JP3670746B2 - 重量物の移動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、都市の道路沿いの地下に敷設される地下ケーブル等の接続部の真上路面を被装させる重量蓋や下水道のマンホールの重量蓋の開閉移動、更に重量物体(貨物・コンテナ)の移動等に使用される重量物の移動装置に関し、移動装置を省スペース化するとともに、長尺物の重量物を軽快な手操作で移動できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市の道路沿いの地下に敷設される地下ケーブル等の接続部の真上路面を被装させる重量蓋の開閉移動や下水道のマンホールの重量蓋の開閉移動、更に重量物体(貨物・コンテナ)の少距離移動等には、各種のリフト工具や移動装置が使用されている。例えば図14に示すように、地下ケーブル等の接続部の真上路面を被装させる重量蓋1やマンホールの重量蓋1を移動させるリフト工具として使用されている移動装置10は、矩形又は円盤形の重量蓋1をテコの原理により引き上げるものである。
【0003】
その使用方法は、先ず、図15に示すように、重量蓋1の両隅に取付けた固定具3のアタッチメント5の先端に設けたノックピン7を押さえながら、2つの移動装置10の本体孔10Bを組付ける。続いて、図16に示すように、移動装置10の本体10Aを垂直に起こし、図17のように大きな車輪10Cを足で押さえながら手前へ順次倒していく。これで、点線で示すように、重量蓋1が持ち上げられる。そして、図14,18に示すように、2つの移動装置10に4つの車輪10C,10Dで重量蓋1を移動可能に載せ、図示方向へ移動させる。尚、重量蓋1を閉じる場合は、逆の手順により行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記重量蓋1を移動させる移動装置10においては、操作手順が煩雑であるため操作に熟練を要するし、移動操作に多くの時間を要するため、簡便に移動作業を済ませたいという要求に不向きである。また、重量蓋1を移動させるとき、水平姿勢を維持させた状態での操作が困難である。
【0005】
他方、重量物体(貨物・コンテナ)の少距離移動には、油圧シリンダによる昇降機器が使用されている。この移動装置では、油圧シリンダを作動させるための油や油圧ユニットとこの駆動源を必要とするから、必然的に大きな据付スペースを取るほか、携帯に不便であり、常にメンテナンスを要し、更に、製造コストも高くつくという問題点がある。そこで、簡易手段としての重量物のジャッキがあるが、これも狭い空間内での使用時において、ジャッキの横幅寸法が広いため作業空間を狭くするし、またジャッキの操作方向も横方向からに限定され、重量物の移動操作に大きな力を必要とするなどの問題点がある。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、移動装置の省スペース化を図るとともに、長尺物の重量物を安定性良く平行状態に保ちつつ、且つ重量物の上側である広い空間側から軽快に手操作ができるようにした移動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1の重量物の移動装置は、一対の基板をリンク機構に連結して平行配置させ、上側基板の略中央に孔又は切欠きを設け、上記リンク機構は4本のリンク杆をピンにより連結して連結部を構成し、上記連結部のうち一方の対向する連結部を基板が接近・離反する方向に向けて配置するとともに、同方向であって上記孔又は切欠きの直下にネジ棒を配置してその両端を上記連結部に係合させ、且つ、その内の少なくとも一方側をネジ係合させ、又、上記リンク機構の各リンク杆は上記基板の接近・離反する方向と直交する方向に向く連結部側をそれぞれ延長形成し、延長形成されたそれぞれの先端部を基板に対し基板と平行にスライド可能に支持させたことを特徴とするもである。尚、上記両連結部とネジ棒とをネジ係合させる場合は、右ネジと左ネジの逆ネジとする必要がある。
【0008】
本発明の請求項1によると、重量物の移動に際して、移動装置を配置し、この一方の基板に重量物を載せる。次に、移動装置のリンク機構の連結部間に基板が接近・離反する方向に向けて配置されるとともにその両端を係合され、且つ少なくとも一方がネジ係合されたネジ棒を、同方向から操作ハンドルにより回転する。この操作により、パンタグラフ状リンク機構の上記連結部が互いに遠ざけられ、X字状に交差結合したリンク杆が拡開方向へ変位する。これによって、一対の基板が横方向へ移動することなく離反し平行姿勢のまま長尺物の重量物を移動させる。また、ネジ棒の逆転操作により、パンタグラフ状リンク機構の上記連結部が互いに引き寄せられ、X字状に交差結合したリンク杆が縮小方向へ変位するときも、一対の基板が横方向へ移動することなく接近し平行姿勢のまま長尺物の重量物を復帰させる。更に、パンタグラフ形のリンク機構を採用しているので、基板の移動ストロークを大きくとることができ、しかも軽い力で軽快に重量物を移動させることができる。
【0009】
本発明の請求項2の発明は、請求項1記載の重量物の移動装置において、各基板には、それぞれ両側に基板と平行する溝を形成し、各リンク杆の先端部を上記溝にスライド可能に支持させたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2によると、各リンク杆の先端部を上記各基板の溝にスライド可能に支持させているので、4本のリンク杆の先端部を円滑にスライドさせ、リンク機構の変位を軽快なものにしている。
【0011】
本発明の請求項3の発明は、請求項1又は2記載の重量物の移動装置において、少なくともいずれか一方の基板に、ネジ棒の基板長手方向の移動を規制する振止具を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項3によると、上記リンク杆の拡開・縮小運動に対して、連結部は振止具により、上下方向への移動を許容しつつ横ズレを拘束される。よって、ネジ棒の位置が規制され、確実なハンドル操作が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図について説明する。図1は本発明の重量物の移動装置を示す斜視図であり、図2は移動装置の正面図である。また、図3は移動装置の断面図であり、図4は作用を示す正面図である。そして、図5はネジ棒のネジ係合を示す正面図である。図6はネジ棒の断面図であり、図7はリンク杆のスライド部の変形例を示す正面図である。又、図8はシングル・リンク杆を示す平面図である。図9,10はネジ棒を基板の片側に配置した平面図である。
【0014】
まず、図1の本発明の実施形態を説明する。所定長さを有する一対の基板11,13があり、次のようにリンク機構Loにより連結されている。すなわち、リンク機構Loは、4本のリンク杆15,17をそれぞれ等長となるように中腹部を各々X字状にピンP1,P1で交差結合した2組のリンクによって形成されている。一方、上記一対の基板11,13の両端は、各基板の長手方向に向けた長孔11A,13Aを持つ支持板11B,13Bが各々付設されている。2組のリンクの各リンク杆15,17は、基板の接近・離反する方向と直交する方向に向く連結部P1側がそれぞれ延長形成されており(この部分を延長形成部15´,17´とする)、各延長形成部15´,17´の先端部15A,17Aに設けたピンP2,P2を上記長孔11A,13Aに対し、スライド可能に連結支持させている。そして、上記ピンP2,P2には、ローラ11C及びローラ13Eがそれぞれ転動自在に装着され、下側基板11の上面や上側基板13の下面に対して円滑な移動を可能にしている。尚、上記基板11は平坦な四角形の断面形状を有し、又、上側の基板13はL型の断面形状を有し、ガイドレールの機能を果たすようになっている。勿論、基板の形状は任意であり、ガイドレールの機能を必要としない時は、基板13は基板11と同様に平坦な四角形の断面形状としてもよい。又、上記2組のリンクの各リンク杆15,17の先端部15A,17Aは直接長孔11A,13Aにスライド可能に連結支持させたが、先端部15A,17Aに、更にX字状に交差結合したリンクを連結し(パンタグラフ形リンクを連続させて形成し)その先端部を基板に連結支持させることもできる。
【0015】
上記2組のリンクの各リンク杆15,17の内側先端部は、ピンP3,P3で連結され上下連結部(a),(b)を形成している。これにより、リンク機構Loは2組のリンクの各リンク杆15,17よりなるパンタグラフ状をなす。この上下連結部(a),(b)は、上下基板11,13間に浮上しており、対向し合う両連結部(a),(b)に連結具21,21を設け、これらを基板13が接近・離反する方向に向けて配置されたネジ棒19により連結する。上記連結部(a),(b)の少なくとも一方側をネジ係合させた状態にてネジ棒19と連結させている。図1,2に示す実施形態では、図5に示すように、ネジ棒19の上側を連結部(a)にネジ係合させている。ネジ棒19の下側段部19Aに設けた軸部19Bは基板11側の連結部(b)たる連結具21に回転可能に支持されている。ここには例えばメタル又はベアリングが使用されている。又、上記ネジ棒19の下端軸部19Bと係合した連結具21は、基板11上に固着した振止具23の二股片23A,23Bに遊びのある状態で上下方向への移動を許容しつつ左右方向(基板11の長手方向)への振れ止めがなされている。尚、振止具23は、両方の連結部に設けても良いし、ネジ棒19に設けても良い。
【0016】
上記連結部(a)がネジ棒19にネジ係合されているから、ネジ棒19の回転操作により、下側の連結部(b)をほぼ静止位置にして上側連結部(a)が連結部(b)に接近・離反移動する。これにより、上側連結部(a)は、図2に示すネジ棒19の最上位置から図4に示す最下位置の最大ストローク距離Xを移動することになり、2組のリンクのリンク杆15,17を拡開・縮小運動させる。このリンク杆15,17の拡開・縮小運動で4つのピンP2,P2が長孔11A,13A内をスライドして基板13を基板11に対して接近・離反移動させるようになっている。上記リンク杆15,17の拡開・縮小運動に対して、下側の連結部(b)は振止具23の二股片23A,23Bにより、上下方向への移動を許容しつつ横ズレを拘束される。更に、基板13の横ズレをより完全に防ぐために、基板13の左右位置において上下方向へ貫設した筒体29Aに、基板11上に立設した棒材29Bを挿入支持する案内部材29を備えている。左右の棒材29Bは、図4に示す最下位置に基板13が降下するとき、この基板13から上方へ突出するように、各々の位置に孔13Dを設けている。
【0017】
上記ネジ棒19は、図1,2,3に示すように、上側基板13の直下に位置し、上側基板13には、ネジ棒19の直上位置に孔13C又は切欠きが設けられている。上記孔13C又は切欠きから操作ハンドル27を挿入し、ネジ棒19の上端連結部19Dに操作ハンドル27を結合して操作できるようになっている。上記構成により、図1,3,6に示すように、移動装置100はその基板11,13の横幅寸法L内に納められ、全体を薄幅の省スペース形となし、狭い空間内での使用を容易にしている。
【0018】
上記本発明の実施形態によると、重量物の移動に際して、移動装置100を床面に配置し、この上側基板13に重量物を載せる。次に、上側基板13が下側基板11に対して接近・離反する方向に向けて回転可能に設けたネジ棒19を操作ハンドル27により回転させる。この操作により、一対の基板11,13と4本のリンク杆15,17をX字状に交差結合した2組のリンクが上方向へ拡開変位するとき、平行姿勢を保ったまま重量物を上昇させ、また、X字状に交差結合したリンク機構が下方向へ縮小変位するとき、重量物を同様に下降させる。
【0019】
