JP3671639B2 - 浴用水の循環浄化装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽内の浴用水を浄化することによって、浴用水の長期使用を可能にする浴用水の循環浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭用の風呂においても24時間の入浴を可能としたものが提供されている。この場合、浴槽内の浴用水を長期間使用可能とするために、浴用水を常時もしくは周期的に浄化・殺菌する必要がある。
このために、従来より知られている循環浄化装置は、一端の吸い込み口と、他端の吐出口をそれぞれ浴用水中に浸漬させた循環水路、浴槽内の浴用水を吸い込み口から吸い込んで吐出口から吐出させるように循環水路を循環させるポンプ、循環水路を循環する浴用水を加熱するヒータ、浴用水中の汚れをろ過するろ過槽、レジオネラ菌等を殺菌する殺菌槽より構成されている。
【0003】
従来の循環浄化装置は、殺菌方式としては、紫外線殺菌、オゾン殺菌、加熱殺菌、塩素殺菌から選択しており、塩素殺菌方式を採用している循環浄化装置が特開平8ー267072号公報で提供されている。このものは、図8に示すように、循環水路2の両端部に設けた吸い込み口15、吐水口16が浴槽17内の浴用水1内に浸漬し、循環水路2の吸い込み口15から吐水口16側にかけて順に、浴用水1を循環水路2に循環させる循環ポンプ3、浴用水1中の汚れをろ過するろ過槽4、電解殺菌装置50、ヒータ18が設けてある。また、電解殺菌装置50に塩分を添加するための塩分添加部51と、更に塩分添加制御のための調節弁52とを備えている。この従来例において電解殺菌の開始に当たっては、調節弁52が開放されて食塩もしくは食塩水が電解殺菌装置50に添加される仕組みになっている。
【0004】
また、従来から、これと同様に塩水を電気分解する構造を有するものとして酸性イオン水生成装置が知られており、例えば特開平7ー155764号公報で提供されている。このものは、図9に示すように、電解槽53と、塩水タンク54と、塩水を電解槽53に給水する給水ポンプ55とを備えており、電流一定のもとで電極間の電圧を測定し、基準値との比較に基づいて給水ポンプ55を制御することにより、電解槽53内の塩分濃度を一定に保持することを目的としている。図9において、56は入水管、57は混合室、58は酸性イオン水タンク、59はアルカリイオン排水管、60は制御部である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開平8ー267072号公報で提供されているような従来の装置にあっては、塩分添加部51の濃度が常に一定でない限り電解殺菌装置50内の塩濃度の調整が困難である。また、塩分添加部51の塩濃度を一定にするためには、一定濃度の溶液をあらかじめ調整し、それを補充するといった煩雑なメンテナンスが必要となる。仮に、塩分添加部51内に固形の食塩を貯蔵していたとしても、食塩は固着するため調節弁52の開放のみで電解殺菌装置50内の塩濃度を調整することはやはり困難である。また、電解殺菌装置50内の塩濃度が一定でないと、一定量の塩素を発生させることができないものであり、塩素発生量が少ないときには殺菌力が不十分となり、浴用水の殺菌を充分に行うことができず、さらには配管系や浴槽壁にレジオネラ菌の巣窟となり得るヌメリを発生させることとなる。逆に、塩素発生量が多すぎるときには、殺菌は充分にできても塩素臭や肌への刺激という面で入浴に不快な水質となってしまうという問題があった。
【0006】
また、特開平7ー155764号公報に示されているように、塩水タンク54から電解槽53へ塩水を給水するために、専用の給水ポンプ55を設けるために装置が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、浴用水の殺菌を充分に行い且つ配管系や浴槽壁にレジオネラ菌の巣窟となり得るヌメリを発生させないために、無隔膜電解槽で食塩水を効率よく電解する際、塩濃度の調整を精度よく行い一定量の塩素を発生させることのできるコンパクトな電解ブロックを備えた浴用水の循環浄化装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の浴用水の循環浄化装置は、循環水路2と、浴用水1を循環水路2に循環させる循環ポンプ3と、浴用水1中の汚れをろ過するろ過槽4と、循環水路2中に設けたバイパス路45とを具備し、バイパス路45中に塩溶解槽6と、その下流側に一対の電極8を内蔵した無隔膜電解槽9と、塩溶解槽6の上流側に開閉弁7とを設けた浴用水1の循環浄化装置10において、電極8間に一定電流を通電した時の電極8間の電圧または一定電圧を印加した時の電流を測定し、あらかじめ設定された所定値と比較することで上記開閉弁7の動作を制御することを特徴とするものである。このような構成とすることで、電解殺菌を行う際に、まず塩溶解槽6より塩水を電解槽9に移送させるのであるが、この時、電解槽9内の電極8に一定電流を通電することにより電極8間の電圧、または一定電圧を印加することにより流れた電流を測定し、所定値と比較し、ずれが生じている場合には塩溶解槽6の上流側の開閉弁7を開ける。開閉弁7の上流側には循環ポンプ3による正圧がかかっているため、開閉弁7を開くことにより塩溶解槽6へ浴用水1が流入し、塩溶液を電解槽9へ押し出すことになる。更に、再度電極8間の電圧又は電流を測定し、あらかじめ設定した所定値とずれが生じている場合には更に開閉弁7を開ける。この動作を所定値とのずれがなくなるまで続けることで、電解槽9内の塩濃度が上昇し、一定電流のもとでは電圧値が低下していき、又は一定電圧のものでは電流値が上昇していき、ついには所定値と等しくなり、この時に開閉弁7の開操作が終了して閉になる。このようにして、電解槽9内の塩濃度を電解電圧値又は電流値を測定して開閉弁7をフィードバック制御することで所定値とし、これにより一定量の塩素発生量を得ることができることになる。
【0008】
また、開閉弁7の開時間が一定であり、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7の開回数で制御することが好ましい。このような構成とすることで、開閉弁7の開回数の制御という簡単な方法で所定値を大きく上回らないようにして電解槽9内の塩濃度を調整することができるものである。
また、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7を開け続けるように制御することが好ましい。このような構成とすることで、開閉弁7の開時間を制御するという簡単な方法で、電解槽9内の塩濃度を調整することができるものである。
【0009】
また、塩不足表示を設けることが好ましい。つまり、電解をかける回数が増すにしたがって塩溶解槽6内の塩が減少していき、塩溶解槽6の流出口の塩濃度も薄くなっていくが、薄くなりすぎるといくら開閉弁7を開けて電解槽9に移送しても電解槽9内の塩濃度が上昇しないことになる。こうなると、電解をかけても塩素発生量が不足することになるが、塩不足表示を設けておくことで、塩不足表示により塩の不足が表示されると、塩を補充するようにしておけば、塩濃度不足がないようにできるものである。
【0010】
また、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7の開回数で制御し、開閉弁7の開回数が所定回数に達した時に塩不足と判断することが好ましい。つまり、開閉弁7を1回開けるたびに電極8間の電圧または電流を所定値と比較し、数回開閉弁7を開けることにより塩濃度を所定値まで上昇させるという制御のとき、塩溶解槽6内の塩残量が少なく塩溶解槽6の流出口11の塩濃度が低いとき、何回開閉弁7を開けても所定値とずれを生じたままとなるため、所定回数、開閉弁7を開けても所定値に到達しないとき塩不足を表示させる。その表示が現れれば塩を補充することにしておけば、塩濃度不足がないようにできるものである。
【0011】
また、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7を開け続けるように制御し、開閉弁7の開時間が所定時間に到達した時に塩不足と判断することが好ましい。すなわち、開閉弁7が開いている間、電極8間の電圧または電流を所定値と比較し、開閉弁7を開け続けることにより塩濃度を所定値まで上昇させるという制御のとき、塩溶解槽6内の塩残量が少なく塩溶解槽6の流出口11の塩濃度が低いとき、長時間開閉弁7を開けても所定値とずれを生じたままとなるため、所定時間、開閉弁7を開け続けても所定値に到達しないとき塩不足を表示させる。その表示が現れれば塩を補充することにしておけば、塩濃度不足がないようにできるものである。
【0012】
また、塩溶解槽6の流出口11a、11bを上下2箇所設け、それが合流して電解槽9に流入することが好ましい。このような構成とすることで、塩溶解槽6に塩が貯蔵されているその塩の高さより下方に流出口を1箇所設けているときのように、その流出口の孔の位置が塩溶解槽6の水位となり、その近辺で塩が固着してしまうということがない。また、固着を回避するために塩の高さより上方に流出口を1箇所設けているときのように、塩溶解槽6内にできた塩の比重による上下方向の濃度勾配の上方部の塩濃度の薄い溶液だけが電解槽に送られるというようなこともない。
【0013】
また、塩溶解槽6の流入口12を下部に設けることが好ましい。このように、塩溶解槽6の流出口11の一つが下部にあり、更に流入口12が下部に設けてあることで、塩溶解槽6内にできた濃度勾配の濃い溶液を押し出しやすくなり、電解槽9へ移動される溶液の塩濃度は、塩溶解槽6の流入口12が上方に設けられているときよりも濃くなるものである。
【0014】
また、開閉弁7の下流側より塩溶解槽6をバイパスする第2バイパス路13を設けることが好ましい。このような構成とすることで、開閉弁7の1回の開閉により開閉弁7を通過する浴用水1の水量が多くても、第2バイパス路13に逃げる流量があるため、塩溶解槽6から電解槽9へ移送される量が少なくなり、その1回の移送での電解槽9内の塩濃度の上昇幅が小さいため、開閉弁7の開時間を短時間で制御できない又は塩溶解槽6から電解槽9への流路の径が太いというときのように、開閉弁7の1回の開閉により電解槽9へ移送される塩溶液量が多いときにその1回の移動での電解槽9内の塩濃度の上昇幅が大きく数回の開閉弁7の開操作で所定値を大きく越えてしまうということがなく、電解槽9内の塩濃度の調整ができるものである。
【0015】
また、塩溶解槽6の第2バイパス路13中に開閉弁14を設けることが好ましい。このような構成とすることで、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の最初の1回の開操作のときはその第2バイパス路13中の開閉弁14は閉じておき、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の2回目以降の開操作からそのバイパス路13中の開閉弁14を開けたまま制御することで、電解槽9内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておいて、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、電解槽9内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。
