JP2005207311A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 できる限りアイドリングストップを禁止させることのないようにする。
【解決手段】 アイドリングストップECUは、平均車速を算出するステップ(S100)と、平均車速が高いほど低くなる常時発電開始SOCしきい値SOC(a)を算出するステップ(S200)と、電池のSOCを検知するステップ(S300)と、SOCがSOC(a)よりも小さいと(S400にてYES)、低速用の発電モードである発電パターン(B)を選択するステップ(S500)と、SOCがSOC(a)よりも小さくないと(S400にてNO)、高速用の発電モードである発電パターン(A)を選択するステップ(S500)とを含むプログラムを実行する。発電パターンは、加速時において、高速であると回生制動を見込んでオルタネータによる発電カットし、低速であると回生制動が見込めないのでオルタネータによる発電を行なうパターンであって、いずれの場合もアイドリングストップ時における電池SOCを高い状態にしてアイドリングストップの禁止を回避する。
【選択図】 図4
【解決手段】 アイドリングストップECUは、平均車速を算出するステップ(S100)と、平均車速が高いほど低くなる常時発電開始SOCしきい値SOC(a)を算出するステップ(S200)と、電池のSOCを検知するステップ(S300)と、SOCがSOC(a)よりも小さいと(S400にてYES)、低速用の発電モードである発電パターン(B)を選択するステップ(S500)と、SOCがSOC(a)よりも小さくないと(S400にてNO)、高速用の発電モードである発電パターン(A)を選択するステップ(S500)とを含むプログラムを実行する。発電パターンは、加速時において、高速であると回生制動を見込んでオルタネータによる発電カットし、低速であると回生制動が見込めないのでオルタネータによる発電を行なうパターンであって、いずれの場合もアイドリングストップ時における電池SOCを高い状態にしてアイドリングストップの禁止を回避する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、地球温暖化の防止や省資源化を図るためにアイドリング時において車両のエンジンをできるだけ停止するアイドリングストップ機能を有する車両の制御装置に関し、特に、さらなる燃費の改善を図る車両の制御装置に関する。
地球温暖化の防止や省資源化の観点から、交差点等において赤信号で車両が停車するとエンジンを自動的に停止させて、再び走行を始めようと運転者が操作すると(たとえばアクセルペダルを踏んだり、あるいはブレーキペダルの踏み込みを止めたり、シフトレバーを前進走行ポジションに切り換えるなどの操作を行なうと)、エンジンが再始動するアイドリングストップシステム(エコノミーランニングシステム、エンジンオートマチックストップアンドスタートシステムとも呼ばれる。)が実用化されている。このシステムにおいては、車両の停車中における補機類(エアコンディショナ、ヘッドランプ、オーディオなど)への電力供給のために、鉛蓄電池、リチウム電池などの二次電池を搭載する。車両の停車中は、この二次電池からこれらの補機類に電力が供給される。また、エンジンの再始動時には、この二次電池の電力を用いてモータジェネレータやスタータモータなどの電動機によりクランクシャフトを回転させてエンジンを再始動させる。
このような二次電池は、エンジンのクランクシャフトプーリとベルトを介して接続されたオルタネータ(発電機であって、モータジェネレータであってもよい)が、エンジンの回転力により発電した電力により充電される。車両の減速時には、駆動輪によりエンジンが被駆動の状態にされ、この状態において、オルタネータが作動されて、回生制動される状態になる。
特開2000−192830号公報(特許文献1)は、アイドリングストップが禁止されたときの内燃機関の燃料消費率の悪化や排気の排出量増加を防止して、アイドリングストップの効果を常に最大限に保つ技術を開示する。この公報に開示された内燃機関の自動停止・始動装置は、内燃機関の出力を利用して発電を行なう発電手段と、発電手段によって発電された電力の一部または全てを蓄積する蓄電手段と、所定条件成立時に内燃機関を自動停止および自動始動する自動停止・始動手段と、所定条件成立時であって、蓄電手段の蓄電機能が低下しているときは、自動停止・始動手段による自動停止・始動制御を禁止する自動停止・始動禁止手段と、自動停止・始動禁止手段によって自動停止・始動制御が禁止されているときであって、内燃機関がアイドリング運転状態にあるときに、発電手段の出力を所定量減少させる発電量制御手段とを備える。
