JP3672339B2 - 一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法及び起動装置 - Google Patents

一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法及び起動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法及びその起動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、一軸型コンバインドサイクル発電プラントにおける起動には、蒸気タービンの最終段翼部での発熱・温度上昇の防止用及び蒸気タービンのグランドシール用のための蒸気を必要とする。この蒸気としては、運転中の他の軸からの補助蒸気もしくは自軸の排熱回収ボイラ発生蒸気を使用する場合は、ガスタービン排気による排熱回収ボイラの暖機が必要となる。そこで、この暖機は蒸気タービン最終段翼部の温度上昇を伴なわない程度の回転数を維持して行なうことになる。
【0003】
しかし、最近のガスタービンは、入口ガス温度の高温化を含む大容量化の傾向にあり、これに伴ない排熱回収ボイラ及び蒸気タービンも大容量化し、この結果一軸型コンバインドサイクル発電プラントの軸出力も大容量化しており、この大容量化によって排熱回収ボイラ及び蒸気タービン等の蒸気系主要機器の耐圧部の肉厚が増加される傾向にあり、軸の起動特性が悪化される要因となっている。一方、ガスタービンの高温化に伴う排気温度の上昇と運転方法の影響で蒸気温度の変化率も増加の傾向にあり、運転の制約になることも考えられる。
【0004】
従来のコンバインドサイクル発電プラントの運転は、ガスタービンの運転を中心に考えられており、負荷調整はガスタービンに供給する燃料量の調整のみで行ない、蒸気流量の調整等による出力調整は行なわない。したがって、起動・停止及び負荷変化時には、ガスタービンの運転状態が変化され、その結果排熱回収ボイラ出力(蒸気圧力・温度・流量)及び蒸気タービンの運転状態量の変化が行なわれる。
【0005】
図4は、一軸型コンバインドサイクル発電プラントの概略系統を示す図であって、空気圧縮機1、ガスタービン2、蒸気タービン3及び発電機4の軸が一軸に結合してある。
【0006】
空気圧縮機1には、その入口に設置された入口案内翼5で吸込流量が調節された大気が吸入され、そこで圧縮された後燃焼器6で燃料と混合燃焼し高圧高温のガスとなり、ガスタービン2に導入され、そこで動力が発生される。上記ガスタービン2で仕事を行なった排ガスは排熱回収ボイラ7に導入され、熱回収が行なわれた後、煙突(図示せず)を介して大気に放出される。
【0007】
一方、排熱回収ボイラ7に設けられている節炭器及び蒸発器(図示せず)に順次供給され、ガスタービン2の排気ガスと熱交換された給水は、高圧ドラム8で気水分離され、発生蒸気が過熱器(図示せず)で過熱され過熱蒸気となって高圧主蒸気管9及び高圧蒸気加減弁10を介して蒸気タービン3の高圧部に導入され動力が発生される。蒸気タービン3の高圧部からの排気は、低温再熱蒸気管11を介して排熱回収ボイラ7の再熱器(図示せず)でガスタービン排気と熱交換し再熱され、高温再熱蒸気管12を介して蒸気タービン3の中圧部及び低圧部に順次導入され、動力が発生される。そして、ガスタービン2及び蒸気タービン3で発生した動力は発電機4で電気エネルギに変換される。
【0008】
ところで、現状のコンバインドサイクルにおいては、主蒸気と再熱蒸気について、一定の温度以上に蒸気温度が上昇しないように過熱器や再熱器を分割し、蒸気減温器等を設置し水をスプレーして蒸気温度制御を行なうように計画されている。
【0009】
図5は、現状のコンバインドサイクル発電プラントの起動から定格負荷までのガスタービン主要部分の状態量を示す。
【0010】
