JP3668098B2 - カートリッジの収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体であるディスクを内包したカートリッジを収納する装置、具体的には信号の記録又は再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、記録媒体であるディスクをカートリッジに収納されたものが提案されている。図4は、出願人が以前に提案したカートリッジ(6)の平面図である(特願平11−195182号参照)。この出願は未公開であるが、カートリッジ(6)の仕様及び構成は公表されている。これは、超解像方式の記録再生装置に用いられ、カートリッジ(6)内にディスク(60)を回転自在に保持し、カートリッジ(6)の上面に、ディスク(60)の露出と閉塞を切り換えるシャッタ(63)をスライド可能に設けている。カートリッジ(6)には、下面が開口した位置決め穴(61)、誤挿入防止穴(64)及び嵌合穴(65)が開設されている。
図3は、このカートリッジ(6)を収納してディスク(60)に信号を記録、又はディスク(60)から信号を再生する装置の側面図である。ターンテーブル(7)を搭載したシャーシ(1)上の一端部には、カートリッジ(6)が挿入されるホルダ(3)の基端部が枢支(32)される。カートリッジ(6)の挿入方向は、シャッタ(63)のスライド方向に一致する。以下の記載では、カートリッジ(6)が挿入される方向を前方、排出される方向を後方とする。
【0003】
シャーシ(5)の前後端部には、カートリッジ(6)の位置決め穴(61)及び嵌合穴(65)に嵌まる規制軸(5)(5)が立設されている。各規制軸(5)はカートリッジ(6)の下面を受ける円柱状の受け軸(50)の上面から円錐状の案内突起(51)を突出して構成されている。
位置決め穴(61)と誤挿入防止穴(64)は前後に延び、位置決め穴(61)の幅は案内突起(51)の下端部の径よりも稍小さい。カートリッジ(6)の位置決め穴(61)は前面の一部が開口(62)しており、該カートリッジ(6)は枢支部(32)を中心に上昇して傾いたホルダ(3)に挿入される。
カートリッジ(6)がホルダ(3)内に挿入完了すると、位置決め穴(61)が案内突起(51)に嵌まる。これにより、カートリッジ(6)の左右ガタが規制される。ホルダ(3)を下降回動させると、カートリッジ(6)は受け軸(50)の上面に載置される。ディスク(60)がターンテーブル(7)に載置されて、信号が記録又は再生される。
【0004】
図5は、下降したホルダ(3)の平面図であり、ホルダ(3)の枢支部(32)(32)を左右に向けて示す。また、説明の便宜上、ホルダ(3)の天板を省く。図6は、図5のホルダ(3)をB方向から見た正面図である。ホルダ(3)の両側下端部は内向きに折曲されて受け板(30)(30)を形成し、右側の受け板(30)の端部は切り起こされて誤挿入防止突起(31)を設けている。左側の受け板(30)には透孔(33)が開設され、シャーシ(1)後端部の規制軸(5)は透孔(33)内に嵌まる。
カートリッジ(6)をホルダ(3)に挿入する際には、誤挿入防止突起(31)が誤挿入防止穴(64)に嵌まる。仮に、カートリッジ(6)を上下逆に挿入した場合には、誤挿入防止突起(31)が誤挿入防止穴(64)に嵌まらないから、カートリッジ(6)をホルダ(3)に挿入できない。これにより、使用者はカートリッジ(6)を誤挿入したことが判る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
最近、出願人が以前提案したカートリッジ(図4参照)内のディスクと同様の記録再生性能のディスクを内包し、且つカートリッジ(6)の前後サイズが小さなミニカートリッジ(8)が提案されている。このミニカートリッジ(8)は、図7に一点鎖線で示すように、前端部の中央から右端部に掛けて後向きに凹んだ段部(81)を設けている。また、位置決め穴(61)は下面が開口しているが、前端部は閉じている。
このミニカートリッジ(8)内のディスクは、カートリッジ(6)内のディスク(60)とは記録再生仕様が異なるから、ミニカートリッジ(8)は本来ホルダ(3)に挿入されるべきではない。しかし、誤って該ミニカートリッジ(8)を従来の装置のホルダ(3)に挿入すると、段部(81)が誤挿入防止突起(31)に達することなく、ミニカートリッジ(8)がホルダ(3)内に収納される。これでは、誤挿入防止突起(31)を設けているにも拘わらず、本来のカートリッジ(6)以外のミニカートリッジ(8)が挿入される不具合が生じる。
