JP3584765B2 - 殺菌装置及び殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、循環水を殺菌するための殺菌装置及び殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭用の風呂において24時間の入浴を可能としたものが提供されている。この場合、浴槽10内の浴槽水を長期間使用可能とするために浴槽水を常時もしくは周期的に浄化・殺菌する必要がある。このために、図8に示すように、浴槽水を循環水路1に循環させる循環ポンプ2と、浴槽水をろ過するろ過槽3とを備え、循環水路1中にバイパス路4を設け、バイパス路4中に塩溶解槽19と、その下流側に一対の電極5を内蔵した電解槽6とを設け、バイパス路4の下流側をろ過槽の1次側に接続し、電解槽6の上流側に弁7を設けると共に塩溶解槽19の上流側に弁18を設けた浴槽水循環浄化装置が提案されている。
【0003】
上記従来例において、塩素の生成は、まず電解槽6に塩溶解槽19から食塩水を供給する。この食塩水の供給に当たっては、塩溶解槽19の上流の弁18を開けた後、循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しながら(つまり循環ポンプ2を寸動させながら)、電解槽6内に設けた一対の電極5間の電気伝導度を測定しつつ電解槽6内の塩濃度を測定し、目的とする塩濃度となると循環ポンプ2を停止すると共に弁18を閉じる。次に、電解槽6の電極5間に電圧を印加して、遊離塩素を生成する。次に、電解槽6の上流側の弁7を開き、電解槽6で生成した塩素水を浴槽水に供給して殺菌をするようになっている。
【0004】
ところが、上記の従来例においては、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たり、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返すので、上記循環ポンプ2のオンとオンの間のオフ時に塩溶解槽19内の食塩水は水に比べて比重が大きいので、開となった弁18を経て上流側に流出するという問題があり、食塩が無駄に消費されて、塩溶解槽19内の食塩の消費が速くなってしまうという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給するに当たって、循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返す動作を行う際、循環ポンプがオフの時に塩溶解槽から上流側に食塩水が流出するのを防止し、塩溶解槽内の食塩の無駄な消費を無くすことができる殺菌装置及び殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る殺菌装置は、一端の吸い込み口8から循環水を吸い込んで他端の吐出口9から吐出する循環ポンプ2を備えた循環水路1の途中を第1分岐路16と第2分岐路17とに分岐し、第1分岐路16に電解槽6を設け、第2分岐路17に塩溶解槽19を設け、第2分岐路17の下流側の端部を電解槽6に連通接続し、第1分岐路16の下流側を循環水路1側に連通し、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際に開となり、塩溶解槽19から供給された食塩水を電解槽6内で電解して生成された塩素水を吐出口から吐出する際には閉となる弁18を第2分岐路17の塩溶解槽19よりも上流側に設け、上記弁18が開状態において循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を第2分岐路17の塩溶解槽19への連通口32に配置して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たり、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しても、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプ2のオフ時に塩溶解槽19内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽19から開となった弁18を経て上流側に逆流することがなく、したがって、食塩が無駄に消費されて、塩溶解槽19内の食塩の無駄な消費を防止することができるものである。
【0007】
また、外筒19aに食塩筒19bを挿入して内装することで塩溶解槽19を構成し、食塩筒19bの底面部にばね材31で下方に弾性付勢された弁体27よりなる逆止弁25を設け、外筒19aから食塩筒19bを取り外した状態で外筒19aに設けた連通口32を開とすると共に外筒19a内に食塩筒19bをセットした状態でばね材31のばね力で弁体27により連通口32を閉じるように設定し、上記塩溶解槽19よりも上流側に設けた弁18が開状態において循環ポンプ2のオンにより加圧された水によりばね材31に抗して弁体27を押し上げて連通口32を開とし、循環ポンプのオフによりばね材31のばね力で弁体27により連通口32を閉じるように設定してあるので、食塩筒19bを塩溶解槽19の外筒19aにセットしてない状態では塩溶解槽19内の水を排出して、塩を補充した食塩筒19bを塩溶解槽19にセットする際に塩溶解槽19の上開口から水があふれ出ないようにできるものである。
【0008】
また、本発明の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置は、浴槽水を循環水路1に循環させる循環ポンプ2と、浴槽水をろ過するろ過槽3とを備え、循環水路1のろ過槽3よりも上流側にバイパス路4を設け、バイパス路4の途中を第1分岐路16と第2分岐路17とに分岐し、第1分岐路16に電解槽6を設け、第2分岐路17に塩溶解槽19を設け、第2分岐路17の下流側の端部を電解槽6に連通接続し、第1分岐路16の下流側を循環水路1のろ過槽3よりも上流側に連通接続し、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際に開となり且つ塩溶解槽19から供給された食塩水を電解槽6内で電解して生成された塩素水をろ過槽3を経て吐出口9から吐出する際には閉となる弁18を第2分岐路17の塩溶解槽19よりも上流側に設け、上記弁18が開状態において循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を第2分岐路17の塩溶解槽19への連通口32に配置して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、浴槽10の浴槽水を循環水路2を循環させてろ過槽3により浄化して浴槽10に返送することで浴槽水の浄化ができて長期間にわたって浴槽水を入れ替えることなく使用できるのみならず、このように長期間浴槽水を入れ替えることなく使用できるようにしたものにおいて、塩溶解槽19から食塩水を電解槽6に供給し、電解槽6で電解して塩素水を生成し、この塩素水をろ過槽3を経て吐出口9から浴槽10に吐出することで、ろ過槽3、配管、浴槽内の浴槽水を塩素水で殺菌することができるものである。そして、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たり、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しても、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプ2のオフ時に塩溶解槽19内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽19から開となった弁18を経て上流側に逆流することがなく、したがって、塩溶解槽19内の食塩の無駄な消費を防止することができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1には本発明の装置の殺菌装置の配管構成図が示してある。循環水路1は一端に吸い込み口8を設けると共に他端に吐出口9を設けてある。上記吸い込み口8と吐出口9とは殺菌しようとする水中に浸漬させてある。殺菌しようとする対象の水としては例えば浴槽10内の浴槽水が考えられるが、浴槽水以外の液体中に浸漬して該液体の殺菌にも使用できるのはもちろんである。
【0011】
循環水路1には循環ポンプ2が設けてあり、更に、循環水路1の循環ポンプ2よりも下流側の途中が第1分岐路16と第2分岐路17とに分岐してある。第1分岐路16には上流側から下流側にかけて順に弁7、電解槽6を設けてあり、第2分岐路17には上流側から下流側にかけて順に弁18、塩溶解槽19を設けてある。第2分岐路17の下流側の端部が電解槽6に連通接続してある。第2分岐路17の塩溶解槽19と電解槽6との間の部分の流路は、塩溶解槽19の上部の上出口28aと電解槽6の上端部とを連通する流路17aと、塩溶解槽19の下部の下出口28bから導出されて上記流路17aに合流する流路17bとで構成してある。
