JP3667762B2 - 電気化学的な活動度の測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、活性部分を示す電気化学要素と対向電極とを有する測定セルにより溶融槽ないし溶融金属槽上に横たわる非金属液状層の電気化学的な活動度の測定方法に関する。更にこの発明は、電気化学的な活動度を測定するための測定セルに関する。
溶融槽において測定を実行するだけでなく、溶融槽の上に横たわる層において測定を実行することもまた必要とされることが多い。例えば、鋼を生産するときの冶金プロセスの過程の評価にとってスラグの酸素ポテンシャルを測定することが必要である。冶金プロセスを監視しそしてこれを制御することができるために、アルミニウムの電気分解中、氷晶石溶融物における活動度を測定することもまた必要かもしれない。
Redexrundschau1990の236頁〜243頁により、スラグにおいて直接的に酸素測定を実行することが知られている。この場合、通常の電気化学センサがスラグ内に配置される。電気化学センサには、対向電極と電気化学要素とを有する測定セルが装着される。電気化学要素は、知られている方法で、参照ないし基準材料にて配列される参照ないし基準電極から形成される。この基準材料は再び小さな固体電解質管により包囲されている。かかる測定セルは、例えば、EP 0 108 431からも知られている。測定セルの上に横たわる層(例えばスラグ)を通過する間、測定セル自体が保護キャップにより保護されている状態でそれらは溶融槽における酸素活動度の測定のために使用される。
スラグや氷晶石のような溶融槽上に配置される溶融層における酸素活動度の知られている直接的測定は、測定されるべき層内の電気化学要素の正確な位置付けを要求する。この槽は通常比較的薄く(例えば取鍋スラグについて約0〜15cm)、電気化学要素の逸脱した配置は通常逸脱した測定結果をも伴う。測定セルの正確な配置はそれゆえ、溶融槽面の高さが容易に決定できないとき、相当に高いエネルギー及びコスト消費を要求する。それゆえ、位置付けは、例えば対向電極及び測定リード部材が損傷を受けるような相当に長いプローブ浸漬時間を要求する。
更に、スラグサンプルが取られそしてそれらの凝固と部分的な溶融後に分析されるスラグ分析方法が知られている。
本発明は知られている事態から出発して、できるだけ最小限の可能な消費で正確な測定結果を与える電気化学活動度測定方法を提供する課題に基づいている。更に、これらの測定のための適当な電気化学要素ならびに測定セルを提供することが本発明の課題である。
本発明によれば、上記の特徴付けられた方法についての課題は、測定セルが非金属液状層を通じて溶融槽内に浸漬せられ、電気化学要素の活性部分が非金属液状層を通過する間この層の物質により包囲され、この物質が電気化学活動度の測定後まで電気化学要素に保持され、そして測定が、電気化学要素の溶融槽内の溶融金属内への浸漬後に溶融金属において実行されるという点で解決される。測定セルが少なくとも一つの電気化学要素と対向電極の配列であると理解され、対向電極は電気化学要素のすぐ隣に配置されるかまたはこれから遠くに配置される。対向電極は例えば溶融容器の壁に固定されるかまたはこの壁の一部である。この場合に、もちろん対向電極は非金属液状層を通じて溶融槽へ当然に浸漬されない。この方法で、測定がほとんど一定の環境において実行される。溶融槽が通常十分な高さを有するとき測定セルの正確な位置付けは必要でない。溶融槽内の温度分布は、活動度が測定される溶融槽上に横たわる層におけるよりも実質的により一層均一であり、測定結果に対する温度変動の影響は、既知の直接測定方法に比して無視できる。測定はほとんど一定の環境条件下で実行され、再現可能なそして/または比較できる測定結果が得られる。
測定の正確さと再現可能性を増大するために、測定セルの挿入端部を非金属液状層を通じて通過させる間、対向電極はこの層の物質により十分包囲されないことそして/またはこの物質は、対向電極が溶融槽と直接的な接触をもつよう測定前に対向電極から少なくとも部分的に除去されることは有利であることが分かった。これは例えば再溶融の間に起こる。測定される物質の酸素活動度を決定することは有利である。溶融槽の非金属液状層の上に横たわるこの物質は例えば鉄の溶融についてスラグまたはアルミニウム電解について氷晶石である。
活性部分を有する小型の固体電解質管と対向電極とを有する保持部材に配置される電気化学要素で溶融槽上の非金属液状層の電気化学活動度を測定セルが測定するという課題は、活性部分が測定されるべき非金属層の物質により包囲されそして対向電極の少なくとも一部分が溶融槽との直接接触を有する、すなわち測定される物質からなる非金属層により完全に包囲されていない状態で電気化学要素及び対向電極が溶融槽内に配置される点で解決される。対向電極の溶融槽との直接的接触は特に正確な測定結果を生ずる。活性部分が電気化学要素のリング形状面領域として形成されることは正確な測定結果のために有利であることが分かった。対向電極は使用前に例えば厚紙などの被覆物により保護される。この保護被覆物は、測定される層を通過するときまたは溶融槽内を通過するときに破壊されそして測定層の物質が対向電極に付着するのを回避させる。
小型の固体電解質管の挿入端部は電気的に絶縁性の物質で被覆されそして挿入端部と防火性ボディーとの間の領域は被覆されないことは好都合である。例えば、酸化アルミニウム(Al23)または酸化マグネシウム(MgO)が特に適当な被覆物質であることが分かった。かかる被覆物は、測定層の物質が電気化学要素に付着し、活動度測定がその下に横たわる溶融槽内で実行されるのを保証する。もちろん、測定層の物質は例えば、一定距離にて電気化学要素を包囲する管の形態におけるこの物質についての適当な機械的な収集の容易さによって、種々の仕方で小型の固体電解質管に付着できる。
挿入端部は防火性ボディーの方向に最大6mm被覆されることが好都合であり特に被覆物はほぼ2.5mmの長さであることが好都合である。更に、電気化学要素は防火性ボディーからほぼ9〜13mm、特にほぼ11mmだけ突出することが有利であることが分かった。かかる寸法は、測定される物質の電気化学要素への良好な付着とこの物質の活動度の信頼できる測定をも保証する。更に、電気化学的活動度もまた温度依存性でありそしてそれによってあり得る温度変動の影響が考えられるので、熱電対が電気化学要素に配置されることは更に好ましい。
浸漬測定センサが、保持部材に配置される電気化学要素と対向電極とで溶融槽上に横たわる非金属液状層の電気化学活動度を測定する課題は、非金属液状層に浸漬している間、非防火性材料の保護層が対向電極上に配置されそして非金属液状層に浸漬している間、電気化学要素は何らの保護層も有さない点で解決される。対向電極の保護層は、スラグ層を通過している間、対向電極がスラグにより覆われるのを回避させる。保護層は、スラグの下に横たわる溶融槽において溶解する(例えばそれは燃焼しまたは融解する)。厚紙に加えて、他の材料、例えば低融点を有する銅などの金属層、が使用される。対向電極がスラグにより覆われない間、保護キャップまたは類似の直接的手段がないことによりスラグが直接的に電気化学要素に到達できるので、スラグは電気化学要素面に付着しそして溶融槽に挿入される。輸送中などの機械的損傷に備えて例えば厚紙などの保護層または保護キャップで電気化学要素を保護することは可能である。保護キャップは浸漬測定センサの使用前に除去されるかまたはそれは挿入前の放射熱により燃焼する。
保護層は厚紙から形成されことが有利でありそして対向電極の全面は保持部材の外側にて保護層により覆われることが好ましいことが分かった。更に電気化学要素は保持部材からほぼ9〜13mm突出することが好都合である。浸漬測定センサの有利な実施例において、保持部材は防火性材料による測定ヘッド挿入端部が配置されるところの厚紙管を有しそして電気化学要素を包囲する対向電極は、例えば、それが金属管として測定ヘッドを通じて導かれそしてそれはその前部において測定ヘッドから外側へ突出している点で少なくとも部分的に環状形状である。更に、対向電極の接触部と電気化学要素の接触部は保持部材の内側にあることが好都合である。これらの接触部は知られている方法で測定及び評価電子回路系に接続される。
本発明は、これにより、保持部材内に配列される電気化学要素と対向電極とを有する測定セルが、溶融槽の上に横たわる非金属液状層において溶融槽内物質の電気化学的活動度の測定を実行するために使用される点で解決する。
本発明の実施例を添付図面により詳細に説明する。図面において、図1は、本発明による電気化学要素を有する測定セルの実施例を図示し、図2は、被覆されない小型の電解質管(直径5mm)を有する実施例を図示し、図3は、被覆されない薄い小型の電解質管(直径3mm)を有し、この小型電解質管は対向電極から突出しない実施例を図示し、図4は、活性部分は電気化学要素のリング形状の面領域である実施例を図示し、図5は、スラグが電気化学要素に付着しそして対向電極は部分的に溶融離脱せられそして部分的にスラグにより覆われる溶融容器内挿入測定セルを図示する。
図1によれば、測定セルは保持部材内にセメント2で配置される電気化学要素を有する。保持部材は測定セルの挿入端部において防火性材料3(例えば成形砂)によってそしてこれと接続する厚紙管4によって形成される。電極5が測定電子回路系に接続の電気化学要素1から外側に突出する。対向電極6が、電極5を包囲するそして測定セル挿入端部における防火性材料3から突出する金属管によって形成される。この突出部分は図面に図示されないそして測定セル挿入端部が溶融槽上に横たわる非金属液状層を通る間、物質が付着するのを回避する厚紙層によって包囲される。電気化学要素1の小型の固体電解質管7はその挿入端部において電気絶縁性材料8によって被覆される。この層は実質的にMgOを材料とするが、それはAl23または別の絶縁物質を材料とすることもできる。層はほぼ50μm厚さであるが、それはわずかに厚くすることもできる。被覆物は防火性ボディーに向かう方向においてほぼ2.5mmの長さである。電気絶縁性材料8が小型の固体電解質管上に配置される領域と、小型固体電解質管7が埋め込まれる防火性材料との間には、ほぼ11mmの長さの非被覆領域、いわゆる電気化学要素1の活性部分、がある。
測定のために、測定セルは鋼溶融物上に横たわるスラグ層に挿入される。この場合に、電気化学要素1は、スラグもまた鋼溶融物内に挿入されるようにスラグにより包囲される。温度平衡が電気化学要素1の領域において鋼溶融物にて迅速に達成せられそして液状スラグ層の酸素活動度が測定される。対向電極6に配置される厚紙10は、スラグ層を通過している間、スラグが対向電極6に付着するのを回避する。これを行う場合、対向電極6は測定の間、鋼溶融物と直接的に接触している。
気化学要素1の頂部の電気絶縁性材料8の代わりに、スラグをして電気化学要素1に付着させる他の材料もまた使用される。セメント2からほぼ9〜13mm、特に11mm突出する電気化学要素1が例えば小型管、例えば厚紙10により保護される対向電極6、により包囲され、そして図2及び図3に図示されるごとくリング領域を形成する。この場合、厚紙10は対向電極6の全面を包囲するキャップを形成する必要はなく、例えば接着テープにより対向電極6の開放部分の外面に配置され得る。図4は、活性部分が電気化学要素のリング形状面領域9である測定セルを図示する。図5において電気化学要素配列が、スラグが活性部分に付着しそして対向電極がすでに部分的に溶融離脱せられそして部分的にスラグにより被覆されている状態で溶融槽内に示されている。

Claims (18)

  1. 活性部分を有する電気化学要素と対向電極とを有する測定セルにより溶融槽の上に横たわる非金属液状層の電気化学活動度を測定するための方法において、
    測定セルは非金属液状層を通じて溶融槽に浸漬せられ、電気化学要素(1)の活性部分は非金属液状層を通じている間この層の物質により包囲され、この物質は、電気化学的活動度の測定後まで電気化学要素(1)の活性部分の面を覆い、そして測定が、電気化学要素(1)の溶融槽への挿入後溶融金属内で実行されることを特徴とする方法。
  2. 非金属液状層を通じて測定セル挿入端部を送っている間、対向電極(6)はこの層の物質により完全に包囲されずそして/又はこの物質は測定前に対向電極(6)から少なくとも部分的に除去されることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 酸素活動度が測定される点で特徴付けられる請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
  4. 活性部分を有する小型の固体電解質管(7)を有する保持部材内に配置の電気化学要素(1)と対向電極(6)とで溶融槽上に横たわる非金属液状層の電気化学的活動度を測定するための測定セルにおいて、電気化学要素(1)と対向電極(6)とは溶融槽内に配置され、活性部分は測定される非金属層物質により包囲されそして対向電極の少なくとも一部分は溶融槽との直接接触を有する点で特徴付けられる測定セル。
  5. 小型の固体電解質管(7)の挿入端部は電気絶縁性物質(8)で被覆され、挿入端部と防火性ボディー(2)との間の領域は被覆されない点で特徴付けられる請求項4の測定セル。
  6. 小型の固体電解質管(7)の挿入端部はAl23又はMgOで被覆される点で特徴付けられる請求項5の測定セル。
  7. 挿入端部は防火性ボディー(2)に向かう方向において最大6mm被覆される点で特徴付けられる請求項5又は6のいずれかに記載の測定セル。
  8. 被覆物は防火性ボディー(2)に向かう方向においてほぼ2.5mmの長さである請求項7の測定セル。
  9. 電気化学要素(1)は防火性ボディー(2)からほぼ9〜13mm突出している点で特徴付けられる請求項4〜8のいずれかに記載の測定セル。
  10. 電気化学要素(1)は防火性ボディー(2)からほぼ11mm突出している点で特徴付けられる請求項9に記載の測定セル。
  11. 熱電対が電気化学要素(1)内に配置される点で特徴付けられる請求項4〜10のいずれかに記載の測定セル。
  12. 電気化学要素(1)の活性部分はリング形状面領域(9)として形成される点で特徴付けられる請求項4の測定セル。
  13. 保持部材内に配置される電気化学要素と対向電極とで溶融槽上に横たわる非金属液状層の電気化学的な活動度を測定するための浸漬測定センサにおいて、
    非金属液状層内への挿入に対して、防火性材料による保護層(10)が対向電極(6)に配置されそして電気化学要素(1)は、非金属液状層内への挿入に対して何らの保護層も持たない点で特徴付けられる浸漬測定センサ。
  14. 保護層(10)は厚紙から形成される請求項13の浸漬測定センサ。
  15. 保護層(10)は保持部材の外側の対向電極の全面を覆っている請求項13又は14のいずれかに記載の浸漬測定センサ。
  16. 電気化学要素は保持部材からほぼ9〜13mm突出している点で特徴付けられる請求項13〜15のいずれかに記載の浸漬測定センサ。
  17. 保持部材は、防火性材料(3)による測定ヘッド挿入端部が配置されるところの厚紙管(4)を有し、電気化学要素(1)及び対向電極(6)が測定ヘッドの前部に配置されそして対向電極(6)は少なくとも部分的に電気化学要素(1)を包囲している点で特徴付けられる請求項13〜16のいずれかに記載の浸漬測定センサ。
  18. 対向電極(6)の接触部と電気化学要素(1)の接触部は保持部材内を導かれそして測定及び評価電子回路系に接続される請求項13〜17のいずれかに記載の浸漬測定センサ。
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