JP3666894B2 - 圧縮機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は冷凍冷蔵装置や空調機等に用いられる圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷凍冷蔵装置や空調機の圧縮機は高性能化や高能力化に伴い使用条件が厳しくなっており、耐久性の向上が望まれている。
【0003】
一方、オゾン層破壊等の環境問題のために従来使用していた分子内に塩素を含む冷媒ジフルオロジクロロメタン(以下R12と称する)やジフルオロクロロメタン(以下R22と称する)等から分子内に塩素を含まない冷媒1、1、1、2テトラフルオロエタン(以下R134aと称する)への検討が進められている。ところが、分子内に塩素を含まない前記R134aは潤滑性能が悪く圧縮機の摺動材の特性を向上する必要がある。
【0004】
ここで、図面を参照しながら従来の冷媒R12用圧縮機およびその摺動材の一例について説明する。図3に従来の圧縮機の断面図を示す。1は圧縮機である。2はシャフト、3はローラ、4はシリンダ、5はベーンである。モータ(図示せず)により回転するシャフト2の偏芯部に取り付けられたローラ3がシリンダ4の内周及びベーン5の先端と接しながら回転しシリンダ4内のガスを圧縮する。このとき、ベーン5はシリンダ4の溝内を往復運動する。
【0005】
そして、これら摺動部の中で最も厳しい摺動条件となるベーン5とローラ3の接触部の耐久性を維持するため、ベーン5は高速度工具鋼、ローラ3は鋳鉄により形成していた。図4にベーン断面図を示す。図4に示すようにベーン5はその先端部及び側面に差はなく均質の材料からなる。また、シリンダ4は低硬度であり加工性に優れた鋳鉄により形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の摺動材仕様では、圧縮機の高性能化に伴う負荷の増大や潤滑性の低い冷媒R134aの使用により、ベーン先端部と相手材であるローラ外周部に凝着摩耗が発生し圧縮機の耐久性が維持できない問題があった。
【0007】
そこで、圧縮機の高性能化に伴う負荷の増大や潤滑性の低いR134aの使用に対応する圧縮機の摺動材仕様が望まれていた。
【0008】
ベーン先端部の凝着摩耗を回避する手段として例えば、特開昭59−128992号公報にベーン先端部にセラミックコーティングを施すという方法が提案されている。特に凝着摩耗を回避するためにはこのような融点の高い非鉄系の材料が有効であるが以下の問題がありベーンへの適用は困難であった。
【0009】
ベーン全体あるいは溶射等の方法でベーンの一部をセラミック材料で形成する場合は、セラミック部分の精密仕上げ加工に大幅な時間がかかることから量産に適さない問題がある。一方、鉄系材料を母材としてCVD法によりセラミック材料を化学蒸着させる場合は被膜厚さが精密に制御できるため後加工が不要となるが、母材との硬度差が大きくまた密着性が悪いためにベーン先端部にように局所的に大きな過重が加わる条件ではセラミック被膜の割れや剥離が発生しやすい問題がある。
【0010】
本発明は上記課題に鑑み、負荷の厳しい圧縮機や冷媒R134aを使用する圧縮機に対してベーンとローラの凝着摩耗を回避するとともにベーン、ローラ、シリンダ溝の摩耗量を抑制する摺動材仕様を提案し圧縮機の耐久性を向上させるものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の圧縮機は、圧縮機の構成要素としてシャフトと、前記シャフトの偏芯部に取り付けられたローラと、前記ローラピストンを収納するシリンダと、前記シリンダ溝内に収容されかつその先端部が前記ローラの外周と摺接するベーンとを備えてなり、前記ベーンは鉄系の基材からなり、化合物層を生成させない窒化処理法によって拡散層のみを生成させた後、前記拡散層の表面の少なくともローラ摺接面にセラミックコーティングを施してなるものである。
【0012】
【作用】
本発明は上記した構成によって、セラミックコーティング層とその下の窒化処理層からなる複合硬化被膜により強化されたベーンとローラを摺接させることにより、ベーン、ローラの摩耗を防止し圧縮機の耐久性を向上させるものである。
【0013】
【実施例】
以下、本発明による回転式圧縮機の一実施例について図1から図2を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して説明し、構成・動作の同じところは省略する。
【0014】
図1〜図2において、1は圧縮機である。2はシャフト、3はローラ、4はシリンダ、5はベーンである。ベーン5は精密仕上げ加工した後、短時間塩浴窒化処理あるいは低濃度窒素ガス雰囲気でのイオン窒化処理により最表面に20μm以上の深さでFe4Nの点在する窒化の拡散層7aを生成させ、さらにその表面に化学蒸着法(CVD法)あるいは物理蒸着法(PVD法)等により窒化チタンあるいは炭化チタンあるいは窒化クロム等のセラミックコーティング層7bが生成されている。
【0015】
以上のように本実施例によれば、窒化チタン等のセラミックコーティング層の下に母材との密着性に優れかつ硬度の高い拡散層からなる窒化処理層を形成した複合硬化被膜により、凝着摩耗を防止し圧縮機の耐久性を向上させることができる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように本発明は、窒化の拡散層の上にセラミックコーティング層を生成させた複合硬化被膜により強化されたベーンにより、負荷の厳しい圧縮機や従来よりも潤滑性の劣るR134aを使用する圧縮機に対してベーンとローラの凝着摩耗を回避するとともにベーン、ローラ、シリンダ溝の摩耗量を抑制することができ、圧縮機の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における圧縮機の断面図
【図2】本発明の実施例におけるベーンの断面図
【図3】従来例における圧縮機の断面図
【図4】従来例におけるベーンの断面図
【符号の説明】
2 シャフト
4 シリンダ
6 ローラ
7 ベーン
7a 拡散層
7b セラミックコーティング
Claims (1)
- 圧縮機の構成要素としてシャフトと、前記シャフトの偏芯部に取り付けられたローラと、前記ローラピストンを収納するシリンダと、前記シリンダ溝内に収容されかつその先端部が前記ローラの外周と摺接するベーンとを備えてなり、前記ベーンは鉄系の基材からなり、Fe−N(−C)を主成分とする化合物層を生成させない窒化処理法によってFe4Nが基材中に点在する拡散層のみを生成させた後、前記拡散層の表面の、少なくともローラの摺接面にセラミックコーティングを施してなる圧縮機。
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JP31964993A JP3666894B2 (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31964993A JP3666894B2 (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | 圧縮機 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP31964993A Expired - Fee Related JP3666894B2 (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | 圧縮機 |
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Cited By (1)
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JP2013155749A (ja) * | 2013-05-20 | 2013-08-15 | Mitsubishi Electric Corp | 回転式圧縮機 |
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DE19626515A1 (de) * | 1996-07-02 | 1998-01-08 | Ghh Borsig Turbomaschinen Gmbh | Sperrflüssigkeitsabdichtung eines ölfreien Schraubenverdichters |
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1993
- 1993-12-20 JP JP31964993A patent/JP3666894B2/ja not_active Expired - Fee Related
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