JP3668943B2 - 水門開閉装置の操作制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自重降下式ゲートを備えた水門開閉装置の操作制御システムに係り、特に、補助的に電動機を使用して水門の開、閉、停止の操作を行う水門開閉装置の操作制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に水門開閉装置は、機側操作盤の押釦操作で電動機により水門の開、閉、停止の操作を行うことができる。自重降下式ゲートにより水門の閉操作を行うときは、水門開閉装置に組み込まれているレバーを人力にて操作することにより行うことができる。遠方からの操作で電動機により水門の開、閉、停止の操作を行う場合は、押釦操作で電動機を作動させて行うことができる。自重降下式ゲートによる水門の閉操作を遠方からの操作で行う場合は、水門開閉装置に内蔵した電磁クラッチを押釦操作で開状態にすることで行うことができる。
【0003】
従来の自重降下式ゲートの緊急遮断システムとして、例えば、特許文献1には、タイマー回路に予め設定されている時間以内に扉体の自重降下により水門が全閉されない場合は、コントローラから「入り信号」を出力して電磁クラッチを結合させて、開閉操作機構部と扉体昇降機構部を連動状態に保持したのち、コントローラから開閉操作機構部の電動機に起動信号を出力して、電動機を扉体閉方向に起動させて、扉体を強制的に下死点まで降下させることで水門を全閉することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−234525号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水門の閉操作を遠方から電動機を作動させて行う場合、ゲートの開閉速度が0.3m/minであるため揚程が高い場合に閉操作の所要時間が多く必要となり、例えば、揚程3mの場合の所要時間は10分必要とする。また、遠方から複数の水門操作を遠隔制御する場合、1門の水門が運転開始後停止するまでは、次の水門操作に移行しない運用を行うことが多いため、1門の水門の操作時間が長くなると、一人が遠隔制御する水門の門数に限りがある。
水門の閉操作時間を短縮する手段として、ポールチェンジ電動機による速度変換機能を持たせて水門の閉操作時のみ高速度とする方法もあるが、2〜4倍程度しか水門の降下速度を上昇させることができない。また、他の手段として、インバータ電動機を使用し速度変換を行う方法もあるが、電動機の高回転に対する軸受等の問題や、インバータの起動トルクを大きくしなければならない等の問題が発生するため設備費用が高価なものとなる。
【0006】
水門の閉操作をゲートの自重降下によってのみ行う場合、押釦操作による電気信号にて電磁クラッチを解除作動させ全閉までゲートを自重降下させていたが、降下速度が6m/min以下の急降下であるため、ゲートの着床時の衝撃により水密ゴムを痛めたり、構造物に対してもゲートの損傷、ラック棒の座屈、開閉装置アンカーボルトの引き抜き、門柱の割れなどのおそれがある。また、木、石、堆積がある場合局部的に荷重が作用するおそれがあるため、ゲートが閉じるときの衝撃荷重に対し強度を有するような設計を行う必要がある。さらに、水位がある場合は尚更異物の有無の確認ができないという問題がある。
【0007】
また、特許文献1に開示された自重降下式ゲートは、水位が急上昇した緊急時に扉体が全閉しない場合に電動機を起動させて、扉体を強制的に降下させるものであり、通常の水門の開閉操作において自重降下式ゲートの開閉操作を制御することを考慮したものではない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、自重降下式ゲートを備えた水門開閉装置の開閉操作を高速度で安全確実に操作することができると共に一人の作業員により複数の水門を遠隔制御できる水門開閉装置の操作制御システム、特にラック式水門開閉装置の操作制御システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、最初に電磁クラッチを解放して遠心ブレーキでゲートの降下速度を制御しながら自重降下させ、水門が全閉する近傍で電磁クラッチを連結してゲートの自重による降下を停止し、その後、電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートの降下速度を自重降下速度よりも低速にして、ゲートを全閉位置まで下降させることを特徴とする。
【0010】
このように構成することにより、遠隔操作により水門開閉装置の開閉操作をする場合、電動機を補助的に使用してゲートを自重降下させることで、通常の電動操作による水門の閉操作の7倍から20倍程度の速度で水門の閉操作を行うことができるため、水門の閉操作の所要時間を大幅に短縮することができる。