【0012】
塩溶解槽19は外筒19aと、外筒19aの上開口から食塩を収納した食塩筒19bを外筒19a内に挿入して内装することで構成してある。食塩筒19bを外筒19a内に内装してセットした場合、食塩筒19bに付設した又は別体の蓋部19cにより外筒19aの上開口を閉じるようになっている。食塩筒19bの底面部には逆止弁25が設けてある。この逆止弁25は、図7(a)に示すように、食塩筒19bの底面部に設けた凹所26内に上下移動自在に弁体27の上部をはめ込んであり、この弁体27に設けたストッパ部29aを凹所26に設けた被ストッパ部29bに係止自在として上下移動自在な弁体27が凹所26から下方に脱落しないようになっている。また、弁体27と凹所26の上面との間にはばね材31が介在してあって弁体27を常時下方に向けて弾性付勢している。したがって、外筒19a内に食塩筒19bを内装してセットした場合、弁体27の下端部が外筒19aの底面部に設けた第2分岐路17の外筒19aへの連通口32を閉じるようになっている。そして、弁18を開にした状態で、第2分岐路17の上流側から循環ポンプ2により水が加圧されて供給された場合には図7(b)に示すように弁体27をばね材31に抗して水圧により押し上げて水が塩溶解槽19内に流入できるが、弁18を開にした状態で、循環ポンプ2がオフの時には弁体27が連通口32をばね材31のばね力により閉じて塩溶解槽19内の水よりも比重の大きい食塩水が弁18を開にした第2分岐路17の上流側に流出するのが防止されるようになっている。このように、逆止弁25は塩溶解槽19内に食塩を入れた食塩筒19bを内装した際にのみ逆止弁25として機能するようになっている。
【0013】
電解槽6は一対の不溶性電極板よりなる電極5を隔膜を介することなく対向配置した無隔膜タイプのものとして形成してある。ここで、電極5を構成する電極板の形状は電解槽6の下方まで達する長方形である。電極5には直流電圧が印加されるようになっており、電極5への電圧の印加は制御部20の制御により行われる。塩溶液には塩素イオン(Cl−)が含まれているが、電解槽6で電極5に直流電圧を印加して塩素イオン(Cl−)の一部を電気分解すると、塩素イオン(Cl−)は塩素(Cl2)や次亜塩素酸イオン(ClO−)に交換され、浴槽水に殺菌力を持たせることができるようになっている。
【0014】
図2には上記殺菌装置の制御ブロック図が示してあり、操作部材31を操作することで制御部20により循環ポンプ2の運転の制御、弁7、18の開閉の制御、電極5への電圧の印可の制御を行うようになっている。
【0015】
しかして、塩溶解槽19から電解槽6への食塩水の供給に当たっては、弁18を開にして循環ポンプ2を運転して塩溶解槽19内の食塩水を電解槽6に供給する。ここで、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たり、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しながら(つまり循環ポンプ2を寸動させながら)塩溶解槽19内の食塩水を電解槽6に少しずつ供給し、この際、電解槽6内に設けた一対の電極5間の電気伝導度を測定しながら電解槽6内の塩濃度を測定し、目的とする塩濃度となると循環ポンプ2を停止すると共に弁18を閉じるのであるが、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプ2のオフ時に塩溶解槽19内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽19から開となった弁18を経て上流側に逆流しようとする。ところが、本発明においては、上記塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を設けてあるので、塩溶解槽6から上流側に水よりも比重の大きい食塩水が比重差により流れ出るのが防止され、塩溶解槽19内の食塩の無駄な消費を防止することができるものである。
【0016】
上記塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、弁7は閉又は開である。
【0017】
上記のようにして、電解槽6内の食塩濃度が所定の濃度となると、弁18、弁7を閉とし、電極5に電圧を印可する。ここで、塩溶液には塩素イオン(Cl−)が含まれているが、電解槽6で電極5に直流電圧を印加して塩素イオン(Cl−)の一部を電気分解すると、塩素イオン(Cl−)は塩素(Cl2)や次亜塩素酸イオン(ClO−)に交換されて塩素水を生成し、この塩素水は殺菌力を有することになる。このようにして電解槽6において塩素水を生成した後、弁18を閉、弁7を開にした状態で循環ポンプ2を運転して電解槽6内の塩素水を循環水路1の吐出口9から浴槽10などの殺菌しようとする液体を入れた槽内に吐出して、該槽内の液体を殺菌するものである。
【0018】
塩溶解槽19内における食塩が減少すると、操作部30に設けた運転スイッチを停止して食塩筒19bを外筒19aから取り外して食塩筒19b内に食塩を補充するものである。運転スイッチを停止すると弁18が開となり、食塩筒19bを取り外すことで逆止弁25が機能しない状態となって図7(c)のように連通口32が開放され、塩溶解槽19内に溜まっている水が外筒19aの底面部の開口から弁18を介して上流側に排出される。これにより、新たに食塩を補充した食塩筒19を外筒19a内に入れる際に、外筒19aの上開口から水が溢れ出ることがないものである。
【0019】
なお、図3には本発明の殺菌装置の他の実施形態が示してある。本実施形態における殺菌装置は図1に示す殺菌装置と基本的な構造は同じであり、第2分岐路17の流路17aの流路17bと合流する位置よりも下流側に塩溶解槽19から電解槽6にのみ水が流れる方向性を有する逆止弁11を設けた構成が図1のものと異なる。本実施形態のように、第2分岐路17の流路17aの流路17bと合流する位置よりも下流側に塩溶解槽19から電解槽6にのみ水が流れる方向性を有する逆止弁11を設けておくと、循環ポンプ2が運転して塩素水を供給している時に水圧で電解槽6から塩溶解槽19に水が逆流するのを逆止弁11により防止して塩溶解槽19の水位が上昇するのを防止し、循環ポンプ2を停止しても塩溶解槽19から水位が上昇した分の食塩水が電解槽6に流入しないようになっていて過剰な塩の消費を抑えるようになっている。
【0020】
次に、殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置について説明する。
【0021】
図4には殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置の配管構成図の一実施形態が示してある。循環水路1は一端に吸い込み口8を設けると共に他端に吐出口9を設けてあり、上記吸い込み口8と吐出口9とが浴槽10内の浴槽水中に浸漬させてある。
【0022】
循環水路1には上流側から下流側にかけて順に循環ポンプ2、ヒータ12、弁13が設けてあり、また、循環水路1は循環ポンプ2よりも下流側で通水水路1aと浄化水路1bとの2つの水路に分岐し、この通水水路1aと浄化水路1bはヒータ12の上流側において再び合流している。なお、通水水路1aにヒータ12を設け、浄化水路1bをヒータ12よりも下流側で合流させるようにしてもよいものである。
【0023】
循環水路1の一部を構成する浄化水路1bにはろ過槽3が設けてあり、浄化水路1bのろ過槽3よりも上流側に弁14が設けてあり、また、浄化水路1bのろ過槽3よりも下流側に弁15が設けてある。
【0024】
浄化水路1bの弁14よりも上流側又は通水水路1aのヒータ12よりも上流側にバイパス路4の一端部が接続してあり、バイパス路4の他端部が浄化水路1bの弁14とろ過槽3との間に接続してある。このバイパス路4の途中は第1分岐路16と第2分岐路17とに分岐しており、第1分岐路16には上流側から下流側にかけて順に弁7、電解槽6が設けてある。また、第2分岐路17は上流側から下流側にかけて順に弁18、塩溶解槽19が設けてあり、第2分岐路17の下流側の端部が電解槽6に連通接続してある。第2分岐路17の塩溶解槽19と電解槽6との間の部分の流路は塩溶解槽19の上部の上出口28aから導出された流路17aと塩溶解槽19の下部の下出口28bから導出されて上記流路17aに合流する流路17bとで構成してある。
【0025】
