JP3670199B2 - クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置 - Google Patents

クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波焼入装置に関し、詳細にはクランクシャフトのピン部又はジャーナル部にある油穴開口部を高周波焼入により硬化させることにより、高い耐疲労強度のクランクシャフトを得る高周波焼入方法及び高周波焼入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランクシャフトは高速で回転しているので、ジャーナル部及びピン部のベアリングと接している部分では摩擦係数が最小になるように設計されてはいるが摩擦がゼロではなく熱が発生する。長時間の運転にはこの熱が無視出来なくなり高温となり焼付けを起こす原因となる。そのためクランクシャフトにはジャーナル部とピン部に潤滑油が循環するように油穴が形成されている。この油穴はジャーナル部とピン部の表面に開口され潤滑油を循環することで摩擦係数をさらに小さくするとともに、発生した熱をクランクシャフトの外に運び出す。
【0003】
近年、エンジンの高出力化にともない、クランクシャフトはますます高速・高回転を求められており、クランクシャフトに負荷されるねじり疲労応力も増大しており、このこととクランクシャフトのピン部及びジャーナル部表面に油穴が開口されたこととが相反する結果となっている。すなわち、クランクシャフト作動時、ピン部とジャーナル部表面に開口された油穴部には応力(引張応力)が集中しやすく、特に表面部に高周波焼入による焼入硬化層が形成されている場合には、油穴開口部表面の焼入硬化層の直下に引張応力が集中し、この部位が起点となって甚だしい場合にはクランクシャフトの折損に至るという問題があった。
【0004】
ピン部での耐ねじり疲労強度を上げるために、ピン部の表面層を高周波焼入れした後、油穴開口部の高周波焼入層の下部にレーザー光線を照射して焼入処理を施して、ピン部でのねじり疲労強度を向上する方法が、特開平9−14252号公報に開示されている。ところが、開口部へのレーザー焼入処理は、既に施された高周波焼入層近傍にレーザー光を照射して加熱するため、開口部近傍のクランクシャフト表面の高周波焼入層が軟化してねじり疲労強度が低下してしまうという問題があり、また、ジャーナル部あるいはピン部表面に垂直に開口された油穴には、レーザー光を照射しても目的とする部位に届かず、照射そのものが困難であるという問題もあり、更に、多数の個所でのレーザー照射が必要になるので、1カ所づつのレーザー照射では熱処理時間が非常に長くなるという問題もある。
【0005】
上記の諸問題を解消するため、半開放鞍型の高周波加熱コイルをピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトの軸心を中心に回転させ、且つこの回転中に前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、前記ピン部又はジャーナル部の油穴開口部及びその近傍ではその焼入硬化層深さを増大するように、他の部分より前記高周波加熱コイルヘの通電量を増大させる高周波焼入方法が、開発された(特願平2000-082422号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の新しい高周波焼入方法は、油穴開口部が、高周波加熱コイルの中心位置の手前の所定の位置と高周波加熱コイルの中心位置との間の第1区間及び高周波加熱コイルの中心位置と高周波加熱コイルの中心位置の後の所定の位置との間の第2区間を通過する間だけ、高周波加熱コイルに加える電力を、第1、第2両区間以外の区間において高周波加熱コイルに加える電力よりも大きい電力とするものである。他方、その高周波焼入装置において、油穴開口部が高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置では、高周波加熱コイルと被焼入面との上下方向の間隙を一定に保つためにガイドチップが配設されており、前記油穴開口部は高周波加熱コイル面の中心と対向しない。このため、油穴開口部の加熱が十分にされないことがあり、また、高周波加熱コイルは被焼入面の外表面の1/3〜1/2を覆っているため、油穴開口部以外もやや多めに加熱されることがあり、その結果として、ピン部又はジャーナル部の油穴開口部の焼入深さを深くするにはそれ以外の所も焼入深さがやや深くなる等の改良の余地があることが分かった。
【0007】
本発明は以上のことを鑑みてなされたもので、クランクシャフトのピン部及びジャーナル部の油穴開口部及びその近傍の焼入硬化層を深くし、それ以外の所は所定の焼入硬化層にするクランクシャフトの高周波焼入法及び高周波焼入装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1の発明によれば、ピン部又はジャーナル部に油穴開口部を有するクランクシャフトを高周波加熱するステップと、加熱した前記ジャーナル部又はピン部に冷却液を給水して急速に冷却する冷却ステップとから成る高周波焼入方法が提供され、この方法においては、前記高周波加熱ステップが:中心位置に磁束集中材を有する半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、クランクシャフトを回転させながら、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、ピン部又はジャーナル部の被焼入面を加熱する第1加熱ステップと;クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を継続しながら、該一方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱する第2加熱ステップと;前記第2加熱ステップ終了後、ピン部又はジャーナル部の他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、前記クランクシャフトを回転させながら、前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を継続してピン部又はジャーナル部の被焼入面を加熱する第3加熱ステップと;クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を継続して、該他方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱する第4加熱ステップと;を包含することを特徴とする。これによって、油穴開口部及びその付近では回転を停止した状態で加熱が長い時間行われるため、油穴開口部及びその近傍には、それ以外の部分に比較して高周波電力が多く供給され、加熱深さが増して、厚い焼入硬化層を得ることができる。
