JP4775956B2 - 高周波ソケット - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイスの検査装置等に用いられるスパイラル状接触子を有する高周波ソケットに関する。
多機能化、高機能化で進化する電子機器に対応できる極小のプリント基板を接続するコネクタとして、プリント基板の接続端子に設けられたマイクロコネクタによって接続されるFPC基板の接続端子が、基端部から中心部に向かって渦巻き部を有するスパイラル状接触子(以下、単に「スパイラル状接触子SC」という)の複数を備えたスパイラルコンタクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、スパイラル状接触子SCは円錐形に立ち上がった形状を記憶しているため、被接続端子との圧接状態から解除されると再び円錐形のふくらみを回復する。そして、相手となる被接続端子がスパイラル状接触子SCに圧接すれば再び同様に導通することが可能であるため、被接続端子を有する電子部品に対しスパイラル状接触子SCが弾性接触の保持された嵌着状態と開放状態とを、繰り返し着脱自在にした高周波ソケットを有する半導体デバイスの検査装置等に用いて好適である。
特開2005−56606号公報(段落0029、図4)
しかしながら、スパイラル状接触子SCはインダクタンスL成分(以下、単に「L成分」ともいう)を有するコイル状であるため、半導体デバイス等のモジュール、すなわち、複数の接続端子をプリント基板にハンダ付けするタイプの電子部品(以下、単に「電子部品」ともいう)を、ハンダ付けの代替手段として高周波ソケットに嵌着した際に、ミスマッチングが生じて高周波特性が劣化するという問題があった。例えば、0〜30GHzの範囲で高周波特性を解析した結果、主にL成分の影響により、周波数が高くなるほど反射損が増大し、例えば15GHzで反射損=−6dB、すなわち約50%の反射波が存在することによって、伝送損が増大して信号が減衰する。つまり、L成分の影響により、高周波特性が劣化する。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、半導体デバイスの検査装置等で実績のあるスパイラル状接触子SCを有する高周波ソケットにおいて、スパイラル状接触子SCそれ自体がコイルであるため生ずるL成分の悪影響を除去して高周波特性の劣化を防ぎ、モジュール等の電子部品を嵌着した際のミスマッチングを解消するようにした高周波ソケットを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る高周波ソケット(50)の発明は、基板と、
中央部が円錐形に立ち上がるスパイラル状接触子(SC)を凸設した信号端子(T)および接地端子(T)が隣接して前記基板の表裏に配設された複数のパターン面と、前記基板の内部に設けられ、前記基板の表裏の前記信号端子(T )同士および前記基板の表裏の前記信号端子(T )同士にそれぞれ導通するスルーホール(22)と、前記基板の内部において、前記信号端子(T)に対応するスルーホール(22)に設けられる第1電極(42)と、前記基板の内部において、前記第1電極(42)との絶縁を保持しながら前記接地端子(TG)に対応するスルーホール(22)に設けられる第2電極(43)と、を備え、前記第1電極(42)と前記第2電極(43)により端子間静電容量(C)を形成することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、中央部が円錐形に立ち上がるスパイラル状接触子(SC)を、それぞれの端子に凸設した信号端子(T)と接地端子(T)とを隣接して配設された高周波ソケット(50)において、スパイラル状接触子(SC)は、その形状がコイルそのものでありインダクタンスL成分が潜在するため、この高周波ソケット(50)を介在させた高周波周波数帯域の入出力にはミスマッチングのため、反射損(A11)や伝送損(A21)が生じているので、これらを解消する。
すなわち、信号端子(T)に導通する第1電極(42)と、この第1電極(42)との絶縁を保持しながら接地端子(T)に導通する第2電極(43)を備えているので、これら第1電極(42)と第2電極(43)により端子間静電容量(C)を形成している。そして、この端子間静電容量(C)により、信号端子(T)と接地端子(T)との間にコンデンサ(C)を接続した作用を得られる。このコンデンサ(C)により、信号端子(T)に直列挿入された関係にあるL成分と相まってT型ローパスフィルタ(LPF)を基本原理とするマッチング回路が等価的に構成されたことになる。