【0016】
また、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の1回目の開時間だけ長く、2回目以降は短く且つ一定であり、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7の開回数で制御することが好ましい。このように、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の1回目の開時間だけ長く、2回目以降を短く且つ一定で制御することで、電解槽9内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておき、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、電解槽9内の塩素濃度を所定値に調整することができるものである。また、開閉弁7の開閉回数も少なくできるものである。
【0017】
また、電極板8aを電解槽9の下部まで延長することが好ましい。このような構成とすることで、電解槽9内にできた塩の濃度勾配を、電解時に発生する水素や酸素の気泡が上昇するその上向流を利用して攪拌することができ、電解槽9内に投入された塩の無駄がないようにできるものである。
また、電解槽9の流入口34を、上部に且つ流出口35よりわずかに下方に設けることが好ましい。このような構成とすることで、流入口34が下部にあるときのように、塩溶解槽6から移送された塩分がその比重により電解槽9の下部に溜まってしまうということがなく、また、流入口34が流出口35と同じレベルにあるときのように、流入した塩濃度の濃い溶液がそのまま一部流出してしまうことがないものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明を以下添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1には本発明の一実施形態の概略配管図が示してある。循環浄化装置の循環水路2に一端部が吸い込み口15、他端部が吐水口16となっていて、吸い込み口15と吐水口16とが浴槽17内の浴用水1内に浸漬してある。循環水路2の吸い込み口15から吐水口16側にかけて順に、浴用水1を循環水路2に循環させる循環ポンプ3、浴用水1中の汚れをろ過するろ過槽4、ヒータ18が設けてある。上記ろ過槽4には精密ろ過を行う中空糸膜が内蔵してある。この中空糸膜は定期的に取り外されて機械的な洗浄又は化学的な洗浄が行われ、洗浄後に再びろ過槽4に設置できるように取り外し可能に構成してある。ここで、ろ過槽4のろ材としては中空糸膜にのみ限定されないのは勿論である。ヒータ18は浴用水1の温度低下を防ぐためのものであり、小熱量のものでよい。
【0019】
また、循環水路2中の循環ポンプ3とろ過槽4との間にバイパス路45が設けてある。このバイパス路45の途中には塩溶解槽6とその下流側に無隔膜電解槽9とが設けてある。バイパス路45の塩溶解槽6の上流側には開閉弁7が設けてある。また、バイパス路45の開閉弁7よりも上流側から電解槽9に連絡通路19が連通接続してあって、この連絡通路19に開閉弁20が設けてある。この連絡通路19は上記のようにバイパス路45からではなく循環水路2から電解槽9に連通接続するようにしてもよいものである。更に、図6に示すように開閉弁3を三方弁とし、この三方弁を介して連結通路19を連結してもよいものである。
【0020】
また、上記バイパス路45は循環水路2に合流せず電解槽9から直接浴槽17に戻るように構成してもよいものである。
塩溶解槽6は二重円筒構造をしていて、内筒6aに塩を収納するようになっている。ここで、内筒6aの上面が開放しており、側面が格子状に開口してこの開口を網状物で覆っている。一方外筒6bの上開口部に蓋(図示せず)が開閉自在に設けてあり、蓋を開き、内筒6aを外筒6b内に設置し、再び蓋を閉めて密閉構造とするようになっている。また外筒6bには流入口12が1箇所、流出口11(11a、11b)が2箇所設けてある。2箇所の流出口11a、11bは上下2箇所に設けてあって、この上下2箇所の流出口11a、11bからの塩溶液が合流して後に電解槽9に流入するように配管してある。上記塩溶解槽6は円筒構造をしているが、必ずしも円筒構造に限定されるものではない。
【0021】
電解槽9は本実施形態では塩溶解槽6と同様に円筒構造を有しており、電解槽9の上部に流入口34と流出口35とが設けてある。そして、流入口34より流出口35の方が1cmほど高い位置に位置している。この電解槽9は一対の不溶性の電極板8aよりなる電極8を隔膜を介することなく対向配置した無隔膜タイプのものとして形成してある。ここで、電極板8aの形状は電解槽9の下部まで達する長方形である。塩溶液には塩素イオン(Cl- )が含まれているが、電解槽9で塩素イオン(Cl- )の一部を電気分解すると、塩素イオン(Cl- )は塩素(Cl2 )や次亜塩素酸イオン(ClO- )に変換され、浴用水1に殺菌力を持たせることができるものである。上記電解槽9は上記塩溶解槽6と金型を合わせてコストを下げるために、同サイズの円筒構造としているが、必ずしも、円筒構造である必要はないものである。
【0022】
バイパス路45の塩溶解槽6の上流側に設けた開閉弁7、連絡通路19に設けた開閉弁20はそれぞれ制御回路(図示せず)に接続されていてその開閉を制御されるようになっている。
なお、前記2つの開閉弁7、20は共に電磁弁であっても電動弁であってもよいものである。
【0023】
上記のように構成される循環浄化装置は、循環水路2の吸い込み口15と吐水口16とが浴槽17内の浴用水1内に浸漬した状態で浴槽17に設置されるものであり、通常の運転時は循環ポンプ3を駆動することによって吸い込み口15から循環水路2に浴用水1が吸い込まれ、ろ過装置4でろ過された後、ヒータ18が作動している時には温度低下が防がれ、吐出口16から浴槽17内に戻るようになっている。
【0024】
ここで、電解殺菌を行うときの動作を図3のフローチャートに基づいて説明する。電解殺菌をスタートさせる指令を受けた制御回路はまず塩溶解槽6の上流側の開閉弁7に信号を送って開閉弁7を1回開ける。そのとき、循環ポンプ3の正圧がかかっているため開閉弁7を通って浴用水1が塩溶解槽6に少量流入し、その量と同じ量の塩溶液が上下2箇所に設けた流出口11a、11bから分かれて流出し、それらが合流して電解槽9へ流入する。このとき、塩溶解槽6の流出口11は上下2箇所に設けてあるため、塩溶解槽6内に塩が貯蔵されているその塩の高さより下方に流出口を1箇所設けているときのように、その流出口の孔の位置が塩溶解槽6内の水位となり、その近辺で塩が固着してしまうということながないものである。また、塩の固着を回避するために塩の高さより上方に流出口を1箇所設けているときのように、塩溶解槽6内にできた塩の比重による上下方向の濃度勾配の上方部の塩濃度の薄い溶液だけが電解槽9に送られるということもないものである。また、塩溶解槽6の流出口11の1つが塩溶解槽6の下部にあり、更に、流入口12が塩溶解槽6の下部にあるため、塩溶解槽6内にできた濃度勾配の濃い溶液を押し出し易くなり、電解槽9へ移送される溶液の塩濃度は、塩溶解槽6の流入口12が上方に設けられているときよりも濃く、少量の移送で電解槽9内の塩濃度を所定値に調整することができるようになっている。
【0025】
電解槽9内では塩溶液の流入により電気伝導度が上がり、一定電流を電極8に通電したならば、電極8間にかかる電圧は下がることとなる。制御回路は電極8に通電することにより電圧値を測定し、あらかじめ設定しておいた所定値と比較し、測定された電圧値の方が所定値よりも大きいときはもう1回開閉弁7を開くように制御される。これを数回繰り返すと電圧値は徐々に下がっていき、ついには測定された電圧値があらかじめ設定した所定値と同じになるか、もしくは下回ることになるが、この時、電解槽9内の塩濃度が所定の濃度に達したことを意味し、制御回路からの制御信号により電解が始められる。一定時間電解を続けた後、制御回路により電解槽9に連結している連絡通路19に開閉弁20を開け、また、図6に示すように開閉弁7が三方弁のときには流路を電解槽9側へ切り換えることにより浴用水1がバイパス路2から分岐して電解槽9へ流入し、電解槽9内に貯留している電解により発生した塩素を循環水路2へ押し出し、塩素がろ過槽4、浴用水1、及び循環されることにより浴槽17の壁や配管内をも殺菌し、レジオネラ菌等の巣窟となるヌメリ等を発生させないようになっている。
【0026】
本実施形態における実際の制御の形態の一例を示すと、例えば、容量500mlの電解槽9内の塩濃度を1%にするためには、塩の量が5g必要であり、塩溶解槽6内に塩が充分あるときは塩溶解槽6の流出口11の塩濃度は一定であるから、仮に20%とすると、塩溶解槽6から25mlの塩溶液が電解槽9へ移送されればよいことになる。開閉弁7が開いているとき、塩溶解槽6から電解槽9への流量が今0.5リットル/minとすると、更に開閉弁7の1回の開時間を0.6secと設定しているとき、5回の開閉弁7の開操作で塩溶解槽6から電解槽9内に25ml移送され、電解槽95内の塩濃度は1%に達することとなる。今、塩溶解槽6の流出口11の塩濃度を一定としたが、塩溶解槽6内の塩残量が少なくなってくると流出口11の塩濃度が少しずつ薄くなってくるが、電解槽9で電圧を検出ながらフィードバック制御をかけているため、開閉弁7の開回数を増やすことにより、電解槽9内の塩濃度を目的の塩濃度とすることができるものである。
【0027】
電解槽9内の塩濃度を所定濃度にすることができれば、電解槽9内の電極8に一定電流を一定時間通電することにより一定量の塩素を発生させることができ、浴用水1の殺菌及びろ過槽4内の中空糸膜の殺菌を充分に行うことができ、浴用水1の水質を長期間にわたって維持することができるものである。水質維持効果を濁度及びレジオネラ属菌数により経日的に評価したところ、図7に示すグラフのようになった。すなわち、図7において明らかなように、実施例のものは長期間にわたり、濁度が上昇せず、また、レジオネラ属菌数が増殖しなかった。一方、塩を溶解させることなく同じ通電量で電解をかけたところ、その殺菌効果は低く、すぐに浴槽17の壁にヌメリが生じ、稼動開始2日目よりレジオネラ属菌を検出することになり、更に、中空糸膜の殺菌も不十分なため、膜の目詰まりが生じ濁度が5日目以降上昇することになった。
【0028】
塩の溶解の制御をせずに、電解の度に充分量の塩を溶解させれば浴用水1の水質については本発明と同様の効果をもたらすことができるが、塩の消費が多過ぎ、更に、必要以上塩が溶解している場合には塩素が発生しすぎて入浴に耐えられない量の塩素が浴用水1中に混入することとなり、入浴が不快であるだけでなく、人体に影響を及ぼしかねないので好ましくない。
