JP3669280B2 - 高周波特性測定基板及び高周波特性測定装置 - Google Patents

高周波特性測定基板及び高周波特性測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の高周波特性、特に面実装型電子部品の高周波特性を測定するのに好適に用いられる高周波特性測定基板、及び高周波特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、数GHz以上のような高周波領域で使用される面実装型電子部品の高周波特性、例えば伝送特性や反射特性などを測定するために、種々の測定装置が提案されている。
【0003】
例えば、特開平4−290968号公報には、図6に示す高周波特性測定基板が開示されている。
高周波特性測定基板111では、誘電体基板112の一方主面に、信号ライン用電極113と、第1のアース電極115a,115bとが形成されている。信号ライン用電極113と、第1のアース電極115a,115bは、所定のギャップ114a,114bを介して対向されている。また、誘電体基板112の他方主面の全面に第2のアース電極116が形成されている。第1のアース電極115a,115bは、誘電体基板112の一対の側面に形成された接続電極117bにより第2のアース電極116に電気的に接続されている。
【0004】
また、電子部品の高周波特性の測定に際しては、マイクロストリップライン基板が用いられることもあった。マイクロストリップライン基板は、誘電体基板上面に信号ライン用電極、下面にアース電極が形成されているので、電子部品を信号ライン用電極とアース電極とに接続するためには、誘電体基板に貫通穴を形成し、貫通穴に電子部品を挿入して接続していた。これに対して、上記特開平4−290968号公報に記載の高周波特性測定基板111では、貫通孔を形成する必要がない。また、かつ高周波特性測定基板111上に電子部品を載置するだけで、容易に高周波特性を測定することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高周波特性測定基板111では、高周波特性を測定し得る電子部品に制限があった。例えば、図7に示す高周波用積層コンデンサ121は、8個の外部端子122a〜122hを有する。外部端子122a〜122dが高周波用積層コンデンサ121の一方側面121a側に形成されており、残りの外部端子122e〜122hが他方側面121b側に形成されている。図8に略図的平面図で示すように、この積層コンデンサ121では、隣り合う外部端子が異なる電位に接続される。例えば、外部端子122aがマイナスの電位、外部端子122bがプラスの電位に接続される。なお、図8では示されていないが、外部端子122a〜122hは、積層コンデンサ121の下面にも至っている。このような外部端子配置を有する電子部品の一例として、低ESLコンデンサやコンデンサアレイがある。低ESLコンデンサは、プラスの電位に接続される122b,122d,122e,122gが同じ内部電極に接続され、マイナスの電位に接続される122a,122c,122f,122hが別の同じ内部電極に接続される構造となっている。
【0006】
上記のように、1つの側面側、例えば側面121a側に複数の外部端子122a〜122dが形成されており、かつ外部端子122a,122cと外部端子122b,122dが異なる電位に接続される場合、上記高周波特性測定基板111を用いることはできなかった。すなわち、積層コンデンサ121の側面121a側の下方部分を信号ライン用電極13上に載置した場合には、外部端子122b,122dだけでなく、外部端子122a,122cも信号ライン用電極13に接続されることになる。
【0007】
従って、高周波特性測定基板111は、積層コンデンサ121のような電子部品の高周波特性の測定に用いることはできなかった。
本発明の目的は、貫通孔を形成する必要がなく、貫通孔に電子部品を挿入するといった作業を要しないだけでなく、隣り合う外部端子が異なる電位に接続される構造を備えた電子部品の高周波特性をも効率よくかつ高精度に測定することを可能とする高周波特性測定基板及び高周波特性測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の広い局面によれば、1つの面に複数の外部端子を有する電子部品の高周波特性を測定するための高周波特性測定基板であって、誘電体基板と、前記誘電体基板の一方主面に形成された信号ライン用電極と、前記誘電体基板の一方主面上で前記信号ライン用電極と所定幅のギャップを隔てて対向された一対の第1のアース電極と、前記誘電体基板の他方主面の全面に形成されており、かつ前記第1のアース電極と電気的に接続された第2のアース電極とを備え、前記信号ライン用電極と前記一対の第1のアース電極とが対向されている部分において、前記信号ライン用電極の端縁から第1のアース電極に向かって延びる第1の突出部、または前記一対の第1のアース電極の端縁から前記信号ライン用電極に向かって延びる第2の突出部の少なくともいずれか一方が形成され、前記第1の突出部または第2の突出部に測定する電子部品の外部端子が接続される高周波特性測定基板が提供される。