この内燃機関の自動停止・始動装置によると、自動停止・始動手段は、自動停止条件成立時であって、蓄電手段の蓄電機能が低下していないときに、内燃機関の運転を自動的に停止する。その後、自動始動条件が成立すると、自動停止・始動手段は、蓄電手段に蓄積された電力を利用して内燃機関を自動的に始動する。そして、内燃機関の始動完了後は、内燃機関の自動停止時に蓄電手段から持ち出された電力や、自動始動時に蓄電手段から持ち出された電力を補うべく、発電手段によって発電された電力が蓄電手段に蓄積される。一方、自動停止・始動禁止手段は、自動停止条件成立時に蓄電手段の蓄電機能が低下していることを検出すると、自動停止・始動手段による自動停止・始動制御を禁止する。そして、発電量制御手段は、自動停止・始動禁止手段によって自動停止・始動制御が禁止されたときに、内燃機関がアイドリング運転状態にあると、発電手段の発電量を所定量減少させる。この場合、自動停止・始動制御禁止状態にあって内燃機関がアイドリング運転状態にあるときに、発電手段の作動に係る内燃機関の負荷が低減されることになり、内燃機関の燃料消費量が抑制される。この結果、自動停止・始動制御禁止時であって、内燃機関がアイドリング運転状態にあるときは、蓄電手段の蓄電機能低下に起因した内燃機関の燃料消費率悪化が抑制される。
特開2000−192830号公報
しかしながら、特許文献1に開示された内燃機関の自動停止・始動装置では、アイドリングストップが禁止されるときには、発電手段による発電量を減少させるものであって、アイドリングストップを禁止してしまうことを容認しているので、アイドリングストップ本来の燃費向上効果を発現し得ない。すなわち、二次電池のSOC(States Of Charge)が基準値以下であると一律にアイドリングストップを禁止してしまう。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、できる限りアイドリングストップを禁止させることのないように、アイドリングストップ機能を有する車両を制御する制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、車両の状態が予め定められた条件を満足するとエンジンを一時的に停止するアイドリングストップシステムを搭載した車両を制御する。この車両には、発電機と、発電機により発電された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載されている。この制御装置は、車両の駆動輪の回転力により発電機を作動させるように、発電機を制御するための第1の制御手段と、エンジンの回転力により発電機を作動させるように、発電機を制御するための第2の制御手段と、車両の車速を検知するための検知手段と、検知手段により検知された車速に基づいて、第1の制御手段による発電機の制御と第2の制御手段による発電機の制御との使用度合いを切換えるための切換手段とを含む。
第1の発明によると、第1の制御手段は、たとえば制動時においては、駆動輪によりエンジンが被駆動の状態になり、この駆動輪からの回転力により発電機を作動させるように発電電圧値などを制御する。このとき、エンジンには燃料が供給されていない。第2の制御手段は、エンジン自体の回転力により発電機を作動させるように発電電圧値などを制御する。このとき、エンジンの回転力は、車両の走行と発電機の作動とに用いられる。アイドリングストップを許可する重要な条件の1つに蓄電機構に十分な電力が蓄えられていることがある。これは、アイドリングストップ時においてエンジン補機に電力を供給しなければならないとともに、エンジンの再始動を行なうスタータ等に電力を供給しなければならないためである。このため、蓄電機構に電力を十分蓄えた状態でアイドリングストップの許可条件を判断すると、アイドリングストップが許可されやすくなりエンジンが停止して燃費が向上する。車両が高速で走行中であるとその後アイドリングストップに至るまでに回生制動で電力を蓄電機構に蓄えることができる。しかしながら、低速で走行中であるとその後アイドリングストップに至るまでの回生制動で蓄電機構に蓄えることができる電力は低いものである。そのため、車速に応じて、切換手段により、第1の制御手段による発電機の制御と第2の制御手段による発電機の制御との使用度合いを切換える。高速では、第1の制御手段を優先させて使用して、低速では、第2の制御手段を優先させて使用して、アイドリングストップ条件が判断されるまでに、できるだけ多くの電力を、燃費を著しく悪化させることなく、蓄電機構に蓄えることができる。このため、アイドリングストップが許可されて、アイドリングストップにより燃費の向上を図ることができる。その結果、できる限りアイドリングストップを禁止させることのないように、アイドリングストップ機能を有する車両を制御する制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、第1の制御手段は、車両の減速時において、発電機を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、第1の制御手段は、車両の減速時において、回生制動を行ない、発電機を制御することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、検知手段は、車両の平均車速を検知するための手段を含む。切換手段は、平均車速が高いときには、平均車速が低い場合に比べて、第2の制御手段による発電機の制御を抑制するための手段を含む。