【0009】
上記高周波焼入方法において、前記第4加熱ステップ終了後、クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱する第5加熱ステップを加え、この第5加熱ステップの後、高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップを行うのが好ましい。また、これとは別に、第4加熱ステップ終了後、再び、前記第1〜第4加熱ステップを1回以上繰り返すステップと、その後、クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱する第5加熱ステップを加え、この第5加熱ステップの後、高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップを行うようにしてもよい。後者の場合、前記第1〜第4加熱ステップを繰り返すことによって、油穴開口部及びその付近の焼入硬化層の深さを更に増すことができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る、ピン部又はジャーナル部に油穴開口部を有するクランクシャフトの高周波焼入方法では、中心位置に磁束集中材を有する半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、高周波加熱コイルには高周波電力を供給せずに前記クランクシャフトを回転させるステップと;クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該一方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するステップと;前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を停止して加熱を停止するとともに、ピン部又はジャーナル部の他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置まで、前記クランクシャフトを回転させるステップと;クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該他方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するステップと;を包含する。これによれば、油穴の両端の油穴開口部だけが先に加熱されてこの部分にのみ焼入加熱層が生成され、油穴開口部には十分な深さの焼入加熱層を得ることができる。この場合において、前記他方の油穴開口部及びその近傍の加熱ステップの後、前記クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱するステップと、その後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップとを続けることによって高周波焼入れを完了できる。
【0011】
更に、請求項6に記載のピン部又はジャーナル部に油穴開口部を有するクランクシャフトの高周波焼入方法においては、中心位置に磁束集中材を有する半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、前記クランクシャフトを回転させるステップと;クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該一方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するステップと;前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を継続して加熱しながら、ピン部又はジャーナル部の他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置まで、前記クランクシャフトを回転させるステップと;クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該他方の油穴開口部及びその近傍を所定時間停止して加熱するステップと;前記クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱するステップと;その後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップと;を包含する。この方法によれば、前記の請求項1の発明及び請求項4の発明におけると同様に、各油穴開口部の焼入加熱層の深さを深くでき、更に、一方の油穴開口部が高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置に来るまでは、高周波加熱コイルによる加熱をしなくて済む。
【0012】
請求項7に記載のジャーナル部又はピン部に油穴開口部を有するクランクシャフトの高周波焼入装置においては、クランクシャフトのジャーナル部又はピン部を跨ぐ半開放鞍型形状に形成され、該半開放鞍型形状部分の中心位置に磁束集中材を有し、前記ピン部を跨いだ状態で該ピン部の偏心運動に追随できるように遊動可能に装置本体に支持された半開放鞍型の高周波加熱コイルと、前記クランクシャフトを、前記半開放鞍型の高周波加熱コイルが前記ジャーナル部又はピン部を跨ぐ位置に支持する手段と、前記支持されたクランクシャフトを、その軸心を中心に回転させる手段と、前記高周波加熱コイル装置に高周波電力を供給する高周波電源と、加熱した前記ジャーナル部又はピン部に冷却液を給水して急速に冷却する冷却液給水手段と、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の1つの油穴開口部またはそれとは別の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させるとともに、高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、前記1つの油穴開口部及びその付近又は前記別の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するように、前記回転手段及び高周波電源を制御する制御手段とから成ることを特徴とする。かかる装置によって、前記した種々の高周波焼入方法を実施できる。この高周波焼入装置において、半開放鞍型の高周波加熱コイルは、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の被焼入面内上方に近接して配設される半円又は半円よりも小さな角度の円弧に形成された中空の第1の加熱導体と、該第1加熱導体と同一形状に形成され、該第1加熱導体と所定の間隔をもって併設された、被焼入面に近接して配設される第2の加熱導体と、第1加熱導体及び第2加熱導体の一端を相互に接続した中空の接続導体と、該第1加熱導体及び第2加熱導体の他端にそれぞれの一端が接続され、第1加熱導体と第2加熱導体の間隔よりも狭い間隔をもって配置された1対の中空の給電導体と、接続導体の中央部に接続された冷却液排出管とを備え、前記磁束集中材は、第1加熱導体と第2加熱導体の中央部分の、被焼入面に対向していない面を覆うように設けられているのが好ましい。このように配置することによって、円弧状の半開放鞍型高周波加熱コイルが得られ、ピン部又はジャーナル部の油穴開口部の端部を高周波加熱コイルの円弧の中央に配置して加熱することができ、効率の高いしかも十分な高周波加熱が行える。
