耐震構造を形成している。
また、窯業系サイディングのうち硬質木片セメント板を構造用面材として使用する例としては、厚さ12mm×横910mm×縦3030mmのものを柱・間柱に同様にして150mm間隔で釘でもって留め付けて壁倍率をおよそ2.0にする構造が昭和56年6月1日建設省告示第1100号に示されている。ここでは、910mm×3030mmサイズの硬質木片セメント板を構造用面材として施工した構造は、壁倍率を有する耐力壁となると規定されてはいるが、硬質木片セメント板を除く窯業系サイディングについては、なんら規定されていない。
また、同告示は、縦張りの構造用面材を使用した耐力壁の仕様を主に規定しており、構造用面材を継ぎ合わせて軸組に留め付ける場合や横張り施工などについては、面材の継ぎ手を補強するための胴つなぎ・横桟などを設けたものに限って、壁倍率を有する耐力壁となると規定している。そのため、複数枚の面材を継ぎ合わせて軸組に留め付ける仕様や横張り施工仕様などは、軸組に胴つなぎ・横桟などを追加しなければならず、施工の手間が増え、施工費用が高くなるなどの欠点がある。これらの理由より、一般的には、縦横寸法が8尺×3尺サイズや9尺×3尺サイズの面材を横張りとはせず、縦張りで施工する耐力壁構造が広く普及している。
なお、壁倍率とは、建築基準法において、耐力壁の強さを表す数値であり、壁倍率1.0とは、耐力壁の長さ1m当たりの基準耐力が1.96kNであることをいう。なお、上記告示に規定された構造用面材以外の面材を用いて壁倍率を有する耐力壁とする場合には、国土交通大臣の大臣認定を取得する必要がある。
一方、耐力壁構造として大臣認定を取得した一部の窯業系サイディングは、寸法が厚さ13mm×横910mm×縦3030mmと大きく、面材1枚当たりの質重量がおおよそ30kgと大きいため、面材を一人で運搬して張り付けることは困難であり、しかも寸法が大きいために、取り回しに余分な時間がかかり、作業能率が劣るという欠点があった。
ところで、特開2004−60293公報に、壁構造の発明が開示されている。ここには、複数枚の面材を継ぎ合わせて用いた面材張設の実施例、変形例が開示されてはいるものの、面材の寸法が短辺910mm、長辺910mm以上であるために、やはり取り回しに余分な時間がかかり、作業能率が劣るという問題についてはなんら解決されていない。
そこで、取り扱う面材を軽く、取り回しをよくするためには、面材一枚の寸法を小さくすることが考えられる。また、特開2004−263500公報には、家屋補強用キット及びその使用方法が、特開2005−232713公報には、木造軸組住宅の耐震補強構造及び方法、の発明が開示されている。ここには、面材一枚の寸法を小さくした耐力壁が開示されてはいるものの、上段横架材と下段横架材の間において、対向する柱または間柱に横桟を追加せざるを得ず、施工の手間が増えてしまい、上述した作業能率が劣るという問題については、なんら解決されていない。
また、開口部分や、軒天井の施工後に面材を施工しなければならないような部分では、耐震耐力が見込めないという問題もある。また、施工法や施工手順、施工位置に制約があると建築物に耐震構造要素をバランスよく配置することが困難になってしまう。さらに、構造用合板などの木質材については、可燃材であるため、防火性の面でも問題があり、外壁の施工方法や環境条件が原因で、腐朽する恐れもある。
また、従来からの木質筋かいを使用した耐震施工によらずに、より簡単な施工構造・方法も望まれている。なぜなら、一般的な木質筋かいを用いた耐力壁構造の場合、筋かい自身の圧縮時と引張り時の抵抗力に差があるため、同一耐力壁線上で筋かいの方向が一対となるように筋かいを配置しないと十分な耐震効果を発揮しない。また、施工者の技量により施工品質に差があり、しかも長さ3m〜3.6mの筋かいを使用した場合には、筋かいと横架材または柱との接合部に2〜3mmの空隙(げき)が発生する不具合は避けらない。この空隙がある場合、軸組構造に繰り返し荷重が加わると、荷重がゼロの付近で容易に変形するスリップ現象が発生し、初期剛性の低下につながる。さらに、木質筋かいを用いた耐力壁は、筋かいとその接合部に大きな応力が集中する構造であり、横架材が破壊したり、筋かいが折れたりして脆(ぜい)性的な破壊をまねく恐れがある。加えて、構造用合板などの木質材と同様に、木質筋かいは環境条件が原因で腐朽する恐れがある。
よって、木質筋かいを用いた軸組構造であっても、けっして十分な耐震構造は得られない。
