JP3669551B2 - 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法 - Google Patents

凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3669551B2
JP3669551B2 JP20307698A JP20307698A JP3669551B2 JP 3669551 B2 JP3669551 B2 JP 3669551B2 JP 20307698 A JP20307698 A JP 20307698A JP 20307698 A JP20307698 A JP 20307698A JP 3669551 B2 JP3669551 B2 JP 3669551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concavo
convex
coating liquid
nozzle
pitch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20307698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000033289A (ja
Inventor
秀樹 池内
登志夫 安田
高男 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP20307698A priority Critical patent/JP3669551B2/ja
Publication of JP2000033289A publication Critical patent/JP2000033289A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3669551B2 publication Critical patent/JP3669551B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Nozzles (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に凹凸状の特定のパターンが形成されたもの、特に一定形状の隔壁を等ピッチで配置したプラズマディスプレイパネルや、ストライプ形ブラックマトリックス式のカラー受像管のパネル内面等における一定パターンの塗布に適用できる、ノズル、凹凸基板への塗液の塗布装置および塗布方法、並びにこれらの装置および方法を使用したプラズマディスプレイの製造装置および製造方法の改良、並びに改良されたプラズマディスプレイパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディスプレイはその方式において次第に多様化してきている。現在注目されているものの一つが、従来のブラウン管よりも大型で薄型軽量化が可能なプラズマディスプレイである。これは、一定ピッチで一方向に延びる隔壁によりストライプ状の凹凸部をガラス基板上に形成し、該凹凸部の凹部に赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体を充填し、任意の部位を紫外線により発光させ、所定のカラーパターンを表示するものである。
【0003】
蛍光体がストライプ状に構成されているという構造は、ストライプ形ブラックマトリックス式のカラー受像管のパネルも有している。
【0004】
このような構造のものを高い生産性と高品質で製造するには、蛍光体を一定のパターン状に、塗り分ける技術が重要となる。
【0005】
たとえば特開平10−27543号公報には、プラズマディスプレイパネルの隔壁間を対象に、一個あるいは複数の吐出孔を有するノズルで塗布する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の凹凸基材への塗液の塗布方法においては、ノズルの吐出孔が1個の場合、複数の凹部に対して同時に塗布する方法には適用できず、塗布のために時間がかかる。
【0007】
また、ノズルの吐出孔が複数個の場合、各吐出孔からの吐出量にばらつきがあると、塗布後の基板には輝度むらが発生する。各吐出孔からの吐出量、つまり吐出の際の圧力損失を揃えるためには、吐出孔の孔径や孔長のばらつきを極力小さくする必要があるが、これは孔数が増せば増すほど難しくなる。また、ノズル製作に要する時間、コストもかかる。
【0008】
ノズルの中に、1孔でも他と吐出量が異なる吐出孔があれば、それによる輝度むらがすじ状に明確に見えるようになる。また、隣接する吐出孔の吐出量差はそれほど大きくなくても、多数配列された吐出孔の両端に位置する吐出孔間の吐出量差が大きくなることがある。吐出孔の配列方向に吐出量がある勾配をもって変化するような場合である。このようなノズルを用いて、一つの凹凸基板の異なる位置に対して数回塗布行程を繰り返すと、隣接行程間の境界部に顕著なすじ状の輝度むら(塗布厚みむら)が発生する。
【0009】
本発明者らは、このような問題について鋭意検討した結果、ノズルの各吐出孔からの吐出量のばらつきを極小に抑えるには限界があるとともに、それを敢えて行おうとすると著しく高価な装置になり、機構も複雑化するおそれがあることに着目するとともに、細かいピッチで配設された複数の凹部への塗布量を、隣接する1凹部毎に意図的に若干変えても、人間の目は輝度むらを認識できない(認識できる程の分解能を有していない)ことを見出し、これを利用することにより、複数の吐出孔を有するノズルで塗布する場合の、各吐出孔からの吐出量のばらつきによる輝度むらの発生を解消すべく本発明を完成した。
【0010】
つまり、本発明の課題は、プラズマディスプレイパネルの隔壁のように、一定の凹凸状のパターンが形成された基材の複数の凹部に、複数の吐出孔を有するノズルから所定の塗液を塗布するに際し、各吐出孔からの吐出量のばらつきを極力小さく抑えるために努力するものではなく、隣接する凹部への塗布量を若干変えて、塗布された凹凸基板の輝度むらを抑制することにあり、高生産性と高品質を可能とする凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイパネルの製造装置および方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る凹凸基材への塗液の塗布装置は、表面に一方向にストライプ状に一定ピッチで凹凸部が形成されている凹凸基材を固定するテーブルと、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルと、前記ノズルに塗液を供給する塗液供給手段と、前記テーブルとノズルを3次元的に相対移動させる移動手段とを備えた凹凸基材への塗液の塗布装置において、前記ノズルの吐出孔のピッチが、前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3n倍(nは2以上の自然数)であり、かつ、塗布方向に2個以上n個以下のノズルを配し、前記2個以上n個以下のノズルの中に、他のノズルの吐出孔に対して吐出量の異なる吐出孔を有するノズルを少なくとも1個含むことを特徴とするものからなる