【0013】
また、上記高周波加熱コイルの場合、磁束集中材は、円弧状の第1加熱導体及び第2加熱導体の円弧のほぼ中央に配置され、該磁束集中材の両側であって第1加熱導体及び第2加熱導体の間に、該第1加熱導体及び第2加熱導体とピン部又はジャーナル部の被焼入面との半径方向の間隙を一定に保つ1対の第1のガイドチップが設けられているのが好ましい。これによって、第1ガイドチップは、高周波加熱コイルの円弧の中央にはなく、ピン部又はジャーナル部の油穴開口部の端部を高周波加熱コイルの円弧の中央に配置して加熱することができる。更に、第1加熱導体及び第2加熱導体の円弧の両端部のそれぞれには、両加熱導体を被焼入面に対してクランクシャフトの軸線方向に一定に保つ、軸線方向にピン部又はジャーナル部の幅に近い間隔をもって離間した1対の第2のガイドチップが設けられるのが好ましい。
【0014】
更に、本発明は、ピン部又はジャーナル部に1つの油穴開口部を有するクランクシャフトを高周波加熱し、加熱した前記ジャーナル部又はピン部に冷却液を給水して急速に冷却する冷却ステップとから成る高周波焼入方法を提供する。この方法は、中心位置に磁束集中材を有する半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、前記クランクシャフトを回転させるステップと;クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するステップと;前記クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱するステップと;その後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップとを包含する。1つの油穴開口部の場合にも、本発明は、その油穴開口部に十分でかつ適正な深さの焼入硬化層を形成できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、クランクシャフト1について説明する。クランクシャフト1は、代表的には炭素鋼等の材料から成る一体成形した鍛造品である。また、鍛造時の温度を利用して冷却速度をコントロ一ルして焼ならし処理を行った材質であるのが好ましい。クランクシャフト1は、軸心に位置しベアリング(図示せず)に支持される複数のジャーナル部2と、コネクティングロッド(図示せず)が装着されてシリンダー内の燃料を爆発させて得た直線的な推力を回転運動に変換する複数(気筒数に対応する数)のピン部3と、ピン部3をジャーナル部2のクランクシャフトの軸心から所定のストロークを持って連結する複数のバランスウエイト5とを包含する。バランスウエイト5は、クランクシャフト1が高速で回転する時にもクランクシャフト自体の振動を最小にするように、ピン部3を重量バランスをもってジャーナル部2に連結している。ピン部3は、図1の中央上部に示すように、バランスウエイト5によってジャーナル部2に連結されているウエイト側部分6と、その反対側でバランスウエイト5の一部も除去して質量が小さくなるように作られたトップ側部分7とがある。
【0016】
クランクシャフトは高速で回転しているので、長時間運転の焼付けの防止のため、クランクシャフトにはジャーナル部とピン部に潤滑油が循環するように油穴が形成され、この油穴はジャーナル部とピン部の表面に開口して摩擦係数を小さくするとともに、発生した熱をクランクシャフトの外に放出する。図2及び図3は、ピン部3とジャーナル部2に設けられた油穴を示している。図2において、潤滑油通路用の油穴9は、ジャーナル部2を直径方向に貫通する第1穿孔部10と、この第1穿孔部10の中央からピン部3のトップ側部分7のフラット面に延びる第2穿孔部11とから構成されている。第1穿孔部10は、ジャーナル部2のフラット面において開口し、油穴開口部13を形成している。また、第2穿孔部11はピン部3のフラット面に開口して、油穴開口部14を形成している。潤滑油が油穴9を循環してジャーナル部2及びピン部3の面を潤滑する。図2の第1穿孔部10の油穴開口部13は、ジャーナル部2のフラット面に垂直に形成されているが、第2穿孔部11は、ピン部3のフラット面に対して斜めに進入する通路として形成され、油穴開口部14はピン部3のフラット面に対して斜めになっている。
【0017】
図3の油穴15は、ジャーナル部2を直径方向に貫通する第1穿孔部17と、ピン部3を直径方向に貫通する第2穿孔部18と、第1穿孔部17の中央から第2穿孔部18の中央に延びて第1及び第2穿孔部17、18を相互に連通する第3穿孔部19とから構成されている。図3の油穴15の場合、第1穿孔部17の油穴開口部21は、ジャーナル部2のフラット面に垂直に形成されており、第2穿孔部18の油穴開口部22も、ピン部3のフラット面に対して垂直に形成されている。図2の油穴9も図3の油穴15も、潤滑油をジャーナル部2とピン部3とに循環させてそれらの面を潤滑する。なお、図2の油穴9も図3の油穴15もドリル等で穿設され、その後、クランクシャフト1には高周波焼入れ等の表面処理が施される。
【0018】
クランクシャフトの高周波焼入れによる表面硬化法として、高周波加熱コイルを内蔵した半開放鞍型の高周波加熱コイル装置を用いたクランクシャフト回転式高周波焼入れ法が知られている。本発明は、かかる高周波焼入れ法を用いて、クランクシャフトの高周波焼入れを改良する。
【0019】
