JP3672214B2 - 塗装面補修用治具及び塗装面補修方法 - Google Patents

塗装面補修用治具及び塗装面補修方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、自動車の車体塗装面に生じた塗装不良箇所を簡便に補修する塗装面補修用治具及び塗装面補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車のボディに対する塗装は、通常、図5に示すように、ボディW表面に下塗り塗装層51、中塗り塗装層52、及び上塗り塗装層53を形成した後、最後にクリア塗装層54を形成する塗装を行って仕上げている。
【0003】
この塗装を行う際、上塗り塗装層53とクリア塗装層54の間にゴミ不良やブツ不良等が生じた場合には、不良箇所及びその周囲をサンドペーパー等で研磨し、不良原因を取り除いて補修用凹部Xを形成する。そして、たとえば塗装用補修シートを用いて周囲をマスキングし、その上から作業者が手動式スプレーガン(以下、単に「スプレーガン」ともいう。)により塗料を噴出して、塗装不良箇所の補修を行っていた。この補修作業を行う際には、まず上塗り塗料を噴出して上塗り塗装層53の補修を行い、その上からクリア塗料を噴出してクリア塗装層54を補修するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの上塗り塗装層53及びクリア塗装層54の補修をスプレーガンによって行う場合には、塗装補修面とスプレーガンの噴出口との距離、エアー圧力、塗料噴出量、噴出パターン等の諸条件が満たされないと、塗装の厚みにムラが出できたり、あるいは色差を生じてしまう恐れがあった。このような、塗装厚みのムラや色差を生じると、その部分をさらに補修しなければならないため、作業効率の低下を招くなどの問題があった。
【0005】
これらの塗装厚みのムラや色差を生じさせないためには、作業者が相当の熟練者である必要があるが、このような熟練者を確保することは難しく、結局、塗装厚みのムラや色差を生じさせてしまうことは避けられなかった。特に、上記諸条件のうち、塗装補修面とスプレーガンの噴出口との距離は、重要なファクターである。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、上塗り塗装層やクリア塗装層を補修する際、熟練者を擁することなく、作業者として未熟な者が作業を行ったとしても、塗装厚みのムラや色差を生じることなく、もって作業効率の向上に寄与する塗装面補修用治具及び塗装面補修方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、塗装不良箇所が生じた塗装面に塗料を吹き付けて、前記不良箇所が生じた塗装面を補修する手動式スプレーガンに係着される塗装面補修用治具を前記手動式スプレーガンに係着される係着部材と、前記塗装面に当接し前記手動式スプレーガンから噴出される塗料を吐出する吐出孔が形成された吐出板と、前記吐出板前記係着部材との間を離間して固定するアームとを備えて構成した。そして、前記アームによって前記手動式スプレーガン噴出口と、前記塗装面との距離が一定に保たれるようにした。
【0008】
また、塗装面に生じた塗装不良箇所に対して、手動式スプレーガンにより塗料を吹き付けて、前記塗装不良箇所が生じた塗装面を補修する方法であって、前記手動式スプレーガンの噴出口に取り付けられた請求項1記載の塗装面補修用治具により、前記手動式スプレーガンの噴出口と前記塗装不良箇所との距離を一定に保つとともに、前記手動式スプレーガンから塗料を噴出する際の噴出条件を一定に保ちながら、前記手動式スプレーガンによる吹付け補修を行うことを特徴とする塗装面補修方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に説明する。
図1は、本発明に係る塗装面補修用治具の斜視図、図2は、(a)本発明に係る塗装面補修用治具の側面図、(b)は、その平面図、図3は、本発明に係る塗装面補修用治具をスプレーガンに取り付けた状態を示す側面図である。
【0010】
