JP3667479B2 - 遮断弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばガスメータに内蔵され、電子回路からの信号を受けてガス通路等を遮断(閉弁)・復帰(開弁)する遮断弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、実用化されているマイコンガスメータは、ガスの使用量の計量・積算とともに、ガスの流量を監視して、通常の使用状態と違う大量のガスが流れたり、ガスが長時間継続して流れたり、地震発生等の異常発生時において、マイコンが異常状態と判定し、遮断弁に電流を流してガスの供給を停止し、事故を事前に防止するシステムとなっている。遮断弁の復帰操作は、安全が確認された後に機構式復帰ボタンを押して復帰するようになっている。さらに、近年では、復帰操作を遠隔操作できるよう双方向に駆動できる遮断弁が開発されている。その中には、ガス圧の影響を軽減して主弁を開けるため、小さな副弁を先に開けてガス圧を2次側に逃がし、差圧を小さくしてから主弁を開くという構造の、いわゆる複弁構造を備えたものがある。
【0003】
図18乃至図22は、このような複弁構造の従来のガスメータの構造例を示している。図18の全体斜視図及び図19の主要部分の水平方向断面図に示すように、ガスメータは、ガス使用量を測定する計量部50、その計量値を表示する表示部51、何らかの異常発生時にガス供給を止める遮断弁52、ガス漏洩等を検知するための圧力センサ53、遮断弁52及び圧力センサ53を制御するコントローラ54、上記各ユニットを収納する上ケース55、上ケース収納部56を覆う上ケースカバー57等で構成されている。遮断弁52は、ガスケット58を介して上ケース55にネジ止め固定されている。図20は遮断弁52の縦方向断面図、図21はその分解斜視図であり、コイル59がバイパスプレート60とマグネット61を挟み込むように、ヨーク62とフランジ63をかしめ等の手段で結合することにより固定されている。ヨーク62の端部中央62aには、プランジャ64を吸着するために、当接部65aが円錐状に形成され、外周には刷り割り溝65bが形成された吸引片65が固定されている。パイプ状のプランジャガイド66が、フランジ63の部分にOリング67,68を介して取り付けられており、プランジャ64はプランジャガイド66内に摺動自在に設けられている。プランジャ64の先端段部64aには主ばね受け69が設けられ、フランジ63との間に圧縮ばね70が弾設されている。またプランジャ端部穴64bにロッド74が圧入固定され、主ばね受け端面69aに当接する副弁部71とメータ側の主弁座80に対向する主弁部72を備えた弁体73が、弁体ホルダ75における貫通孔75aの部分でロッド74に摺動自在に装着されている。弁体ホルダ75における貫通孔75aの周囲には、副流路となる複数個の長孔75bが穿設されている。ロッド先端段部74aにプッシュナット77で位置規制された副ばね受け78と弁体ホルダ75との間に、圧縮ばね70より力の弱い副圧縮ばね76が弾設されている。
【0004】
そして、マイコンで異常と判定された場合、コイル59に電流を流すと、プランジャ64の保持が解除され、プランジャ64が圧縮ばね70の遮断時ばね力70aによって押され、これに連動して主弁部72が主弁座80に押し付けられることにより遮断状態になり、ガスの供給を止めることができる(図22(a))。遠隔操作で復帰させる場合は、コイル59に遮断時とは逆向きの電流を流すことになり、プランジャ64自身は1次側のガス圧の影響が少ないため圧縮ばね70の力より強い電磁力であれば復帰できるが、弁体73はガス圧を全体で受けているため、そのままの状態を維持していることになる(図22(b))。この状態で、主ばね受け端面69aと副弁部71が分離されている状態を維持することによって、ガスが副流路79を通って2次側の圧力を上昇させるため、時間経過に伴って弁体73に加わる圧力の影響が少なくなり、副圧縮ばね76のばね力76aによって主弁部72が主弁座80から離脱し、ガスの流路82を復帰させることができる(図22(c))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の遮断弁にあっては、遮断時間が長くなるとガス圧によって主弁部72が主弁座80側に圧迫され続けるため、強い密着状態が生じる。この場合、副弁部71が復帰して、ガスが副流路79から流れ続けると、ガス圧が弁体73に加える力が維持されるとともに、主弁部72当接部の密着力も維持するため、副圧縮ばね76で弁体73を復帰する時間が長くなるか、弁体73を復帰できなくなる場合が生じる。また、主ばね受け端面69aと副弁部71との密着は、圧縮ばね70と副圧縮ばね76とガス圧の力が合わさったものが働いており、規定パルス幅の電池電圧印加で密着の影響を断ち切るには時間が短く、副弁部71を復帰させることができない場合が生じる。したがって、耐用年数間際や低温時においては駆動用電池の電圧が低下しているため、通常の作動電圧では復帰できないか、プランジャ64はラッチするが主弁部72が主弁座80から離れないので、十分なガス量が流せなくなる恐れがあった。