図4は、本発明に係る高周波焼入れ法に用いる高周波焼入れ装置23の全体を示している。高周波焼入れ装置23は、固定設置される装置本体25と、この装置本体25に支持されて、クランクシャフト1のジャーナル部2又はピン部3を跨ぐ半開放(図4の下方側が開放している)鞍型形状に形成された高周波加熱コイル24を有する高周波加熱コイル装置26と、装置本体25に設けられ、クランクシャフト1を半開放鞍型の高周波加熱コイル24がジャーナル部2又はピン部3(図示の例では、ピン部3)を跨ぐ位置に支持する手段(図示しないが、図4の紙面を貫通する方向に延びるクランクシャフト1の両端部を回転可能に支持するベアリング付き支持装置)と、支持されたクランクシャフト1を、その軸心Oを中心に回転させる手段(図示しないが、前記の支持装置で支持されたクランクシャフト1を回転させるモータ及びベルトやギヤ等の伝達機構等)と、装置本体25に設けられて、高周波加熱コイル装置26に高周波電力を供給する高周波電源27(20kHz以下)と、高周波加熱コイル装置のコイルを形成する導体に供給する冷却液源28と、ジャーナル部2又はピン部3の高周波加熱後、その加熱表面に冷却液を給水して急速に冷却する冷却液給水手段としての、装置本体25に設けられた冷却液給水装置29と、制御装置30とを有する。装置本体25は、高周波加熱装置26を、垂直な姿勢に維持しつつ、図4の2つの矢印に示すように、左右及び上下に移動可能に吊り下げ支持している。制御装置30は、ジャーナル部2又はピン部3の油穴開口部(13、14、21、22)及びその近傍では、その焼入れ硬化層深さを増大するように、油穴開口部が高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させるとともに、高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、各油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するように制御する制御手段である。
【0020】
制御装置30のハードウエアは、専用の電子回路で形成されていてもよく、あるいは、CPUとROMとRAM等を備えたコンピュータシステムで形成されていてもよい。制御装置30の位置は、装置本体25の制御パネル(図示せず)に近い位置であるのが普通であるが、他の任意の場所でもよい。制御装置30は、制御パネルで設定された指示を受けて、高周波加熱コイル装置への通電量のほかに、高周波加熱コイル装置26の動作の制御、高周波電源27の制御、冷却液給水装置29の制御も行う。制御装置30は、更に、クランクシャフト1の回転、高周波加熱の開始、急速冷却のタイミング、動作全体の停止等、装置全体の制御も行う。
【0021】
高周波加熱コイル装置26は、半開放鞍型に形成された高周波加熱コイル24と、高周波加熱コイル24の加熱側の面とピン部又はジャーナル部の被焼入面との半径方向の間隙を一定に保つ1対の第1のガイドチップすなわち上部ガイドチップ31と、高周波加熱コイル24をクランクシャフトの軸線方向にみて被焼入面に対向する位置に維持する1対の第2のガイドチップすなわちサイドガイドチップ33と、冷却液給水装置29からパイプ34を経由して、ジャーナル部2またはピン部3に冷却液を高周波加熱コイル24と対向する側から大量に噴出する2つのジャケット35とを有している。高周波加熱コイル装置26は、装置本体25に上下左右に遊動できるように支持されている。更に詳しくは、図4に示すように、半開放鞍型高周波加熱コイル24がピン部3を跨いだ状態にあるとき、クランクシャフト1が軸心Oを中心に回転してピン部3が軸心回りを偏心運動しても、ピン部3を跨いだ状態のままですなわち高周波加熱コイル24がピン部3に十分に近接した状態のままで追随できるように、上下左右に遊動可能に装置本体25に支持されている。また、高周波加熱コイル装置26には、配置されたジャーナル部2又はピン部3の油穴開口部13、14、21、22等の位置を知るために、油穴開口部用センサを設けてもよい。なお、この半開放鞍型の高周波加熱コイル装置26は、複数のジャーナル部又はピン部を同時に焼入れできるように、クランクシャフトの軸方向に沿って複数(好ましくはジャーナル部又はピン部の数に等しいかそれ以上の数)、並設されていてもよく、その場合、各高周波加熱コイル24がそれぞれ対応する間隔で各ジャーナル部又はピン部に跨ぐように配置されている。更に、高周波加熱コイル24には、後述のように、高周波加熱コイル自体の加熱を防止するため、冷却液源28から常時送られており、高周波加熱コイルを通った冷却液は容器37に収容される。この冷却液は冷却液源に戻して再利用する。
【0022】
次に、高周波加熱コイル24の詳細について、図5(A)及び(B)を参照して説明する。図5(A)において、本発明に係る高周波加熱コイル24は、ピン部又はジャーナル部の被焼入面内上方に近接して配設される略半円の又は半円よりも小さな角度の円弧に形成された中空の第1の加熱導体38と、第1加熱導体38と同一形状を有し、第1加熱導体38と所定の間隔を持って並べて配設されていて前記被焼入面に近接して配設される、中空の第2の加熱導体39と、それぞれが第1加熱導体38の一端と高周波電源27並びに第2加熱導体39の一端と高周波電源27にそれぞれ接続されて、間隔が前記第1加熱導体38及び第2加熱導体39の間隔よりも狭くされた一対の中空の給電導体41と、第1加熱導体38の他端と第2加熱導体39の他端とに相互に接続する接続導体42とを有する。又、円弧状の第1加熱導体38及び第2加熱導体39のそれぞれの円弧の中央部には、磁束集中材43が設けられ、この磁束集中材43によって、ピン部又はジャーナル部の被焼入面への高周波誘導加熱を有効にしている。磁束集中材43は、例えば珪素鋼板を積層したものが用いられ、図5(B)に示すように、ピン部3(又はジャーナル部2)の被焼入面には対向していない、第1加熱導体38及び第2加熱導体39の部分を覆うように形成されている。磁束集中材43は、第1加熱導体38及び第2加熱導体39の円弧の中央に配置されるので、被焼入面への加熱が十分に行われる。
【0023】
次に、高周波加熱コイル24の各加熱導体38、39、給電導体41、接続導体42、磁束集中材43の構造を説明する。先ず、加熱導体38、39は、例えば、銅製の角パイプを組み合わせて構成される。図5(B)に図示のように、ピン部3(又はジャーナル部2)の被焼入面のコーナに沿って直角を成し、その内側では磁束集中材43によって包囲されるように、例えば、5角形に形成され、内部には冷却液が通る空間が形成される。冷却液を流すのは、各加熱導体には高周波電流が流れ、各加熱導体はジュール熱や誘導加熱等によって加熱されるのでそれを冷却する必要があるからである。また、給電導体41及び接続導体42も、例えば銅製のパイプで形成され、その内部を冷却液が通るようになっている。給電導体41は、高周波電源27に電気的に接続されるとともに、冷却液源28から冷却液を供給されるように連結されて、高周波電流を第1加熱導体38及び第2加熱導体39に流すようにするとともに、冷却液を第1加熱導体38及び第2加熱導体39に送っている。給電導体41の間隔が第1加熱導体38と第2加熱導体39の間隔より狭くしてあるのは、給電導体41の部分が高周波誘導加熱体として機能しないようにするためである。更に、接続導体42の中央部には中空の冷却液排出管46が接続されて、第1加熱導体38及び第2加熱導体39から排出される冷却液を、容器37に排出する。