第3の発明によると、平均車速が高いとその後アイドリングストップに至るまでに回生制動で電力を蓄電機構に蓄えることができる。平均車速が低いとその後アイドリングストップに至るまでの回生制動で蓄電機構に蓄えることができる電力は低い。そのため、平均車速が高いときには、平均車速が低い場合に比べて、第2の制御手段による発電機の制御を抑制して、エンジン自体のエネルギを用いることなく、回生制動でエネルギ回収するので、燃費を向上させることができる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、車両には、一時的な停止後にエンジンを再始動するための回転電機がさらに搭載されており、予め定められた条件の1つとして、蓄電機構に予め定められた以上の電力が蓄えられていることが設定されている。制御装置は、蓄電機構の電力を回転電機に供給してアイドリングストップからの復帰させるための手段をさらに含む。
第4の発明によると、アイドリングストップからの復帰時において、蓄電機構は、エンジンの再始動を行なうスタータ等に電力を供給する。この電力を含めて、アイドリングストップ時のエンジン補機へ供給する電力を、蓄電機構は蓄えておく必要がある。車速に応じて、第1の制御手段による発電機の制御と第2の制御手段による発電機の制御との使用度合いを切換えて、大きな電力を蓄電機構が蓄えることができるようになる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるアイドリングストップ制御ECU(Electronic Control Unit)を含む車両の制御ブロック図について説明する。図1に示すように、この車両には、赤信号の交差点などで車両が停止するとエンジンを自動的に停止させるアイドリングストップ機能を実現するアイドリングストップ制御ECU100と、エンジン700を制御するエンジンECU200と、鉛蓄電池400と、エンジン700をクランキングする始動装置であるスタータ710と、エンジン700の回転力により電力を発電するオルタネータ720とを含む。なお、二次電池以外の蓄電機構としては、大容量コンデンサ当であってもよい。
鉛蓄電池400には、鉛蓄電池400の温度を検知する温度センサ410と、鉛蓄電池400の充放電電流を検知する電流センサ420とを含む。たとえば、鉛蓄電池400のSOCは、電流センサ400により検知された充放電電流を時間積算することにより算出できる。さらに、温度センサ410により検知された鉛蓄電池400の温度に基づいて、SOCを補正して算出するようにしてもよい。
アイドリングストップ制御ECU100は、エンジンECU200に接続され、エンジンECU200は、アイドリングストップ制御ECU100から受信した信号に基づいて、エンジン700への燃料供給を停止してエンジン700を一時的に停止させる。アイドリングストップ制御ECU100は、アイドリングストップ条件の成立後のエンジン再始動条件の成立に基づいて、スタータリレーを通電の状態に制御して、スタータ710に鉛蓄電池400から電力を供給させる。また、アイドリングストップ制御ECU100は、エンジンECU200からエンジン回転数を受信し、そのエンジン回転数に基づいてエンジン700が完爆すると、スタータリレーを非通電の状態に制御する。
この車両は、運転者がイグニッションキーをスタート位置まで回すと、鉛蓄電池400からの電力がスタータリレーを介してスタータ710に供給され、スタータ710がエンジン700を始動する。通常走行時においては、オルタネータ720からの発電電力を鉛蓄電池400および車両補機に供給する。回生発電時には、エンジンECU200が車両の減速中を検知してかつその他の条件が成立すると、オルタネータ710の発電電圧を高めることにより回生発電を行なう。このとき発電された電力により、鉛蓄電池400が充電される。
より具体的には、交差点での赤信号で車両が一時的に停止した場合において、アイドリングストップ条件が満足されると、Dレンジで自動的にエンジン700を停止させる。このアイドリングストップ条件には、車両速度、ブレーキ踏力、鉛蓄電池400のSOCなどがある。特に、鉛蓄電池400のSOCは、エンジン700の再始動時にスタータ710に電力を供給してエンジン700を再始動しなければならないこと、エンジン700の停止中に車両補機に電力を供給しなければならないことから、アイドリングストップ条件の重要な条件の1つである。
