JP3669173B2 - ロボットによる荷の移載方法およびそのロボット制御装置 - Google Patents
ロボットによる荷の移載方法およびそのロボット制御装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の姿勢の荷を旋回させながら所定の空間へ荷を移載させるロボットによる荷の移載方法およびそのロボット制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の上記ロボットによる荷の移載方法を、図面に基づいて説明する。
図5において、1は一定経路2を移動して荷3を搬送する自走台車であり、この自走台車1上には荷3の移載手段としてロボット4が設けられている。また一定経路2に沿って荷3を移載する所定空間として、ラックの支柱5間に形成された荷収納空間6が設けられており、前記ロボット4により自走台車1上の荷3が荷収納空間6へ移載される。
【0003】
上記ロボット4は、昇降自在に自走台車1に垂直に設けられた本体11と、この本体11の上部に一端が水平に回転自在に取付けられた第1アーム12と、この第1アーム12の他端下部に一端が水平に回転自在に取付けられた第2アーム13と、この第2アーム13の他端下部に中心が水平に回転自在に取付けられた荷3の挟持体14から形成されている。このロボット4の制御装置は自走台車1に内蔵されている。
【0004】
上記構成により、荷3の一方の長さが自走台車1の載置面の左右の長さより長い場合、自走台車1は、荷3が自走台車1の載置面より飛び出して他の装置などに接触しないように、一定経路2の方向に荷3の長さ方向を合わせて載置して搬送し、目的の荷収納空間6に到着すると、ロボット4を使用して荷3を旋回して荷3を荷収納空間6へ移載する。このとき、第1アーム12と第2アーム13をラック側へ移動させ、同時に挟持体14を回転させると、荷3が支柱5に接触する恐れがある。そこで、ロボット制御装置により、図6に示す手順により荷3を移載している。
ステップ−1
まず、図6(a)に示すように、自走台車1が、荷収納空間6の中心線上に荷3の中心が位置するように停止すると、本体11を上昇させて荷3を持ち上げる。ステップ−2
次に、第1アーム12と第2アーム13を回転駆動させて、図6(b)に示すように、荷3をラックとは反対側へ移動させる。このとき、荷3の中心は荷収納空間6の中心線上にあるように、かつ荷3を旋回させても荷3が自走台車1上からラック側へ飛び出すことのない位置まで移動させる。
ステップ−3
次に、図6(c)に示すように、挟持体14を回転させて荷3を、荷3の正面が荷収納空間6を向くように、旋回させる(略90°旋回させる)。
ステップ−4
次に、第1アーム12と第2アーム13を、荷3の中心が荷収納空間6の中心線上にあるように荷3をラック側へ移動させ、図6(d)に示すように、荷3を荷収納空間6上へ移動させる。
ステップ−5
この後、本体11を下降させて荷収納空間6上へ荷3を降ろし、挟持体14を駆動して荷3を離脱させる。
【0005】
この手順によれば、荷3が支柱5に接触する恐れを回避することができる。またこの手順を実現するため、ロボット制御装置には、ステップ−2を実現する「直線命令」、ステップ−3を実現する「姿勢確定命令」、ステップ−4を実現する「直線命令」がプログラムされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ロボット4による荷の移載方法では、荷3を旋回させる前に、ステップ−2により第1アーム12と第2アーム13をラックとは反対側へ移動させる時間、そして一旦停止させる時間が必要なために、移載にかかる時間が長くなり、作業効率が悪くなるという問題が発生する。
【0007】
また図7に実線で示すように、荷3の移動時の速度に差がでるために、荷3に大きな振動が発生する恐れがあった。