また図6は、従来のガスタービン排気ガス温度制御装置の概略構成を示す図であって、空気圧縮機1の吐出側には吐出空気圧力検出器13が設けられ、ガスタービン2の排気側には排ガス温度検出器14が設けられている。上記吐出空気圧力検出器13で検出された圧力信号は入口案内翼制御装置15の関数発生器16に入力され、そこで吐出空気圧力信号にもとずき排ガス温度設定値が算出される。この関数発生器16から出力された排ガス温度設定値は、比較器17で前記排ガス温度検出器14で検出された排ガス温度信号と比較され、その偏差信号が制御演算回路18に入力され、入口案内翼の制御信号が出力される。そしてその出力信号にもとづき入口案内翼駆動装置19を介して入口案内翼5の開度が制御される。この場合、通常は或負荷以上での運転時のタービン入口ガス温度が一定の値以上にならないように制限する制御が行なわれている。
【0011】
図7は、ガスタービンの起動から定格負荷までの空気圧縮機の運転の軌跡を示しており、従来運転ライン1で示す軌跡に沿って運転が行なわれている。すなわち、空気圧縮機は図7に示す運転制限範囲内での運転が必要で回転数が低い状態で圧縮比が高くなるような運転は避けなければならい。したがって、定回転数での入口案内翼の開度を大きくし空気流量を増加させるような運転は望ましくない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
排熱回収ボイラの暖機運転は、無負荷定格回転数で行なおうとすると、ガスタービンの排気ガス量が最も少ない状態で排ガス温度が400〜440℃に達し、主蒸気温度も同程度になる。また、蒸気タービンに通気を開始した時点での再熱蒸気温度も主蒸気温度と同程度となる。すなわち、ガスタービンが無負荷定格回転数で運転を継続している場合には、ガスタービンの排ガス温度とその流量は、大気温度の影響を受けて変化する。したがって、排熱回収ボイラの暖機完了時点の主蒸気温度は積極的に操作しない限りガスタービンの排ガス温度で定まる。このことは、蒸気タービンが排熱回収ボイラの暖機完了時点でどのような状態にあっても、ほぼ一定温度の蒸気が供給されることになる。
【0013】
ところが、蒸気タービンは停止からの経過時間及び周囲条件によって冷却速度が異なり、排熱回収ボイラ暖機完了時点でのケーシングやロータ温度は千差万別である。金属部と蒸気温度の差については、熱伝達に影響を及ぼす大きな因子であり、温度差が大きくなれば発生する熱応力も大きくなる。
【0014】
したがって、一軸型コンバインドサイクル発電設備において、自軸によって発生する蒸気によって蒸気タービンの暖機を行なう場合には、発生蒸気に水をスプレーする等の温度制御を行なう必要があり、蒸気タービンの暖機のために特別の暖機用設備と暖機方法を使用する必要がある等の問題がある。
【0015】
本発明はこのような点に鑑み、蒸気タービンの暖機を特別な暖機用設備を使用することなく自軸で発生した蒸気で行なうことができるようにしたプラントの起動方法及び起動装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ガスタービン、蒸気タービン及び発電機の回転軸を一体に結合し、ガスタービンの排気エネルギーを排熱回収ボイラで蒸気に変換し、その蒸気を蒸気タービンに導入し電力として回収する一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法において、起動時の蒸気系の主要部の温度に準拠して定められる主蒸気温度を得るためのガスタービン排気温度の上限値を設定値として、排気ガス温度制御を行なうとともに、上記蒸気系の主要部の温度に準拠して定められる時間だけ上記設定値を保持し、その後上記主要部の温度に対応して決められた所定上昇率で上記設定値を通常の排気ガス温度制御状態に上昇させることを特徴とする。
【0017】
また、第2の発明は、ガスタービン、蒸気ダービン及び発電機の回転軸を一体に結合し、ガスタービンの排気エネルギーを排熱回収ボイラで蒸気に変換し、その蒸気を蒸気タービンに導入し電力として回収する一軸型コンバインドサイクルプラントの起動装置において、起動時にその起動時の蒸気系の主要部の温度に対応して排ガス温度設定信号を低減させる起動時排ガス温度制御装置を設けたことを特徴とする。
【0018】
【作用】