塩溶解槽19は図1に示す殺菌装置と同じ構成となっており、また、図1に示す殺菌装置と同様に塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を設けてある。塩溶解槽19、逆止弁25の具体的構成については前述の通りであるので詳細な説明は省略する。
【0026】
塩溶解槽19には食塩が収納される。また、電解槽6は一対の不溶性電極板よりなる電極5を隔膜を介することなく対向配置した無隔膜タイプのものとして形成してある。ここで、電極5を構成する電極板の形状は電解槽6の下方まで達する長方形である。電極5には直流電圧が印加されるようになっており、電極5への電圧の印加は制御部20の制御により行われる。塩溶液には塩素イオン(Cl−)が含まれているが、電解槽6で電極5に直流電圧を印加して塩素イオン(Cl−)の一部を電気分解すると、塩素イオン(Cl−)は塩素(Cl2)や次亜塩素酸イオン(ClO−)に交換され、浴槽水に殺菌力を持たせることができるようになっている。
【0027】
ろ過槽3内には中空糸膜のような精密ろ過材よりなるろ材3aが設けてある。ろ過槽3内には浄化水路1bから供給される浴槽水の噴出口21が設けてあり、この噴出口21から噴出水がろ材3aの上流側の面に向けて噴出するようになっている。
【0028】
上記のような構成の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置は「通常循環」モード、「食塩水供給」モード、「電解」モード、「塩素水供給」モード等の諸モードを切り替えて運転することができるようになっている。これらのモード切り換えによる各弁の切り換え、循環ポンプ2の運転は制御部20による制御により行われるものである。また、電解時における電極5への電圧の印加も制御部20による制御により行われる。
【0029】
ここで、本発明の浴槽水循環浄化装置は通常循環運転時には、弁13、弁14、弁15をいずれも開、弁18、弁7をいずれも閉にして循環ポンプ2を運転するように制御されるものであり、この場合、循環ポンプ2の運転により吸い込み口8から循環水路1に吸い込まれた浴槽水の一部がろ過槽3を通過する際にろ材3aによりろ過されて浄化され、ヒータ12で加温されて、吐出口9から浴槽10中に返送されるものである(これが「通常循環モード」である)。ここで、循環水路1は循環ポンプ2よりも下流側で通水水路1aと浄化水路1bとの2つの水路に分岐しているので、浄化水路1b中に設けたろ過槽3内のろ材3aが目詰まりして浄化水路1bを流れる水量が減っても、この場合には通水水路1aを流れる水量が増えることで、循環水路1全体を流れる浴槽水の水量は変わらず、ヒータ12による加温された浴槽水の返送により浴槽10内における浴槽水の温度低下を防いでいる。
【0030】
殺菌(または制菌)運転に当っては、「食塩水供給」モード→「電解」モード→「塩素水供給」モードの順で運転するものである。すなわち、弁13、弁14、弁15、弁18をいずれも開、弁7を閉にした状態で循環ポンプ2を運転することで、塩溶解槽19から食塩水が電解槽6に供給される(これが「食塩水供給」モードである)。この「食塩水供給」モードにおいて、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たっては、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しながら(つまり循環ポンプ2を寸動させながら)塩溶解槽19内の食塩水を電解槽6に少しずつ供給し、この際、電解槽6内に設けた一対の電極5間の電気伝導度を測定しながら電解槽6内の塩濃度を測定し、目的とする塩濃度となると循環ポンプ2を停止すると共に弁18を閉じるのであるが、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプ2のオフ時に塩溶解槽19内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽19から開となった弁18を経て上流側に逆流しようとする。ところが、本発明においては、上記塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を設けてあるので、塩溶解槽6から上流側に水よりも比重の大きい食塩水が比重差により流れ出るのが防止され、塩溶解槽19内の食塩の無駄な消費を防止することができるものである。
【0031】
上記のようにして、電解槽6に食塩水を供給した後、弁13、弁14、弁15をいずれも開、弁18、弁7をいずれも閉とした状態で電極5に電圧を印加して電気分解することで、塩素を発生させる(これが「電解」モードである)。この場合循環ポンプ2は運転しておく。次に、弁13、弁14、弁15、弁7をいずれも開、弁18を閉とし、この状態で循環ポンプ2を運転すると電解槽6内の塩素水がろ過槽3に供給され、ろ材3aを通過して浴槽水と一緒に浴槽10に流れ込む(これが「塩素水供給」モードである)。このように塩素水を循環水路1に流すことで、浴槽水や装置内の病原性細菌を抑制し、不快感を与えるヌメリを取り除くものである。なお、食塩水供給に当っては弁13、弁14、弁15をいずれも開、弁7を閉にした状態で循環ポンプ2を運転しながら、弁18の開閉を繰り返し制御しながら電解槽6内の塩濃度が一定濃度となるようにしてもよい。
【0032】
また、塩溶解槽19内における食塩が減少した場合、運転スイッチを停止して食塩筒19bを外筒19aから取り外して食塩筒19b内に食塩を補充するものである。ここで、運転スイッチを停止すると弁18が開となり、食塩筒19bを取り外すことで逆止弁25が機能しない状態となって図7(c)のように連通口32が開放され、塩溶解槽19内に溜まっている水が外筒19aの底面部の開口から弁18を介して上流側に排出される。これにより、新たに食塩を補充した食塩筒19を外筒19a内に入れる際に、外筒19aの上開口から水が溢れ出ることがないものである。
【0033】
図5には本発明の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置の他の実施形態が示してある。本実施形態においては、殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置は図4に示すものと基本的な構造は同じであり、第2分岐路17の流路17aの流路17bと合流する位置よりも下流側に塩溶解槽19から電解槽6にのみ水が流れる方向性を有する逆止弁11を設けた構成が図4のものと異なる。本実施形態のように、第2分岐路17の流路17aの流路17bと合流する位置よりも下流側に塩溶解槽19から電解槽6にのみ水が流れる方向性を有する逆止弁11を設けておくと、循環ポンプ2が運転しているときに水圧で電解槽6から塩溶解槽19に水が逆流して塩溶解槽19の水位が上昇しようとしても逆止弁11により阻止されるものである。これにより、塩溶解槽19内の水位が所定水位よりも余分に上昇し、この余分に上昇した分の食塩水が循環ポンプ2の運転停止により圧力が解除されることで塩溶解槽19から電解槽6に食塩水が流入するというような現象を防止することができるようになっている。つまり、循環ポンプ2のオン、オフや流路の変更時に、呼吸作用により塩溶解槽19から電解槽6に食塩水が流入することがないものである。したがって、電解時に食塩濃度の制御ができなくなったり、塩溶解槽19内の食塩の消費が速くなってしまうことをなくすことが可能となるものである。
【0034】
図6(a)は循環ポンプ2の停止状態における塩溶解槽19内の水位を示しており、図6(b)は循環ポンプ2を運転している場合における塩溶解槽19内の水位を示しており、図6(c)は循環ポンプ2運転後に循環ポンプ2の運転をオフした場合における塩溶解槽19内の水位を示しており、図6(a)(b)(c)のいずれの場合にも塩溶解槽19内の水位W1は同じである。
【0035】
また、本実施形態においても隔壁26を設けることで、塩溶解槽19側の配管のうち逆止弁11と連通口25との間の配管に電解槽6から電解により発生した酸素ガスや水素ガスが流入して該配管中に残っている食塩水と入れ替わって電解槽6側に流れ込まないようになっている。
【0036】
【発明の効果】