木質筋かいを使用しないで耐震補強を行う施工構造については、実公第3024994号公報に、木造軸組在来工法における鋼製耐震フレームの架構の考案が開示されている。しかしながら、ここには、壁体内に鋼製アングルフレームを取り付け、基礎コンクリートに直結する不変形の耐震壁を得て、木造軸組在来工法による耐震性能の向上を図る例が開示されてはいるものの、複雑な形状・施工構造であるために、これも作業能率が劣るという問題についてはなんら解決されていない。
特開2004−60293 特開2004−263500 特開2005−232713 実公第3024994号
本考案は、上記した多数の問題点を解決するためになされたものであり、軽量で、取り回しがよく、防火性・耐腐朽性があり、筋かいに頼らずに、耐震性や壁倍率を向上させることが可能な建築物の耐震補強構造を提供することを目的としている。
本考案の上記目的は、窯業系サイディングの上下接合部を補強するための胴つなぎ・横桟などの下地材を構造躯体に設けることを不要とする耐震補強構造であって、左右に対向配置された一対の柱と各柱に接合された上段横架材と下段横架材からなる該構造躯体に、該窯業系サイディングが横張り状態で固定されていることを特徴とする建築物の耐震補強構造により達成される。
また、本考案の上記目的は、さらに、少なくとも上段横架材と各柱の上方部分ならびに下段横架材と各柱の下方部分の前面に窯業系サイディングが当接され、30mm以上55mm以下の所定の間隔でその当接部分に釘またはビスで固定されている建築物の耐震補強構造により、より効果的に達成される。
また、本考案の上記目的は、上段横架材と各柱の上方部分ならびに下段横架材と各柱の下方部分以外の中間位置に、該窯業系サイディングが30mm以上250mm以下の所定の間隔でその当接部分に釘またはビスで固定されている建築物の耐震補強構造により、さらに効果的に達成される。
また、本考案の上記目的は、上段横架材と各柱の上方部分ならびに下段横架材と各柱の下方部分以外の中間位置に開口部が設けられており、さらに該開口部を除く前記中間位置に窯業系サイディングが30mm以上250mm以下の所定の間隔でその当接部分に釘またはビスで固定されている建築物の耐震補強構造により、さらにより効果的に達成される。
また、本考案の上記目的は、窯業系サイディングが縦幅220mm以上1000mm未満、横幅2000mm以下の寸法であることにより、いっそうより効果的に達成される。
また、本考案の上記目的は、上段横架材または下段横架材と、各柱との接合部またはそれら部材間が接合金物または補強金物で結合され、かつ、当接される窯業系サイディングと干渉しない位置に該接合金物または補強金物が結合されているか、または、該接合金物または補強金物が窯業系サイディングと干渉しないようにするために、上段横架材または下段横架材、各柱に該接合金物または補強金物の形状および厚さに相当する部分が座掘りされており、該座掘り部分に接合金物または補強金物が埋め込まれて結合されている構造躯体である建築物の耐震補強構造により、なおいっそうより効果的に達成される。
本考案の建築物の耐震補強構造によれば、一人でも簡易に構造用面材としての窯業系サイディングを張りつけることを可能となし、作業能率を上げ、しかも耐力壁としての良好な効果を発揮させることが可能となる。また、施工法や施工手順、施工位置に制約があって、建築物に耐震構造要素をバランスよく配置することが難しい場合においても本考案を適用することが可能である。そして、窯業系サイディングは不燃材または準不燃材であるため、軸組構造の防火性を高めることが可能となり、木材のように腐朽しないため、長期にわたって耐久性を確保することが可能となる。さらに、従来のように筋かいだけに多くの耐震性を負担させることなく、構造用面材によって構造耐力を向上できるため、同一耐力壁線上の壁体全体に負荷を分散させることが可能となる。
したがって、本考案にかかる建築物の耐震補強構造によれば、施工が簡易でかつ耐震性、適用性、防火性、耐久性(耐腐朽性)、危険防止に優れるため、その有用性はきわめて高い。
図1から図7に従って、本考案の最適な実施態様について説明する。
図7に示す従来例は、上段横架材1と下段横架材2を1枚の面材でつなぐことが可能な寸法の面材3を用いて、釘4留めで軸組構造5に固定された耐力壁6を示している。