排熱回収ボイラ暖機完了時点での主蒸気温度は、ガスタービン排気温度の設定を低くすることによって主蒸気温度調節用減温器を使用することなく所定の主蒸気温度が得られる。すなわち、起動時の蒸気系の主要部の温度に準拠して定められる主蒸気温度を得るように、ガスタービン排気温度の上限値を設定値として排ガス温度が制御される。しかして、主蒸気温度は排熱回収ボイラの高温部や蒸気タービンの高温部に発生する熱応力や熱衝撃を小さく抑える程度の温度に制御される。一方、通気後、蒸気タービンロータ温度や排熱回収ボイラ高温部の温度が或程度に到達し安定するが、高温部の金属部温度の上昇と蒸気温度の上昇が同等になるようにガスタービン排気ガス温度が変化され、発生熱応力の上昇が抑えられる。
【0019】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0020】
図1において、空気圧縮機1の吐出側に設けられた吐出空気圧力検出器13によって検出された吐出空気圧力信号は、入口案内翼制御装置15の関数発生器16に入力され、吐出空気圧力に対応した排ガス温度設定信号が算出される。この関数発生器16から出力された排ガス温度設定信号は、排ガス温度検出器14で検出された排ガス温度信号と比較器17で比較され、その偏差信号が制御演算回路18及び入口案内翼駆動装置19を介してガスタービンの入口案内翼5の開度が制御される。
【0021】
ところで、入口案内翼制御装置15には起動時排ガス温度制御装置20が設けられており、プラントの起動時にその起動時排ガス温度制御装置20から発生されたバイアス信号が比較器17に印加され、関数発生器16からの排ガス温度設定信号が低減されるようにしてある。
【0022】
図2は、上記起動時排ガス温度制御装置20の概略構成を示す図であって、その起動時排ガス温度制御装置20には、バイアス用関数発生器21、バイアス低減率用関数発生器22、及び保持時間用関数発生器23が設けられている。各関数発生器21,22,23には、軸の回転上昇直前の蒸気タービン第一段シェル内面メタル温度の測定値を記憶するメモリ24から、上記メタル温度信号がそれぞれ印加されており、バイアス用関数発生器21からは、上記蒸気タービン第一段シェル内面メタル温度に準拠して定められる主蒸気温度を得るための、排気温度設定低減温度設定値信号が出力されるようにしてある。
【0023】
また、バイアス低減率用関数発生器22では、上記メタル温度に準拠して、上記バイアス信号の変化率すなわち上昇率を設定する設定信号が出力され、さらに保持時間用関数発生器23では、排気温度低減を保持する時間を設定する設定信号が出力されるようにしてある。
【0024】
しかして、上記蒸気タービン第一段シェル内面メタル温度Aと所定温度B例えば360℃とが比較器25で比較され、第一段シェル内面メタル温度Aが上記所定温度Bより低い場合には、第1の信号切替器26が作動され、定数A=0からバイアス用関数発生器21の出力に定数を乗じた値Bがバイアス信号として出力信号として出力するように切替えられ、上記バイアス信号Bが積分器27及びリミッター28を介して前記比較器17に入力され、関数発生器16からの排ガス温度設定信号からバイアス信号が減算され、その低減された設定信号によって入口案内翼5の開度が制御され、ガスタービンの排気温度が制御される。
【0025】
この状態で運転が継続され、入口案内翼開度測定値Bが入口案内翼開度設定値Aより大きくなると、比較器29から出力信号が出力し、タイマー30の作動が開始される。そこで、保持時間用関数発生器22からの前記第一段シェル内面メタル温度に対応する保持時間が経過すると、第2の信号切替器31が作動され、定数A=0からバイアス低減率用関数発生器22からの排気温度低減設定温度の変化率設定信号Bが出力されるようになり、その設定信号Bが減算器32に印加され、そこで前記第1の信号切替器26からの信号Bから設定信号Bが減算され、その偏差信号が積分器27及びリミッター28を介して前記比較器17に入力される。
【0026】
したがって、関数発生器16から出力される排ガス温度設定信号から減少される分が少なくなり、排気温度の設定値が上昇され、通常運転時の設定に近づけられる。
【0027】
