JP3672712B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車両に関し、より詳しくはパラレル型のハイブリッド車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
パラレル型のハイブリッド車両にあっては、一般の自動車と同様に車両の基本的な走行駆動源としてエンジンを具備する一方、そのエンジンの出力を補助する補助出力を必要に応じて生成させる電動機を車両に搭載し、それらのエンジン及び電動機の出力(機械的な動力)を変速装置等の動力伝達手段を介して駆動輪に伝達して走行するものが一般に知られている。
【0003】
そして、この種のハイブリッド車両では、例えば車両の加速時に電動機に前記補助出力を生成させ、それをエンジンの出力と併せて駆動輪に伝達することで、車両の必要な加速性能を確保しつつエンジンの出力を抑制し、ひいては、エンジンの燃料消費や排気ガスの少量化を図るようにしている。
【0004】
また、例えば車両の減速時には、駆動輪から動力伝達手段を介して電動機に伝達される車両の運動エネルギーによって、該電動機を発電機として駆動して回生発電を行わしめ、その回生発電出力を電動機の電源バッテリ等の電気エネルギー貯蔵手段に回収することが一般に行われている。
【0005】
ところで、この種のハイブリッド車両には、通常の自動車と同様に、エアコンやオーディオ装置、エンジンの点火装置、電子制御ユニット等、各種の補機類が備えられ、これらの動作電圧(通常、12V)は前記補助出力を生成する電動機の動作電圧(例えば100〜180V)よりも小さい。このため、該ハイブリッ車両では、通常、電動機の電源エネルギーを貯蔵した電気エネルギー貯蔵手段の他、補機類用の電源エネルギーを貯蔵した12Vバッテリ等の補機類用電気エネルギー貯蔵手段が車両に搭載され、この補機類用電気エネルギー貯蔵手段から補機類への給電を行うようにしている。さらにこの場合、補機類用電気エネルギー貯蔵手段は、前記電動機用の電気エネルギー貯蔵手段にDC−DCコンバータを介して接続され、該電動機用電気エネルギー貯蔵手段の貯蔵エネルギーや電動機の回生発電電力をDC−DCコンバータにより降圧したものを補機類用電気エネルギー貯蔵手段に適宜充電するようにしている。
【0006】
しかるに、上記DC−DCコンバータは、一般に消費電力が大きいため、電動機用電気エネルギー貯蔵手段の貯蔵エネルギーや電動機の回生発電電力を補機類用電気エネルギー貯蔵手段に充電する際のエネルギー効率(例えば40〜60%)が悪く、電動機用電気エネルギー貯蔵手段の貯蔵エネルギーや電動機の回生発電電力の多くがDC−DCコンバータによって無駄に消耗されてしまうものとなっていた。
【0007】
このため、本願発明者等は、補機類用の電気エネルギーを発電する発電機をハイブリッド車両に搭載し、この発電機をエンジンの出力を用いて駆動することで、該発電機の発電出力を補機類用電気エネルギー貯蔵手段に充電することを試みている。
【0008】
この場合、該発電機の発電に際しては、通常の自動車の場合と同様に、エンジンの動作中に常時、発電機の発電を行わしめることが考えられる。
【0009】
しかるに、ハイブリッド車両では、エンジンの燃料消費を極力抑えることが必要であるのに対し、上記のようにエンジンの動作中に常時、発電機の発電を行わしめるようにすると、該発電機が常時、エンジンの負荷となって、エンジンの燃料消費を抑制する妨げとなってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、補機類用の電源エネルギーを貯蔵した補機類用電気エネルギー貯蔵手段にエンジンの出力により駆動される発電機の発電出力を的確に給電しつつ、エンジンの燃料消費をできるだけ抑制することができるハイブリッド車両を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のハイブリッド車両はかかる目的を達成するために、車両の走行駆動源としてのエンジンと、該エンジンの出力を該エンジンの出力軸から駆動輪に伝達する動力伝達手段と、該エンジンの出力を補助する補助出力を前記動力伝達手段を介して前記駆動輪に伝達可能に設けられた電動機と、該電動機の電源エネルギーを貯蔵する電動機用電気エネルギー貯蔵手段と、前記電動機よりも低電圧で動作する補機類と、該補機類の電源エネルギーを貯蔵する補機類用電気エネルギー貯蔵手段と、前記エンジンの出力により駆動されて発電し、その発電出力を前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段に給電するように設けられた発電機と、前記エンジン、電動機及び発電機による車両の運転制御を行う車両運転制御手段とを備えたハイブリッド車両において、前記電動機及び前記発電機は、前記動力伝達手段の上部に配置されると共に前記エンジンの出力軸と異なる軸心上で同心に配置されて前記動力伝達手段に接続され、前記発電機が前記エンジンの出力軸に前記車両運転制御手段により制御可能な発電機用クラッチ手段を介して接続して設けられ、前記車両運転制御手段は、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費状態又はエネルギー貯蔵状態に応じて前記発電機の発電を行うか否かを決定し、該発電機の発電を行わしめるときには、前記発電機用クラッチ手段を接続状態に制御し、該発電機の発電を行わないときには、前記発電機用クラッチ手段を切断状態に制御することを特徴とする(請求項1記載の発明)。
【0012】
かかる本発明によれば、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費状態又はエネルギー貯蔵状態に応じて前記発電機の発電を行うか否かを決定して、発電機の発電を行わせたり、行わせなかったりすることで、補機類用電気エネルギー貯蔵手段の充電が必要な時だけ、発電機による発電出力を補機類用電気エネルギー貯蔵手段に給電することができる。そして、この場合、補機類用電気エネルギー貯蔵手段の充電が不要で、発電機の発電を行わない場合には、前記発電機用クラッチ手段を遮断状態とすることで、該発電機とエンジンの出力軸とは切り離され、該エンジンの負荷が軽減される。
【0013】
従って、本発明によれば、補機類用の電源エネルギーを貯蔵した補機類用電気エネルギー貯蔵手段にエンジンの出力により駆動される発電機の発電出力を必要に応じて的確に給電しつつ、エンジンの燃料消費をできるだけ抑制することができる。
【0014】
かかる本発明では、より具体的には、前記車両運転制御手段は、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費状態であるエネルギー消費量が所定量以上であるとき、前記発電機用クラッチ手段を接続状態に制御しつつ前記発電機の発電を行わしめるように該発電機を制御し、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費量が前記所定量に満たないときには、前記発電機を動作停止状態(発電機の通電遮断状態)としつつ、前記発電機用クラッチ手段を遮断状態に制御する(請求項2記載の発明)。
【0015】
また、前記車両運転制御手段は、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー貯蔵状態であるエネルギー貯蔵量が所定量以下であるとき、前記発電機用クラッチ手段を接続状態に制御しつつ前記発電機の発電を行わしめるように該発電機を制御し、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー貯蔵量が前記所定量を超えているときには、前記発電機を動作停止状態としつつ、前記発電機用クラッチ手段を遮断状態に制御する(請求項3記載の発明)。
【0016】
このようにすることで、補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費量が所定量以上で比較的大きい場合や、該補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー貯蔵量が所定量以下で比較的小さい場合には、発電機の発電出力が補機類用電気エネルギー貯蔵手段に給電されるので、必要限の最適なタイミングで補機類用電気エネルギー貯蔵手段の充電を効率よく行うことができ、また、発電機の発電を要しない場合には、適正にエンジンの負荷を軽減してその燃料消費を抑制することができる。
【0017】
