JP3666193B2 - 光ディスク再生装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光ディスクや光カード等の、光学的特徴によって情報を記録する情報記録媒体に関し、特に、情報記録媒体の不法なコピーを抑止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学的特徴を与えることにより情報を記録する情報記録媒体の代表的なものの一つとして、光ディスクの一種であるCD−ROM(compact discread only memory)を挙げることができる。
【0003】
CD−ROMの多くは、データを一定の間隔のピットを用いて記録するCLV(constant line velocity)方式を採用している。このCLV方式は、常にCD−ROMの中心に対する角が一定となるように、その径方向位置に応じて定めた間隔のピットを用いて記録したCAV(constant angular velocity)方式よりも、CD−ROMのデータ容量を大きくすることができる。また、CLV方式およびCAV方式によらず、CD−ROMでは、フレームを記録の単位にしている。図18に示すように、フレーム1は、固定長のデータと、先頭に付加された同期信号2より構成される。
【0004】
なお、一つの光ディスク上にCLV方式とCAV方式を混在させることも可能である。
【0005】
たとえば、実公平5−44927号公報記載の技術では、光ディスクに、CLV方式による記録領域と、CAV方式による記録領域を設け、このCAV方式による記録領域に静止画データ等を記録している。また、特公平5−33470号公報記載の技術では、CLV方式による記録領域とCAV方式による記録領域を設けると共に、各記録領域の位置をアドレス情報として別途記録している。そして、このアドレス情報を、CLV方式による記録領域とCAV方式による記録領域との間の、ディスクモータの回転制御の切り替えに用いている。
【0006】
さて、CD−ROMは、現在、各種ソフトウェアや文書データやイメージデータの記録等、広くデジタルデータの記録に用いられている。
【0007】
CD−ROMに記録される、このような各種ソフトウェアや文書データ等は、通常、著作権の保護下にあるが、従来、CD−ROMの不法なコピー版の製作、販売が後を断たなかった。
【0008】
特に、ゲーム用ソフトウェァや、単行本、辞書等の電子出版物の分野では、不法なコピー版の製作が組織的に行なわれることが多く、正常な商取引を阻害する要因となっていた。
【0009】
このようなCD−ROM等の光ディスクのコピー版の製作は、光ディスクの情報記録面に記録されたピット配列の形状をプラスチック材等を用いて型取りし、この方を用いて不法なコピー版の光ディスクの原盤を製作することにより行なうことができる。しかし、この型取りする技術では、光ディスクの保護膜を除去してピット配列面を露出して型を取る必要があるために、保護膜を除去する過程でピットの形状が損なわれ、正確なコピー版を製作できないことが多い。特に、強固な保護膜を備えた光ディスクのコピー版の製作は極めて困難である。
【0010】
そこで、通常は、正規の光ディスクのデータを読み取り、読み取ったデータを用いて、正規の光ディスクを製作する場合と同様にコピー版の光ディスクの原盤を製作することが行なわれている。
【0011】
一方、このようなコピー版の光ディスクの製造の防止のために、従来は、光ディスクの表面に、著作権を文字、図形等の刻印、印刷により表示している。
【0012】
また、コピー版の光ディスクを判別する従来の技術としては、たとえば、次のような技術が知られている。
【0013】
すなわち、たとえば、前述した同期信号2が通常はデータとしては読み出せないことを利用したものとして、特開平4−286768号公報記載の技術が知られている。この技術では、あらかじめ前述した同期信号2の一部を他の信号に置換して記録しておき、再生時にこの置換信号の有無を特に検出して、置換信号が無い場合には、この光ディスクを不法なコピー版であると判定する。
【0014】