上記の請求項1記載の本発明にあっては、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際に開となり、塩溶解槽から供給された食塩水を電解槽内で電解して生成された塩素水を吐出口から吐出する際には閉となる弁を第2分岐路の塩溶解槽よりも上流側に設け、上記弁が開状態において循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際、開となった弁を経て第2分岐路から塩溶解槽への水の流入を可とし且つ塩溶解槽から開となった弁を経て第2分岐路に水が逆流するのを防止するための逆止弁を第2分岐路の塩溶解槽への連通口に配置してあるので、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給して電解槽内を所定の塩濃度にするに当たり、弁を開にした状態で循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返しても、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプのオフ時に塩溶解槽内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽から開となった弁を経て上流側に逆流するのを逆止弁により防止することができ、この結果、塩溶解槽内の食塩の無駄な消費を防止することができ、コストを低減できるものである。
【0037】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、外筒に食塩筒を挿入して内装することで塩溶解槽を構成し、食塩筒の底面部にばね材で下方に弾性付勢された弁体よりなる逆止弁を設け、外筒から食塩筒を取り外した状態で外筒に設けた連通口を開とすると共に外筒内に食塩筒をセットした状態でばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定し、上記塩溶解槽よりも上流側に設けた弁が開状態において循環ポンプのオンにより加圧された水によりばね材に抗して弁体を押し上げて連通口を開とし、循環ポンプのオフによりばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定してあるので、食塩が不足して補充をする際に、塩溶解槽から食塩筒を取り出すことで、逆止弁が機能しないようにして塩溶解槽内に残っている残水を排水でき、これにより食塩を補充した食塩筒をセットする際に塩溶解槽の外に水が溢れ出ることがないものである。
【0038】
また、請求項3記載の発明にあっては、浴槽水を循環水路に循環させる循環ポンプと、浴槽水をろ過するろ過槽とを備え、循環水路のろ過槽よりも上流側にバイパス路を設け、バイパス路の途中を第1分岐路と第2分岐路とに分岐し、第1分岐路に電解槽を設け、第2分岐路に塩溶解槽を設け、第2分岐路の下流側の端部を電解槽に連通接続し、第1分岐路の下流側を循環水路のろ過槽よりも上流側に連通接続し、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際に開となり且つ塩溶解槽から供給された食塩水を電解槽内で電解して生成された塩素水をろ過槽を経て吐出口から吐出する際には閉となる弁を第2分岐路の塩溶解槽よりも上流側に設けてあるので、浴槽の浴槽水を循環水路を循環させてろ過槽により浄化して浴槽に返送することで浴槽水の浄化ができて長期間にわたって浴槽水を入れ替えることなく使用できるのみならず、長期間浴槽水を入れ替えることなく使用できるようにしたものにおいて、塩溶解槽から食塩水を電解槽に供給し、電解槽で電解して塩素水を生成し、この塩素水をろ過槽を経て吐出口から浴槽に吐出することで、ろ過槽、配管、浴槽内の浴槽水を塩素水で殺菌することができ、しかも、上記弁が開状態において循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際、開となった弁を経て第2分岐路から塩溶解槽への水の流入を可とし且つ塩溶解槽から開となった弁を経て第2分岐路に水が逆流するのを防止するための逆止弁を第2分岐路の塩溶解槽への連通口に配置してあるので、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給して電解槽内を所定の塩濃度にするに当たり、弁を開にした状態で循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返しても、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプのオフ時に塩溶解槽内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽から開となった弁を経て上流側に逆流するのを逆止弁により防止することができ、この結果、塩溶解槽内の食塩の無駄な消費を防止することができ、コストを低減できるものである。
【0039】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項3記載の発明の効果に加えて、外筒に食塩筒を挿入して内装することで塩溶解槽を構成し、食塩筒の底面部にばね材で下方に弾性付勢された弁体よりなる逆止弁を設け、外筒から食塩筒を取り外した状態で外筒に設けた連通口を開とすると共に外筒内に食塩筒をセットした状態でばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定し、上記塩溶解槽よりも上流側に設けた弁が開状態において循環ポンプのオンにより加圧された水によりばね材に抗して弁体を押し上げて連通口を開とし、循環ポンプのオフによりばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定してあるので、食塩が不足して補充をする際に、塩溶解槽から食塩筒を取り出すことで、逆止弁が機能しないようにして塩溶解槽内に残っている残水を排水でき、これにより食塩を補充した食塩筒をセットする際に塩溶解槽の外に水が溢れ出ることがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の殺菌装置の配管構成図である。
【図2】同上の制御ブロック図である。
【図3】同上の殺菌装置の他の実施形態の配管構成図である。
【図4】本発明の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置の配管構成図である。
【図5】同上の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置の他の実施形態の配管構成図である。
【図6】(a)は循環ポンプを停止している場合における塩溶解槽内の水位を示す説明図であり、(b)は循環ポンプを運転している場合における塩溶解槽内の水位を示す説明図であり、(c)は循環ポンプ運転後に循環ポンプの運転をオフした場合における塩溶解槽内の水位を示す説明図である。
【図7】(a)(b)はそれぞれ本発明において食塩筒を外筒内にセットした状態を示す説明図であり、(c)は外筒から食塩筒を取り外した状態を示す説明図である。
【図8】従来例の配管構成図である。
【符号の説明】
1 循環水路
2 循環ポンプ
3 ろ過槽
4 バイパス路
5 電極
6 電解槽
7 弁
10 浴槽
16 第1分岐路
17 第2分岐路
18 弁
19 塩溶解槽
25 逆止弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、循環水を殺菌するための殺菌装置及び殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭用の風呂において24時間の入浴を可能としたものが提供されている。この場合、浴槽10内の浴槽水を長期間使用可能とするために浴槽水を常時もしくは周期的に浄化・殺菌する必要がある。このために、図8に示すように、浴槽水を循環水路1に循環させる循環ポンプ2と、浴槽水をろ過するろ過槽3とを備え、循環水路1中にバイパス路4を設け、バイパス路4中に塩溶解槽19と、その下流側に一対の電極5を内蔵した電解槽6とを設け、バイパス路4の下流側をろ過槽の1次側に接続し、電解槽6の上流側に弁7を設けると共に塩溶解槽19の上流側に弁18を設けた浴槽水循環浄化装置が提案されている。
【0003】
上記従来例において、塩素の生成は、まず電解槽6に塩溶解槽19から食塩水を供給する。この食塩水の供給に当たっては、塩溶解槽19の上流の弁18を開けた後、循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しながら(つまり循環ポンプ2を寸動させながら)、電解槽6内に設けた一対の電極5間の電気伝導度を測定しつつ電解槽6内の塩濃度を測定し、目的とする塩濃度となると循環ポンプ2を停止すると共に弁18を閉じる。次に、電解槽6の電極5間に電圧を印加して、遊離塩素を生成する。次に、電解槽6の上流側の弁7を開き、電解槽6で生成した塩素水を浴槽水に供給して殺菌をするようになっている。
【0004】