また、このマッチング回路の定数設定が適切にすることによって、目的の周波数帯域において、反射損(A11)や伝送損(A21)を最小化するような、最良の高周波特性を得ることができる。すなわち、スパイラル状接触子(SC)を介在させた高周波ソケット(50)の入出力をマッチングさせることが可能である。さらに、反射損(A11)や伝送損(A21)を最小化することが可能なマッチング周波数の範囲も、目的の周波数帯域に一致させることで、より広帯域化することも可能となる。
請求項2に係る発明は、前記複数のパターン面および前記スルーホール(22)を有する多層基板(40)において、表層とは異なるパターン面により前記第1電極(42)および前記第2電極(43)を形成し、前記隣接する信号端子(T)および接地端子(T)の端子間で形成される端子間静電容量(C)が増大する構成であることを特徴とする請求項1に記載の高周波ソケット(50)である。
請求項2に係る発明によれば、例えば、4層構造の多層基板(40)における第2層パターン(42)で第1電極(42)を形成し、第3層パターン(43)で第2電極(43)を形成する。この構成で、表層とは異なるパターン面により第1電極(42)および第2電極(43)を形成し、スルーホール(22)で多層基板(40)の表層とは異なるパターン面、または、表裏にわたり信号端子(T)および接地端子(T)それぞれが異なる層間を跨いで対向する第1電極(42)と第2電極(43)それぞれに接続できる。そうすると、両端子間で形成される端子間静電容量(C)が増大するので、容易かつ確実に目的を達成できる。そして、C形成パターンを表層から遠ざけることによって、スパイラル状接触子(SC)とコンタクトする半導体デバイス等の電子部品(10)にスパイラル状接触子(SC)が接触する際、高周波特性の変化が少なく、実用価値の高い最適な構造を実現できる。
請求項3に係る発明は、多層基板(40,20)の隣接する前記端子間静電容量(C)を形成するために、前記接地端子(T)を含むパターンの面積を広くし、前記信号端子(T)を含むパターンの面積を狭くしたことを特徴とする請求項1に記載の高周波ソケット(50,51)である。
請求項3に係る発明によれば、スパイラル状接触子(SC)および電子部品(10)を実装するプリント基板に対する金属接近の影響は、接地端子(T)よりも信号端子(T)の方がより敏感かつ不安定であるため、信号端子(T)を含む上側C形成パターン(27)を狭くすることにより外乱の影響から鈍感にし、金属接近等を原因として不安定になる悪影響を避けるためであり、スパイラル状接触子(SC)とコンタクトする半導体デバイス等の電子部品(10)にスパイラル状接触子(SC)が接触する際、高周波特性の変化が少なく、実用価値の高い最適な構造を実現できる。
請求項4に係る発明は、前記多層基板(40,20)として二層基板(20)を用い、前記二層基板(20)それぞれの表層パターンにより、一方のC形成パターンによる前記第1電極(27)と、他方のC形成パターンによる前記第2電極(28)と、を形成することを特徴とする請求項3に記載の高周波ソケット(51)である。
請求項4に係る発明によれば、より簡素かつ安価な二層基板(20)を用い、それぞれ表層に露出した各パターン面のうち、一方のC形成パターンによる前記第1電極(27)と、他方のC形成パターンによる前記第2電極(28)と、を形成した高周波ソケット(51)によれば、より簡素かつ安価に高周波特性を改善する効果が得られる。
請求項1に係る発明によれば、目的の周波数帯域において、反射損と伝送損を最小化するような、最良の高周波特性を得ることができる。すなわち、L成分を有するスパイラル状接触子SCを介在させた高周波ソケットの入出力をマッチングさせ、かつ、マッチング可能な周波数の範囲も、目的の周波数帯域に一致させることで、より広帯域化することも可能となる。
請求項2に係る発明によれば、多層基板の表層とは異なるパターン面、または、表裏にわたり信号端子および接地端子それぞれが異なる層間を跨いで対向する第1電極と第2電極それぞれに接続できる。そうすると、両端子間で形成される端子間静電容量Cが増大するので、高周波ソケットの入出力をマッチングさせる目的を容易かつ確実に達成できる。そして、C形成パターンを表層から遠ざけることによって、スパイラル状接触子SCとコンタクトするデバイスユニットや、スパイラル状接触子SC実装基板の金属接近影響、すなわち干渉が少なくなり、スパイラル状接触子SCとコンタクト時の高周波特性変化が少ない実用的構造を実現できる。
請求項3に係る発明によれば、スパイラル状接触子SCとコンタクト時の高周波特性変化が少ない実用的構造を実現できる。
請求項4に係る発明によれば、二層基板を用いた高周波ソケットで、より簡素かつ安価に高周波特性を改善する効果が得られる。
以下、本発明に係る高周波ソケットの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、高周波ソケットと類似の構造で高周波コネクタと称する場合も、本発明の技術的範囲に含まれる。
図1は第1実施形態に係る高周波ソケットを示す透視した斜視図である。以下、各図にわたって同一効果の部位には同一符号を付して説明の重複を避ける。
図2は図1に示した高周波ソケットの利用状態の説明図であり、図2(a)はスパイラル状接触子が接触する以前の一部断面した正面図、図2(b)は図2(a)に示した高周波ソケットをA−A線で断面した平面図である。図1,図2に示すように、信号端子Tの両脇を接地端子Tで挟んでノイズを遮蔽するように3端子を一列に並べてGSG端子が構成されている。高周波ソケット50は複数のGSG端子を組み合わせても良いが、3端子一組のGSG端子により詳細に説明する。
なお、図9(a)スパイラル状接触子が半分押し潰された状態の正面図と、図9(b)スパイラル状接触子が完全に押し潰された状態の正面図により、後記する第2実施形態に係る高周波ソケット51において、スパイラル状接触子SCが、相手の接続端子11と接触する際に、弾性変形する途中経過を図示しているので、図1,図2に示した第1実施形態に係る高周波ソケット50も同様であるため説明を省略する。
図1,図2(a),図2(b)に示す多層基板40の上面には、信号端子Tを含む上側信号パターン25と、これら上側信号パターン25に隣接するように、接地端子Tを含む上側接地パターン25が配設されている。また、多層基板40の下面には、信号端子Tを含む下側信号パターン26と、これら下側信号パターン26に隣接するように、接地端子Tを含む下側接地パターン26が配設されている。また、信号端子Tと接地端子Tにはそれぞれスパイラル状接触子SCが導通を保持して配設されている。すなわち、上側信号パターン25、上側接地パターン25、下側信号パターン26、および、下側接地パターン26の各パターンの上に、それぞれのスパイラル状接触子SCが導通を確保して載置されている。
そして、上側信号パターン25と下側信号パターン26は多層基板40を貫通するスルーホール22により導通される途中で第二層パターン42にも導通している。同様に、上側接地パターン25と下側接地パターン26が別のスルーホール22により導通される途中で第三層パターン43にも導通している。なお、多層基板40の「上面」と「下面」に関連して、各部を「上側」と「下側」の区別により呼称しているのは、説明の便宜上に過ぎず、機能的には何れの面が上でも下でも構わない。
図1,図2(a)に示すように、第二層パターン42と第三層パターン43との相互関係は、絶縁された第1電極(42)と第2電極(43)の関係にあるので、両者の間には端子間静電容量Cによる特性が存在する。その端子間静電容量Cにより「コンデンサC」が形成されることを「C形成」と呼び、その値のことを「C値」または「容量値」とも呼び、これらの値は絶縁材料の誘電率、対向する各電極の面積、電極間の距離を計算することにより所望値に設定可能な値である。周知のとおり、誘電率を高く、電極の面積を広く、電極間の距離をより接近させることにより容量値を高めることが可能である。
図1,図2,および後記説明する図7,図8に示すスパイラル状接触子SCは、それ自体がスパイラル形状であるためにコイル状であり、L成分を有するため、高周波特性の管理を必要とする用途、たとえば、半導体デバイス(以下、「電子部品10」という)の検査装置等に用いられてモジュール挿入時にミスマッチングが生じて高周波特性が劣化する。
そこで、本発明では、コイルを形成するスパイラル状接触子SCにおいて、不可避とされていたL成分による悪影響を除去し、高周波特性の劣化を防ぎ、モジュール等の電子部品10を嵌着した際、信号伝送に係るミスマッチングを解消できるようにした高周波ソケット50を提供する。また、特に渦巻きが鋭利な切刃(図2,図8参照)を形成するスパイラル状接触子SCが、接触する相手となる電子部品10の被接続端子11との間で、弾性的接触が得られる際に、被接続端子11の表面が酸化発錆等により絶縁被膜を生じている場合であっても、スパイラル状接触子SCの鋭利な尖鋭部が擦れる際に、絶縁被膜を切り裂くことにより導電性の良好な金属どうしで接触するので確実な導通が保証される。
電子部品10から配線接続用に露出した被接続端子11は、高周波ソケット50を構成する多層基板40のパターン(ランド)に配設された各スパイラル状接触子SCに対面し、着脱自在に接続される。なお、特定の被接続端子11を所定のスパイラル状接触子SCに対面させる位置決め手段、嵌着保持手段、および非破壊離脱手段等に関しては、既に確されていることを前提にしているので説明を省略する。
図3は第1実施形態に係る高周波ソケット50の高周波特性に関する説明図であり、図3(a)はT型ローパスフィルタ(以下、「T型LPF」と略す)による等価回路図、図3(b)は、その周波数特性グラフである。図3(a)に示すT型LPFによる等価回路図は、第1コイルLと第2コイルLとコンデンサCの各一端をスルーホール22に相当する1点に接続し、コンデンサCの反対側の一端を接地端子Tに接地したものである。
高周波特性を解析するため図示せぬ測定器(以下、単に「測定器」という)に、第1コイルLの一端が接続されたポートPから信号を入力して第2コイルLの一端が接続されたポートPから信号を出力するT型LPFを等価回路にして、動作をシミュレーションする。つまり、2箇所の信号端子Tと接地端子Tの間にT型LPFが介在しているものと見なして高周波特性を解析するのである。そうすれば、定数が既知で単独のL素子,C素子をT型LPF内で交換して模擬実験しながら、効率良く最適な設計をすることが可能となる。
図3(b)において、楕円囲A11で示す曲線は反射損(以下、「反射損A11」という)に関する周波数特性であり、もし、反射損A11=0dB(グラフの最上方)=1倍の反射があれば、入力信号が全反射されるので伝送効率0%となる。つまり、反射損A11はグラフの下方に位置するほど良好な特性である。また、楕円囲A21は伝送損(以下、「伝送損A21」という)に関する周波数特性であり、伝送損A21=0dB=1倍で伝送効率100%である。つまり、伝送損A21はグラフの上方に位置するほど良好な特性である。
図3(a)に示したL,Lの中点に一端を接続して他端が接地されているC値を0pF,0.1pF,0.15pF,0.2pFの4種類に変化させた場合別の周波数特性を図3(b)に沿って説明する。図3(b)グラフにおいて、例えば、C=0pFでは、L=L=0.4nHの影響でミスマッチングが発生する。つまり、反射損A11=−7dB/at10GHzで周波数が高くなるほど劣化(グラフで右肩上がり)している。一方、伝送損A21も13GHz前後で0〜1dB減衰(グラフで右肩下がり)している。
そこで、C値を適切に設定することにより、例えば、15GHz以下を所望の周波数帯域とするならば、その周波数帯域で、反射損A11が向上(グラフで下向き)することを示している。具体的には、C=0.2pF(太線)の設定ならば反射損A11=−20dB/at15GHz、すなわち、15GHz以下の周波数帯域では、反射損A11を−20dBより少ない値にまで低減することができた。一方、伝送損A21も0dB/at20GHz、すなわち、20GHz以下の周波数帯域では、伝送損A21が生じないという良好な結果である。
図4は測定条件を揃えて測定した従来例に係る高周波ソケット50の高周波特性であり、図4(a)は等価回路図であり、図4(b)は、その周波数特性グラフである。従来例を実態図で示すことは省略しているが、図1,図2に示した高周波ソケット50から、第二層パターン(第1電極)42、および第三層パターン(第2電極)43を除去したものである。図4(a)において、6個ともに同一値のL=0.27nHはスパイラル部分のインダクタンスであり、2個のC=0.02pFは多層基板の隣接端子間の浮遊容量(以下、単に「C」と略す)である。
なお、スパイラル状接触子SCを備えた6端子で構成されたGSG端子のうち、一方の信号端子Tに測定器のポートP1を接続し、他方の信号端子Tには、測定精度を確保するための理想トランスTRを介してポートP2に接続することにより高周波特性を解析した結果、C=0.02pFそのままでは容量値不足のため、高周波特性が劣化している。不適切な値C=0.02pFと固有インダクタンスL=0.27nHの影響でミスマッチングが発生している。具体的には、反射損A11=−6dB/at15GHz=50%で、そこから周波数が高くなるほど反射損A11は劣化(グラフで右肩上がり)している。一方、伝送損A21=−1.5dB/at15GHz、すなわち、15GHzで−1.5dB減衰し、そこから周波数が高くなるほど大きく減衰(グラフで右肩下がり)している。
図5は測定条件を揃えて測定した図1,図2に示す高周波ソケット50の高周波特性である。図5(a)は高周波ソケット50に対応した等価回路図、図5(b)は周波数特性グラフである。図4(a)と比較して図5(a)の異なる点は、隣接端子間に2個のコンデンサCが追加された多層基板40(図1,図2)である点である。