すなわち、通常の起動における排ガス温度制御装置では、軸が無負荷定格回転数に到達した時点での入口案内翼開度は排気ガス温度温度設定値に到達していないため設定された最小開度を保持した運転を継続するが、軸の起動時に排気温度制御設定値が起動時排ガス温度制御装置の出力により低減されていると、設定された排気ガス温度にガス温度を調整するため入口案内翼の開度が開方向に調整される。
【0028】
入口案内翼のこの開度は、開度の設定値に到達し一定の時間が経過しなければ、排ガス温度の設定値が修正されないためそのまま保持される。この保持時間は、上記タービンの負荷上昇の許可条件である第一段シェルメタル温度等への到達を待つ時間であって、時間でなく温度の設定値と測定値によって条件を設定してもよい。
【0029】
そして、上記条件が満たされると、起動時排ガス温度制御装置による排ガス温度制御装置による排ガス温度低減値を減少させ排気温度の設定値を上昇させることにより負荷を一定の状態に保った状態で入口案内翼開度を絞り、入口案内翼開度を定常運転状態の最も絞られた状態に戻される。
【0030】
しかして、上記操作によって、上記タービンの暖機完了後の負荷上昇等のガスタービン制御を複雑化することなく実現でき、ガスタービン燃焼方式との関連もあるが同一モードでの運転領域を広くすることができる。
【0031】
このように排ガス温度の低減運転が行われる場合、ガスタービンの空気圧縮機の運転は、図7の運転ライン2に示す軌跡をたどり、初負荷から負荷上昇に伴なうタービン入口ガス圧力の上昇により圧縮比が上昇し、定格負荷運転点に向って作動する。
【0032】
また、図5に示した起動から定格負荷までの運転におけるガスタービン各部状態量を基準に本実施例での変化を、図3に一点鎖線で示す。
【0033】
なお、上記実施例においてはバイアス用関数発器等では、蒸気タービン第一段シェルメタル温度の或範囲に対して一定の値を採用したステップ状に変化する関数を発生させているものを示したが、上記シェルメタル温度に対して連続の値を発生するようにすることもできる。また、蒸気タービン第一段シェルメタル温度以外に、蒸気系の主要部分の状態量、例えば排熱回収ボイラのドラムメタル温度や過熱器ヘッダーメタル温度等運転方法によって機器の寿命に影響を及ぼす状態量を基準にとることもできる。さらに、ガスタービン排ガス温度の制御設定値の決定を脱硝触媒装置もしくは脱硝触媒部分のガス温度とガスタービンでの窒素酸化物の発生量もしくは濃度を入力として加え、環境への窒素酸化物排出量の予測計算を行い排出基準を確保できるガスタービン排ガス温度を求め、これをガスタービン排ガス温度の設定値とし環境基準、蒸気タービンロータの熱応力および排熱回収ボイラの過熱器出口ヘッダー熱応力を制限値以内に保持するようにすることもできる。
【0034】
また、本実施例では、標準的なガスタービン排ガス温度制御装置の温度設定値にバイアスを加える方法で説明したが、起動時排ガス温度制御装置を独立させ、初負荷運転で排ガス温度制御装置と切り替えて排ガス温度制御を実施しても同様の効果を得ることができる。
【0035】
ところで、蒸気系の主要部の熱応力の予測計算方法は特に規定していないが、シミュレーション等の結果を使用した式およびモデル予測による結果等が使用できる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は軸の起動直前の蒸気タービン第一段シェル内面メタル温度等を考慮し、ガスタービン排ガス温度の制御設定値を修正して主蒸気温度や再熱蒸気温度のミスマッチ温度が小さくなるように、ガスタービン排気ガス量を多くした運転を行なうようにしたので、起動時の高温部の熱応力の発生を抑制した起動が可能となり、蒸気系の特別な暖機操作や暖機用の設備を必要とせず、経済的及び運転の簡素化が可能等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるガスタービン排ガス温度制御装置の概略構成図。
【図2】本発明における起動時排ガス温度制御装置の構成図。
【図3】本発明方法におけるガスタービンの代表的な状態変化を示す図。
【図4】コンバインドサイクルプラントの概略系統図。
【図5】起動から定格負荷までの従来の運転方法による各種状態量の推移を示す図。
【図6】従来のガスタービン排ガス温度制御装置の概略構成図。
