JP3718808B2 - 多連式方向切換弁 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、作動オイルの送給方向を切り換える方向切換弁を複数個連設してなり、油圧式ショベル等の各種油圧機器で用いられる多連式方向切換弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧式ショベルの多連式方向切換弁として、特開昭63ー34304号公報には、第1ポンプから作動オイルが供給される第1方向切換弁群として、上記油圧式ショベルのアーム駆動用のアーム用切換弁、ブーム駆動用のブーム用切換弁等を設けると共に、第2ポンプから作動オイルが供給される第2方向切換弁群として、上記アーム及びブームの駆動速度をそれぞれ増大させるためのアーム用増速切換弁、ブーム用増速切換弁等を設け、例えば、アームの駆動速度を増大させる際には、上記アーム用切換弁及びアーム用増速切換弁の双方から作動オイルを供給するようにしたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の構成では、例えば、上記アームに対する作動オイルの給排系統について述べると、アームとアーム用切換弁間及びアームとアーム用増速切換弁間にそれぞれ外部配管を設けると共に、アーム近傍における両外部配管の合流点に合流弁を設けているため、外部配管の本数が増し、上記合流弁の設置により部品点数が更に増加する不具合があった。本発明は、上記の課題を解決して、多連式方向切換弁の周囲の外部配管を極力簡素化すること及び合流弁等の部品点数を削減することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に係る多連式方向切換弁は、各方向切換弁の弁本体にスプールが摺動自在に嵌入するスプール孔と、それぞれ上記スプール孔に開口する1対の負荷通路、排出通路及びアンロード通路を設け、上記スプール孔に開口するブリッジ通路及び供給通路を形成した複数の方向切換弁を、互いに隣接する方向切換弁の接続面で、排出通路同士、アンロード通路同士及び供給通路同士をそれぞれ連結させて連設した多連式方向切換弁において、少なくとも一部の方向切換弁の弁本体に、隣接する方向切換弁との接続面に開口する多目的通路を設け、この多目的通路を、隣接する方向切換弁の多目的通路または当該方向切換弁若しくは隣接する方向切換弁の各種通路に連結可能に構成し、上記方向切換弁内の多目的通路を、上記スプール孔と上記ブリッジ通路との間の上記供給通路の周囲のデッドスペースに、上記供給通路に沿って2本設けるとともに、これら2本の多目的通路を上記方向切換弁の中心に対して対称に設け、上記多目的通路の一方は上記供給通路と上記ブリッジ通路の一方との間の上記デッドスペースに、上記多目的通路の他方は上記供給通路と上記ブリッジ通路の他方との間の上記デッドスペースに設け、上記多目的通路の一方と上記多目的通路の他方の通路面積がほぼ同等になるように形成したことを特徴とするものである。
【0005】
上記負荷通路は、例えば、本多連式方向切換弁を油圧式ショベルに用いる場合について述べれば、各方向切換弁の弁本体内に設けられ、各方向切換弁とアーム及びブーム等の各負荷部とに給排する外部配管が接続される通路である。上記排出通路は、各方向切換弁からタンク等の貯蔵部に作動オイルを還流させる通路である。
【0006】
上記アンロード通路は、ポンプ等の供給源に接続され、各方向切換弁を経てタンクに連通する通路である。上記供給通路は、ポンプ等の供給源から送られてきた作動オイルを、所定の方向切換弁まで送給する通路であり、上記ブリッジ通路は、各方向切換弁の弁本体内に設けられ、上記供給通路と上記スプール孔とを連絡する通路である。なお、上記多目的通路が連結可能な各種通路には、上記アンロード通路、供給通路等が含まれる。
【0009】
【作用】