【0029】
なお、塩を溶解させることなしに同量の塩素を発生させようとしたところ、電圧値が10倍以上必要であり、また、電解継続時間も4倍程度長くしなければならず、必要電力量が約50倍となり、また、電極8への通電時間が長いと、それだけ、電極8の寿命が短くなり、これらの理由により採用しがたいものである。さて、開閉弁7を開ける操作を数回繰り返した後も測定した電圧値とあらかじめ設定した所定値とが等しくならないときには、塩溶解槽6の流出口11の塩濃度が低いからであって、すなわち、塩溶解槽6内の塩残量が少ないためである。このとき、あらかじめ設定しておいた所定回数、開閉弁7を開けても測定電圧値が所定値に達しないときは、図3に示すように、制御回路は塩切れ表示手段により塩切れ表示を行い、ユーザに塩補給のメンテナンスを促すことになる。なお、この塩切れ表示を行うための塩切れ表示手段としては、操作盤内のランプ点灯あるいは点滅でも警告ブザーであってもよいものである。
【0030】
塩補給のメンテナンスは、塩溶解槽6の外筒6bの蓋を開いて、内筒6aを取り出し、所定量の食塩を入れた後、再び塩溶解槽6内に設置し、蓋を閉めるという簡単な方法で行うことができ、一定濃度の塩溶液を調整したりする煩雑さがないものである。食塩は家庭で使用する一般的なものを使用することができるものである。
【0031】
塩補給後は、図3に示すように、再び開閉弁7を開いて電圧値を測定するという制御に戻り、電解を行うこととなる。
電解開始時、電解槽9内に上下方向に塩濃度の濃度勾配ができるが、電解時に電極8を構成する電極板8aの表面に発生する水素や酸素の気泡が上昇するためこの上向流を利用して電解槽9内において攪拌することができ、電極板8aを上下に長く形成して下端部を電解槽9内の下部にまで延長してあることで、より上記上向流を発生させることができて、いっそう攪拌効果を高めることができ、電解槽9内に投入された塩の無駄のない効率のよい電解を行うことができるものである。更に、電解槽9の流入口34を電解槽9の上部に設けてあることで、流入口34が下方にあるときのように、塩溶解槽6から移送された塩分がその比重により電解槽9の下部に溜まってしまうということがなく、また、電解槽9の流入口34を、流出口35よりわずかに下方に設けてあることで、流入口34が流出口35と同じレベルの高さにあるときのように、流入した塩濃度の濃い溶液がそのまま一部流出してしまうということがなく、電解槽9内に投入された塩の無駄のない効率よい電解を行うことができることになる。
【0032】
ここで、電極板8aの形状が2通りのもの、つまり、電解槽9内の下部にまで延長しているものと、電極面積は同じであるが電解槽9の上半分までしかないものについて塩素発生を比較する。同量の塩溶液が塩溶解槽6から移送された後、一定時間電解をかけたとき、電解槽9内の遊離塩素濃度は、前者が510ppmのとき、同条件で後者は165ppmであり、3倍もの効率の差が出た。
【0033】
更に、この実施例においては電極8間距離を25mmにしているが、電圧により塩濃度を検出することになるため、電圧の測定幅が狭いと塩濃度の違いが検出しにくい。塩水を電解する場合、水質の電気伝導度が高いため電極8間距離が狭いと必要電流値に対して電極8間にかかる電圧が小さく、塩濃度の違いを検出する分解能が低くなる。したがって、分解能を高めるために電極8間距離が20mm以上あれば、塩濃度の違いを検出することができる。
【0034】
なお、電解槽5内の塩濃度の検出手段として、一定電流値のもとでの電極8間の電圧値を測定しているが、この代わりに一定電圧値のもとでの電極8への通電電流値を測定してもよく、電解槽9内の電気伝導度を測定する電気伝導度センサの設置、塩濃度を直接測定する塩分濃度計の設置、に置き換えても制御方法は同じである。
【0035】
次に図2に基づいて本発明の他の実施形態につき説明する。本実施形態においては、図1に示す実施形態に加えて、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7と塩溶解槽6との間から電解槽9よりも下流側にバイパスするためのバイパス路13を設けてあって、塩溶解槽6から電解槽9へ流入する塩溶液量を少なくするようになっている。このバイパス路13には開閉弁14が設けてある。
【0036】
しかして、電解殺菌を行うときの動作は、前述の図1に示す実施形態と同様であり、そのフローチャートは図3で示す通りである。しかし、塩溶解槽6をバイパスする第2バイパス路13を設けているため、開閉弁7の1回の開閉により開閉弁7を通過する浴用水1の水量が多くても、一部が第2バイパス路13に逃げるため塩溶解槽6から電解槽9へ移送される量は少なくなり、その1回当たりの移送での電解槽9内の塩濃度の上昇幅が小さいため開閉弁7の開時間を短時間で制御できない又は塩溶解槽6から電解槽9への流路の径が太いというときのように、開閉弁7の1回の開閉により電解槽9へ移送される塩溶液量が多いときにその1回の移送での電解槽9内の塩濃度の上昇幅が大きく数回の開閉弁7の開操作で所定値を大きく越えてしまう、というようなことがなくて電解槽9内の塩濃度を調整することができるものである。
【0037】
更に、塩溶解槽6のバイパス路13中に開閉弁14を設けており、塩溶解槽6の上流側の開閉弁14の最初の1回の開操作は前記第2バイパス路13中の開閉弁14は閉じておき、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の2回目以降の開操作から前記バイパス路13中の開閉弁14を開けたまま制御することにより、電解槽9内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておいて、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、より精度よく電解槽9内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。更に、開閉弁7の総開回数も少なくて済み、開閉弁7の寿命にとってもよい結果をもたらすものである。
【0038】
実際に制御の形態の一例を示すと、例えば500mlの電解槽6内の塩濃度を1%にするためには、塩の量が5g必要であり、塩溶解槽6内に塩が充分あるときは塩溶解槽6の流出口11の塩濃度は一定であるから、仮に20%とすると、塩溶解槽6から25mlの塩溶液が電解槽9へ移送されればよいことになる。開閉弁7が開いているとき、バイパス路45の流量を今1.5リットル/minとし、更に開閉弁7の1回の開時間を0.6secと設定するとき、バイパス路13がなければ2回の開閉弁7の開操作だけで塩溶解槽6から30mlも移送され、電解槽9内の塩濃度は調整したい1%を上回ってしまう。そこで、塩溶解槽6の第2バイパス路13を設け、その流量を1.0リットル/minとすれば、塩溶解槽6への流量が0.5リットル/minとなり、5回の開閉弁7の開操作で電解槽9内の塩濃度は望ましい1%に達し、また上回ることもないものである。
【0039】
更に、塩溶解槽6の第2バイパス路13中の開閉弁14を、塩溶解槽6の上流側に設けた開閉弁7の最初の1回だけ前記開閉弁14を閉じておき、2回目から開けておくという制御にしておくと、3回の開閉弁7の開操作だけで電解槽9内の塩濃度は望ましい1%に達し、また上回ることもないものである。
次に、本発明の更に他の実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態においては、図1に示す第1の実施形態に比べて、開閉弁7の開け方を2段階で制御するようになっている。本実施形態の基本的構成は図1に示す実施形態と同じであるが、電解殺菌を行うときの動作は図4のフローチャートに従うものである。すなわち、電解殺菌をスタートさせる指令を受けた制御回路は、まず、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7に信号を送り、開閉弁7を1回開ける。このとき、浴用水1が塩溶解槽6に流入し、その量と同じ量の塩溶液が電解槽9へ流入する。電解槽9内では塩溶液の流入により電気伝導度が大きく上がり、一定電流を電極8に通電したときの電極8間にかかる電圧は大きく下がることになる。制御回路は電圧値を測定し、あらかじめ設定した所定値と比較し、検出された電圧値の方が所定値より大きいとき、今度は開閉弁7を1回目より短く開く。2回目以降、同じ短い時間の開閉弁7の開操作を数回繰り返すことにより電圧値は少しずつ下がっていき、ついには検出された電圧値が所定値と同じになるもしくは下がるが、このとき、電解槽9内の塩濃度が所定の濃度に達したことを意味し、制御回路は電解を始めるものである。
【0040】
この制御方法では、電解槽9内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておいて後、小刻みに濃度を上げるという方法で、より精度よく電解槽9内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。更に、開閉弁7の総開回数も少なくて済み、開閉弁7の寿命も長くなるものである。
次に、図5に基づいて本発明の更に他の実施形態につき説明する。本実施形態は図1に示す第1の実施形態に比べて、塩濃度の調整を開閉弁7の開回数で制御するかわりに開閉弁7の開時間で制御するようになっている。本実施形態の基本的構成は図1に示す実施形態と同じであるが、電解殺菌を行うときの動作は図5のフローチャートに従うものである。すなわち、電解殺菌をスタートさせる指令を受けた制御回路は、まず、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7に信号を送り、開閉弁7を開ける。このとき、浴用水1が塩溶解槽6に流入し始め、同様に塩溶液が電解槽9へ流入し始める。電解槽9内では塩溶液の流入により電気伝導度が大きく上がり、一定電流を電極8に通電したならば、電極8間にかかる電圧は下がることになる。制御回路は電極8に通電することにより電圧値を測定し、あらかじめ設定しておいた所定値と比較し、検出された電圧値の方が所定値より大きいとき、一定微少時間後もう1回電圧値を測定する。これを数回繰り返すうちに、開閉弁7が開放状態のままであるため塩溶液が電解槽9へ流入し続け、電圧測定値は徐々に所定値に近づいていき、ついには測定された電圧値が所定値と同じになるもしくは下回るが、このとき電解槽9内の塩濃度が所定の濃度に達したことを意味し、制御回路は開閉弁7を閉じ、電解を始めるものである。
【0041】
この制御方法では、開閉弁7の総開回数は他の実施形態に比べてかなり少なくて済み、開閉弁7の寿命にとって特に有効である。
さて、開閉弁7を開け続けても測定した電圧値と所定値が等しくならないときは、つまり、塩溶解槽6の流出口11の塩濃度が低いからであって、すなわち、塩溶解槽6内の塩残量が少ないためである。このとき、あらかじめ設定しておいた所定時間、開閉弁7を開け続けても測定電圧値が所定値に達しないときは、図5に示すように、制御回路は塩切れ表示を行い、ユーザーに塩補給のメンテナンスを促すことになる。
【0042】
塩補給後は、図5に示すように、再び開閉弁7を開けて電圧値を測定するという制御に戻り、電解を行うことになる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明にあっては、上述のように、循環水路と、浴用水を循環水路に循環させる循環ポンプと、浴用水中の汚れをろ過するろ過槽と、循環水路中に設けたバイパス路とを具備し、バイパス路中に塩溶解槽と、その下流側に一対の電極を内蔵した無隔膜電解槽と、塩溶解槽の上流側に開閉弁とを設けた浴用水の循環浄化装置において、電極間に一定電流を通電した時の電極間の電圧または一定電圧を印加した時の電流を測定し、あらかじめ設定された所定値と比較することで上記開閉弁の動作を制御するので、電解槽内の塩濃度を電解電圧値又は電流値を測定して開閉弁をフィードバック制御することで所定値とすることができ、浴用水の殺菌を充分に行うことができ、更に、配管系や浴槽壁にレジオネラ菌の巣窟となり得るヌメリを発生させることもないものであり、また、塩素臭や肌への刺激という面で入浴に不快な水質となってしまうということもないものである。また、従来のように、塩溶液を塩溶解槽から電解槽へ移送させるために専用のポンプを設置する必要がなく、循環ポンプの駆動力をそのまま利用するだけでよいため、装置サイズを大きくすることがないものである。
【0044】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、開閉弁の開時間が一定であり、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御するので、開閉弁の開回数の制御という簡単な方法で所定値を大きく上回らないようにして電解槽内の塩濃度を調整することができるものである。
【0045】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁を開け続けるように制御するので、開閉弁の開時間を制御するという簡単な方法で、電解槽内の塩濃度を調整することができるものであり、また、開閉弁を開ける回数が少なくてすむので、開閉弁の寿命を長く保たせることができて開閉弁の開閉によるトラブルが少なくてすむものである。
【0046】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、塩不足表示を設けたので、ユーザーが塩不足を確実に認識できて塩の補充時期に塩の補充ができるように促することができるものであって、塩濃度不足からくる塩素発生量不足という事態を未然に防ぐことができるものである。
また、請求項5記載の発明にあっては、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御し、開閉弁の開回数が所定回数に達した時に塩不足と判断するので、所定回数、開閉弁を開けても所定値に到達しないときに塩不足を表示させ、これによりユーザーに塩の補充を促することができるものであって、簡単な構成で塩不足状態を判断して表示して、塩素発生量不足を未然に防ぐことができるものである。
【0047】
また、請求項6記載の発明にあっては、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁を開け続けるように制御し、開閉弁の開時間が所定時間に到達した時に塩不足と判断するので、所定時間開閉弁を開け続けても所定値に到達しないときに塩不足を表示させ、これによりユーザーに塩の補充を促することができるものであって、簡単な構成で塩不足状態を判断して表示して、塩素発生量不足を未然に防ぐことができるものである。
また、請求項7記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、塩溶解槽の流出口を上下2箇所設け、それが合流して電解槽に流入するので、塩溶解槽に塩が貯蔵されているその塩の高さより下方に流出口を1箇所設けているときのように、流出口の孔の近辺で塩が固着してしまうということがないものである。また、塩の高さより上方に流出口を1箇所設けているときのように、塩溶解槽内にできた塩の比重による上下方向の濃度勾配の上方部の塩濃度の薄い溶液だけが電解槽に送られるというようなこともないものであり、この結果、少量の移送で電解槽内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。
【0048】
また、請求項8記載の発明にあっては、上記請求項7記載の発明の効果に加えて、塩溶解槽の流入口を下部に設けたので、塩溶解槽内にできた濃度勾配の濃い溶液を押し出しやすくなっているため、電解槽へ移送される溶液の塩濃度は、塩溶解槽の流入口が上方に設けられているときより濃く、少量の移送で電解槽内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。
【0049】
また、請求項9記載の発明にあっては、上記請求項7記載の発明の効果に加えて、開閉弁の下流側より塩溶解槽をバイパスするバイパス路を設けたので、開閉弁の1回の開閉により開閉弁を通過する浴用水量が多くても、バイパス路に逃げる流量があるため、塩溶解槽から電解槽へ移送される量は少なくなり、その1回の移送での電解槽内の塩濃度の上昇幅が小さくなり、これにより、開閉弁の開時間を短時間で制御できない又は塩溶解槽から電解槽への流路の系が太いときのように、開閉弁の1回の開閉により電解槽へ移送される塩溶液量が多いときにその1回の移送での電解槽内の塩濃度の上昇幅が大きく数回の開閉弁の開操作で所定値を大きく越えてしまう、というようなことがなく電解槽内の塩濃度の調整をすることができるものである。
【0050】
また、請求項10記載の発明にあっては、上記請求項9記載の発明の効果に加えて、塩溶解槽のバイパス路中に開閉弁を設けたので、塩溶解槽の上流側の開閉弁の最初の1回の開操作のときはそのバイパス路中の開閉弁は閉じておき、塩溶解槽の上流側の開閉弁の2回目以降の開操作からそのバイパス路中の開閉弁を開けたまま制御することで、電解槽内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておいて、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、より精度よく電解槽内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。
【0051】
また、請求項11記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、塩溶解槽の上流側の開閉弁の1回目の開時間だけ長く、2回目以降は短く且つ一定であり、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御するので、塩溶解槽の上流側の開閉弁の1回目の開時間だけ長く、2回目以降を短く且つ一定で制御することで、電解槽内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておき、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、電解槽内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。また、開閉弁を開ける回数が少なくて済むので、開閉弁の寿命を長く保たせることができて開閉弁の開閉によるトラブルを少なくすることが可能となるものである。
【0052】
また、請求項12記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、電極板を電解槽の下部まで延長したので、電解槽内にできた塩濃度勾配を、電解時に発生する水素や酸素の気泡が上昇するその上向流を利用して攪拌することができ、電解槽内に投入された塩の無駄のない効率的な電解を行うことができるものであり、また、塩溶液の濃度分布を均一にするため、従来行われていた塩溶液の攪拌機構等の設備や、塩溶解槽から塩溶液貯留槽を経由してから電解槽へ移送するという構造の必要がなくなり、装置のサイズを大きくする必要がないものである。
【0053】
また、請求項13記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、電解槽の流入口を、上部に且つ流出口よりわずかに下方に設けたので、流入口が下部にあるときのように、塩溶解槽から移送された塩分がその比重により電解槽の下部に溜まってしまうということがなく、また、流入口が流出口と同じレベルにあるときのように、流入した塩濃度の濃い溶液がそのまま一部流出してしまうことがなく、この結果、電解槽内に投入された塩の無駄のない効率的な電解を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の配管図である。
【図2】本発明の他の実施形態の配管図である。
【図3】本発明の一実施形態の電解殺菌フローチャート図である。
【図4】本発明の他の実施形態の電解殺菌フローチャート図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態の電解殺菌フローチャート図である。
【図6】本発明の要部の他例を示す配管図である。
【図7】本発明の効果を示すグラフである。
【図8】従来例の配管図である。
【図9】他の従来例の配管図である。
【符号の説明】
1 浴用水
2 循環水路
3 循環ポンプ
4 ろ過槽
5 バイパス路
6 塩溶解槽
7 開閉弁
8 電極
8a 電極板
9 電解槽
10 循環浄化装置
11 流出口
11a 流出口
11b 流出口
12 流入口
13 バイパス路
14 開閉弁
34 流入口
35 流出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽内の浴用水を浄化することによって、浴用水の長期使用を可能にする浴用水の循環浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭用の風呂においても24時間の入浴を可能としたものが提供されている。この場合、浴槽内の浴用水を長期間使用可能とするために、浴用水を常時もしくは周期的に浄化・殺菌する必要がある。
このために、従来より知られている循環浄化装置は、一端の吸い込み口と、他端の吐出口をそれぞれ浴用水中に浸漬させた循環水路、浴槽内の浴用水を吸い込み口から吸い込んで吐出口から吐出させるように循環水路を循環させるポンプ、循環水路を循環する浴用水を加熱するヒータ、浴用水中の汚れをろ過するろ過槽、レジオネラ菌等を殺菌する殺菌槽より構成されている。
【0003】
従来の循環浄化装置は、殺菌方式としては、紫外線殺菌、オゾン殺菌、加熱殺菌、塩素殺菌から選択しており、塩素殺菌方式を採用している循環浄化装置が特開平8ー267072号公報で提供されている。このものは、図8に示すように、循環水路2の両端部に設けた吸い込み口15、吐水口16が浴槽17内の浴用水1内に浸漬し、循環水路2の吸い込み口15から吐水口16側にかけて順に、浴用水1を循環水路2に循環させる循環ポンプ3、浴用水1中の汚れをろ過するろ過槽4、電解殺菌装置50、ヒータ18が設けてある。また、電解殺菌装置50に塩分を添加するための塩分添加部51と、更に塩分添加制御のための調節弁52とを備えている。この従来例において電解殺菌の開始に当たっては、調節弁52が開放されて食塩もしくは食塩水が電解殺菌装置50に添加される仕組みになっている。
【0004】
また、従来から、これと同様に塩水を電気分解する構造を有するものとして酸性イオン水生成装置が知られており、例えば特開平7ー155764号公報で提供されている。このものは、図9に示すように、電解槽53と、塩水タンク54と、塩水を電解槽53に給水する給水ポンプ55とを備えており、電流一定のもとで電極間の電圧を測定し、基準値との比較に基づいて給水ポンプ55を制御することにより、電解槽53内の塩分濃度を一定に保持することを目的としている。図9において、56は入水管、57は混合室、58は酸性イオン水タンク、59はアルカリイオン排水管、60は制御部である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開平8ー267072号公報で提供されているような従来の装置にあっては、塩分添加部51の濃度が常に一定でない限り電解殺菌装置50内の塩濃度の調整が困難である。また、塩分添加部51の塩濃度を一定にするためには、一定濃度の溶液をあらかじめ調整し、それを補充するといった煩雑なメンテナンスが必要となる。仮に、塩分添加部51内に固形の食塩を貯蔵していたとしても、食塩は固着するため調節弁52の開放のみで電解殺菌装置50内の塩濃度を調整することはやはり困難である。また、電解殺菌装置50内の塩濃度が一定でないと、一定量の塩素を発生させることができないものであり、塩素発生量が少ないときには殺菌力が不十分となり、浴用水の殺菌を充分に行うことができず、さらには配管系や浴槽壁にレジオネラ菌の巣窟となり得るヌメリを発生させることとなる。逆に、塩素発生量が多すぎるときには、殺菌は充分にできても塩素臭や肌への刺激という面で入浴に不快な水質となってしまうという問題があった。
【0006】
また、特開平7ー155764号公報に示されているように、塩水タンク54から電解槽53へ塩水を給水するために、専用の給水ポンプ55を設けるために装置が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、浴用水の殺菌を充分に行い且つ配管系や浴槽壁にレジオネラ菌の巣窟となり得るヌメリを発生させないために、無隔膜電解槽で食塩水を効率よく電解する際、塩濃度の調整を精度よく行い一定量の塩素を発生させることのできるコンパクトな電解ブロックを備えた浴用水の循環浄化装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の浴用水の循環浄化装置は、循環水路2と、浴用水1を循環水路2に循環させる循環ポンプ3と、浴用水1中の汚れをろ過するろ過槽4と、循環水路2中に設けたバイパス路45とを具備し、バイパス路45中に塩溶解槽6と、その下流側に一対の電極8を内蔵した無隔膜電解槽9と、塩溶解槽6の上流側に開閉弁7とを設けた浴用水1の循環浄化装置10において、電極8間に一定電流を通電した時の電極8間の電圧または一定電圧を印加した時の電流を測定し、あらかじめ設定された所定値と比較することで上記開閉弁7の動作を制御することを特徴とするものである。このような構成とすることで、電解殺菌を行う際に、まず塩溶解槽6より塩水を電解槽9に移送させるのであるが、この時、電解槽9内の電極8に一定電流を通電することにより電極8間の電圧、または一定電圧を印加することにより流れた電流を測定し、所定値と比較し、ずれが生じている場合には塩溶解槽6の上流側の開閉弁7を開ける。開閉弁7の上流側には循環ポンプ3による正圧がかかっているため、開閉弁7を開くことにより塩溶解槽6へ浴用水1が流入し、塩溶液を電解槽9へ押し出すことになる。更に、再度電極8間の電圧又は電流を測定し、あらかじめ設定した所定値とずれが生じている場合には更に開閉弁7を開ける。この動作を所定値とのずれがなくなるまで続けることで、電解槽9内の塩濃度が上昇し、一定電流のもとでは電圧値が低下していき、又は一定電圧のものでは電流値が上昇していき、ついには所定値と等しくなり、この時に開閉弁7の開操作が終了して閉になる。このようにして、電解槽9内の塩濃度を電解電圧値又は電流値を測定して開閉弁7をフィードバック制御することで所定値とし、これにより一定量の塩素発生量を得ることができることになる。
【0008】
また、開閉弁7の開時間が一定であり、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7の開回数で制御することが好ましい。このような構成とすることで、開閉弁7の開回数の制御という簡単な方法で所定値を大きく上回らないようにして電解槽9内の塩濃度を調整することができるものである。
また、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7を開け続けるように制御することが好ましい。このような構成とすることで、開閉弁7の開時間を制御するという簡単な方法で、電解槽9内の塩濃度を調整することができるものである。
【0009】
また、塩不足表示を設けることが好ましい。つまり、電解をかける回数が増すにしたがって塩溶解槽6内の塩が減少していき、塩溶解槽6の流出口の塩濃度も薄くなっていくが、薄くなりすぎるといくら開閉弁7を開けて電解槽9に移送しても電解槽9内の塩濃度が上昇しないことになる。こうなると、電解をかけても塩素発生量が不足することになるが、塩不足表示を設けておくことで、塩不足表示により塩の不足が表示されると、塩を補充するようにしておけば、塩濃度不足がないようにできるものである。
【0010】
また、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7の開回数で制御し、開閉弁7の開回数が所定回数に達した時に塩不足と判断することが好ましい。つまり、開閉弁7を1回開けるたびに電極8間の電圧または電流を所定値と比較し、数回開閉弁7を開けることにより塩濃度を所定値まで上昇させるという制御のとき、塩溶解槽6内の塩残量が少なく塩溶解槽6の流出口11の塩濃度が低いとき、何回開閉弁7を開けても所定値とずれを生じたままとなるため、所定回数、開閉弁7を開けても所定値に到達しないとき塩不足を表示させる。その表示が現れれば塩を補充することにしておけば、塩濃度不足がないようにできるものである。
【0011】
また、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7を開け続けるように制御し、開閉弁7の開時間が所定時間に到達した時に塩不足と判断することが好ましい。すなわち、開閉弁7が開いている間、電極8間の電圧または電流を所定値と比較し、開閉弁7を開け続けることにより塩濃度を所定値まで上昇させるという制御のとき、塩溶解槽6内の塩残量が少なく塩溶解槽6の流出口11の塩濃度が低いとき、長時間開閉弁7を開けても所定値とずれを生じたままとなるため、所定時間、開閉弁7を開け続けても所定値に到達しないとき塩不足を表示させる。その表示が現れれば塩を補充することにしておけば、塩濃度不足がないようにできるものである。
【0012】
また、塩溶解槽6の流出口11a、11bを上下2箇所設け、それが合流して電解槽9に流入することが好ましい。このような構成とすることで、塩溶解槽6に塩が貯蔵されているその塩の高さより下方に流出口を1箇所設けているときのように、その流出口の孔の位置が塩溶解槽6の水位となり、その近辺で塩が固着してしまうということがない。また、固着を回避するために塩の高さより上方に流出口を1箇所設けているときのように、塩溶解槽6内にできた塩の比重による上下方向の濃度勾配の上方部の塩濃度の薄い溶液だけが電解槽に送られるというようなこともない。
【0013】
また、塩溶解槽6の流入口12を下部に設けることが好ましい。このように、塩溶解槽6の流出口11の一つが下部にあり、更に流入口12が下部に設けてあることで、塩溶解槽6内にできた濃度勾配の濃い溶液を押し出しやすくなり、電解槽9へ移動される溶液の塩濃度は、塩溶解槽6の流入口12が上方に設けられているときよりも濃くなるものである。
【0014】
また、開閉弁7の下流側より塩溶解槽6をバイパスする第2バイパス路13を設けることが好ましい。このような構成とすることで、開閉弁7の1回の開閉により開閉弁7を通過する浴用水1の水量が多くても、第2バイパス路13に逃げる流量があるため、塩溶解槽6から電解槽9へ移送される量が少なくなり、その1回の移送での電解槽9内の塩濃度の上昇幅が小さいため、開閉弁7の開時間を短時間で制御できない又は塩溶解槽6から電解槽9への流路の径が太いというときのように、開閉弁7の1回の開閉により電解槽9へ移送される塩溶液量が多いときにその1回の移動での電解槽9内の塩濃度の上昇幅が大きく数回の開閉弁7の開操作で所定値を大きく越えてしまうということがなく、電解槽9内の塩濃度の調整ができるものである。
【0015】
また、塩溶解槽6の第2バイパス路13中に開閉弁14を設けることが好ましい。このような構成とすることで、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の最初の1回の開操作のときはその第2バイパス路13中の開閉弁14は閉じておき、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の2回目以降の開操作からそのバイパス路13中の開閉弁14を開けたまま制御することで、電解槽9内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておいて、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、電解槽9内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。
【0016】
また、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の1回目の開時間だけ長く、2回目以降は短く且つ一定であり、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁7の開回数で制御することが好ましい。このように、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の1回目の開時間だけ長く、2回目以降を短く且つ一定で制御することで、電解槽9内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておき、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、電解槽9内の塩素濃度を所定値に調整することができるものである。また、開閉弁7の開閉回数も少なくできるものである。