出願人は、この点に鑑みて、シャーシ(1)上のカートリッジ(6)の位置を決定する規制軸(5)にてミニカートリッジ(8)の誤挿入を防止することを着想した。即ち、ミニカートリッジ(8)の段部は後向きに凹んでいるから、ミニカートリッジはホルダ(3)の右端部に位置する誤挿入防止突起(31)に接しないが、ホルダ(3)の左端部に対応して、シャーシ(1)上に設けられた規制軸(5)には接するので、規制軸(5)にてミニカートリッジ(8)の誤挿入を防止せんとした。
本発明の目的は、簡素な構成にて、本来のカートリッジ以外のカートリッジの誤挿入防止を図ることにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
シャーシ(1)上には、カートリッジ(6)の前端部に形成され前面が開口(62)した位置決め穴(61)に嵌まる規制軸(5)が設けられている。該規制軸(5)の先端は、カートリッジ(6)がホルダ(3)に挿入される際に於ける開口(62)の上端縁の移行路Lよりも下方に位置し、且つカートリッジ(6)の下面の移行路Mよりも上方に位置する。
【0007】
【作用及び効果】
上向きに傾いたホルダ(3)にカートリッジ(6)を挿入すると、位置決め穴(61)の前面開口(62)は規制軸(5)に対向する。該規制軸(5)の先端は、開口(62)の上端縁の移行路Lよりも下方に位置しているから、規制軸(5)はカートリッジ(6)の挿入を邪魔することなく、位置決め穴(61)内に嵌まる。
然るに、上向きに傾いたホルダ(3)にミニカートリッジ(8)を誤って挿入すると、該ミニカートリッジ(8)の位置決め穴(61)は前端部が閉じており、且つ規制軸(5)の先端はカートリッジの下面の移行路Mよりも上方に位置しているから、ミニカートリッジ(8)の挿入は、規制軸(5)により妨げられる。これにより、規制軸(5)の高さを設定するだけで、ミニカートリッジ(8)の誤挿入を効果的に防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(全体概略)
以下、本発明の一例を図を用いて詳述する。
図1は、ディスク記録又は再生装置の側面図であり、ホルダ(3)が上昇している。ホルダ(3)の形状は、従来と同様である。また、カートリッジ(6)を図4のF−F線を含む面にて破断して示している。従来と同様に、ディスク(60)はカートリッジ(6)に収納され、カートリッジ(6)の前端部には、下面が及び前面が開口した位置決め穴(61)が開設されている。カートリッジ(6)の後端部には、下面が開口した嵌合穴(65)が開設されている。
シャーシ(1)上には、位置決め穴(61)及び嵌合穴(65)に嵌まる規制軸(5)(5)が設けられ、各規制軸(5)は従来と同様に、カートリッジ(6)の下面を受ける受け軸(50)の上面から円錐状の案内突起(51)を突出して構成されている。位置決め穴(61)の幅は案内突起(51)の下端部の径よりも稍小さく、これにより案内突起(51)に嵌合したカートリッジ(6)は左右ガタを規制される。
【0009】
本例にあっては、規制軸(5)にてミニカートリッジ(8)の誤挿入を防止する点に特徴がある。具体的には、規制軸(5)の案内突起(51)の先端は、カートリッジ(6)がホルダ(3)に挿入される際に於ける位置決め穴(61)の前面に設けられた開口(62)上端縁の移行路Lよりも下方に位置している。また、案内突起(51)の先端は、カートリッジ(6)がホルダ(3)に挿入される際に於けるカートリッジ(6)の下面の移行路Mよりも上方に位置している。
これにより、本来のカートリッジ(6)、又はミニカートリッジ(8)がホルダ(3)に挿入された際には、以下のように、ミニカートリッジ(8)のみが挿入を阻止される。
【0010】
本来のカートリッジをホルダに挿入した場合
上向きに傾いたホルダ(3)にカートリッジ(6)を挿入すると、位置決め穴(61)の前面開口(62)は規制軸(5)に対向する。該規制軸(5)の先端は、開口(62)の上端縁の移行路Lよりも下方に位置しているから、規制軸(5)はカートリッジ(6)の挿入を邪魔することなく、位置決め穴(61)内に嵌まる。
誤ってミニカートリッジをホルダに挿入した場合