また、コイル59の巻数を上げて電磁力を強くして駆動させようとすると、コイル59が大型になり、所定の取り付けスペースに入らなくなることがある。さらに、コイル59の抵抗値を下げて電流を多く流して電磁力を高くすると消費電力が増えて電池駆動では耐久性を満足できず、電池を他のものに代えるとコストや取り付けスペースに問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、遮断状態が長くなった場合や、高温時の遮断状態などにより、弁体と弁座間に強い密着状態が生じた場合においても、小電力で確実に復帰動作させることができる信頼性の高い遮断弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、弁座と、遮断時に該弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、該プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ、遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点となるV字先端が前記弁体に接触し、作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させるV字形の板ばねとを有することを要旨とする。この構成により、復帰時のプランジャの動きに連動したV字形板ばねの梃子作用により作用点となる他端に集中的に加わる力で、こじ開けられるようにして他端近傍における弁体の当接状態が初期解離する。このあと、初期解離部分からガス等の流体が弁体の2次側に流れ込み、2次側の圧力が上昇して弁体に加わる流体の圧力が軽減した時点でプランジャの動作及びV字形板ばねの反発力で弁体が完全に復帰(開弁)する。
【0008】
請求項2記載の発明は、弁座と、該弁座側の中央部に円形凹部が形成され遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ、遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点部が前記円形凹部のコーナ部に接触し、作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを有することを要旨とする。この構成により、復帰時のプランジャの動きに連動した平形板ばねの梃子作用で、上記請求項1記載の発明の作用と略同様の作用が得られる。
【0009】
請求項3記載の発明は、弁座と、該弁座側の面に環状突起が形成され遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ、遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点部が前記環状突起に接触し、作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを有することを要旨とする。この構成により、復帰時のプランジャの動きに連動した平形板ばねの梃子作用で、上記請求項1記載の発明の作用と略同様の作用が得られる。
【0010】
請求項4記載の発明は、弁座と、遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、突起を備え前記弁体における前記弁座側の面を径方向に移動可能に設けられた調整片と、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ、遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点となる部分が前記突起に接触し、作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを有することを要旨とする。この構成により、調整片を移動調整することで、支点の位置が移動し、梃子の腕の長さが可変されて作用点の解離力を十分高くするように調整することが可能となる。
【0011】
請求項5記載の発明は、上記請求項1,2又は3記載の遮断弁において、前記プランジャの先端部に、少なくとも2個の前記板ばねを相互間に任意の取付け角度をおいて取付けてなることを要旨とする。この構成により、板ばねの個数が例えば第1、第2の2個の場合、第1の板ばねに対し、第2の板ばねはその板厚分だけたわみ量が小さくなる。このため、まず第1の板ばねの梃子作用で或る一点における弁体の当接状態が初期解離されたあと、これを補助するように、ある時間差をおいて第2の板ばねの梃子作用で他の点における弁体の当接状態が解離される。したがって、より一層容易に弁体の復帰(開弁)動作を行わせることが可能となる。また、取付け角度によって復帰動作の微調整が可能となる。
【0012】