【0024】
冷却液は、冷却液源28から一対の給電導体41、41に2分されて送られ、一方の給電導体41から第1加熱導体38に、他方の給電導体41から第2加熱導体39に送られ、更に、第1加熱導体38の冷却液は接続導体42の一方の側に送られ、接続導体42の中央から冷却液排出管46から容器37に排出され、第2加熱導体39の冷却液は接続導体42の他方の側に送られ、接続導体42の中央から冷却液排出管46から容器37に排出される。なお、冷却液の通水は高周波加熱コイル24の動作にかかわりなく常時行われる。一方、高周波電路は、高周波電源27から、一方の給電導体41、第1加熱導体38、接続導体42、第2加熱導体39、他方の給電導体41で形成される。
【0025】
高周波加熱コイル装置26において、図4に図示のように、高周波加熱コイル24は、平行且つ対向するように配設された1対の側板47(図4上で手前と奥側)で支持される。上部ガイドチップ31は一対あり、各々、円弧状の第1加熱導体38及び第2加熱導体39の円弧のほぼ中央に配置された磁束集中材43の各側であって、第1加熱導体38及び第2加熱導体39の間に配置されている。これによって、第1加熱導体38及び第2加熱導体39とピン部又はジャーナル部の被焼入面との半径方向の間隙を一定に保つ。サイドガイドチップ33の各対は、第1加熱導体38及び第2加熱導体39の円弧の端部のそれぞれに設けられている。サイドガイドチップ33は、2対あって1対が2個で形成され、合計4個ある。サイドガイドチップ33は、前記の上部ガイドチップ31とは別の位置すなわち両側の位置にあってピン部又はジャーナル部の被焼入面との半径方向の間隙を一定に保つ役割を有し、更に、もう1つの役割も有する。すなわち、サイドガイドチップ33は、例えば、図1のピン部3Aを高周波加熱する場合、位置49及び50にあるように対を成して設けられている。これによって、両加熱導体38及び39で成る高周波加熱コイルの加熱面をピン部またはジャーナル部の被焼入面に対して、クランクシャフトの軸線方向に動かないように一定に保つ役割も持ち、高周波加熱の効率を高く維持する。
【0026】
一例として、図1のピン部3Aであって、図3に示すように油穴開口部22がピン部の直径方向の油穴(第2穿孔部18)の両端のそれぞれに形成されているピン部を高周波焼入をする場合を、図6を用いて説明する。図6は、クランクシャフト1のピン部3Aの断面と高周波加熱コイル装置26の主要部とを示したものであって、51はピン部3Aの中心であり、Oはクランクシャフト1の回転の中心である。クランクシャフト1の中心Oを中心として矢印53方向に回転させることにより、ピン部3Aの中心51はOを中心とする円54上を移動する。すなわち、ピン部3Aは矢印53方向に公転しながら、1公転につき、矢印55方向に1回の割合で自転する。高周波加熱コイル24は、ピン部3Aの外表面との接触を保持する一対の上部ガイドチップ31、31及び一対のサイドガイドチップ33、33によってピン部3Aから所定の距離隔てられており、ピン部3Aの動きに対応して、公知のパンタグラフ機構(図示せず)によってピン部3Aの運動に対応して矢印57及び58の方向に移動して、ピン部の動きに追随する。符号59は、クランクシャフト1の回転角度を検出する回転角度検出器である。回転角度検出器59は、ピン部の油穴開口部の位置を回転角度によって検出するセンサとして、クランクシャフト1の回転角度の信号を、制御装置30に送って、ピン部3Aの位相決めの制御を行う。また、高周波加熱コイル24を形成する第1加熱導体38及び第2加熱導体39には冷却液源28から給電導体41を通して冷却液が送られている。更に、図6において、ジャケット35から冷却液が噴出するように描かれているが、これは、高周波加熱後の急速冷却時のみであることを了解されたい。
【0027】
以下、クランクシャフト1のピン部3Aを高周波焼き入れする方法について、図7も参照して説明する。図示しないピン部3Aの位相決め手段によって、ピン部3Aが既に上死点に位相決めされた状態のクランクシャフト1を、図示しない搬送手段によって該当焼入ステーションに搬送する。この焼入ステーションにおいて、クランクシャフトの中心軸Oが水平になるように配設されたクランクシャフト1の一端を図示しないセンター位置決めジグ等によって支持し、他端を図示しないチャック等によって把持する。これによって、本実施例の場合、図7の位置Aに示すように油穴P21は水平方向に位置するようになる。
【0028】
次にクランクシャフト1を中心軸Oを中心として回転させる。この回転のときに、高周波加熱コイル24には高周波電源27から高周波電力を供給する。これが第1加熱ステップである。この第1加熱ステップによって、高周波加熱コイル24からの高周波電磁エネルギーは磁束集中材43によって集中され、ピン部3Aの表面は誘導加熱される。従って、図7においてAの位置からBの位置に移動する間、ピン部は移動しながら加熱される。回転角度検出器59からの角度信号は制御装置30に出されており、制御装置30はピン部の回転角度を認識しており、制御装置30は、ピン部がBの位置に到ると、これによって。ピン部3Aは、図7の位置Bに示すように油穴61の一方の油穴開口部62が高周波加熱コイル24の中心位置Mに対向する位置で停止させられる。
【0029】
Bの位置では、回転を停止した状態で高周波電力を高周波加熱コイル24に供給したままにする。これが、第2加熱ステップである。この第2加熱ステップによって、一方の油穴開口部62は、停止時間の間、長く高周波加熱されることになり、その加熱深さが深くなる。
【0030】
その後、再度クランクシャフト1を中心軸Oを中心として略180°の区間(すなわち、Bの位置からCの位置を通過してDの位置まで)回転させる。この回転の間も高周波加熱コイル24には高周波電力を供給し続けている。これが、第3加熱ステップとなる。この第3加熱ステップによって、ピン部の表面は少し高周波加熱されることになる。
【0031】
図7の位置Dの位置に到ると、制御装置30は、ピン部3Aを、図7の位置Dに示すように、油穴61の他方の油穴開口部63が高周波加熱コイル24の中心位置Mに対向する位置で停止させる。回転を所定時間停止した状態で高周波電力を高周波加熱コイル24に供給したままにする。これが、第4加熱ステップであり、停止時間の間、他方の油穴開口部63も高周波加熱されることになり、その加熱深さが深くなる。
【0032】