【0009】
本発明の特定の局面では、第1及び第2の突出部が形成され、前記第1及び第2の突出部が、信号ライン用電極と第1のアース電極との対向方向と直交する方向において重なり合う部分を有する。
【0010】
本発明の他の特定の局面では、第2の突出部の先端が、信号ライン用電極の端縁よりも信号ライン用電極側に延ばされており、これに応じて上記第2の突出部の先端と対向している信号ライン用電極の端縁部分が、第2の突出部の先端と対向するように後退されている。
【0011】
本発明の別の特定の局面によれば、前記第1の突出部の先端が、前記第1のアース電極の端縁よりも前記第1のアース電極側に延ばされており、前記第1のアース電極において、前記第1の突出部と対向している端縁部が後退されている。
【0012】
本発明の別の広い特定の局面によれば、第1,第2の突出部の少なくとも一方が先端の幅に比べて基端の幅が太くなる形状を有し、本発明のより限定的な局面では、第1,第2の突出部の少なくとも一方が台形の形状とされている。
【0013】
また、本発明のさらに他の特定の局面では、第1,第2の突出部の基端と、信号ライン用電極または第1のアース電極の端縁とのなすコーナー部が曲線状とされている。
【0014】
本発明のより限定的な局面では、第1,第2の突出部が複数設けられている。本発明の他の局面では、前記第1の突出部と前記第2の突出部が交互に配置されている。
【0015】
本発明にかかる高周波特性測定装置は、本発明に従って構成された高周波特性測定基板と、該高周波特性測定基板の信号ライン用電極並びに第1及び/第2のアース電極に接続されており、高周波特性測定基板上に配置された電子部品の高周波特性を測定するための測定器とを備える。
【0016】
本発明の別の広い局面によれば、本発明に従って構成された高周波特性測定基板の一方主面上に、1つの面に複数の外部端子を有する電子部品を、該複数の外部端子が前記第1,第2の突出部のいずれかに電気的に接続されるように配置し、前記電子部品の高周波特性を測定することを特徴とする、電子部品の高周波特性測定方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0018】
図1は、本発明の一実施例に係る高周波特性測定基板を説明するための分解斜視図である。
本実施例の高周波特性測定基板1は、誘電体基板2を有する。誘電体基板2は、ガラス繊維入りのポリテトラフルオロエチレン等の適宜の低誘電率の絶縁性材料により構成されている。誘電体基板2の上面中央部に、誘電体基板2の一方端部2aから他方端部2bに至るように信号ライン用電極3が形成されている。また、信号ライン用電極3と所定幅のギャップ4a,4bを隔てて第1のアース電極5,6が形成されている。
【0019】
他方、誘電体基板2の下面の全面に第2のアース電極7が形成されている。
また、図1及び図4に示すように、誘電体基板2には、多数のビアホール電極8が形成されている。ビアホール電極8は、誘電体基板2の上面から下面に至るように形成されている。図1に示すように、該ビアホール電極8により第1のアース電極5,6と、第2のアース電極7とが電気的に接続されている。
【0020】
図2(a),(b)に示すように、本実施例では、信号ライン用電極3の端縁3a,3bから第1のアース電極5,6に向かって延びる複数の第1の突出部3c,3d,3e,3fが形成されている。
【0021】
他方、第1のアース電極5,6の端縁5a,6aから信号ライン用電極3に向かって延びる複数の第2の突出部5b,5c,6b,6cがそれぞれ形成されている。
【0022】
信号ライン用電極3と、第1のアース電極5とが対向している部分では、第1の突出部3c,3dと、第2の突出部5b,5cとは、互いに間挿し合うように交互に配置されている。そして、信号ライン用電極3と第1のアース電極5とが対向している方向と直交する方向において、第1の突出部3c,3dと、第2の突出部5b,5cが部分的に重なり合っている。
【0023】
また、本実施例では、第2の突出部3c,3dの先端は、信号ライン用電極3の端縁3aよりも信号ライン用電極3側に延びており、これに応じて、信号ライン用電極3の端縁3aは、第2の突出部5b,5cの先端と対向している部分において後退されている。
【0024】
信号ライン用電極3と第1のアース電極6とが対向している部分も、信号ライン用電極3と、第1のアース電極5とが対向している部分と同様に構成されている。