請求項6記載の発明は、上記請求項1乃至5の何れかに記載の遮断弁において、前記板ばねの他端を、折り返し先端が前記支点よりも前記力点側寄りに位置するようにカール状に折り返してなることを要旨とする。この構成により、梃子に相当する板ばねの他端側の剛性が上がり、作用する解離力を増大させることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1乃至図4は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。なお、図1乃至図4及び後述の各実施の形態を示す図において、前記図20乃至図22における部材及び部位と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。まず、図1及び図2を用いて、本実施の形態の遮断弁の構成を説明する。本実施の形態では、プランジャ端部穴64bにロッド1が圧入固定され、主ばね受け端面69aに当接する副弁部3とメータ側の主弁座8に対向する主弁部4を備えた弁体5が、弁体ホルダ2における貫通孔2aの部分でロッド1に摺動自在に装着されている。弁体ホルダ2における貫通孔2aの周囲には、副流路となる複数個の長孔2bが穿設されている。ロッド先端段部1aには、V字形の板ばね6が、その一端に形成されたプッシュナット状の一部切れ込みの入った圧入孔6bの部分で圧入固定されている。板ばね6は、その他端に先端カール部6aが形成され、V字先端7の部分で弁体ホルダ2に接している。この板ばね6の弾力により、弁体5はプランジャ64側に押圧されている。
【0015】
次に、上述のように構成された遮断弁の作用を、図3の(a),(b)及び図4の(a),(b)を用いて説明する。図3(a)は遮断状態、図3(b)は同図(a)の状態からプランジャが僅かに復帰方向へ移動した状態、図4(a)は図3(b)に対し、さらにプランジャが移動した状態、図4(b)は完全に復帰した状態をそれぞれ示している。通常はガス流通状態にあるため、図1及び図4(b)に示すように、プランジャ64は圧縮ばね70の反発力70aよりマグネット61の吸引力61aが強いため、吸引片65に吸着保持されている状態にある。板ばね6は、V字先端7で弁体ホルダ2を押圧する形となっており、板ばね6のばね力13によって副弁部3を主ばね受け端面69aに押し付け、主流路11が確保されてガスが供給されることになる。板ばね6のばね力13によって押し付けられた弁体5は、弁体ホルダ2の貫通孔2aをロッド1に対するガイドとして弁の姿勢を維持している。
【0016】
異常発生時は、マイコンからの信号で図示省略の電池からコイル59に電流を流すと、コイル59に発生する電磁力と圧縮ばね70の反発力70aによってマグネット61の保持力が打ち消され、プランジャ64が押し出される。そして、これに連動して、圧縮ばね70のばね力70bによって主ばね受け69が主弁部4を主弁座8に押し付けることになる。この状態は、主ばね受け端面69aと副弁部3によって副流路12が塞がれ、主弁部4と主弁座8によって主流路11が塞がれることになり、ガス流路が完全に遮断されてガス供給が停止した状態になる(図3(a))。このあと、安全確認が完了し、遠隔操作で復帰動作を行う場合は、コイル59に遮断時とは逆向きの電流が流され、プランジャ64は、圧縮ばね70のばね力70bと板ばね6のばね力13を合わせた力より大きな電磁力で駆動される。図3(b)の状態では、主ばね受け端面69aと副弁部3が離れ、副流路12を通じて2次側へガスが流出していく。また、板ばね6は弁体ホルダ2の接触部14を支点として、その先端カール部6aが主弁座8を押す剥離力Fとして働くことになる。主弁座8の当接部に生じた密着力を単位面積当たりの引き離す分布荷重fとし、これに対し、集中荷重となる剥離力Fの方が大きいため、先端カール部6aが作用した部分が主弁座8より離れる(図4(a))。一部の密着力が排除された主弁部4は、その周囲の密着部も作用点の反対側を支点とした梃子の原理及び剥離した部分から流量が流れることによる剥離部の拡大によって主弁座8に対する密着力が排除できる。その後は、2次側の圧力が上昇し主弁部4に加わる圧力の影響が軽減された時点で、板ばね6の反発力Rによって弁体5が復帰でき、主流路11は再びガスが流通されることになる。
【0017】
上述したように、本実施の形態によれば、従来のコイルをそのまま使って電磁力を上げることなく、板ばね6による梃子の原理を利用して、小さな力で主弁部4の外周の一部分に剥離力Fを集中させ、こじ開ける要領で主弁部4の密着の影響を取り除き、主弁部4を確実に復帰させることができる。また、弁体5をプランジャ64側に押し付ける力が、従来の副圧縮ばねの力より弱いため、主ばね受け端面69aと副弁部3の密着力を弱めることができ、従来の規定パルス幅の電池電圧印加で確実に副弁部3を復帰させることができる。さらに、コイル59の巻数を増やしたり、電流を多く流すといった変更を行う必要がなく、逆に従来の構成部品である副圧縮ばねや副ばね受け、プッシュナット等の代わりに、圧入穴6bをプッシュナットと同様の効果を持たせた板ばね6を用いることにより、部品点数を減らすとともに、組立性を改善することができる。ロッド1も従来のものがそのまま使用可能で、従来品との互換性を持たせることができる。さらにはまた、前記の効果を使って、より低消費電力で駆動することができる遮断弁とすることができる。
【0018】
