JP3667480B2 - 毛髪用処理剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪処理剤に関する。
【従来の技術】
従来毛髪用処理剤としては、カルボキシル官能基を含有するポリウレタン樹脂などが知られている。(たとえば、特開平6−321741号公報)
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の毛髪処理剤では、カルボキシル官能基を使用しているため、水溶液または水分散液の状態にした場合、安定性が悪い問題点があった。また、実際に毛髪に使用した際に、髪の毛が硬くなり、不自然な感じを与えたり、高温高湿度下でセットが崩れる、洗髪しても髪の毛に樹脂が残るなどの問題点もあった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく、鋭意検討した結果、特定のポリウレタンまたはポリウレアを、毛髪処理剤として用いることにより、水溶液または水分散液の状態において安定性がよく、さらに毛髪に使用した際に硬くならず、自然な感じを与え、高温高湿度下でもセット保持力が良く、洗髪で髪の毛上から樹脂を除去できることを見いだし本発明に至った。
【0004】
すなわち本発明は、活性水素含有化合物(A)とイソシアネート化合物(B)から誘導されてなるポリウレタンまたはポリウレアからなり、(A)の少なくとも一部として、スルファミン酸、アミノエチルスルホン酸、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、前記化合物のアルキレンオキサイド付加物又はそれらの塩(a)を用いることを特徴とする毛髪処理剤である。
【0005】
本発明において、(a)としては、スルファミン酸、アミノエチルスルホン酸、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、前記化合物のアルキレンオキサイド付加物又はそれらの塩があげられる。
【0010】
(a)としては、スルホン酸(塩)基を含有し、かつヒドロキシル基を有する化合物である3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、スルホン酸(塩)基を含有し、かつアミノ基を有する化合物であるスルファミン酸、アミノエチルスルホン酸などが挙げられる。
【0013】
塩としては通常、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩が使用される。アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。アルカリ土類金属塩類としては、マグネシウム塩、カルシウム塩などが挙げられる。アミン塩としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジメチルアミノエタノール、アミノメチルプロパノール、ピリジン、エチレンジアミン等が挙げられる。
【0014】
また、「化粧品種別許可基準1994」,厚生省薬務局審査課監修,1994(薬事日報社)記載の無機塩基、有機塩基の塩であれば、どれでも使用することができる。
【0015】
3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸のアルキレンオキサイド付加物は該化合物のヒドロキシ基にアルキレンオキサイドが付加されたヒドロキシ基含有化合物である。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、1,2−、2,3−もしくは1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(THF)、エピクロルヒドリンなどが挙げられる。
アルキレンオキサイドは単独でも2種以上併用してもよく、後者の場合はブロック付加でもランダム付加でも両者の混合系でも良い。
アルキレンオキサイドの付加モル数は通常1〜100であり、好ましくは5〜50である。
【0017】
本発明において、ポリウレタンもしくはポリウレア中のスルホン酸(塩)基の含量は、フイルム耐水性と髪への親和性の観点から、ポリウレタンもしくはポリウレアあたり0.01〜3meq/gであり、好ましくは0.02〜2.5meq/gである。
【0018】
本発明において、上記化合物(a)以外の活性水素基を有する化合物(A)としては、特に限定はされないが、例えば高分子ポリオール、ポリアミン、低分子の活性水素化合物などが挙げられる。
高分子ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、シリコーンポリオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、活性水素基含有多官能化合物にアルキレンオキサイドが付加した構造の化合物およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0019】
活性水素基含有多官能化合物としては、多価アルコール類、多価フェノール類、アミン類、ポリカルボン酸類などが挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリコール,ネオペンチルグリコール,ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン,ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどの2価アルコール;グリセリン,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトール,ジグリセリン,α−メチルグルコシド,ソルビトール,キシリット,マンニット,ジペンタエリスリトール,グルコース,フルクトース,ショ糖などの3〜8価の多価アルコールなどが挙げられる。
【0020】
多価フェノール類の具体例としては、ピロガロール,カテコール,ヒドロキノンなどの多価フェノールのほかビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールSなどのビスフェノール類などが挙げられる。
【0021】