ところが、上記の従来例においては、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たり、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返すので、上記循環ポンプ2のオンとオンの間のオフ時に塩溶解槽19内の食塩水は水に比べて比重が大きいので、開となった弁18を経て上流側に流出するという問題があり、食塩が無駄に消費されて、塩溶解槽19内の食塩の消費が速くなってしまうという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給するに当たって、循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返す動作を行う際、循環ポンプがオフの時に塩溶解槽から上流側に食塩水が流出するのを防止し、塩溶解槽内の食塩の無駄な消費を無くすことができる殺菌装置及び殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る殺菌装置は、一端の吸い込み口8から循環水を吸い込んで他端の吐出口9から吐出する循環ポンプ2を備えた循環水路1の途中を第1分岐路16と第2分岐路17とに分岐し、第1分岐路16に電解槽6を設け、第2分岐路17に塩溶解槽19を設け、第2分岐路17の下流側の端部を電解槽6に連通接続し、第1分岐路16の下流側を循環水路1側に連通し、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際に開となり、塩溶解槽19から供給された食塩水を電解槽6内で電解して生成された塩素水を吐出口から吐出する際には閉となる弁18を第2分岐路17の塩溶解槽19よりも上流側に設け、上記弁18が開状態において循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を第2分岐路17の塩溶解槽19への連通口32に配置して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たり、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しても、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプ2のオフ時に塩溶解槽19内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽19から開となった弁18を経て上流側に逆流することがなく、したがって、食塩が無駄に消費されて、塩溶解槽19内の食塩の無駄な消費を防止することができるものである。
【0007】
また、外筒19aに食塩筒19bを挿入して内装することで塩溶解槽19を構成し、食塩筒19bの底面部にばね材31で下方に弾性付勢された弁体27よりなる逆止弁25を設け、外筒19aから食塩筒19bを取り外した状態で外筒19aに設けた連通口32を開とすると共に外筒19a内に食塩筒19bをセットした状態でばね材31のばね力で弁体27により連通口32を閉じるように設定し、上記塩溶解槽19よりも上流側に設けた弁18が開状態において循環ポンプ2のオンにより加圧された水によりばね材31に抗して弁体27を押し上げて連通口32を開とし、循環ポンプのオフによりばね材31のばね力で弁体27により連通口32を閉じるように設定してあるので、食塩筒19bを塩溶解槽19の外筒19aにセットしてない状態では塩溶解槽19内の水を排出して、塩を補充した食塩筒19bを塩溶解槽19にセットする際に塩溶解槽19の上開口から水があふれ出ないようにできるものである。
【0008】
また、本発明の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置は、浴槽水を循環水路1に循環させる循環ポンプ2と、浴槽水をろ過するろ過槽3とを備え、循環水路1のろ過槽3よりも上流側にバイパス路4を設け、バイパス路4の途中を第1分岐路16と第2分岐路17とに分岐し、第1分岐路16に電解槽6を設け、第2分岐路17に塩溶解槽19を設け、第2分岐路17の下流側の端部を電解槽6に連通接続し、第1分岐路16の下流側を循環水路1のろ過槽3よりも上流側に連通接続し、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際に開となり且つ塩溶解槽19から供給された食塩水を電解槽6内で電解して生成された塩素水をろ過槽3を経て吐出口9から吐出する際には閉となる弁18を第2分岐路17の塩溶解槽19よりも上流側に設け、上記弁18が開状態において循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を第2分岐路17の塩溶解槽19への連通口32に配置して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、浴槽10の浴槽水を循環水路2を循環させてろ過槽3により浄化して浴槽10に返送することで浴槽水の浄化ができて長期間にわたって浴槽水を入れ替えることなく使用できるのみならず、このように長期間浴槽水を入れ替えることなく使用できるようにしたものにおいて、塩溶解槽19から食塩水を電解槽6に供給し、電解槽6で電解して塩素水を生成し、この塩素水をろ過槽3を経て吐出口9から浴槽10に吐出することで、ろ過槽3、配管、浴槽内の浴槽水を塩素水で殺菌することができるものである。そして、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たり、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しても、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプ2のオフ時に塩溶解槽19内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽19から開となった弁18を経て上流側に逆流することがなく、したがって、塩溶解槽19内の食塩の無駄な消費を防止することができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1には本発明の装置の殺菌装置の配管構成図が示してある。循環水路1は一端に吸い込み口8を設けると共に他端に吐出口9を設けてある。上記吸い込み口8と吐出口9とは殺菌しようとする水中に浸漬させてある。殺菌しようとする対象の水としては例えば浴槽10内の浴槽水が考えられるが、浴槽水以外の液体中に浸漬して該液体の殺菌にも使用できるのはもちろんである。
【0011】
循環水路1には循環ポンプ2が設けてあり、更に、循環水路1の循環ポンプ2よりも下流側の途中が第1分岐路16と第2分岐路17とに分岐してある。第1分岐路16には上流側から下流側にかけて順に弁7、電解槽6を設けてあり、第2分岐路17には上流側から下流側にかけて順に弁18、塩溶解槽19を設けてある。第2分岐路17の下流側の端部が電解槽6に連通接続してある。第2分岐路17の塩溶解槽19と電解槽6との間の部分の流路は、塩溶解槽19の上部の上出口28aと電解槽6の上端部とを連通する流路17aと、塩溶解槽19の下部の下出口28bから導出されて上記流路17aに合流する流路17bとで構成してある。
【0012】
塩溶解槽19は外筒19aと、外筒19aの上開口から食塩を収納した食塩筒19bを外筒19a内に挿入して内装することで構成してある。食塩筒19bを外筒19a内に内装してセットした場合、食塩筒19bに付設した又は別体の蓋部19cにより外筒19aの上開口を閉じるようになっている。食塩筒19bの底面部には逆止弁25が設けてある。この逆止弁25は、図7(a)に示すように、食塩筒19bの底面部に設けた凹所26内に上下移動自在に弁体27の上部をはめ込んであり、この弁体27に設けたストッパ部29aを凹所26に設けた被ストッパ部29bに係止自在として上下移動自在な弁体27が凹所26から下方に脱落しないようになっている。また、弁体27と凹所26の上面との間にはばね材31が介在してあって弁体27を常時下方に向けて弾性付勢している。したがって、外筒19a内に食塩筒19bを内装してセットした場合、弁体27の下端部が外筒19aの底面部に設けた第2分岐路17の外筒19aへの連通口32を閉じるようになっている。そして、弁18を開にした状態で、第2分岐路17の上流側から循環ポンプ2により水が加圧されて供給された場合には図7(b)に示すように弁体27をばね材31に抗して水圧により押し上げて水が塩溶解槽19内に流入できるが、弁18を開にした状態で、循環ポンプ2がオフの時には弁体27が連通口32をばね材31のばね力により閉じて塩溶解槽19内の水よりも比重の大きい食塩水が弁18を開にした第2分岐路17の上流側に流出するのが防止されるようになっている。このように、逆止弁25は塩溶解槽19内に食塩を入れた食塩筒19bを内装した際にのみ逆止弁25として機能するようになっている。