図5乃至図7には、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、板ばねを平形にしたものである。プランジャ端部穴64bにロッド25が圧入固定されている。弁体ホルダ20は、中央部が円形凹部21になっており、その底面部には、ロッド25に対して摺動自在な貫通孔21aと、その周囲に副弁部22の内径より小さい副流路となる複数個の通気孔21bが穿設されている。弁体23は、円形凹部21が嵌まり込む形で取り付けられている。一方、平形の板ばね24が、先端部24bの部分が弁体ホルダの上面20aと同じ位置になるように、プッシュナット状に一部切れ込みの入った圧入孔24aの部分でロッド先端段部25aに圧入固定されている。
【0019】
次に、本実施の形態の遮断弁の作用を、図6の(a),(b)及び図7の(a),(b)を用いて説明する。図6(a)は遮断状態、図6(b)は同図(a)の状態からプランジャが僅かに移動した状態、図7(a)は図6(b)に対し、さらにプランジャが移動した状態、図7(b)は完全に復帰した状態をそれぞれ示している。復帰動作の場合、コイル59に遮断時とは逆向きの電流が流され、プランジャ64は、圧縮ばね70のばね力と板ばね24のばね力を合わせた力より大きな電磁力で駆動される。図6(b)の状態では、主ばね受け端面69aと副弁部3が離れ、副流路12を通じて2次側へガスが流出していく。また、板ばね24は弁体ホルダ20の円形凹部21のコーナ部分20bを支点として、その先端部24bが主弁座8を押す剥離力F1 として働くことになる。一部の密着力が排除された主弁部4は、その周囲の密着部も作用点の反対側を支点とした梃子の原理及び剥離した部分から流量が流れることによる剥離部の拡大によって主弁座8に対する密着力が排除できる(図7(a))。その後は、2次側の圧力が上昇し主弁部4に加わる圧力の影響が軽減された時点で、板ばね24の反発力R1 によって弁体23が復帰でき、主流路11は再びガスが流通されることになる(図7(b))。この場合、板ばね24が平形であることで加工が比較的簡単に製作できる利点がある。また、組立ても板ばね24を圧入するだけで前記第1の実施の形態と同様の構造にでき、ほぼ同様の効果が得られるものである。
【0020】
図8及び図9には、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態は、基本的な部品は従来のものと同様のものを利用し、板ばね24は上記第2の実施の形態と同様の加工しやすい平形のものにしたものである。本実施の形態の構成は、前記図2及び図5に示したものと基本的には同じであり、弁体ホルダ30の上面30aに環状突起31を設けることにより、この環状突起31部分を支点にして、図9(b)に示すように、板ばねの先端部24bが主弁座8を押す剥離力F2 が働くことになる。以下は、上記第2の実施の形態の場合とほぼ同様である。この場合、従来の弁体ホルダに対し、環状突起31を形成するように型改造するだけでよく、従来構造方式のものと部品の互換性がある。
【0021】
図10乃至図12には、本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態は、図10に示すように、ロッド先端段部1aに、前記第1の実施の形態と同じV字形の第1、第2の2枚の板ばね40,41を任意の取付け角度θで取り付けたものである。同一形状の板ばねを使用しているため、第1の板ばね40に対し、第2の板ばね41はその板厚分だけたわみ変形量が小さく、先端部41aの主弁座8とのギャップδが僅かに大きくなっている。始めに第1の板ばね40が梃子の原理で剥離力F3 を作用させた後、ギャップδの差分遅れて第2の板ばね41が、同様の原理で剥離力F4 を発生できる。したがって、第2の板ばね41の剥離力F4 が補助する形となって復帰動作を始めることになり、取付け角度θによって復帰動作の微調整を行うこともできる。また、第1、第2の板ばね40,41の反発力R3 ,R4 によって弁体5には比較的均等に姿勢保持力が働いているため、ロッド1に対して主弁部4が傾く姿勢となって生じる摩擦の影響も軽減できる。なお、板ばねは、V字形のものに限らず平形のものを適用することもでき、また板ばねの個数は2個以上としてもよい。
【0022】
図13乃至図15には、本発明の第5の実施の形態を示す。本実施の形態は、前記第2の実施の形態の構造(図5)において、板ばね45の先端部45aの折り曲げ長さLを、支点である円形凹部21のコーナ部分20bよりも僅かに中心寄りに長くしたものである(L>l)。このような構成とすることで、梃子に相当する先端部45aの剛性が上り、作用する剥離力F5 が増大して、より確実に剥離効果が得られる。なお、板ばねは、平形のものに限らず、V字形のものにも適用することができる。
【0023】