アミン類の具体例としては、アンモニア,炭素数1〜20のアルキルアミン類(ブチルアミンなど),アニリンなどのモノアミン類;エチレンジアミン,トリメチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,ジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン;ピペラジン,N−アミノエチルピペラジンおよびその他特公昭55−21044号公報記載の複素環式ポリアミン類;ジシクロヘキシルメタンジアミン,イソホロンジアミンなどの脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン,トリレンジアミン,ジエチルトリレンジアミン,キシリレンジアミン,ジフェニルメタンジアミン,ジフェニルエーテルジアミン,ポリフェニルメタンポリアミンなどの芳香族ポリアミン;およびモノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類などが挙げられる。
【0022】
またポリカルボン酸の具体例としてはコハク酸,アジピン酸などの脂肪族ポリカルボン酸、フタル酸,テレフタル酸,トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
【0023】
上記の活性水素基含有多官能化合物は2種以上使用することもできる。
【0024】
活性水素基含有多官能化合物に付加するアルキレンオキサイドとしては、前記したものと同一のものが挙げられる。
【0025】
アルキレンオキサイドは単独でも2種以上併用してもよく、後者の場合はブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリー型など)でもランダム付加でも両者の混合系でもよい。
これらのうちで好ましいものはEO単独,PO単独,THF単独,POおよびEOの併用,POおよび/またはEOとTHFの併用(併用の場合、ランダム,ブロックおよび両者の混合系)である。
【0026】
活性水素基含有多官能化合物へのアルキレンオキサイドの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒でまたは触媒(アルカリ触媒,アミン系触媒,酸性触媒)の存在下(とくにアルキレンオキサイド付加の後半の段階で)に常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれる。
【0027】
また、ポリエーテルポリオールは、少割合のポリイソシアネート(後掲のもの)と反応させて更に高分子量化したものでもよい(ポリアルキレンエーテルポリオール/ポリイソシアネートの当量比:たとえば通常1.2〜10/1、好ましくは1.5〜2/1 )。
【0028】
ポリエーテルポリオールの当量(水酸基当りの分子量)は、通常100〜10,000、好ましくは250〜5,000、更に好ましくは500〜1,500である。また、該ポリエーテルポリオールの官能価は、通常2〜8、好ましくは2〜3、とくに好ましくは2である。
【0029】
これらポリエーテルポリオール類の内、好ましくは多価アルコール類のアルキレンオキサイド付加物であり、さらに好ましくはポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールである。
【0030】
ポリエステルポリオールとしては、低分子ジオールおよび/または上記ポリエーテルジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオール、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール、低分子ジオールと低級アルコール(メタノールなど)の炭酸ジエステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0031】
上記低分子ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール;環状基を有する低分子ジオール類[たとえば特公昭45−1474号公報記載のもの:ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等]、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、上記の化合物があげられ、1種または2種以上の混合物が挙げられる。
【0032】
また、ジカルボン酸としては脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)、およびこれらの2種以上の混合物があげられ;ラクトンとしてはε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0033】
ポリエステル化は、通常の方法、たとえば低分子ジオールおよび/またはポリエーテルジオールを、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[たとえば無水物(無水マレイン酸、無水フタル酸など)、低級エステル(アジピン酸ジメチル,テレフタル酸ジメチルなど)、ハライド等]と、またはその無水物およびアルキレンオキサイド(たとえばエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド)とを反応(縮合)させる、あるいは開始剤(低分子ジオールおよび/またはポリエーテルジオール)にラクトンを付加させることにより製造することができる。
【0034】
これらのポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリカプロラクトンジオールまたはトリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0035】
シリコンポリオールとしては、特には限定されないが、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
一般式
Figure 0003667480
(式中R5、R6、R8はそれぞれ、水素原子、水酸基、炭素数1〜24の直鎖又は分岐のアルキル基、R7は炭素数1〜24の直鎖又は分岐のアルキル基、Aは炭素数2〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基、p,q,rはそれぞれ1〜100の整数をしめす。)
【0036】