【0025】
本実施例では、第1,第2の突出部3c〜3f,5b,5c,6b,6cは、いずれも台形の形状を有し、基端から先端に行くにつれて細くなるような形状、すなわち先端に比べて基端が太くなるような形状とされている。
【0026】
また、上記信号ライン用電極3及びアース電極5,6に同軸コネクタ11,11が好ましくは接続される。すなわち、図2(a)に略図的に示すように、同軸コネクタ11の中心導体11aが信号ライン用電極3に半田などにより導電性接合材により接続される。また、アース電極5a,5bが、同軸コネクタ11の外導体にそれぞれ、半田などの導電性接合材により接合される。
【0027】
上記同軸コネクタ11,11の外側端11b側の外周面には雄ねじが形成されており、同軸コネクタ11,11はネットワークアナライザなどの測定器12に直接接合することができるように構成されている。従って、本実施例の高周波特性測定基板1と測定器とを備える高周波特性測定装置を容易に構成することができる。
【0028】
なお、図1に上方に分離して示すように、上記第1,第2のアース電極5,6及び信号ライン用電極3を保護するために、図3に平面図で示す絶縁性保護膜9がコーティングや貼り合わせにより形成される。絶縁性保護膜9は、任意の絶縁性材料で構成され得るが、本実施例ではソルダーレジストにより構成されている。もっとも、絶縁性保護膜9は、誘電体基板2の上面を全て被覆するようには設けられない。すなわち、各突出部3c〜3f,5b,5c,6b,6cに臨む部分に、それぞれ、開口9aが形成されている。また、第1のアース電極5,6上を被覆している領域では、切欠9b,9cが形成されている。
【0029】
切欠9bは、同軸コネクタの中心導体11aと信号ライン用電極3との接合を容易とするために形成されている。切欠9c,9cは、同軸コネクタ11の外部導体と第1のアース電極5,6との電気的接続を果たすために設けられている。また、複数の開口9aは、突出部3c〜3f,5b,5c,6b,6cを露出させるために形成されており、それによって、測定すべき電子部品が載置された場合に、該電子部品の外部端子と突出部との間の電気的接続が容易に果たされる。
【0030】
ソルダーレジストにより絶縁性保護膜9が構成されているので、例えば電子部品の端子と突出部3c〜3f,5b,5c,6b,6cとの電気的接続に半田を用いた場合、半田の周囲への流延が効果的に抑制される。従って、絶縁性保護膜9としてはソルダーレジストを用いることが好ましい。
【0031】
もっとも、絶縁性保護膜9は、上記のような導電性接合材の流延を抑制するだけでなく、Cuなどからなる信号ライン用電極3、アース電極5,6の酸化を防止する機能をも有する。従って、電極材料の酸化を防止し得る限り、適宜の合成樹脂等により絶縁性保護膜9が形成され得る。
【0032】
また、必要ならば誘電体基板2の下面の第2のアース電極7の外表面にも絶縁性保護膜が形成されてもよい。また、誘電体基板2の下面の第2のアース電極7の保護については、全面を半田で覆うようにしてもよい。
【0033】
なお、本実施例では、誘電体基板2の上面の第1のアース電極5,6と、下面の第2のアース電極7とは、誘電体基板2内に形成されたビアホール電極8により電気的に接続されていたが、誘電体基板2の外表面に接続電極を形成することにより、アース電極5,6とアース電極7とが電気的に接続されてもよい。
【0034】
次に、本実施例の高周波特性測定基板1を用いて電子部品の高周波特性を測定する方法を説明する。
本実施例の高周波特性測定基板1では、誘電体基板2の上面において、上記第1,第2の突出部3c〜3f,5b,5c,6b,6cが形成されているが、アース電極5と信号ライン用電極3とが対向している部分を代表して説明する。第1の突出部3c、第2の突出部5b、第1の突出部3d、第2の突出部5cの順に、突出部3c,3d,5b,5cが並べられている。従って、隣り合う突出部、例えば突出部3cと突出部5bとは、異なる電位に接続されることになる。
【0035】
従って、各突出部3c,3d,5b,5cの信号ライン用電極3とアース電極5との対向方向の長さ寸法、並びに各突出部3c,3d,5b,5cの幅方向寸法を調整すれば、図8に示した積層コンデンサ121をそのまま高周波特性測定基板1上に載置して、その高周波特性を測定することができる。
【0036】
すなわち、図8に示した外部端子122e,122gが第1の突出部3c,3dに接続されるように、かつ外部端子122f,122hが第2の突出部5b,5cに接続されるように、さらに、外部端子122a,122cが第2の突出部6b,6cに、外部端子122b,122dが第1の突出部3e,3fに接合されるように、積層コンデンサ121を高周波特性測定基板1上に載置して半田等により電気的に接続することにより、容易に積層コンデンサ121の高周波特性を測定することができる。
【0037】
なお、上記積層コンデンサ121の外部端子122e〜122hと突出部3c〜3f,5b,5c,6b,6cとの電気的接続は、半田に限らず、導電性接着剤などを用いて構成されてもよい。また、導電性ゴムにより上記電気的接続が果たされてもよい。
【0038】
本発明にかかる高周波特性測定基板では、第1,第2の突出部が信号ライン用電極及びアース電極にそれぞれ設けられているので、測定しようとする電子部品の外部端子の配列に複数の突出部の配列を合致させるだけで、容易に電子部品の高周波特性を測定することができる。また、上記高周波特性測定基板1の上面及び下面の電極形成は容易に行い得る。従って、測定する電子部品の形状に応じた高周波特性測定基板を容易に用意することができる。
【0039】
また、上記実施例の高周波特性測定基板1は、積層コンデンサ121の測定にのみ用いられるものではない。本実施例では、例えば上記突出部が設けられている部分の側方においては、特開平4−290968号公報に記載の高周波特性測定基板と同様の構造が形成されているため、特開平4−290968号公報に記載の高周波特性測定基板で測定される電子部品の高周波特性の測定も容易に行なわれ得る。
【0040】
また、高周波特性測定基板1の特性インピーダンスは、信号ライン用電極3の厚み、幅、ギャップ4a,4bの寸法、誘電体基板2の厚み及び誘電率などにより決定される。従って、積層コンデンサ121、すなわち測定すべき電子部品が実装される基板と同一インピーダンス値を有するように、高周波特性測定基板1のインピーダンスは容易に調整され得る。
【0041】
また、上記実施例では、突出部3c〜3f,5b,5c,6b,6cは、基端に比べて先端が細い形状、すなわち台形とされていた。もっとも、突出部は、基端側と先端側とが同じ幅の矩形形状を有するように構成されていてもよい。しかしながら、上記のように先端に比べて基端の幅が太くなっている形状とすることにより、先端と同じ幅で基端を形成した場合に比べてインダクタンスを低減することができ、例えば積層コンデンサ121の高周波特性をより高精度に測定することができ、好ましい。
【0042】
また、上記実施例では、信号ライン用電極3側に、第2の突出部5b,5c,6b,6cの先端が、信号ライン用電極3の端縁3a,3bよりも信号ライン用電極3側に延ばされており、それに応じて第2の突出部5b,5c,6b,6cの先端と対向している信号ライン用電極3の端縁部分が後退されている。従って、第2の突出部5b,5cと第1の突出部3c,3dとが前述した対向方向と直交する方向において重なり合っている領域が、対向部分において信号ライン用電極3側に位置している。
【0043】
すなわち、電子部品の外部端子と接続される部分が、信号ライン用電極3側に位置されることになる。よって、外部端子と接続される部分がアース電極5,6に近接された場合には導波管のような作用が生じるのに対し、本実施例では、このような作用を抑制することができ、電子部品の高周波特性をより高精度に測定することができる。
【0044】
さらに、第1の実施例においては、第1,第2の突出部の双方が、先端よりも基端の幅が太い形状とされていたが、第1,第2の突出部の少なくとも一方においてのみ、先端よりも基端の幅が太くなる形状とされていてもよい。
【0045】
図5(a),(b)は、本発明の第2の実施例に係る高周波特性測定基板を説明するための平面図及び第1,第2の突出部の形状を拡大して示す平面図である。
【0046】
第1の実施例では、第1,第2の突出部3c〜3f,5b,5c,6b,6cは台形の形状とされていたが、本発明において、突出部の平面形状は特に限定されない。すなわち、第2の実施例では、第1の突出部13c〜13f及び第2の突出部15b,15c,16b,16cは矩形の形状を有するように構成されている。もっとも、各突出部の基端と信号ライン用電極3またはアース電極5,6とのなす少なくとも一方のコーナー部分が矢印Aで示すように曲線状とされている。このように、突出部と突出部が設けられている信号ライン用電極3またはアース電極5,6の端縁とのなすコーナー部分を丸めることにより、突出部15b,15c,16b,16cの形成により生じるインダクタンスの影響を低減することができ、電子部品の高周波特性をより高精度に測定することができる。
【0047】
なお、第2の実施例においても、第2の突出部15b,15c,16b,16cは、信号ライン用電極3の端縁3a,3bよりも信号ライン用電極3に向かって突出されており、それに応じて突出部15b,15c,16b,16cと対向している信号ライン用電極3の端縁部分が後退されて、凹部が形成されている。
【0048】
なお、第2の実施例においても、第1の実施例と同様に、誘電体基板の上面に、絶縁性保護膜が形成されていてもよい。もっとも、本発明において絶縁性保護膜は必須ではなく、設けられずともよい。
【0049】
また、第1,第2の実施例では、第1,第2の突出部が設けられていたが、いずれか一方の突出部だけが設けられるようにしてもよい。さらに、第1,第2の実施例では、測定対象である電子部品が比較的小形であるため、信号ライン用電極の幅よりも若干大きい程度の位置で、第1,第2の突出部に接続されていたが、電子部品が大きければ、第1のアース電極に及ぶような位置で第1,第2の突出部に接続するようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る高周波特性測定基板では、信号ライン用電極と第1のアース電極とが対向されている部分において、信号ライン用電極の端縁から第1のアース電極に向かって延びる第1の突出部と、第1のアース電極の端縁から信号ライン用電極に向かって延びる第2の突出部の少なくとも一方が形成されているので、第1及び/または第2の突出部を測定すべき電子部品の外部端子の配列に応じて配置することにより、隣り合う外部端子が異なる電位に接続される電子部品の高周波特性の測定に際し、該電子部品を高周波特性測定基板上に載置するだけで、容易にかつ高精度に測定が行なわれ得る。
【0051】
また、上記第1及び/または第2の突出部の形成は、誘電体基板上に導電膜を形成し、パターニングすることにより容易に行うことができる。従って、電子部品の外部端子の配列に応じて、上記第1及び/または第2の突出部を容易に整合させることができるので、本発明によれば、様々な電子部品に適用し得る高周波特性測定基板を容易に提供することができる。
【0052】
第1,第2の突出部が、信号ライン用電極と第1のアース電極との対向方向と直交する方向において重なり合う部分を有する場合には、電子部品の複数の外部端子が直線状に配置されている電子部品を載置するだけで、容易に該電子部品の高周波特性を測定することができる。
【0053】
第2の突出部の先端が信号ライン用電極の端縁よりも信号ライン用電極側に延ばされており、これに応じて、第1の信号ライン用電極の端縁の第2の突出部の先端と対向されている端縁部分が後退されている場合には、第2の突出部が電子部品の外部端子と接続される部分が信号ライン用電極よりに位置されることになる。従って、第1のアース電極が形成されている部分の導波管的な作用を抑制することができ、電子部品の高周波特性をより高精度に測定することができる。
【0054】
第1,第2の突出部の少なくとも一方が基端を先端よりも幅が太い形状とされている場合には、基端を先端と同じ幅で形成した場合と比べてインダクタンスの影響を低減することができ、それによって高周波特性をより高精度に測定することができる。
【0055】
第1,第2の突出部の少なくとも一方が台形の形状を有する場合には、先端に行くにつれて幅が細くなる形状を、直線的なパターニングにより容易に形成することができる。
【0056】
第1,第2の突出部の基端と、信号ライン用電極または第1のアース電極の端縁とのなすコーナー部が曲線状とされている場合には、同様に突出部を設けたことによるインダクタンスの影響を低減することができ、高周波特性をより高精度に測定することができる。
【0057】
第1,第2の突出部がそれぞれ複数設けられている場合には、多数の外部端子を有する電子部品の特性の測定を本発明に従って行うことができる。
一対の第1のアース電極が備えられており、信号ライン用電極の両側に第1のアース電極が形成されている場合には、信号ライン用電極の両側で電子部品の外部端子を接続して高周波特性測定を行うことができる。従って、対向し合う一対の側面から下面に至る複数の外部電極を有する電子部品の高周波特性の測定を容易に行うことができる。また、信号ライン用電極の両側において、それぞれ、別の電子部品の特性の測定を行うこともできる。
【0058】
本発明にかかる高周波特性測定装置は、本発明に従って構成された高周波特性測定基板と測定器とを備えるので、本発明に従って、隣り合う外部端子の電位が異なる電子部品の高周波特性を、容易にかつ高精度に測定することができる。
【0059】
本発明に係る電子部品の高周波特性測定方法では、本発明に従って構成された高周波特性測定基板を用いるため、該高周波特性測定基板上に複数の外部端子を有する電子部品を、複数の外部端子がいずれかの突出部に電気的に接続されるように配置するだけで、電子部品の高周波特性を容易にかつ高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る高周波特性測定基板を説明するための分解斜視図。
【図2】(a),(b)は、第1の実施例の高周波特性測定基板の信号ライン用電極と第1のアース電極とを説明するための平面図及びその要部を拡大して示す略図的平面図。