【0011】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、ゲートの自重による降下操作後、ゲートの開度を検出し、ゲートが設定された開度に到達すると、電磁クラッチを連結してゲートの自重による降下を停止し、その後、電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートを全閉位置まで下降させることを特徴とする。
【0012】
このように構成することにより、ゲートの自重による降下操作後、ゲートの開度を検出し、ゲートが設定された開度に到達すると、自動的に電動操作に切り替えて水門が全閉位 置に到達するまでゲートの下降操作を行うことができる。
【0013】
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、ゲートの自重による降下中に、ゲートの開度の変化を検出し、ゲートの開度信号が変化しない場合、自重で降下するゲートが途中で停止していると判断して、電磁クラッチを連結して電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートを全閉位置まで下降させることを特徴とする。
【0014】
このように構成することにより、水門の閉操作中に異常事態の発生によりゲートの自重降下が妨げられて途中で停止した場合のように、ゲートの自重降下中にゲートの開度信号に変化がない場合はゲートが途中で停止していると判断して自動的に電動操作に切り替えて水門が全閉位置に到達するまでゲートの下降操作を行うことができる。
【0015】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれかに記載した発明において、複数の水門を遠隔集中制御することを特徴とする。
【0016】
このように構成することにより、複数の水門の遠隔制御を行う場合、一人の操作員により制御できる水門の門数を多くすることができる。
【0017】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれかに記載した発明において、前記水門開閉装置は、ラック棒に連結したゲートを自重降下させるラック式水門開閉装置であることを特徴とする。
【0018】
このように構成することにより、ラック棒に連結したゲートを自重降下させるラック式水門開閉装置は、電気信号により断接操作される電磁クラッチを備えるため、比較的小さな自重でも、自重降下を行うことができる。また、高効率であることから、自重降下速度を速くすることが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる水門開閉装置の操作制御システムを、図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
まず、図1に基いて、本発明の実施の形態に係る水門開閉装置の操作制御システムに用いるラック式水門開閉装置を説明する。ラック式水門開閉装置は、図示しないゲートに連結したラック棒1と、このラック棒1に噛み合い連結した歯車列(ピン歯車2、平歯車3、4、5)と、歯車列に噛み合い連結した遊星歯車6と、遊星歯車6の太陽歯車に駆動力を入力して歯車列を介してラック棒1を上下動させる電動機12と、遊星歯車6のリング歯車に連結した電磁クラッチ7と、この電磁クラッチ7に平歯車8を介して連結した遠心ブレーキ9とから概略構成されている。符号11は、ゲートの落下を防止する落下防止用ブレーキ、符号13は、遊星歯車6と電動機12との間に介在させたブレーキ、符号14は、ゲートを手動で上下動させる手動操作ハンドルである。
【0020】
つぎに、このようなラック式水門開閉装置の操作を説明する。
ゲートの自重降下を行う場合、ラック式水門開閉装置に内蔵した電磁クラッチ7は、常時はバネ力により連結され停止状態であるが、遠隔操作により電磁クラッチ7に通電して電磁クラッチ7の解放操作をすると電磁クラッチ7が解放されて、ゲートは自重降下できる状態となる。また、遠方操作盤からの電気信号にて、電磁クラッチ7を解放させるとゲートは落下防止用ブレーキ11から切り放される。そして、ラック棒1にゲート荷重が作用すると、ゲートは自重降下を開始する。その際、ゲートは、落下防止用ブレーキ11から切り放されて、遠心ブレーキ9に連結されるため、ゲートの落下速度は遠心ブレーキ9にて一定速度以下に速度制御される。また、電磁クラッチ7の「解放」操作により、電磁クラッチ7が落下防止用ブレーキ11との連結状態から切り離されてゲートが自重降下を行う場合、ゲートの自重降下時の荷重は、ラック棒1からピン歯車2、平歯車3、平歯車4及び平歯車5の歯車列に伝達され、また、歯車列から遊星歯車6のリング歯車、平歯車8を介して遠心ブレーキ9に伝達される。ゲートを上昇させる場合は、電動機12を起動して、遊星歯車6及び歯車列を介してラック棒1を上昇させてゲートを上昇させる。また、手動操作ハンドル14によりラック棒1を直接上昇させてゲートを上昇させることもできる。