ポリアミンとしては脂肪族ポリアミン類(具体的にはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)芳香族ポリアミン類(フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシレンジアミン、メチレンジアミン、ジフェニルエーテルなど)、脂環式ポリアミン類(イソホロンジアミンおよびその他の脂環式ポリアミン類など)、複素環式ポリアミン類(ピペラジンおよびその他特公昭55−21044号公報に記載の複素環式ポリアミン類など)などが挙げられる。これらポリアミンの内、好ましくは脂肪族ポリアミンである。
【0037】
低分子の活性水素含有化合物としては通常架橋剤、鎖伸長剤と称せられている物で少なくとも2個、このましくは2〜5個の活性水素当量が200未満の化合物が使用できる。その具体例としては、2〜3価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンなど)、アミノアルコール類(ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン)および上記2〜3価のアルコール類、4〜8価のアルコール類(ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビトール、サッカロースなど)、多価フェノール類(ビスフェノールA、ハイドロキノンなど)、上記アミン類、その他のアミン類(アミノエチルピペラジン、アニリン)などに少量のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した当量200未満のポリヒドロキシ化合物および水などをあげることができる。これらの内好ましいのはグリコール類、ジアミン類、水などである。
【0038】
また、低分子の活性水素含有化合物として通常末端封止材と称されるもので、モノアルコール類(ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルなど);アミン類(プチルアミン、ジアリルアミンなど)をあげることができる。これらの内好ましいのはヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシプロピルアクリレートである。
【0039】
上記活性水素含有化合物は単独または2種以上の混合で用いることができる。
【0040】
本発明において、イソシアネート化合物(B)は従来ポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このようなイソシアネート化合物としては、特には限定されないが、炭素数6〜20の芳香族イソシアネート(たとえば、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI〔粗製ジアミノフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物:ジアミノフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)〕など〕:炭素数2〜18の脂肪族イソシアネート(たとえばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなど):炭素数4〜15の脂環式イソシアネート(たとえばイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなど):炭素数8〜15の芳香脂肪族イソシアネート(たとえばキシレンジイソシアネートなど):およびこれらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など):およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0041】
本発明の樹脂を製造するに当たり、化合物(A)の活性水素含有化合物と、化合物(B)のイソシアネート化合物の割合は種々変えることができるが、イソシアネート基と活性水素基との当量比は通常(0.5〜2):1好ましくは(1.05〜1.5):1である。
【0042】
本発明の樹脂の製造法は、公知のポリウレタンの製造の方法で行うことができる。たとえば、化合物(A)、(B)を分割して多段反応させる方法(プレポリマー法)、および化合物(A)、(B)を一括して反応させる方法(ワンショット法)などがあげられるが、好ましくはプレポリマー法である。プレポリマー法の例としては、化合物(A)、(B)をあらかじめ反応させ、低分子ジアミンまたは水などで反応を完結する方法が挙げられる。
【0043】
本発明では、イソシアネート基に対して不活性な溶媒を用いて反応を行うことできる。溶媒としては、アミド系溶媒(N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど):ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)芳香族炭化水素系溶剤(トルエン、キシレンなど):エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフランなど):スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシドなど)およびこれらは、2種類以上の混合溶媒が考えられる。溶媒の量はポリウレタンの量に対して通常0〜400%である。反応温度は通常おだやかな条件、たとえば20〜150℃好ましくは20〜100℃である。また反応時間は通常3〜20時間である。反応圧力も通常常圧下で行われるが、加圧下で行ってもよい。
また反応を促進させるために、通常使用されている触媒たとえばアミン系触媒(トリエチルレンジアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミンなど)錫系触媒(ジブチルチンジラウレートなど)、鉛系触媒(オクチル酸鉛など)などをもちいてもよい。
【0044】
本発明において、ポリウレタンまたはポリウレアの分子量は重量平均分子量で1000以上を示し、好ましくは、5000〜200万、更に好ましくは1万〜100万である
【0045】
本発明で得られたポリウレタンまたはポリウレアは通常の方法(たとえば特公昭42−24192号公報記載の方法)で分散体にすることができる。たとえば、本発明で得られたポリウレタンまたはポリウレアのアセトン溶媒(濃度約60%)に撹拌可に水を加えて、次いで加熱下にアセトンを留去する事により水分散体(濃度約45%)を得ることができる。
【0046】
本発明の毛髪処理剤の使用形態は、通常、泡状、液体状、ぺースト状、固体状、粉末状など特に限定されないが、泡状、液体状及びぺースト状が使いやすい。また、本発明の毛髪処理剤の用途も特に限定されないが、ムース、ミスト、ジェルなどのセット剤、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショニング効果付与剤、染毛剤等に有効である。また、この毛髪処理剤の優れた性質を生かし、従来から使用されている毛髪処理剤の用途にはすべて適用可能である。
【0047】
本発明の毛髪処理剤をムース、ミスト、ジェルなどのセット剤用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤をシャンプー用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤をリンス用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤をトリートメント用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤をコンディショニング効果付与剤用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪処理剤を染毛材用途として使用する場合、処理剤中のポリウレタンまたはポリウレアの含量は通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の毛髪用処理剤には、本発明の効果を妨げない量のアニオン活性剤、非イオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤を併用してもよい。
アニオン活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド2ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0048】
両性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリルジメチルアミンオキシド、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド、ポリオキシエチレン牛脂アルキルヒドロキシミリスチレンエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドの乳酸塩などが挙げられる。
【0049】
また本発明の毛髪処理剤には、乳化安定剤、保湿剤、高分子化合物、シリコン、キレート剤、低級アルコール、香料、着色剤、防腐剤、紫外線吸収剤及び水なども併用することができる。
乳化安定剤として、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコールが挙げられ、保湿剤としてグリセリン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等が挙げられ、高分子化合物として、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、タンパク誘導体等が挙げられ、シリコンとしてジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に各種の有機基を導入した変性シリコン、環状ジメチルシロキサン等が挙げられ、キレート剤として、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム等が挙げられ、低級アルコールとして、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。なお試験法は次の通りである。
【0051】
フレーキング:重合物を、有効成分に換算して、5重量%の水希釈液を畜圧式スプレー器に充填する。つぎに、長さ25cmの毛髪2gにスプレー溶液を10秒間吹きかけ、乾燥後市販の櫛を用いて、毛髪をといたとき脱落した樹脂の量を下記の判定基準で評価する。
判定基準
樹脂の脱落無し : ○
樹脂の脱落少量有り : △
樹脂の脱落多量にあり : ×
洗 浄 性 :前記の条件で処理した髪の毛を、市販のシャンプーの1%溶液で洗浄し、つぎに水で洗浄後乾燥し、髪の毛上の樹脂の洗浄度を見て下 記の判定基準で評価する。
判定基準
樹脂の残留無し : ○
樹脂の残留少量あり : △
樹脂の残留多量にあり : ×
【0052】
官能評価:パネラー10人が前記のスプレー溶液を実使用試験して、ゴアツキ感、ベトツキ感、ブロッキング感、セット力について下記の判定基準で評価する。
判定基準
ゴアツキ感
7人以上がゴアツキ感が無いと判断 : ○
3人以上6人以下がゴアツキ感が無いと判断 : △
7人以上がゴアツキ感があると判断 : ×
ベトツキ感
7人以上がベトツキ感が無いと判断 : ○
3人以上6人以下がベトツキ感が無いと判断 : △
7人以上がベトツキ感があると判断 : ×
ブロッキング感
7人以上がブロッキング感が無い判断 : ○
3人以上6人以下がブロッキング感が無い判断 : △
7人以上がブロッキング感があると判断 : ×
セット力
7人以上がセット力があると判断 : ○
3人以上6人以下がセット力があると判断 : △
7人以上がセット力が無いと判断 : ×
【0053】
実施例1
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000の1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール230.0部、1,4−ブタンジオール6.3部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩5.0部、イソホロンジイソシアネート60.0部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度350cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。
得られた樹脂のスルホン酸塩含量は0.07meq/gであった。
【0054】
実施例2
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリテトラメチレングリコール230.0部、1,4−ブタンジオール6.3部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩5.0部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート58.0部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液を30℃に冷却して、水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度450cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂のスルホン酸塩含量は0.07meq/gであった。
【0055】
実施例3
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩155.0部、ヘキサメチレンジイソシアネート140.0部、1,4−ブタンジオール5.0部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度1500cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂のスルホン酸塩含量は2.19meq/gであった。
【0056】
実施例4
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリプロピレングリコール106.0部、分子量約2000の1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール110.0部、1,4−ブタンジオール10.0部、ヘキサメチレンジイソシアネート60.0部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸10.0部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液に無水エタノールを30.0部を加え、さらに4時間50℃で反応を行った。得られたアセトン溶液に、ジメチルアミノエタノールを4.2部加え、45〜55℃で中和した。得られた中和物を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分30%、粘度180cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂のスルホン酸塩含量は0.16meq/gであった。
【0057】
実施例5
温度計及び撹拌機を付けた密閉反応器に、分子量約2000のポリテトラメチレングリコール230.0部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ジメチルステアリルアミン5.0部、イソホロンジイソシアネート58.0部及びアセトン122部を仕込み反応系を窒素ガスで置換した後、撹拌下80℃で5時間反応した。得られたアセトン溶液を30℃に冷却して水700部を加えて、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、固形分31%、粘度250cpsのウレタン樹脂水分散溶液を1000部を得た。得られた樹脂のスルホン酸塩含量は0.03meq/gであった。
【0058】
比較例1
実施例1の3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩の代わりにジメチロールプロピオン酸ナトリウム塩3.5部を用いる他は実施例1と同様に操作した。この分散体の固形分は40%粘度260psであった。
【0059】
比較例2
実施例2の3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩の代わりにジメチロールプロピオン酸ナトリウム塩3.5部を用いる他は実施例2と同様に操作した。このポリウレタン溶液は固形分30%粘度370psであった。
【0060】
実施例1〜5及び比較例1〜2の評価について表1にまとめる。
【0061】
【表1】
Figure 0003667480
【0062】
実施例1〜5及び比較例1〜2の酸価の経日変化について表2にまとめる。
【0063】
【表2】
Figure 0003667480
【0064】
表1の結果から、本発明の実施例1〜4で得られた毛髪処理剤は、いずれもセット力、ブロッキング感、ベタツキ感、ゴアツキ感、洗浄性および耐フレーキングに優れていることがわかる。また、従来用いられているカルボキシル官能基含有化合物と比べて、溶液安定性、使用感などで優れていることがわかる。
表2より、実施例1〜4で得られた毛髪処理剤は、比較例1〜2に比べて酸価の変化が少ないことがわかる。これは、水溶液または水分散系で、本発明品が安定性に優れていることを示している。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、従来用いられているカルボキシル官能基するポリウレタン樹脂に比べ、水溶液または水分散液の状態にした場合、安定性がよい特長を持つ。さらに本発明で得られた毛髪処理剤は毛髪に使用した際に、高温高湿度下でセットが崩れない、自然感を損なわない、髪の毛上からの洗浄除去性がよい、樹脂被膜が持つゴム弾性によるセット回復力、維持力に優れるなどの特長も兼ね備えている。

Claims (3)

  1. 活性水素含有化合物(A)とイソシアネート化合物(B)から誘導されてなるポリウレタンまたはポリウレアからなり、(A)の少なくとも一部として、スルファミン酸、アミノエチルスルホン酸、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、前記化合物のアルキレンオキサイド付加物又はそれらの塩(a)を用いることを特徴とする毛髪処理剤。
  2. ポリウレタンまたはポリウレア中のスルホン酸(塩)基の含量が0.01〜3meq/gである請求項1記載の毛髪処理剤。
  3. (a)が、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸もしくはその塩である請求項1または2記載の毛髪処理剤。
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