図16及び図17には、本発明の第6の実施の形態を示す。本実施の形態は、前記図8(第3の実施の形態)に示した弁体ホルダ30上面の環状突起31に代えて、支点の位置を任意位置に調整可能な調整片47を用いたものである。板ばね24をロッド先端段部25aに圧入する際、同時に調整片47を取り付けることによって、適度な緊締力で調整片47が押さえられている。調整片47には、支点となる突起48とロッド25をガイドに摺動可能なスライド長孔49が設けられている。十分な板ばね24の剥離力が得られなかった場合など、調整片47を調整することで支点の位置を移動し、梃子の腕の長さを変えることによって、作用する剥離力の調整が可能となる。調整片47は常時板ばね24で押さえられているため、弁体5の動作で調整位置がずれることもない。また、突起48の上に、板ばね24の左右の振れを押さえるとともに弾力により突部48aの軽い力で保持しているため、弁体5がロッド25を軸に回転したとしても、調整片47は、板ばね24と一体であるため、弁体5の回転移動に左右されることもない。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、先端側が弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、該プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ、遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点となるV字先端が前記弁体に接触し、作用点となる他端が弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させるV字形の板ばねとを具備させたため、初期解離部分からガス等の流体が弁体の2次側に流れ込み、2次側の圧力が上昇して弁体に加わる流体の圧力が軽減した時点でプランジャの動作及びV字形板ばねの反発力で弁体が完全に復帰するので、遮断状態が長くなった場合や、高温時の遮断状態などにより弁体と弁座間に強い密着状態が生じた場合においても、小電力で確実に復帰動作させることができ、信頼性の高い遮断弁を実現することができる。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、弁座と、該弁座側の中央部に円形凹部が形成され遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ、遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点部が前記円形凹部のコーナ部に接触し、作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを具備させたため、上記請求項1記載の発明の効果と略同様の効果に加えてさらに、板ばねが平形であることで、加工が簡単で容易に製作することができるという利点がある。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、弁座と、該弁座側の面に環状突起が形成され遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ、遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点部が前記環状突起に接触し、作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを具備させたため、上記請求項2記載の発明の効果と略同様の効果がある。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、弁座と、遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、突起を備え前記弁体における前記弁座側の面を径方向に移動可能に設けられた調整片と、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ、遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点となる部分が前記突起に接触し、作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを具備させたため、梃子の腕の長さが可変されて作用点の解離力を十分高くするように調整することができるので、一層小電力で確実に復帰動作させることができる。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、前記プランジャの先端部に、少なくとも2個の前記板ばねを相互間に任意の取付け角度をおいて取付けたため、板ばねの個数が例えば第1、第2の2個の場合、第1の板ばねに対し、第2の板ばねはその板厚分だけたわみ量が小さくなる。したがって、或る一点における弁体の当接状態が初期解離されたあと、これを補助するように、ある時間差をおいて他の点における弁体の当接状態が解離されるので、より一層容易、確実に復帰動作させることができる。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、前記板ばねの他端を、折り返し先端が前記支点よりも前記力点側寄りに位置するようにカール状に折り返したため、梃子に相当する板ばねの他端側の剛性が上がり、作用する解離力が増大して、より一層確実に復帰動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遮断弁の第1の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】上記第1の実施の形態の分解斜視図である。