本発明に係る塗装面補修用治具(以下、単に「補修用治具」ともいう。)1は、図1に示すように、スプレーガンS(図3参照)に嵌合可能な係着部材2と、スプレーガンSから噴出される塗料を吐出する吐出孔3aが形成された吐出板3を備えている。この吐出板3は、側面形状が台形状であるアーム4,4を介して係着部材2に固定されており、係着部材2に嵌合するスプレーガンSの噴出口と、吐出板3における吐出孔3aとの距離が一定に保たれるようにされている。
【0011】
係着部材2は、スプレーガンSを固定し、その落下を防止するための固定用ネジ5を有しており、摘み部5aを回して固定用ネジ5を締め付けることにより、スプレーガンSが係着部材2に固定される。
【0012】
一方、本実施形態においては、吐出板3とアーム4,4は、金属性の材料によって一体的に形成されており、図2(b)に示すように、平面視してコ字形状をなしている。さらに、吐出板3に形成された吐出孔3aの直径は、塗装不良箇所の大きさに応じて、適宜の大きさとすることができ、本実施形態においては、直径8mmとされている。
そして、吐出板3は、塗装時にマスキング部材6を介して塗装面Pに当接されるが、このときに被塗装面Pに疵を付けないように、吐出板3とアーム4,4との間は、面取り加工されている。
また、アーム4,4の長さL1 は、スプレーガンSを嵌合する係着部材2と吐出板3の吐出孔3aとの距離、ひいてはスプレーガンSと塗装面Pとの距離を一定に保つという意味において重要である。このアーム4,4の長さL1 は、本実施形態においては、40mmとされ、係着部材2に嵌合されたスプレーガンSの噴出口と塗装面Pとの距離L2 は、約25mmとなるようにされている。
【0013】
なお、スプレーガンSについては、従来公知のものを適宜使用することができるが、ここで、本実施形態で用いたものを簡単に説明する。図4に示すように、スプレーガンSは、本体31に対して、引き金32が取り付けられており、作業者が引き金32を引くことにより、図示しないホースを介して供給される塗料がノズル(噴出口)33より噴出される。このとき、空気調節摘み34により、塗料のエア圧力を調節することができる。また、噴出量調節摘み35により、塗料の噴出量を調節することができ、パターン調節摘み36によって、塗料の噴出パターンを設定することができる。
【0014】
さて、この補修用治具1を用いて、塗装面Pの補修を行う方法について説明する。
塗装面Pにゴミ不良等が発生した場合に、これをサンドペーパー等で削って取り除き、サンドペーパーで削られた部分の周辺をマスキングする作業は従来と同様である。本発明においては、図3に示すように、スプレーガンSを係着部材2に嵌合させ、固定用ネジ5により、スプレーガンSを補修用治具1に取り付ける。このとき、スプレーガンSの噴出口と塗装面Pとの距離が、約25mmとなるように調整する。
【0015】
次に、上塗り塗装層P1を補修するために、スプレーガンSから塗料を噴出する際の噴出条件、すなわち塗料のエア圧力、噴出量、噴出パターンを設定する。この噴出条件としては、熟練者の過去の経験などに基づいて求められた適切な条件が設定されている。具体的に例えば、上記のように、スプレーガンSの噴出口と塗装面Pの距離が25mmの場合に、スプレーガンSにおける空気量調節摘み34を1/4、噴出量調節摘み35を1/4、パターン調節摘み36を1/2分それぞれ開く。このときの各摘みの設定値には、予め印を付けておくこともできる。また、アームの長さの異なる補修用治具を用いる場合には、その補修用治具に応じた適宜の設定条件をも求めておいて、スプレーガンSに印を付けておくなどの処置をとることもできる。
【0016】
これらの噴出条件の設定が済んだら、塗装面Pの補修部位にマスキング部材6を貼着する。そして、このマスキング部材6に補修用治具1の当接面3を当接させ、吐出孔3aを上塗り塗装層P1に対向させる。作業者は、この状態で、引き金32を5回引き、塗料を噴出させることにより、塗料を吹付けて、上塗り塗装層P1の補修を行う。
続いて、クリア塗装層P2の補修を行うことができるように塗装面Pにマスキング部材6を貼着し、その後、上塗り塗装層P1を補修したのと同様の手順で、クリア塗装層P2の補修を行う。そして、最後にポリシングを行って、塗装面Pの補修が完了する。
【0017】
なお、上記実施形態においては、固定用ネジ5を有する係着部材2によって、補修用治具1とスプレーガンSを係着しているが、係着部材としては、この態様には限定されず、たとえばコイルバネを用いたものなど、適宜の態様のものを用いることができる。
また、吐出板3とアーム4,4は、金属性の材料により成形しているが、たとえば、樹脂性の材料で成形することもできる。ここで、吐出板3は、マスキング部材6を介して塗装面Pと当接するため、吐出板3の当接面は、軟質であることが望ましい。そのために、吐出板3として樹脂性のものを用いるのは好適であるが、吐出板3の表面に、たとえばゴム材からなる軟質の保護部材を着設することもできる。また、塗装面が自動車のボディなどである場合には、その表面は平面でなく、曲面であることも多いので、吐出板3の表面を曲面とすることもできる。
【0018】
さらに、上記実施形態では、吐出板3とアーム4,4とは一体的に成形しているが、これらを別体とし、ボルト・ナットなどからなる連結部材で連結したり、あるいは溶接するなどの態様とすることももちろん可能である。また、本実施形態におけるアーム4の形状は、側面視して台形状とされているが、この形状は特に限定されないことはもちろん、たとえば2本のアーム4,4の代わりに、内部が中空の円錐台状のものを係着部材2と吐出板3の間に介在させることもできる。要は、係着部材2と吐出板3の距離が所定の距離に保たれればよいのである。他方、スプレーガンSと塗装面Pの距離を一定に保つために、スプレーガンSに係着部材2を係着する部位に印を付けておくこともできる。あるいは、スプレーガンSと係着部材2のそれぞれに、適宜の嵌合形状を付与したり、スプレーガンSに雌螺子部を螺刻し、この雌螺子部に固定用ボルトを螺合させたりして、スプレーガンSと塗装面Pの距離を一定に保った状態で嵌合するような態様とすることもできる。
【0019】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、上塗り塗装層やクリア塗装層を補修する際、熟練者を擁することなく、作業者として未熟な者が作業を行ったとしても、塗装厚みのムラや色差を生じることなく、もって作業効率の向上に寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗装面補修用治具の斜視図である。
【図2】(a)は、本発明に係る補修用治具の側面図、(b)は、その平面図である。
【図3】本発明に係る補修用治具をスプレーガンに取り付けた状態を示す側面図である。
【図4】本発明に係る補修用治具を取り付けるスプレーガンの側面図である。
【図5】塗装面における塗装不良箇所を取り除いた状態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 塗装面補修用治具
2 係着部材
3 吐出板
3a 吐出孔
4 アーム
5 固定用ネジ
5a 摘み部
6 マスキング部材
S スプレーガン
P 塗装面

Claims (2)

  1. 塗装不良箇所が生じた塗装面に塗料を吹き付けて、前記不良箇所が生じた塗装面を補修する手動式スプレーガンに係着される塗装面補修用治具であって、
    前記手動式スプレーガンに係着される係着部材と、
    前記塗装面に当接し、前記手動式スプレーガンから噴出される塗料を吐出する吐出孔が形成された吐出板と、
    前記吐出板前記係着部材との間を離間して固定するアームとを備え、
    前記アームによって前記手動式スプレーガン噴出口と、前記塗装面との距離が一定に保たれることを特徴とする塗装面補修用治具。
  2. 塗装面に生じた塗装不良箇所に対して、手動式スプレーガンにより塗料を吹き付けて、前記塗装不良箇所が生じた塗装面を補修する方法であって、
    前記手動式スプレーガンの噴出口に取り付けられた請求項1記載の塗装面補修用治具により、前記手動式スプレーガンの噴出口と前記塗装不良箇所との距離を一定に保つとともに、
    前記手動式スプレーガンから塗料を噴出する際の噴出条件を一定に保ちながら、前記手動式スプレーガンによる吹付け補修を行うことを特徴とする塗装面補修方法。
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