図1および図2に示す本考案の実施例1は、上段横架材1、下段横架材2、柱7、間柱8で構成される軸組構造5に対して、建築用面材である窯業系サイディング9(以下、板9)が、下から順番に上に向かって横張り状態で張り付けられている状態を示す。ここでは、柱7の間隔にあわせて、板9の左端部91および右端部92が柱7の前面に当接するように板9の寸法を設定している。
板の張り付けにおいては、最下段の板9を下段横架材2に当接し、釘4を50mmの間隔で板9の下辺に沿ってその長辺方向に打ち付けて、板9を留め付ける。さらに、前記の板9の左端部91、右端部92が柱7に当接する箇所については、釘4を50mmの間隔で板9の左辺および右辺に沿ってその短辺方向に打ち付けて、板9を留め付ける。また、この板9において、間柱8に当接している箇所については、釘4を200mmの間隔で板9の短辺方向に打ち付けて留め付ける。
つぎに、下から数えて2段目から5段目に相当する下段横架材2および上段横架材1に当接しない各板9については、板9の左端部91、右端部92が柱7に当接する箇所について、釘4を50mmの間隔で板9の短辺方向に打ち付けて、板9を留め付ける。また、この同じく下から数えて2段目から5段目に相当する各板9において、間柱8に当接している箇所については、釘4を200mmの間隔で板9の短辺方向に打ち付けて板9を留め付ける。
さらに、下から数えて6段目の板9に相当する上段横架材1に当接する箇所については、上段横架材1に釘4を50mmの間隔で板9の上辺に沿ってその長辺方向に打ち付けて、板9を留め付ける。さらに、この板9の左端部91、右端部92が柱7に当接する箇所については、釘4を50mmの間隔で板9の左辺および右辺に沿ってその短辺方向に打ち付けて、板9を留め付ける。また、この板9において、間柱8に当接している箇所については、釘4を200mmの間隔で板9の短辺方向に打ち付けて板9を留め付ける。
ここで、本考案の実施の形態にかかる実施例1および後述する実施例2ならびに変形例において使用する釘4は、胴部径2.75mm、長さ50mmで胴部の形状がスムースのものである。この釘4は、後述する比較例で示す釘よりも胴部径・長さともに大きく、胴部に凹凸が設けられていない形状である。板9を上段横架材1および下段横架材2ならびに柱7に打ち付ける釘4の間隔50mmを30mm間隔より小さくすると板の割れが発生するため、30mm以上の間隔で施工することが望ましい。また、この釘4の間隔50mmを55mm間隔より大きくすると耐力が低下するため、55mm以下の間隔で施工することが望ましい。同様の理由で、板9を間柱8に留め付ける釘4の間隔200mmについては、30mm以上の間隔とすることが望ましく、この200mm間隔を250mm間隔より大きくすると板の面外方向に反りや浮きなどが発生し、耐力を発現させる上では好ましくないため、250mm以下の間隔で施工することが望ましい。
なお、下段横架材とは、軸組構造の1階部分においては土台に相当し、2階以上の部分においては、胴差し・梁(はり)・桁(けた)に相当する。また、上段横架材とは、軸組構造の1階以上の部分においては胴差し・梁・桁に相当する。
図3に示す本考案の実施例2は、軸組構造5に開口10がある場合であり、開口10があるために、下から数えて4段目と5段目の板を張設できない例である。この場合、最下段・2段目・3段目・6段目の計4段分の板9しか張設されていないが、この場合も、各板9の釘4の位置は実施例1と同様としている。
図4に示す本考案の実施例2の変形例は、軒天井の施工の手順上、軒天井内の上段横架材に板を張設できない場合であり、上段横架材1に下から数えて6段目の板を張設できない例である。この場合も、各板9の釘4の位置は、実施例1と同様としている。
図5および図6に示す比較例は、一般的な横張り・直(じか)張り施工の窯業系サイディング壁の例である。柱7または間柱8に板9が当接されている箇所は、釘4を200ミリの間隔で板9の短辺方向に打ち付けて、板9が留め付けられている。使用する釘4は、胴部径2.3mm、長さ38mmで胴部の形状がリングのものである。
つぎに、本考案の実施の形態にかかる壁構造:実施例1・実施例2と、通常壁として施工される窯業系サイディングの横張り直張り壁構造(比較例)について、それぞれの比較を行うべく耐力試験を行った結果を表1から表4に示す。
<試験方法>
建築基準法第77条の56および建築基準法に基づく指定資格検定機関等に関する省令第71条の2に定める指定性能評価機関が公表する『木造耐力壁及びその倍率の試験・評価業務方法書』に記される建築基準法施行令第46条第4項表1の(八)項の規定に基づく認定に係(かか)わる試験方法を基本にした試験方法による。なお、完全弾性モデルおよび壁倍率の算出方法についても上記の評価方法を基本にした評価方法による。