上記実施形態によると、次のような効果を奏することができる。まず、重量物の移動装置100がその基板13の横幅寸法L内に納められ、全体を薄幅の省スペースに構成されているから、狭い空間内を最大限利用できるし、狭い空間内での使用を容易にする。又、ネジ棒19の直上位置の孔13C又は切欠から操作ハンドル27を挿入してネジ棒を操作することができるから、狭い空間内での横方向からのハンドル操作がなくなり、重量物の上側の広い空間でのハンドル操作が軽快にできる。更に、パンタグラフ形のリンク機構を採用しているので、基板の移動ストロークを大きくとることができ、しかも軽い力で軽快に重量物を移動させることができる。更に、長尺物の基板13が2組のリンクで平行姿勢を保って移動するから、長尺物の重量物も偏心荷重をかけず軽快に上下移動できる。
【0020】
次に、上記本発明の重量物の移動装置100を具体的な使用例で説明する。図11,12は、電線共同溝(C.C.BOX)として知られている地下ケーブル等の接続部51の真上路面を被装させる重量蓋1を移動させる実施例を示し、図13は重量物体(貨物・コンテナ)1´の少距離移動等に使用する実施例を示している。
【0021】
上記電線共同溝(C.C.BOX)53は、都市の景観・美観を図るべく開発されたもので、路面の地下空間を利用して2以上の電線管理者の電線(光ファイバー、電力、通信線)を共同して収容する施設であってC.C.BOX(CommunityCableBOX)と名付けられている。上記接続部51を納めたC.C.BOX53は、U字溝等からなるコンクリートの枠体40と、この上面に載せた鉄製枠体43を塞ぐ重量蓋1とからなり、内部空間Sには地中に埋設した多孔管50,50の各端が露出し、この内部空間Sに作業者が入ってメンテナンス作業を行う。このため、重量蓋1の移動装置100は鉄製枠体43の両隅に常時設置されているから、薄形で省スペースであること、又、移動操作が蓋の上部から行えることが必須条件となっている。
【0022】
上記枠体43は、2枚の重量蓋1を被せる大きさを有しており、この内部に各々2組ずつ4個の移動装置100を設置している。そして、図12のように、重量蓋1の上側から重量蓋1に開けた穴1Aと基板13に孔13Cとを介してハンドル27の下端をネジ棒19と連結して回転し、重量蓋1を上昇移動させる。カイドレール機能をもたせた基板13を路面Rの高さと一致させたところで、矢印のように、路面R上に重量蓋1をその下面のローラ1Bを転がして移動させる。重量蓋1を戻す場合は上記と逆の動作により行う。尚、各移動装置100の上側基板13はL型の断面形状を有しガイドレールの機能を果たすように形成されていて、この立ち上がり片を鉄製枠体43の内部側に配置することにより、重量蓋1をコロ1Bで動かす際にローラ1Bが外れないようにしている。
【0023】
上記地下ケーブルの接続部51を被装させる重量蓋1の開閉移動用に、本発明の薄形に形成した移動装置100を使用すると、パンタグラフ形のリンク機構を採用しているので、基板の移動ストロークを大きくとることができ、しかも軽い力で軽快に重量蓋を移動させることができる。又、大重量の重量蓋であっても、2組のリンクにより基板13は水平姿勢を確実に保って移動するから、偏心荷重がかからず重量蓋1を安定した姿勢で軽快に上下移動できる。又、薄幅に形成されているので狭い枠体40,43内のスペースを最大限に利用できる。更に、移動装置100の移動操作を重量蓋1の内側ではなく上側空間となる外部で行えるから、重量蓋1の移動操作が軽快にできる。
【0024】
次に、図13に示す使用例では、2組の移動装置100を配置し、この基板13,13間に重量物体1´を載せる。尚、重量物体1´は、基板上の孔13C又は切欠きの部分を塞がないように載置しているが、ネジ棒を側方に配置した場合はこのような必要はない。ここで、上側から操作ハンドル27を孔13C又は切欠きを介してネジ棒19と連結して回動し、重量物体1´を昇降移動させる。
【0025】
本発明の移動装置100を使用すると、パンタグラフ形のリンク機構を採用しているので、基板の移動ストロークを大きくとることができ、しかも軽い力で軽快に重量物体1´を移動させることができる。又、大重量の重量物体1´であっても、2組のリンクにより基板13は水平姿勢を確実に保って移動するから、偏心荷重がかからず重量物体1´を安定した姿勢で軽快に上下移動できる効果がある。又、薄幅に形成されているので狭いスペースでの使用も可能でありスペースを最大限に利用できる。更に、移動装置100の移動操作を重量物体1´の上側空間で行えるから、重量物体1´の移動操作が軽快にできる。