【0013】
電解槽6は一対の不溶性電極板よりなる電極5を隔膜を介することなく対向配置した無隔膜タイプのものとして形成してある。ここで、電極5を構成する電極板の形状は電解槽6の下方まで達する長方形である。電極5には直流電圧が印加されるようになっており、電極5への電圧の印加は制御部20の制御により行われる。塩溶液には塩素イオン(Cl−)が含まれているが、電解槽6で電極5に直流電圧を印加して塩素イオン(Cl−)の一部を電気分解すると、塩素イオン(Cl−)は塩素(Cl2)や次亜塩素酸イオン(ClO−)に交換され、浴槽水に殺菌力を持たせることができるようになっている。
【0014】
図2には上記殺菌装置の制御ブロック図が示してあり、操作部材31を操作することで制御部20により循環ポンプ2の運転の制御、弁7、18の開閉の制御、電極5への電圧の印可の制御を行うようになっている。
【0015】
しかして、塩溶解槽19から電解槽6への食塩水の供給に当たっては、弁18を開にして循環ポンプ2を運転して塩溶解槽19内の食塩水を電解槽6に供給する。ここで、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たり、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しながら(つまり循環ポンプ2を寸動させながら)塩溶解槽19内の食塩水を電解槽6に少しずつ供給し、この際、電解槽6内に設けた一対の電極5間の電気伝導度を測定しながら電解槽6内の塩濃度を測定し、目的とする塩濃度となると循環ポンプ2を停止すると共に弁18を閉じるのであるが、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプ2のオフ時に塩溶解槽19内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽19から開となった弁18を経て上流側に逆流しようとする。ところが、本発明においては、上記塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を設けてあるので、塩溶解槽6から上流側に水よりも比重の大きい食塩水が比重差により流れ出るのが防止され、塩溶解槽19内の食塩の無駄な消費を防止することができるものである。
【0016】
上記塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、弁7は閉又は開である。
【0017】
上記のようにして、電解槽6内の食塩濃度が所定の濃度となると、弁18、弁7を閉とし、電極5に電圧を印可する。ここで、塩溶液には塩素イオン(Cl−)が含まれているが、電解槽6で電極5に直流電圧を印加して塩素イオン(Cl−)の一部を電気分解すると、塩素イオン(Cl−)は塩素(Cl2)や次亜塩素酸イオン(ClO−)に交換されて塩素水を生成し、この塩素水は殺菌力を有することになる。このようにして電解槽6において塩素水を生成した後、弁18を閉、弁7を開にした状態で循環ポンプ2を運転して電解槽6内の塩素水を循環水路1の吐出口9から浴槽10などの殺菌しようとする液体を入れた槽内に吐出して、該槽内の液体を殺菌するものである。
【0018】
塩溶解槽19内における食塩が減少すると、操作部30に設けた運転スイッチを停止して食塩筒19bを外筒19aから取り外して食塩筒19b内に食塩を補充するものである。運転スイッチを停止すると弁18が開となり、食塩筒19bを取り外すことで逆止弁25が機能しない状態となって図7(c)のように連通口32が開放され、塩溶解槽19内に溜まっている水が外筒19aの底面部の開口から弁18を介して上流側に排出される。これにより、新たに食塩を補充した食塩筒19を外筒19a内に入れる際に、外筒19aの上開口から水が溢れ出ることがないものである。
【0019】
なお、図3には本発明の殺菌装置の他の実施形態が示してある。本実施形態における殺菌装置は図1に示す殺菌装置と基本的な構造は同じであり、第2分岐路17の流路17aの流路17bと合流する位置よりも下流側に塩溶解槽19から電解槽6にのみ水が流れる方向性を有する逆止弁11を設けた構成が図1のものと異なる。本実施形態のように、第2分岐路17の流路17aの流路17bと合流する位置よりも下流側に塩溶解槽19から電解槽6にのみ水が流れる方向性を有する逆止弁11を設けておくと、循環ポンプ2が運転して塩素水を供給している時に水圧で電解槽6から塩溶解槽19に水が逆流するのを逆止弁11により防止して塩溶解槽19の水位が上昇するのを防止し、循環ポンプ2を停止しても塩溶解槽19から水位が上昇した分の食塩水が電解槽6に流入しないようになっていて過剰な塩の消費を抑えるようになっている。
【0020】
次に、殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置について説明する。
【0021】
図4には殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置の配管構成図の一実施形態が示してある。循環水路1は一端に吸い込み口8を設けると共に他端に吐出口9を設けてあり、上記吸い込み口8と吐出口9とが浴槽10内の浴槽水中に浸漬させてある。
【0022】
循環水路1には上流側から下流側にかけて順に循環ポンプ2、ヒータ12、弁13が設けてあり、また、循環水路1は循環ポンプ2よりも下流側で通水水路1aと浄化水路1bとの2つの水路に分岐し、この通水水路1aと浄化水路1bはヒータ12の上流側において再び合流している。なお、通水水路1aにヒータ12を設け、浄化水路1bをヒータ12よりも下流側で合流させるようにしてもよいものである。
【0023】
循環水路1の一部を構成する浄化水路1bにはろ過槽3が設けてあり、浄化水路1bのろ過槽3よりも上流側に弁14が設けてあり、また、浄化水路1bのろ過槽3よりも下流側に弁15が設けてある。
【0024】
浄化水路1bの弁14よりも上流側又は通水水路1aのヒータ12よりも上流側にバイパス路4の一端部が接続してあり、バイパス路4の他端部が浄化水路1bの弁14とろ過槽3との間に接続してある。このバイパス路4の途中は第1分岐路16と第2分岐路17とに分岐しており、第1分岐路16には上流側から下流側にかけて順に弁7、電解槽6が設けてある。また、第2分岐路17は上流側から下流側にかけて順に弁18、塩溶解槽19が設けてあり、第2分岐路17の下流側の端部が電解槽6に連通接続してある。第2分岐路17の塩溶解槽19と電解槽6との間の部分の流路は塩溶解槽19の上部の上出口28aから導出された流路17aと塩溶解槽19の下部の下出口28bから導出されて上記流路17aに合流する流路17bとで構成してある。
【0025】
塩溶解槽19は図1に示す殺菌装置と同じ構成となっており、また、図1に示す殺菌装置と同様に塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を設けてある。塩溶解槽19、逆止弁25の具体的構成については前述の通りであるので詳細な説明は省略する。
【0026】
塩溶解槽19には食塩が収納される。また、電解槽6は一対の不溶性電極板よりなる電極5を隔膜を介することなく対向配置した無隔膜タイプのものとして形成してある。ここで、電極5を構成する電極板の形状は電解槽6の下方まで達する長方形である。電極5には直流電圧が印加されるようになっており、電極5への電圧の印加は制御部20の制御により行われる。塩溶液には塩素イオン(Cl−)が含まれているが、電解槽6で電極5に直流電圧を印加して塩素イオン(Cl−)の一部を電気分解すると、塩素イオン(Cl−)は塩素(Cl2)や次亜塩素酸イオン(ClO−)に交換され、浴槽水に殺菌力を持たせることができるようになっている。
【0027】
ろ過槽3内には中空糸膜のような精密ろ過材よりなるろ材3aが設けてある。ろ過槽3内には浄化水路1bから供給される浴槽水の噴出口21が設けてあり、この噴出口21から噴出水がろ材3aの上流側の面に向けて噴出するようになっている。
【0028】
上記のような構成の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置は「通常循環」モード、「食塩水供給」モード、「電解」モード、「塩素水供給」モード等の諸モードを切り替えて運転することができるようになっている。これらのモード切り換えによる各弁の切り換え、循環ポンプ2の運転は制御部20による制御により行われるものである。また、電解時における電極5への電圧の印加も制御部20による制御により行われる。
【0029】