<試験体>
表1:試験体概要
表2:実施例1と実施例2、比較例の「荷重−変形角データ」
表3:実施例1と実施例2、比較例の性能表
表4:実施例1と実施例2、比較例の「荷重−変位グラフ」
<試験結果>
試験データより、釘の胴部径を大きくし、また釘どうしの間隔を小さくすることにより、板と釘の接合部の変形による軸組構造全体のせん断耐力が大きくなる。よって、実施例1は比較例に比べて実験壁倍率が2.4倍程度向上する。実施例2も比較例に比べて実験壁倍率が1.5倍程度向上する。実施例1に比べて実施例2は板の枚数や釘の総本数が少なくなるため、実施例1に比べて実施例2の実験壁倍率は小さくなる。
これらのことより、耐力面材1枚の面積を小さくしても、実施例1および実施例2は、優れた耐震性能を有する耐力壁構造が実現できる。
また、図4に示す本考案の変形例は、軒天井の施工の手順上、軒天井内の上段横架材に板を張設できない例であるが、この場合には、最上部の1段分の板を施工できないものの、横張り施工の窯業系サイディング壁でも十分な耐力壁構造が可能になる。図3に示す実施例2と同様に、実施例1に比べてこの変形例では板の枚数や釘の総本数が少なくなるために、実施例1に比べて壁倍率は小さくなる傾向にある。
このように、実施例1に比べて実施例2および変形例の壁倍率は低減されるが、耐震改修工事の際に、耐力壁を確保しにくい部分などにおいては非常に有用である。たとえば、住宅の品質確保の促進等に関する法律第7条から第10条までの規定の定めるところによる指定住宅性能評価機関が、同法第3条第1項および平成13年8月14日国土交通省告示第1346号に規定される日本住宅性能表示基準に基づき、同法第5条第1項および同施行規則第1条、平成13年8月14日国土交通省告示第1347号に基づく住宅性能評価を行う際には、耐震等級や耐風等級を評価する場合に、実施例2および変形例は準耐力壁として扱い、耐力を算入し評価することができる。
また図示しないが、接合金物または補強金物を使用して軸組構造を構成する形態もある。この場合も実施例1または実施例2、変形例を適用することが可能である。
同様に、接合金物または補強金物が耐震補強金物としての機能を持ち、軸組構造が耐力壁構造の性能を有する場合に、これら実施例1または実施例2、変形例を適用して、複合耐力壁として構成することも可能である。
なお、本考案の建築物の耐震補強構造における構造躯体については、上述のごとく、軸組構法を主に説明をおこなってきたが、これ以外の構法、たとえば枠組壁構法や丸太組構法についても同様に適用可能である。
なおまた、本考案の建築物の耐震補強構造における構造躯体には、柱と間柱との間隔を455mmとする尺モデュールや、同500mmとするメーターモデュールなどの基準寸法に基づく軸組構法・構造がある。これらの軸組に対して窯業系サイディングを横張りで施工する場合、尺モデュールのとき、板のサイズを縦幅220mm以上910mm未満、横幅1820mm以下、もしくはメーターモデュールのとき、縦幅220mm以上1000mm未満、横幅2000mm以下とすることが可能である。
たとえば、尺モデュールの場合、幅が1820mm、高さが2727mmの軸組構造に、縦幅610mm・横幅1820mmの板を張設するとき、4段分は縦幅610mmの板を使用し、上段横架材に当接する最上段部は287mmに切断した板を使用すればよい。
また、同様の軸組構造に、たとえば、縦幅500mm・横幅1820mmの板を張設するとき、5段分は縦幅500mmの板を使用し、上段横架材に当接する最上段部は227mmに切断した板を使用すればよい。
同様に、メーターモデュールの場合、幅が2000mm、高さが3000mmの軸組構造に、たとえば、縦幅900mm・横幅2000mmの板を張設するとき、3段分は縦幅900mmの板を使用し、上段横架材に当接する最上段部は300mmに切断した板を使用すればよい。
なお、板の厚さは12mm以上が望ましいが、厚さが12mm未満であっても要求される壁倍率に応じて厚さを設定することが可能である。