【図3】上記第1の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図4】図3に続く上記第1の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の分解斜視図である。
【図6】上記第2の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図7】図6に続く上記第2の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の分解斜視図である。
【図9】上記第3の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態の分解斜視図である。
【図11】上記第4の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図12】図11に続く上記第4の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態の分解斜視図である。
【図14】上記第5の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図15】図14に続く上記第5の実施の形態の作用を説明するための図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態の分解斜視図である。
【図17】上記第6の実施の形態の要部を拡大して示す図である。
【図18】従来のガスメータの外観斜視図である。
【図19】上記ガスメータの主要部分の横断面図である。
【図20】従来の遮断弁の縦断面図である。
【図21】上記従来の遮断弁の分解斜視図である。
【図22】上記従来の遮断弁の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1,25 ロッド
2,20,30 弁体ホルダ
2a,21a 貫通孔
3,22 副弁部
4 主弁部
5,23 弁体
6,40,41 V字形の板ばね
6a 先端カール部
7 V字先端
8 主弁座
11 主流路
12 副流路
20b コーナ部
21 円形凹部
24,45 平形の板ばね
24b,41a,45a 板ばねの先端部
31 環状突起
47 調整片
48 突起
59 コイル
64 プランジャ
66 プランジャガイド
Claims (6)
- 弁座と、遮断時に該弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、該プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点となるV字先端が前記弁体に接触し作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させるV字形の板ばねとを有することを特徴とする遮断弁。
- 弁座と、該弁座側の中央部に円形凹部が形成され遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点部が前記円形凹部のコーナ部に接触し作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し、梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを有することを特徴とする遮断弁。
- 弁座と、該弁座側の面に環状突起が形成され遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点部が前記環状突起に接触し作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを有することを特徴とする遮断弁。
- 弁座と、遮断時に前記弁座に当接する弁体と、先端側が前記弁体に摺動自在に挿通され当該弁体を駆動するプランジャと、突起を備え前記弁体における前記弁座側の面を径方向に移動可能に設けられた調整片と、前記プランジャの先端部に力点となる一端が取付けられ遮断状態から前記プランジャによる前記弁体の復帰方向への駆動時に支点となる部分が前記突起に接触し作用点となる他端が前記弁座に弾力的に接触し梃子作用により少なくとも前記他端近傍における前記弁体の当接状態を初期解離させる平形の板ばねとを有することを特徴とする遮断弁。
- 前記プランジャの先端部に、少なくとも2個の前記板ばねを相互間に任意の取付け角度をおいて取付けてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載の遮断弁。
- 前記板ばねの他端を、折り返し先端が前記支点よりも前記力点側寄りに位置するようにカール状に折り返してなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の遮断弁。
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