JP3669668B2 - 車両用車輪スリップ角検出装置 - Google Patents

車両用車輪スリップ角検出装置 Download PDF

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    • B60T2230/00Monitoring, detecting special vehicle behaviour; Counteracting thereof
    • B60T2230/02Side slip angle, attitude angle, floating angle, drift angle

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運動制御たとえば旋回運動制御を行なう上で、より制御精度を高めるために各車輪の路面接地状況、より具体的には各車輪の発生横力そのものを把握すべく各車輪のスリップ角(車輪の向きに対して車輪の進行方向がなす角度)を得るようにした車両用車輪スリップ角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の運動制御(たとえばトラクション制御やアンチロックブレーキ制御等)を行なう際に各車輪のスリップ角を検出するものがあり、そのスリップ角を検出する手法として、たとえば特開平9−142280号公報等で既に開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車輪のスリップ角を得るには車体の横滑り角(車体の向きに対する車体の進行方向がなす角度)を算出しなければならず、従来では、線形の二輪車両運動モデルに基づく微分方程式によって得た横滑り角の微分値を積分して車体の横滑り角βを算出するようにしている。すなわち車体の横加速度をAY、ヨーレイトをγ、車体速度をVとしたときに、微分方程式{dβ/dt=(AY/V)−γ}に基づいて、横滑り角βの微分値dβ/dtを算出し、その微分値dβ/dtを積分することによって横滑り角βを得るようにしている。
【0004】
しかるに、車両の走行状態が、直進状態であり、かつ低速であるときには、横加速度AY、ヨーレイトγ、車体速度Vの検出値は小さいものであり、そのような検出値の積分により横滑り角βを得るようにしたのでは、横加速度AY、ヨーレイトγ、車体速度Vをそれぞれ検出する検出手段のセンサノイズ(取付け誤差ノイズ)や走行ノイズが積分演算の過程で蓄積し、横滑り角の算出精度が劣ることになり、車輪のスリップ角検出精度も低下する。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、車両の走行状態に応じた適切な演算式を用いて車体の横滑り角を精度よく演算し、高精度の横滑り角を用いて車輪スリップ角を精度よく得るようにした車両用車輪スリップ角検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体速度を検出する車体速度検出手段と;ヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と;横加速度を検出する横加速度検出手段と;舵角を検出する舵角検出手段と;各車輪のスリップ率を算出するスリップ率算出手段と;タイヤ特性を実走行データに基づいて予め定めたタイヤ特性設定手段と;前記各検出手段でそれぞれ検出される車体速度、ヨーレイト、横加速度および舵角に基づいて車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と:車体の推定横加速度を得る横加速度推定手段と;前記車体速度検出手段で検出される車体速度、前記ヨーレイト検出手段で検出されるヨーレイトならびに前記横加速度推定手段で得られる推定横加速度を用いた非線形の四輪車両運動モデルに基づいて得た横滑り角の微分値を積分して車体の横滑り角を第1横滑り角として算出する第1横滑り角算出手段と;前記各検出手段でそれぞれ検出される車体速度、ヨーレイト、横加速度および舵角を用いた線形の二輪車両運動モデルに基づいて車体の横滑り角を第2横滑り角として算出する第2横滑り角算出手段と;車両が直進状態の低速で走行している状態を前記走行状態検出手段が検出しているときには第2横滑り角算出手段で算出した第2横滑り角を選択し、それ以外の状態では第1横滑り角算出手段で算出した第1横滑り角を選択する選択手段と;該選択手段で選択した横滑り角に基づいて各車輪のスリップ角を算出するスリップ角算出手段と;を備え、前記横加速度推定手段は、スリップ角算出手段で算出したスリップ角ならびに前記スリップ率算出手段で算出したスリップ率の少なくとも一方と、前記タイヤ特性設定手段で設定されるタイヤ特性とに基づいて車体の推定横加速度を推定することを特徴とする。
