JP3668448B2 - 六角筒形蛇篭 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、六角筒形蛇篭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、護岸用の敷設部材として石等の中詰材を詰めた鉄線製蛇篭が使用されている。この蛇篭としては、鉄線製網を円筒状に形成して円筒形蛇篭となし、この前後の少なくとも一方の開口部から石等の中詰材を詰め込み、鉄線製網蓋を被覆する工法が採用されている。一般に、円筒形蛇篭は、石等の中詰め材の蛇篭に及ぼす力が局部的に集中することなく、円筒状の周囲の網に均等に等分されて分散されるため、蛇篭の円形が保形されるという利点があり、千年余りの伝統工法として広く採用されているのである。
【0003】
しかしながら、近年、蛇篭の形成素材は、亜鉛メッキ鉄線、塩化ビニル被覆鉄線、溶融アルミニウムメッキ鉄線製などの強度、耐久性が増加する一方、軽量化、成形性の改善がなされてきているとともに、工事期間の短縮のために工事の機械化、施工現場での工事の簡略化等が一層要望されており、これに対応しうる蛇篭の改善が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に鑑み、施工性に優れており、工事の機械化、施工現場での工事の簡略化等が可能な蛇篭の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するものであって、請求項1の発明は、複数の網状部片にて断面形状が正六角形の筒状に形成され、かつその正六角形をなす網状部片はジグザグ状に折り畳み可能に連接されており,その上部の網状部片には中詰材投入用開口部が設けられた胴網と、筒状両側開口部を閉塞する蓋と、前記中詰材投入用開口部を開閉可能に閉塞する蓋と、筒体保形用枠とからなることを特徴とする六角筒形蛇篭であり、
請求項2の発明は、請求項1記載の六角筒形蛇篭を上面が波状になるように連接、結合してなることを特徴とする連帯六角筒形蛇篭である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施例である図面にしたがって具体的に説明する。
図1〜図3において、1は正六角形の六角筒形蛇篭であって、該六角筒形蛇篭1は胴網2と、両側の開口部を閉塞する蓋3と、前記詰め込み材投入用開口部4′を閉塞する蓋4と、筒体保形用枠5とから主としてなるものである。
【0007】
胴網2は図4に示すように、ジグザグ状に折り畳み可能に連接された複数の網状部片6にて形成されており、運搬、保管が非常に容易であり,組立てにさいして断面形状が六角形状に形成される。図5(a)(b)(c)は、三通りの折り畳みの状態を示す事例図である。六角形としては正六角形であるので、折り畳むと全く同形状となるので、特にコンパクトにすることができ、運搬、保管が非常に容易となる。
【0008】
本発明の六角筒形蛇篭を敷設するとき、水制性からは上部が山形をなした形状のものが望ましい。
すなわち、上部の山形を川底、もしくは川岸に敷設する場合、山形を川の流れの方向に沿って敷設すると、水流に整流を起こすことを促し、スムーズな水流を得ることができる。また逆に水流に何らかの停滞を起こす必要があるときは、山形を川の流れと直角、もしくは斜めになるように敷設することによって、川の流れを停滞させることもできる。このように六角筒形蛇篭は外角の山形突起を水流調整に利用することができるという優れた効果を有するものである。
【0009】
複数の網状部片6をジグザグ状に折り畳み可能に連接する態様としては、図1〜図4に示すように隣接する網状部片6の両方の端部に設けた針金(骨線)7を折り畳み可能に細い針金で結合してもよく、あるいは網状部片6の少なくとも一方の端部に設けた針金(骨線)が挿通するように他の網状部片6の端部が輪状をなしていてもよい。
【0010】
六角筒形蛇篭1の上部の適宜各所に中詰材投入用開口部4′が設けられており、特に隣接する1〜2枚の網状部片6に設けられていることが望ましい。開口部4′には、これに対応する扉状の開閉可能な蓋4が設けられている。この蓋4を開き、中詰材を装填して閉じて細い針金等で固定することが可能であり、これにより、中詰材の機械挿入ができることとなり、簡易で敏速な装填が可能となる。開口部4′の長さは、例えば長さ100〜200cmの網状部片6に対して50〜100cmとすることができる。
【0011】
六角筒形蛇篭1の両側の開口部3′は蓋3で閉塞されており、その中間には、筒体保形用枠5を設けるが、例えば100〜200cmの間隔をおいて設けることが好ましい。この筒体保形用枠5は、図6,図7に示すように隣接しない角同士を結んだ対角線方向の補強線8にて補強されているが、さらに中詰材の移動を防止するための網材も張設することにより移動防止枠として使用することも可能である。
この場合には、中詰材の移動を制留することが可能であるのみならず、六角筒形蛇篭の一部、特に先端部が破損した場合においても、破損部から流出する中詰材を最小限に食い止めることができ、蛇篭全体の機能の低下を未然に防止することが可能である。なお、筒体保形枠5の枠体は銅網2で兼用しておき、補強線8を取り付けることにより、筒体保形枠5とすることも可能である。
【0012】
本発明の六角筒形蛇篭は、図8、図9に示すように、上部が波状をなすように多数を隣接、結合させて連帯六角筒形蛇篭として使用することができるが、相隣接する側面を順次密着連結すれば、円筒形蛇篭と異なり、連帯六角蛇篭として高強度のものを得ることができる。また、相隣接する側面を通常に密着連結する場合には、隣接する面が2重となるが、これを一重となるように省略することも可能であり、この場合にはコストを下げることができる。
【0013】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明の六角筒形蛇篭は施工性に優れており、工事の機械化、施工現場での工事の簡略化等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の六角筒形蛇篭の正面図である。
【図2】 図1の六角筒形蛇篭の平面図である。
【図3】 図1の六角筒形蛇篭の側面図である。
【図4】 図1の六角筒形蛇篭の展開図である。
【図5】 図1の六角筒形蛇篭の折り畳み状態を示す説明図である。
【図6】 筒形保形用枠の実施例を示す正面図である。
【図7】 筒形保形用枠の他の実施例を示す正面図である。
【図8】 連帯六角筒形蛇篭の実施例を示す斜面図である。
【図9】 連帯六角筒形蛇篭の他の実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 六角筒形蛇篭
2 胴網
3 蓋
3′ 開口部
4 蓋
4′ 中詰材投入用開口部
5 筒体保形用枠
6 網状部片
7 針金(骨線)
8 補強線
Claims (2)
- 複数の網状部片にて断面形状が正六角形の筒状に形成され、かつその正六角形をなす網状部片はジグザグ状に折り畳み可能に連接されており、その上部の網状部片には中詰材投入用開口部が設けられた胴網と、筒状両側開口部を閉塞する蓋と、前記中詰材投入用開口部を開閉可能に閉塞する蓋と、筒体保形用枠とからなることを特徴とする六角筒形蛇篭。
- 請求項1記載の六角筒形蛇篭を上面が波状になるように連接、結合してなることを特徴とする連帯六角筒形蛇篭。
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- 2001-09-25 JP JP2001291703A patent/JP3668448B2/ja not_active Expired - Fee Related
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