アイドリングストップ時においては、鉛蓄電池400から車両補機や自動変速機の電動オイルポンプなどに電力が供給される。アイドリングストップ中は、登坂路などにおける後退抑制のため、スキッドコントロールコンピュータによりホイールシリンダの油圧が保持される。エンジン再始動時には、シフトレバーがDレンジにある場合には、ブレーキペダルをリリースすると(ブレーキ踏力が下がると)同時にエンジン700が再始動する。このエンジンの再始動時には、鉛蓄電池700の電力がスタータ710に供給され、スタータ710によりエンジン700のクランキングが行なわれる。
オルタネータ720について詳しく説明する。オルタネータ720は、レギュレータとコントローラとを備える。
オルタネータ720は、ダイオード整流器と、ステータと、クランクシャフトの回転力を受けて回転するロータコイルとを備え、ロータコイルに励磁電流が印加されると、ロータコイルが磁束を発生しつつ回転し、それによりステータに三相交流が誘起される。
ステータで発生した三相交流は、ダイオード整流器によって直流に変換されてオルタネータ720から出力される。オルタネータ720から出力された直流電圧は、エンジン700のイグニッションや車両に搭載された、灯火装置、エアコンディショナ、オーディオ装置等の車両補機へ供給されたり、鉛蓄電池400を充電したりする。
レギュレータは、鉛蓄電池400とロータコイルとの電気的な通電/非通電とを切り換えるスイッチングトランジスタと、このスイッチングトランジスタをオン/オフ駆動する駆動回路とから構成される。
コントローラは、駆動回路と電気配線を介して接続され、駆動回路へ駆動信号を送信することにより、スイッチングトランジスタのオン/オフを制御する。その際、コントローラは、オルタネータ720から出力される電圧をセンシングし、その出力電圧が所望の電圧とすべく、レギュレータを制御してロータコイルの励磁電流を調節する。
アイドリングストップ制御ECU100からオルタネータ720へは、「発電Hi」指令、「発電Lo」指令、「発電カット」指令、のいずれかが出力される。また、「発電Mid」指令を設けてもよい。
「発電Hi」指令は、オルタネータ720による発電量を最大にすべく、たとえば発電電圧が14.5Vになるような指令である。「発電Lo」指令は、車両補機へ供給されるべき電力を発電するような指令であったり、所定時間内における鉛蓄電池400への電流収支が±0[A]になるような指令であったりする。すなわち、「発電Lo」指令は、必要最低限の電力のみをオルタネータ720に発電させる指令であるといえる。「発電カット」指令は、オルタネータ720による発電を行なわない指令である。また、「発電Mid」指令は、オルタネータ720による発電量を最大より小さくすべく、たとえば発電電圧が13.8Vになるような指令である。
図2を参照して、図1のアイドリングストップ制御ECU100のメモリに記憶される発電モードテーブルの一例を説明する。
図2に示すように、発電モードには、発電パターン(A)と発電パターン(B)とがある。後述するように、発電パターン(A)は、車両の高速走行時に選択され、発電パターン(B)は、車両の低速速走行時に選択される。発電パターン(A)および発電パターン(B)のいずれにおいても、定常状態(定常走行状態)と、加速時と、減速時(回生制動時)の3つの場合における、アイドリングストップ制御ECU100からオルタネータ720への指令信号を規定している。その相違点は、加速時において、高速走行時に選択される発電パターン(A)は「発電カット」指令であるのに対して、低速走行時に選択される発電パターン(B)は「発電Lo」指令である。これは、高速走行時においては、その後に回生制動が発生する可能性が高くそのときに発電量を得ることができること、高速運転時における加速であるためエンジン700の駆動力をオルタネータ720に用いないで車両の駆動力上昇に用いる方が望ましいことが理由である。一方、低速走行時においては、その後に回生制動が発生したとしてもその発電量が小さいので、たとえ加速時においても、オルタネータ720により発電しておいて鉛蓄電池を充電しておいて、車両の停止時に鉛蓄電池400のSOCの低下を理由とするアイドリングストップ禁止を回避して、燃費の向上を図ることが理由である。この低速走行時において、加速時であってもエンジン700の駆動力でオルタネータ720を作動させることによる燃費の悪化は、アイドリングストップを禁止することによる燃費の悪化よりも、一般的には小さいものである。
図3を参照して、図1のアイドリングストップ制御ECU100のメモリに記憶される常時発電開始SOCマップの一例を説明する。