【0007】
ここで、「線形の二輪車両運動モデル」とは、左、右前輪のコーナリングフォースが等しく、かつ左、右後輪のコーナリングフォースが等しいと仮定した状態でスリップ角に対して前、後輪のコーナリングフォースが線形に変化するような運動モデルであり、また「非線形の四輪車両運動モデル」とは、左、右前輪および左、右後輪のコーナリングフォースを等しいとは仮定しない状態でスリップ角に対して各車輪のコーナリングフォースが非線形に変化するような運動モデルである。
【0008】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、車両が低速で直進の走行状態にあることが走行状態検出手段で検出されたときには、第2横滑り角算出手段で算出された第2横滑り角に基づいて各車輪のスリップ角が算出されることになる。しかるに第2横滑り角は、車体速度、ヨーレイト、横加速度および舵角の検出値を用いて算出されるものであり、積分演算されるものではないので、直進に近い低速走行状態であることに起因して、車体速度、ヨーレイト、横加速度および舵角の検出値が小さなものであっても、センサノイズ(取付け誤差ノイズ)や走行ノイズが蓄積することはなく、横滑り角を精度よく算出することができる。一方、車両が低速で直進の走行状態にあるとき以外には、第1横滑り角算出手段で算出された第1横滑り角に基づいて各車輪のスリップ角が算出されるが、この第1横滑り角を算出するにあたって用いる車体速度、ヨーレイトおよび横加速度のうち、車体速度およびヨーレイトの検出値は比較的大きなものであり、検出値に対するノイズの大きさの割合が比較的小さくなり、また横加速度については、予め実走行で設定されたタイヤ特性と、スリップ角算出手段で算出したスリップ角ならびに前記スリップ率算出手段で算出したスリップ率の少なくとも一方とを用いて推定されるものであるので推定精度を向上することが可能であり、第1横滑り角が、横滑り角の微分値を積分して得られるものであっても、積分演算過程でのノイズによる誤差蓄積を小さく抑え、横滑り角の算出精度を向上することができる。したがって車両の走行状態にかかわらず、高精度の横滑り角に基づいて車輪スリップ角を精度よく得ることができる。
【0009】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記タイヤ特性設定手段で設定されるタイヤ特性に基づいて前記横加速度推定手段で得られる推定横加速度ならびに前記横加速度検出手段で検出される横加速度の偏差を算出する第1偏差算出手段と、前記タイヤ特性設定手段で設定されるタイヤ特性に基づいて車体のヨーモーメントとしてのヨーレイト変化速度を推定する車体ヨーモーメント推定手段と、前記ヨーレイト検出手段で検出されるヨーレイトを微分する微分手段と、前記車体ヨーモーメント推定手段で得られる推定ヨーレイト変化速度ならびに前記微分手段で得られる検出ヨーレイト変化速度の偏差を算出する第2偏差算出手段と、第1および第2偏差算出手段でそれぞれ算出される偏差のうち大きい方を選択するハイセレクト手段と、該ハイセレクト手段で選択された前記偏差に基づいて路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段とを含み、前記タイヤ特性設定手段は、摩擦係数推定手段で得られた推定摩擦係数に応じてタイヤ特性を補正することを特徴とする。
【0010】
このような請求項2記載の発明の構成によれば、実際の路面の摩擦係数に応じた車輪スリップ角を得ることが可能となる。すなわち推定横加速度および推定ヨーレイト変化速度は、路面の摩擦係数を一定としてタイヤ特性設定手段で設定されるタイヤ特性に基づくものであるので、実際の路面の摩擦係数が横加速度およびヨーレイト変化速度の推定時から変化したときには、横加速度検出手段で検出される横加速度および推定横加速度間に摩擦係数の変化分に対応した偏差が生じるとともに、ヨーレイト検出手段で検出されるヨーレイトを微分した値および推定ヨーレイト変化速度間に摩擦係数の変化分に対応した偏差が生じるはずであり、これら2つの偏差、すなわち横加速度の推定偏差およびヨーレイト変化率(ヨーレイトレイト)は、路面の摩擦係数が比較的大きい場合と、比較的小さい場合とでそれぞれ顕著に現れる。そこで、検出した横加速度および推定横加速度の偏差を算出する第1偏差算出手段の算出値ならびに検出したヨーレイトおよび推定ヨーレイトの偏差を算出する第2偏差算出手段の算出値の大きい方、すなわち摩擦係数の変化の影響が大きく出た方を摩擦係数の変化量に対応した偏差であると判断して摩擦係数を補正し、推定横加速度および推定ヨーレイト変化速度を補正することにより、実際の路面摩擦係数に対応した推定横加速度および推定ヨーレイト変化速度を得ることができ、したがって実際の路面の摩擦係数に応じてタイヤ特性を補正でき、さらに補正された正確な車輪スリップ角を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1ないし図7は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両の駆動系およびブレーキ系を示す図、図2は制御ユニットの構成を示すブロック図、図3は制御ユニットにおける車輪スリップ角検出部の構成を示すブロック図、図4はタイヤ特性設定手段で設定されるタイヤ特性を示す図、図5は線形二輪車両運動モデルでの横方向の力のバランスを示す図、図6は線形二輪車両運動モデルで用いるタイヤ特性を示す図、図7は車両の旋回運動時のコーナリングフォースおよび制・駆動力により発生する車体モーメントを示す図である。
【0013】
先ず図1において、車体1の前部には、エンジンEおよび変速機Tから成るパワーユニットPが、駆動輪である左前輪WFLおよび右前輪WFRを駆動すべく搭載される。また左、右前車輪WFL,WFRには左、右前輪ブレーキBFL,BFRが装着され、従動輪である左後輪WRLおよび右後輪WRRには左、右後輪ブレーキBRL,BRRが装着され、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRは、たとえばディスクブレーキである。
【0014】
タンデム型のマスタシリンダMが備える第1および第2出力ポート2A,2Bからはブレーキペダル3の踏込み操作に応じたブレーキ液圧が出力されるものであり、両出力ポート2A,2Bはブレーキ液圧回路4に接続され、該ブレーキ液圧回路4からのブレーキ液圧が各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRに作用せしめられる。このブレーキ液圧回路4では、制御ユニット5で制御されることにより各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRに作用せしめるブレーキ液圧が調節されるものであり、該制御ユニット5には、各車輪WFL,WFR,WRL,WRRの車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度検出器6FL,6FR,6RL,6RR、ステアリングハンドルHで操作された舵角δを検出する舵角検出手段7、車両のヨーレイトγを検出するヨーレイト検出手段8、ならびに車両の横加速度AYを検出する横加速度検出手段9の検出値がそれぞれ入力される。
【0015】
図2において、制御ユニット5は、車体速度検出手段10と、スリップ率算出手段11と、車輪スリップ角算出部12と、ブレーキ量制御部26とを備える。
【0016】
車体速度検出手段10では、各車輪の車輪速度をそれぞれ個別に検出する4つの車輪速度検出器6FL,6FR,6RL,6RRの検出値に基づいて車体速度Vが得られ、スリップ率算出手段11では、車体速度検出手段10で算出される車体速度Vならびに前記各車輪速度検出器6FL,6FR,6RL,6RRの検出値に基づいて各車輪毎のスリップ率が演算される。
【0017】
車輪スリップ角算出部12は、車両の旋回運動制御を行なう上でより制御精度を高めるために、前後四輪のタイヤのグリップ力を把握すべく各車輪のスリップ角を算出するものであり、舵角検出手段7で検出される舵角δ、ヨーレイト検出手段8で検出されるヨーレイトγ、横加速度検出手段9で検出される横加速度AY、車体速度検出手段10で検出される車体速度V、スリップ率算出手段11で算出される各車輪毎のスリップ率に基づいて、各車輪毎のスリップ角αが車輪スリップ角算出部12で算出される。この車輪スリップ角算出部12で得られた車輪スリップ角αは、ブレーキ量制御部26に入力され、車輪スリップ角に基づく車両の旋回運動制御を行なうために各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRに作用せしめるブレーキ液圧がブレーキ量制御部26で演算され、ブレーキ量制御部26で演算された結果に基づいてブレーキ液圧回路4が作動することになる。
【0018】
図3において、車輪スリップ角算出部12は、走行状態検出手段13と、タイヤ特性設定手段14と、横加速度推定手段15と、第1横滑り角算出手段16と、第2横滑り角算出手段17と、選択手段18と、スリップ角算出手段19と、第1偏差算出手段20と、第2偏差算出手段21と、車体ヨーモーメント推定手段22と、微分手段23と、ハイセレクト手段24と、摩擦係数推定手段25とを備える。
【0019】
タイヤ特性設定手段14には、各車輪のタイヤ毎のタイヤ特性が実走行データに基づいて予め設定されており、図4で示すように、スリップ角αとコーナリングフォースCFとの関係を示すスリップ角−コーナリングフォース特性と、スリップ率λとコーナリングフォース減少率RCFとの関係を示すスリップ角−コーナリングフォース減少率特性と、スリップ率λと制・駆動力FXとの関係を示すスリップ率−制・駆動力特性とが、摩擦係数推定手段25で推定される路面の摩擦係数μに応じて各車輪毎に予め設定されている。すなわちタイヤ特性設定手段14は、摩擦係数推定手段25で得られた推定摩擦係数μに応じて、スリップ角−コーナリングフォース特性、スリップ角−コーナリングフォース減少率特性、ならびにスリップ率−制・駆動力特性を補正する機能を有するものである。
【0020】
タイヤ特性設定手段14で設定されるタイヤ特性のうち、スリップ角−コーナリングフォース特性ならびにスリップ率−コーナリングフォース減少率特性に基づいて、横加速度推定手段15により推定横加速度AYEが推定される。すなわち横加速度推定手段15には、タイヤ特性設定手段14が接続されるとともに、スリップ率算出手段11で算出されるスリップ率λ、ならびにスリップ角算出手段19で算出される各車輪毎のスリップ角αが入力されており、左、右前輪および左、右後輪毎の(CF×RCF)の四輪の総和に基づいて、推定横加速度推定手段15で推定横加速度AYEが得られることになる。
【0021】
而して上述の演算(CF×RCF)において、スリップ率−コーナリングフォース減少率特性に基づくコーナリングフォース減少率RCFを、コーナリングフォースCFに乗じることにより、車両の運動制御に伴なってスリップ率λが変動することに応じて、コーナリングフォースCFが補正されることになる。
【0022】
推定横加速度推定手段15で得られた推定横加速度AYEは、第1横滑り角算出手段16に入力される。この第1横滑り角算出手段16には、前記推定横加速度AYEに加えて、車体速度検出手段10で検出される車体速度Vならびにヨーレイト検出手段8で検出されるヨーレイトγが入力されており、非線形の四輪車両運動モデルに基づいて車体の横滑り角を第1横滑り角β1として算出する演算が第1横滑り角算出手段16で実行される。
【0023】
非線形の四輪車両運動モデルに基づく微分方程式によれば、横滑り角の微分値は、{(横加速度/車体速度)−ヨーレイト}として得られるものであり、横加速度を推定横加速度AYEとし、車体速度を車体速度検出手段10で検出される車体速度Vとし、ヨーレイトをヨーレイト検出手段8で検出されるヨーレイトγとすることにより、
dβ1/dt=(AYE/V)−γ……(1)
として、第1横滑り角β1の微分値(dβ1/dt)が得られる。またその微分値(dβ1/dt)を積分することにより、第1横滑り角β1が、
β1=∫{(AYE/V)−γ}dt+β10 ……(2)
として、第1横滑り角算出手段16で得られることになる。而して上記積分式において、β10 は第1横滑り角β1の初期値であり、第2横滑り角算出手段17から入力される。
【0024】
ところで、上記非線形の四輪車両運動モデルに基づいて得た第1横滑り角β1は、車両の旋回運動状態で横滑り量が比較的大きいときの横滑り角に適合したものであるが、車両が低速で直進している走行状態で横滑り量が比較的小さいときには、第1横滑り角β1の積分演算過程でのノイズの蓄積による誤差が比較的大きくなり、直進の低速で車両が走行している状態で第1横滑り角β1を用いて車輪スリップ角αを得るのは適切ではない。そこで、線形の二輪車両運動モデルに基づいて車体の横滑り角を第2横滑り角β2として得る演算が第2横滑り角算出手段17で実行される。
【0025】
線形の二輪車両運動モデルでは、図5で示すように、左、右前輪のコーナリングフォースCFFが等しく、また左、右後輪のコーナリングフォースCFRが等しいとした横方向の力学方程式を用いるものであり、この図5において、前輪のスリップ角αF、後輪のスリップ角αR、車体の横滑り角βは、反時計方向を正として表している。而して車両の質量をM、前輪のコーナリングフォースをCFF、後輪のコーナリングフォースをCFRとしたときに、
M・AY= CFF+ CFR……(3)
として表すことができる。またコーナリングフォースCFは、車輪スリップ角αが微小範囲であるときには、図6で示すように線形であるので、前輪のコーナリングパワーをCPF、後輪のコーナリングパワーをCPR、前輪のスリップ角をαF、後輪のスリップ角をαRとしたときに、