【0017】
また、電極板8aを電解槽9の下部まで延長することが好ましい。このような構成とすることで、電解槽9内にできた塩の濃度勾配を、電解時に発生する水素や酸素の気泡が上昇するその上向流を利用して攪拌することができ、電解槽9内に投入された塩の無駄がないようにできるものである。
また、電解槽9の流入口34を、上部に且つ流出口35よりわずかに下方に設けることが好ましい。このような構成とすることで、流入口34が下部にあるときのように、塩溶解槽6から移送された塩分がその比重により電解槽9の下部に溜まってしまうということがなく、また、流入口34が流出口35と同じレベルにあるときのように、流入した塩濃度の濃い溶液がそのまま一部流出してしまうことがないものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明を以下添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1には本発明の一実施形態の概略配管図が示してある。循環浄化装置の循環水路2に一端部が吸い込み口15、他端部が吐水口16となっていて、吸い込み口15と吐水口16とが浴槽17内の浴用水1内に浸漬してある。循環水路2の吸い込み口15から吐水口16側にかけて順に、浴用水1を循環水路2に循環させる循環ポンプ3、浴用水1中の汚れをろ過するろ過槽4、ヒータ18が設けてある。上記ろ過槽4には精密ろ過を行う中空糸膜が内蔵してある。この中空糸膜は定期的に取り外されて機械的な洗浄又は化学的な洗浄が行われ、洗浄後に再びろ過槽4に設置できるように取り外し可能に構成してある。ここで、ろ過槽4のろ材としては中空糸膜にのみ限定されないのは勿論である。ヒータ18は浴用水1の温度低下を防ぐためのものであり、小熱量のものでよい。
【0019】
また、循環水路2中の循環ポンプ3とろ過槽4との間にバイパス路45が設けてある。このバイパス路45の途中には塩溶解槽6とその下流側に無隔膜電解槽9とが設けてある。バイパス路45の塩溶解槽6の上流側には開閉弁7が設けてある。また、バイパス路45の開閉弁7よりも上流側から電解槽9に連絡通路19が連通接続してあって、この連絡通路19に開閉弁20が設けてある。この連絡通路19は上記のようにバイパス路45からではなく循環水路2から電解槽9に連通接続するようにしてもよいものである。更に、図6に示すように開閉弁3を三方弁とし、この三方弁を介して連結通路19を連結してもよいものである。
【0020】
また、上記バイパス路45は循環水路2に合流せず電解槽9から直接浴槽17に戻るように構成してもよいものである。
塩溶解槽6は二重円筒構造をしていて、内筒6aに塩を収納するようになっている。ここで、内筒6aの上面が開放しており、側面が格子状に開口してこの開口を網状物で覆っている。一方外筒6bの上開口部に蓋(図示せず)が開閉自在に設けてあり、蓋を開き、内筒6aを外筒6b内に設置し、再び蓋を閉めて密閉構造とするようになっている。また外筒6bには流入口12が1箇所、流出口11(11a、11b)が2箇所設けてある。2箇所の流出口11a、11bは上下2箇所に設けてあって、この上下2箇所の流出口11a、11bからの塩溶液が合流して後に電解槽9に流入するように配管してある。上記塩溶解槽6は円筒構造をしているが、必ずしも円筒構造に限定されるものではない。
【0021】
電解槽9は本実施形態では塩溶解槽6と同様に円筒構造を有しており、電解槽9の上部に流入口34と流出口35とが設けてある。そして、流入口34より流出口35の方が1cmほど高い位置に位置している。この電解槽9は一対の不溶性の電極板8aよりなる電極8を隔膜を介することなく対向配置した無隔膜タイプのものとして形成してある。ここで、電極板8aの形状は電解槽9の下部まで達する長方形である。塩溶液には塩素イオン(Cl- )が含まれているが、電解槽9で塩素イオン(Cl- )の一部を電気分解すると、塩素イオン(Cl- )は塩素(Cl2 )や次亜塩素酸イオン(ClO- )に変換され、浴用水1に殺菌力を持たせることができるものである。上記電解槽9は上記塩溶解槽6と金型を合わせてコストを下げるために、同サイズの円筒構造としているが、必ずしも、円筒構造である必要はないものである。
【0022】
バイパス路45の塩溶解槽6の上流側に設けた開閉弁7、連絡通路19に設けた開閉弁20はそれぞれ制御回路(図示せず)に接続されていてその開閉を制御されるようになっている。
なお、前記2つの開閉弁7、20は共に電磁弁であっても電動弁であってもよいものである。
【0023】
上記のように構成される循環浄化装置は、循環水路2の吸い込み口15と吐水口16とが浴槽17内の浴用水1内に浸漬した状態で浴槽17に設置されるものであり、通常の運転時は循環ポンプ3を駆動することによって吸い込み口15から循環水路2に浴用水1が吸い込まれ、ろ過装置4でろ過された後、ヒータ18が作動している時には温度低下が防がれ、吐出口16から浴槽17内に戻るようになっている。
【0024】
ここで、電解殺菌を行うときの動作を図3のフローチャートに基づいて説明する。電解殺菌をスタートさせる指令を受けた制御回路はまず塩溶解槽6の上流側の開閉弁7に信号を送って開閉弁7を1回開ける。そのとき、循環ポンプ3の正圧がかかっているため開閉弁7を通って浴用水1が塩溶解槽6に少量流入し、その量と同じ量の塩溶液が上下2箇所に設けた流出口11a、11bから分かれて流出し、それらが合流して電解槽9へ流入する。このとき、塩溶解槽6の流出口11は上下2箇所に設けてあるため、塩溶解槽6内に塩が貯蔵されているその塩の高さより下方に流出口を1箇所設けているときのように、その流出口の孔の位置が塩溶解槽6内の水位となり、その近辺で塩が固着してしまうということながないものである。また、塩の固着を回避するために塩の高さより上方に流出口を1箇所設けているときのように、塩溶解槽6内にできた塩の比重による上下方向の濃度勾配の上方部の塩濃度の薄い溶液だけが電解槽9に送られるということもないものである。また、塩溶解槽6の流出口11の1つが塩溶解槽6の下部にあり、更に、流入口12が塩溶解槽6の下部にあるため、塩溶解槽6内にできた濃度勾配の濃い溶液を押し出し易くなり、電解槽9へ移送される溶液の塩濃度は、塩溶解槽6の流入口12が上方に設けられているときよりも濃く、少量の移送で電解槽9内の塩濃度を所定値に調整することができるようになっている。
【0025】
電解槽9内では塩溶液の流入により電気伝導度が上がり、一定電流を電極8に通電したならば、電極8間にかかる電圧は下がることとなる。制御回路は電極8に通電することにより電圧値を測定し、あらかじめ設定しておいた所定値と比較し、測定された電圧値の方が所定値よりも大きいときはもう1回開閉弁7を開くように制御される。これを数回繰り返すと電圧値は徐々に下がっていき、ついには測定された電圧値があらかじめ設定した所定値と同じになるか、もしくは下回ることになるが、この時、電解槽9内の塩濃度が所定の濃度に達したことを意味し、制御回路からの制御信号により電解が始められる。一定時間電解を続けた後、制御回路により電解槽9に連結している連絡通路19に開閉弁20を開け、また、図6に示すように開閉弁7が三方弁のときには流路を電解槽9側へ切り換えることにより浴用水1がバイパス路2から分岐して電解槽9へ流入し、電解槽9内に貯留している電解により発生した塩素を循環水路2へ押し出し、塩素がろ過槽4、浴用水1、及び循環されることにより浴槽17の壁や配管内をも殺菌し、レジオネラ菌等の巣窟となるヌメリ等を発生させないようになっている。
【0026】
本実施形態における実際の制御の形態の一例を示すと、例えば、容量500mlの電解槽9内の塩濃度を1%にするためには、塩の量が5g必要であり、塩溶解槽6内に塩が充分あるときは塩溶解槽6の流出口11の塩濃度は一定であるから、仮に20%とすると、塩溶解槽6から25mlの塩溶液が電解槽9へ移送されればよいことになる。開閉弁7が開いているとき、塩溶解槽6から電解槽9への流量が今0.5リットル/minとすると、更に開閉弁7の1回の開時間を0.6secと設定しているとき、5回の開閉弁7の開操作で塩溶解槽6から電解槽9内に25ml移送され、電解槽95内の塩濃度は1%に達することとなる。今、塩溶解槽6の流出口11の塩濃度を一定としたが、塩溶解槽6内の塩残量が少なくなってくると流出口11の塩濃度が少しずつ薄くなってくるが、電解槽9で電圧を検出ながらフィードバック制御をかけているため、開閉弁7の開回数を増やすことにより、電解槽9内の塩濃度を目的の塩濃度とすることができるものである。
【0027】
電解槽9内の塩濃度を所定濃度にすることができれば、電解槽9内の電極8に一定電流を一定時間通電することにより一定量の塩素を発生させることができ、浴用水1の殺菌及びろ過槽4内の中空糸膜の殺菌を充分に行うことができ、浴用水1の水質を長期間にわたって維持することができるものである。水質維持効果を濁度及びレジオネラ属菌数により経日的に評価したところ、図7に示すグラフのようになった。すなわち、図7において明らかなように、実施例のものは長期間にわたり、濁度が上昇せず、また、レジオネラ属菌数が増殖しなかった。一方、塩を溶解させることなく同じ通電量で電解をかけたところ、その殺菌効果は低く、すぐに浴槽17の壁にヌメリが生じ、稼動開始2日目よりレジオネラ属菌を検出することになり、更に、中空糸膜の殺菌も不十分なため、膜の目詰まりが生じ濁度が5日目以降上昇することになった。
【0028】
塩の溶解の制御をせずに、電解の度に充分量の塩を溶解させれば浴用水1の水質については本発明と同様の効果をもたらすことができるが、塩の消費が多過ぎ、更に、必要以上塩が溶解している場合には塩素が発生しすぎて入浴に耐えられない量の塩素が浴用水1中に混入することとなり、入浴が不快であるだけでなく、人体に影響を及ぼしかねないので好ましくない。
【0029】
なお、塩を溶解させることなしに同量の塩素を発生させようとしたところ、電圧値が10倍以上必要であり、また、電解継続時間も4倍程度長くしなければならず、必要電力量が約50倍となり、また、電極8への通電時間が長いと、それだけ、電極8の寿命が短くなり、これらの理由により採用しがたいものである。さて、開閉弁7を開ける操作を数回繰り返した後も測定した電圧値とあらかじめ設定した所定値とが等しくならないときには、塩溶解槽6の流出口11の塩濃度が低いからであって、すなわち、塩溶解槽6内の塩残量が少ないためである。このとき、あらかじめ設定しておいた所定回数、開閉弁7を開けても測定電圧値が所定値に達しないときは、図3に示すように、制御回路は塩切れ表示手段により塩切れ表示を行い、ユーザに塩補給のメンテナンスを促すことになる。なお、この塩切れ表示を行うための塩切れ表示手段としては、操作盤内のランプ点灯あるいは点滅でも警告ブザーであってもよいものである。
【0030】