請求項1の構成によれば、少なくとも一部の方向切換弁の弁本体内に多目的通路を設け、この多目的通路を隣接する方向切換弁の多目的通路または当該方向切換弁若しくは隣接する方向切換弁の各種通路に連結可能に構成し、上記方向切換弁内の多目的通路を、上記スプール孔と上記ブリッジ通路との間の上記供給通路の周囲のデッドスペースに、上記供給通路に沿って2本設けるとともに、これら2本の多目的通路を上記方向切換弁の中心に対して対称に設け、上記多目的通路の一方は上記供給通路と上記ブリッジ通路の一方との間の上記デッドスペースに、上記多目的通路の他方は上記供給通路と上記ブリッジ通路の他方との間の上記デッドスペースに設け、上記多目的通路の一方と上記多目的通路の他方の通路面積がほぼ同等になるように形成したので、互いに隣接しない2つの方向切換弁の各種通路間の連絡を上記多目的通路により行えるようになる。これにより、従来、外部配管に依存していた、互いに隣接しない2つの方向切換弁の各種通路間の連絡を、本発明では、内部通路である多目的通路により行えるので、外部配管の簡素化、ひいては、多連式方向切換弁を含む作動オイル給排系統の小型、コンパクト化を実現できるようになる。また、多連式方向切換弁内の多目的通路を供給通路に沿って2本設けたので、供給通路の周囲のデッドスペースを有効に使用することができ、多連式方向切換弁の大型化を招くことがない。更に、多目的通路に充分な流量面積を確保でき、油圧回路内の抵抗を低減させて、圧力損失を最小限に抑制することができる。
【0010】
この点を前記従来例との関連で述べれば、従来、前記アーム用切換弁及びアーム用増速切換弁とアーム間にそれぞれ個別の外部配管を設け、且つ両外部配管をアーム近傍で合流弁により合流させていたのに対し、本発明では、上記アーム用切換弁及びアーム用増速切換弁を互いに隣接しない2つの方向切換弁として含む場合、上記アーム用切換弁及びアーム用増速切換弁の、例えば、各負荷通路同士を多目的通路を用いて連絡させることにより、本多連式方向切換弁とアーム間の外部配管を1系統のみに統一できる。
【0014】
【実施例】
以下、油圧式ショベルの多連式方向切換弁に関する本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図11に示すように、油圧式ショベルは車体下部に左右1対の走行クローラ1、2を有すると共に、上記車体下部の前端位置に、ブレードシリンダ3の伸縮により上下方向に揺動されるブレード4を備えている。運転席5を含む車体上部は、図示しない旋回駆動部を介して上記車体下部に対し旋回自在に設けられている。
【0015】
上記車体上部の前端位置にはブーム6が設けられ、ブーム6は図示しないスイングシリンダの伸縮に伴って左右方向にブーム6が揺動される構造となっている。また、ブーム6はブームシリンダ7の伸縮により上下方向に揺動されるようになっている。ブーム6の先端には、アームシリンダ9により揺動されるアーム10が取り付けられ、更にアーム10の先端には、バケットシリンダ11により揺動されるバケット12が設けられている。
【0016】
図2及び図10に示すように、上記油圧式ショベル用の多連式方向切換弁13は、9個の方向切換弁(以下、単に切換弁という)を連設して構成されている。すなわち、多連式方向切換弁13は、作動オイルを貯蔵するタンクTに接続される管座Kと一体的に構成されており、管座K側から順次、予備用切換弁20、前記バケットシリンダ11への作動オイルの給排用のバケット用切換弁21、前記図示しないスイングシリンダへの作動オイルの給排用のスイング用切換弁22、前記ブームシリンダ7への作動オイルの給排用のブーム用切換弁23、前記走行クローラ1への作動オイルの給排用の走行用第1切換弁24、第1及び第2ポンプP1、P2からの作動オイルを各々後述する第1及び第2方向切換弁群V1、V2に送るブロック25、走行クローラ2への作動オイルの給排用の走行用第2切換弁26、前記アームシリンダ9への作動オイルの給排用のアーム用切換弁27、前記図示しない旋回駆動部への作動オイルの給排用の旋回用切換弁28、及び前記ブレードシリンダ3への作動オイルの給排用のブレード用切換弁29が設けられている。なお、予備用切換弁20は、バケット用切換弁21からタンクTに至る作動オイルの流路を提供するのみで、ここでは特定の負荷部の駆動には用いられていない。
【0017】
図5及び図6にバケット用切換弁21及びスイング用切換弁22を例示するように、隣接する各切換弁の接続面には、環状のリング溝14が形成され、このリング溝14内にはOリング15が嵌合されている。そして、各切換弁はボルト孔16に挿通される図示しないボルト等の手段で互いに結合されている。図5及び図6中のハッチング部位は、それぞれ、予備用切換弁20の下面に対するバケット用切換弁21の上面の接触部位及びバケット用切換弁21の下面に対するスイング用切換弁22の上面の接触部位を示している。なお、バケット用切換弁21及びスイング用切換弁22以外の他の隣接する切換弁間の接続面も、図6に示すスイング用切換弁22の接続面と大略同様に構成されている。
【0018】
図2に示すように、各切換弁20〜24、26〜29の弁本体20a〜24a、26a〜29a内には、それぞれ長手方向に延びるスプール孔20b〜24b、26b〜29bが形成され、各スプール孔20b〜24b、26b〜29b内に、それぞれスプール20c〜24c、26c〜29cが摺動自在に嵌合されている。なお、紙面の制約上、図2の一部の切換弁には、スプール孔20b〜24b、26b〜29bに対応する符号を示していない。
【0019】
図9に示すように、ブロック25のスプール孔25b内には、スプール25cが挿入されて摺動不能に固定されており、上記スプール孔25bには1対のアンロードポートAP1が設けられている。また、上記1対のアンロードポートAP1の左右両側に、第1及び第2ポンプP1、P2(図10参照)からの作動オイルが、それぞれブロック25に設けた流入通路45を介して流入する1対の流入ポートIP1、IP2が形成され、更に、これら流入ポートIP1、IP2の左右両側には、1対の排出ポートOPが設けられている。
【0020】
走行用第1切換弁24のスプール孔24bの長手方向大略中間位置には、アンロードポートAP2が設けられ、このアンロードポートAP2の左右両側には、1対のアンロードポートAP1が形成されている。また、上記1対のアンロードポートAP1の左右両側には、1対の負荷ポートLP1、LP2が形成されると共に、これら負荷ポートLP1、LP2の左右両側には、1対の排出ポートOPが設けられている。なお、走行用第2切換弁26内の各種ポートも、走行用第1切換弁24と同様に構成されているが、紙面の制約上、図2には走行用第2切換弁26内の各種ポートに対応する参照番号を示さない。
【0021】
上記2つの切換弁24、26以外の各切換弁、すなわち、予備用切換弁20〜ブーム用切換弁23並びにアーム用切換弁27〜ブレード用切換弁29内の各ポートは、基本的には同様に構成されている。ここでは、図4を参照しながら予備用切換弁20について説明すると、スプール孔20bの長手方向大略中間位置にアンロードポートAP2が、このアンロードポートAP2の左右両側に1対のアンロードポートAP1が設けられている。更に、1対のアンロードポートAP1の左右両側には、1対のブリッジポートBPが形成され、これら1対のブリッジポートBPの左右両側には、1対の負荷ポートLP1、LP2が、更に、負荷ポートLP1、LP2の左右両側には、1対の排出ポートOPが設けられている。なお、他の切換弁21〜23及び27〜29内の各種ポートも、予備用切換弁20と同様であるが、紙面の制約上、図2には上記各種ポートに対応する参照番号を示さない。
【0022】
図2及び図10において、ブロック25より上側に位置する、上記予備用切換弁20〜走行用第1切換弁24の5個の切換弁は第1方向切換弁群V1を構成し、この第1方向切換弁群V1には、第1ポンプP1から作動オイルが供給されるようになっている。一方、ブロック25より下側に位置する、上記走行用第2切換弁26〜ブレード用切換弁29の4個の切換弁は第2方向切換弁群V2を構成し、この第2方向切換弁群V2には、第2ポンプP2から作動オイルが供給されるようになっている。
【0023】
第1ポンプP1からブロック25の流入ポートIP1に流入した作動オイルは、図2及び図9に示す状態においては、流入ポートIP1からスプール25cの溝G1を介して図9の左側のアンロードポートAP1に送られ、ここからブロック25内のアンロード通路31及びブロック25の図9中上面に形成した分流部32(広幅溝)を介して、隣接する走行用第1切換弁24内の1対のアンロード通路33に供給される。
【0024】
上記作動オイルは、走行用第1切換弁24のアンロード通路33から当該走行用第1切換弁24の1対のアンロードポートAP1に至り、更にスプール24cの1対の溝G2を介して中央のアンロードポートAP2に供給される。続いて、このアンロードポートAP2から当該走行用第1切換弁24のアンロード通路34を介して上面の分流部35に至り、ここから隣接するブーム用切換弁23内の1対のアンロード通路33に供給される。以下、上述と同様に、順次、ブーム用切換弁23、スイング用切換弁22、バケット用切換弁21及び予備用切換弁20を経由して、予備用切換弁20から管座Kを介してタンクTに還流されるようになっている。
【0025】
一方、第2ポンプP2からブロック25の流入ポートIP2に流入した作動オイルは、第1ポンプP1からの作動オイルとは逆に、図2の下方に、すなわち、ブロック25から順次、走行用第2切換弁26、アーム用切換弁27、旋回用切換弁28及びブレード用切換弁29を経由し、ブレード用切換弁29の図2中下面に位置する分流部35に到達する。なお、ブレード用切換弁29の下面には、カバーCが取り付けられ、図7に示すように、カバーCの上面には、上記ブレード用切換弁29の分流部35に対向させて、分流部39が形成されている。
【0026】
図5に示すように、バケット用切換弁21の弁本体21a内には、図5の紙面と直角方向に延びる1対の多目的通路36が形成されている。また、スイング用切換弁22からブレード用切換弁29に至る各切換弁の対応位置にも、それぞれ1対の多目的通路36が供給通路38に沿って形成され、隣接する切換弁の接続面において、当該隣接する切換弁の各多目的通路36同士が連結されている。そして、ブレード用切換弁29内の多目的通路36の上流側端部は、当該ブレード用切換弁29とカバーCとに設けた分流部35、39に開口している。なお、図7にブレード用切換弁29の多目的通路36を点線で示す。
【0027】
図8において、バケット用切換弁21内の1対の多目的通路36の各下流側端部は、予備用切換弁20の1対の連結部60に開口している。従って、第2ポンプP2からブロック25〜ブレード用切換弁29内の各アンロード通路33、34を介してブレード用切換弁29の分流部35に到達した作動オイルは、上記1対の多目的通路36に至り、この1対の多目的通路36から予備用切換弁20の1対の連結部60、アンロード通路33及びアンロード通路34(図2)を介して管座KからタンクTに還流される。なお、上記各方向切換弁内の1対の多目的通路36は、多連式方向切換弁13の中心に対して、対称に設けられている。
【0028】
走行用第1切換弁24内のスプール24cを図9中右側に移動させると、図9中左側の溝G3により、走行用第1切換弁24内の左側のアンロードポートAP1と負荷ポートLP1とが連通され、且つ、右側の溝G3により、走行用第1切換弁24内の負荷ポートLP2と右側の排出ポートOPとが連通されると共に、左側の遮断部S1によりアンロードポートAP1、AP2間が絞られる。
【0029】
この状態では、第1ポンプP1からブロック25を介して走行用第1切換弁24のアンロードポートAP1に供給される作動オイルが、アンロードポートAP1から左側の溝G3を介して負荷ポートLP1に供給され、ここから走行用第1切換弁24内の第1の負荷通路43(図10参照)及び図示しない外部配管を介して走行クローラ1の駆動部に供給されて、走行クローラ1が、例えば正方向に回転駆動される。一方、走行クローラ1の駆動部から還流される作動オイルは、図示しない外部配管及び走行用第1切換弁24内の第2の負荷通路44(図10)を介して図9の負荷ポートLP2に至り、更に、右側の溝G3を介して排出ポートOPに到達する。
【0030】
上記排出ポートOPは走行用第1切換弁24内の図示しない水平方向の排出通路を介して、図3に示す垂直方向の排出通路37aに連絡されている。図3から明らかなように、上記垂直方向の排出通路37aは全ての切換弁20〜29を貫通するように設けられており、この排出通路37aを介して作動オイルがタンクTに還流される。
【0031】
以上のように、走行用第1切換弁24内のスプール24cを図9中右方向に移動させると、走行クローラ1が正方向に回転駆動される。ここで、スプール24c及び走行用第1切換弁24内の各種ポートは左右対称に構成されているので、スプール24cを図9中左方向に移動させると、走行クローラ1が逆方向に回転駆動されることになる。なお、走行用第2切換弁26内のスプール26cを右または左方向に移動させた場合も、上記と同様に走行クローラ2が正または逆方向に回転駆動されるようになっている。
【0032】
図3に示すように、走行用第1切換弁24、ブーム用切換弁23、スイング用切換弁22及びバケット用切換弁21に至る各切換弁内にそれぞれ供給通路38が設けられ、これら各切換弁内の供給通路38は、隣接する切換弁の接続面で互いに連結されている。また、走行用第2切換弁26、アーム用切換弁27、旋回用切換弁28及びブレード用切換弁29に至る各切換弁内にもそれぞれ供給通路38が設けられ、これらの供給通路38も、隣接する切換弁の接続面で相互に連結されている。
【0033】
走行用第1及び第2切換弁24、26の各アンロードポートAP2は、当該アンロードポートAP2から供給通路38側への作動オイルの流通のみを許容するチェック弁40を介して当該走行用第1及び第2切換弁24、26内の供給通路38に連通されている。これにより、ブロック25のアンロード通路31から走行用第1及び第2切換弁24、26のアンロードポートAP2に供給された作動オイルが、チェック弁40を介して走行用第1及び第2切換弁24、26内の供給通路38に流入しうるようになっている。そして、走行用第1切換弁24の供給通路38内の作動オイルは、更にブーム用切換弁23、スイング用切換弁22及びバケット用切換弁21内の供給通路38にも供給される一方、走行用第2切換弁26の供給通路38内の作動オイルは、アーム用切換弁27、旋回用切換弁28及びブレード用切換弁29内の供給通路38にも供給されるようになっている。
【0034】
図1に示すように、ブーム用切換弁23には、2又状に形成されたブリッジ通路41が設けられ、当該ブーム用切換弁23内の供給通路38は、供給通路38からブリッジ通路41側への作動オイルの流通のみを許容するチェック弁42を介してブリッジ通路41に連通され、且つ、当該ブリッジ通路41は、スプール孔23bに開口したブリッジポートBPに連結されている。
【0035】
そして、前記ブームシリンダ7を伸長させる場合は、例えば、スプール23cを図1の右側に移動させると、左側の溝G4により左側のブリッジポートBPと負荷ポートLP1とが連通されると同時に、右側の溝G4により負荷ポートLP2と右側の排出ポートOPとが連通される。これにより、第1及び第2ポンプP1、P2から供給通路38を介して供給される作動オイルが、ブーム用切換弁23内のブリッジ通路41、ブリッジポートBP、図1の左側の溝G4を介して負荷ポートLP1に至り、この負荷ポートLP1に連結されている第1の負荷通路43及び図示しない外部配管を介して前記ブームシリンダ7に送給されることにより、ブームシリンダ7が伸長される。
【0036】
ブームシリンダ7から還流される作動オイルは、図示しない外部配管を介してブーム用切換弁23内の第2の負荷通路44に至り、ここから負荷ポートLP2、図1の右側の溝G4を介して右側の排出ポートOPに到達する。ブーム用切換弁23内の両排出ポートOPは、大略コ字形の水平方向の排出通路37bを介して垂直方向の排出通路37aに至り、図3の排出通路37a群を介してタンクTに還流される。なお、ブーム用切換弁23内の各ポート及びスプール23cは左右対称に構成されているので、ブームシリンダ7を収縮させる場合、スプール23cを図1の左側に移動させれば良い。
【0037】
予備用切換弁20〜スイング用切換弁22の各切換弁並びにアーム用切換弁27〜ブレード用切換弁29の各切換弁内にも、ブーム用切換弁23と同様にブリッジ通路41、第1及び第2の負荷通路43、44等が設けられている。そして、前記バケットシリンダ11、図示しないスイングシリンダ等も、バケット用切換弁21、スイング用切換弁22のスプール21c、22c等を左右移動させることにより、上述と同様に伸縮させることができるので、ここでは重複した説明を省略する。
【0038】
図10に示すように、ブロック25の各流入通路45と排出通路37a間には、それぞれリリーフ通路46が設けられ、上記リリーフ通路46には、第1または第2ポンプP1、P2からの作動オイルの圧力が所定値以上の時、作動オイルの一部を流入通路45から排出通路37aに導くリリーフ弁47が設けられている。
【0039】
ブーム用切換弁23の第1及び第2の負荷通路43、44と排出通路37a間には、接続通路48が設けられ、この接続通路48には、第1または第2の負荷通路43、44内の油圧が所定値以上の時、第1または第2の負荷通路43、44内の作動オイルの一部を排出通路37a側に導くリリーフ弁50が設けられると共に、上記リリーフ弁50と並列に、排出通路37aから第1または第2の負荷通路43、44側のみへの作動オイルの流通を許容する逆止弁51が設置されている。上記リリーフ弁50と逆止弁51とは、コンビネーション弁52を構成し、このコンビネーション弁52は、アーム用切換弁27の第1及び第2の負荷通路43、44と排出通路37a間にも設けられている。なお、スイング用切換弁22の第1の負荷通路43と排出通路37a間には、排出通路37aから第1の負荷通路43側への作動オイルの流通のみを許容する逆止弁51が設けられている。
【0040】
上記予備用切換弁20、スイング用切換弁22、走行用第1及び第2切換弁24、26並びにブレード用切換弁29は、それぞれ手動レバーLにより切換操作が行われるようになっている。バケット用切換弁21、ブーム用切換弁23、アーム用切換弁27及び旋回用切換弁28は、それぞれ両側のパイロットポートPa2及びPb2、Pa4及びPb4、Pa7及びPb7、Pa8及びPb8に供給される油圧の平衡により切り換えられるようになっている。
【0041】
予備用切換弁20は、例えば、ブレーカー用方向切換弁として用いられ、この予備用切換弁20の負荷通路43、44には、図示しないブレーカーが取り付けられる。このブレーカーを作動させる場合には、作動レバーLを操作することにより、上記ブレーカーに作動オイルを供給する。この作動オイルは、第1ポンプP1からブロック25、各方向切換弁24〜21のアンロード通路33、34を介して予備用切換弁20に供給されると共に、第2ポンプP2からは、ブロック25、各方向切換弁26〜29のアンロード通路33、34を介して、ブレード用切換弁29とカバーC間の分流部39に至り、この分流部39に接続される多目的通路36を通じて、前記連結部60から予備用切換弁20に供給される。
【0042】
このように、予備用切換弁20には、第1ポンプP1と第2ポンプP2から作動オイルが供給されるので、第1ポンプP1と第2ポンプP2から供給される作動オイルを有効に使用することができる。
【0043】
以上、説明したように、本実施例では、第1ポンプP1から作動オイルが供給される複数の切換弁20〜24からなる第1の方向切換弁群と、第2ポンプP2から作動オイルが供給される複数の切換弁26〜29からなる第2の方向切換弁群とを設け、且つ、第1及び第2の方向切換弁群のアンロード通路33、34同士を、内部通路である多目的通路36により連結したので、アンロード通路33、34からタンクTへの作動オイルの還流経路を一元化できると共に、アンロード通路33、34同士の連結を外部配管に依存することなく行ったので、外部配管を簡素化することができる。また、多目的通路36は、供給通路38の周囲のデッドスペースに2本に分けて設けたので、多目的通路36を多連式方向切換弁13の内部に形成しても、多連式方向切換弁13を大型化することがない。
【0044】
なお、上記実施例では、多目的通路36により第1及び第2方向切換弁群のアンロード通路33、34同士を連結したが、それに代えて、多目的通路36により第1及び第2方向切換弁群の供給通路38同士を連結することも可能である。また、前記従来例のように、アーム及びブーム等の各負荷部に対し、通常の切換弁と、増速切換弁とをそれぞれ設ける場合、例えば、上記通常の切換弁と増速切換弁の各負荷通路同士を多目的通路36により連通させることもできる。なお、本発明の多連式方向切換弁は、油圧式ショベル以外の各種油圧機器にも適用できるものである。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明の多連式方向切換弁によれば、少なくとも一部の方向切換弁の本体内に多目的通路を設け、この多目的通路を隣接する方向切換弁の多目的通路または当該方向切換弁若しくは隣接する方向切換弁の各種通路に連結可能に構成し、上記方向切換弁内の多目的通路を、上記スプール孔と上記ブリッジ通路との間の上記供給通路の周囲のデッドスペースに、上記供給通路に沿って2本設けるとともに、これら2本の多目的通路を上記方向切換弁の中心に対して対称に設け、上記多目的通路の一方は上記供給通路と上記ブリッジ通路の一方との間の上記デッドスペースに、上記多目的通路の他方は上記供給通路と上記ブリッジ通路の他方との間の上記デッドスペースに設け、上記多目的通路の一方と上記多目的通路の他方の通路面積がほぼ同等になるように形成したので、互いに隣接しない2つの方向切換弁の各種通路間の連絡を上記多目的通路により行えるようになる。これにより、従来、外部配管に依存していた、互いに隣接しない2つの方向切換弁の各種通路間の連絡を、本発明では、内部通路である多目的通路により行えるので、外部配管の簡素化、ひいては多連式方向切換弁を含むオイル給排系統の小型、コンパクト化を実現できるようになる。
【0046】
また、多連式方向切換弁内の多目的通路を供給通路の周囲のデッドスペースに該供給通路に沿って2本設けたので、前記デッドスペースを有効に使用することができ、多連式方向切換弁の大型化を招くことがない。更に、多目的通路に充分な流量面積を確保でき、油圧回路内の抵抗を低減させて、圧力損失を最小限に抑制することができる。また、2本の多目的通路を多連式方向切換弁の中心に対して、対称に設けたので、多目的通路に作用する油圧の圧力バランスを上記多連式方向切換弁の中心に対して均等にかけることができ、多目的通路に対する油圧に起因した多連式方向切換弁の歪みの発生を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多連式方向切換弁のブーム用切換弁の図2中DーD線に沿う断面説明図。
【図2】上記多連式方向切換弁を示す縦断面説明図。
【図3】図2のXーX線に沿う断面説明図。
【図4】図2のAーA線に沿う予備用切換弁の断面説明図。
【図5】図2のBーB線に沿うバケット用切換弁の平面図。
【図6】図2のCーC線に沿うスイング用切換弁の平面図。
【図7】図2のEーE線に沿うカバーの平面図。
【図8】図2のFーF線に沿う予備用切換弁の底面図。
【図9】上記多連式方向切換弁中の走行用第1切換弁及び供給又は走行用切換弁を示す拡大縦断面説明図。
【図10】上記多連式方向切換弁を模式的に示す説明図。
【図11】上記多連式方向切換弁が設けられる油圧式ショベルを示す概略斜視図。
【符号の説明】
20〜29 方向切換弁
20a〜29a 弁本体
20b〜29b スプール孔
20c〜29c スプール
31、33、34 アンロード通路
36 多目的通路
37a、37b 排出通路
38 供給通路
41 ブリッジ通路
43 第1の負荷通路
44 第2の負荷通路
P1 第1ポンプ
P2 第2ポンプ
Claims (1)
- 各方向切換弁の弁本体にスプールが摺動自在に嵌入するスプール孔と、それぞれ上記スプール孔に開口する1対の負荷通路、排出通路及びアンロード通路を設け、上記スプール孔に開口するブリッジ通路及び供給通路を形成した複数の方向切換弁を、互いに隣接する方向切換弁の接続面で、排出通路同士、アンロード通路同士及び供給通路同士をそれぞれ連結させて連設した多連式方向切換弁において、
少なくとも一部の方向切換弁の弁本体に、隣接する方向切換弁との接続面に開口する多目的通路を設け、この多目的通路を、隣接する方向切換弁の多目的通路または当該方向切換弁若しくは隣接する方向切換弁の各種通路に連結可能に構成し、上記方向切換弁内の多目的通路を、上記スプール孔と上記ブリッジ通路との間の上記供給通路の周囲のデッドスペースに、上記供給通路に沿って2本設けるとともに、これら2本の多目的通路を上記方向切換弁の中心に対して対称に設け、上記多目的通路の一方は上記供給通路と上記ブリッジ通路の一方との間の上記デッドスペースに、上記多目的通路の他方は上記供給通路と上記ブリッジ通路の他方との間の上記デッドスペースに設け、上記多目的通路の一方と上記多目的通路の他方の通路面積がほぼ同等になるように形成したことを特徴とする多連式方向切換弁。
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