【0021】
つぎに、本発明の第一実施形態に係る水門開閉装置の操作制御システムを図2及び図3に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る水門開閉装置は、基本的には図1に示すラック式水門開閉装置を用いるが、図2には、主要な構成のみを示す。
水門開閉装置23は、自重降下用の電磁クラッチ7と、図示しないゲートを上下動させる電動機12と、ゲートの開度を表す信号を発信する制限開閉器又は開度発信器24を備えている。また、機側操作盤22は、ゲートの近傍に設置されており、ゲートが全閉近傍の位置にあることを制限開閉器又は開度発信器24の出力信号に基いて検出する全閉近傍検知回路25と、電磁クラッチ7の「連結」または「解放」の操作信号を発信する電磁クラッチ制御回路26と、電動機12の駆動信号を発信する電動機制御回路27と、ゲートの自重降下指令後の経過時間をカウントする経過時間カウント回路28を備えている。この機側操作盤22は、遠方から遠隔操作信号を出力する遠方操作盤21に接続されている。そして、ゲートの自重降下操作を行う場合には、まず、遠方操作盤21からゲートの自動降下指令信号を出力する。このゲートの自重降下指令信号が機側操作盤22の電磁クラッチ制御回路26に入力されると、電磁クラッチ制御回路26から水門開閉装置23の電磁クラッチ7に「解放」信号、すなわち、ゲートの自重降下指令信号が出力されて、電磁クラッチ7は解放されて、ゲートは自重降下を開始する。ゲートが自重降下すると、制限開閉器又は開度発信器24によりゲートの開度を検出し、全閉近傍検出回路25によりゲートがどの位置にいてゲートがどれくらい開いているのかの開度を検出する。その後、ゲートが設定された開度に到達すると、電磁クラッチ制御回路26から電磁クラッチ7に「連結」信号が出力され、電磁クラッチ7が連結されてゲートの自重降下は停止する。そして、電動機制御回路27から、電動機12に駆動信号を出力して、電動機12の駆動力によりゲートを全閉位置まで下降させる。電磁クラッチ制御回路26から自重降下指令が出力されている状態で、自重降下指令の経過時間カウント回路28により一定時間が経過した後に全閉近傍検出回路25により開度が任意に設定された開度に到達していないと判断されれば、電磁クラッチ制御回路26から電磁クラッチ7に「連結」信号を出力して、電磁クラッチ7を連結すると共に、電動機制御回路27から電動機12に下降指令を出力して、ゲートを全閉位置まで下降させる。
【0022】
つぎに、本発明の第一実施形態に係る水門閉門装置の操作制御システムの制御動作を図3のフローチャートにて説明する。
今、ゲートが上死点まで上昇して水門が全開している状態において、遠方操作盤21から機側操作盤22にゲートの自重降下併用閉を指令する(ステップS1)。機側操作盤22はラック式水門開閉装置23に内蔵された電磁クラッチ7に通電して(ステップS2)、電磁クラッチ7の連結を解除して制御システムをスタートさせる。ステップS2で電磁クラッチ7の連結が解除されると、ステップS3でゲートは遠心ブレーキ9により減速されながら適切な速度で自重降下を開始する。ゲートが通常の自重降下を行うときは、ステップS5で任意に設定された開度(開度30cm)にて電磁クラッチ7の通電を解除し、電磁クラッチ7を連結する。その後、ステップS6で電動閉操作に切り替わりゲートを電動機12により低速で下降させる。ステップS7で水門が全閉したことを確認して電動機12を自動停止させて、ステップS8で水門の閉操作が完了する。
また、ステップS3でゲートが自重降下を開始した後、設定時間内に任意に設定された開度に到達しないときは、ゲートが閉操作中に何かの異常事態が発生したと判断して、ステップS4で電磁クラッチ7の通電を解除して、ステップS6で電動閉操作に切り替えてゲートを電動機12により低速で下降させる。以下同様にして、ステップS7でゲートが全閉したことを確認して電動機12を自動停止させて、ステップS8で水門の閉操作が完了する。
【0023】
つぎに、本発明の第二実施形態に係る水門開閉装置の操作制御システムを図4及び図5に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る水門開閉装置は、基本的には図1に示すラック式水門開閉装置を用いるが、図4には主要な構成のみを示す。
水門開閉装置33は、自重降下用の電磁クラッチ7と、図示しないゲートを上下動させる電動機12と、ゲートの開度を表す信号を発信する制限開閉器又は開度発信器34と、ゲートの開度の変化を表す信号を発信する開度発信器38を備えている。また、機側操作盤32は、ゲートの近傍に設けられた機側操作室に設置されており、ゲートが全閉近傍の位置にあることを制限開閉器又は開度発信器34の出力信号に基いて検出する全閉近傍検知回路35と、電磁クラッチ7の「連結」又は「解放」の操作信号を発信する電磁クラッチ制御回路36と、電動機12の駆動信号を発信する電動機制御回路37と、ゲートの自重降下指令後にゲートの開度の変化を検出する開度信号変化有無検出回路39を備えている。この機側操作盤32は遠方から遠隔操作信号を出力する遠方操作盤31に接続されている。
そして、ゲートの自重降下操作を行う場合には、まず、遠方操作盤31からゲートの自重降下指令信号を出力する。このゲートの自重降下指令信号が機側操作盤32の電磁クラッチ制御回路36に入力されると、電磁クラッチ制御回路36から水門開閉装置33の電磁クラッチ7に「解放」信号、すなわち、ゲートの自重降下指令信号が出力されて、電磁クラッチ7は解放されて、ゲートは自重降下を開始する。ゲートが自重降下すると、制限開閉器又は開度発信器34によりゲートの開度を検出し、全閉近傍検出回路35によりゲートがどの位置にいてゲートがどれくらい開いているのかの開度を検出する。その後、ゲートが設定された開度に到達すると、電磁クラッチ制御回路36から電磁クラッチ7に「連結」信号が出力され、電磁クラッチ7が連結されてゲートの自重降下は停止する。そして、電動機制御回路37から、電動機12に駆動信号を出力して、電動機12の駆動力によりゲートを全閉位置まで下降させる。電磁クラッチ制御回路36から自重降下指令が出力されている状態で、全閉近傍検出回路35により開度が任意に設定された開度に到達していないと判断された場合や、開度発信器38からゲートの開度の変化を検出し、開度信号変化有無検出回路39を作動させてゲートの開度に変化がないと判断されれば、電磁クラッチ制御回路36から電磁クラッチ7に「連結」信号を出力して、電磁クラッチ7を連結すると共に、電動機制御回路37から電動機12に下降指令を出力して、ゲートを全閉位置まで下降させる。
【0024】
つぎに、本発明の第二実施形態に係る水門開閉装置の操作制御システムの制御動作を図5のフローチャートにて説明する。
第一実施形態と同様にゲートが上死点まで上昇して水門が全開している状態において、遠方操作盤31から機側操作盤32にゲートの自重降下併用閉を指令する(ステップS10)。機側操作盤32はラック式水門開閉装置に内蔵された電磁クラッチ7に通電して(ステップS11)、電磁クラッチ7の連結を解除して制御システムをスタートさせる。ステップS11で電磁クラッチ7の連結が解除されると、ステップS12でゲートは遠心ブレーキ9により減速されながら適切な速度で自重降下を開始する。ゲートが通常の自重降下を行うときは、ステップS15で任意に設定された開度(開度30cm)にて電磁クラッチ7の通電を解除し、電磁クラッチ7を連結する。その後、ステップS16で電動閉操作に切り替わりゲートを電動機12により低速で下降させる。ステップS17で水門が全閉したことを確認して電動機12を自動停止させて、ステップS18で水門の閉操作が完了する。
また、ステップS12でゲートが自重降下を開始した後、ステップS13で水門に設けられた開度信号に変化がないと判断したときは、ゲートが閉操作中に何かの異常事態が発生したと判断して、ステップS14で電磁クラッチ7の通電を解除して、ステップS16で電動閉操作に切り替えてゲートを電動機12により低速で下降させる。以下同様にして、ステップS16でゲートが全閉したことを確認して電動機12を自動停止させて、ステップS18で水門の閉操作が完了する。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明によれば、水門の閉操作をするときに最初に電磁クラッチを解放して遠心ブレーキでゲートの降下速度を制御をしながら自重降下させ、水門が全閉する近傍で、電磁クラッチを連結してゲートの自重による降下を停止し、その後、電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートの降下速度を自重降下速度よりも低速にして、ゲートを全閉位置まで下降させるようにしたので、急降下による着床時の衝撃がなく、水密ゴムを痛めたり、構造物に対して、ゲートの損傷、ラック棒の座屈、開閉機アンカーボルトの引き抜き、門柱の割れなどの発生の恐れがない。また、自重降下による衝撃荷重を設計上考慮する必要もなくなる。また、全閉近傍にて低速に切り替えることで、呑口断面が小さくなり水流によるフラッシング作用を利用し、扉体下部のゴミ及び堆砂を取り除くことができる。さらに、例えば水門の近くに係留された船が流水によりゲートの下に入り込んでしまう場合があるが、このときゲートを自重降下で全閉まで降下させると、保護機能がないため慣性力を持った衝撃力がゲート及び船に作用される。本発明に係る操作制御システムを採用することで、安全な範囲は、ゲートを自重降下で高速下降させ、船と干渉するおそれがある範囲は、電動操作で過負荷検出装置を保護装置として締め切り操作を行う。これによりゲート及び船の損傷を防止することが可能となる。
また、遠隔操作により水門開閉装置の開閉操作をする場合、電動機を補助的に使用してゲートを自重降下させることで、通常の電動操作による水門の閉操作の7倍から20倍程度の速度で水門の閉操作を行うことができるため、水門の閉操作の所要時間を大幅に短縮することができる。
【0026】
請求項2に記載した発明によれば、ゲートの自重による降下操作後、ゲートの開度を検出し、ゲートが設定された開度に到達すると、電磁クラッチを連結してゲートの自重による降下を停止し、その後、電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートを全閉位置まで下降させるようにしたので、ゲートの自重による降下操作後、ゲートの開度を検出し、ゲートが設定された開度に到達すると、自動的に電動操作に切り替えて確実に水門が全閉位置に到達するまでゲートの下降操作を行うことができる。
【0027】
請求項3に記載した発明によれば、ゲートの自重による降下中に、ゲートの開度の変化を検出し、ゲートの開度信号が変化しない場合、自重で降下するゲートが途中で停止していると判断して、電磁クラッチを連結して電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートを全閉位置まで下降させるようにしたので、水門が閉門途中に何かの異常事態の発生により扉体の自重降下が妨げられて途中で停止した場合も、ゲートの自重降下中にゲートの開度信号の変化がない場合はゲートが途中で停止していると判断して自動的に電動操作に切り替えて確実に水門が全閉位置に到達するまでゲートの下降操作を行うことができる。
【0028】
請求項4に記載した発明によれば、複数の水門を遠隔集中制御できるようにしたので、複数の水門の遠隔制御を行う場合、一人の操作員により複数の水門の閉操作を短時間に制御することができる。
【0029】
請求項5に記載した発明によれば、請求項1〜4のいずれかの操作制御システムに使用する水門開閉装置は、ラック棒を連結したゲートを自重降下させるラック式水門開閉装置であって、該ラック式水門開閉装置は、電気信号により断接操作させる電磁クラッチを備えるので、噛合い効率が良く比較的小さな自重でも、自重降下を行うことができる。また、高効率であることから、自重降下速度を速くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るラック式水門開閉装置を示す図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る水門開閉装置の操作制御システムを示す概略図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る水門開閉装置の操作制御システムのフローチャートである。
【図4】本発明の第二実施形態に係る水門開閉装置の操作制御システムを示す概略図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る水門開閉装置の操作制御システムのフローチャートである。
【符号の説明】
1 ラック棒
7 電磁クラッチ
9 遠心ブレーキ
12 電動機
21、31 遠方操作盤
22、32 機側操作盤
23、33 水門開閉装置
Claims (5)
- 最初に電磁クラッチを解放して遠心ブレーキでゲートの降下速度を制御しながら自重降下させ、水門が全閉する近傍で電磁クラッチを連結してゲートの自重による降下を停止し、その後、電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートの降下速度を自重降下速度よりも低速にして、ゲートを全閉位置まで下降させることを特徴とする水門開閉装置の操作制御システム。
- ゲートの自重による降下操作後、ゲートの開度を検出し、ゲートが設定された開度に到達すると、電磁クラッチを連結してゲートの自重による降下を停止し、その後、電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートを全閉位置まで下降させることを特徴とする請求項1に記載の操作制御システム。
- ゲートの自重による降下中に、ゲートの開度の変化を検出し、ゲートの開度信号が変化しない場合、自重で降下するゲートが途中で停止していると判断して、電磁クラッチを連結して電動操作に切り替えて、電動機を駆動してゲートを全閉位置まで下降させることを特徴とする請求項1に記載の操作制御システム。
- 複数の水門を遠隔集中制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の操作制御システム。
- 前記水門開閉装置は、ラック棒に連結したゲートを自重降下させるラック式水門開閉装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の操作制御システム。
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