【0026】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく発明の要旨内において、設計変更を成し得ることは勿論である。例えば、図7に示すように、4本のリンク杆15,17の先端部15A,17Aに付設した摺動杆33を基板11,13上の案内筒31にスライド可能に支持させた構成としてもよい。(図7は、その一部のみを示している)。
【0027】
上記スライド持機構によると、摺動杆33が上記基板の両端に配置した案内筒31の長手方向に円滑にスライドでき、その移動を軽快にする。更に、可動部が閉塞されて砂等の噛み込みによるトラブルが少なく保守点検の省力化が図れる。
【0028】
又、上記実施形態ではリンク杆15,17は、図1に示すように、ダブル・リンクの構造としたが、リンク杆15とリンク杆17を、図8に示すように、各々1本ずつ使用したシングル・リンク構造としても良い。この構成によると、更に薄幅にでき、且つ、移動装置100の構成部品を半減でき、移動装置100全体の軽量化や単純化が図れる。
【0029】
更に、重量物の移動装置100を、その基板13の横幅寸法Lよりも広く構成できる場合は、図9,10に示すように、連結し合うリンク杆15,17を重ね合せ、この片側に連結部(a),(b)を設け、ネジ棒19をこの連結部(a),(b)の連結具21に係合させてもよい。
【0030】
上記図9,10に示すリンク杆15,17の連結構成によると、ピンP1,P2,P3等の連結支持の構成部品を簡潔化でき、移動装置100全体の機構の単純化が図れる。
【0031】
又、基板13のストローク量Xをあまり必要としない場合は、ネジ棒19に右ネジと左ネジを設け、この右ネジと左ネジに両連結部(a),(b)をネジ係合させた構成としても良い。
【0032】
上記ネジ棒19の右ネジと左ネジによる構成では、ネジ棒19の正転又は逆転操作により、両連結部(a),(b)が相互に接近・離反移動する。これにより、図2に示す最大ストローク距離Xを両連結部(a),(b)が半分ずつ移動することになり、2組のリンクのリンク杆15,17はネジ棒を小量だけ回動すれば、拡開・縮小運動されることになる。
【0033】
上記ネジ棒19を右ネジと左ネジにすると、ネジ棒19の一回転当りの両連結部(a),(b)の移動量が加算されて2倍に増加するから、基板13の昇降移動を短時間に迅速に行うことができる。
【0034】
又、リンク機構は4本のリンク杆をそれぞれ等長にしてピン連結しているが、いわゆるパンタグラフ形であればよく、ピン連結する部分を1点で連結するほか、別プレートに2点で連結するようにしても良い。又、本発明の移動装置100の使用対象物は上記使用例に限られないし、その配置方向も上下方向に限らず、横方向や斜め方向であっても良い。
【0035】
【効果】
以上のように本発明の請求項1の重量物の移動装置によると、4本のリンク杆をピンにより連結したリンク機構を採用しているので、基板の移動ストロークを大きくとることができ、しかも軽い力で軽快に重量物を移動させることができる。又、一対の基板が2組のリンクで平行姿勢を保って移動するから、長尺物の重量物も偏心荷重をかけず軽快に移動できる。又、移動装置の移動操作を重量物側の空間となる広い外部で行えるから、重量物の移動操作が軽快・確実にできる。また、上側基板の略中央に孔又は切欠きを設け、上記孔又は切欠きの直下にネジ棒を配置したから、この孔又は切欠きを介して操作ハンドルにより、重量物の上下移動が偏心荷重をかけずに軽快にできる。
【0036】