この場合、前記請求項2記載の本発明にあっては、特に好ましくは、前記車両運転制御手段は、前記発電機の発電を行わしめるとき、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費量に応じて前記発電機の発電出力を決定し、その決定した発電出力に従って該発電機を制御する(請求項4記載の発明)。
【0018】
また、前記請求項3記載の本発明にあっては、特に好ましくは、前記車両運転制御手段は、前記発電機の発電を行わしめるとき、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー貯蔵量に応じて前記発電機の発電出力を決定し、その決定した発電出力に従って該発電機を制御する(請求項5記載の発明)。
【0019】
このように発電機の発電に際して、補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費量やエネルギー貯蔵量に応じて発電機の発電出力を決定することで、この発電時においても、エンジンの負荷を必要最小限に留めることができ、エンジンの燃料消費を極力抑える上で効果的である。
【0020】
また、本発明では、前記車両運転制御手段は、前記車両の駐停車時に前記発電機の発電を行わないことを決定したときには、前記エンジンを動作停止状態とし、前記車両の駐停車時に前記発電機の発電を行うことを決定したときには、前記エンジンをアイドリング状態に制御する(請求項6記載の発明)。
【0021】
これによれば、車両の駐停車時に前記発電機の発電を要しない、すなわち、エンジンの出力を必要としない場合にエンジンを動作停止状態とすることで、エンジンによる燃料消費がなくすことができ、また、車両の駐停車時に前記発電機の発電を要するときには、エンジンをアイドリング状態とすることで、支障なく発電機の発電を行って、その発電出力を補機類用電気エネルギー貯蔵手段に給電することができる。
【0022】
この場合、前記車両運転制御手段は、前記車両の駐停車時に前記エンジンをアイドリング状態に制御するときには、該エンジンの出力軸に生じるトルク変動を抑制するトルクを前記電動機から該エンジンの出力軸に付与させるように該電動機を制御することが好ましい(請求項7記載の発明)。
【0023】
すなわち、エンジンのアイドリング状態では、一般にその出力軸に周期的なトルク変動を生じ(このトルク変動は所謂TDCに同期して生じる)、このようなトルク変動はエンジンの燃焼消費を増大させる要因となる。この場合、ハイブリッド車両では、前記電動機からエンジンの出力軸に任意のトルクを付与することが可能であるので、該電動機を適正に制御することで、エンジンの出力軸のトルク変動を抑制することができ、これによって、エンジンの燃焼消費を抑制することができる。
【0024】
また、本発明では、前記発電機は、前記車両の減速時に、前記発電機用クラッチ手段の接続状態において前記駆動輪から前記動力伝達手段を介して前記エンジンの出力軸側に伝達される車両の運動エネルギーにより駆動可能に設けられ、前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記エンジンへの燃料供給及び点火を停止せしめる(請求項8記載の発明)。
【0025】
これによれば、車両の減速時には、エンジンへの燃料供給及び点火が停止されて該エンジンは出力を発生しない状態となり、該エンジン自体は前記発電機を駆動することができない状態となるものの、前記発電機用クラッチ手段の接続状態においては、車両の運動エネルギーが動力伝達手段を介して発電機に伝達され、その運動エネルギーによって該発電機が駆動される。従って、発電機の発電を要するときには、発電機用クラッチ手段を接続状態として支障なく発電機の発電を行うことができる。同時に、このとき、エンジンへの燃料供給及び点火を停止することで(これは発電機の発電を行うか否かにはよらない)、エンジンの燃料消費と、点火のための電力消費をなくすことができる。
【0026】
このように車両の減速時にエンジンの給燃及び点火を停止する場合、前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記発電機の発電を行うことを決定した状態で該車両の速度が所定車速以下に低下したとき、前記エンジンへの燃料供給及び点火を再開させて、前記発電機を駆動する出力を該エンジンに生成せしめることが好ましい(請求項9記載の発明)。
【0027】
すなわち、車両の減速時における前記発電機の発電は、前述の如く車両の運動エネルギーを駆動力として行われるのであるが、このとき、車両の速度がある程度低くなると、車両の運動エネルギーが小さくなり過ぎて、発電機の所要の発電を行うことができなくなる。そこで、車両の減速時に発電機の発電を行う場合に、該車両の速度が所定車速以下に低下したときに、前記エンジンへの燃料供給及び点火を再開させて、前記発電機を駆動する出力を該エンジンに生成せしめることで、発電機の発電を支障なく継続することができる。
【0028】
前述のように車両の減速時にエンジンへの燃料供給及び点火を停止する請求項8記載の発明にあっては、前記エンジンは、前記車両運転制御手段により制御可能なエンジン用クラッチ手段を介して前記動力伝達手段に接続して設けられると共に、前記発電機は前記エンジン用クラッチ手段の出力側に前記発電機用クラッチ手段を介して接続して設けられ、前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記エンジン用クラッチ手段を遮断状態に制御することが好ましい(請求項10記載の発明)。
【0029】
またさらに、車両の減速時における発電機の発電時に、車両の速度が所定車速以下に低下したときにエンジンへの燃料供給及び点火を再開させる請求項9記載の発明にあっては、前記エンジンは、前記車両運転制御手段により制御可能なエンジン用クラッチ手段を介して前記動力伝達手段に接続して設けられると共に、前記発電機は前記エンジン用クラッチ手段の出力側に前記発電機用クラッチ手段を介して接続して設けられ、前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記車両の速度が前記所定車速よりも高いときには、前記エンジン用クラッチ手段を遮断状態に制御し、該車両の速度が前記所定車速以下に低下したときには、前記エンジン用クラッチ手段を接続状態に制御することが好ましい(請求項11記載の発明)。
【0030】
すなわち、前記エンジン用クラッチ手段を備えることで、車両の減速時に該エンジン用クラッチ手段を遮断状態とすることによって、車両の運動エネルギーはエンジンには伝達されなくなり、該エンジンによって消耗されることがない。従って、車両の減速時にエンジン用クラッチ手段を遮断状態とすることで、その減速時における発電機の発電に際しては、車両の運動エネルギーが効率よく発電機に伝達され、該運動エネルギーを有効に活用して発電機の発電を効率よく行うことができる。尚、請求項9記載の発明のように、車両の減速時における発電機の発電時に、車両の速度が所定車速以下に低下したときにエンジンへの燃料供給及び点火を再開させる場合には、車両の速度が所定車速以下に低下したときに、前記エンジン用クラッチ手段を遮断状態から接続状態としてエンジンへの燃料供給及び点火を再開することで、該エンジンの運転が再開する。そして、この運転が再開されたエンジンの出力は、エンジン用クラッチ手段及び発電機用クラッチ手段を介して発電機に伝達され、これにより発電機の発電を継続することができる。
【0031】
また、本発明では、前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記駆動輪から前記動力伝達機構を介して前記電動機に伝達される前記車両の運動エネルギーにより該電動機の回生発電を行わしめるように該電動機を制御する(請求項12記載の発明)。
【0032】
これによれば、車両の減速時の運動エネルギーによって前記電動機の回生発電を行うことで、該運動エネルギーの一部を電動機の回生発電によって電気エネルギーに変換して前記電動機用電気エネルギー貯蔵手段に回収することができる。特に、車両の減速時に前述の如くエンジン用クラッチ手段を遮断状態とする場合にあっては、車両の運動エネルギーがエンジンによって消耗されることがないため、前述の如く発電機の発電を効率よく行うことができると同時に前記電動機の回生発電も効率よく行うことができる。さらに、車両の減速時に発電機の発電を行わない場合には、前記発電機用クラッチ手段も遮断状態とされることで、車両の運動エネルギーの多くが電動機に伝達されることとなって、該電動機の回生発電をより一層効率よく行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1は本実施形態のハイブリッド車両の全体的システム構成図、図2は図1の要部の構成を示す説明図、図3乃至図6は図1のハイブリッド車両の作動を説明するためのフローチャートである。