次に、高周波電力を高周波加熱コイル24に供給したまま、クランクシャフト1を中心Oを中心として、所定の回転数で所定時間回転し続け、その間も高周波加熱コイル24には高周波電力を供給し続ける。これが、第5加熱ステップであり、これによって、ピン部3Aの表面は一様に高周波加熱される。
【0033】
ピン部3Aを回転しながら高周波加熱コイル24へ所定時間の電力を供給した後、今度はクランクシャフト1の回転は継続させながら、高周波加熱コイル24への高周波電力の供給を停止する。そして、図4及び図6に図示のように、高周波加熱コイル24の下方に配設されたジャケット35から冷却液を噴射して、ピン部3Aを急速に冷却する。これによって、高周波焼入れが完了する。
【0034】
上記のように図7の位置B及び位置Dに示すように、高周波加熱コイル24の中心位置Mで一方の油穴開口部62及び他方の油穴開口部63を所定の時間、停止加熱する理由は以下の通りである。すなわち高周波加熱コイル24の中心位置Mには磁束集材43が配設されているため、磁束集中材43に油穴開口部62、63を対向させることにより、油穴開口部62、63及びその近傍の焼入硬化層深さをそれ以外の被焼入面より増大させることができるからである。
【0035】
次に前記実施例よりもさらに、一方の油穴開口部62及びその近傍、並びに、他方の油穴開口部63及びその近傍の焼入硬化層深さをそれ以外の被焼入面より増大させるには、一方の油穴開口部62及び他方の油穴開口部63の停止加熱をそれぞれ複数回行う(すなわち、複数回、回転させる)ことによって解決することができる。
【0036】
以上のことを線図に示すと、図8及び図9のグラフになる。すなわち図8は、一方の油穴開口部62及び他方の油穴開口部63をそれぞれ停止加熱する第2、第4加熱ステップが各1回の場合を示し、図9は一方の油穴開口部62及び他方の油穴開口部63をそれぞれ停止加熱する第2、第4ステップが各2回の場合を示す。又、図8及び図9において、区間aは回転しながら加熱する第1加熱ステップを、区間bは回転を停止した状態で加熱する第2加熱ステップを、区間cは回転しながら加熱する第3加熱ステップを、区間dは回転を停止した状態で加熱する第4加熱ステップを、区間eは回転しながら加熱する第5加熱ステップを、区間fは冷却ステップをそれぞれ示す。
【0037】
クランクシャフト1の回転速度に関しては区間a、cと区間eでは必要に応じて可変できるようにした方が好ましい。これは、区間a、区間cでゆっくりすると高周波加熱した温度が下がって好ましくないからである。高周波電力に関しても区間b、dと区間a、c、eでは可変できるようにした方が好ましい。これは区間b、dにおいて高周波電力が大きい方が焼入加熱層の厚さを増すことができるからである。なお、実験において、回転速度として、ピン部の焼入れの場合、1回転2秒とし、ジャーナル部の焼入れの場合、1回転1秒とした。
【0038】
本実施例では1ヶ所のピン部を焼き入れする場合を説明したが、生産性を上げるため、クランクシャフト1の軸方向に沿って複数のピン部又はジャーナル部に前記半開放鞍型の高周波加熱コイルを載置し、同時にピン部又はジャーナル部を焼入した方が好ましいのは当然のことである。
【0039】
また、最初の所定時間において、回転しながら高周波加熱し、その後、第1加熱ステップから第4加熱ステップを行うようにしてもよい。これとは別に、前記第1加熱ステップに相当する期間は、加熱せずに回転だけさせてもよい。
【0040】
更に、半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間aで、高周波加熱コイルには高周波電力を供給せずにクランクシャフトを回転させ、区間bにおいて、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該一方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱し、区間cでは、高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を停止して加熱を停止するとともに、ピン部又はジャーナル部の前記他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置まで、前記クランクシャフトを回転させ、そして、区間dでは、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該他方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するようにしてもよい。
【0041】
そして、上記の実施例では、油穴開口部が直径方向に対向して2つある場合の高周波焼入れを実施したが、ピン部又はジャーナル部に1つの油穴開口部を有する場合には、半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、前記クランクシャフトを回転させ、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、油穴開口部及びその近傍を所定の時間、停止して加熱すればよい。その後、クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱し、その後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却することによって、高周波焼入れが完了する。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ピン部又はジャーナル部の油穴開口部及びその近傍の硬化層深さを増大させ、且つその他の被焼入面は所定の硬化層深さにすることができる。これによりクランクシャフト作動時、油穴開口部内の引張応力のかかる部位に、圧縮応力が与えられるので潤滑油通路の開口部近傍の疲労強度が上がり、ねじり疲労強度の高い高疲労強度のクランクシャフトとすることができる。従って本発明によれば、熱処理工程を複雑にすることなく、高周波焼入によって油穴開口部の焼入硬化層を増大させることができるので、疲労強度の高い、特にねじり疲労強度の高いクランクシャフトを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クランクシャフトを示す正面図である。
【図2】 クランクシャフトの油穴の形態を示すクランクシャフトの部分破断斜視図である。
【図3】 図2とは別の形態の、クランクシャフトの油穴の形態を示すクランクシャフトの部分破断斜視図である。
【図4】 本発明に係る高周波焼入れ装置の構成図である。
【図5】 本発明に係る高周波加熱コイルを示す図であり、(A)は高周波加熱コイルの説明図であり、(B)は(A)のI−I線断面図であり、磁束集中材の取付を説明する図である。
【図6】 本発明に係る高周波焼入装置とピン部の高周波焼入れを説明する説明図である。
