JP3668867B2 - プレス成形型 - Google Patents

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    • B21D19/08Flanging or other edge treatment, e.g. of tubes by single or successive action of pressing tools, e.g. vice jaws
    • B21D19/082Flanging or other edge treatment, e.g. of tubes by single or successive action of pressing tools, e.g. vice jaws for making negative angles
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  • Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負角部を有するパネルを成形するためのプレス成形型において、パネルの製品面に発生する不良を解消するための、金型構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2には、自動車の外板パネル等、自由曲面の端部に負角部を有するパネルを成形するプレス成形型のダイスDを示している。ダイスDの製品案内面Daの端縁部には、ロータリーカム2が、ダイスDに対して回動可能に設けられている。図3には、ロータリーカム2の主要部を示している。このロータリーカム2は、径の異なる二つのロータ軸3,4に分割されており、これらの直径は、ロータ軸3に比してロータ軸4の方が小径となっている。また、ロータ軸3,4には、夫々負角成形部3b,4bが形成されている。そして、ダイスDの製品案内面Da(図2)の端縁部と、ロータ軸3,4の側面3a,4aとは、段差が生じないように滑らかに連続している。すなわち、ダイスDの製品案内面Daは、ダイスDの本体1の製品案内面1aと、ロータ軸3,4の側面3a,4aとを組み合わせて連続面を構成したものである。
【0003】
図4には、ダイスDを図2に示す二点鎖線Cで切断した場合の断面図を示している。図4のごとく、ロータ軸3(4)の負角成形部3b(4b)は、加工カム5(凸型)と対をなしている。
【0004】
加工カム5は、ロータ3,4に固定されたスライドプレート6,7およびロータ台8に固定されたスライドプレート9上を、負角形成部3b(4b)に対し離間接近する方向に移動することができる。そして、負角成形部3b(4b)と加工カム5とでワークWを挟持することにより、ワークWに負角部Waを成形する。そして、ワークWに負角部Waを成形した後は、加工カム5はスライドプレート6(7)上からスライドプレート9上に乗り移る。そして、ロータ軸3(4)が矢印A方向に回転することにより、負角成形部3b(4b)をダイスDの内部に格納し、ワークWの負角部Waと、ロータ軸3(4)の負角成形部3b(4b)との係合状態を解除して、ワークWの離型を促すことができる。
【0005】
さて、ダイスDは、自動車の外板パネル等、自由曲面の端部に負角部を有するパネルを成形するものであるため、ダイスDの製品案内面Daは、必要なパネル形状を成形するための自由曲面形状を有している。かかる製品案内面Daの端縁部に、仮に一定径のロータリーカムを設けたとすると、ダイス本体1の製品案内面1aの端縁部に肉厚が不足する部分が生じ、ダイス本体1の製品案内面1aに必要な強度を確保することができなくなる。この問題を解消するために、肉厚が不足する部分のロータ軸4の径を予め小さくして、ダイス本体1の製品案内面1aの強度を確保している。
【0006】
また、ロータ軸4の径をロータ軸3に対し小径としたことに伴い、径の異なるロータ軸3,4を分割して、小径のロータ軸4の回転中心軸を、大径のロータ軸3の回転中心軸よりも外側に配置することで、ダイス本体1の製品案内面1aの端部とロータ軸3,4の側面3a,4aとを、段差無く連続させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ロータリーカム2を径の異なる二つのロータ軸3,4に分割したことにより、以下のような問題が生ずることとなった。まず、径の異なる二つのロータ軸3,4の側面3a,4aと、ダイス本体1の製品案内面1aとを、自由曲面として段差無く連続させてダイスDの製品案内面Daを形成するためには、ダイス本体1と二つのロータ軸3,4との見切り線L(図4)を、図2の円Bで囲む範囲のごとく、複雑に折れ曲がったものにする必要がある。しかしながら、複雑に折れ曲がった見切り線Lにおいて段差を完全に無くすことは困難であり、当該見切り線がワークWの製品面に転写されて、パネルの品質を著しく低下させることになる。そこで、金型のチューニングを行って見切り線の転写を無くす必要があるが、三つの要素(ダイスDと二つのロータ軸3,4)によって形成され、形状が複雑な見切り線の転写を消滅させるために、従来は多くの工数を要していた。
【0008】
また、前述のごとく、二つのロータ軸3,4の回転中心軸を互いにずらして設けていることから、二つのロータ軸3,4を駆動するための別々の駆動手段が必要となり、金型構造の複雑化を来すものであった。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ダイスの製品案内面の端縁部が、回動可能に設けられたロータ軸によって構成されるプレス成形型において、ダイス本体側の製品案内面の強度低下を生ずることなく、ダイス本体とロータ軸との見切り線の形状を単純化し、金型製作に要する工数の削減を図ることにある。また、金型構造の単純化を図り金型コストの低減を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1に係るプレス成形型は、負角成形部を格納して離型を促すべく、ダイスの製品案内面の端縁部が回動可能に設けられたロータ軸によって構成されるプレス成形型であって、ロータ軸を設けた範囲における、前記ダイス本体側の製品案内面に求められる強度を考慮して、ダイス本体側の製品案内面に必要な肉厚を確保しつつ、ダイス本体の製品案内面とロータ軸との見切り線が連続した一本の曲線となるように、前記ロータ軸が、その軸芯と前記ダイス本体側の製品案内面との距離の変化に応じて軸径が連続的に変化する部材で構成されることを特徴とする。
【0011】
本発明によると、前記ダイスの製品案内面の形状が如何なるものであっても、当該製品案内面の形状に応じて前記ロータ軸の径を連続的に変化させ、前記ロータ軸を設けた範囲における、ダイスの製品案内面に必要な肉厚を確保することができる。よって、ダイス本体側の製品案内面に必要な強度を与えることができる。また、前記ダイス本体側の製品案内面と、前記ロータ軸の側面との見切り線を、複雑に折れ曲がることのない連続した曲線とすることができる。さらに、前記ロータ軸を設けた範囲内では、ロータ軸の駆動を一つの駆動手段で行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る負角部を有するパネルを成形するプレス成形型の、ロータリーカム10のみ単体で示しており、従来のロータリーカムを示す図3に相当するものである。ロータリーカム10は、一端部の径φ1 に対して他端部の径φ2 が小径をなし、側面11aがテーパ状にその径を変化させる、一個のロータ軸11で構成されている。そして、ロータリーカム10は、図2で説明したロータリーカム2の、ロータ軸3,4を一個のロータ軸11に置き換えて用いるものである。
【0014】
本発明の実施の形態に係るロータリーカム10を用いると、ロータ軸11を設けた範囲における、ダイス本体1の製品案内面1aに必要な肉厚を確保することができる。また、ダイス本体1の製品案内面1aとロータ軸11との見切り線Lを、連続した一本の曲線とすることにより、従来の二つに分割されたロータ軸3,4のように、見切り線が複雑に折れ曲がることがなくなる。よって、見切り線Lの転写を無くすための金型のチューニングに要する工数を、削減することが可能となる。また、見切り線に複雑な折れ曲がり部分が無くなるので、金型の鋭角形状部分を減少させ、金型の取扱を容易にすることができる。さらに、従来の二つに分割されたロータ軸3,4では、二つの駆動手段を用いる必要があったが、ロータリーカム10によれば、駆動手段が一つとなり、金型構造の単純化を図ることができる。
【0015】
ところで、ロータ軸11の全長に渡る連続的な径変化は、ダイス本体1側の製品案内面1aに求められる強度の確保を考慮して決定するものである。よって、図1に示すロータ軸11のように、直径を直線的に変化させる場合のみならず、ダイスDの製品案内面Daの形状に合わせて、二次曲線的に変化させる場合や、三次曲線的に変化させる場合もある。
【0016】
以上のごとく、本発明の実施の形態によれば、ダイス本体1の側の製品案内面1aの強度を確保しつつ、ロータ軸11の形状を最適化、見切り線L(図4)の形状を単純化することで、金型のチューニングに要する工数の削減を図ることができる。また、金型構造の単純化による金型コストの低減を図ることも可能となる。なお、本発明の実施の形態に係るロータ軸11に別のロータ軸を組み合わせて用いる場合でも、従来のロータリーカム2を複数組み合わせる場合に比して、見切り線の形状が複雑になる箇所の数と、駆動手段の数とを減少させることが可能である。
【0017】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、以下のような効果を有する。すなわち、本発明の請求項1に係るプレス成形型によれば、ダイス本体側の製品案内面の端縁部における強度低下を生ずることなく、ダイス本体とロータ軸との見切り線の形状を単純化し、金型製作に要する工数の削減を図ることが可能となる。また、金型構造の単純化を図り金型コストの低減を図ることが可能となる。
【0018】
また、製品案内面の形状が如何なるものであっても、当該製品案内面の形状に応じて前記ロータ軸の径を連続的に変化させ、ダイス本体側の製品案内面に必要な強度を与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る負角部を有するパネルを成形するプレス成形型の、ロータリーカムを単体で示す斜視図である。
【図2】 自動車の外板パネル等、自由曲面の端部に負角部を有するパネルを成形するプレス成形型の、従来のダイスの構成を示す斜視図である。
【図3】 図2のダイスに設けられたロータリーカムを単体で示す斜視図である。
【図4】 図2に示すダイスを切断した断面図である。
【符号の説明】
D ダイス
Da 製品案内面
1 ダイス本体
1a 製品案内面
10 ロータリーカム
11 ロータ軸
11a 側面
11b 負角成形部

Claims (1)

  1. 負角成形部を格納して離型を促すべく、ダイスの製品案内面の端縁部が回動可能に設けられたロータ軸によって構成されるプレス成形型であって、ロータ軸を設けた範囲における、前記ダイス本体側の製品案内面に求められる強度を考慮して、ダイス本体側の製品案内面に必要な肉厚を確保しつつ、ダイス本体の製品案内面とロータ軸との見切り線が連続した一本の曲線となるように、前記ロータ軸が、その軸芯と前記ダイス本体側の製品案内面との距離の変化に応じて軸径が連続的に変化する部材で構成されることを特徴とするプレス成形型。
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