そこで、本発明は、支柱などの障害物に接触する恐れを回避できるとともに、移載時間を短縮することができるロボットによる荷の移載方法およびそのロボット制御装置を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、一定経路を移動して荷を搬送する自走台車上に前記荷の移載手段としてロボットが設けられており、前記ロボットは、前記自走台車に設けられた本体と、この本体の上部に一端が水平に回転自在に取付けられた第1アームと、この第1アームの他端下部に一端が水平に回転自在に取付けられた第2アームと、この第2アームの他端下部に中心が水平に回転自在に取付けられた荷の挟持体を備え、このロボットにより所定の姿勢の荷を旋回させながら前記一定経路に沿って設けられた荷収納空間へ移載させるロボットによる荷の移載方法であって、前記荷収納空間の前方に、前記一定経路に対して90°旋回された荷の正面の先端と前記荷収納空間の先端との距離を一定値とする荷の仮想空間を形成し、前記仮想空間に荷を移動させる前記第1アームと前記第2アームの旋回角度を求め、これら求めた旋回角度から荷が前記一定経路に対して90°旋回する前記挟持体の旋回角度を求め、前記求めた旋回角度となるように、前記第1アーム、前記第2アームおよび前記挟持体を旋回させることにより、荷を前記仮想空間内に移動させ、前記荷の中心位置を前記荷収納空間の中心線上に沿って前記荷収納空間に移動させて荷を移載することを特徴とするものである。
【0009】
上記方法によれば、荷は自走台車の載置面から荷収納空間の前方の仮想空間に位置するように移動され、続いて、荷収納空間の中心線に沿って移動され、荷収納空間に移載される。このように、荷収納空間の前に仮想空間を設置し、この仮想空間を通過するように、荷を移動させることによって、荷の障害物への接触が回避されるとともに、荷の無用な搬送の動きや停止がなくなり、搬送時間が短縮される。また従来と比較して、搬送速度に変動が少なくなり、振動の発生が抑えられる。
【0010】
また請求項2記載の発明は、ロボット制御装置に、請求項1の荷の移載方法による荷の軌跡を実現する1命令語を備えたことを特徴とするものである。
上記構成によれば、従来のような3つの命令をプログラムする必要がなくなり、1命令でプログラムすることができ、作業能率が改善される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、従来例の図5と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0012】
図2は本発明の実施の形態におけるロボット制御装置の制御構成図である。
図2において、21は自走台車1に内蔵されたロボット制御装置、22は本体11の昇降用モータ、23は第1アーム12の旋回用モータ、24は第2アーム13の旋回用モータ、25は挟持体14の旋回用モータ、26は挟持体14の開閉用モータであり、これらモータ22〜26はそれぞれドライバ27〜31を介してロボット制御装置21によりパルス駆動される。なお、上記モータ22〜26はサーボモータにより構成されている。
【0013】
またこれらモータ22〜26にはそれぞれその回転軸にエンコーダ32〜36が連結されており、これらエンコーダ32〜36から出力されたパルスはそれぞれカウンタ37〜41により入力されている。
【0014】
カウンタ37は、昇降用モータ22のエンコーダ32の出力パルスをカウントしており、本体11の昇降位置、すなわち自走台車1の上面(荷3の載置面)からの第1アーム12の高さ位置を検出している。またカウンタ38は、第1アーム旋回用モータ23のエンコーダ33の出力パルスをカウントしており、一定経路2方向を0°として第1アーム12の旋回角度αを検出している。またカウンタ39は、第2アーム旋回用モータ24のエンコーダ34の出力パルスをカウントしており、第1アーム12の長さ方向を0°として第2アーム13の旋回角度βを検出している。さらにカウンタ40は、挟持体旋回用モータ25のエンコーダ35の出力パルスをカウントしており、第2アーム13の長さ方向を0°として挟持体14の旋回角度γを検出している。またカウンタ41は、挟持体開閉用モータ26のエンコーダ36の出力パルスをカウントしており、挟持体14の開閉度を検出している。
【0015】