ここで、本発明の浴槽水循環浄化装置は通常循環運転時には、弁13、弁14、弁15をいずれも開、弁18、弁7をいずれも閉にして循環ポンプ2を運転するように制御されるものであり、この場合、循環ポンプ2の運転により吸い込み口8から循環水路1に吸い込まれた浴槽水の一部がろ過槽3を通過する際にろ材3aによりろ過されて浄化され、ヒータ12で加温されて、吐出口9から浴槽10中に返送されるものである(これが「通常循環モード」である)。ここで、循環水路1は循環ポンプ2よりも下流側で通水水路1aと浄化水路1bとの2つの水路に分岐しているので、浄化水路1b中に設けたろ過槽3内のろ材3aが目詰まりして浄化水路1bを流れる水量が減っても、この場合には通水水路1aを流れる水量が増えることで、循環水路1全体を流れる浴槽水の水量は変わらず、ヒータ12による加温された浴槽水の返送により浴槽10内における浴槽水の温度低下を防いでいる。
【0030】
殺菌(または制菌)運転に当っては、「食塩水供給」モード→「電解」モード→「塩素水供給」モードの順で運転するものである。すなわち、弁13、弁14、弁15、弁18をいずれも開、弁7を閉にした状態で循環ポンプ2を運転することで、塩溶解槽19から食塩水が電解槽6に供給される(これが「食塩水供給」モードである)。この「食塩水供給」モードにおいて、塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給して電解槽6内を所定の塩濃度にするに当たっては、弁18を開にした状態で循環ポンプ2のオン、オフを小刻みに繰り返しながら(つまり循環ポンプ2を寸動させながら)塩溶解槽19内の食塩水を電解槽6に少しずつ供給し、この際、電解槽6内に設けた一対の電極5間の電気伝導度を測定しながら電解槽6内の塩濃度を測定し、目的とする塩濃度となると循環ポンプ2を停止すると共に弁18を閉じるのであるが、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプ2のオフ時に塩溶解槽19内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽19から開となった弁18を経て上流側に逆流しようとする。ところが、本発明においては、上記塩溶解槽19から電解槽6に食塩水を供給する際、開となった弁18を経て第2分岐路17から塩溶解槽19への水の流入を可とし且つ塩溶解槽19から開となった弁18を経て第2分岐路17に水が逆流するのを防止するための逆止弁25を設けてあるので、塩溶解槽6から上流側に水よりも比重の大きい食塩水が比重差により流れ出るのが防止され、塩溶解槽19内の食塩の無駄な消費を防止することができるものである。
【0031】
上記のようにして、電解槽6に食塩水を供給した後、弁13、弁14、弁15をいずれも開、弁18、弁7をいずれも閉とした状態で電極5に電圧を印加して電気分解することで、塩素を発生させる(これが「電解」モードである)。この場合循環ポンプ2は運転しておく。次に、弁13、弁14、弁15、弁7をいずれも開、弁18を閉とし、この状態で循環ポンプ2を運転すると電解槽6内の塩素水がろ過槽3に供給され、ろ材3aを通過して浴槽水と一緒に浴槽10に流れ込む(これが「塩素水供給」モードである)。このように塩素水を循環水路1に流すことで、浴槽水や装置内の病原性細菌を抑制し、不快感を与えるヌメリを取り除くものである。なお、食塩水供給に当っては弁13、弁14、弁15をいずれも開、弁7を閉にした状態で循環ポンプ2を運転しながら、弁18の開閉を繰り返し制御しながら電解槽6内の塩濃度が一定濃度となるようにしてもよい。
【0032】
また、塩溶解槽19内における食塩が減少した場合、運転スイッチを停止して食塩筒19bを外筒19aから取り外して食塩筒19b内に食塩を補充するものである。ここで、運転スイッチを停止すると弁18が開となり、食塩筒19bを取り外すことで逆止弁25が機能しない状態となって図7(c)のように連通口32が開放され、塩溶解槽19内に溜まっている水が外筒19aの底面部の開口から弁18を介して上流側に排出される。これにより、新たに食塩を補充した食塩筒19を外筒19a内に入れる際に、外筒19aの上開口から水が溢れ出ることがないものである。
【0033】
図5には本発明の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置の他の実施形態が示してある。本実施形態においては、殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置は図4に示すものと基本的な構造は同じであり、第2分岐路17の流路17aの流路17bと合流する位置よりも下流側に塩溶解槽19から電解槽6にのみ水が流れる方向性を有する逆止弁11を設けた構成が図4のものと異なる。本実施形態のように、第2分岐路17の流路17aの流路17bと合流する位置よりも下流側に塩溶解槽19から電解槽6にのみ水が流れる方向性を有する逆止弁11を設けておくと、循環ポンプ2が運転しているときに水圧で電解槽6から塩溶解槽19に水が逆流して塩溶解槽19の水位が上昇しようとしても逆止弁11により阻止されるものである。これにより、塩溶解槽19内の水位が所定水位よりも余分に上昇し、この余分に上昇した分の食塩水が循環ポンプ2の運転停止により圧力が解除されることで塩溶解槽19から電解槽6に食塩水が流入するというような現象を防止することができるようになっている。つまり、循環ポンプ2のオン、オフや流路の変更時に、呼吸作用により塩溶解槽19から電解槽6に食塩水が流入することがないものである。したがって、電解時に食塩濃度の制御ができなくなったり、塩溶解槽19内の食塩の消費が速くなってしまうことをなくすことが可能となるものである。
【0034】
図6(a)は循環ポンプ2の停止状態における塩溶解槽19内の水位を示しており、図6(b)は循環ポンプ2を運転している場合における塩溶解槽19内の水位を示しており、図6(c)は循環ポンプ2運転後に循環ポンプ2の運転をオフした場合における塩溶解槽19内の水位を示しており、図6(a)(b)(c)のいずれの場合にも塩溶解槽19内の水位W1は同じである。
【0035】
また、本実施形態においても隔壁26を設けることで、塩溶解槽19側の配管のうち逆止弁11と連通口25との間の配管に電解槽6から電解により発生した酸素ガスや水素ガスが流入して該配管中に残っている食塩水と入れ替わって電解槽6側に流れ込まないようになっている。
【0036】
【発明の効果】
上記の請求項1記載の本発明にあっては、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際に開となり、塩溶解槽から供給された食塩水を電解槽内で電解して生成された塩素水を吐出口から吐出する際には閉となる弁を第2分岐路の塩溶解槽よりも上流側に設け、上記弁が開状態において循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際、開となった弁を経て第2分岐路から塩溶解槽への水の流入を可とし且つ塩溶解槽から開となった弁を経て第2分岐路に水が逆流するのを防止するための逆止弁を第2分岐路の塩溶解槽への連通口に配置してあるので、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給して電解槽内を所定の塩濃度にするに当たり、弁を開にした状態で循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返しても、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプのオフ時に塩溶解槽内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽から開となった弁を経て上流側に逆流するのを逆止弁により防止することができ、この結果、塩溶解槽内の食塩の無駄な消費を防止することができ、コストを低減できるものである。
【0037】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、外筒に食塩筒を挿入して内装することで塩溶解槽を構成し、食塩筒の底面部にばね材で下方に弾性付勢された弁体よりなる逆止弁を設け、外筒から食塩筒を取り外した状態で外筒に設けた連通口を開とすると共に外筒内に食塩筒をセットした状態でばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定し、上記塩溶解槽よりも上流側に設けた弁が開状態において循環ポンプのオンにより加圧された水によりばね材に抗して弁体を押し上げて連通口を開とし、循環ポンプのオフによりばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定してあるので、食塩が不足して補充をする際に、塩溶解槽から食塩筒を取り出すことで、逆止弁が機能しないようにして塩溶解槽内に残っている残水を排水でき、これにより食塩を補充した食塩筒をセットする際に塩溶解槽の外に水が溢れ出ることがないものである。