図3に示すように、このマップは、平均車速と常時発電開始SOCしきい値との関係を規定する。平均車速が高いほど常時発電開始SOCしきい値であるSOC(a)が低く、平均車速が低いほど常時発電開始SOCしきい値であるSOC(a)が高く設定されている。なお、このマップは一例であって、このような曲線に限定されるものではない。さらに、このSOC(a)を下回るとオルタネータ720による発電を開始し、このSOC(a)以上になるとすぐに発電を停止したのでは、ハンチングを生じるので、発電開始と発電停止とでヒステリシス性を持たせるようにするとよい。
図4を参照して、アイドリングストップ制御ECU100で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、アイドリングストップ制御ECU100は、Dレンジにおける車両の平均車速を算出する。これは、たとえば、自動変速機の出力軸回転数を検知して予め定められた時間内における平均車速を算出するようにすればよい。
S200にて、アイドリングストップ制御ECU100は、算出された平均車速から、図3に示すマップを用いて、常時発電開始SOCしきい値であるSOC(a)を算出する。
S300にて、アイドリングストップ制御ECU100は、鉛蓄電池400のSOCを検知する。このとき、電流センサ400により検知された充放電電流を時間積算しておいた値に基づいてSOCが検知される。
S400にて、アイドリングストップ制御ECU100は、検知されたSOCが常時発電開始SOCしきい値SOC(a)よりも小さいか否かを判断する。検知されたSOCが常時発電開始SOCしきい値SOC(a)よりも小さいと(S400にてYES)、処理はS500へ移される。もしそうでないと(S400にてNO)、処理はS600へ移される。
S500にて、アイドリングストップ制御ECU100は、発電モードとして、図2の発電パターン(B)を選択する。S600にて、アイドリングストップ制御ECU100は、発電モードとして、図2の発電パターン(A)を選択する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る車両の制御装置であるアイドリングストップECUを搭載した車両の動作について説明する。
この車両の運転者がイグニッションキーをスタート位置まで回すと、鉛蓄電池400からの電力がスタータリレーを介してスタータ710に供給され、スタータ710がエンジン700を始動する。走行時における平均車速が算出され(S100)、平均車速から常時発電開始SOCしきい値SOC(a)が算出される(S200)。このとき、平均車速が高いほど常時発電開始SOCしきい値であるSOC(a)は低く、平均車速が低いほど常時発電開始SOCしきい値であるSOC(a)は高く算出される。
鉛蓄電池400のSOCが検知され(S300)、検知されたSOCと常時発電開始SOCしきい値SOC(a)とが比較される(S400)。
平均車速が高いほど常時発電開始SOCしきい値SOC(a)が低いので、{検知されたSOC<常時発電開始SOCしきい値SOC(a)}を満足しなくなる(S400にてNO)。すなわち、鉛蓄電池400のSOCがかなり低下するまではS400にてNOの状態である。一方、平均車速が低いほど常時発電開始SOCしきい値SOC(a)が高いので、{検知されたSOC<常時発電開始SOCしきい値SOC(a)}を満足しやすくなる(S400にてYES)。すなわち、鉛蓄電池400のSOCが少し低下してもS400にてYESの状態になる。この結果、高速であると発電パターン(A)が選択され、低速であると発電パターン(B)が選択される場合が多くなる。
平均車速が高いほど常時発電開始SOCしきい値SOC(a)が低いので、{検知されたSOC<常時発電開始SOCしきい値SOC(a)}を満足しなくなる(S400にてNO)。すなわち、鉛蓄電池400のSOCがかなり低下するまではS400にてNOの状態である。一方、平均車速が低いほど常時発電開始SOCしきい値SOC(a)が高いので、{検知されたSOC<常時発電開始SOCしきい値SOC(a)}を満足しやすくなる(S400にてYES)。すなわち、鉛蓄電池400のSOCが少し低下してもS400にてYESの状態になる。この結果、高速であると発電パターン(A)が選択され、低速であると発電パターン(B)が選択される場合が多くなる。
この場合において、加速させようと運転者がアクセルペダルを踏むと、高速走行時には、オルタネータ720に「発電カット」指令が出力されて、オルタネータよる発電は行なわれないで、エンジン700の出力上昇は、車両の加速に用いられる。低速走行時には、オルタネータ720に「発電Lo」指令が出力されて、オルタネータよる発電が行なわれて、エンジン700の出力上昇は、車両の加速とともにオルタネータ720の作動に用いられる。
この後、高速走行から減速されるときには、回生制動による発電量が多く、鉛蓄電池400のSOCが上昇する。また、低速走行から減速するときには、回生制動による発電量は少ないが、加速時を含めて定常時もオルタネータ720を用いて発電しているので、鉛蓄電池400のSOCは上昇している状態を維持している。
このような状態で車両が停止すると、鉛蓄電池400のSOCが予め定められたアイドリングストップ条件よりも高いSOCであることになり、アイドリングストップを禁止することなく、アイドリングストップによる燃費の向上を図ることができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置であるアイドリングストップ制御ECUによると、平均車速が高いと、その後の回生制動時(エンジン被駆動状態)の発電が見込めるのでエンジンの駆動力を用いたオルタネータによる発電を控えておく。一方、平均車速が低いと回生制動が見込めないので多少燃費が悪くなっても(SOCが低下してアイドリングストップできなくなることによる燃費の悪化よりも悪くない)エンジンの駆動力を用いてオルタネータによる発電を行なうようにする。
このように、車両の平均車速に対応させて、常時充電開始SOCを決定した。平均車速が高く十分な回生制動による発電が望める状況で加速するときにはオルタネータによる発電をカットして回生制動時に発電を行ないアイドリングストップ条件を満足させる。一方、渋滞等で平均車速が低い状況においては加速するときであってもオルタネータによる発電を行ない回生制動時における発電量が少なくてもアイドリングストップ条件を満足させる。その結果、できる限りアイドリングストップを禁止させることのないようにして燃費の向上を図ることができる。
<第1の変形例>
以下、本実施の形態に係る車両の制御装置の第1の変形例について説明する。図5に、本変形例に係る制御装置であるアイドリングストップ制御ECU100に記憶されるテーブルを表わす図を、図6に、本変形例に係る制御装置であるアイドリングストップ制御ECU100に記憶されるマップを表わす図を、それぞれ示す。
以下、本実施の形態に係る車両の制御装置の第1の変形例について説明する。図5に、本変形例に係る制御装置であるアイドリングストップ制御ECU100に記憶されるテーブルを表わす図を、図6に、本変形例に係る制御装置であるアイドリングストップ制御ECU100に記憶されるマップを表わす図を、それぞれ示す。
上述した実施の形態と本変形例との相違点は、図6に示すマップにおいて、常時発電開始SOCしきい値SOC(a)に加えて、SOC(f)を有すること、図5に示すテーブルにおいて、発電パターン(A)および発電パターン(B)に加えて、発電パターン(C)を有することである。
本変形例においては、検知された鉛蓄電池400のSOCがSOC(a)を下回るまでは、発電パターン(A)が選択され、検知された鉛蓄電池400のSOCがSOC(a)を下回ると、発電パターン(B)が選択され、さらに、検知された鉛蓄電池400のSOCがSOC(f)を下回ると、発電パターン(C)が選択される。
<第2の変形例>
以下、本実施の形態に係る車両の制御装置の第2の変形例について説明する。図7に、本変形例に係る制御装置を搭載した車両の制御ブロック図を示す。
以下、本実施の形態に係る車両の制御装置の第2の変形例について説明する。図7に、本変形例に係る制御装置を搭載した車両の制御ブロック図を示す。
図7に示すように、本変形例においては、上述した実施の形態(図1)に代えて、通常時に電力が使用される、公称電圧12Vの鉛蓄電池400と、専らアイドリングストップ期間に電力が使用される、公称電圧14.4Vのリチウムイオン電池500と、リチウムイオン電池500からの電力を降圧して鉛蓄電池400に供給するとともに、鉛蓄電池400からの電力を昇圧してリチウムイオン電池500に供給するDC/DCコンバータ600と、スタータ710に供給する電力を鉛蓄電池400およびリチウムイオン電池500のいずれかから供給されるようにスタータ710の電源を切り換えるスタータ電源切り換えリレー300とを含む。
この車両は、運転者がイグニッションキーをスタート位置まで回すと、鉛蓄電池400からの電力がスタータ電源切り換えリレー300を介してスタータ710に供給され、スタータ710がエンジン700を始動する。通常走行時においては、オルタネータ720からの発電電力を鉛蓄電池400および車両補機に供給する。また、リチウムイオン電池500のSOCが低い場合は、DC/DCコンバータ600を介してリチウムイオン電池500の充電を行なう。回生発電時には、エンジンECU200が車両の減速中を検知してかつその他の条件が成立すると、オルタネータ710の発電電圧を高めることにより回生発電を行なう。このとき発電された電力により、リチウムイオン電池500が充電され