【0034】
図1を参照して、1はエンジン、2は電動機(詳しくは発電機としても動作可能な発電電動機)、3は発電機、4は動力伝達手段としての変速装置である。エンジン1の出力軸であるクランク軸1aは、エンジン用クラッチ手段であるクラッチ機構5(以下、エンジンクラッチ5という)を介して変速装置4の入力側に断接自在に連接され、該変速装置4の出力側のドライブシャフト4aが、図示を省略するが差動ギヤ機構等を介して車両の駆動輪に連接されている。
【0035】
尚、変速装置4は、図しない油圧ポンプや油圧回路を用いた変速駆動装置6によりその変速動作が行われるようになっている。同様に、前記エンジンクラッチ5は、油圧式のエンジンクラッチ駆動装置7によりその断接動作が行われるようになっている。また、図中、8はエンジン1への燃料供給(以下、給燃という)を行う給燃装置、9はエンジン1の点火装置である。
【0036】
電動機2及び発電機3は、本実施形態では磁石式のものであり、変速装置4の上部の空きスペースに同心に配置されて該変速装置4に取付けられている。これらの電動機2及び発電機3の軸心部には伝動軸10が回転自在に挿通されており、この伝動軸10が、変速装置4の入力側及びエンジンクラッチ5の出力側と連動して回転するように、例えばプーリ/ベルト機構から成る回転伝達手段11を介して変速装置4の入力側(エンジンクラッチ5の出力側)に連接されている。そして、電動機2の回転軸及び発電機3の回転軸は、それぞれ上記伝動軸10に、電動機用クラッチ手段としての電磁クラッチ12及び発電機用クラッチ手段としての電磁クラッチ13を介して断接自在に接続されている。
【0037】
より具体的には、図2を参照して、電動機2にあっては、その磁石から成るロータ14と、このロータ14から同心に延設された中空の回転軸15とが図示しないベアリング等を介して前記伝動軸10に回動自在に支承されており、上記回転軸15の一端部が伝動軸10との間に介在させた電磁クラッチ12を介して伝動軸10に断接自在とされている。
【0038】
同様に、発電機3にあっては、その磁石から成るロータ16と、このロータ16から同心に延設された中空の回転軸17とが伝動軸10に回動自在に支承され、回転軸17の一端部が電磁クラッチ13を介して伝動軸10に断接自在とされている。
【0039】
従って、電動機2の回転軸15及び発電機3の回転軸17は、それぞれ電磁クラッチ12,13(以下、これらをそれぞれ電動機クラッチ12、発電機クラッチ13と称する)の接続状態において、伝動軸10と一体に回転し、ひいては、変速装置4の入力側及びエンジンクラッチ5の出力側と連動して回転するようになっている。
【0040】
尚、図2において、18,19はそれぞれ電動機2及び発電機3のステータコイルである。
【0041】
以上説明した構成によって、エンジンクラッチ5の接続状態において、エンジン1のクランク軸1aに車両を走行させる出力を発生させると、その出力は変速装置4を介して駆動輪に伝達され、車両の走行が行われる。また、この時、例えば電動機クラッチ12を接続状態として、電動機2のステータコイル18に給電してエンジン1の出力を補助する補助出力(機械的な駆動力)を電動機2の回転軸15に発生させると、その補助出力は伝動軸10及び回転伝達手段11を介してエンジン1の出力と合流し、該エンジン1の出力と併せて変速装置4を介して駆動輪に伝達される。さらに、エンジンクラッチ5の接続状態において、例えば発電機クラッチ13を接続状態とすると、エンジン1の出力が回転伝達手段11及び伝動軸10を介して発電機3の回転軸17に伝達されて該発電機3が駆動され、この時、発電機3のステータコイル19に発電出力が誘起される。
【0042】
また、例えば車両の減速時において、電動機クラッチ12を接続状態とすると、車両の運動エネルギーが駆動輪側から変速装置4、回転伝達手段11及び伝動軸10を介して電動機2の回転軸15に伝達されて該電動機2が発電機として駆動され、この時、電動機2のステータコイル18に回生発電出力が誘起される。同様に、車両の減速時において、発電機クラッチ13を接続状態とすると、車両の運動エネルギーが発電機3の回転軸17に伝達されて該発電機2が駆動され、これによっても、発電機3の発電が行われる。
【0043】
本実施形態のハイブリッド自動車は上記のような機構的構成の他、次のような電気的構成を具備している。すなわち、本実施形態のハイブリッド自動車は、図1に示すように、電動機2の電源エネルギーを貯蔵した電動機用バッテリ20(電動機用電気エネルギー貯蔵手段)と、この電動機用バッテリ20及び電動機2間の電力授受を行うレギュレータ/インバータ回路21と、車両に搭載された図示しないエアコンやオーディオ装置等の補機類22の電源エネルギーを貯蔵した補機類用バッテリ23(補機類用電気エネルギー貯蔵手段)と、発電機3の発電出力を補機類用バッテリ23に給電せしめるレギュレータ回路24と、前記電動機クラッチ12及び発電機クラッチ13をそれぞれ駆動する電動機クラッチ駆動回路25及び発電機クラッチ駆動回路26と、マイクロコンピュータを用いて構成されたコントローラ27とを備えている。
【0044】
尚、前記電動機用バッテリ20は、その出力電圧が百数十V程度の高電圧のもので、補機類用バッテリ23は、その出力電圧が例えば12Vの低電圧のものである。また、補機類用バッテリ23の電気エネルギーは、エアコンやオーディオ装置等の他、前記コントローラ27やエンジン1の点火装置9等の電子機器(これらも補機類である)の電源として使用される。
【0045】
また、前記コントローラ27はエンジン1、電動機2、発電機3等を含めて車両の運転制御を行う車両運転制御手段であり、このコントローラ27には、エンジン1の回転数、吸気圧等、エンジン1の運転状態を示すデータや、車両の運転者による図示しないアクセル及びブレーキの操作状態を示すデータ、車両の車速を示すデータがそれぞれ図示しない各種センサ等から与えられる。さらに、該コントローラ27には、電動機用バッテリ20に備えた適宜のセンサ(例えば電圧センサや電流センサ、温度センサ)等を用いて得られる電動機用バッテリ20のエネルギー貯蔵量(残容量)を示すデータが与えられ、また、補機類用バッテリ23に備えた適宜のセンサ(例えば電圧センサや電流センサ)等を用いて得られる補機類用バッテリ23のエネルギー消費量(補機類用バッテリ23から補機類22への給電量)を示すデータが与えられる。
【0046】
そして、コントローラ27は、その詳細な作動は後述するが、上記のように与えられる各種のデータに基づいてエンジン1等の運転を制御するようにしており、その主要な機能としてエンジン1の運転を給燃装置8や点火装置9等を介して制御する機能と、エンジンクラッチ5の断接動作をエンジンクラッチ駆動装置7を介して制御する機能と、変速装置4の変速動作を変速駆動装置9を介して制御する機能と、電動機2の動作をレギュレータ/インバータ回路21を介して制御する機能と、発電機3の動作をレギュレータ回路24を介して制御する機能と、電動機クラッチ12の断接動作を電動機クラッチ駆動回路25を介して制御する機能と、発電機クラッチ13の断接動作を発電機クラッチ駆動回路26を介して制御する機能とを有する。
【0047】
次に、本実施形態のハイブリッド車両の作動、特にコントローラ27の処理作動について説明する。
【0048】
図3を参照して、コントローラ27はエンジン1の動作状態において、まず、エンジン1の現在の運転状態が、エンジン1の後述の運転停止処理(エンジン1への給燃及び点火の停止処理)を行い得る条件が成立しているか否かを判断する(STEP1)。この判断は、例えばエンジン1の冷却水温や吸気温に基づき行われ、エンジン1の冷却水温が所定値に満たない低温状態であったり、エンジン1の吸気温が所定値を超える高温状態であるような場合には、エンジン1の運転を停止すると、エンジン1の再始動が困難なものとなり易いことから、エンジン1の運転停止処理を行い得る条件が成立していないと判断し、エンジン1の冷却水温が所定値以上で且つ吸気温が所定値以下である場合に、エンジン1の運転停止処理を行い得る条件が成立していると判断する。
【0049】