然るに、上向きに傾いたホルダ(3)にミニカートリッジ(8)を誤って挿入すると、該ミニカートリッジ(8)の位置決め穴(61)は前端部が閉じており、且つ規制軸(5)の先端はカートリッジの下面の移行路Mよりも上方に位置しているから、ミニカートリッジ(8)の挿入は、規制軸(5)により妨げられる。これにより、規制軸(5)の高さを設定するだけで、ミニカートリッジ(8)の誤挿入を効果的に防止できる。
【0011】
また、カートリッジ(6)の厚みは数ミリであり、このカートリッジ(6)を標準のカートリッジと呼ぶ。該標準のカートリッジ(6)はホルダ(3)内に上下ガタが少ない状態で収納される。然るに、ミニカートリッジ(8)とは別に、標準のカートリッジ(6)よりも厚みが約1ミリ薄く、外形寸法がほぼ同じである薄手カートリッジ(図示せず)が市場に出現する虞れがある。このような薄手カートリッジは本来ホルダ(3)内に挿入すべきではないが、厚みが標準のカートリッジ(6)よりも薄いので、薄手カートリッジはホルダ(3)内に収納され得る。
このような薄手カートリッジのホルダ(3)内への挿入を防ぐために、本例にあっては、図1に示すように、規制軸(5)の先端から、ホルダ(3)の天板裏面までの最短距離Eを、薄手カートリッジの厚みよりも小さく形成している。これにより、薄手カートリッジをホルダ(3)に挿入せんとしても、該薄手カートリッジは規制軸(5)に引掛かり、挿入を阻止される。
【0012】
規制軸(5)の先端から、ホルダ(3)の天板裏面までの最短距離Eを、薄手カートリッジの厚みよりも小さくするために、規制軸(5)は以下の高さに形成される。図2は、カートリッジ(6)が規制軸(5)の受け軸(50)(50)に載置された状態を示す側面図である。規制軸(5)は位置決め穴(61)内に収納されるから、該位置決め穴(61)の高さCは規制軸(5)の案内突起(51)の高さよりも高い。また、案内突起(51)は、カートリッジ(6)下面から、位置決め穴(61)の前面開口(62)の上端縁までの高さAよりも高い。
【0013】
本例の装置にあっては、規制軸(5)とホルダ(3)の誤挿入防止突起(31)により、カートリッジ(6)を上下逆にした誤挿入、ミニカートリッジ(8)及び薄手カートリッジの挿入が防止できる。即ち、簡素な構成にて、3種類のカートリッジの誤挿入を効果的に防止できる。
上記記載では、ミニカートリッジ(8)及び薄手カートリッジの挿入が防止できるとしたが、ミニカートリッジ(8)及び薄手カートリッジに形状が近似した異物の挿入防止にも効果がある。
【0014】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク記録又は再生装置の側面図である。
【図2】カートリッジが規制軸の受け軸に載置された状態を示す側面図である。
【図3】従来のディスク記録又は再生装置の側面図である。
【図4】出願人が以前に提案したカートリッジの平面図である。
【図5】ホルダの平面図である。
【図6】図5をB方向から見た正面図である。
【図7】ミニカートリッジとホルダの位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
(1) シャーシ
(3) ホルダ
(5) 規制軸
(6) カートリッジ
(32) 枢支部
(60) ディスク
(61) 位置決め穴
(62) 開口
Claims (1)
- 一端部がシャーシ(1)に枢支(32)され、シャーシ(1)に対して上向きに傾いた状態にて、ディスク(60)を収納したカートリッジ(6)が挿入されるホルダ(3)を具え、シャーシ(1)上には、カートリッジ(6)の前端部に形成され前面が開口(62)した位置決め穴(61)に嵌まる規制軸(5)が設けられたカートリッジ収納装置に於いて、
規制軸(5)の先端は、カートリッジ(6)がホルダ(3)に挿入される際に於ける開口(62)の上端縁の移行路Lよりも下方に位置し、且つカートリッジ(6)の下面の移行路Mよりも上方に位置し、
ホルダ(3)には、上下ガタが少ない状態で収納される標準のカートリッジ(6)と、該標準のカートリッジ(6)よりも厚みが薄く上下に余裕を持って挿入される薄手カートリッジが挿入可能であり、
規制軸(5)の先端から、ホルダ(3)の天面までの最短距離Eは、薄手カートリッジの厚みよりも小さく形成されたことを特徴とするカートリッジ収納装置。
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