【0018】
上記n個以下(nは2以上の自然数)のノズルの中には、他のノズルの吐出孔に対して吐出量の異なる吐出孔を有するノズルを少なくとも1個含むことが好ましい。吐出量の異なる吐出孔としては、他のノズルの吐出孔に対して開口面積の異なる吐出孔、あるいは、他のノズルの吐出孔に対して長さの異なる吐出孔に構成できる。
【0019】
さらに、本発明に係る凹凸基材への塗液の塗布装置は、表面に一方向にストライプ状に一定ピッチで凹凸部が形成されている凹凸基材を固定するテーブルと、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルと、前記ノズルに塗液を供給する塗液供給手段と、前記テーブルとノズルを3次元的に相対移動させる移動手段とを備えた凹凸基材への塗液の塗布装置において、前記ノズルの吐出孔のピッチが、吐出孔の配列方向中央部において前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3倍であり、かつ、少なくとも前記ノズルの両端に位置する吐出孔とその内側に位置する吐出孔との間のピッチが、前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの6倍であることを特徴とするものからなる。
【0020】
本発明に係るプラズマディスプレイの製造装置は、塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであって、上述のような本発明に係る凹凸基材への塗液の塗布装置を用いたことを特徴とするものからなる。
【0021】
本発明に係る凹凸基材への塗液の塗布方法は、表面に一方向にストライプ状に凹凸部が形成されている凹凸基材と、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルとを相対的に移動させ、かつ、前記ノズルに塗液を供給して吐出孔から塗液を吐出し、凹凸基材の選択された凹部に塗液を塗布する塗布方法であって、隣り合う被塗布凹部には塗液の吐出量を変えて塗布することを特徴とする方法からなる。
【0022】
この凹凸基材への塗液の塗布方法においては、上選択された被塗布凹部が、凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3m倍(mは自然数)のピッチで配された凹部であることが好ましい。
【0025】
また、本発明に係る凹凸基材への塗液の塗布方法は、表面に一方向にストライプ状に凹凸部が形成されている凹凸基材と、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルとを相対的に移動させ、かつ、前記ノズルに塗液を供給して吐出孔から塗液を吐出し、凹凸基材の選択された凹部に塗液を塗布する塗布方法であって、前記ノズルに、吐出孔のピッチが前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3n倍(nは2以上の自然数)のものを塗布方向に2個以上n個以下用いて塗布し、かつ、前記2個以上n個以下のノズルの中に、他のノズルの吐出孔に対して吐出量の異なる吐出孔を有するノズルを少なくとも1個含むことを特徴とする方法からなる。
【0026】
この凹凸基材への塗液の塗布方法においては吐出量の異なる吐出孔としては、他のノズルの吐出孔に対して開口面積の異なる吐出孔、あるいは、他のノズルの吐出孔に対して長さの異なる吐出孔に構成できる。
【0027】
さらに、本発明に係る凹凸基材への塗液の塗布方法は、表面に一方向にストライプ状に凹凸部が形成されている凹凸基材と、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルとを相対的に移動させ、かつ、前記ノズルに塗液を供給して吐出孔から塗液を吐出し、凹凸基材の選択された凹部に塗液を塗布する塗布方法であって、前記ノズルに、吐出孔のピッチが吐出孔の配列方向中央部において前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3倍であり、かつ、少なくとも前記ノズルの両端に位置する吐出孔とその内側に位置する吐出孔との間のピッチが、前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの6倍であるものを用いて塗布することを特徴とする方法からなる。
【0028】
本発明に係るプラズマディスプレイの製造方法は、塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであって、上述のような本発明に係る凹凸基材への塗液の塗布方法を用いることを特徴とする方法からなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、本発明の要部である、ノズルやノズル周りの構成を説明する前に、本発明に係る凹凸基材(たとえば、プラズマディスプレイパネル)への塗液の塗布装置の全体構成の例について説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施態様に係る塗布装置の全体斜視図、図2は図1のテーブル6とノズル20回りの模式図である。
【0033】
まず、塗液の塗布装置の全体構成について説明する。図1は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造に適用される塗布装置の一例を示している。この塗布装置は基台2を備えている。基台2上には、一対のガイド溝レール8が設けられており、このガイド溝レール8上にはテーブル6が配置されている。このテーブル6の上面には、表面に凹凸が一定ピッチで一方向にストライプ状に形成された基材4が、真空吸引によってテーブル面に固定可能となるように、サクション面を構成する複数の吸着孔7が設けられている。また、基材4は図示しないリフトピンによってテーブル6上を昇降する。さらにテーブル6はスライド脚9を介してガイド溝レール8上をX軸方向に往復動自在となっている。
【0034】
一対のガイド溝レール8間には、図2に示す送りねじ機構を構成するフィードスクリュー10が、テーブル6の下面に固定されたナット状のコネクタ11を貫通して延びている。フィードスクリュー10の両端部は軸受12に回転自在に支持され、さらに片方の一端にはACサーボモータ16が連結されている。
【0035】