【図3】第1の実施例の高周波特性測定基板の平面図。
【図4】第1の実施例の高周波特性測定基板において誘電体基板内に設けられるビアホール電極を説明するための平面断面図。
【図5】(a),(b)は、第2の実施例にかかる高周波特性測定基板の要部を説明するための平面図及び信号ライン用電極と第1のアース電極とが対向している部分を拡大して示す模式的平面図。
【図6】従来の高周波特性測定基板の一例を示す斜視図。
【図7】従来の高周波特性測定基板で測定が困難であった積層コンデンサを示す斜視図。
【図8】図7に示した積層コンデンサの模式的平面図。
【符号の説明】
1…高周波特性測定基板
2…誘電体基板
2a…上面(一方主面)
2b…下面(他方主面)
3…信号ライン用電極
3a,3b…端縁
3c〜3f…第1の突出部
4a,4b…ギャップ
5,6…第1のアース電極
5a,6a…端縁
5b,5c…第2の突出部
6b,6c…第2の突出部
7…第2のアース電極
8…ビアホール電極
9…絶縁性保護膜
13c,13d…第1の突出部
15b,15c…第2の突出部
16b,16c…第2の突出部

Claims (11)

  1. 1つの面に複数の外部端子を有する電子部品の高周波特性を測定するための高周波特性測定基板であって、誘電体基板と、前記誘電体基板の一方主面に形成された信号ライン用電極と、前記誘電体基板の一方主面上で前記信号ライン用電極と所定幅のギャップを隔てて対向された一対の第1のアース電極と、前記誘電体基板の他方主面の全面に形成されており、かつ前記第1のアース電極と電気的に接続された第2のアース電極とを備え、
    前記信号ライン用電極と前記一対の第1のアース電極とが対向されている部分において、前記信号ライン用電極の端縁から第1のアース電極に向かって延びる第1の突出部、または前記一対の第1のアース電極の端縁から前記信号ライン用電極に向かって延びる第2の突出部の少なくともいずれか一方が形成され、前記第1の突出部または第2の突出部に測定する電子部品の外部端子が接続されることを特徴とする、高周波特性測定基板。
  2. 前記第1及び第2の突出部が形成され、前記第1及び第2の突出部が、前記信号ライン用電極と前記第1のアース電極との対向方向と直交する方向において重なり合う部分を有する、請求項1に記載の高周波特性測定基板。
  3. 前記第2の突出部の先端が、前記信号ライン用電極の端縁よりも前記信号ライン用電極側に延ばされており、前記信号ライン用電極において、前記第2の突出部と対向している端縁部分が後退されている、請求項1または2に記載の高周波特性測定基板。
  4. 前記第1の突出部の先端が、前記第1のアース電極の端縁よりも前記第1のアース電極側に延ばされており、前記第1のアース電極において、前記第1の突出部と対向している端縁部が後退されている、請求項1〜3のいずれかに記載の高周波特性測定基板。
  5. 前記第1,第2の突出部の少なくとも一方が、先端の幅に比べて基端の幅が太くなる形状を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の高周波特性測定基板。
  6. 前記第1,第2の突出部の少なくとも一方が台形の形状を有する、請求項5に記載の高周波特性測定基板。
  7. 前記第1,第2の突出部の少なくとも一方において、基端と、信号ライン用電極またはアース電極の端縁とのなすコーナー部が曲線状とされている、請求項1〜6のいずれかに記載の高周波特性測定基板。
  8. 前記第1,第2の突出部が複数形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の高周波特性測定基板。
  9. 前記第1の突出部と前記第2の突出部が交互に配置されている請求項8に記載の高周波測定基板。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の高周波特性測定基板と、前記高周波特性測定基板の信号ライン用電極並びに前記第1のアース電極及び/または第2のアース電極に接続されており、前記高周波特性測定基板上に配置された電子部品の高周波特性を測定するための測定器とを備えることを特徴とする、高周波特性測定装置。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の高周波特性測定基板の一方主面上に、1つの面に複数の外部端子を有する電子部品を、該複数の外部端子が前記第1,第2の突出部のいずれかに電気的に接続されるように配置し、前記電子部品の高周波特性を測定することを特徴とする、電子部品の高周波特性測定方法。
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