さらに、窯業系サイディングは表面塗装の有無を問わず、板の張設面は外壁側、内壁側を問わない。耐力壁構造の耐久性をより確保したい場合には、外壁において無塗装の板を用いたときは、板の表面側に仕上げを施すことが望ましい。この板の端部小口に面取り加工を施してもよく、また、板どうしの接合部分の形状は、突き合わせ、合决り実(あいじゃくりざね)、本実(ほんざね)のいずれかもしくはそれらの組み合わせでよい。一例として、板を内装で使用する場合、面取り加工を施した板の小口どうしを突き合わせて接合目地をつくり、この目地にパテなどの充填(てん)材を塗り込んで、無目地処理を施す構成があげられる。
そのうえ、板の上下左右の端部において、板に打ち付ける釘またはビスの端あき・縁(へり)あき距離が15mm未満だと板の割れが発生するため、15mm以上の端あき・縁あき距離を確保することが望ましい。釘は、JIS A 5508に規定されるステンレス鋼くぎで、胴部径2.75mm以上、長さ50mm以上で胴部の形状がスムースのものを使用することが望ましい。これについても板の厚さと同様に、要求される壁倍率に応じて、上記規格の鉄丸くぎ・せっこうボード用くぎなどを設定することや、胴部径・長さ・胴部の形状などを設定することが可能である。
ならびに、ビスを用いて板を留め付ける場合には、ビスは、JIS B 1122に規定される十字穴付き皿タッピンねじで直径3mm以上、長さ30mm以上のもの、またはコーススレッドを使用することが望ましい。これも上記と同様に、要求される壁倍率に応じて、せっこうボード用ビスや軽天タッピングビスなどを設定することや、直径・長さなどの寸法形状を設定することが可能である。また、ビスの施工時に、板の端部が割れるのを防ぐため、板にあらかじめビスの径と同じ径または若干小さい径の先孔(あな)を穿(せん)孔し、電動ドライバなどの電動工具を用いて、板が割れないよう、この先孔にビスをねじ込むことが望ましい。
本考案の実施例1にかかる建築物の耐震補強構造の代表例の一例を示す正面図 図1に示す耐震補強構造の平面図 本考案の実施例2にかかる建築物の耐震補強構造の代表例の一例を示す正面図 本考案の実施例2にかかる建築物の耐震補強構造の変形例を示す正面図 本考案にかかる建築物の耐震補強構造の比較例を示す正面図 図5に示す比較例の平面図 従来の耐力壁の正面図
符号の説明
1 上段横架材
2 下段横架材
3 面材
4 釘(くぎ)
5 軸組構造
6 耐力壁
7 柱
8 間柱
9 板(窯業系サイディング)
10 開口
91 板9の左端部
92 板9の右端部

Claims (6)

  1. 窯業系サイディングの上下接合部を補強するための胴つなぎ・横桟などの下地材を構造躯体に設けることを不要とする耐震補強構造であって、左右に対向配置された一対の柱と各柱に接合された上段横架材と下段横架材からなる該構造躯体に、該窯業系サイディングが横張り状態で固定されていることを特徴とする建築物の耐震補強構造。
  2. 少なくとも上段横架材と各柱の上方部分ならびに下段横架材と各柱の下方部分の前面に窯業系サイディングが当接され、30mm以上55mm以下の所定の間隔でその当接部分に釘またはビスで固定されていることを特徴とする請求項1記載の建築物の耐震補強構造。
  3. 上段横架材と各柱の上方部分ならびに下段横架材と各柱の下方部分以外の中間位置に、該窯業系サイディングが30mm以上250mm以下の所定の間隔でその当接部分に釘またはビスで固定されていることを特徴とする請求項2記載の建築物の耐震補強構造。
  4. 上段横架材と各柱の上方部分ならびに下段横架材と各柱の下方部分以外の中間位置に開口部が設けられており、さらに該開口部を除く前記中間位置に窯業系サイディングが30mm以上250mm以下の所定の間隔でその当接部分に釘またはビスで固定されていることを特徴とする請求項3記載の建築物の耐震補強構造。
  5. 窯業系サイディングが縦幅220mm以上1000mm未満、横幅2000mm以下の寸法であることを特徴とする請求項1から4まで記載の建築物の耐震補強構造。
  6. 上段横架材または下段横架材と、各柱との接合部またはそれら部材間が接合金物または補強金物で結合され、かつ、当接される窯業系サイディングと干渉しない位置に該接合金物または補強金物が結合されているか、または、該接合金物または補強金物が窯業系サイディングと干渉しないようにするために、上段横架材または下段横架材、各柱に該接合金物または補強金物の形状および厚さに相当する部分が座掘りされており、該座掘り部分に接合金物または補強金物が埋め込まれて結合されている構造躯体であることを特徴とする請求項1から請求項5まで記載の建築物の耐震補強構造。
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