図1に示すように、テーブル6の上方には、塗液吐出装置であるノズル20がホルダー22を介して昇降機構30、幅方向移動機構36に連結している。昇降機構30は昇降可能な昇降ブラケット28を備えており、昇降機構30のケーシング内部で一対のガイドロッドに昇降自在に取り付けられている。また、このケーシング内にはガイドロッド間に位置してボールねじからなるフィードスクリュー(図示しない)もまた回転自在に配置されており、ナット型のコネクタを介して昇降ブラケット28と連結されている。さらにフィードスクリューの上端には図示しないACサーボモータが接続されており、このACサーボモータの回転によって昇降ブラケット28を任意に昇降動作させることができるようになっている。
【0036】
さらに、昇降機構30はY軸移動ブラケット32(アクチュエータ)を介して幅方向移動機構36に接続されている。幅方向移動機構36はY軸移動ブラケット32をノズル20の幅方向、すなわちY軸方向に往復自在に移動させるものである。動作のために必要なガイドロッド、フィードスクリュー、ナット型コネクター、ACサーボモータ等は、ケーシング内に昇降機構30と同じように配置されている。幅方向移動機構36は支柱34により基台2上に固定されている。
【0037】
これらの構成によって、ノズル20はZ軸とY軸方向に自在に移動させることができる。
【0038】
ノズル20は、テーブル6の往復動方向と直交する方向、つまりY軸方向に水平に延びているが、これを直接保持するコの字形のホルダー22は昇降ブラケット28内にて回転自在に支持されており、垂直面内で自在に図中の矢印方向に回転することができる。
【0039】
このホルダ22の上方には水平バー24も昇降ブラケット28に固定されている。この水平バー24の両端部には、電磁作動型のリニアアクチュエータ26が取り付けられている。このリニアアクチュエータ26は水平バー24の下面から突出する伸縮ロッドを有しており、これら伸縮ロッドがホルダ22の両端部に接触することによってホルダ22の回転角度を規制することができ、結果としてノズル20の傾き度を任意に設定することができる。
【0040】
さらに図1を参照すると、基台2の上面には逆L字形のセンサ支柱38が固定されており、その先端にはテーブル6上の基材4の凸部頂上の位置(高さ)を測定する高さセンサ40が取り付けられている。また、高さセンサ40の隣には、基材4の隔壁間の凹部の位置を検知するカメラ72が支柱70に取り付けられている。図2に示すように、カメラ72は画像処理装置74に電気的に接続されており、隔壁間の凹部位置の変化を定量的に求めることができる。
【0041】
さらに、テーブル6の一端には、センサーブラケット64を介して、ノズル20の開口部のある下端面(開口部面)のテーブル6に対する垂直方向の位置を検出するセンサー66が取り付けられている。
【0042】
図2に示すように、ノズル20はそのマニホールド41内に塗液42が充填されており、開口部である吐出孔44が先端面上にならんでいる。そしてこの吐出孔44より塗液42が吐出される。ノズル40には供給ホース46が接続されており、さらに吐出用電磁切換え弁48、供給ユニット50、吸引ホース52、吸引用電磁切換え弁54、塗液タンク56へと連なっている。塗液タンク56には塗液42が蓄えられている。塗液42は、赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストからなる。
【0043】
供給ユニット50の具体例としては、ピストン、ダイヤフラム型等の定容量ポンプ、チュービングポンプ、ギアポンプ、モーノポンプ、さらには液体を気体の圧力で押し出す圧送コントローラ等がある。供給装置コントローラ58からの制御信号をうけて、供給ユニット50や、各々の電磁切換え弁の動作を行なわせ、塗液タンク56から塗液42を吸引して、ノズル20に塗液42を供給することができる。塗液タンク56から定容量ポンプへの塗液42の吸引動作を安定化させるために、塗液タンク56を密閉容器にして、空気、不活性ガスである窒素等の気体で圧力を付加してもよい。空気、窒素等で常に一定の圧力を付加するには、塗液タンク56を空気、窒素等の供給装置に接続して圧力制御すればよい。圧力の大きさは0.01〜1MPa、特に0.02〜0.5MPaが好ましい。
【0044】
供給装置コントローラ58はさらに、全体コントローラ60に電気的に接続されている。この全体コントローラ60には、モータコントローラ62、高さセンサー40の電気入力等、カメラ72の画像処理装置74からの情報等、すべての制御情報が電気的に接続されており、全体のシーケンス制御を司れるようになっている。全体コントローラ60は、コンピュータでも、シーケンサでも、制御機能を持つものならばどのようなものでもよい。
【0045】
またモータコントローラ62には、テーブル6を駆動するACサーボモータ16や、昇降機構30と幅方向移動機構36のそれぞれのアクチュエータ76、78(たとえば、ACサーボモータ)、さらにはテーブル6の移動位置を検出する位置センサ68からの信号、ノズル20の作動位置を検出するY、Z軸の各々のリニアセンサ(図示しない)からの信号などが入力される。なお、位置センサ68を使用する代わりに、ACサーボモータ16にエンコーダを組み込み、このエンコーダから出力されるパルス信号に基づき、テーブル6の位置を検出することも可能である。
【0046】
次にこの塗布装置を使った塗布方法の基本動作について説明する。
まず塗布装置における各作動部の原点復帰が行われるとテーブル6、ノズル20は各々X軸、Y軸、Z軸の準備位置に移動する。この時、塗液タンク56〜ノズル20まで塗液はすでに充満されており、吐出用電磁切換え弁48は開、吸引用電磁切換え弁54は閉の状態にする。そして、テーブル6の表面には図示しないリフトピンが上昇し、図示しないローダから隔壁が一定ピッチのストライプ状に形成されている基材4がリフトピン上部に載置される。
【0047】
次にリフトピンを下降させて基材4をテーブル6の上面に載置し、図示しないアライメント装置によってテーブル6上の位置決めが行われた後に基材2を吸着する。
【0048】
次にテーブル6はカメラ72と、高さセンサー40の真下に基材4の隔壁(凸部頂上)がくるまで移動し、停止する。カメラ72はテーブル6上に位置決めされた基材4上の隔壁端部を写し出すようにあらかじめ位置調整されており、画像処理によって一番端の凹部の位置を検出し、カメラ基準点からの位置変化量laを求める。一方、カメラ72の基準点と、所定のY軸座標位置Yaにある時のホルダ22に固定されたノズル20の最端部に位置する吐出孔44間の長さlbは、事前の調整時に測定し、情報として全体コントローラ60に入力しているので、画像処理装置74からカメラ基準点からの隔壁凹部の位置変化量laが電送されると、ノズル20の最端部に位置する吐出孔44が隔壁端部の凹部の真上となるY軸座標値Ycを計算し(例えば、Yc=Ya+lb−la)、ノズル20をその位置に移動させる。なお、カメラ72は、ノズル20やホルダ22に取り付けても同じ機能を持たせることができる。
【0049】
この間に高さセンサ40は基材4の隔壁頂上部の垂直方向の位置を検知し、テーブル6上面との位置の差から基材4の隔壁頂上部の高さを算出する。この高さに、あらかじめ与えておいたノズル20開口部〜基材4の隔壁頂上部間の間隙値を加算して、ノズル20のZ軸リニアセンサー上での下降すべき値を演算し、その位置にノズルを移動する。これによって、テーブル6上での隔壁頂上部位置が基材ごとに変化しても、塗布に重要なノズル20開口部〜基材上の隔壁頂上部間の間隙を常に一定に保てるようになる。
【0050】
次にテーブル6をノズル20の方へ向けて動作を開始させ、ノズル20の開口部の真下に基材4の塗布開始位置が到達する前に所定の塗布速度まで増速させておく。テーブル6の動作開始位置と塗布開始位置までの距離は塗布速度まで増速できるよう十分確保できていなければならない。
【0051】
さらに基材4の塗布開始位置がノズル20の開口部の真下に至るまでの所に、テーブル6の位置を検知する位置センサー68を配置しておき、テーブル6がこの位置に達したら、供給ユニット50の動作を開始して塗液42のノズル20への供給を開始する。ノズル20開口部より吐出される塗液42が基材4に達するには、基材〜ノズル開口部間の間隙だけ時間遅れが生じる。そのため、事前に塗液42をノズル20に供給することによって、基材4の塗布開始位置がノズル20開口部の丁度真下に来たところでノズル20から吐出された所定量の塗液42が基板4に到達するので、ほとんど厚みむらゼロの状態で塗布を開始することができる。塗液42の供給を開始する位置は位置センサー68の設置場所を変えて調整することができる。この位置センサー68の代わりに、モータあるいはフィードスクリューにエンコーダを接続したり、テーブルにリニアセンサーを付けたりすると、エンコーダやリニアセンサーの値で検知しても同様なことが可能となる。
【0052】
塗布は、基材4の塗布終了位置がノズル20の開口部の真下付近に来るまで行われる。すなわち、基材4はいつもテーブル6上の定められた位置に置かれているから、基材4の塗布終了位置がノズル20の開口部の(a)たとえば真下にくる5mm前や、(b)丁度真下になる位置に相当するテーブル6の位置に、位置センサーやそのエンコーダ値をあらかじめ設定しておき、テーブル6が(a)に対応する位置にきたら、全体コントローラ60から供給装置コントローラ58に停止指令を出して塗液42のノズル20への供給を停止して、(b)の位置までスキージ塗工し、次いでテーブル6が(b)に対応する位置にきたら、ノズル20を上昇させて完全に塗液42をたちきる。塗液42が比較的高粘度の液体である場合には、単に塗液の供給を停止しただけでは、残圧によるノズル20開口部からの塗液吐出までも瞬時に停止することは難しい。そのために、塗液の供給を停止するとと同時にノズル20内のマニホールド41圧力を大気圧にすると、短時間で開口部からの塗液の吐出停止が可能となるので、供給ユニットにこのような機能をもたせるか、あるいは、供給ユニットの吐出電磁切換え弁48〜ノズル20の間に大気開放バルブを設けるのが望ましい。
【0053】
さて、塗布終了位置を通過しても、テーブル6は動作を続け、終点位置にきたら停止する。このとき塗布すべき部分がまだ残っている場合には、次の塗布すべき開始位置までノズルをY軸方向に塗布幅分(ノズルピッチ×穴数)移動して、以下テーブル6を反対方向に移動させることを除いては同じ手順で塗布を行う。1回目と同一のテーブル6の移動方向で塗布を行なうのなら、ノズル20は次の塗布すべき開始位置までY軸方向に移動、テーブル6はX軸準備位置まで復帰させる。
【0054】
そして塗布工程が完了したら、基材4をアンローダで移載する場所までテーブル6を移動して停止させ、基材4の吸着を解除するとともに大気開放した後に、リフトピンを上昇させて基材4をテーブル6の面から引き離し、持ち上げる。
【0055】
このとき図示されないアンローダによって基材4の下面が保持され、次の工程に基材4を搬送する。基材4をアンローダに受け渡したら、テーブル6はリフトピンを下降させ原点位置に復帰する。
【0056】
このとき、吐出用電磁切換え弁48を閉、吸引用電磁切換え弁54を開状態にして供給ユニット50を動作させ、塗液タンク56から1枚の基材の塗布に必要な量だけ塗液を供給する。
【0057】
なお、前述の塗液塗布装置の全体構成において、高さセンサー40としては、レーザ、超音波等を利用した非接触測定形式のもの、ダイヤルゲージ、差動トランス等を利用した接触測定形式のもの等、測定可能な原理のものならいかなるものを用いてもよい。
【0058】
また、塗液吐出装置の開口部の凹部に対する相対位置を検知する検知手段は、基材の凹部とノズルの孔を各々別個に検知するカメラを用いた画像処理装置により構成してもよい。
【0059】
さらにまた、前記実施態様では基材はX軸方向に移動し、ノズルがY軸、Z軸方向に移動する場合での適用例について記述したが、ノズル20と基材4が相対的に3次元的に移動できる構造、形式のものであるのなら、テーブル、ノズルの移動方向はいかなる組み合わせのものでもよい。
【0060】
たとえば、前述の実施態様では、塗布はテーブルの移動、凹凸のピッチ方向への移動は、ノズルの移動によって行う例を示したが、塗布をノズルの移動、凹凸のピッチ方向への移動をテーブルの移動で行ってもよい。
【0061】
さらに、本発明における基材としては、ガラス板の他、鉄板、アルミ板等、枚葉状のものならどのようなものでもよい。また、一種類の塗液を塗布する場合について詳しく言及したが、赤、青、緑等の3色の蛍光体を同時に塗布する場合にも本発明は適用できる。
【0062】
次に、本発明のノズル、それを用いた凹凸基材への塗液の塗布装置および方法の基本技術思想について説明する。
図3(A)、(B)は、従来のノズルおよびその塗布特性例を示している。図3(A)に示すノズル101は、複数の吐出孔102が一直線状に配列されたもので、矢印は塗布方向を示している。このようなノズル101を用いて、塗布行程を繰り返して凹凸基板(図示略)の各凹部に塗液を塗布していくが、このとき各塗布行程(各バッチ)間、とくにその境界部では、図3(B)に示すような塗布量の境界が生じ、これが明確な輝度むらとなって現れることがある。これは、ノズル101内におけるマニホールドから各吐出孔102に至るまでの圧力損失の変化(たとえば、ある勾配をもった変化)などにより、それが図3(B)に示すような塗布量のグラデーション(輝度のグラデーション)を引き起こすためである。このような各バッチ間の境界部におけるむらを抑えるためには、前述した如く、極めて高精度の吐出孔加工や、複雑な塗布量制御機構が必要であるが、現実的には限界があるとともに、それを敢えて行おうとすると著しく高価なものになる。
【0063】
そこで本発明では、基本的に、人間の目(視覚)の特性を利用し、以下のような新規な手法を用いる。
たとえば図4(A)に示す、塗液を塗布すべき凹部(溝)に対し1溝飛ばしのピッチで吐出孔112を配列したノズル111の輝度(塗布量)の特性が図4(B)に示すようなものであり、図4(C)に示す、同じく、塗液を塗布すべき凹部(溝)に対し1溝飛ばしのピッチで吐出孔114を配列したノズル113の輝度(塗布量)の特性が図4(D)に示すようなものである場合、ノズル111とノズル113を、塗布方向Xと直角の方向であるノズル幅方向に1溝ピッチ分ずらして塗布すると(同時塗り、2回の別塗りにかかわらず)、塗布された基材の輝度(塗布量)の特性は図5(B)に示すようになる(図5(A)は、ノズル111とノズル113を1溝ピッチ分ずらして重ね合わせて塗布する場合を示している)。すなわち、互いに異なる輝度(塗布量)特性のノズル111とノズル113を用いて塗布される結果、隣接する塗布溝間では特性がでこぼこに変化し、図3(B)や図4(B)、図4(D)に示した特性に比べ、バッチ間境界部における輝度(塗布量)特性の変動が目立たなくなる。これは、人間の目が、群(複数本)で輝度(塗布量)が変わった場合は境界むらを認識できるが、1本単位で変化した場合には分解能をもたず認識できないことによる。本発明は、基本的にこの境界ぼかし効果を利用したものである。さらに、図5(A)におけるノズル111とノズル113の吐出量を意図的に変えると、図5(C)に示すような特性が得られ、図5(C)に示す特性では、一層境界むらが消える。
【0064】
また、図6(A)に示すような、塗液を塗布すべき凹部(溝)に対し1溝飛ばしのピッチで吐出孔122を配列したノズル121を用いて1回目の塗布と2回目の塗布とをノズル幅方向に1溝ピッチ分ずらして行う場合についても(順次塗工)、1回目の塗布と2回目の塗布とを同じ吐出量に設定した場合には図6(B)に示すような特性となって、やはり、1、2バッチ目と3、4バッチ目との境界部での輝度(塗布量)特性の変化が目立つことになるが、図6(C)に示すように、1バッチ目の塗布と2バッチ目の塗布、3バッチ目の塗布と4バッチ目の塗布とを互いに異なる吐出量に設定すると、1、2バッチ目と3、4バッチ目との境界部での輝度(塗布量)特性の変化は目立たなくなる。
【0065】
本発明では、基本的にこのような境界ぼかし効果を利用し、以下のような各態様で実施できる。
【0066】
図7は、本発明の一実施態様に係るノズル201を示しており、(A)はその縦断面図、(B)はそれと直角方向における縦断面図、(C)は吐出孔202が配列された底面図である。ノズル201には、塗液の供給口203とマニホールド204が設けられている。各吐出孔202は、円形の吐出孔からなり、同一の直径(開口面積)の吐出孔202が隣接しないように直線状に配列されている。つまり、吐出孔202は2種類以上(本実施態様では3種類)の吐出孔からなり、同種の吐出孔がノズル201の幅方向に互いに隣接しないように、少なくとも一つおきに配列されている。これにより、各隣接吐出孔における圧力損失が変わり、凹凸基材の隣り合う被塗布凹部には塗液の吐出量を変えて塗布することができる。したがって、凹凸基材に対してノズル201の塗布行程を繰り返す場合においても、各塗布バッチ間の境界部において輝度(塗布量)の変化を、人間の目では認識できない程度に目立たなくすることが可能になる。
【0067】
図7(C)に示すように、両端に位置する吐出孔202の開口面積を変えておくことにより、バッチ間の境界部における輝度(塗布量)の変化を一層目立たなくすることができる。吐出孔202は、直径の異なる2種類であってもよい。
【0068】
図8は、別の実施態様に係るノズル211を示している。本実施態様では、2種類以上(本実施態様では3種類)の開口面積の吐出孔212が、同種の吐出孔がノズル211の幅方向に互いに隣接しないように、少なくとも一つおきに配列されているとともに、同じ開口面積の吐出孔毎に直線状に配列されている。吐出孔径が異なれば圧力損失も異なり、塗布開始・終了位置が微妙に異なってくるので、各孔径毎の位置ずれ量を予測し、あらかじめ各孔径の吐出孔位置をずらしておくことが好ましい。吐出孔212は、直径の異なる2種類であってもよい。また、両端に位置する吐出孔の直径が異なることが好ましい。
【0069】
図9(A)、(B)は、さらに別の実施態様に係るノズル221を示している。本実施態様では、吐出孔222をパイプ部材223から構成し、同一の長さの吐出孔が互いに隣接しないように直線状に配列されたノズル221に構成されている。これにより、凹凸基材の、隣り合う被塗布凹部には塗液の吐出量を変えて塗布することができる。このように、吐出孔の孔長を変えることによっても、各吐出孔の圧力損失を変えて、互いに隣接する吐出孔からの吐出量を意図的に変えることができ、とくにバッチ間の境界部における輝度(塗布量)の変化を目立たなくすることができる。吐出孔222は、孔長の異なる2種類であってもよい。また、両端に位置する吐出孔の孔長が異なることが好ましい。
【0070】
図10(A)、(B)は、図9の変形例に係るノズル231を示している。本実施態様では、吐出孔232をノズル231の構成部材に直接形成している。ノズル231の下面を段付き形状部233に形成し、各段部に合わせて吐出孔232を穿設することにより、各吐出孔232の孔長を変化させることができる。このような構成によっても吐出孔の孔長を変えることができ、各吐出孔の圧力損失を変えて、互いに隣接する吐出孔からの吐出量を意図的に変えることができ、とくにバッチ間の境界部における輝度(塗布量)の変化を目立たなくすることができる。吐出孔232は、孔長の異なる2種類であってもよい。また、両端に位置する吐出孔の孔長が異なることが好ましい。
【0071】
図11(A)、(B)は、図9の別の変形例に係るノズル241を示している。本実施態様では、吐出孔242をパイプ部材243から構成し、同一の長さの吐出孔が互いに隣接しないように構成されているとともに、同じ孔長の吐出孔毎に直線状に配列されている。吐出孔の孔長が異なれば圧力損失も異なり、塗布開始・終了位置が微妙に異なってくるので、各孔長毎の位置ずれ量を予測し、あらかじめ各孔長の吐出孔位置をずらしておくことが好ましい。吐出孔242は、孔長の異なる2種類であってもよい。また、両端に位置する吐出孔の孔長が異なることが好ましい。
【0072】
図12(A)、(B)は、図10の変形例に係るノズル251を示している。本実施態様では、吐出孔252をノズル251の構成部材に直接形成している。ノズル251の下面を段付き形状部253に形成し、各段部に合わせて吐出孔252を穿設することにより、各吐出孔252の孔長を変化させることができる。そして、同一の長さの吐出孔が互いに隣接しないように構成されているとともに、同じ孔長の吐出孔毎に直線状に配列されている。吐出孔の孔長が異なれば圧力損失も異なり、塗布開始・終了位置が微妙に異なってくるので、各孔長毎の位置ずれ量を予測し、あらかじめ各孔長の吐出孔位置をずらしておくことが好ましい。吐出孔252は、孔長の異なる2種類であってもよい。また、両端に位置する吐出孔の孔長が異なることが好ましい。
【0073】
以上の各ノズルは、吐出孔のピッチが、凹凸基板の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3m倍(mは自然数)であることが好ましい。これによって、赤、緑、青の3色の塗液を順次塗布するプラズマディスプレイパネルの製造にも容易に対応できる。
【0074】
図13は、本発明の一実施態様に係る凹凸基材への塗液の塗布方法を示している。本実施態様では、ノズル261には、凹凸基材263の凸部または凹部ピッチの6倍のピッチで吐出孔262が設けられており、ノズル261の1個を用いて、まず所定塗布領域に対し1バッチ目が塗布された後、破線で示すようにそのノズル261が幅方向に凹凸基材263の凸部または凹部ピッチの3倍のピッチ分ずらされて2バッチ目の塗布が行われる。1バッチ目と2バッチ目の吐出量を変えることにより、被塗布凹部(凹凸基材263の3つおきの凹部)の互いに隣接する凹部には、互いに異なる塗布量で塗布されることになり、とくにバッチ間(1、2バッチ目と3、4バッチ目との間)の境界部における輝度(塗布量)の変化を目立たなくすることができる。吐出量を変える方法としては、たとえばバッチ間で吐出圧力を変える方法がある。
【0075】
図14は、図13の変形例に係る凹凸基材への塗液の塗布方法を示している。本実施態様では、凹凸基材273の凸部または凹部ピッチの6倍のピッチで吐出孔272が設けられたノズルがノズル271a、271bと2個配されており、各ノズル271a、271bからの塗液が実質的に同時に塗布される。ノズル271aとノズル271bはノズル幅方向に吐出孔が凹凸基材273の凸部または凹部ピッチの3倍のピッチ分ずらされており、それぞれのノズルの個体差で塗布量を変えることができるようになっている。各ノズル271a、271bは、独立に制御(移動、塗布)できるものであってもよく、凸部または凹部ピッチの3倍ずらして連結し、一緒に移動するものでもよい。このとき、塗布制御(塗布タイミング等)は別々に制御することが好ましい。また、各ノズルの相対位置を微調整できる手段を有していてもよい。さらに、それぞれのノズルは、吐出孔の開口面積や孔長を変えてもよい。
【0076】
図15は、本発明の別の実施態様に係る凹凸基材への塗液の塗布方法を示している。本実施態様では、ノズル281の吐出孔282のピッチを、吐出孔282の配列方向中央部においては凹凸基材283の凸部または凹部ピッチの3倍とし、両端に位置する吐出孔とその内側に位置する吐出孔のピッチのみを、凸部または凹部ピッチの6倍(1凹部を飛ばす)としたノズル281に構成している。
【0077】
図15に示すように、1回目のバッチでは実線で示す位置にて塗布し、次の2回目のバッチでは破線で示す位置にて塗布して、順次塗工時に、1回目塗布時に塗布しなかった最終孔とその内側の吐出孔の間の凹部に、2回目塗布時の第1孔で塗布する。これにより、順次塗工時に発生するバッチ間での境界むらが解消される。
【0078】
図16は、図15の変形例に係る凹凸基材への塗液の塗布方法を示している。本実施態様では、ノズル291の吐出孔292のピッチを、吐出孔292の配列方向中央部においては凹凸基材293の凸部または凹部ピッチの3倍とし、両端に位置する吐出孔とその内側に位置する吐出孔との間、さらにその内側に位置する吐出孔との間のピッチのみを、凸部または凹部ピッチの6倍(それぞれ1凹部を飛ばす)としたノズル291に構成している。
【0079】
図16に示すように、1回目のバッチでは実線で示す位置にて塗布し、次の2回目のバッチでは破線で示す位置にて塗布して、順次塗工時に、1回目塗布時に塗布しなかった端部側の2つの凹部に、2回目塗布時の第1孔および第2孔で塗布する。これにより、順次塗工時に発生するバッチ間での境界むらが解消される。このように、ノズルに配列された吐出孔の総数が多い場合には、端部における凹部飛ばしの部位を拡大することができる。この端部における凹部飛ばしの部位は、少なくとも両端に位置する吐出孔とその内側に位置する吐出孔との間に設ければよい。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のノズル並びに凹凸基材への塗液の塗布装置および方法によれば、複数の吐出孔から吐出され塗布される塗液の、とくにバッチ間の境界部における目立つ塗布むらを解消でき、見た目の塗布量、輝度のばらつきを小さくして、塗布品質を向上することができるとともに、安価に長時間にわたって安定な塗布が可能となる。そして、凹凸基材の各凹部への塗布量ばらつきを小さくするために、ノズルの吐出孔の孔径精度あるいは孔長精度を極限まで突き詰める必要がないので、ノズルを安価に製作できる。
【0081】
本発明のプラズマディスプレイの製造装置および方法によれば、上記凹凸基材への塗液の塗布装置および方法を使用しているので、品質の高いプラズマディスプレイパネルを、高い生産性で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の全体斜視図である。
【図2】図1の装置のテーブルとノズル周りの構成を示す模式図である。
【図3】従来のノズルの特性を示す説明図であって、(A)はノズルの概略構成図、(B)はその塗布特性図である。
【図4】本発明のノズルの特性を説明するための説明図であって、(A)はノズルの概略構成図、(B)はその塗布特性図、(C)は別のノズルの概略構成図、(D)はその塗布特性図である。
【図5】本発明のノズルの特性を説明するための説明図であって、(A)はノズルの配置を示す概略構成図、(B)はその塗布特性図、(C)は別の塗布特性図である。
【図6】本発明のノズルの特性を説明するための説明図であって、(A)はノズルの概略構成図、(B)はその塗布特性図、(C)は別の塗布特性図である。
【図7】本発明の一実施態様に係るノズルの概略構成図で、(A)は縦断面図、(B)は(A)と直角方向における縦断面図、(C)は底面図である。
【図8】本発明の別の実施態様に係るノズルの底面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施態様に係るノズルの概略構成図で、(A)は縦断面図、(B)は底面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施態様に係るノズルの概略構成図で、(A)は縦断面図、(B)は底面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施態様に係るノズルの概略構成図で、(A)は縦断面図、(B)は底面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施態様に係るノズルの概略構成図で、(A)は縦断面図、(B)は底面図である。
【図13】本発明の一実施態様に係る塗液の塗布方法を示す、ノズルと凹凸基板の平面図である。
【図14】本発明の別の実施態様に係る塗液の塗布方法を示す、ノズルと凹凸基板の平面図である。
【図15】本発明のさらに別の実施態様に係る塗液の塗布方法を示す、ノズルと凹凸基板の平面図である。
【図16】本発明のさらに別の実施態様に係る塗液の塗布方法を示す、ノズルと凹凸基板の平面図である。
【符号の説明】
2 基台
4 基材
6 テーブル
8 ガイド溝レール
10 フィードスクリュー
16 ACサーボモータ
20 ノズル
26 リニアアクチュエータ
30 昇降機構
36 幅方向移動機構
40 高さセンサー
42 塗液
44 吐出孔
50 供給ユニット
56 塗液タンク
58 供給装置コントローラ
60 全体コントローラ
66 センサー
72 カメラ
201、211、221、231、241、251、261、271a、271b、281、291 ノズル
202、212、222、232、242、252、262、272、282、292 吐出孔
203 塗液供給口
204 マニホールド

Claims (12)

  1. 表面に一方向にストライプ状に一定ピッチで凹凸部が形成されている凹凸基材を固定するテーブルと、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルと、前記ノズルに塗液を供給する塗液供給手段と、前記テーブルとノズルを3次元的に相対移動させる移動手段とを備えた凹凸基材への塗液の塗布装置において、前記ノズルの吐出孔のピッチが、前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3n倍(nは2以上の自然数)であり、かつ、塗布方向に2個以上n個以下のノズルを配し、前記2個以上n個以下のノズルの中に、他のノズルの吐出孔に対して吐出量の異なる吐出孔を有するノズルを少なくとも1個含むことを特徴とする凹凸基材への塗液の塗布装置。
  2. 前記吐出量の異なる吐出孔が、他のノズルの吐出孔に対して開口面積の異なる吐出孔である、請求項1に記載の凹凸基材への塗液の塗布装置。
  3. 前記吐出量の異なる吐出孔が、他のノズルの吐出孔に対して長さの異なる吐出孔である、請求項に記載の凹凸基材への塗液の塗布装置。
  4. 表面に一方向にストライプ状に一定ピッチで凹凸部が形成されている凹凸基材を固定するテーブルと、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルと、前記ノズルに塗液を供給する塗液供給手段と、前記テーブルとノズルを3次元的に相対移動させる移動手段とを備えた凹凸基材への塗液の塗布装置において、前記ノズルの吐出孔のピッチが、吐出孔の配列方向中央部において前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3倍であり、かつ、少なくとも前記ノズルの両端に位置する吐出孔とその内側に位置する吐出孔との間のピッチが、前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの6倍であることを特徴とする凹凸基材への塗液の塗布装置。
  5. 塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであって、請求項1ないし4のいずれかに記載の凹凸基材への塗液の塗布装置を用いたことを特徴とするプラズマディスプレイの製造装置。
  6. 表面に一方向にストライプ状に凹凸部が形成されている凹凸基材と、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルとを相対的に移動させ、かつ、前記ノズルに塗液を供給して吐出孔から塗液を吐出し、凹凸基材の選択された凹部に塗液を塗布する塗布方法であって、隣り合う被塗布凹部には塗液の吐出量を変えて塗布することを特徴とする凹凸基材への塗液の塗布方法。
  7. 前記選択された被塗布凹部が、前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3m倍(mは自然数)のピッチで配された凹部である、請求項6に記載の凹凸基材への塗液の塗布方法。
  8. 表面に一方向にストライプ状に凹凸部が形成されている凹凸基材と、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルとを相対的に移動させ、かつ、前記ノズルに塗液を供給して吐出孔から塗液を吐出し、凹凸基材の選択された凹部に塗液を塗布する塗布方法であって、前記ノズルに、吐出孔のピッチが前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3n倍(nは2以上の自然数)のものを塗布方向に2個以上n個以下用いて塗布し、かつ、前記2個以上n個以下のノズルの中に、他のノズルの吐出孔に対して吐出量の異なる吐出孔を有するノズルを少なくとも1個含むことを特徴とする凹凸基材への塗液の塗布方法。
  9. 前記吐出量の異なる吐出孔が、他のノズルの吐出孔に対して開口面積の異なる吐出孔である、請求項8に記載の凹凸基材への塗液の塗布方法。
  10. 前記吐出量の異なる吐出孔が、他のノズルの吐出孔に対して長さの異なる吐出孔である、請求項8に記載の凹凸基材への塗液の塗布方法。
  11. 表面に一方向にストライプ状に凹凸部が形成されている凹凸基材と、前記凹凸基材の凹凸部に対面して設けられた複数の吐出孔を有するノズルとを相対的に移動させ、かつ、前記ノズルに塗液を供給して吐出孔から塗液を吐出し、凹凸基材の選択された凹部に塗液を塗布する塗布方法であって、前記ノズルに、吐出孔のピッチが吐出孔の配列方向中央部において前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの3倍であり、かつ、少なくとも前記ノズルの両端に位置する吐出孔とその内側に位置する吐出孔との間の ピッチが、前記凹凸基材の凸部ピッチまたは凹部ピッチの6倍であるものを用いて塗布することを特徴とする凹凸基材への塗液の塗布方法。
  12. 塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであって、請求項6ないし11のいずれかに記載の凹凸基材への塗液の塗布方法を用いることを特徴とするプラズマディスプレイの製造方法。
JP20307698A 1998-07-17 1998-07-17 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法 Expired - Fee Related JP3669551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20307698A JP3669551B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20307698A JP3669551B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000033289A JP2000033289A (ja) 2000-02-02
JP3669551B2 true JP3669551B2 (ja) 2005-07-06

Family