【図7】空気圧縮機の運転軌跡と運転領域を示す図。
【符号の説明】
1 空気圧縮機
2 ガスタービン
6 蒸気タービン
5 入口案内翼
7 排熱回収ボイラ
8 高圧ドラム
13 吐出空気圧力検出器
14 排ガス温度検出器
15 入口案内翼制御装置
16 関数発生器
17 比較器
19 入口案内翼駆動装置
20 起動時排ガス温度制御装置
21 バイアス用関数発生器
22 バイアス低減率用関数発生器
23 保持時間用関数発生器
24 メモリ
26 第1の信号切替器
31 第2の信号切替器

Claims (5)

  1. ガスタービン、蒸気タービン及び発電機の回転軸を一体に結合し、ガスタービンの排気エネルギーを排熱回収ボイラで蒸気に変換し、その蒸気を蒸気タービンに導入し電力として回収する一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法において、通常の排ガス温度制御の設定値から起動時の蒸気系の主要部の温度に準拠して定められるバイアスを減算させて、起動時の排ガス温度制御の設定値として排気ガス温度制御を行なうとともに、上記蒸気系の主要部の温度に準拠して定められる時間だけ上記設定値を保持し、その後上記主要部の温度に対応して決められた所定上昇率で上記設定値を通常の排気ガス温度制御状態に上昇させることを特徴とする、一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法。
  2. 蒸気系の主要部の温度は、蒸気タービン第一段シェル内面メタル温度であることを特徴とする、請求項1記載の一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法。
  3. 蒸気系の主要部の温度は、排熱回収ボイラの過熱器出口ヘッダー内面メタル温度であることを特徴とする、請求項1記載の一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法。
  4. ガスタービン、蒸気タービン及び発電機の回転軸を一体に結合し、ガスタービンの排気エネルギーを排熱回収ボイラで蒸気に変換し、その蒸気を蒸気タービンに導入し電力として回収する一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法において、通常の排ガス温度制御の設定値から起動時の蒸気系の主要部の温度に準拠して定められるバイアスを減算させて、起動時の排ガス温度制御の設定値としてガスタービンの入口案内翼を直接操作する回路を設け、起動時に排気ガス温度制御回路からの制御出力から切り替え上記入口案内翼を直接操作する回路からの制御出力によって上記入口案内翼を制御するとともに、上記蒸気系の主要部の温度に準拠して定められる時間だけ、ガスタービンの入口案内翼を直接操作する回路による制御を保持し、その後通常の排気ガス温度制御状態にすることを特徴とする、一軸型コンバインドサイクルプラントの起動方法。
  5. ガスタービン、蒸気ダービン及び発電機の回転軸を一体に結合し、ガスタービンの排気エネルギーを排熱回収ボイラで蒸気に変換し、その蒸気を蒸気タービンに導入し電力として回収する一軸型コンバインドサイクルプラントの起動装置において、起動時にその起動時の蒸気系の主要部の温度に対応して排ガス温度設定信号を低減させる起動時排ガス温度制御装置を設けるとともに、上記起動時排ガス温度制御装置が、起動時の蒸気系の主要部の温度に対応してバイアス信号を出力するバイアス用関数発生器と、上記主要部の温度に対応してバイアス低減率信号を発生するバイアス低減率用関数発生器と、上記主要部の温度に対応して保持時間を設定する保持時間用関数発生器と、上記主要部の温度が所定値以下のときバイアス用関数発生器からのバイアス信号を出力する第1の信号切替器と、入口案内翼開度が設定開度以上になってから上記保持時間経過後に上記バイアス低減率用関数発生器からの出力信号を出力し、前記第1の信号切替器からの出力信号に加算する第2の信号切替器とを有することを特徴とする、一軸型コンバインドサイクルプラントの起動装置。
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