CFF=CPF×αF……(4)
CFR=CPR×αR……(5)
である。
【0026】
また前輪のスリップ角αFおよび後輪のスリップ角αRは、車体重心から前輪までの距離LF、車体重心から後輪までの距離LR、車体速度V、車体の横滑り角β、ヨーレイトγおよび前車輪の実舵角δを用いて次のように表すことができる。
【0027】
αF=β+(LF/V)×γ−δw……(6)
αR=β−(LR/V)×γ……(7)
ここで、前車輪の実舵角δwは、舵角検出手段7で検出される舵角δをステアリング系のギヤ比で除し、アッカーマンアングルを考慮した補正を加えることにより得られるものである。
【0028】
上記第(4) 〜(7) 式を、第(3) 式に代入すると、
Figure 0003669668
が成り立ち、この第(8) 式をβについて整理すると、
Figure 0003669668
を得ることができる。而してCPF,CPR,LF,LR,Mは、車両固有の一定値であるので、上記第(9) 式を次のように書き換えることができる。
【0029】
β=C1×AY−C2×γ/V+C3×δw……(10)
第2横滑り角算出手段17は、上記第(10)式に基づく演算を行なうものであり、車体速度検出手段10で検出される車体速度V、ヨーレイト検出手段8で検出されるヨーレイトγ、横加速度検出手段9で検出される横加速度AYならびに舵角検出手段7で検出される舵角δが第2横滑り角算出手段17に入力され、第2横滑り角算出手段17は、上記第(10)式に基づく演算で得た滑り角βを第2滑り角β2として出力する。
【0030】
第1横滑り角算出手段16で算出される第1横滑り角β1、ならびに第2横滑り角算出手段17で算出される第2横滑り角β2は、選択手段18で択一的に選択されてスリップ角算出手段19に入力されるものであり、選択手段18による択一的な選択は、走行状態検出手段13により切換えられる。
【0031】
V<10km/h
−3(deg)<δ<+3(deg)
−0.1(G)<AY<+0.1(G)
1.0(deg/s)<γ<+1.0(deg/s)
【0032】
V<10km/h
−3(deg)<δ<+3(deg)
−0.1(G)<AY<+0.1(G)
−0.1(deg/s)<γ<+0.1(deg/s)
上記各条件が全て成立したときに、走行状態検出手段13は、車両が直進の低速走行状態であるとして、第2横滑り角算出手段17で算出される第2滑り角β2を選択手段18が選択するような信号を選択手段18に与えるが、上記各条件のいずれか1つでも成立しないときには、第1横滑り角算出手段16で算出される第1滑り角β1を選択手段18が選択するような信号を選択手段18に与える。
【0033】
スリップ角算出手段19では、選択手段18で選択されて入力される第1滑り角β1もしくは第2滑り角β2と、車体速度検出手段10で検出される車体速度V、ヨーレイト検出手段8で検出されるヨーレイトγ、ならびに舵角検出手段7で検出される舵角δとを用いて、上述の第(6) ,(7) 式に基づく各車輪毎のスリップ角αの演算が実行される。而してスリップ角算出手段19で得られた各車輪毎のスリップ角αは、横加速度推定手段15での推定横加速度AYEの演算のために横加速度推定手段15に入力される。
【0034】
またスリップ角算出手段19で得られた各車輪のスリップ角αは、車輪スリップ角に基づく車両の旋回運動制御を行なうためにブレーキ量制御部26に与えられる。
【0035】
摩擦係数推定手段25には、ハイセレクト手段24の出力が入力されており、該ハイセレクト手段24は、第1偏差算出手段20の算出値ならびに第2偏差算出手段21の算出値のうち大きい方を選択して出力する。
【0036】
第1偏差算出手段20では、横加速度推定手段15で得られた推定横加速度AYEと、横加速度検出手段9で検出された横加速度AYとの差(AYE−AY)が算出される。
【0037】
一方、第2偏差算出手段21では、車体ヨーモーメント推定手段17で推定される車体ヨーモーメントとしての推定ヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eと、ヨーレイト検出手段8で検出されたヨーレイトγを微分する微分手段18で得られるヨーレイト変化速度dγ/dtとの差{(dγ/dt)E−dγ/dt}が算出される。
【0038】
図7において、車両が旋回運動しているときの左、右前輪および左、右後輪のコーナリングフォースをCFFL,CFFR,CFRL,CFRRとし、左、右前輪および左、右後輪の制・駆動力をFXFL,FXFR,FXRL,FXRRとし、左、右前輪および左、右後輪間のトレッドをTとしたときに、車体ヨーモーメント推定手段17では、車体ヨーモーメントとしての推定ヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eが次のような演算に基づいて推定される。
