JP3668581B2 - フォークリフトのバルブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォークリフトのリフトシリンダやチルトシリンダなどを制御するバルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のものとして、図3、4に示す装置が従来から知られている。この従来の装置は、リフトシリンダ用バルブ1、チルトシリンダ用バルブ2及び3つのアタッチメントシリンダ用バルブ3〜5を連接して積層バルブ構造体aを構成している。そして、この積層バルブ構造体aの一方の端にインレット6を固定し、他方の端にアウトレット7を固定している。
【0003】
上記インレット6には、図示していないポンプに連通するポンプポート8を形成するとともに、このポンプポート8を介して、上記ポンプと各単位バルブ1〜5に形成した供給流路とを連通させている。なお、上記単位バルブ1〜5の各供給流路は、その中立時にタンデムに接続される。
そして、下流側のいずれかのバルブを切り換えたとき、各バルブはパラレルにも接続される。
また、上記アウトレット7には、図示していないタンクに連通するタンクポート9を形成するとともに、このタンクポート9を介して、タンクと各単位バルブ1〜5に形成したタンク流路とを連通させている。なお、上記単位バルブ1〜5の各タンク流路は、互いに連通している。
【0004】
そして、図4は、上記単位バルブのうち、最上流に位置するリフトシリンダ用バルブ1を示したものである。
このリフトシリンダ用バルブ1は、そのバルブ本体10に一対のポート11、12を形成し、一方のポート11はリフトシリンダ13のボトム側室13aに接続し、他方のポート12はプラグ14で塞がれている。
また、このバルブ本体10には、一対の供給流路15、15を形成しているが、これら両供給流路15、15の間には、中立流路16を形成している。このようにした供給流路15、15には、インレット6のポンプポート8に供給された圧力流体が流入する。そして、この供給流路15、15を通過した圧力流体は、中立流路16を経由して下流側のチルトシリンダ用バルブ2に導かれる。
【0005】
上記供給流路15、15のうち、図面右側に位置する供給流路15は、パラレルフィーダ29及びチェック弁17を介して、アーチ状の高圧流路18に連通している。なお、このチェック弁17はパラレルフィーダ29から高圧流路18への流通のみを許容する構成にしている。
さらに、このバルブ本体10には、その外側にタンク流路19を形成しているが、このタンク流路19は、供給流路15を挟んで高圧流路18と反対側に位置する通路部19aと、ポート11、12の外側に位置する通路部19b、19cとを連続させてなり、かつ、上記通路部19aにタンク流通路20を連通させている。このタンク流通路20は、各単位バルブ2〜5に形成したタンク流通路を経由して、前記アウトレット7のタンクポート9に連通させている。
【0006】
上記のようにしたバルブ本体10には、スプール21を摺動自在に組み込んでいる。このスプール21には、図面左から第1〜第3環状溝22〜24を形成している。
上記第1環状溝22は、スプール21が図示の中立位置にあるとき、高圧流路18及びタンク流路19の通路部19bのいずれにもラップしない状態を維持する。しかし、スプール21が図面右方向に移動すれば、ポート11がこの第1環状溝22を介して高圧流路18に連通する。スプール21が上記とは反対側である図面左方向に移動すれば、ポート11が第1環状溝22を介してタンク流路19の通路部19bに連通する。
また、スプール21が図面右方向に移動したときには、中立流路16が閉じられるが、チェック弁17とパラレルフィーダ29とはその連通状態を保つ。
【0007】
なお、チルトシリンダ用バルブ2及びアタッチメントシリンダ用バルブ3〜5の各タンク流路はタンク流通路を介してそれぞれ連通している。
したがって、各バルブ1〜5のスプールが中立位置にあれば、インレット6のポンプポート8から流入した流体は、各バルブの供給流路及び中立流路を経由してアウトレット7側に流れ、そこからタンクポート9を経由してタンクに戻される。
そして、各バルブのタンク流路はアウトレット7のタンクポート9に常時連通しているので、切り換えたバルブの戻り流体はタンクポート9を介してタンクに戻される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにした従来のバルブ装置では、アウトレット7にタンクポート9を形成しているので、このアウトレット7の全体の厚さを、タンクポート9の直径よりも厚くせざるをえない。このようにアウトレット7の厚さが厚くなれば、当然のことではあるが、装置全体の長さも長くなり、それだけ設置スペースも多く必要とするという問題があった。
また、大きな設置スペースが必要になれば、それだけ車体側の設計の自由度も少なくなるという問題も発生する。
この発明の目的は、設置スペースを短くできる装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、単位バルブを複数連接して積層バルブ構造体とする一方、各単位バルブは、バルブ本体に一対のポートを形成するとともに、このバルブ本体にスプールを設け、このスプールを切り換えることによって流路を切り換える構成にする一方、上記積層バルブ構造体の両端にインレットとアウトレットとを設けて、各単位バルブの供給流路同士及びタンク流路同士を連通させたフォークリフトのバルブ装置を前提にする。
上記の装置を前提にしつつ、第1の発明は、複数の単位バルブのうちの特定のバルブの一方のポートをシリンダポートとし、他方のポートをタンクポートとする一方、この特定のバルブのタンク流路をそのタンクポートに連通させた点に特徴を有する。
【0010】
第1の発明は、上記のように構成したので、各単位バルブから流出した戻り流体が、それらのタンク流路を経由して、特定のバルブのタンクポートから流出する。つまり、各単位バルブの戻り流体のすべてが、特定のバルブのタンクポートを介して、タンクに戻されるようになる。
【0011】
第2の発明は、特定のバルブのタンクポートとタンク流路とを直接連通させるとともに、バルブ本体とスプールで形成された通路を介してタンクポートとタンク流路とを連通させた点に特徴を有する。
第2の発明は、上記のように構成したので、特定のバルブのタンク流路からタンクポートへの通路面積を大きく取れる。したがって、その分、圧力損失も少なくできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に示した実施例は、従来の装置と比較して、リフトシリンダ用バルブ1とアウトレット7との構成が異なるのみで、その他は従来と同様である。そこで、以下には、リフトシリンダ用バルブ1とアウトレット7との相違点を中心に説明する。
上記アウトレット7には従来のようなタンクポート9を形成していない。つまり、このアウトレット7は、隣接するアタッチメントシリンダ用バルブの中立流路とタンク流通路とを連通させる機能を果たすだけで、戻り流体を直接タンクに戻す機能は担っていない。
【0013】
また、リフトシリンダ用バルブ1は、図2に示すように、リフトシリンダ13のボトム側室13aに連通した一方のポートをシリンダポート11とし、他方のポートをタンクポート12として、タンク25に連通している。
しかも、タンク流路19の図面右側の通路部19cを、通孔26を介して上記タンクポート12に連通させている。さらに、スプール21を貫通させるための貫通孔27をスプール外径よりも大きくして、この貫通孔27を介してタンク流路19の上記通路部19cとタンクポート12とを連通させている。
そして、この貫通孔27に対応する位置におけるスプール21には、第4環状溝28を形成し、スプール21が図示の中立位置にあるとき、上記貫通孔27の開口面積が最大になるようにしている。
上記以外の構成は、図3及び図4に示した従来と同様である。
【0014】
以下には、この実施例の作用を説明する。
いま、リフトシリンダ用バルブを含めた各バルブ1〜5のすべてが中立位置にあれば、ポンプポート8に供給された流量の全量が、各バルブの供給流路及び中立流路を経由して、リフトシリンダ用バルブ1のタンク流路19に流れ込む。このようにタンク流路19に流れ込んだ流体は、通孔26及び貫通孔27の両方を通ってタンクポート12に流れ、そこからタンク25に戻される。
このときリフトシリンダ用バルブ1が上記のように中立位置に保たれているので、貫通孔27の開口面積が最大に保たれる。そのために、通孔26しかない場合よりも、圧力損失を小さくできる。特に、この実施例によれば、高速走行時のエネルギー損失を最小におさえることができる。
【0015】
また、リフトシリンダ用バルブ1以外のバルブを切り換えたとすると、パラレルフィーダを経由して、その切り換えたバルブに圧力流体が供給される。
このときの戻り流体は、その切り換えたバルブよりも上流側のバルブのタンク流通路を通って、最上流のリフトシリンダ用バルブのタンク流通路20に到達する。そして、このタンク流通路20に到達した流体は、前記貫通孔27及び通孔26を経由してタンクポート12に流れ、そこからタンク25に戻される。
上記のようにこの実施例のバルブ装置によれば、リフトシリンダ用バルブ1のポートを利用して、装置全体のタンクポートとしたので、従来のようにアウトレット7にタンクポートを設ける必要がない。
アウトレット7にタンクポートを設けなくてもよいので、このアウトレット7を極力薄くできる。
【0016】
【発明の効果】
第1の発明によれば、アウトレットにタンクポートを設けなくてもよいので、アウトレットの厚さを薄くできる。言い換えれば、装置全体の長さを短くできる。そのために設置スペースを少なくできるとともに、その分、車体側等の設計の自由度も大きくなる。
第2の発明によれば、タンク流路の圧力損失を最小におさえられるので、エネルギーロスも少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】正面図である。
【図2】リフトシリンダ用バルブの断面図である。
【図3】従来のバルブ装置の正面図である。
【図4】従来のバルブ装置におけるリフトシリンダ用バルブの断面図である。
【符号の説明】
1 リフトシリンダ用バルブ
2 チルトシリンダ用バルブ
3〜5 アタッチメントシリンダ用バルブ
6 インレット
7 アウトレット
8 ポンプポート
a 積層バルブ構造体
10 バルブ本体
11 シリンダポート
12 タンクポート
19 タンク流路
21 スプール
27 貫通孔
Claims (2)
- 単位バルブを複数連接して積層バルブ構造体とする一方、各単位バルブは、バルブ本体に一対のポートを形成するとともに、このバルブ本体にスプールを設け、このスプールを切り換えることによって流路を切り換える構成にする一方、上記積層バルブ構造体の両端にインレットとアウトレットとを設けて、各単位バルブの供給流路同士及びタンク流路同士を連通させたフォークリフトのバルブ装置において、複数の単位バルブのうち、特定のバルブの一方のポートをシリンダポートとし、他方のポートをタンクポートとする一方、その特定のバルブのタンク流路をそのタンクポートに連通させ、上記積層バルブ構造体の戻り流体をこの特定のバルブのタンクポートから流出させる構成にしたフォークリフトのバルブ装置。
- 特定のバルブのタンクポートとタンク流路とを直接連通させるとともに、バルブ本体とスプールとで形成された通路を介してタンクポートとタンク流路とを連通させた請求項1記載のフォークリフトのバルブ装置。
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JP03333097A JP3668581B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | フォークリフトのバルブ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03333097A JP3668581B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | フォークリフトのバルブ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10220404A JPH10220404A (ja) | 1998-08-21 |
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JP (1) | JP3668581B2 (ja) |
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1997
- 1997-01-31 JP JP03333097A patent/JP3668581B2/ja not_active Expired - Fee Related
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