【0038】
また、請求項3記載の発明にあっては、浴槽水を循環水路に循環させる循環ポンプと、浴槽水をろ過するろ過槽とを備え、循環水路のろ過槽よりも上流側にバイパス路を設け、バイパス路の途中を第1分岐路と第2分岐路とに分岐し、第1分岐路に電解槽を設け、第2分岐路に塩溶解槽を設け、第2分岐路の下流側の端部を電解槽に連通接続し、第1分岐路の下流側を循環水路のろ過槽よりも上流側に連通接続し、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際に開となり且つ塩溶解槽から供給された食塩水を電解槽内で電解して生成された塩素水をろ過槽を経て吐出口から吐出する際には閉となる弁を第2分岐路の塩溶解槽よりも上流側に設けてあるので、浴槽の浴槽水を循環水路を循環させてろ過槽により浄化して浴槽に返送することで浴槽水の浄化ができて長期間にわたって浴槽水を入れ替えることなく使用できるのみならず、長期間浴槽水を入れ替えることなく使用できるようにしたものにおいて、塩溶解槽から食塩水を電解槽に供給し、電解槽で電解して塩素水を生成し、この塩素水をろ過槽を経て吐出口から浴槽に吐出することで、ろ過槽、配管、浴槽内の浴槽水を塩素水で殺菌することができ、しかも、上記弁が開状態において循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際、開となった弁を経て第2分岐路から塩溶解槽への水の流入を可とし且つ塩溶解槽から開となった弁を経て第2分岐路に水が逆流するのを防止するための逆止弁を第2分岐路の塩溶解槽への連通口に配置してあるので、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給して電解槽内を所定の塩濃度にするに当たり、弁を開にした状態で循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返しても、上記オンとオフを小刻みに繰り返す循環ポンプのオフ時に塩溶解槽内の比重の大きい食塩水が塩溶解槽から開となった弁を経て上流側に逆流するのを逆止弁により防止することができ、この結果、塩溶解槽内の食塩の無駄な消費を防止することができ、コストを低減できるものである。
【0039】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項3記載の発明の効果に加えて、外筒に食塩筒を挿入して内装することで塩溶解槽を構成し、食塩筒の底面部にばね材で下方に弾性付勢された弁体よりなる逆止弁を設け、外筒から食塩筒を取り外した状態で外筒に設けた連通口を開とすると共に外筒内に食塩筒をセットした状態でばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定し、上記塩溶解槽よりも上流側に設けた弁が開状態において循環ポンプのオンにより加圧された水によりばね材に抗して弁体を押し上げて連通口を開とし、循環ポンプのオフによりばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定してあるので、食塩が不足して補充をする際に、塩溶解槽から食塩筒を取り出すことで、逆止弁が機能しないようにして塩溶解槽内に残っている残水を排水でき、これにより食塩を補充した食塩筒をセットする際に塩溶解槽の外に水が溢れ出ることがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の殺菌装置の配管構成図である。
【図2】同上の制御ブロック図である。
【図3】同上の殺菌装置の他の実施形態の配管構成図である。
【図4】本発明の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置の配管構成図である。
【図5】同上の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置の他の実施形態の配管構成図である。
【図6】(a)は循環ポンプを停止している場合における塩溶解槽内の水位を示す説明図であり、(b)は循環ポンプを運転している場合における塩溶解槽内の水位を示す説明図であり、(c)は循環ポンプ運転後に循環ポンプの運転をオフした場合における塩溶解槽内の水位を示す説明図である。
【図7】(a)(b)はそれぞれ本発明において食塩筒を外筒内にセットした状態を示す説明図であり、(c)は外筒から食塩筒を取り外した状態を示す説明図である。
【図8】従来例の配管構成図である。
【符号の説明】
1 循環水路
2 循環ポンプ
3 ろ過槽
4 バイパス路
5 電極
6 電解槽
7 弁
10 浴槽
16 第1分岐路
17 第2分岐路
18 弁
19 塩溶解槽
25 逆止弁
Claims (4)
- 一端の吸い込み口から循環水を吸い込んで他端の吐出口から吐出する循環ポンプを備えた循環水路の途中を第1分岐路と第2分岐路とに分岐し、第1分岐路に電解槽を設け、第2分岐路に塩溶解槽を設け、第2分岐路の下流側の端部を電解槽に連通接続し、第1分岐路の下流側を循環水路側に連通し、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際に開となり、塩溶解槽から供給された食塩水を電解槽内で電解して生成された塩素水を吐出口から吐出する際には閉となる弁を第2分岐路の塩溶解槽よりも上流側に設け、上記弁が開状態において循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際、開となった弁を経て第2分岐路から塩溶解槽への水の流入を可とし且つ塩溶解槽から開となった弁を経て第2分岐路に水が逆流するのを防止するための逆止弁を第2分岐路の塩溶解槽への連通口に配置して成ることを特徴とする殺菌装置。
- 外筒に食塩筒を挿入して内装することで塩溶解槽を構成し、食塩筒の底面部にばね材で下方に弾性付勢された弁体よりなる逆止弁を設け、外筒から食塩筒を取り外した状態で外筒に設けた連通口を開とすると共に外筒内に食塩筒をセットした状態でばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定し、上記塩溶解槽よりも上流側に設けた弁が開状態において循環ポンプのオンにより加圧された水によりばね材に抗して弁体を押し上げて連通口を開とし、循環ポンプのオフによりばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定して成ることを特徴とする請求項1記載の殺菌装置。
- 浴槽水を循環水路に循環させる循環ポンプと、浴槽水をろ過するろ過槽とを備え、循環水路のろ過槽よりも上流側にバイパス路を設け、バイパス路の途中を第1分岐路と第2分岐路とに分岐し、第1分岐路に電解槽を設け、第2分岐路に塩溶解槽を設け、第2分岐路の下流側の端部を電解槽に連通接続し、第1分岐路の下流側を循環水路のろ過槽よりも上流側に連通接続し、塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際に開となり且つ塩溶解槽から供給された食塩水を電解槽内で電解して生成された塩素水をろ過槽を経て吐出口から吐出する際には閉となる弁を第2分岐路の塩溶解槽よりも上流側に設け、上記弁が開状態において循環ポンプのオン、オフを小刻みに繰り返して塩溶解槽から電解槽に食塩水を供給する際、開となった弁を経て第2分岐路から塩溶解槽への水の流入を可とし且つ塩溶解槽から開となった弁を経て第2分岐路に水が逆流するのを防止するための逆止弁を第2分岐路の塩溶解槽への連通口に配置して成ることを特徴とする殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置。
- 外筒に食塩筒を挿入して内装することで塩溶解槽を構成し、食塩筒の底面部にばね材で下方に弾性付勢された弁体よりなる逆止弁を設け、外筒から食塩筒を取り外した状態で外筒に設けた連通口を開とすると共に外筒内に食塩筒をセットした状態でばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定し、上記塩溶解槽よりも上流側に設けた弁が開状態において循環ポンプのオンにより加圧された水によりばね材に抗して弁体を押し上げて連通口を開とし、循環ポンプのオフによりばね材のばね力で弁体により連通口を閉じるように設定して成ることを特徴とする請求項3記載の殺菌装置を備えた浴槽水循環浄化装置。
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