ID=16467966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20307698A Expired - Fee Related JP3669551B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3669551B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4825256B2 (ja) * 2008-10-31 2011-11-30 日本碍子株式会社 スラリー吐出装置及びスラリーの吐出方法
KR101870666B1 (ko) * 2011-08-04 2018-06-26 세메스 주식회사 기판 처리 장치
DE102016000356A1 (de) * 2016-01-14 2017-07-20 Dürr Systems Ag Lochplatte mit reduziertem Durchmesser in einem oder beiden Randbereichen einer Düsenreihe
DE102016000390A1 (de) 2016-01-14 2017-07-20 Dürr Systems Ag Lochplatte mit vergrößertem Lochabstand in einem oder beiden Randbereichen einer Düsenreihe
KR101929020B1 (ko) 2016-11-15 2018-12-13 (주)에스에이치이 반도체 장비용 가스노즐
CN112211414A (zh) * 2019-07-10 2021-01-12 广东博智林机器人有限公司 铺砖机器人的粘结剂分配装置和具有其的铺砖机器人
CN114950872A (zh) * 2022-05-05 2022-08-30 中国科学院上海高等研究院 一种集流体孔洞内壁导电胶的涂覆系统和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000033289A (ja) 2000-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3669551B2 (ja) 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法
US20060029724A1 (en) System for jetting phosphor for optical displays
JP3199239B2 (ja) プラズマディスプレイ用部材の製造方法および装置
JP3912635B2 (ja) 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法
KR20070074269A (ko) 페이스트 도포장치의 디스펜스 헤드
JP2002086044A (ja) 塗布方法および塗布装置並びにディスプレイ用部材およびプラズマディスプレイの製造方法およびその製造装置
JP4403592B2 (ja) 塗布装置、および、基板の製造方法、ならびに、これを用いたカラーフィルターの製造装置および製造方法
JPH11300257A (ja) 凹凸基材への塗液の塗布装置およびプラズマディスプレイの製造装置
JP3728109B2 (ja) ノズル、凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法
JP2003178677A (ja) プラズマディスプレイパネルの蛍光体充填装置
JP2005288387A (ja) 塗布方法および塗布装置並びにディスプレイ用部材の製造方法
JP2000048716A (ja) 塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法
EP4261015A1 (en) Printing apparatus and method for led dam of display panel
JP2000102759A (ja) 塗布方法および塗布装置並びにプラズマディスプレイおよびディスプレイ用部材の製造方法および製造装置
JPH11239750A (ja) 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法
JPH11300258A (ja) 塗布装置および塗布方法並びにカラーフィルタの製造装置およびその製造方法
JP4127096B2 (ja) 塗布ヘッドならびに塗液の塗布装置および塗布方法
JP4006799B2 (ja) 塗布装置および塗布方法並びにカラーフィルターの製造方法および製造装置
JP2000153199A (ja) 塗布装置および塗布方法並びにプラズマディスプレイの製造方法および製造装置
JP3994357B2 (ja) 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法
JP4840299B2 (ja) 塗液の塗布方法、プラズマディスプレイパネル用基材の製造方法
KR20100119857A (ko) 도포장치 및 도포방법
JP4760807B2 (ja) 口金並びに塗液の塗布装置および塗布方法およびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2010058097A (ja) 塗布方法および塗布装置、並びにプラズマディスプレイ用部材の製造方法およびその製造装置。
JP4952320B2 (ja) 塗液の塗布装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20040611

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20041008

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050325

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050407

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080422

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100422

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120422

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120422

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130422

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees