JP3668520B2 - 陽・陰の映像となる魔法鏡の製造方法 - Google Patents
陽・陰の映像となる魔法鏡の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3668520B2 JP3668520B2 JP10020395A JP10020395A JP3668520B2 JP 3668520 B2 JP3668520 B2 JP 3668520B2 JP 10020395 A JP10020395 A JP 10020395A JP 10020395 A JP10020395 A JP 10020395A JP 3668520 B2 JP3668520 B2 JP 3668520B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- plate
- image
- mirror
- positive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Mirrors, Picture Frames, Photograph Stands, And Related Fastening Devices (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光の反射光を利用する玩具・計器広告宣伝等の分野で利用され得る陽・陰の映像を投影する魔法鏡の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からガラスやプラスチックで作られた鏡の面に映像を極浅い凹凸で形成しこの面に光を当てると反射光中に映像が浮かび出る魔法鏡が作られてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこのような鏡では投影される映像は映像自体が明るくその周囲が暗い陽(ポジ)か、或は反対に映像自体は暗く周囲が明るい陰(ネガ)の映像に写るかのどちらかの場合が多く面白味が少なかった。
【0004】
これは鏡本体はある厚みを持った成型物であるため、表面に微細な細工ができるのは鏡面側のみであったからと思われる。また、成型物に直接加工することは手数がかかり量産に向かず、その為に高価となり需要が延びなかった。
【0005】
上述のごとく従来の魔法鏡は投影される映像が陽か陰に限られ面白味が少なく、また陽・陰の映像を同時に写すような鏡を作ることは極めて困難で、また大量生産も出来なかった。本発明は陽・陰の映像を写す魔法鏡を極めて容易にしかも大量生産できる方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の魔法鏡の製造方法においては、略々透明なプラスチック・フィルムに金属を真空蒸着して形成した光沢フィルムの両面のそれぞれに所望の形象等が刻まれた版を加熱状態で押し当てて該光沢フィルムの両面のそれぞれに極微細な版の痕跡を付けることにより、該光択フィルムに照射した光の反射光の中に出現する映像が版押しした面側では陽(ポジ)の映像に、裏側では陰(ネガ)の映像に形成させることを要旨とする。
【0007】
【作用】
この方法によれば版跡は、プラスチッックのフィルム側(表)でも金属の蒸着側(裏)どちらでも同じであるが、版跡をつけた側に光を照射すると反射光は陽の映像を写し、反対側では陰の映像を写すのである。
【0008】
【実施例】
次に本発明の実施例を図に基いて説明する。 先ず、魔法鏡の形成方法であるが、金属蒸着して形成された光沢フィルムに所望の形象が刻まれている版型を押し当てて、フィルム面に極微細な版の痕跡を付ける事により行われる。この版を押し当てる方法は、一般のホット・スタンプ方法と同様であってアップ・ダウン形式、又は回転形式等のホットスタンプ機械に形象が彫刻された金属版又はゴム製版を装着し加熱しつつその版を上下させて、受台上に載置したフィルム面に軽く押し当てて極微細な版の痕跡を付けるのである。
【0009】
例えば、10センチメートル角の鏡(1)の中心部に会社名Aと社章Bとがそれぞれ陽と陰に写る魔法鏡を製造するとする。 (以下、図1を参照して便宜のため会社名をAとし、社名をBとして説明する。) その場合、幅10センチメートルのロール状に巻かれた透明で厚さ25ミクロンのPETフィルム(2)で表面にアルミニウム(3)を約500オングストロームの厚みに真空蒸着した鏡様の光沢を持ったフィルム(1)を用意する。
【0010】
一方で、アップ・ダウン形式のホット・スタンプ機に、シリコンラバーに会社名Aを彫刻した版型を取付け金属を蒸着して形成した光沢フィルム(1)を機械の受台面に板紙を敷その上に固定して、版型面と受台表面の平衡(あたり)が完全になるように調製し版型を昇降させるストロークも版傷がフィルム面に残らず、しかも完全に会社名Aの版が押せるように調製する。
【0011】
このように準備ができたら光沢フィルム(1)のPET面(2)を上側にして受台上に固定し版型を160℃に加熱して、1.2秒間型打をする。この作業をフィルムのロール巻が終るまで連続して行う。 次に、版型を社章Bが彫刻された版と取り換え光沢フィルムの蒸着面を上側にして受台面に固定する。 この時、社章を押す位置が前に押した会社名Aと重なり合わないように注意する。また蒸着面に直接版面が触れないように、別に10ミクロンのPETフィルムを介在させて、上記と同様にして型打ちを行い作業を完了させる。
【0012】
この際の加熱温度と押し当てる時間は、フィルムの合成樹脂の種類、厚み等により異なるが、100〜200℃で0.1〜5.0秒程度である。しかし、押し当てる圧力は、光沢フィルム面にその版の痕跡が視認できない程度に軽く押すことが重要である。これは版跡(4、5)が光沢フィルム面に明瞭に残ると魔法鏡としての商品価値が落ちるからである。版の跡が殆ど視認されなくても完全に版押しが遂行されていれば、反射光中に写し出される映像は満足な姿に写る。
【0013】
このような版押しをするためには光沢フィルムを載置する受台の表面と版の面との接触をできるだけ正すことが肝要であり、またトラブルを防ぐ為にも硬い鋼製の版よりもゴム製の版を使用するのが有利である。さらに版を軽く押す為には版の昇降を微妙に調整する必要がある。
【0014】
本発明においては、このような版押しをフィルムのプラスチックの面でも蒸着された面のどちら側にも行うことが出来る。しかし、蒸着面では版により傷が付き易い。それで蒸着面に版押しする場合は、フィルムと版の間に別の薄いプラスチック・フィルム等を介在させて版押しするのが望ましい。なお、版押し後も表面に傷や指紋が付かないように取扱いに注意が必要である。
【0015】
この製品は薄いフィルム状の鏡なので、中心部の会社名Aと社章Bが隠れないように、真ん中に直径8センチメートルの丸い穴をくり抜いた厚さ2ミリメートルで10センチ角のボール紙を両側から張り付けて補強し宣伝用の魔法鏡を作った。
【0016】
この鏡は、顔が歪むことなく普通の鏡と同様に使用でき、また版跡(4、5)も通常は視認されないが光(10)をフィルム(1)の蒸着側(3)に照射すると、その反射光線(10’)がスクリーン(12)に投射され、会社名Aが薄明るい中に一段と輝いた陽の映像(6)を結び、社章Bは薄暗い陰の映像(7)となって本体映像(13)が映し出された。
【0017】
そこで鏡を裏返して光を当てるとこんどは会社名Aは薄暗い陰の映像(8)、社章Bは輝いた陽の映影(9)となりスクリーン(12)上に、陽陰が逆転した本体映像(13)が映し出された。なお、陰の映像は文字が逆文字に投影された。
【0018】
また上述のごとく、本発明の鏡はフィルム状で、厚みが極めて少ない。従って、使用目的によって厚みを必要とする場合は、プラスチック板等を裏打ちし重ね合わせて使用するとよい。裏打ちする板が透明であれば両面とも鏡となるが、板が必要以上に厚くなると裏打ち側の鏡効果は薄れる。不透明板の場合は片面使用となる。
【0019】
又、本発明の鏡を僅かでも湾曲させると表面に版跡が残っている場合でも、その跡が著しく見え難くなる。従って、裏打ちをする板を湾曲させることは有利である。
【0020】
また、透明フィルムに金属の蒸着膜を薄くつけて、背景を透視できるように作られたハーフミラー・フィルムを表面に重ねて版跡を見え難くすることができる。
【0021】
なお、光沢フィルム面に版跡が明瞭に認められると魔法鏡としての面白味は殆ど失われるが、反射光中に映像を結ぶ作用には何等変わるところはなく他の用途に利用できる。
【0022】
以上述べたごとく、本発明は薄い蒸着フィルムを用い魔法鏡を作るという全く新しい方法である。その結果、従来の分厚い成形物魔法鏡では極めて作成が困難であった陽と陰に映像を結ぶ魔法鏡を単に蒸着フィルムの表と裏に版跡を極微細に付けるという極めて容易な方法で製造する事ができ、しかも大量生産が可能となり、さらに表と裏の両面が共に魔法鏡になるという全く新しい画期的な魔法鏡の製法である。
【0023】
本発明で使用するプラスチック・フィルムは厚さが0.05〜3.0ミリメートルで表面の平滑なフィルムを使用する。通常このフィルムは透明で片面に金属を真空蒸着するが、フィルム面が鏡様の光沢面を形成できるものであれば金属はアルミニウムに限らずどんな金属でもよい。また金属を蒸着する厚みも、充分に光沢が得られる程度ならよく、通常は100オングストローム程度以上あればよく、また必要に応じ両面に金属蒸着してもよい。
【0024】
また、フィルムを構成するプラスチックは、ポリエチレン・テレフタレート(PET)樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニール樹脂、アセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の合成樹脂であって、金属蒸着した際に鏡様の光沢を得られるような平滑なフィルムである事が必要である。フィルムが着色されていても光が通れば使用できるが完全に不透明なフィルムは好ましくない。
【発明の効果】
【0025】
本発明は叙上のごとく、薄い光沢フィルムに形象を版押しするという極めて簡単な方法により魔法鏡を安価に大量生産する方法であって、しかも本発明は従来は製造が困難であった一つの反射光中に陽陰二様の映像を結ぶ魔法鏡を容易に作ることができ、更に鏡を裏返して使用すれば陽陰の映像も逆転すると云う驚嘆すべき両面鏡である。
【0026】
この様に、表裏両面に個々の版跡をつければどちら側の面に光を当てても、一つの反射光中に結ぶ映像を陽と陰の二種類の映像を個々に結ばせることができるので、利用者を歓喜せしめ、各方面への利用が計られ、需要が拡大することは明白であり、その効果は大である。
【図面の簡単な説明】
図1本発明の説明図で、蒸着フィルムに照射された光の反射光が映像を結ぶ様子を図示したものである。
【符号の説明】
1.蒸着フィルム本体断面
2.透明フィルム断面
3.金属蒸着面
4.蒸着側の版跡(Aの字)
5.フィルム側の版跡(Bの字)
6.陽の反射映像(Aの字)
7.陰の反射映像(Bの字)
8.陰の反射映像(Aの字)
9.陽の反射映像(Bの字)
10.蒸着側に照射ある光線
10’.蒸着側の反射光線
11.フィルム側に照射する光線
11’.フィルム側の反射光線
12.映像を写す平面物体(スクリーン)
13.平面物体に写る蒸着フィルム本体映像
Claims (2)
- 略々透明なプラスチック・フィルムに金属を真空蒸着して形成した光沢フィルムの両面のそれぞれに、所望の形象等が刻まれた版を、加熱状態で押し当てて該光沢フィルムの両面のそれぞれに極微細な版の痕跡を付けることにより、該光沢フィルムに照射した光の反射光の中に出現する映像が版押しした面側では陽(ポジ)の映像に、裏側では陰(ネガ)の映像に形成されることを特徴とした魔法鏡の製造方法。
- 前記透明フィルムに金属の蒸着膜を薄くつけて、背景を透視できるように作られたハーフミラー・フィルムを表面に重ねたことを特徴とする請求項1に記載の魔法鏡の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10020395A JP3668520B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 陽・陰の映像となる魔法鏡の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10020395A JP3668520B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 陽・陰の映像となる魔法鏡の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08266382A JPH08266382A (ja) | 1996-10-15 |
JP3668520B2 true JP3668520B2 (ja) | 2005-07-06 |
Family
ID=14267755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10020395A Expired - Fee Related JP3668520B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 陽・陰の映像となる魔法鏡の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3668520B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW200724365A (en) | 2005-12-19 | 2007-07-01 | Nai-Yueh Liang | Manufacturing method of translucent mirror and structure thereof |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP10020395A patent/JP3668520B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08266382A (ja) | 1996-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1782948B1 (en) | Curved casing formed from thermoplastic resin and film having a polarizing effect, and method for fabricating the casing | |
US5804285A (en) | Decorative sheet and method for producing the same | |
US6544369B1 (en) | Process for producing thin film-like material having decorative surface | |
US7433105B2 (en) | Decorative film, carton, and method of making | |
JPH06506063A (ja) | 強化コントラストと最大ゲインを得る前部および後部投写スクリーン | |
US6508171B1 (en) | Illuminated transparent article having a semi-transparent image thereon | |
JP3668520B2 (ja) | 陽・陰の映像となる魔法鏡の製造方法 | |
CN1094433C (zh) | 变色立体图象印刷方法 | |
JPH0763987B2 (ja) | メーターパネルとその製造方法 | |
JPH1058538A (ja) | 装飾シート | |
JPH07314631A (ja) | 光輝性化粧シート | |
JPS63143580A (ja) | ホログラムラベル | |
JPS6280028A (ja) | 部分蒸着ホログラムを有する成形品の製造方法 | |
JP2003103996A (ja) | 凹凸転写シート、透明窓部を有する凹凸シートとその製造方法および凹凸面を有する加飾成形品の製造方法 | |
JPH1048411A (ja) | 画像表示媒体および画像形成方法、並びに情報記録媒体およびその製造方法 | |
JPH01295848A (ja) | 化粧シートの製造方法 | |
JPH10180796A (ja) | 装飾された凹凸文字部を有する成形同時絵付け品の製造方法 | |
JPH0926503A (ja) | 光学シートおよびその製造方法 | |
JPH03256735A (ja) | カットガラス調シート | |
JPS5825410Y2 (ja) | 表示装置 | |
JP3044996U (ja) | 鏡用装飾シート | |
JPS62111276A (ja) | ホログラムを有する成形品及びその製造方法 | |
JPH0414450A (ja) | 化粧フィルムとその製造方法 | |
CN2413934Y (zh) | 变色立体图象 | |
JP2576513Y2 (ja) | 成形用シートおよび絵付け成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20020228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040921 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041119 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050315 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050411 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090415 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090415 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100415 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100415 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110415 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120415 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |