JP3667518B2 - 毛髪処理剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来毛髪処理剤としては、カルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂などが知られている。(たとえば、特開平6−321741号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の毛髪処理剤では、カルボキシル基を含有しているため、実際に毛髪に使用した際に、髪の毛が硬くなり、不自然な感じを与えたり、高温高湿度下でセットが崩れるなどの問題点もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく、鋭意検討した結果、特定のポリウレタンまたはポリウレアを、毛髪処理剤として用いることにより、毛髪に使用した際に硬くならず、自然な感じを与え、高温高湿度下でもセット保持力が良いことを見いだし本発明に至った。
すなわち本発明は、活性水素含有化合物(A)とポリイソシアネート化合物(B)から誘導されてなるポリウレタンまたはポリウレアからなり、(A)の少なくとも一部として、第3級アミン(塩)基を含有する活性水素含有化合物(a)および/または第4級アンモニウム塩基を含有する活性水素含有化合物(b)、並びに当量が500〜1,500のポリテトラメチレングリコールを用い、ポリウレタンまたはポリウレア中の第3級アミン(塩)基および/または第4級アンモニウム(塩)基の含量が0 . 01〜3meq / gであり、樹脂皮膜がゴム弾性を有することを特徴とする毛髪処理剤である。
【0005】
本発明において、第3級アミン(塩)基を含有する活性水素含有化合物(a)中の、活性水素含有基としては、水酸基、メルカプト基およびアミノ基が挙げられる。
第3級アミン基を含有し、かつ活性水素含有基を有する化合物としては、特には限定されないが、下記一般式(1)で示される化合物(a1)、そのアルキレンオキサイド付加物(a2)、及びそれらとジカルボン酸と縮合反応させたポリエステルジオール、ポリアミドジアミン、ポリチオエステルジメルカプタン類(a3)が挙げられる。
一般式
Figure 0003667518
式中、R1、R2、R3は、炭素数1〜24の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、メルカプトアルキル基、カルボキシルアルキル基またはアミノアルキル基であり、R1、R2、R3のうち少なくとも1つはヒドロキシアルキル基、メルカプトアルキル基またはアミノアルキル基である。
【0006】
第3級アミン基を含有し、かつ水酸基を有する化合物(a1−1)の具体例としては、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、N−メチル−N−ヒドロキシエチルアニリン、N−エチル−N−ヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジオキシエチルアニリン、N,N−ジオキシエチルトルイジン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0007】
第3級アミン基を含有し、かつアミノ基を含有する化合物(a1−2)の具体例としては、N,N−ジメチルヒドラジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、ビス−(アミノプロピル)−メチルアミン、ビス−(アミノエチル)−メチルアミン、ビス−(アミノメチル)−メチルアミン、ビス−(アミノエチル)−エチルアミン、ビス−(アミノエチル)−シクロヘキシルアミン、N−メチル−N−アミノエチルトルイジン、ビス−アミノプロピルアニリンなどが挙げられる。
【0008】
第3級アミン基を含有し、かつメルカプト基を含有する化合物(a1−3)の具体例としては、N,N,N−ジエチルメルカプトエチルアミン、N,N,N−ジブチルメルカプトエチルアミン、N,N,N−ジメチルメルカプトエチルアミン、N,N,N−ジメルカプトエチルメチルアミン、N,N,N−ジメルカプトエチルメチルアミン、N,N,N−ジメルカプトプロピルメチルアミン、N,N,N−ジメルカプトエチルステアリルアミン、N−メチル−N−メルカプトエチルアニリン、N−エチル−N−メルカプトエチルアニリン、N,N−ジメルカプトエチルアニリン、N,N−ジメルカプトエチルトルイジン、N,N,N−ジメルカプトエチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
【0009】
第3級アミン基を含有し、かつ水酸基とアミノ基を含有する化合物(a1−4)の具体例としては、N−メチル−N−(アミノエチル)エタノールアミン、N−エチル−N−(アミノプロピル)エタノールアミン、N−ヒドロキシエチル−N−アミノエチルアニリンなどが挙げられる。
【0010】
第3級アミン基を含有し、かつ水酸基とメルカプト基を含有する化合物(a1−5)の具体例としては、N−メチル−N−(メルカプトエチル)エタノールアミン、N−エチル−N−(メルカプトエチル)エタノールアミン、N−メチル−N−(メルカプトメチル)エタノールアミン、N−メチル−N−(メルカプトプロピル)エタノールアミン、N−メチル−N−(メルカプトエチル)プロパノールアミンなどが挙げられる。
【0011】
第3級アミン基を含有し、かつアミノ基とメルカプト基を含有する化合物(a1−6)の具体例としては、N−メチル−N−(アミノエチル)メルカプトエチルアミン、N−メチル−N−(アミノブチル)メルカプトエチルアミン、N−メチル−N−(アミノエチル)メルカプトラウリルアミン、N−メチル−N−(アミノエチル)メルカプトステアリルアミン、N−メチル−N−(アミノブチル)メルカプトエチルアミンなどが挙げられる。
【0012】
一般式(1)で示される化合物(a1)のアルキレンオキサイド付加物(a2)において、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、1,2−、2,3−もしくは1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(THF)、エピクロルヒドリンなどが挙げられる。
アルキレンオキサイドは単独でも2種以上併用してもよく、後者の場合はブロック付加でもランダム付加でも両者の混合系でも良い。
【0013】
一般式(1)で示される化合物(a1)またはそのアルキレンオキサイド付加物(a2)をジカルボン酸と縮合反応させて得られるポリエステルジオール、ポリアミドジアミン、ポリチオエステルジメルカプタン類(a3)は、一般式(1)で示される化合物またはそのアルキレンオキサイド付加物のうち、活性水素の数が2または3の化合物とジカルボン酸を縮合反応させたものであり、活性水素含有基を少なくとも2個有するものである。ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0014】
上記以外でも特公昭43−9076号公報に記載の第3級アミン基を含む活性水素含有基を有する化合物であれば、実施することができる。
【0015】
これら第3級アミン基を含有し、かつ活性水素含有基を有する化合物(a)の内、好ましくは第3級アミン基を含有し、かつ水酸基を有する化合物であり、さらに好ましくはN−メチルジエタノールアミンである。
【0016】
本発明において、第3級アミン塩基を含有する活性水素含有化合物(a)としては、上記化合物を無機酸、有機酸またはこれら2種以上の混合物で中和したものが挙げられる。
無機酸の具体例としては、たとえば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などが挙げられる。
有機酸としては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種類の有機酸が挙げられる。
【0017】
カルボン酸としては、通常、分子内にカルボキシル基を有するものなら使用することができる。好ましくは下記一般式(3)、(4)で表される化合物である。
一般式
5−COOH (3)
一般式
6−O(A1O)s−CH2−COOH (4)
式中R5、R6は、水素原子、炭素数1〜24の直鎖または分岐を持ったアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示し、A1は炭素数2〜10の直鎖または分岐のアルキレン基を示し、sは1から100の整数を示す。
具体例をあげれば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、乳酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンオクチルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテル酢酸、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシプロピレンオクチルエーテル酢酸などが挙げられる。
【0018】
スルホン酸としては、通常分子内にスルホン酸基、硫酸エステル基を有するものを使用することができる。好ましくは一般式(5)で表される化合物である。
一般式
7−(O)nSO3H (5)
式中、R7は水素原子、炭素数1〜24の直鎖または分岐を持ったアルキル基またはヒドロキシアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、ナフタレン基を示す。nは0または1である。
具体例をあげれば、メチル硫酸、エチル硫酸、イソプロピル硫酸、プロピル硫酸、オクチル硫酸、ラウリル硫酸、ステアリル硫酸、イソステアリル硫酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。
【0019】
リン酸としては、通常分子内にリン酸エステル基を有するものを使用することができる。好ましくは、一般式(6)で表される化合物である。
一般式
Figure 0003667518
式中R8、R9はそれぞれ水素原子、水酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐を持ったアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。nは0または1である。
具体例をあげれば、ジメチルリン酸、ジエチルリン酸、メチルエチルリン酸、メチル亜リン酸、ジイソプロピルリン酸、ジラウリルリン酸、ジステアリルリン酸などが挙げられる。
【0020】
また、「化粧品種別許可基準1994」,厚生省薬務局審査課監修,1994(薬事日報社)記載の無機酸、有機酸は、いずれも使用することができる。
【0021】
本発明において、第4級アンモニウム塩基を含有する活性水素含有化合物(b)としては、特には限定されないが、一般式(2)で表される化合物があげられ、具体的には前述の第3級アミン(塩)基含有活性水素含有化合物(a)を▲1▼4級化したもの及び、▲2▼両性化したものが挙げられる。なお第3級アミン(塩)基を含有する活性水素含有化合物の4級化または両性化(変性)は、重合前に予め変性させる方法と、重合後変性させる方法が上げられるが、好ましくは重合後変性させる方法である。
一般式
Figure 0003667518
式中、R1、R2、R3は、炭素数1〜24の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、メルカプトアルキル基、カルボキシルアルキル基またはアミノアルキル基であり、R1、R2、R3のうち少なくとも1つはヒドロキシアルキル基、メルカプトアルキル基またはアミノアルキル基である。R4は炭素数1〜24の炭化水素基またはカルボキシアルキル基である。Xはハロゲン原子、モノアルキル炭酸またはモノアルキル硫酸である。
【0022】
本発明において第3級アミン(塩)基を4級化するための化合物としては、特に限定はされないが、通常、脂肪族モノハロゲン化アルキル類、芳香族モノハロゲン化アルキル類、炭酸ジアルキル類、硫酸ジアルキル類などが挙げられる。
脂肪族モノハロゲン化アルキル類の例としては、特には限定されないが、一般式(7)で表される化合物があげられ、具体例としては塩化メチル、塩化エチル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、臭化ラウリル、塩化ステアリル、ヨウ化イソプロピルなどが挙げられる。これらのうち好ましくは塩化メチル、塩化エチルである。
一般式
10−Y (7)
式中R10は、炭素数1〜24の直鎖または分岐を持ったアルキル基を示し、Yはハロゲン原子(Cl,Br,Iなど)を示す。
芳香族モノハロゲン化アルキル類としては、特には限定されないが、具体例としては塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルなどがあげられ、好ましくは、塩化ベンジルである。
【0023】
炭酸ジアルキル類としては、特に限定されないが、一般式(8)で表される化合物があげられ、具体例としては炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸ジブチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジラウリル、炭酸ジステアリルなどが挙げられる。このうち好ましくは、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルである。
一般式
Figure 0003667518
式中R11、R12は、それぞれ炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基を示す。
【0024】
硫酸ジアルキル類としては、特には限定されないが、一般式(9)で表される化合物があげられ、具体例としては、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、硫酸ジイソプロピル、硫酸ジラウリル、硫酸ジステアリル、硫酸ジベへニルなどが挙げられる。このうち好ましくは、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルである。
一般式
Figure 0003667518
式中R13、R14は、それぞれ炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基を示す。
【0025】
本発明において、第3級アミン(塩)基を両性化するための化合物としては、特に限定はされないが、たとえばモノハロゲン化酢酸(モノクロロ酢酸など)およびその塩が挙げられる。
モノハロゲン化酢酸の塩としては通常アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩が使用される。アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。アルカリ土類金属塩類としては、マグネシウム塩、カルシウム塩などが挙げられる。アミン塩としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、アミノメチルプロパノール、ピリジン、エチレンジアミン等が挙げられる。
【0026】
本発明において、ポリウレタンもしくはポリウレア中の第3級アミン(塩)基および/または第4級アンモニウム塩基の含量は、フイルム耐水性と髪への親和性の観点から、ポリウレタンもしくはポリウレアあたり0.01〜3meq/gであり、好ましくは0.02〜2.5meq/gである。
【0027】
本発明において、前述の化合物(a)または(b)以外の活性水素含有基を有する化合物(A)としては、前記ポリテトラメチレングリコールを必須とする以外は特に限定はされないが、例えば高分子ポリオール、ポリアミン、低分子の活性水素含有化合物などが挙げられる。
高分子ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、シリコーンポリオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、活性水素含有多官能化合物にアルキレンオキサイドが付加した構造の化合物、およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0028】
活性水素含有多官能化合物としては、多価アルコール類、多価フェノール類、アミン類、ポリカルボン酸類などが挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリコール,ネオペンチルグリコール,ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン,ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどの2価アルコール;グリセリン,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトール,ジグリセリン,α−メチルグルコシド,ソルビトール,キシリット,マンニット,ジペンタエリスリトール,グルコース,フルクトース,ショ糖などの3〜8価の多価アルコールなどが挙げられる。
【0029】
多価フェノール類の具体例としては、ピロガロール,カテコール,ヒドロキノンなどの多価フェノールのほかビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールSなどのビスフェノール類などが挙げられる。
【0030】
アミン類の具体例としては、アンモニア,炭素数1〜20のアルキルアミン類(ブチルアミンなど),アニリンなどのモノアミン類;エチレンジアミン,トリメチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,ジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン;ピペラジン,N−アミノエチルピペラジンおよびその他特公昭55−21044号公報に記載の複素環式ポリアミン類;ジシクロヘキシルメタンジアミン,イソホロンジアミンなどの脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン,トリレンジアミン,ジエチルトリレンジアミン,キシリレンジアミン,ジフェニルメタンジアミン,ジフェニルエーテルジアミン,ポリフェニルメタンポリアミンなどの芳香族ポリアミン;およびモノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類などが挙げられる。
【0031】
またポリカルボン酸の具体例としてはコハク酸,アジピン酸などの脂肪族ポリカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
上記の活性水素含有多官能化合物は2種以上使用することもできる。
【0032】
活性水素含有多官能化合物に付加するアルキレンオキサイドとしては、前記したものと同一のものが挙げられる。
【0033】
アルキレンオキサイドは単独でも2種以上併用してもよく、後者の場合はブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリー型など)でもランダム付加でも両者の混合系でもよい。
これらのうちで好ましいものはEO単独、PO単独、THF単独、POおよびEOの併用、POおよび/またはEOとTHFの併用(併用の場合、ランダム、ブロックおよび両者の混合系)であり、特に好ましいのはTHF単独である。
【0034】
活性水素含有多官能化合物へのアルキレンオキサイドの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒でまたは触媒(アルカリ触媒,アミン系触媒,酸性触媒)の存在下(とくにアルキレンオキサイド付加の後半の段階で)に常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれる。
【0035】
また、ポリエーテルポリオールは、少割合のポリイソシアネート(後掲のもの)と反応させて更に高分子量化したものでもよい(ポリアルキレンエーテルポリオール/ポリイソシアネートの当量比:たとえば通常1.2〜10/1、好ましくは1.5〜2/1 )。
【0036】
ポリエーテルポリオールの当量(水酸基当りの分子量)は、通常100〜10,000、好ましくは250〜5,000、更に好ましくは500〜1,500である。また、該ポリエーテルポリオールの官能価は、通常2〜8、好ましくは2〜3、とくに好ましくは2である。
【0037】
これらポリエーテルポリオール類の内、前記必須のポリテトラメチレングリコールの他に好ましいのは多価アルコール類のアルキレンオキサイド付加物であり、さらに好ましいのはポリプロピレングリコール、及び当量が500〜1,500の範囲に属さないポリテトラメチレングリコールである。
【0038】
ポリエステルポリオールとしては、低分子ジオールおよび/または上記ポリエーテルジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオール、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール、低分子ジオールと低級アルコール(メタノールなど)の炭酸ジエステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0039】
上記低分子ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール;環状基を有する低分子ジオール類[たとえば特公昭45−1474号公報に記載のもの:ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等]、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、上記の化合物があげられ、1種または2種以上の混合物があげられる。
【0040】
また、ジカルボン酸としては脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)、およびこれらの2種以上の混合物があげられ;ラクトンとしてはε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、およびこれらの2種以上の混合物があげられる。
【0041】
ポリエステル化は、通常の方法、たとえば低分子ジオールおよび/またはポリエーテルジオールを、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[たとえば無水物(無水マレイン酸、無水フタル酸など)、低級エステル(アジピン酸ジメチル,テレフタル酸ジメチルなど)、ハライド等]と、またはその無水物およびアルキレンオキサイド(たとえばエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド)とを反応(縮合)させる、あるいは開始剤(低分子ジオールおよび/またはポリエーテルジオール)にラクトンを付加させることにより製造することができる。
【0042】
これらのポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリカプロラクトンジオールまたはトリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどがあげられる。
【0043】
シリコンポリオールとしては、特には限定されないが、下記一般式(10)で表されるものがあげられる。
一般式
Figure 0003667518
式中R15、R16、R18はそれぞれ、水素原子、水酸基、炭素数1〜24の直鎖又は分岐のアルキル基、R17は炭素数1〜24の直鎖又は分岐のアルキル基、A2は炭素数2〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基、p、q、rはそれぞれ1〜100の整数を示す。
【0044】
ポリアミンとしては脂肪族ポリアミン類(具体的にはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)芳香族ポリアミン類(フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシレンジアミン、メチレンジアミン、ジフェニルエーテルなど)、脂環式ポリアミン類(イソホロンジアミンおよびその他の脂環式ポリアミン類など)、複素環式ポリアミン類(ピペラジンおよびその他特公昭55−21044号公報に記載の複素環式ポリアミン類など)などが挙げられる。これらポリアミンの内、好ましくは脂肪族ポリアミンである。
【0045】
低分子の活性水素含有化合物としては通常架橋剤、鎖伸長剤と称せられている物で少なくとも2個、このましくは2〜5個の活性水素当量が200未満の化合物が使用できる。その具体例としては、2〜3価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンなど)、アミン類(ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジアミノトルエン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン、メチレンビスオルソクロロアニリンなど)および上記2〜3価のアルコール類4〜8価のアルコール類(ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビトール、サッカロースなど)、多価フェノール類(ビスフェノールA、ハイドロキノンなど)、上記アミン類、その他のアミン類(アミノエチルピペラジン、アニリン)などに少量のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した当量200未満のポリヒドロキシ化合物および水などをあげることができる。これらの内好ましいのはグリコール類、ジアミン類、水などである。
【0046】
また、低分子の活性水素含有化合物として通常末端封止材と称されるもので、モノアルコール類(ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルなど);アミン類(プチルアミン、ジアリルアミンなど)をあげることができる。これらの内好ましいのはヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシプロピルアクリレートである。
【0047】
上記活性水素含有化合物は、単独または2種以上の混合で用いることができる。
【0048】
本発明において、ポリイソシアネート化合物(B)は従来ポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このようなポリイソシアネート化合物としては、特には限定されないが、炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート(たとえば、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI〔粗製ジアミノフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物:ジアミノフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)〕など〕:炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(たとえばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなど):炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(たとえばイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなど):炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(たとえばキシレンジイソシアネートなど):およびこれらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など):およびこれらの2種以上の混合物があげられる。
【0049】
本発明の樹脂を製造するに当たり、活性水素含有化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)の割合は種々変えることができるが、イソシアネート基と活性水素との当量比は通常(0.5〜2):1好ましくは(1.05〜1.5):1である。
【0050】
本発明の樹脂の製造法は、公知のポリウレタンの製造の方法で行うことができる。たとえば、化合物(A)、(B)を分割して多段反応させる方法(プレポリマー法)、および化合物(A)、(B)を一括して反応させる方法(ワンショット法)などがあげられるが、好ましくはプレポリマー法である。プレポリマー法の例としては、化合物(A)、(B)をあらかじめ反応させ、低分子ジアミンなどで反応を完結後、第3級アミン基を部分的にまたは完全に中和、4級化および/または両性化する方法が挙げられる。
【0051】
本発明では、イソシアネート基に対して不活性な溶媒を用いて反応を行うことできる。溶媒としては、アミド系溶媒(N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど):ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)芳香族炭化水素系溶剤(トルエン、キシレンなど):エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフランなど):スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシドなど)およびこれらは、2種類以上の混合溶媒が考えられる。溶媒の量はポリウレタンの量に対して通常0〜400%である。反応温度は通常おだやかな条件、たとえば20〜150℃好ましくは20〜100℃である。また反応時間は通常3〜20時間である。反応圧力も通常常圧下で行われるが、加圧下で行ってもよい。
また反応を促進させるために、通常使用されている触媒たとえばアミン系触媒(トリエチルレンジアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミンなど)錫系触媒(ジブチルチンジラウレートなど)、鉛系触媒(オクチル酸鉛など)などをもちいてもよい。
【0052】
本発明において、ポリウレタンまたはポリウレアの分子量は重量平均分子量で1000以上を示し、好ましくは、5000から200万更に好ましくは1万から100万である
【0053】
本発明で得られたポリウレタンまたはポリウレアは通常の方法(たとえば特公昭42−24192号公報記載の方法)で分散体にすることができる。たとえば、本発明で得られたポリウレタンまたはポリウレアのアセトン溶媒(濃度約60%)に撹拌可に水を加えて、次いで加熱下にアセトンを留去する事により水分散体(濃度約45%)を得ることができる。
【0054】
本発明の毛髪処理剤の使用形態は、通常、泡状、液体状、ぺースト状、固体状、粉末状など特に限定されないが、泡状、液体状及びぺースト状が使いやすい。また、本発明の毛髪処理剤の用途も特に限定されないが、ムース、ミスト、ジェルなどのセット剤、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショニング効果付与剤、染毛剤等に有効である。また、この毛髪処理剤の優れた性質を生かし、従来から使用されている毛髪処理剤の用途にはすべて適用可能である。
【0055】
本発明の毛髪処理剤をムース、ミスト、ジェルなどのセット剤用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤をシャンプー用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤をリンス用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤をトリートメント用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤をコンディショニング効果付与剤用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤を染毛材用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤には、本発明の効果を妨げない量のアニオン活性剤、非イオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤を併用してもよい。
アニオン活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド2ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0056】
両性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリルジメチルアミンオキシド、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド、ポリオキシエチレン牛脂アルキルヒドロキシミリスチレンエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドの乳酸塩などが挙げられる。
【0057】
また本発明の毛髪処理剤には、乳化安定剤、保湿剤、高分子化合物、シリコン、キレート剤、低級アルコール、香料、着色剤、防腐剤、紫外線吸収剤及び水なども併用することができる。
乳化安定剤として、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコールが挙げられ、保湿剤としてグリセリン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等が挙げられ、高分子化合物として、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、タンパク誘導体等が挙げられ、シリコンとしてジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に各種の有機基を導入した変性シリコン、環状ジメチルシロキサン等が挙げられ、キレート剤として、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム等が挙げられ、低級アルコールとして、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。実施例2、4、6、7は本願請求項1に属する例であり、実施例1、3、5は参考例である。以下において、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。なお試験法は以下の通りである。
【0059】
フレーキング:重合物を、有効成分に換算して、5重量%の水希釈液を畜圧式スプレー器に充填する。つぎに、長さ25cmの毛髪2gにスプレー溶液を10秒間吹きかけ、乾燥後市販の櫛を用いて、毛髪をといたとき脱落した樹脂の量を下記の判定基準で評価する。
判定基準
樹脂の脱落無し : ○
樹脂の脱落少量有り : △
樹脂の脱落多量にあり : ×
【0060】
官能評価:パネラー10人が前記のスプレー溶液を実使用試験して、ゴワツキ感、ベトツキ感、ブロッキング感、セット力について下記の判定基準で評価する。
判定基準
セット力
7人以上がセット力があると判断 : ○
3人以上6人以下がセット力があると判断 : △
8人以上がセット力が無いと判断 : ×
ブロッキング感
7人以上がブロッキング感が無い判断 : ○
3人以上6人以下がブロッキング感が無い判断 : △
8人以上がブロッキング感があると判断 : ×
ベタツキ感
7人以上がベタツキ感が無いと判断 : ○
3人以上6人以下がベタツキ感が無いと判断 : △
8人以上がベタツキ感があると判断 : ×
ゴワツキ感
7人以上がゴワツキ感が無いと判断 : ○
3人以上6人以下がゴワツキ感が無いと判断 : △
8人以上がゴワツキ感があると判断 : ×
【0061】
実施例1
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000の1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール180.0部、1,4−ブタンジオール6.3部、N−メチルジエタノールアミン14.4部、イソホロンジイソシアネート89.3部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液にジメチル硫酸15.2部を加え、45〜55℃で4級化を行った。得られた4級化物を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度510cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂の4級アンモニウム塩含量は0.40meq/gであった。
【0062】
実施例2
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリテトラメチレングリコール94.7部、分子量約2000の3−メチルペンタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール90.7部、1,4−ブタンジオール6.6部、N−メチルジエタノールアミン15.0部、イソホロンジイソシアネート83.3部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液にモノクロロ酢酸ナトリウム14.7部を加え、さらに80℃で両性化を行った。得られた両性化物を30℃に冷却して、水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度350cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂の4級アンモニウム塩含量は0.42meq/gであった。
【0063】
実施例3
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、N−メチルジエタノールアミン85.0部、ヘキサメチレンジイソシアネート140.0部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液に無水エタノールを30.0部を加え、さらに4時間50℃で反応を行った。得られたウレタン樹脂溶液に乳酸65.0部を加え、45〜55℃で中和を行った。得られた中和物を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度2000cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂の3級アミン塩含量は2.37meq/gであった。
【0064】
実施例4
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリテトラメチレングリコール256.2部、N−メチルジエタノールアミン0.7部、イソホロンジイソシアネート42.2部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液にメチルクロライド0.3部を加え、45〜55℃で4級化を行った。得られた4級化物を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度380cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂の4級アンモニウム塩含量は0.02meq/gであった。
【0065】
実施例5
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリプロピレングリコール229.3部、N−メチルジエタノールアミン5.6部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート57.6部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液にモノクロロ酢酸アンモニウム塩6.4部を加え、80℃で両性化を行った。得られた両性化物を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分31%、粘度450cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂の4級アンモニウム塩含量は0.16meq/gであった。
【0066】
実施例6
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリテトラメチレングリコール149.2部、分子量約1000のポリテトラメチレングリコール74.6部、N−メチルジエタノールアミン7.0部、イソホロンジイソシアネート53.5部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液にラウリル酸15.4部を加え、45〜55℃で中和を行った。得られた中和物を30℃に冷却して水540部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度300cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂の4級アンモニウム塩含量は0.20meq/gであった。
【0067】
実施例7
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリテトラメチレングリコール250.2部、N−メチルジエタノールアミン6.1部、ヘキサメチレンジイソシアネート35.3部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液にジエチル硫酸4.8部とモノクロロ酢酸ナトリウム3.4部を加え、80℃で4級化と両性化を行った。得られた変性物を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度500cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂の4級アンモニウム塩含量は0.17meq/gであった。
【0068】
比較例1
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000の1、4-ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール180.2部、1,4−ブタンジオール6.2部、ジメチロールプロピオン酸19.6部、イソホロンジイソシアネート94.0部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液に1Nの水酸化ナトリウム140部を加え、45〜55℃で中和を行った。得られた中和物を30℃に冷却して水560部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度320cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た
【0069】
比較例2
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリテトラメチレングリコール91.6部、分子量約2000の3メチルペンタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール91.6部、1,4−ブタンジオール6.6部、ジメチロールプロピオン酸20.8部、イソホロンジイソシアネート78.8部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液に無水エタノールを30.0部加え、さらに4時間50℃で反応を行った。得られたウレタン樹脂溶液に、ジメチルエタノールアミン13.8部を加え、45〜55℃で中和を行った。得られた中和を30℃に冷却して、水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度380cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。
【0070】
実施例1〜7及び比較例1〜2の評価について表1にまとめる。
【0071】
【表1】
Figure 0003667518
【0072】
表1の結果から、実施例1〜7で得られた毛髪処理剤は、比較例(従来品)に比べていずれもセット力、ブロッキング感、ベタツキ感、ゴワツキ感、および耐フレーキングに優れていることがわかる。
【0073】
【発明の効果】
本発明で得られた毛髪処理剤は、従来用いられているカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂に比べ、毛髪に使用した際に、高温高湿度下でセットが崩れない、自然感を損なわない、コンディショニング効果に優れている、樹脂被膜が持つゴム弾性によるセット回復力、維持力に優れているなどの特長も兼ね備えている。

Claims (5)

  1. 活性水素含有化合物(A)とポリイソシアネート化合物(B)から誘導されてなるポリウレタンまたはポリウレアからなり、(A)の少なくとも一部として、第3級アミン(塩)基を含有する活性水素含有化合物(a)および/または第4級アンモニウム塩基を含有する活性水素含有化合物(b)、並びに当量が500〜1,500のポリテトラメチレングリコールを用い、ポリウレタンまたはポリウレア中の第3級アミン(塩)基および/または第4級アンモニウム(塩)基の含量が0 . 01〜3meq / gであり、樹脂皮膜がゴム弾性を有することを特徴とする毛髪処理剤。
  2. (a)が、一般式(1)で表される化合物もしくはその塩である請求項記載の毛髪処理剤。
    一般式
    Figure 0003667518
    (式中、R、R、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、メルカプトアルキル基、カルボキシルアルキル基またはアミノアルキル基であり、R、R、Rのうち少なくとも1つはヒドロキシアルキル基、メルカプトアルキル基またはアミノアルキル基である。)
  3. (a)が、N−メチルジエタノールアミンもしくはその塩である請求項記載の毛髪処理剤。
  4. (b)が、一般式(2)で表される化合物である請求項1記載の毛髪処理剤。
    一般式
    Figure 0003667518
    (式中、R、R、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、メルカプトアルキル基、カルボキシルアルキル基またはアミノアルキル基であり、R、R、Rのうち少なくとも1つはヒドロキシアルキル基、メルカプトアルキル基またはアミノアルキル基である。Rは炭素数1〜24の炭化水素基またはカルボキシアルキル基;Xはハロゲン原子、モノアルキル炭酸またはモノアルキル硫酸である。)
  5. (b)がN−メチルジエタノールアミンの4級化物または両性化物である請求項記載の毛髪処理剤。
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