塩補給のメンテナンスは、塩溶解槽6の外筒6bの蓋を開いて、内筒6aを取り出し、所定量の食塩を入れた後、再び塩溶解槽6内に設置し、蓋を閉めるという簡単な方法で行うことができ、一定濃度の塩溶液を調整したりする煩雑さがないものである。食塩は家庭で使用する一般的なものを使用することができるものである。
【0031】
塩補給後は、図3に示すように、再び開閉弁7を開いて電圧値を測定するという制御に戻り、電解を行うこととなる。
電解開始時、電解槽9内に上下方向に塩濃度の濃度勾配ができるが、電解時に電極8を構成する電極板8aの表面に発生する水素や酸素の気泡が上昇するためこの上向流を利用して電解槽9内において攪拌することができ、電極板8aを上下に長く形成して下端部を電解槽9内の下部にまで延長してあることで、より上記上向流を発生させることができて、いっそう攪拌効果を高めることができ、電解槽9内に投入された塩の無駄のない効率のよい電解を行うことができるものである。更に、電解槽9の流入口34を電解槽9の上部に設けてあることで、流入口34が下方にあるときのように、塩溶解槽6から移送された塩分がその比重により電解槽9の下部に溜まってしまうということがなく、また、電解槽9の流入口34を、流出口35よりわずかに下方に設けてあることで、流入口34が流出口35と同じレベルの高さにあるときのように、流入した塩濃度の濃い溶液がそのまま一部流出してしまうということがなく、電解槽9内に投入された塩の無駄のない効率よい電解を行うことができることになる。
【0032】
ここで、電極板8aの形状が2通りのもの、つまり、電解槽9内の下部にまで延長しているものと、電極面積は同じであるが電解槽9の上半分までしかないものについて塩素発生を比較する。同量の塩溶液が塩溶解槽6から移送された後、一定時間電解をかけたとき、電解槽9内の遊離塩素濃度は、前者が510ppmのとき、同条件で後者は165ppmであり、3倍もの効率の差が出た。
【0033】
更に、この実施例においては電極8間距離を25mmにしているが、電圧により塩濃度を検出することになるため、電圧の測定幅が狭いと塩濃度の違いが検出しにくい。塩水を電解する場合、水質の電気伝導度が高いため電極8間距離が狭いと必要電流値に対して電極8間にかかる電圧が小さく、塩濃度の違いを検出する分解能が低くなる。したがって、分解能を高めるために電極8間距離が20mm以上あれば、塩濃度の違いを検出することができる。
【0034】
なお、電解槽5内の塩濃度の検出手段として、一定電流値のもとでの電極8間の電圧値を測定しているが、この代わりに一定電圧値のもとでの電極8への通電電流値を測定してもよく、電解槽9内の電気伝導度を測定する電気伝導度センサの設置、塩濃度を直接測定する塩分濃度計の設置、に置き換えても制御方法は同じである。
【0035】
次に図2に基づいて本発明の他の実施形態につき説明する。本実施形態においては、図1に示す実施形態に加えて、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7と塩溶解槽6との間から電解槽9よりも下流側にバイパスするためのバイパス路13を設けてあって、塩溶解槽6から電解槽9へ流入する塩溶液量を少なくするようになっている。このバイパス路13には開閉弁14が設けてある。
【0036】
しかして、電解殺菌を行うときの動作は、前述の図1に示す実施形態と同様であり、そのフローチャートは図3で示す通りである。しかし、塩溶解槽6をバイパスする第2バイパス路13を設けているため、開閉弁7の1回の開閉により開閉弁7を通過する浴用水1の水量が多くても、一部が第2バイパス路13に逃げるため塩溶解槽6から電解槽9へ移送される量は少なくなり、その1回当たりの移送での電解槽9内の塩濃度の上昇幅が小さいため開閉弁7の開時間を短時間で制御できない又は塩溶解槽6から電解槽9への流路の径が太いというときのように、開閉弁7の1回の開閉により電解槽9へ移送される塩溶液量が多いときにその1回の移送での電解槽9内の塩濃度の上昇幅が大きく数回の開閉弁7の開操作で所定値を大きく越えてしまう、というようなことがなくて電解槽9内の塩濃度を調整することができるものである。
【0037】
更に、塩溶解槽6のバイパス路13中に開閉弁14を設けており、塩溶解槽6の上流側の開閉弁14の最初の1回の開操作は前記第2バイパス路13中の開閉弁14は閉じておき、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7の2回目以降の開操作から前記バイパス路13中の開閉弁14を開けたまま制御することにより、電解槽9内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておいて、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、より精度よく電解槽9内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。更に、開閉弁7の総開回数も少なくて済み、開閉弁7の寿命にとってもよい結果をもたらすものである。
【0038】
実際に制御の形態の一例を示すと、例えば500mlの電解槽6内の塩濃度を1%にするためには、塩の量が5g必要であり、塩溶解槽6内に塩が充分あるときは塩溶解槽6の流出口11の塩濃度は一定であるから、仮に20%とすると、塩溶解槽6から25mlの塩溶液が電解槽9へ移送されればよいことになる。開閉弁7が開いているとき、バイパス路45の流量を今1.5リットル/minとし、更に開閉弁7の1回の開時間を0.6secと設定するとき、バイパス路13がなければ2回の開閉弁7の開操作だけで塩溶解槽6から30mlも移送され、電解槽9内の塩濃度は調整したい1%を上回ってしまう。そこで、塩溶解槽6の第2バイパス路13を設け、その流量を1.0リットル/minとすれば、塩溶解槽6への流量が0.5リットル/minとなり、5回の開閉弁7の開操作で電解槽9内の塩濃度は望ましい1%に達し、また上回ることもないものである。
【0039】
更に、塩溶解槽6の第2バイパス路13中の開閉弁14を、塩溶解槽6の上流側に設けた開閉弁7の最初の1回だけ前記開閉弁14を閉じておき、2回目から開けておくという制御にしておくと、3回の開閉弁7の開操作だけで電解槽9内の塩濃度は望ましい1%に達し、また上回ることもないものである。
次に、本発明の更に他の実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態においては、図1に示す第1の実施形態に比べて、開閉弁7の開け方を2段階で制御するようになっている。本実施形態の基本的構成は図1に示す実施形態と同じであるが、電解殺菌を行うときの動作は図4のフローチャートに従うものである。すなわち、電解殺菌をスタートさせる指令を受けた制御回路は、まず、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7に信号を送り、開閉弁7を1回開ける。このとき、浴用水1が塩溶解槽6に流入し、その量と同じ量の塩溶液が電解槽9へ流入する。電解槽9内では塩溶液の流入により電気伝導度が大きく上がり、一定電流を電極8に通電したときの電極8間にかかる電圧は大きく下がることになる。制御回路は電圧値を測定し、あらかじめ設定した所定値と比較し、検出された電圧値の方が所定値より大きいとき、今度は開閉弁7を1回目より短く開く。2回目以降、同じ短い時間の開閉弁7の開操作を数回繰り返すことにより電圧値は少しずつ下がっていき、ついには検出された電圧値が所定値と同じになるもしくは下がるが、このとき、電解槽9内の塩濃度が所定の濃度に達したことを意味し、制御回路は電解を始めるものである。
【0040】
この制御方法では、電解槽9内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておいて後、小刻みに濃度を上げるという方法で、より精度よく電解槽9内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。更に、開閉弁7の総開回数も少なくて済み、開閉弁7の寿命も長くなるものである。
次に、図5に基づいて本発明の更に他の実施形態につき説明する。本実施形態は図1に示す第1の実施形態に比べて、塩濃度の調整を開閉弁7の開回数で制御するかわりに開閉弁7の開時間で制御するようになっている。本実施形態の基本的構成は図1に示す実施形態と同じであるが、電解殺菌を行うときの動作は図5のフローチャートに従うものである。すなわち、電解殺菌をスタートさせる指令を受けた制御回路は、まず、塩溶解槽6の上流側の開閉弁7に信号を送り、開閉弁7を開ける。このとき、浴用水1が塩溶解槽6に流入し始め、同様に塩溶液が電解槽9へ流入し始める。電解槽9内では塩溶液の流入により電気伝導度が大きく上がり、一定電流を電極8に通電したならば、電極8間にかかる電圧は下がることになる。制御回路は電極8に通電することにより電圧値を測定し、あらかじめ設定しておいた所定値と比較し、検出された電圧値の方が所定値より大きいとき、一定微少時間後もう1回電圧値を測定する。これを数回繰り返すうちに、開閉弁7が開放状態のままであるため塩溶液が電解槽9へ流入し続け、電圧測定値は徐々に所定値に近づいていき、ついには測定された電圧値が所定値と同じになるもしくは下回るが、このとき電解槽9内の塩濃度が所定の濃度に達したことを意味し、制御回路は開閉弁7を閉じ、電解を始めるものである。
【0041】
この制御方法では、開閉弁7の総開回数は他の実施形態に比べてかなり少なくて済み、開閉弁7の寿命にとって特に有効である。
さて、開閉弁7を開け続けても測定した電圧値と所定値が等しくならないときは、つまり、塩溶解槽6の流出口11の塩濃度が低いからであって、すなわち、塩溶解槽6内の塩残量が少ないためである。このとき、あらかじめ設定しておいた所定時間、開閉弁7を開け続けても測定電圧値が所定値に達しないときは、図5に示すように、制御回路は塩切れ表示を行い、ユーザーに塩補給のメンテナンスを促すことになる。
【0042】
塩補給後は、図5に示すように、再び開閉弁7を開けて電圧値を測定するという制御に戻り、電解を行うことになる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明にあっては、上述のように、循環水路と、浴用水を循環水路に循環させる循環ポンプと、浴用水中の汚れをろ過するろ過槽と、循環水路中に設けたバイパス路とを具備し、バイパス路中に塩溶解槽と、その下流側に一対の電極を内蔵した無隔膜電解槽と、塩溶解槽の上流側に開閉弁とを設けた浴用水の循環浄化装置において、電極間に一定電流を通電した時の電極間の電圧または一定電圧を印加した時の電流を測定し、あらかじめ設定された所定値と比較することで上記開閉弁の動作を制御するので、電解槽内の塩濃度を電解電圧値又は電流値を測定して開閉弁をフィードバック制御することで所定値とすることができ、浴用水の殺菌を充分に行うことができ、更に、配管系や浴槽壁にレジオネラ菌の巣窟となり得るヌメリを発生させることもないものであり、また、塩素臭や肌への刺激という面で入浴に不快な水質となってしまうということもないものである。また、従来のように、塩溶液を塩溶解槽から電解槽へ移送させるために専用のポンプを設置する必要がなく、循環ポンプの駆動力をそのまま利用するだけでよいため、装置サイズを大きくすることがないものである。
【0044】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、開閉弁の開時間が一定であり、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御するので、開閉弁の開回数の制御という簡単な方法で所定値を大きく上回らないようにして電解槽内の塩濃度を調整することができるものである。
【0045】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁を開け続けるように制御するので、開閉弁の開時間を制御するという簡単な方法で、電解槽内の塩濃度を調整することができるものであり、また、開閉弁を開ける回数が少なくてすむので、開閉弁の寿命を長く保たせることができて開閉弁の開閉によるトラブルが少なくてすむものである。
【0046】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、塩不足表示を設けたので、ユーザーが塩不足を確実に認識できて塩の補充時期に塩の補充ができるように促することができるものであって、塩濃度不足からくる塩素発生量不足という事態を未然に防ぐことができるものである。
また、請求項5記載の発明にあっては、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御し、開閉弁の開回数が所定回数に達した時に塩不足と判断するので、所定回数、開閉弁を開けても所定値に到達しないときに塩不足を表示させ、これによりユーザーに塩の補充を促することができるものであって、簡単な構成で塩不足状態を判断して表示して、塩素発生量不足を未然に防ぐことができるものである。
【0047】
また、請求項6記載の発明にあっては、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁を開け続けるように制御し、開閉弁の開時間が所定時間に到達した時に塩不足と判断するので、所定時間開閉弁を開け続けても所定値に到達しないときに塩不足を表示させ、これによりユーザーに塩の補充を促することができるものであって、簡単な構成で塩不足状態を判断して表示して、塩素発生量不足を未然に防ぐことができるものである。
また、請求項7記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、塩溶解槽の流出口を上下2箇所設け、それが合流して電解槽に流入するので、塩溶解槽に塩が貯蔵されているその塩の高さより下方に流出口を1箇所設けているときのように、流出口の孔の近辺で塩が固着してしまうということがないものである。また、塩の高さより上方に流出口を1箇所設けているときのように、塩溶解槽内にできた塩の比重による上下方向の濃度勾配の上方部の塩濃度の薄い溶液だけが電解槽に送られるというようなこともないものであり、この結果、少量の移送で電解槽内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。
【0048】
また、請求項8記載の発明にあっては、上記請求項7記載の発明の効果に加えて、塩溶解槽の流入口を下部に設けたので、塩溶解槽内にできた濃度勾配の濃い溶液を押し出しやすくなっているため、電解槽へ移送される溶液の塩濃度は、塩溶解槽の流入口が上方に設けられているときより濃く、少量の移送で電解槽内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。
【0049】
また、請求項9記載の発明にあっては、上記請求項7記載の発明の効果に加えて、開閉弁の下流側より塩溶解槽をバイパスするバイパス路を設けたので、開閉弁の1回の開閉により開閉弁を通過する浴用水量が多くても、バイパス路に逃げる流量があるため、塩溶解槽から電解槽へ移送される量は少なくなり、その1回の移送での電解槽内の塩濃度の上昇幅が小さくなり、これにより、開閉弁の開時間を短時間で制御できない又は塩溶解槽から電解槽への流路の系が太いときのように、開閉弁の1回の開閉により電解槽へ移送される塩溶液量が多いときにその1回の移送での電解槽内の塩濃度の上昇幅が大きく数回の開閉弁の開操作で所定値を大きく越えてしまう、というようなことがなく電解槽内の塩濃度の調整をすることができるものである。
【0050】
また、請求項10記載の発明にあっては、上記請求項9記載の発明の効果に加えて、塩溶解槽のバイパス路中に開閉弁を設けたので、塩溶解槽の上流側の開閉弁の最初の1回の開操作のときはそのバイパス路中の開閉弁は閉じておき、塩溶解槽の上流側の開閉弁の2回目以降の開操作からそのバイパス路中の開閉弁を開けたまま制御することで、電解槽内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておいて、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、より精度よく電解槽内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。
【0051】
また、請求項11記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、塩溶解槽の上流側の開閉弁の1回目の開時間だけ長く、2回目以降は短く且つ一定であり、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御するので、塩溶解槽の上流側の開閉弁の1回目の開時間だけ長く、2回目以降を短く且つ一定で制御することで、電解槽内の塩濃度を最初の1回目で大きく所定値に近づけておき、その後、小刻みに濃度を上げるという方法で、電解槽内の塩濃度を所定値に調整することができるものである。また、開閉弁を開ける回数が少なくて済むので、開閉弁の寿命を長く保たせることができて開閉弁の開閉によるトラブルを少なくすることが可能となるものである。
【0052】
また、請求項12記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、電極板を電解槽の下部まで延長したので、電解槽内にできた塩濃度勾配を、電解時に発生する水素や酸素の気泡が上昇するその上向流を利用して攪拌することができ、電解槽内に投入された塩の無駄のない効率的な電解を行うことができるものであり、また、塩溶液の濃度分布を均一にするため、従来行われていた塩溶液の攪拌機構等の設備や、塩溶解槽から塩溶液貯留槽を経由してから電解槽へ移送するという構造の必要がなくなり、装置のサイズを大きくする必要がないものである。
【0053】
また、請求項13記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、電解槽の流入口を、上部に且つ流出口よりわずかに下方に設けたので、流入口が下部にあるときのように、塩溶解槽から移送された塩分がその比重により電解槽の下部に溜まってしまうということがなく、また、流入口が流出口と同じレベルにあるときのように、流入した塩濃度の濃い溶液がそのまま一部流出してしまうことがなく、この結果、電解槽内に投入された塩の無駄のない効率的な電解を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の配管図である。
【図2】本発明の他の実施形態の配管図である。
【図3】本発明の一実施形態の電解殺菌フローチャート図である。
【図4】本発明の他の実施形態の電解殺菌フローチャート図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態の電解殺菌フローチャート図である。
【図6】本発明の要部の他例を示す配管図である。
【図7】本発明の効果を示すグラフである。
【図8】従来例の配管図である。
【図9】他の従来例の配管図である。
【符号の説明】
1 浴用水
2 循環水路
3 循環ポンプ
4 ろ過槽
5 バイパス路
6 塩溶解槽
7 開閉弁
8 電極
8a 電極板
9 電解槽
10 循環浄化装置
11 流出口
11a 流出口
11b 流出口
12 流入口
13 バイパス路
14 開閉弁
34 流入口
35 流出口
Claims (13)
- 循環水路と、浴用水を循環水路に循環させる循環ポンプと、浴用水中の汚れをろ過するろ過槽と、循環水路中に設けたバイパス路とを具備し、バイパス路中に塩溶解槽と、その下流側に一対の電極を内蔵した無隔膜電解槽と、塩溶解槽の上流側に開閉弁とを設けた浴用水の循環浄化装置において、電極間に一定電流を通電した時の電極間の電圧または一定電圧を印加した時の電流を測定し、あらかじめ設定された所定値と比較することで上記開閉弁の動作を制御することを特徴とする浴用水の循環浄化装置。
- 開閉弁の開時間が一定であり、測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御することを特徴とする請求項1記載の浴用水の循環浄化装置。
- 測定された電圧値または電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁を開け続けるように制御することを特徴とする請求項1記載の浴用水の循環浄化装置。
- 塩不足表示を設けたことを特徴とする請求項1記載の浴用水の循環浄化装置。
- 測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御し、開閉弁の開回数が所定回数に達した時に塩不足と判断することを特徴とする請求項4記載の浴用水の循環浄化装置。
- 測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁を開け続けるように制御し、開閉弁の開時間が所定時間に到達した時に塩不足と判断することを特徴とする請求項4記載の浴用水の循環浄化装置。
- 塩溶解槽の流出口を上下2箇所設け、それが合流して電解槽に流入することを特徴とする請求項1記載の浴用水の循環浄化装置。
- 塩溶解槽の流入口を下部に設けたことを特徴とする請求項7記載の浴用水の循環浄化装置。
- 開閉弁の下流側より塩溶解槽をバイパスする第2バイパス路を設けたことを特徴とする請求項7記載の浴用水の循環浄化装置。
- 塩溶解槽の第2バイパス路中に開閉弁を設けたことを特徴とする請求項9記載の浴用水の循環浄化装置。
- 塩溶解槽の上流側の開閉弁の1回目の開時間だけ長く、2回目以降は短く且つ一定であり、測定された電圧値又は電流値が所定値と等しくなるまで開閉弁の開回数で制御することを特徴とする請求項1記載の浴用水の循環浄化装置。
- 電極板を電解槽の下部まで延長したことを特徴とする請求項1記載の浴用水の循環浄化装置。
- 電解槽の流入口を、上部に且つ流出口よりわずかに下方に設けたことを特徴とする請求項1記載の浴用水の循環浄化装置。
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