、アイドリングストップ時においては、DC/DCコンバータ600を介してリチウムイオン電池500から車両補機や自動変速機の電動オイルポンプなどに電力が供給される。アイドリングストップ中は、登坂路などにおける後退抑制のため、スキッドコントロールコンピュータによりホイールシリンダの油圧が保持される。エンジン再始動時には、シフトレバーがDレンジにある場合には、ブレーキペダルをリリースするのと同時にエンジン700が再始動する。このエンジンの再始動時には、リチウムイオン電池500の電力がスタータ710に供給され、スタータ710によりエンジン700のクランキングが行なわれる。
、アイドリングストップ時においては、DC/DCコンバータ600を介してリチウムイオン電池500から車両補機や自動変速機の電動オイルポンプなどに電力が供給される。アイドリングストップ中は、登坂路などにおける後退抑制のため、スキッドコントロールコンピュータによりホイールシリンダの油圧が保持される。エンジン再始動時には、シフトレバーがDレンジにある場合には、ブレーキペダルをリリースするのと同時にエンジン700が再始動する。このエンジンの再始動時には、リチウムイオン電池500の電力がスタータ710に供給され、スタータ710によりエンジン700のクランキングが行なわれる。
このように、この車両においては、イグニッションキーによるエンジンの初回始動時においては、鉛蓄電池400からスタータ710に電力が供給されるように、アイドリングストップ後のエンジン再始動時にはリチウムイオン電池500からスタータ710に電力が供給されるように、アイドリングストップ制御ECU100によりスタータ電源切り換えリレー300が制御される。
このような車両においても、上述した実施の形態におけるプログラムが実行され、できる限りアイドリングストップの禁止を回避して燃費の向上を図ることができる。
さらに、オルタネータではなく、モータジェネレータであってもよく、その場合には、レギュレータおよびコントローラの代わりにインバータ制御ユニットが設けられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 アイドリングストップ制御ECU、200 エンジンECU、300 スタータ電源切り換えリレー、400 鉛蓄電池、500 リチウムイオン電池、600 DC/DCコンバータ、700 エンジン、710 スタータ、720 オルタネータ。
Claims (4)
- 車両の状態が予め定められた条件を満足するとエンジンを一時的に停止するアイドリングストップシステムを搭載した車両の制御装置であって、前記車両には、発電機と、前記発電機により発電された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載され、
前記制御装置は、
前記車両の駆動輪の回転力により前記発電機を作動させるように、前記発電機を制御するための第1の制御手段と、
前記エンジンの回転力により前記発電機を作動させるように、前記発電機を制御するための第2の制御手段と、
前記車両の車速を検知するための検知手段と、
前記検知手段により検知された車速に基づいて、前記第1の制御手段による前記発電機の制御と前記第2の制御手段による前記発電機の制御との使用度合いを切換えるための切換手段とを含む、車両の制御装置。 - 前記第1の制御手段は、前記車両の減速時において、前記発電機を制御するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記検知手段は、前記車両の平均車速を検知するための手段を含み、
前記切換手段は、前記平均車速が高いときには、前記平均車速が低い場合に比べて、前記第2の制御手段による発電機の制御を抑制するための手段を含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。 - 前記車両には、前記一時的な停止後に前記エンジンを再始動するための回転電機がさらに搭載され、
前記予め定められた条件の1つとして、前記蓄電機構に予め定められた以上の電力が蓄えられていることが設定され、
前記制御装置は、前記蓄電機構の電力を前記回転電機に供給してアイドリングストップからの復帰させるための手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の制御装置。
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2004
- 2004-01-22 JP JP2004014523A patent/JP2005207311A/ja not_active Withdrawn
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