【図7】 本発明に係る加熱ステップを説明する図であり、回転するピン部と高周波加熱コイルとの関係を0度(A)、90°(B)、180°(C)、270°(D)で図示している。
【図8】 ピン部の加熱ステップ及び冷却ステップの動作グラフである。
【図9】 他の実施例に係る、ピン部の加熱ステップ及び冷却ステップの動作グラフである。
【符号の説明】
1 クランクシャフト
2 ジャーナル部
3 ピン部
5 バランスウエイト
6 ピン部のウエイト側部分
7 ピン部のトップ側部分
9 油穴(潤滑油通路)
10 第1穿孔部
11 第2穿孔部
13、14 油穴開口部
15 油穴
17 第1穿孔部
18 第2穿孔部
19 第3穿孔部
21、22 油穴開口部
23 高周波焼入れ装置
24 高周波加熱コイル
25 装置本体
26 高周波加熱コイル装置
27 高周波電源
28 冷却液源
29 冷却液給水装置
30 制御装置
31 上部ガイドチップ
33 サイドガイドチップ
34 パイプ
35 ジャケット
38 第1加熱導体
39 第2加熱導体
41 給電導体
42 接続導体
43 磁束集中材
46 冷却液排出管
59 回転角度検出器
61 油穴
62 一方の油穴開口部
63 他方の油穴開口部

Claims (12)

  1. ピン部又はジャーナル部に油穴開口部を有するクランクシャフトを高周波加熱するステップと、加熱した前記ジャーナル部又はピン部に冷却液を給水して急速に冷却する冷却ステップとから成る高周波焼入方法において、
    前記高周波加熱ステップが、
    中心位置に磁束集中材を有する半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、前記クランクシャフトを回転させながら、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、ピン部又はジャーナル部の被焼入面を加熱する第1加熱ステップと、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を継続しながら、該一方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱する第2加熱ステップと、
    前記第2加熱ステップ終了後、ピン部又はジャーナル部の他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、前記クランクシャフトを回転させながら、前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を継続してピン部又はジャーナル部の被焼入面を加熱する第3加熱ステップと、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を継続して、該他方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱する第4加熱ステップとを包含する
    ことを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入れ方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記第4加熱ステップ終了後、前記クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱する第5加熱ステップを包含し、
    前記第5加熱ステップの後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップを行うことを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、
    前記第4加熱ステップ終了後、再び、前記第1〜第4加熱ステップを1回以上繰り返すステップと、
    その後、前記クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱する第5加熱ステップを包含し、
    前記第5加熱ステップの後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップを行うことを特徴とする方法。
  4. ピン部又はジャーナル部に油穴開口部を有するクランクシャフトの高周波焼入方法において、
    中心位置に磁束集中材を有する半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、高周波加熱コイルには高周波電力を供給せずに前記クランクシャフトを回転させるステップと、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該一方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するステップと、
    前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を停止して加熱を停止するとともに、ピン部又はジャーナル部の前記他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置まで、前記クランクシャフトを回転させるステップと、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該他方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するステップと
    を包含することを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入れ方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、
    前記他方の油穴開口部及びその近傍の加熱ステップの後、前記クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら高周波加熱コイルには継続して高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱するステップと、
    その後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップと
    を包含することを特徴とする方法。
  6. ピン部又はジャーナル部に油穴開口部を有するクランクシャフトの高周波焼入方法において、
    中心位置に磁束集中材を有する半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、前記クランクシャフトを回転させるステップと、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記一方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該一方の油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するステップと、
    前記高周波加熱コイルへの高周波電力の供給を継続して加熱しながら、ピン部又はジャーナル部の他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置まで、前記クランクシャフトを回転させるステップと、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記他方の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該他方の油穴開口部及びその近傍を所定時間停止して加熱するステップと、
    前記クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱するステップと、
    その後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップと
    を包含することを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入れ方法。
  7. ジャーナル部又はピン部に油穴開口部を有するクランクシャフトの高周波焼入装置において、
    クランクシャフトのジャーナル部又はピン部を跨ぐ半開放鞍型形状に形成されており、前記半開放鞍型形状部分の中心位置に磁束集中材を有し、前記ピン部を跨いだ状態で該ピン部の偏心運動に追随できるように遊動可能に装置本体に支持された半開放鞍型の高周波加熱コイルと、
    前記クランクシャフトを、前記半開放鞍型の高周波加熱コイルが前記ジャーナル部又はピン部を跨ぐ位置に支持する手段と、
    前記支持されたクランクシャフトを、その軸心を中心に回転させる手段と、
    前記高周波加熱コイル装置に高周波電力を供給する高周波電源と、
    加熱した前記ジャーナル部又はピン部に冷却液を給水して急速に冷却する冷却液給水手段と、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の1つの油穴開口部またはそれとは別の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させるとともに、高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、1つの油穴開口部及びその近傍又は前記別の油穴開口部及びその近傍を所定時間停止して加熱するように、前記回転手段及び高周波電源を制御する制御手段と
    から成ることを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入装置。
  8. 請求項7に記載の装置において、
    前記半開放鞍型の高周波加熱コイルは、前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の被焼入面内上方に近接して配設される半円又は半円よりも小さな角度の円弧に形成された中空の第1の加熱導体と、該第1加熱導体と同一形状に形成され、該第1加熱導体と所定の間隔をもって併設された、前記被焼入面に近接して配設される第2の加熱導体と、前記第1加熱導体及び第2加熱導体の一端を相互に接続した中空の接続導体と、該第1加熱導体及び第2加熱導体の他端にそれぞれの一端が接続され、第1加熱導体と第2加熱導体の間隔よりも狭い間隔をもって配置された1対の中空の給電導体と、前記接続導体の中央部に接続された冷却液排出管とを備え、前記磁束集中材は、前記第1加熱導体と第2加熱導体の中央部分の、前記被焼入面に対向していない面を覆うように設けられている、ことを特徴とする装置。
  9. 請求項8に記載の装置において、前記磁束集中材は、前記円弧状の第1加熱導体及び第2加熱導体の円弧のほぼ中央に配置され、該磁束集中材の両側であって前記第1加熱導体及び第2加熱導体の間に、該第1加熱導体及び第2加熱導体と前記ピン部又はジャーナル部の前記被焼入面との半径方向の間隙を一定に保つ1対の第1のガイドチップが設けられていることを特徴とする装置。
  10. 請求項9に記載の装置において、更に、前記第1加熱導体及び第2加熱導体の円弧の両端部のそれぞれには、両加熱導体を前記被焼入面に対してクランクシャフトの軸線方向に一定に保つ、前記軸線方向にピン部又はジャーナル部の幅に近い間隔をもって離間した1対の第2のガイドチップが設けられたことを特徴とする装置。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の装置において、複数の前記半開放鞍型の高周波加熱コイル装置が、クランクシャフトの軸方向に沿って並設されており、各高周波加熱コイル装置がそれぞれ対応するジャーナル部又はピン部に跨ぐように配置されて高周波焼入れを行うことを特徴とする装置。
  12. ピン部又はジャーナル部に1つの油穴開口部を有するクランクシャフトを高周波加熱し、加熱した前記ジャーナル部又はピン部に冷却液を給水して急速に冷却する冷却ステップとから成る高周波焼入方法において、
    中心位置に磁束集中材を有する半開放鞍型の高周波加熱コイルを、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部に載置し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置までの区間、前記クランクシャフトを回転させるステップと、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の前記油穴開口部が前記高周波加熱コイルの中心位置に対向する位置で回転を停止させ、前記高周波加熱コイルに高周波電力を供給して、該油穴開口部及びその近傍を所定時間、停止して加熱するステップと、
    前記クランクシャフトを中心軸のまわりに回転させながら前記高周波加熱コイルに引き続き高周波電力を供給してピン部又はジャーナル部の被焼入面の全体を所定時間加熱するステップと、
    その後、前記高周波加熱コイルヘの高周波電力の供給を停止して、加熱した前記ピン部又はジャーナル部の被焼入面に焼入液を噴射して急速に冷却する冷却ステップと
    を包含することを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入れ方法。
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