そこで、C値を適切に設定することにより、例えば、15GHz以下を所望の周波数帯域とするならば、その周波数帯域で、反射損A11を向上(グラフの下方)させて、伝送損A21を最小(グラフの上方)にすることができる。
ここで、C=を0.04pF,0.06pF,0.08pF,0.1pFの4種類に変化させた周波数特性を図5(b)に示している。例えば、15GHz以下を所望の周波数帯域とするならば、C=0.08pF〜0.1pFの値に設定することで、反射損A11が向上(グラフの下方)し、かつ、伝送損A21も0dB/at15GHzと良好であることが確認できた。
図6は図1に示した高周波ソケット50による最良の高周波特性であり、図6(a)は等価回路図、図6(b)は周波数特性グラフである。この高周波ソケット50は、図1に示すように第2層パターン42と第3層パターン43を配設してC値=0.09pFに設定したとき、0〜15GHzにわたって反射損A11を−20dB以下に抑制し、かつ、伝送損A21も図示のとおり0dBと良好である。すなわち、広帯域にわたって、反射損A11および伝送損A21を最小限に抑制することを安定的に実現できる。
以下、図7〜図9を用いて第2の実施形態を説明する。図7は第2実施形態に係る高周波ソケットを示す透視した斜視図である。図8は図7に示した高周波ソケット50の利用状態の説明図であり、図8(a)は正面図、図8(b)は図8(a)に示した高周波ソケットをB−B線で断面した平面図である。
図9は図8に示した高周波ソケットの利用状態の説明図であり、図9(a)はスパイラル状接触子が半分押し潰された状態の正面透視図、図9(b)はスパイラル状接触子が完全に押し潰された状態の正面透視図である。
図7〜図9に示す二層基板20の上面には、信号端子Tを含む上側C形成パターン27(第1電極)と、これら上側C形成パターン27に隣接し、接地端子Tを含む上側接地パターン25が配設されている。また、二層基板20の下面には、信号端子Tを含む下側信号パターン26と、接地端子Tを含む下側C形成パターン28(第2電極)が配設されている。高周波ソケット51において、信号端子Tを含む導体と、接地端子Tを含む導体は絶縁保持されている。
また、信号端子Tと接地端子Tにはそれぞれスパイラル状接触子SCが導通を確保するように配設されている。すなわち、上側接地パターン25、上側C形成パターン27、および下側C形成パターン28の延設範囲内の所定位置に設けられたランド上に、それぞれのスパイラル状接触子SCが導通を保持して載置されている。そして、上側C形成パターン27と、下側信号パターン26は、スルーホール22により導通している。同様に、上側接地パターン25と、下側C形成パターン28も、二層基板20を貫通するスルーホール22により導通している。なお、図1,図2に示した多層基板40におけるパターン面の呼称と同様に、図7,図8に示す二層基板20においても「上面」と「下面」に関連して、各部を「上側」と「下側」の区別により呼称しているのは、説明の便宜上に過ぎず、機能的には何れの面が上、下、あるいは、表、裏であっても構わない。
図7,図8に示す二層基板20の下面に位置する接地端子Tを含む下側C形成パターン28を広くし、この下側C形成パターン28よりも、信号端子Tを含む上側C形成パターン27を狭くしていることには理由がある。それは、スパイラル状接触子SCおよび電子部品10を実装するプリント基板に対する金属接近の影響は、接地端子Tよりも信号端子Tの方がより敏感かつ不安定であるため、信号端子Tを含む上側C形成パターン27を狭くすることにより外乱の影響から鈍感にし、金属接近等を原因として不安定になる悪影響を避けるためである。このような理由により、接地端子Tを含む下側C形成パターン28の面積を広くし、この下側C形成パターン28よりも、信号端子Tを含む上側C形成パターン27の面積を狭くすることにより、電子部品10の被接続端子11にスパイラル状接触子SCが接触する際、高周波特性の劣化を含めた変化が少なく、実用価値の高い最適な構造を実現できる。
図1,図2に示した第1実施形態における多層基板40が4層構造であり、相当に複雑であることに対し、図7〜図9に示した第2実施形態における二層基板20を用いれば、より簡素かつ安価に、高周波特性を改善する効果が得られる。
つまり、第1実施形態における多層基板40の一形態として二層基板20を用い、この二層基板20それぞれの表層パターンにより、一方の上側C形成パターンが第1電極27を形成し、他方の下側C形成パターンが第2電極28を形成し、これら両電極により端子間静電容量Cが形成されている。この高周波ソケット51によれば、より簡素かつ安価に高周波特性を改善する効果が得られる。
なお、本発明に係る高周波ソケットの用途は、被検査デバイス等を着脱自在とする検査器具への用途と、大量生産品にデバイス等を実装する用途の何れに用いても効果を発揮できる。そして、スパイラル状接触子の表記が他の表現であったとしても、中央部が円錐形に立ち上がる渦巻き状の接触子と同等の構造の接触子を用いた高周波ソケットであれば、本発明の技術に含まれる。
さらに、第1実施形態における多層基板40が4層構造であり、第2実施形態における二層基板20でも実施可能なことを示したとおり、3層構造もしくは、5層以上の多層構造の基板を用いて高周波ソケットに適用することも容易に推測できるので、それらも全て本発明の技術範囲に含まれる。
第1実施形態に係る高周波ソケットを示す透視した斜視図である。 図1に示した高周波ソケットの利用状態の説明図であり、(a)スパイラル状接触子が接触する以前の正面透視図、(b)図2(a)に示した高周波ソケットをA−A線で断面した平面透視図である。 第1実施形態に係る高周波ソケットの高周波特性に関する説明図であり、(a)T型LPFによる等価回路図、(b)周波数特性グラフである。 測定条件を揃えて測定した従来例に係る高周波ソケットの高周波特性であり、(a)等価回路図、(b)周波数特性グラフである。 測定条件を揃えて測定した図1,図2に示す高周波ソケットの高周波特性であり、(a)等価回路図、(b)周波数特性グラフである。 図1,図2に示した高周波ソケットによる最良の高周波特性であり、(a)等価回路図、(b)周波数特性グラフである。 第2実施形態に係る高周波ソケットを示す透視した斜視図である。 図7に示した高周波ソケットの利用状態の説明図である。(a)スパイラル状接触子が接触する以前の正面図(b)図8(a)に示した高周波ソケットをB−B線で断面した平面透視図である。 図8に示した高周波ソケットの利用状態の説明図である。(a)スパイラル状接触子が半分押し潰された状態の正面図(b)スパイラル状接触子が完全に押し潰された状態の正面図である。
符号の説明
10 電子部品
11 被接続端子
22 スルーホール
25 上側信号パターン
25 上側接地パターン
26 下側信号パターン
26 下側接地パターン
27 上側C形成パターン
28 下側C形成パターン
40,20 多層基板
42 第二層パターン(第1電極)
43 第三層パターン(第2電極)
50,51 高周波ソケット
A11 反射損
A21 伝送損
C コンデンサ
(隣接端子間の)浮遊容量
端子間静電容量
第1コイル
第2コイル
P1,P2 ポート
TR 理想トランス
SC スパイラル状接触子SC
信号端子
接地端子

Claims (4)

  1. 基板と、
    中央部が円錐形に立ち上がるスパイラル状接触子(SC)を凸設した信号端子(T)および接地端子(T)が隣接して前記基板の表裏に配設された複数のパターン面と、
    前記基板の内部に設けられ、前記基板の表裏の前記信号端子(T )同士および前記基板の表裏の前記信号端子(T )同士にそれぞれ導通するスルーホール(22)と、
    前記基板の内部において、前記信号端子(T)に対応するスルーホール(22)に設けられる第1電極(42)と、
    前記基板の内部において、前記第1電極(42)との絶縁を保持しながら前記接地端子(TG)に対応するスルーホール(22)に設けられる第2電極(43)と、を備え、
    前記第1電極(42)と前記第2電極(43)により端子間静電容量(C)を形成することを特徴とする高周波ソケット(50)。
  2. 前記複数のパターン面および前記スルーホール(22)を有する多層基板(40)において、
    表層とは異なるパターン面により前記第1電極(42)および前記第2電極(43)を形成し、
    前記隣接する信号端子(T)および接地端子(T)の端子間で形成される端子間静電容量(C)が増大する構成であることを特徴とする請求項1に記載の高周波ソケット(50)。
  3. 多層基板(40,20)の隣接する前記端子間静電容量(C)を形成するために、前記接地端子(T)を含むパターンの面積を広くし、前記信号端子(T)を含むパターンの面積を狭くしたことを特徴とする請求項1に記載の高周波ソケット(50,51)。
  4. 前記多層基板(40,20)として二層基板(20)を用い、
    前記二層基板(20)それぞれの表層パターンにより、
    一方のC形成パターンによる前記第1電極(27)と、
    他方のC形成パターンによる前記第2電極(28)と、を形成することを特徴とする請求項3に記載の高周波ソケット(51)。
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