そして、コントローラ27は、エンジン1の運転停止処理を行い得る条件が成立していないと判断した場合には、通常運転処理を行って(STEP2)、STEP1からの処理を繰り返す。この場合、上記通常運転処理では、コントローラ27は車両のアクセル操作状態に応じた出力をエンジン1に発生させるように該エンジン1を前記給燃装置8や点火装置9等を介して制御すると共に、車両のアクセル操作状態や車速に応じて変速装置の変速動作を変速駆動装置6を介して制御し、さらに、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して接続状態に制御することで、エンジン1の出力を変速装置4を介して車両の駆動輪に伝達せしめ、これにより車両の走行運転を行わしめる。従って、上記通常運転処理では、通常の自動車と同様に車両の走行運転が行われる。
【0050】
一方、STEP1でエンジン1の運転停止処理を行い得る条件が成立していると判断した場合には、コントローラ27は、次に発電機3の要求発電量を算出する(STEP3)。この要求発電量の算出は、補機類用バッテリ23の前記補機類22によるエネルギー消費量(補機類用バッテリ23から補機類22への給電量)に応じて決定され、該エネルギー消費量が大きい程、発電機3の要求発電量も大きなものとなる。
【0051】
次いで、コントローラ27は、補機類用バッテリ23のエネルギー消費量もしくはこれに応じた要求発電量に基づき、発電機3の発電が必要であるか否かを判断する(STEP4)。この場合、コントローラ27は、補機類用バッテリ23のエネルギー消費量もしくはこれに応じた要求発電量が所定値に満たない十分に小さなものであるときには、発電機3の発電が不必要であると判断し、補機類用バッテリ23のエネルギー消費量もしくはこれに応じた要求発電量が所定値以上であるとき、発電機3の発電が必要であると判断する。
【0052】
尚、本実施形態では、補機類用バッテリ23のエネルギー消費量もしくはこれに応じて決定した要求発電量に応じて発電機3の発電が必要であるか否かを決定しているが、補機類用バッテリ23のエネルギー貯蔵量(残容量)に応じて発電機3の発電が必要であるか否かを決定する(例えば補機類用バッテリ23の残容量が所定値(例えば80%)以上の満充電状態に近い状態では、発電機3の発電が不要であると決定し、該残容量は所定値に満たないときに発電機3の発電が必要であると決定する)ようにしてもよい。そして、このとき、発電機3の要求発電量を補機類用バッテリ23の残容量(エネルギー貯蔵量)に応じて決定する(例えば残容量が小さい程、要求発電量大きくする)ようにしてもよい。
【0053】
あるいは、補機類用バッテリ23のエネルギー消費量とエネルギー貯蔵量との両者に応じて発電機3の発電を行うか否かを決定したり(例えば補機類用バッテリ23のエネルギー消費量が所定値以上で且つエネルギー貯蔵量が所定値に満たない場合に発電機3の発電が必要であると決定し、これ以外の場合に発電機3の発電が不要であると決定する)、補機類用バッテリ23のエネルギー消費量とエネルギー貯蔵量との両者に応じて前述したような傾向で発電機3の要求発電量を決定するようにしてもよい。
【0054】
以下の説明では、まず、上記STEP4でコントローラ27が発電機3の発電が必要であると判断した場合の作動について説明する。
【0055】
コントローラ27は、STEP4で発電機3の発電が必要であると判断したときには、発電機クラッチ13を発電機クラッチ駆動回路26を介して接続状態に制御すると共に、発電機3の通電電流をレギュレータ回路24を介して制御することで前記要求発電量に従って発電機3の発電を行わしめる(STEP5)。尚、この場合において、発電機3の回転軸17には、後述の如く、エンジン1の出力、電動機2の出力(機械的出力)及び車両の走行エネルギーのうちのいずれかの駆動力が前記伝動軸10及び発電機クラッチ13を介して付与されるようになっており、発電機3はそれらのいずれかの駆動力を入力エネルギーとして発電を行う。
【0056】
このようにして発電機3の発電を行わしめつつ、コントローラ27は次に車両の走行状態が減速中であるか否かを判断する(STEP6)。この判断は、車両のブレーキ操作状態やアクセル操作状態、車速等に基づいて行われる。そして、コントローラ27は車両の減速中であると判断したときには、前記給燃装置8及び点火装置9を制御することで、エンジン1の給燃及び点火を停止し(STEP7)、また、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して遮断状態に制御する(STEP8)。さらに、コントローラ27は、この車両の減速中における運動エネルギーを利用して前記電動機2を発電機として動作させ、該電動機2の回生発電を行わしめるために、該電動機2がその発電効率の良い回転域で動作するように変速装置4の変速比を変速駆動装置6を介して制御し(STEP9)、また電動機クラッチ12を電動機クラッチ駆動回路25を介して接続状態に制御する(STEP10)。これにより、車両の減速中の運動エネルギーは、車両の駆動輪側から変速装置4、前記回転伝達手段11、伝動軸10及び電動機クラッチ12を介して電動機2の回転軸15に伝達され、該電動機2が発電機として駆動される。そして、コントローラ27は、この状態でレギュレータ/インバータ回路21を制御することで、電動機2のステータコイル18に誘起される発電出力を電動機用バッテリ20に充電せしめ(電動機2から電動機用バッテリ20への給電)、これにより電動機2の回生発電がなされる(STEP11)。
【0057】
この場合、前述のように変速装置4の変速比を制御することで(STEP9)、電動機2はその発電効率の良い回転域で動作し、該電動機2の回生発電が効率よく行われる。また、エンジンクラッチ5は遮断状態とされるので、車両の減速中の運動エネルギーはエンジン1によって無駄に消耗されることはなく、電動機2に伝動軸10を介して伝達され、車両の運動エネルギーを効率よく電動機2によって電動機用バッテリ20に充電する電気エネルギーに変換することができる。
【0058】
また、この場合において、前記発電機クラッチ13は接続状態であるので、車両の運動エネルギーは、車両の駆動輪側から変速装置4、前記回転伝達手段11、伝動軸10及び発電機クラッチ13を介して発電機3の回転軸17にも伝達され、該発電機3の発電が支障なくなされる。そして、このとき、車両の運動エネルギーは前述の如くエンジン1によって無駄に消耗されることがないので、該運動エネルギーを効率よく利用して発電機3の発電を行うことができる。
【0059】
さらに、この場合、エンジン1への給燃及び点火を停止するため、エンジン1が燃料を消費しないと共に、補機類用バッテリ23から点火装置9への通電も遮断され、車両の走行中のエンジン1の燃料消費が削減されると共に、補機類用バッテリ23のエネルギー消費が抑制される。
【0060】
このようにして、車両の減速中に電動機2の回生発電や発電機3の発電を行っている場合において、コントローラ27は、車両のアクセル操作がなされたか否かを監視し(STEP12)、アクセル操作がなされていない場合にはさらに、車速が所定車速V0 (例えば15km/h)よりも低下したか否かを判断する(STEP13)。そして、車両のアクセル操作がなされておらず、且つ車速が所定車速V0 以上である場合には、前記STEP1からの処理が繰り返される。
【0061】
そして、コントローラ27は、車両の減速中に車両のアクセル操作がなされてエンジン1の出力要求が発生し、あるいは、車速が所定車速V0 よりも低下して、車両の運動エネルギーが発電機3の発電を行うためには不十分なものとなったときには、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して接続状態に制御する(STEP14)。これによりエンジン1のクランク軸1aが車両の運動エネルギーを利用して駆動される。この状態でコントローラ27は、給燃装置8及び点火装置9を制御することで、エンジン1の給燃及び点火を再開し、該エンジン1を始動する(STEP15)。そして、その後は前述した通常運転処理(STEP16)を経てSTEP1からの処理が繰り返される。
この場合、上記のように車両の車速が減速によって所定車速V0 よりも低くなったときにエンジンクラッチ5を接続状態としてエンジン1を始動することで、車両の運動エネルギーが小さくなり過ぎて、該運動エネルギーだけでは発電機3の発電を十分に行うことができなくなるような状況では、エンジン1の出力が発電機3に伝達されるため、該発電機3の発電を支障なく継続することができる。
【0062】
次に、前記STEP6の判断において、車両の減速中でない場合には、コントローラ27は次に、図4に示すような処理行う。
【0063】
すなわち、コントローラ27は、エンジン1のアイドリング状態であるか否かを判断する(STEP17)。この判断は、エンジン1の運転状態や車速等に基づいて行われ、このとき、エンジン1のアイドリング状態である場合には、コントローラ27はさらに、エンジン1のアイドリング状態が所定時間(例えば10秒)継続したか否かを判断する(STEP18)。そして、コントローラ27は、エンジン1のアイドリング状態が所定時間継続した場合に、すなわち、車両の継続的な停車状態もしくは駐車状態である場合には、アクセル操作がなされたか否かを監視し(STEP19)、アクセル操作がなされていない場合には、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して接続状態に制御する(STEP20)。さらに、コントローラ27は変速駆動装置6を介して変速装置4をニュートラル状態に制御した後(STEP21)、電動機クラッチ12を電動機クラッチ駆動回路25を介して接続状態に制御する(STEP22)。この状態、コントローラ27は、エンジン1のクランク軸1aに生じる周期的なトルク変動を抑制するように電動機2をレギュレータ/インバータ回路21を介して制御する(STEP23)。具体的には、例えばエンジン1のトルクが増加側に変化する状態では、電動機2の回生発電を行ってエンジン1のクランク軸1aにトルクの減少側に回転力を付与し、エンジン1のトルクが減少側に変化する状態では、電動機2に補助出力を生成させて、エンジン1のクランク軸1aにトルクの増加側に回転力を付与する。これによりエンジン1のトルク変動が抑制され、ひいては、エンジン1のアイドリング時の燃料消費の抑制効果が得られる。
【0064】
このようにしてエンジン1のトルク変動を抑制しつつコントローラ27は、アクセル操作がなされたか否かを監視し(STEP24)、アクセル操作がなされていなければ、STEP1からの処理を繰り返す。
【0065】
尚、前記STEP18において、アイドリング状態が所定時間継続しておらず、車両の一時的な停車状態と考えられる場合には、前述した通常運転処理(STEP25)を経て、STEP1からの処理が繰り返される。また、車両の継続的な駐停車時におけるエンジン1のアイドリング状態では、エンジンクラッチ5が接続状態とされるので(前記STEP20)、エンジン1の出力が発電機3に伝達され、該発電機3の発電が支障なくなされる。
【0066】
一方、上記のようなエンジン1のアイドリング状態において、前記STEP19又は24で車両のアクセル操作がなされた場合には、コントローラ27は、電動機用バッテリ20の充電状態が良好であるか否かを判断する(STEP26)。この判断は、電動機用バッテリ20の残容量が所定量以上あるか否かによって行われ、該残容量が所定量以上あって、電動機用バッテリ20の充電状態が良好である場合には、コントローラ27は、電動機2の補助出力(機械的出力)を用いた車両の発進を行うために、電動機クラッチ12を電動機クラッチ駆動回路25を介して接続状態に制御し(STEP27)、また、変速装置4を変速駆動装置6を介してローレシオ(最低変速比)に制御する(STEP28)。さらにコントローラ27は、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して遮断状態に制御した後(STEP29)、前記レギュレータ/インバータ回路21を制御することで、電動機2に電動機用バッテリ20から給電せしめ、該電動機2に車両を発進させる出力を発生させる(STEP30)。
【0067】
このとき、電動機2が生成する出力は電動機クラッチ12、伝動軸10、回転伝達手段11及び変速装置4を介して車両の駆動輪に伝達され、車両の発進がなされる。また、このとき、電動機2の出力の一部は伝動軸10及び発電機クラッチ13を介して発電機3にも伝達され、該発電機3の発電が支障なくなされる。
【0068】
尚、この場合、エンジンクラッチ5は遮断状態とされるので、電動機2の出力の一部がエンジン1によって消耗されることがなく、また、エンジン1はアイドリング状態であるので、該エンジン1の燃料消費も最低限に抑えられる。また、この場合、電動機用バッテリ20の残容量は十分にあるので、電動機2は車両を円滑に発進させるための十分な出力を発生することができる。
【0069】
このようにして電動機2の出力によって車両が発進した後、コントローラ27は、車速が前記所定車速V0 以上に上昇したか否かを監視し(STEP31)、車速が所定車速V0 に満たない場合には、電動機2の出力による車両の走行を継続し、車速が所定車速V0 以上に上昇した場合には、エンジン1の出力による走行うために、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して接続状態に制御し(STEP32)、さらに、電動機クラッチ12を電動機クラッチ駆動回路25を介して遮断状態に制御すると共に、レギュレータ/インバータ回路21を制御することで電動機2への給電を遮断状態として該電動機2を動作停止状態とする(STEP33)。そして、この状態で、前述した通常運転処理(STEP34)を経てSTEP1からの処理が繰り返される。
【0070】
また、前記STEP26の判断において、電動機用バッテリ20の残容量が所定値に満たず、該バッテリ20の充電状態が良くない場合には、コントローラ27はエンジン1の出力による発進を行うために、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して接続状態に制御し(STEP35)、さらに、電動機クラッチ12を電動機クラッチ駆動回路25を介して遮断状態に制御すると共に、レギュレータ/インバータ回路21を制御することで電動機2への給電を遮断状態として該電動機2を動作停止状態とする(STEP36)。そして、この状態で、前述した通常運転処理(STEP37)を行うことで、エンジン1の出力による発進を行わしめ、STEP1からの処理を繰り返す。
【0071】
尚、この場合において、エンジン1の出力は発電機クラッチ13を介して発電機3に伝達されるため、該発電機3の発電は支障なく行われる。
【0072】
このように、車両の発進に際して、電動機用バッテリ20の充電状態が良好である場合には、エンジン1をアイドリング状態としたまま電動機2の出力によって車両の発進を行うことで、エンジン1の燃料消費を抑制しつつ、円滑な車両の発進を行うことができる。そして、電動機用バッテリ20の充電状態が良好でない場合にはエンジン1の出力によって車両の発進を行い、また、電動機2によって車両の発進を行う場合でも、ある程度車速が上昇すれば、エンジン1の出力によって車両の走行を行うので、電動機用バッテリ20が過剰にエネルギーを消費して劣化が進行するような事態を回避することができる。また、エンジン1の出力による車両の発進に際しては、電動機クラッチ12を遮断状態とすると共に、電動機2の出力により車両を発進させた後、エンジンの出力による車両の走行に切り替える場合にも電動機クラッチ12を遮断状態とすることで、エンジン1の負荷が軽減し、該エンジン1の燃料消費を抑えることができる。
【0073】
次に、前記STEP17の判断において、エンジン1のアイドリング状態でない場合の作動については後述することとし、前記図3のSTEP4にコントローラ27が発電機3の発電が必要でないと判断した場合の処理を説明する。
【0074】
図3を参照して、STEP4で発電機3の発電が必要でないと判断した場合には、コントローラ27は、発電機クラッチ13を発電機クラッチ駆動回路26を介して遮断状態に制御すると共に、レギュレータ/インバータ回路21によって発電機3の通電遮断状態として該発電機3を動作停止状態とする(STEP38)。これにより、エンジン1の出力が発電機3の回転軸17に伝達されることがなくなり、該エンジン1の負荷が軽減され、ひいてはエンジン1の燃料消費が低減する。
【0075】
そして、コントローラ27は上記のように発電機クラッチ13を遮断状態に制御した後、前記STEP5の場合と同様に車両の減速中であるか否かを判断する(STEP39)。
【0076】
このとき、車両の減速中である場合には、コントローラ27は、前記STEP7〜11と同じ処理(STEP40〜44)を行う。すなわち、エンジン1の給燃及び点火を停止せしめると共にエンジンクラッチ5を遮断状態に制御し、さらに変速装置4を、電動機2の回生発電に適した変速比に制御した後、電動機クラッチ12を接続状態に制御して、該電動機2の回生発電を、車両の減速時の運動エネルギーを利用して行わしめる。
【0077】
この場合、エンジン1の給燃及び点火を停止することで、発電機3の発電の場合と同様、エンジン1が燃料を消費しないと共に、補機類用バッテリ23のエネルギー消費が抑制される。
【0078】
また、前述のように変速装置4の変速比を制御することで、電動機2はその発電効率の良い回転域で動作し、該電動機2の回生発電が効率よく行われる。さらに、エンジンクラッチ5は遮断状態とされ、また、この場合には発電機クラッチ13も遮断状態とされるため、車両の減速中の運動エネルギーはエンジン1や発電機3によって無駄に消耗されることはなく、電動機2によって電動機用バッテリ20に充電する電気エネルギーに効率よく変換することができる。
【0079】
上記のように車両の減速中に電動機2の回生発電を行いつつ、コントローラ27は、車両のアクセル操作がなされたか否かを監視し(STEP45)、アクセル操作がなされない場合には、STEP1からの処理を繰り返す。そして、車両の減速中にアクセル操作がなされた場合には、発電機3の発電の場合と同様に、コントローラ27は、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して接続状態に制御することで(STEP46)、エンジン1のクランク軸1aを車両の運動エネルギーを利用して回転駆動させ、この状態で、前記給燃装置8及び点火装置9によってエンジン1の給燃及び点火を再開することで(STEP47)、エンジン1の運転を再開せしめる。そして、その後は、前述した通常運転処理(STEP48)を経て、STEP1からの処理が繰り返される。
【0080】
尚、この場合において、発電機3の発電を行う必要がない状態であるので、車両の減速中に車速が所定車速V0 よりも低くなっても、エンジン1の運転は再開しない。
【0081】
一方、前記STEP39において、車両の減速中でない場合には、コントローラ27は、図5のフローチャートに示す処理を行う。すなわち、コントローラ27は、次に前記STEP17と同様に、エンジン1のアイドリング状態であるか否かを判断する(STEP49)。
【0082】
このとき、エンジン1のアイドリング状態である場合には(アイドリング状態でない場合の処理については、前記STEP17でアイドリング状態でない場合と併せて後述する)、コントローラ27は、エンジン1のアイドリング状態が所定時間継続したか否か、すなわち、車両の継続的な駐停車状態であるか一時的な停車状態であるかを判断し(STEP50)、エンジン1のアイドリング状態が所定時間継続しておらず、車両の一時的な停車状態であると考えられる場合には、前述の通常運転処理(STEP51)を経て、STEP1からの処理を繰り返す。
【0083】
また、STEP50の判断で、エンジン1のアイドリング状態が所定時間継続し、車両の継続的な駐停車状態であると考えられる場合には、コントローラ27は、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して遮断状態に制御し(STEP52)、さらに変速装置4を変速駆動装置6を介してニュートラル状態に制御した後(STEP53)、前記給燃装置8及び点火装置9を制御することでエンジン1の給燃及び点火を停止させる(STEP54)。これにより、エンジン1が燃料を消費しない状態となって、燃料消費が削減される共に、補機類用バッテリ23のエネルギー消費が低減される。尚、この場合、発電機3の発電を要しない状態であるので、エンジン1の運転を停止しても支障はない。
【0084】
このようにして、エンジン1の給燃及び点火を停止した後、コントローラ27はアクセル操作がなされたか否かを監視し(STEP55)、アクセル操作がなされない場合には、現在の状態(エンジン1の運転停止状態等)を継続する。そして、アクセル操作がなされた場合には、コントローラ27は、次に前記STEP26の場合と同様に電動機用バッテリ20の充電状態が良好であるか否か(残容量が所定値以上あるか否か)を判断する(STEP56)。
【0085】
このとき、電動機用バッテリ20の残容量が所定値以上あり、その充電状態が良好である場合には、前記図4のSTEP27〜30と同じ処理を行って(STEP57〜60)、車両を電動機2の出力(機械的出力)により発進させる。この場合、電動機用バッテリ20の充電状態は良好であるので、電動機2に車両の発進に必要な出力を支障なく発生させることができ、車両の発進を円滑に行う
ことができる。また、エンジン1は運転停止状態に維持されているので、その燃料消費を伴うことなく車両を発進させることができる。さらに、エンジンクラッチ5が遮断状態とされるので、電動機2の出力はエンジン1のクランク軸1aには伝達されることがなく、従って電動機2の負荷が軽減されて、該電動機2のエネルギー消費を必要限に留めることができる。
【0086】
このようにして車両を電動機2の出力により発進させた後、コントローラ27は車両の車速が所定車速V0 以上に上昇したか否かを判断し(STEP61)、該車速が所定車速V0 に満たない状態では電動機2による車両の走行を継続し、該車速が所定車速V0 以上に上昇した場合には、エンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動装置7を介して接続状態に制御する(STEP62)。これにより、エンジン1のクランク軸1aは電動機2の出力によって回転駆動される。そして、この状態でコントローラ27は、前記給燃装置8及び点火装置9を制御してエンジン1の給燃及び点火を再開せしめ(STEP63)、エンジン1の運転を再開させ、さらに、電動機クラッチ12を電動機クラッチ駆動回路25を介して遮断除隊に制御すると共に、レギュレータ/インバータ回路21によって電動機2の通電遮断状態として電動機2の動作を停止させる(STEP64)。そして、その後は通常運転処理(STEP65)を経て前記STEP1からの処理が繰り返される。
【0087】
従って、前記発電機3の発電を行う場合と同様に、電動機2の出力によって、車両の発進を行った場合には、車速が所定車速V0 以上に上昇すると、エンジン1の出力による走行に切り替えられる。
【0088】
また、前記STEP56の判断において、電動機用バッテリ20の残容量が所定値に満たず、該バッテリ20の充電状態が良くない場合には、コントローラ27は、まず、エンジン1を電動機2の出力により始動するために、電動機クラッチ12を電動機クラッチ駆動回路25を介して接続状態に制御し(STEP66)、さらにエンジンクラッチ5をエンジンクラッチ駆動回路7を介して接続状態に制御する(STEP67)。これにより、電動機2の出力をエンジン1のクランク軸1aに伝達可能な状態とされる。
【0089】
そして、コントローラ27はこの状態において、前記レギュレータ/インバータ回路24を制御して電動機用バッテリ20から電動機2に給電せしめて該電動機2をエンジン1のスタータとして動作させる(STEP68)。このとき、エンジン1のクランク軸1aは電動機2の出力によって回転駆動される。さらに、コントローラ27は、給燃装置8及び点火装置9を制御することでエンジン1の給燃及び点火を開始し(STEP69)、エンジン1が完爆状態となったか否か、すなわちエンジン1が正常に始動したか否かを監視する(STEP70)。
【0090】
このようにして、エンジン1が正常に始動すると、コントローラ27は次に電動機クラッチ12を遮断状態に制御すると共に電動機用バッテリ20から電動機2への通電を遮断して電動機2を動作停止状態とする(STEP71)。そしてこの状態で、前述した通常運転処理(STEP72)を行うことで、エンジン1の出力による発進を行わしめ、STEP1からの処理を繰り返す。
【0091】
このように、発電機3の発電を必要としない場合における車両の発進に際しては、電動機用バッテリ20の充電状態が良好である場合には、エンジン1の給燃及び点火を停止状態としてエンジン1の運転を停止したまま電動機2の出力によって車両の発進を行うことで、エンジン1の燃料消費を削減しつつ、円滑な車両の発進を行うことができる。そして、電動機用バッテリ20の充電状態が良好でない場合にはエンジン1の出力によって車両の発進を行い、また、電動機2によって車両の発進を行う場合でも、ある程度車速が上昇すれば、エンジン1の出力によって車両の走行を行うので、電動機用バッテリ20が過剰にエネルギーを消費して劣化が進行するような事態を回避することができる。この場合、エンジン1の出力によって車両を発進させる場合には、エンジン1を始動するために電動機2への給電を行うものの、その給電はエンジン1の始動時だけ行われるので、電動機用バッテリ20はさほど大きなエネルギーを消費せずとも済み、従って、エンジン1の始動時における電動機2への給電が、電動機用バッテリ20に大きな負担となることはない。
【0092】
また、エンジン1の出力による車両の発進に際しては、電動機クラッチ12を遮断状態とすると共に、電動機2の出力により車両を発進させた後、エンジンの出力による車両の走行に切り替える場合にも電動機クラッチ12を遮断状態とし、さらにこの場合には、発電機クラッチ13も遮断状態となっているため、エンジン1の負荷が軽減し、該エンジン1の燃料消費を抑えることができる。
【0093】
次に、前記STEP17(図4)あるいはSTEP49(図5)においてエンジン1のアイドリング状態でないと判断された場合の作動を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0094】
STEP17あるいはSTEP49においてエンジン1のアイドリング状態でないと判断された場合のコントローラ27による処理はいずれの場合でも同一であり、コントローラ27は、車両のアクセル操作状態等に基づいて車両の加速中であるか否かを判断する(STEP73)。このとき、車両の加速中である場合には、コントローラ27はさらに、前記STEP26あるいは56の場合と同様にして、電動機用バッテリ20の充電状態が良好であるか否か(残容量が所定値以上あるか否か)を判断する(STEP74)。すなわち、コントローラ27は、例えば電動機用バッテリ20の満充電を180Vとした場合、その残容量が80%以上であるか否か(この閾値はハイブリッド車両における電動機2の使用形態(電動機2を頻繁に使用するか否か等)や電動機用バッテリ20の容量に応じて50%等に設定を変更することができる)を判断する。
【0095】
そして、コントローラ27は電動機用バッテリ20の充電状態が良好である場合には、電動機クラッチ12を電動機クラッチ駆動回路25を介して接続状態に制御し(STEP75)、さらに、レギュレータ/インバータ回路21を介して電動機用バッテリ20から電動機2に給電せしめて、該電動機2にエンジン1の出力を補助する補助出力を生成させる(STEP76)。このとき、エンジンクラッチ5は接続状態に制御されていて、エンジン1の出力は変速装置4を介して車両の駆動輪に伝達されている。そして、上記のように電動機2に発生させた補助出力は、前記伝動軸10及び回転伝達手段11を介してエンジン1の出力と合流して、該エンジン1の出力と共に変速装置4を介して車両の駆動輪に伝達され、これにより、エンジン1の出力を抑制しながら車両の所要の加速性能が得られる。
【0096】
また、コントローラ27は、前述のように電動機2に補助出力を生成させながら電動機用バッテリ20の充電状態が良好であるか否か(残容量が所定値以上あるか否か)を監視し(STEP77)、電動機用バッテリ20の充電状態が良好な状態に維持されている場合にはSTEP1からの処理を繰り返す。
【0097】
一方、前記STEP74あるいはSTEP77で電動機用バッテリ20の残容量が所定値を下回って該バッテリ20の充電状態が悪化すると、コントローラ27は、電動機クラッチ12を遮断状態に制御すると共に、電動機用バッテリ20から電動機1への給電を遮断させて該電動機1を動作停止状態とする(STEP78)。そして、コントローラ27はこの状態で、通常運転処理を行って(STEP79)、エンジン1の出力による車両の所要の加速性能を確保しながらSTEP1からの処理を繰り返す。
【0098】
このようにして、車両の加速時において、電動機用バッテリ20の充電状態が良好である場合には、エンジン1の出力と併せて電動機2の出力を駆動輪に伝達することで、エンジン1の燃料消費を抑えつつ車両の所要の加速性能を確保することができる。また、車両の加速時において、電動機用バッテリ20の充電状態が悪化すると、電動機用バッテリ20から電動機1への給電を遮断させて該電動機1を動作停止状態とするので、電動機用バッテリ20の過剰なエネルギー消費を抑えて該バッテリ20の劣化を防止することができ、また、このとき電動機クラッチ12を遮断状態に制御するので、エンジン1の出力が電動機2には伝達されないこととなって、該エンジン1の負荷が軽減し、該エンジン1の燃料消費を抑えつつ車両の所要の加速を行うことができる。
【0099】
尚、このような車両の加速時において、発電機3の発電を要する場合には、前記発電機クラッチ13が接続状態とされているので、エンジン1の出力や電動機2の補助出力が発電機3に伝達され、該発電機4の発電を支障なく行うことができる。また、発電機3の発電を要しない場合には、発電機クラッチ13が遮断状態とされるので、エンジン1や電動機2の負荷が軽減され、これらのエネルギー消費を軽減することができる。
【0100】
次に前記STEP73の判断において、車両の加速中でない場合には、車両の減速中でもエンジン1のアイドリング状態でもないので、この場合は、車両のクルーズ走行状態(定速走行状態)である。そして、このクルーズ走行時には、コントローラ27は、電動機クラッチ12を遮断状態に制御すると共に、電動機用バッテリ20から電動機1への給電を遮断させて該電動機1を動作停止状態とする(STEP80)。そして、コントローラ27はこの状態で、通常運転処理を行って(STEP79)、エンジン1の出力による車両のクルーズ走行を行わせながらSTEP1からの処理を繰り返す。
【0101】
このように車両のクルーズ走行時に電動機クラッチ12を遮断状態とすることで、エンジン1の負荷を軽減して、その燃料消費を必要限に抑えることができ、また、このとき電動機2を動作停止状態とするので、電動機用バッテリ20のエネルギー消費を削減することができる。
【0102】
尚、このクルーズ走行時において、発電機3の発電を要する場合には、前記発電機クラッチ13が接続状態とされているので、エンジン1の出力が発電機3に伝達され、該発電機4の発電を支障なく行うことができる。また、発電機3の発電を要しない場合には、発電機クラッチ13が遮断状態とされるので、エンジン1の負荷が軽減され、その燃料消費を軽減することができる。
【0103】
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド車両では、車両の走行状態や電動機用バッテリ20の充電状態、補機類用バッテリ23のエネルギー消費状態に応じてエンジンクラッチ5や電動機クラッチ12、発電機クラッチ13の接続/遮断を制御し、また、これらの接続/遮断に併せてエンジン1や電動機2、発電機3等の運転状態を制御するようにしたことで、エンジン1の燃料消費を低減したり、電動機用バッテリ20の過剰なエネルギー消費を抑えてその劣化の防止を図ったりする上で的確な車両の運転を行うことができる。
【0104】
特に、本発明を適用している本実施形態のハイブリッド車両では、補機類用バッテリ23のエネルギー消費量やエネルギー貯蔵量に応じて発電機3の発電を行うか否かを決定し、必要に応じて発電機3の発電を行い、しかも発電時には、補機類用バッテリ23のエネルギー消費量やエネルギー貯蔵量に応じた発電出力で発電機3の発電を行うようにしたので、補機類用バッテリ23のエネルギー貯蔵量の過不足を生じることなく最適なタイミングで補機類用バッテリ23の充電を行うことができる。
【0105】
そして、発電機3の発電を行わないときには、発電機クラッチ13を遮断状態とすることで、エンジン1の出力を使用した車両の走行時等に発電機3がエンジン1の負荷とならないため、エンジンの燃料消費を低減することができる。
【0106】
また、電動機2の回生発電を行う車両の減速時においても、発電機3の発電を要しないときには、発電機クラッチ13が遮断状態されるので、車両の運動エネルギーを発電機3の回転軸17及びロータ16の回転駆動のために無駄に消費することなく電動機2に与えることができ、しかも本実施形態ではエンジンクラッチ5の遮断状態とされて、車両の運動エネルギーがエンジン1によって無駄に消耗されることがないので、電動機3の回生発電を車両の運動エネルギーを有効に活用して効率よく行うことができる。そして、車両の減速時において、発電機3の発電を要する場合にも、エンジンクラッチ5は遮断状態されるので、車両の運動エネルギーによる発電機3の発電を電動機2の回生発電と併せて効率よく行うことができる。
【0107】
さらに、このような車両の減速時において、発電機3の発電を要しない場合はもちろん、発電機3の発電を要する場合でも車両の運動エネルギーによって発電機3の発電を行うことができるときには、エンジン1の給燃及び点火を停止するので、エンジン1の燃料消費や補機類用バッテリ23のエネルギー消費を低減することができる。
【0108】
また、車両の駐停車時においても発電機3の発電を要せず、エンジン1の出力を必要しない状態では、エンジン1の給燃及び点火を停止するので、エンジン1の燃料消費や補機類用バッテリ23のエネルギー消費を低減することができる。
【0109】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、補機類用エネルギー貯蔵手段に貯蔵する電気エネルギーを発生する発電機をエンジンの出力軸に発電機用クラッチ手段を介して接続して設け、補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費状態に応じて発電機の発電を行うか否かを決定し、該発電機の発電を行わしめるときには、前記発電機用クラッチ手段を接続状態に制御し、該発電機の発電を行わないときには、前記発電機用クラッチ手段を切断状態に制御するようにしたことによって、補機類用の電源エネルギーを貯蔵した補機類用電気エネルギー貯蔵手段にエンジンの出力により駆動される発電機の発電出力を的確に給電しつつ、エンジンの燃料消費をできるだけ抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のハイブリッド車両の全体的システム構成図。
【図2】図1の要部の構成を示す説明図。
【図3】図1のハイブリッド車両の作動を説明するためのフローチャート。
【図4】図1のハイブリッド車両の作動を説明するためのフローチャート。
【図5】図1のハイブリッド車両の作動を説明するためのフローチャート。
【図6】図1のハイブリッド車両の作動を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、1a…クランク軸(エンジンの出力軸)、2…電動機、3…発電機、4…変速装置(動力伝達手段)、5…エンジンクラッチ(エンジン用クラッチ手段)、13…発電機クラッチ(発電機用クラッチ手段)、20…電動機用バッテリ(電動機用電気エネルギー貯蔵手段)、23…補機類用バッテリ(補機類用電気エネルギー貯蔵手段)、27…コントローラ(車両運転制御手段)。

Claims (12)

  1. 車両の走行駆動源としてのエンジンと、該エンジンの出力を該エンジンの出力軸から駆動輪に伝達する動力伝達手段と、該エンジンの出力を補助する補助出力を前記動力伝達手段を介して前記駆動輪に伝達可能に設けられた電動機と、該電動機の電源エネルギーを貯蔵する電動機用電気エネルギー貯蔵手段と、前記電動機よりも低電圧で動作する補機類と、該補機類の電源エネルギーを貯蔵する補機類用電気エネルギー貯蔵手段と、前記エンジンの出力により駆動されて発電し、その発電出力を前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段に給電するように設けられた発電機と、前記エンジン、電動機及び発電機による車両の運転制御を行う車両運転制御手段とを備えたハイブリッド車両において
    前記電動機及び前記発電機は、前記動力伝達手段の上部に配置されると共に前記エンジンの出力軸と異なる軸心上で同心に配置されて前記動力伝達手段に接続され、前記発電機が前記エンジンの出力軸に前記車両運転制御手段により制御可能な発電機用クラッチ手段を介して接続して設けられ、前記車両運転制御手段は、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費状態又はエネルギー貯蔵状態に応じて前記発電機の発電を行うか否かを決定し、該発電機の発電を行わしめるときには、前記発電機用クラッチ手段を接続状態に制御し、該発電機の発電を行わないときには、前記発電機用クラッチ手段を切断状態に制御することを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記車両運転制御手段は、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費状態であるエネルギー消費量が所定量以上であるとき、前記発電機用クラッチ手段を接続状態に制御しつつ前記発電機の発電を行わしめるように該発電機を制御し、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費量が前記所定量に満たないときには、前記発電機を動作停止状態としつつ、前記発電機用クラッチ手段を遮断状態に制御することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両。
  3. 前記車両運転制御手段は、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー貯蔵状態であるエネルギー貯蔵量が所定量以下であるとき、前記発電機用クラッチ手段を接続状態に制御しつつ前記発電機の発電を行わしめるように該発電機を制御し、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー貯蔵量が前記所定量を超えているときには、前記発電機を動作停止状態としつつ、前記発電機用クラッチ手段を遮断状態に制御することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両。
  4. 前記車両運転制御手段は、前記発電機の発電を行わしめるとき、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー消費量に応じて前記発電機の発電出力を決定し、その決定した発電出力に従って該発電機を制御することを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両。
  5. 前記車両運転制御手段は、前記発電機の発電を行わしめるとき、前記補機類用電気エネルギー貯蔵手段のエネルギー貯蔵量に応じて前記発電機の発電出力を決定し、その決定した発電出力に従って該発電機を制御することを特徴とする請求項3記載のハイブリッド車両。
  6. 前記車両運転制御手段は、前記車両の駐停車時に前記発電機の発電を行わないことを決定したときには、前記エンジンを動作停止状態とし、前記車両の駐停車時に前記発電機の発電を行うことを決定したときには、前記エンジンをアイドリング状態に制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
  7. 前記車両運転制御手段は、前記車両の駐停車時に前記エンジンをアイドリング状態に制御するときには、該エンジンの出力軸に生じるトルク変動を抑制するトルクを前記電動機から該エンジンの出力軸に付与させるように該電動機を制御することを特徴とする請求項6記載のハイブリッド車両。
  8. 前記発電機は、前記車両の減速時に、前記発電機用クラッチ手段の接続状態において前記駆動輪から前記動力伝達手段を介して前記エンジンの出力軸側に伝達される車両の運動エネルギーにより駆動可能に設けられ、前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記エンジンへの燃料供給及び点火を停止せしめることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
  9. 前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記発電機の発電を行うことを決定した状態で該車両の速度が所定車速以下に低下したとき、前記エンジンへの燃料供給及び点火を再開させて、前記発電機を駆動する出力を該エンジンに生成せしめることを特徴とする請求項8記載のハイブリッド車両。
  10. 前記エンジンは、前記車両運転制御手段により制御可能なエンジン用クラッチ手段を介して前記動力伝達手段に接続して設けられると共に、前記発電機は前記エンジン用クラッチ手段の出力側に前記発電機用クラッチ手段を介して接続して設けられ、前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記エンジン用クラッチ手段を遮断状態に制御することを特徴とする請求項8記載のハイブリッド車両。
  11. 前記エンジンは、前記車両運転制御手段により制御可能なエンジン用クラッチ手段を介して前記動力伝達手段に接続して設けられると共に、前記発電機は前記エンジン用クラッチ手段の出力側に前記発電機用クラッチ手段を介して接続して設けられ、前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記車両の速度が前記所定車速よりも高いときには、前記エンジン用クラッチ手段を遮断状態に制御し、該車両の速度が前記所定車速以下に低下したときには、前記エンジン用クラッチ手段を接続状態に制御することを特徴とする請求項9記載のハイブリッド車両。
  12. 前記車両運転制御手段は、前記車両の減速時に前記駆動輪から前記動力伝達機構を介して前記電動機に伝達される前記車両の運動エネルギーにより該電動機の回生発電を行わしめるように該電動機を制御することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
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