これらカウンタ37〜41の検出データはロボット制御装置21へ入力されている。以下、ロボット制御装置21による荷3の移載方法を図3を参照しながら説明する。なお、図1(a)に示すように、荷3の中心が、移載先の荷収納空間6の中心線上にあるように、自走台車1は停止しているものとする。また図4に示すように、第1アーム12と第2アーム13の長さJ,Kは予めわかっていることから、移載先の荷収納空間6の中心線上の荷3の中心の位置が設定されると、上記第1アーム12と第2アーム13の旋回角度α,βを求めることができ、これら旋回角度α,βから荷3が一定経路2に対して90°旋回する挟持体14の旋回角度γを求めることができる。これら旋回角度α,β,γとなるように制御すれば、移載先の荷収納空間6の中心線上に荷3の中心が位置し、かつ荷3が一定経路2に対して90°旋回しているように制御することができる。
ステップ−1
ロボット制御装置21は、自走台車1の上位のコンピュータ(図示せず)より移載指令信号と荷3の長さLを入力すると、ドライバ27を介して昇降用モータ22へ上昇パルスを出力して、第1アーム12を上昇させる。そして、カウンタ37により検出される第1アーム12の高さデータが一定の高さとなると、パルスの出力を終了する。
ステップ−2
次に、図1(a)に2点鎖線で示すように、荷収納空間6の前に仮想空間Sを設定する。この仮想空間Sは、図4に示すように、一定経路2に対して90°旋回された荷3の正面の先端が荷収納空間6の先端との距離をd(一定値)とする空間であり、入力した荷3の長さLの1/2の位置にある荷3の中心位置を求める。
ステップ−3
次に、仮想空間Sに荷3を移動させる第1アーム12と第2アーム13の旋回角度α,β、さらにこれら旋回角度α,βから荷3が一定経路2に対して90°旋回する挟持体14の旋回角度γをテーブルにより求める。
ステップ−4
次にドライバ28,29,30を介してモータ23,24,25へ駆動パルスを出力して、第1アーム12,第2アーム13,挟持体14を旋回する。そして、それぞれの旋回角度が上記ステップ−2で求めた旋回角度α,β,γとなると、パルスの出力を終了する。このとき、荷3は図1(b)に示すように仮想空間S内に移動される。
ステップ−5
次に、荷3の中心位置を荷収納空間6の中心線上に沿って、一定量だけ荷収納空間6へ移動させた位置を設定する。
ステップ−6
ステップ−4で設定した荷3の中心位置が、荷収納空間6内の荷3の移動終了位置(荷3の中心が長さLの1/2だけ充分に荷収納空間6内に移動した位置)まで移動したかを確認する。
ステップ−7
移動していないとき、この位置の旋回角度α,β,γをテーブルにより求めてステップ−3へ戻る。
ステップ−8
ステップ−6により移動を確認すると、すなわち図1(c)に示すように、荷3が荷収納空間6内に移動すると、ドライバ27を介して昇降用モータ22へ下降パルスを出力して、第1アーム12を下降させる。そして、カウンタ37の第1アーム12の高さデータが0となると、パルスの出力を終了する。
ステップ−9
次に、ドライバ31を介して挟持体開閉用モータ26へ駆動パルスを出力し、カウンタ41が検出している長さが増加すると、パルスの出力を終了する。
【0016】
上記ロボット制御装置21による荷3の移載方法により、荷3は自走台車1の載置面から持ち上げられ、荷収納空間6の前の仮想空間Sに位置するように移動され、続いて、荷収納空間6の中心線に沿って移動され、荷収納空間6内に移動すると、荷収納空間6へ降ろされ、よって荷収納空間6に荷3が移載される。
【0017】
このように、荷収納空間6の前に仮想空間Sを設置し、この仮想空間を通過するように、荷3を移動させることによって、荷3の障害物(支柱5)への接触を回避できるとともに、荷3の無用な搬送の動きや停止がなくなり、搬送時間を短縮することができる。また従来と比較して、図7に破線で示すように、搬送速度に変動が少なくなり、振動の発生を抑えることができる。
【0018】
また、上記仮想空間Sを通過する荷3の軌跡を実現する命令語を作成すれば、ロボット制御装置21に、従来のような3つの命令をプログラムする必要がなくなり、1命令でプログラムすることができ、作業能率を改善することができる。
【0019】
なお、荷3の長さLが一定であれば、上位のコンピュータから荷3の長さを出力する必要はなく、ロボット制御装置21内に予め設定しておくことができる。
【0020】
以上述べたように本発明によれば、所定空間の前方の仮想空間において、荷は旋回された所定の姿勢とされるように移動されることにより、所定空間の左右に隣接する空間を荷が通過し、支柱などに接触することを回避でき、さらに荷の無用な搬送の動きや停止をなくすことができ、搬送時間を短縮することができ、また従来と比較して、搬送速度に変動が少なくなり、振動の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるロボット制御装置による荷の移載方法の説明図である。
【図2】同ロボット制御装置の制御構成図である。
【図3】同ロボット制御装置の制御フローチャートである。
【図4】同ロボット制御装置の荷の移載方法の説明図である。
【図5】ロボットを備えた自走台車の斜視図である。
【図6】従来のロボット制御装置による荷の移載方法の説明図である。
【図7】ロボット制御装置による荷の移載時の荷の移送速度の特性図である。
【符号の説明】
1 自走台車
2 一定経路
3 荷
4 ロボット
5 支柱(障害物)
6 荷収納空間(荷を移載する所定の空間)
11 本体
12 第1アーム
13 第2アーム
14 挟持体
21 ロボット制御装置
L 荷長
S 仮想空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の姿勢の荷を旋回させながら所定の空間へ荷を移載させるロボットによる荷の移載方法およびそのロボット制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の上記ロボットによる荷の移載方法を、図面に基づいて説明する。
図5において、1は一定経路2を移動して荷3を搬送する自走台車であり、この自走台車1上には荷3の移載手段としてロボット4が設けられている。また一定経路2に沿って荷3を移載する所定空間として、ラックの支柱5間に形成された荷収納空間6が設けられており、前記ロボット4により自走台車1上の荷3が荷収納空間6へ移載される。
【0003】
上記ロボット4は、昇降自在に自走台車1に垂直に設けられた本体11と、この本体11の上部に一端が水平に回転自在に取付けられた第1アーム12と、この第1アーム12の他端下部に一端が水平に回転自在に取付けられた第2アーム13と、この第2アーム13の他端下部に中心が水平に回転自在に取付けられた荷3の挟持体14から形成されている。このロボット4の制御装置は自走台車1に内蔵されている。
【0004】
上記構成により、荷3の一方の長さが自走台車1の載置面の左右の長さより長い場合、自走台車1は、荷3が自走台車1の載置面より飛び出して他の装置などに接触しないように、一定経路2の方向に荷3の長さ方向を合わせて載置して搬送し、目的の荷収納空間6に到着すると、ロボット4を使用して荷3を旋回して荷3を荷収納空間6へ移載する。このとき、第1アーム12と第2アーム13をラック側へ移動させ、同時に挟持体14を回転させると、荷3が支柱5に接触する恐れがある。そこで、ロボット制御装置により、図6に示す手順により荷3を移載している。
ステップ−1
まず、図6(a)に示すように、自走台車1が、荷収納空間6の中心線上に荷3の中心が位置するように停止すると、本体11を上昇させて荷3を持ち上げる。ステップ−2
次に、第1アーム12と第2アーム13を回転駆動させて、図6(b)に示すように、荷3をラックとは反対側へ移動させる。このとき、荷3の中心は荷収納空間6の中心線上にあるように、かつ荷3を旋回させても荷3が自走台車1上からラック側へ飛び出すことのない位置まで移動させる。
ステップ−3
次に、図6(c)に示すように、挟持体14を回転させて荷3を、荷3の正面が荷収納空間6を向くように、旋回させる(略90°旋回させる)。
ステップ−4
次に、第1アーム12と第2アーム13を、荷3の中心が荷収納空間6の中心線上にあるように荷3をラック側へ移動させ、図6(d)に示すように、荷3を荷収納空間6上へ移動させる。
ステップ−5
この後、本体11を下降させて荷収納空間6上へ荷3を降ろし、挟持体14を駆動して荷3を離脱させる。
【0005】
この手順によれば、荷3が支柱5に接触する恐れを回避することができる。またこの手順を実現するため、ロボット制御装置には、ステップ−2を実現する「直線命令」、ステップ−3を実現する「姿勢確定命令」、ステップ−4を実現する「直線命令」がプログラムされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ロボット4による荷の移載方法では、荷3を旋回させる前に、ステップ−2により第1アーム12と第2アーム13をラックとは反対側へ移動させる時間、そして一旦停止させる時間が必要なために、移載にかかる時間が長くなり、作業効率が悪くなるという問題が発生する。
【0007】
また図7に実線で示すように、荷3の移動時の速度に差がでるために、荷3に大きな振動が発生する恐れがあった。
そこで、本発明は、支柱などの障害物に接触する恐れを回避できるとともに、移載時間を短縮することができるロボットによる荷の移載方法およびそのロボット制御装置を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、一定経路を移動して荷を搬送する自走台車上に前記荷の移載手段としてロボットが設けられており、前記ロボットは、前記自走台車に設けられた本体と、この本体の上部に一端が水平に回転自在に取付けられた第1アームと、この第1アームの他端下部に一端が水平に回転自在に取付けられた第2アームと、この第2アームの他端下部に中心が水平に回転自在に取付けられた荷の挟持体を備え、このロボットにより所定の姿勢の荷を旋回させながら前記一定経路に沿って設けられた荷収納空間へ移載させるロボットによる荷の移載方法であって、前記荷収納空間の前方に、前記一定経路に対して90°旋回された荷の正面の先端と前記荷収納空間の先端との距離を一定値とする荷の仮想空間を形成し、前記仮想空間に荷を移動させる前記第1アームと前記第2アームの旋回角度を求め、これら求めた旋回角度から荷が前記一定経路に対して90°旋回する前記挟持体の旋回角度を求め、前記求めた旋回角度となるように、前記第1アーム、前記第2アームおよび前記挟持体を旋回させることにより、荷を前記仮想空間内に移動させ、前記荷の中心位置を前記荷収納空間の中心線上に沿って前記荷収納空間に移動させて荷を移載することを特徴とするものである。
【0009】
上記方法によれば、荷は自走台車の載置面から荷収納空間の前方の仮想空間に位置するように移動され、続いて、荷収納空間の中心線に沿って移動され、荷収納空間に移載される。このように、荷収納空間の前に仮想空間を設置し、この仮想空間を通過するように、荷を移動させることによって、荷の障害物への接触が回避されるとともに、荷の無用な搬送の動きや停止がなくなり、搬送時間が短縮される。また従来と比較して、搬送速度に変動が少なくなり、振動の発生が抑えられる。
【0010】
また請求項2記載の発明は、ロボット制御装置に、請求項1の荷の移載方法による荷の軌跡を実現する1命令語を備えたことを特徴とするものである。
上記構成によれば、従来のような3つの命令をプログラムする必要がなくなり、1命令でプログラムすることができ、作業能率が改善される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、従来例の図5と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0012】
図2は本発明の実施の形態におけるロボット制御装置の制御構成図である。
図2において、21は自走台車1に内蔵されたロボット制御装置、22は本体11の昇降用モータ、23は第1アーム12の旋回用モータ、24は第2アーム13の旋回用モータ、25は挟持体14の旋回用モータ、26は挟持体14の開閉用モータであり、これらモータ22〜26はそれぞれドライバ27〜31を介してロボット制御装置21によりパルス駆動される。なお、上記モータ22〜26はサーボモータにより構成されている。
【0013】
またこれらモータ22〜26にはそれぞれその回転軸にエンコーダ32〜36が連結されており、これらエンコーダ32〜36から出力されたパルスはそれぞれカウンタ37〜41により入力されている。
【0014】
カウンタ37は、昇降用モータ22のエンコーダ32の出力パルスをカウントしており、本体11の昇降位置、すなわち自走台車1の上面(荷3の載置面)からの第1アーム12の高さ位置を検出している。またカウンタ38は、第1アーム旋回用モータ23のエンコーダ33の出力パルスをカウントしており、一定経路2方向を0°として第1アーム12の旋回角度αを検出している。またカウンタ39は、第2アーム旋回用モータ24のエンコーダ34の出力パルスをカウントしており、第1アーム12の長さ方向を0°として第2アーム13の旋回角度βを検出している。さらにカウンタ40は、挟持体旋回用モータ25のエンコーダ35の出力パルスをカウントしており、第2アーム13の長さ方向を0°として挟持体14の旋回角度γを検出している。またカウンタ41は、挟持体開閉用モータ26のエンコーダ36の出力パルスをカウントしており、挟持体14の開閉度を検出している。
【0015】
これらカウンタ37〜41の検出データはロボット制御装置21へ入力されている。以下、ロボット制御装置21による荷3の移載方法を図3を参照しながら説明する。なお、図1(a)に示すように、荷3の中心が、移載先の荷収納空間6の中心線上にあるように、自走台車1は停止しているものとする。また図4に示すように、第1アーム12と第2アーム13の長さJ,Kは予めわかっていることから、移載先の荷収納空間6の中心線上の荷3の中心の位置が設定されると、上記第1アーム12と第2アーム13の旋回角度α,βを求めることができ、これら旋回角度α,βから荷3が一定経路2に対して90°旋回する挟持体14の旋回角度γを求めることができる。これら旋回角度α,β,γとなるように制御すれば、移載先の荷収納空間6の中心線上に荷3の中心が位置し、かつ荷3が一定経路2に対して90°旋回しているように制御することができる。
ステップ−1
ロボット制御装置21は、自走台車1の上位のコンピュータ(図示せず)より移載指令信号と荷3の長さLを入力すると、ドライバ27を介して昇降用モータ22へ上昇パルスを出力して、第1アーム12を上昇させる。そして、カウンタ37により検出される第1アーム12の高さデータが一定の高さとなると、パルスの出力を終了する。
ステップ−2
次に、図1(a)に2点鎖線で示すように、荷収納空間6の前に仮想空間Sを設定する。この仮想空間Sは、図4に示すように、一定経路2に対して90°旋回された荷3の正面の先端が荷収納空間6の先端との距離をd(一定値)とする空間であり、入力した荷3の長さLの1/2の位置にある荷3の中心位置を求める。
ステップ−3
次に、仮想空間Sに荷3を移動させる第1アーム12と第2アーム13の旋回角度α,β、さらにこれら旋回角度α,βから荷3が一定経路2に対して90°旋回する挟持体14の旋回角度γをテーブルにより求める。
ステップ−4
次にドライバ28,29,30を介してモータ23,24,25へ駆動パルスを出力して、第1アーム12,第2アーム13,挟持体14を旋回する。そして、それぞれの旋回角度が上記ステップ−2で求めた旋回角度α,β,γとなると、パルスの出力を終了する。このとき、荷3は図1(b)に示すように仮想空間S内に移動される。
ステップ−5
次に、荷3の中心位置を荷収納空間6の中心線上に沿って、一定量だけ荷収納空間6へ移動させた位置を設定する。
ステップ−6
ステップ−4で設定した荷3の中心位置が、荷収納空間6内の荷3の移動終了位置(荷3の中心が長さLの1/2だけ充分に荷収納空間6内に移動した位置)まで移動したかを確認する。
ステップ−7
移動していないとき、この位置の旋回角度α,β,γをテーブルにより求めてステップ−3へ戻る。
ステップ−8
ステップ−6により移動を確認すると、すなわち図1(c)に示すように、荷3が荷収納空間6内に移動すると、ドライバ27を介して昇降用モータ22へ下降パルスを出力して、第1アーム12を下降させる。そして、カウンタ37の第1アーム12の高さデータが0となると、パルスの出力を終了する。
ステップ−9
次に、ドライバ31を介して挟持体開閉用モータ26へ駆動パルスを出力し、カウンタ41が検出している長さが増加すると、パルスの出力を終了する。
【0016】
上記ロボット制御装置21による荷3の移載方法により、荷3は自走台車1の載置面から持ち上げられ、荷収納空間6の前の仮想空間Sに位置するように移動され、続いて、荷収納空間6の中心線に沿って移動され、荷収納空間6内に移動すると、荷収納空間6へ降ろされ、よって荷収納空間6に荷3が移載される。
【0017】
このように、荷収納空間6の前に仮想空間Sを設置し、この仮想空間を通過するように、荷3を移動させることによって、荷3の障害物(支柱5)への接触を回避できるとともに、荷3の無用な搬送の動きや停止がなくなり、搬送時間を短縮することができる。また従来と比較して、図7に破線で示すように、搬送速度に変動が少なくなり、振動の発生を抑えることができる。
【0018】