本発明の請求項2によると、各基板の両側に基板と平行する溝を形成し、各リンク杆の先端部を上記溝にスライド可能に支持したから、リンク杆を拡開方向や縮小方向へ変位するとき、4本のリンク杆の先端部を上記基板の両端溝の長手方向に円滑にスライドさせてその移動を軽快にする。又、ピンと長孔との簡潔なスライド機構を採用したから、安価で且つ機構のトラブルが少なく保守点検の省力化が図れる。
【0037】
本発明の請求項3によると、請求項1又は2記載の重量物の移動装置において、上記ネジ棒が上記基板長手方向に移動することを抑止するため、少なくともいずれか一方の基板に振止具を設けたから、リンク杆の拡開・縮小運動に対して、連結部は上下方向への移動を許容しつつ横ズレを拘束され、よって、ネジ棒の位置が規制され、確実なハンドル操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す図で、重量物の移動装置の斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態を示す図で、移動装置の正面図である。
【図3】 本発明の実施形態を示す図で、移動装置を上側から見た断面図である。
【図4】 本発明の実施形態を示す図で、リンク機構の作用状態の正面図である。
【図5】 本発明の実施形態を示す図で、ネジ棒の係合部の正面図である。
【図6】 本発明の実施形態を示す図で、ネジ棒の断面図である。
【図7】 本発明の実施形態を示す図で、リンク機構の変形実施形態の正面図である。
【図8】 本発明の実施形態を示す図で、シングル・リンクの断面図である。
【図9】 本発明の実施形態を示す図で、リンクを片側に設けた連結部の変形例の断面図である。
【図10】 本発明の実施形態を示す図で、リンクを片側に設けた下側連結部の変形例の断面図である。
【図11】 本発明の使用例を示す図で、重量蓋を移動させる移動装置の平面図である。
【図12】 本発明の使用例を示す図で、移動装置を設置したC.C.BOXの断面図である。
【図13】 本発明の使用例を示す図で、重量物体の移動に使用する移動装置の斜視図である。
【図14】 従来例を示す図で、移動装置及び重量蓋の平面図である。
【図15】 従来例を示す図で、移動装置の斜視図である。
【図16】 従来例を示す図で、移動装置の正面図である。
【図17】 従来例を示す図で、移動装置の操作手順の正面図である。
【図18】 従来例を示す図で、移動装置の正面図である。
【符号の説明】
1,1´重量物
11,13基板
11B,13B支持板
11A,13A長孔
11C,13Eローラ
13C孔又は切欠き
15,17リンク杆
15A,17A先端部
Loリンク機構
19ネジ棒
19A連結部
21連結具
27操作ハンドル
29案内部材
31案内筒
33摺動杆
(a),(b)連結部
P1,P2,P3ピン
P3交差結合部
40,43枠体
50多孔管
51接続部
53電線共同溝(C.C.BOX)
100重量物の移動装置

Claims (3)

  1. 一対の基板をリンク機構に連結して平行配置させ、上側基板の略中央に孔又は切欠きを設け、上記リンク機構は4本のリンク杆をピンにより連結して連結部を構成し、上記連結部のうち一方の対向する連結部を基板が接近・離反する方向に向けて配置するとともに、同方向であって上記孔又は切欠きの直下にネジ棒を配置してその両端を上記連結部に係合させ、且つ、その内の少なくとも一方側をネジ係合させ、又、上記リンク機構の各リンク杆は上記基板の接近・離反する方向と直交する方向に向く連結部側をそれぞれ延長形成し、延長形成されたそれぞれの先端部を基板に対し基板と平行にスライド可能に支持させたことを特徴とする重量物の移動装置。
  2. 請求項1記載の重量物の移動装置において、各基板には、それぞれ両側に基板と平行する溝を形成し、各リンク杆の先端部を上記溝にスライド可能に支持させたことを特徴とする重量物の移動装置。
  3. 請求項1又は2記載の重量物の移動装置において、少なくともいずれか一方の基板に、ネジ棒の基板長手方向の移動を規制する振止具を設けたことを特徴とする重量物の移動装置。
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