【0039】
【数1】
Figure 0003669668
【0040】
上記第(11)式において、CFFL,CFFR,CFRL,CFRRは、タイヤ特性設定手段14に設定されているスリップ角−コーナリングフォース特性ならびにスリップ率−コーナリングフォース減少率特性に基づいて、左、右前輪および左、右後輪毎に(CF×RCF)の演算を実行して得られるものであり、またFXFL,FXFR,FXRL,FXRRは、タイヤ特性設定手段14に設定されているスリップ率−制・駆動力特性に基づいて左、右前輪および左、右後輪毎に得られるものである。
【0041】
而して上記第(11)式を演算するために、車体ヨーモーメント推定手段22には、タイヤ特性設定手段14で設定されるタイヤ特性が入力されるとともに、スリップ率算出手段11で算出されるスリップ率λが入力される。
【0042】
ところで、横加速度推定手段15で推定される横加速度AYEならびに車体ヨーモーメント推定手段22で推定されるヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eは、タイヤ特性設定手段14で設定されるタイヤ特性に基づくものである。したがって実際の路面の摩擦係数μが、横加速度AYEおよびヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eの演算に用いたタイヤ特性の摩擦係数μから変化したときには、横加速度検出手段9で検出される横加速度AYおよび推定横加速度AYE間に摩擦係数μの変化分に対応した偏差が生じるとともに、ヨーレイト検出手段8で検出されるヨーレイトγの微分値(dγ/dt)ならびに車体ヨーモーメント推定手段22で推定されるヨーレイト変化速度(dγ/dt)E間に摩擦係数μの変化分に対応した偏差が生じるはずである。このような2つの偏差、すなわち横加速度の推定偏差およびヨーレイト変化率(ヨーレイトレイト)は、路面の摩擦係数が比較的大きい場合と、比較的小さい場合とでそれぞれ顕著に現れる。そこで、検出した横加速度AYおよび推定横加速度AYEの偏差を算出する第1偏差算出手段20の算出値ならびに検出したヨーレイトγの微分値(dγ/dt)および推定ヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eの偏差を算出する第2偏差算出手段21の算出値の大きい方、すなわち摩擦係数μの変化の影響が大きく出た方を摩擦係数μの変化量に対応した偏差であると判断してハイセレクト手段24で選択し、そのハイセレクト手段24で選択された偏差が摩擦係数μの偏差に対応するものであるとして、摩擦係数推定手段25で摩擦係数μを推定する。
【0043】
すなわち摩擦係数推定手段25では、摩擦係数μの初期を「1」とし、摩擦係数μの変化分に対応した第1もしくは第2偏差算出手段20,21の算出偏差に対応した摩擦係数変化分を、前回の処理ループで得られていた摩擦係数μに加算もしくは減算することで、今回の処理ループでの摩擦係数μを推定することになる。
【0044】
次にこの実施例の作用について説明すると、車両が低速の直進走行状態にあることが走行状態検出手段13で検出されたときには、第2横滑り角算出手段17で算出された第2横滑り角β2に基づいて各車輪のスリップ角αが算出される。しかるに第2横滑り角β2は、車体速度V、ヨーレイトγ、横加速度AYおよび舵角δの検出値により線形の二輪車両運動モデルに基づいて算出されるものであり、積分演算されるものではないので、低速の直進走行状態であることに起因して、横加速度V、ヨーレイトγ、車体速度Vの検出値が小さなものであっても、センサノイズ(取付け誤差ノイズ)や走行ノイズが蓄積することはなく、第2横滑り角β2に基づいて各車輪の横滑り角αを精度よく算出することができる。
【0045】
一方、車両が直進の低速走行状態にあるとき以外には、第1横滑り角算出手段16で算出された第1横滑り角β1に基づいて各車輪のスリップ角αが算出されるが、この第1横滑り角βを算出するにあたって用いる車体速度V、ヨーレイトγおよび推定横加速度AYEのうち、車体速度Vおよびヨーレイトγの検出値は比較的大きなものであり、検出値に対するノイズの大きさの割合が比較的小さくなり、また推定横加速度AYEは、予め設定されたタイヤ特性と、スリップ角算出手段19で算出したスリップ角ならびにスリップ率算出手段11で算出したスリップ率の少なくとも一方とを用いて推定されるものであるので推定精度を向上することが可能であり、第1横滑り角β1が、非線形の四輪車両運動モデルに基づく微分方程式によって得た横滑り角βの微分値dβ/dtを積分して得られるものであっても、積分演算過程でのノイズによる誤差蓄積を小さく抑え、横滑り角βの算出精度を向上することができ、高精度の横滑り角βに基づいて車輪スリップ角αを精度よく得ることができる。
【0046】
また横加速度推定手段15で得られる推定横加速度AYEならびに横加速度検出手段9で検出される横加速度AYの偏差が第1偏差算出手段20で算出され、車体ヨーモーメント推定手段22で得られる車体ヨーモーメントとしての推定ヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eならびにヨーレイト検出手段8で検出されるヨーレイトγの微分値(dγ/dt)の偏差が第2偏差算出手段21で算出され、両偏差算出手段20,21でそれぞれ算出される偏差のうち大きい方がハイセレクト手段24で択一的に選択される。
【0047】
ところで、横加速度推定手段15および車体ヨーモーメント推定手段22は、タイヤ特性設定手段14に設定されるタイヤ特性に基づいて、推定横加速度AYEおよび推定ヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eを推定するものであるので、実際の路面の摩擦係数μが横加速度推定時および車体ヨーモーメント推定時の路面の摩擦係数μから変化したときには、両偏差算出手段20,21では摩擦係数変化分に対応した偏差を算出するはずである。しかも、前記両偏差算出手段20,21でそれぞれ算出される偏差、すなわち横加速度の推定偏差およびヨーレイト変化率(ヨーレイトレイト)は、路面の摩擦係数が比較的大きい場合と、比較的小さい場合とでそれぞれ顕著に現れるものである。そこで、両偏差算出手段20,21の算出値の大きい方、すなわち摩擦係数μの変化の影響が大きく出た方を摩擦係数μの変化量に対応した偏差であるとしてセレクト手段24で選択し、セレクト手段24で選択された偏差に基づいて摩擦係数推定手段25により摩擦係数μを推定する。
【0048】
しかも摩擦係数推定手段25で推定した摩擦係数μにより、タイヤ特性設定手段14がタイヤ特性を補正するようにしているので、実際の路面の摩擦係数μに対応した推定横加速度AYEおよび推定ヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eを得ることができ、この結果、実際の路面の摩擦係数μに応じた車輪のスリップ角αを得ることができる。
【0049】
さらにタイヤ特性設定手段14では、車輪のスリップ角αを用いた車両の運動制御に応じて変化する車輪のスリップ率と、制・駆動力およびコーナリングフォース減少率との関係を示す特性が予め設定されており、推定横加速度AYEの演算、ならびに推定ヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eの演算にあたって、スリップ率−制・駆動力特性およびスリップ率−コーナリングフォース減少率特性を参照しているので、各四輪のスリップ角αの算出に伴なう各車輪の運動制御に応じたスリップ率λの変化を考慮し推定横加速度AYEおよび推定ヨーレイト変化速度(dγ/dt)Eを得ることができ、より実際の制御状態に適合させた車輪スリップ角を得ることができる。
【0050】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、車両が直進の低速走行状態にあることが走行状態検出手段で検出されたときには線形二輪車両運動モデルに基づいて算出される第2横滑り角を用いて車輪のスリップ角を算出し、センサノイズや走行ノイズの蓄積を防止して横滑り角を精度よく算出し、また車両が直進に近い低速走行状態にあるとき以外には、車体速度、ヨーレイトおよび横加速度を用いた非線形四輪車両運動モデルの演算式に基づいて算出される第1横滑り角を用いて車輪のスリップ角を算出し、車体速度およびヨーレイトの検出値に対するノイズの大きさの割合が比較的小さいこと、ならびに横加速度を予め設定されたタイヤ特性に基づいて推定することにより、積分演算過程でのノイズによる誤差蓄積を小さく抑え、横滑り角の算出精度を向上することができる。したがって車両の走行状態にかかわらず、高精度の横滑り角に基づいて車輪のスリップ角を精度よく得ることができる。
【0052】
また請求項2記載の発明によれば、実際の路面の摩擦係数に応じた車輪スリップ角を得ることを可能とし、実際の路面の摩擦係数に応じた車輪スリップ角を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の駆動系およびブレーキ系を示す図である。
【図2】制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】制御ユニットにおける車輪スリップ角検出図の構成を示すブロック図である。
【図4】タイヤ特性設定手段で設定されるタイヤ特性を示す図である。
【図5】線形二輪車両運動モデルでの横方向の力のバランスを示す図である。
【図6】線形二輪車両運動モデルで用いるタイヤ特性を示す図である。
【図7】車両の旋回運動時のコーナリングフォースおよび制・駆動力により発生する車体モーメントを示す図である。
【符号の説明】
7・・・舵角検出手段
8・・・ヨーレイト検出手段
9・・・横加速度検出手段
10・・・車体速度検出手段
11・・・スリップ率算出手段
13・・・走行状態検出手段
14・・・タイヤ特性設定手段
15・・・横加速度推定手段
16・・・第1横滑り角算出手段
17・・・第2横滑り角算出手段
18・・・選択手段
19・・・スリップ角算出手段
20・・・第1偏差算出手段
21・・・第2偏差算出手段
22・・・車体ヨーモーメント推定手段
23・・・微分手段
24・・・ハイセレクト手段
25・・・摩擦係数推定手段

Claims (2)

  1. 舵角を検出する舵角検出手段(7)と;ヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段(8)と;横加速度を検出する横加速度検出手段(9)と;車体速度を検出する車体速度検出手段(10)と;各車輪のスリップ率を算出するスリップ率算出手段(11)と;タイヤ特性を実走行データに基づいて予め定めたタイヤ特性設定手段(14)と;前記各検出手段(7〜10)でそれぞれ検出される車体速度、ヨーレイト、横加速度および舵角に基づいて車両の走行状態を検出する走行状態検出手段(13)と:車体の推定横加速度を得る横加速度推定手段(15)と;前記車体速度検出手段(10)で検出される車体速度、前記ヨーレイト検出手段(8)で検出されるヨーレイトならびに前記横加速度推定手段(15)で得られる推定横加速度を用いた非線形の四輪車両運動モデルに基づいて得た横滑り角の微分値を積分して車体の横滑り角を第1横滑り角として算出する第1横滑り角算出手段(16)と;前記各検出手段(7〜10)でそれぞれ検出される車体速度、ヨーレイト、横加速度および舵角を用いた線形の二輪車両運動モデルに基づいて車体の横滑り角を第2横滑り角として算出する第2横滑り角算出手段(17)と;車両が直進状態の低速で走行している状態を前記走行状態検出手段(13)が検出しているときには第2横滑り角算出手段(17)で算出した第2横滑り角を選択し、それ以外の状態では第1横滑り角算出手段(16)で算出した第1横滑り角を選択する選択手段(18)と;該選択手段(18)で選択した横滑り角に基づいて各車輪のスリップ角を算出するスリップ角算出手段(19)と;を備え、前記横加速度推定手段(15)は、スリップ角算出手段(19)で算出したスリップ角ならびに前記スリップ率算出手段(11)で算出したスリップ率の少なくとも一方と、前記タイヤ特性設定手段(14)で設定されるタイヤ特性とに基づいて車体の推定横加速度を推定することを特徴とする車両用車輪スリップ角検出装置。
  2. 前記タイヤ特性設定手段(14)で設定されるタイヤ特性に基づいて前記横加速度推定手段(15)で得られる推定横加速度ならびに前記横加速度検出手段(9)で検出される横加速度の偏差を算出する第1偏差算出手段(20)と、前記タイヤ特性設定手段(14)で設定されるタイヤ特性に基づいて車体のヨーモーメントとしてのヨーレイト変化速度を推定する車体ヨーモーメント推定手段(22)と、前記ヨーレイト検出手段(8)で検出されるヨーレイトを微分する微分手段(23)と、前記車体ヨーモーメント推定手段(22)で得られる推定ヨーレイト変化速度ならびに前記微分手段(23)で得られる検出ヨーレイト変化速度の偏差を算出する第2偏差算出手段(21)と、第1および第2偏差算出手段(20,21)でそれぞれ算出される偏差のうち大きい方を選択するハイセレクト手段(24)と、該ハイセレクト手段(24)で選択された前記偏差に基づいて路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段(25)とを含み、前記タイヤ特性設定手段(14)は、摩擦係数推定手段(25)で得られた推定摩擦係数に応じてタイヤ特性を補正することを特徴とする請求項1記載の車両用車輪スリップ角検出装置。
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