また、上記仮想空間Sを通過する荷3の軌跡を実現する命令語を作成すれば、ロボット制御装置21に、従来のような3つの命令をプログラムする必要がなくなり、1命令でプログラムすることができ、作業能率を改善することができる。
【0019】
なお、荷3の長さLが一定であれば、上位のコンピュータから荷3の長さを出力する必要はなく、ロボット制御装置21内に予め設定しておくことができる。
【0020】
以上述べたように本発明によれば、所定空間の前方の仮想空間において、荷は旋回された所定の姿勢とされるように移動されることにより、所定空間の左右に隣接する空間を荷が通過し、支柱などに接触することを回避でき、さらに荷の無用な搬送の動きや停止をなくすことができ、搬送時間を短縮することができ、また従来と比較して、搬送速度に変動が少なくなり、振動の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるロボット制御装置による荷の移載方法の説明図である。
【図2】同ロボット制御装置の制御構成図である。
【図3】同ロボット制御装置の制御フローチャートである。
【図4】同ロボット制御装置の荷の移載方法の説明図である。
【図5】ロボットを備えた自走台車の斜視図である。
【図6】従来のロボット制御装置による荷の移載方法の説明図である。
【図7】ロボット制御装置による荷の移載時の荷の移送速度の特性図である。
【符号の説明】
1 自走台車
2 一定経路
3 荷
4 ロボット
5 支柱(障害物)
6 荷収納空間(荷を移載する所定の空間)
11 本体
12 第1アーム
13 第2アーム
14 挟持体
21 ロボット制御装置
L 荷長
S 仮想空間
Claims (2)
- 一定経路を移動して荷を搬送する自走台車上に前記荷の移載手段としてロボットが設けられており、前記ロボットは、前記自走台車に設けられた本体と、この本体の上部に一端が水平に回転自在に取付けられた第1アームと、この第1アームの他端下部に一端が水平に回転自在に取付けられた第2アームと、この第2アームの他端下部に中心が水平に回転自在に取付けられた荷の挟持体を備え、このロボットにより所定の姿勢の荷を旋回させながら前記一定経路に沿って設けられた荷収納空間へ移載させるロボットによる荷の移載方法であって、
前記荷収納空間の前方に、前記一定経路に対して90°旋回された荷の正面の先端と前記荷収納空間の先端との距離を一定値とする荷の仮想空間を形成し、
前記仮想空間に荷を移動させる前記第1アームと前記第2アームの旋回角度を求め、これら求めた旋回角度から荷が前記一定経路に対して90°旋回する前記挟持体の旋回角度を求め、
前記求めた旋回角度となるように、前記第1アーム、前記第2アームおよび前記挟持体を旋回させることにより、荷を前記仮想空間内に移動させ、
前記荷の中心位置を前記荷収納空間の中心線上に沿って前記荷収納空間に移動させて荷を移載すること
を特徴とするロボットによる荷の移載方法。 - 請求項1の荷の移載方法による荷の軌跡を実現する1命令語を備えたこと
を特徴とするロボット制御装置。
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JP25444798A JP3669173B2 (ja) | 1998-09-09 | 1998-09-09 | ロボットによる荷の移載方法およびそのロボット制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021042728A1 (zh) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | 北京极智嘉科技有限公司 | 一种支架、搬运系统及搬运方法 |
-
1998
- 1998-09-09 JP JP25444798A patent/JP3669173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2021042728A1 (zh) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | 北京极智嘉科技有限公司 | 一种支架、搬运系统及搬运方法 |
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