なお、実開平2−20884号公報には、光ディスクの信号記録層の表面に可視パターンを形成することが開示されている。また、特開平2−179941号公報には、光ディスクの信号面のピット形状を変えることにより、視認できる模様等を形成することが開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平4−286768号公報記載の技術によれば、前述した置換信号を含む同期信号2自体は再生することができるのであるから、置換信号を含む同期信号2を記憶した不法コピー版の光ディスクを製作することは、さほど困難ではない。
【0016】
また、実開平2−20884号公報や特開平2−179941号公報記載の技術によれば、通常の光ディスクの原盤の製作工程に加え、別途、文字、図形等を形成する工程を追加する必要がある。
【0017】
そこで、本発明は、従来と同様の製作工程によって原版を製作することができる、コピー版の情報記録媒体において形状を再現することが極めて困難な目視可能パターンを形成した情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0018】
また、このような情報記録媒体をコピーして作成した情報記録媒体の利用を拒絶することのできる再生装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的達成のために本発明は、たとえば、記録面を備え、当該記録面上の複数のトラック上に形成された、記録しているデータに対応するピットパターンによって情報を記録する光ディスク等の情報記録媒体であって、光反射率の差によって目視可能なサイズの文字もしくは図形のパターンを記録面上に設けたパターン表示用領域に呈するように、特定のデータもしくはデータパターンに対応する、特定のピットパターンが、集中的に形成された少なくとも1つの、前記録面上に設けられた領域を有し、前記特定のピットパターンの平均の光反射率は、前記1つの領域の周辺の領域の平均の光学的反射率と、目視によって感知可能な程度に異なっていることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0020】
また、このような情報記録媒体が光ディスクである場合に、これを再生する再生装置として、光ディスクの前記パターン表示用領域の位置を特定する位置情報を記憶するメモリと、装着された光ディスクに記録されたデータを再生する再生手段と、前記メモリに記憶した位置情報で特定される、装着された光ディスクの記録面上の領域よりデータを前記再生手段を介して再生する手段と、前記位置情報で特定される、装着された光ディスクの記録面上の領域よりデータを再生できなかった場合に、装着された光ディスクの以降の再生を中止する再生抑止手段とを有することを特徴とする再生装置を提供する。
【0021】
【作用】
前述した本発明に係る情報記録媒体によれば、特定のデータもしくはデータパターンに対応する、特定のピットパターンを集中的に形成することにより目視可能な文字、図形パターンを情報記録媒体上に表す。
【0022】
このようなピットパターンの配置は、データをコピーしてコピー盤を製作すると、精度上の問題よりずれる。また、このずれを、ピットパターンの配置により形作られる文字、図形パターンが大きく変形しない程度に収めることは極めて困難である。したがって、コピー盤では、元の情報記録媒体に存在した文字、図形パターンを、同様にコピー盤にもコピーすることは極めて困難である。
【0023】
また、前述した再生装置によれば、装着された光ディスクの文字、図形パターンの存在する領域より、データを再生し、データを再生できなかった場合に、装着された光ディスクの以降の再生を中止する。したがって、データコピーでは無い、何らかの他の手段により文字、図形パターンを光ディスクに形成したとしても、これを再生し利用できない。すなわち、このようなコピー盤は、本発明に係る再生装置において利用を拒絶される。
【0024】
【実施例】
以下、情報記録媒体が、光ディスクの一種であるCD−ROMである場合を例にとり、本発明に係る情報記録媒体と、これを再生する再生装置の実施例について説明する。
【0025】
まず、第1の実施例について説明する。
【0026】
図1に、本実施例に係るCD−ROMの信号面を示す。
【0027】
本実施例では、CD−ROM4の信号面に、目視可能な文字、図形パターン14を設ける。文字、図形パターン14は、当該CD−ROMに記憶されたデータ、プログラムの版権、著作権を表す内容、当該CD−ROMに記憶されたデータもしくは当該CD−ROM自身の商標、その他の、当該CD−ROMに記憶されたデータもしくは当該CD−ROM自身に関する権利の内容を表すものとする。ただし、これ以外のものであっても、もちろんよい。
【0028】
以下、この、文字、図形パターンをどのようにして形成するかについて説明する。
【0029】
まず、データが、どのようにしてCD−ROMの信号面に記録されるかについて説明する。
【0030】
たとえば、CD−ROMでは音楽用のCDに使われるEFM(eight to fourteen modulation)方式によりデータを変調し、CLV方式で信号面に記録する。
【0031】
すなわち、表1の左欄に示す8ビットの各データを同表の右欄に示す14ビットのEFMチャンネルビットパターンに変換する。そして、これに3ビットのマージンビットを加えた17チャネルビットパターンを生成し、これをCD−ROMに記録する単位とする。
【0032】
【表1】
【0033】
次に、図2に示すように、所定の幅と高さを有する小さな突部(ピット)の、チャンネルビットパターンの値に応じて定まるパターンをCD−ROMの信号面に作成するための、原盤を、原盤をディスクモータ(スピンドルモータ)で回転させながらレーザで、作成するトラック上に原盤用ピットパターンを形成していくことにより作成する。なお、ピットは、所定の幅と深さを有する小さなへこみ部であることもある。
【0034】
このとき、チャンネルビットパターンのデータ”1”が、各ピットのエッジに対応する。たとえば、表1に示した8ビットのデータ”168”は”01001001001001”のEFMチャンネルビットパターンに変換されるので、3ビットおきにデータ”1”が現れる。したがって、8ビットのデータ”168”に対応するピットパターンは、1チャネルビットに対応するピット長さをTとすると、間隔3T空けて配置された長さ3Tの2つのピットを含む。
【0035】
一方、同様に、データ”89”に対応するピットパターンは、長さ11Tのピットを含む。なお、表1に示したEFM変調方式では、最短のピット長は3T、最長は11Tとなる。
【0036】
次に、原盤よりピットパターンをCD−ROMの信号面に作成する。そして、ピットを作成したCD−ROMの信号面の全面にアルミニウム薄膜等の光反射膜を蒸着し、透明の保護層を、その上に作成する。
【0037】
このようにして作成されたCD−ROMでは、ピット部分と非ピット部分(ランド部)での、光の反射率が異なるので、再生時には、この光の反射率の変化より、チャネルビットを再生し、データを再生している。
【0038】
さて、本実施例では、ピット部分と非ピット部分での反射率の相違を利用してCD−ROM上に目視可能な文字、図形パターンを、信号面上の一部に形成する。
【0039】
すなわち、ピット部分と非ピット部分での反射率の相違より、あるピットパターンと、これと異なるピットパターンでは、平均的な光の反射率が異なることになる。そこで、あるピットパターンを所望する文字、図形パターンの形状に集め、文字、図形パターンの外部には、これと異なるピットパターンを配置するようにする。
【0040】
本実施例では、前述した8ビットのデータ”168”に対応するピットパターンと、データ”89”に対応するピットパターンを用いる。
【0041】
図3は、CD−ROMの信号面上の文字、図形パターンの1部を拡大した図である。ここで、データは、同期パターンや、誤り訂正用の情報等と共にフレームを構成し、このフレームに対してピットパターンが作成される。したがって、実際には、データに対応するビットパターン間に、同期パターンや誤り訂正用の情報のチャネルビットに対応するビットパターンが出現することになる。しかし、その割合は、データに対応するビットパターンに対してわずかである。そこで、図3では、説明を明瞭にするために、仮に、データに対応するピットパターンのみでフレームが構成されているものとして示した。また、前述したマージンビットに対応するピットパターンも省略して示した。
【0042】
図示した例では、文字、図形パターン内部と外部の一方を長さ3Tのピット142を含む、データ”168”に対応するピットパターンで構成し、他方を長さ11Tのピット143を含む、データ”89”に対応するビットパターンで構成した。前述したように、EFM変調方式では、最短のピット長は3T、最長は11Tであるため、この両者のピットパターン間の反射率の差が最も大きいからである。
【0043】
また、これ以外の、目視上、問題のない反射率の差を有する他のピットパターンを実現する他のデータに組み合わせの対応する2種類のピットパターンで構成するようにしてもよい。また、文字、図形パターン内部と外部の一方をのみを、特定のデータ、望ましくは、対応するピットパターンの反射率が平均よりも高いもしくは低いデータに対応するピットパターンで構成し、他方は、ランダムなデータの集合に対応するピットパターンの集合で構成するようにしてもよい。ピットは目視上極めて小さく、ランダムなデータの集合に対応するピットパターンの集合は、集合として平均的な反射率を示すと考えられるからである。また、文字、図形パターンの内部と外部の一方を、複数の特定のデータの組み合わせに対応するピットパターンで構成するようにしてもよい。また、文字、図形パターンの内部と外部の両方を、複数の特定のデータの、異なる組み合わせに対応するピットパターンで構成するようにしてもよい。
【0044】
このように、本実施例では、通常用いるデータに対応するピットパターンを用いて文字、図形パターンを形成する。逆に言えば、文字、図形パターンの形成は、通常のデータの記録と同様に行なうことができる。ただし、文字、図形パターンを構成するピットパターンの作成は、高い位置精度で行なう必要がある。そこで、例えば、原盤に原盤用ピットパターンを、原盤をディスクモータで回転させながらレーザを用いて形成する際には、ディスクのディスクモータに取り付けたエンコーダや、その他の測定手段を用いながら、厳密にピットの形成位置を所望の位置に制御するようにする。
【0045】
このようにすることにより、CLV方式、CAV方式いずれにおいても、文字、図形パターンを形成したCD−ROMを作成することができる。
【0046】
いま、このようにしてCLV方式によって、文字、図形パターンを形成したCD−ROMより、コピー版のCD−ROMを作成する場合を考える。
【0047】
以下、原盤より作成されたCD−ROMをオリジナル盤、オリジナル盤をコピーして作成したCD−ROMをコピー盤と呼ぶことにする。
【0048】
さて、オリジナル盤の原盤を製作する場合には、前述したように原盤をディスクモータで回転させながらレーザで原盤をトレースし、原盤用ピットパターンを原盤上に形成していくが、CLV方式によるCD−ROMの原盤を製作する場合には、この際、原盤を回転させるディスクモータの回転速度を次のように制御する。
【0049】
すなわち、所定の基準周波数によって規定される回転速度をディスクモータに設定し、レーザが原盤上をトレースする線速度が一定となるように、この回転速度を外径方向に行くに従って所定の割合で増加するよう制御する。そして、所定のクロック周期で一つづつチャネルビットを読み出し、その値に基づいて、レーザの出力を制御する書き込み信号を生成しピットを作成していく。
【0050】
また、オリジナル盤の再生の際には、光ピックアップが再生した信号の周期が一定となるように、回転速度を制御する。そして、光ピックアップが読みだした再生信号の値に基づいて、チャネルビット、データを復元していく。結果、線速度は、外径方向に行くに従って所定の割合で増加する。
【0051】
また、コピー盤の原盤の製作も、前述したオリジナル盤の製作と同様に、所定の基準周波数によって規定される回転速度をレーザが原盤上をトレースする線速度が一定となるように制御しながら、オリジナル盤より再生したチャネルビットを所定のクロック周期で一つづつ読み出し、その値に基づいて、レーザの出力を制御する書き込み信号を生成しピットを作成していく。
【0052】
ここで、オリジナル盤とコピー盤との間で、ピット間隔にズレを生じさせないためには、オリジナル盤の原盤の作成の際にレーザが原盤上をトレースする線速度と、書き込み信号を生成するためのクロック周期との関係と、コピー盤の原盤の製作の際にレーザが原盤上をトレースする線速度と、書き込み信号を生成するためのクロック周期との関係が一致している必要がある。
【0053】
しかし、オリジナル盤とコピー盤の原盤の製作の際の書き込み信号を生成するためのクロック周期が完全に一致していると仮定して考えても、基準周波数や回転制御の精度の問題より、両者の線速度を完全に一致させることは不可能である。したがって、オリジナル盤とコピー盤とでは、ピット間隔にズレが生じる。
【0054】
さて、オリジナル盤とコピー盤の原盤の製作の際の書き込み信号を生成するためのクロック周期の差も、原盤とコピー盤の原盤製作時の線速度の差に換算することとして、このピット間隔のズレを、オリジナル盤再生時の線速度と、原盤とコピー盤の原盤製作時の線速度の差として検討する。
【0055】
いま、図4bにCD−ROM(図4a)上に順次隣接する3本のトラックT1、T2、T3の位置関係を示す。また、点A、B、Cは、それぞれトラックT1、T2、T3上のピットであり、垂直方向(径方向)に一列に並び文字、図形パターンの輪郭部を構成している。
【0056】
ここで、オリジナル盤の点A、B、Cは、コピー盤上では、点Aを基準にすると例えば点Bは点B’に、また、点Cは点C’に相対的に移動する。
【0057】
点Bが点B’に移動する距離ΔLは、オリジナル盤の原盤が線速度Vで1回転する時間に、コピー盤の原盤が線速度V+Δvで回転したみちのりの、1回転からのズレ量に相当するので、式(1)のようになる。
【0058】
ΔL=2πR(Δv/v) (1)
なお、Rはディスクの回転中心からトラックT1までの半径である。
【0059】
ここで、CD−ROMでは、データが記録される信号面の内径R1は25mm、外径R2は58mmであるから、信号面内におけるΔLは
ΔL=(15.7〜36.4)×104(Δv/v)(μm) (2)
となる。
【0060】
また、回転方向に対する線分AB’の角度θは
θ=tan-1(p/ΔL) (3)
で与えられる。なお、pはトラックのピッチでCD−ROMでは1.6μmである。
【0061】
これより、線速度偏差率(Δv/v)を1×10-4とすると、ΔL=(15.7〜36.4)μm、θ=(5.8〜2.5)度となる。すなわち、トラッキング線速度偏差率が10-4(0.01%)程度であると、オリジナル盤上の文字、図形パターンはコピー盤上でほぼ水平に傾くことになり、ほとんど識別できないことになる。
【0062】
また、トラッキング線速度偏差率(Δv/v)を1×10-5にすると、θ=(45.5〜23.7)度となり、文字、図形パターンは傾くものの、何とか識別できる程度になる。
【0063】
以上より、コピー盤に文字、図形パターンを、オリジナル盤と同じと見做せる程度に視認可能に形成するには、書き込み信号を生成するためのクロック周期が完全に一致しているとしても、線速度偏差率1×10-6以下で線速度を制御する必要がある。すなわち、極く僅かな線速度の相違でも、文字、図形パターン等が識別不能となる程に大きい。
【0064】
しかしながら、コピー盤の原盤作成時の線速度をこのような高い精度で制御することは技術的に極めて困難である。また、書き込み信号を生成するためのクロック周期も、完全に一致することはないため、実施は、これ以上の精度で線速度を制御する必要がある。
【0065】
なお、CD−ROMを含めてCLV方式のCDの規格では、トラッキング線速度を1.2〜1.4m/secと比較的ゆるやかな範囲内に規定しているので、コピー側ではオリジナル盤再生作成時の回転速度を予め上記1×10-6以下の正確さで知ることはできない。
【0066】
したがって、もし、文字、図形パターンを良好に形成したコピー盤を得ようとするならば、線速度を上記1×10-6以下の精度で少しづつ変化させながらコピー盤の原盤を作成し、文字、図形パターンが現れるトラッキング線速度を見出す必要がある。しかし、これは、技術的にも、作業効率から見ても殆ど現実性がない。
【0067】
さらに、トラッキング線速度規格が上記のようにゆるやかであるから、この規格値以下の線速度の揺らぎがあっても問題にならない。そこで、オリジナル盤の原盤製作時に、オリジナル盤から光ピックアップが再生した信号の周期が一定となるように回転速度を制御した場合に、線速度に前記規格内の揺らぎが生じる範囲内で、意図的にピット間隔にランダムなゆらぎを持たせて製作するようにしてもよい。このようにすることにより、コピー盤の原盤製作時に、これに相当するゆらぎを線速度に与えなければ文字、図形パターンを良好に形成することはできなくなるからである。
【0068】
このように、本実施例によれば文字、図形パターンを形成したCLV方式のオリジナルのCD−ROMから得られる再生信号を用いてコピー版のCD−ROMを製造すると、コピー版では、文字、図形パターン14が歪んだり、あるいは消滅する。この結果、CD−ROMの再生内容を調べることなく、文字、図形パターン14の有無により、CD−ROMが不法なコピー版であることを目視により識別することができるようになる。なお、従来からオリジナル盤上に文字、図形パターンのラベルを貼ったり、刻印することが行なわれているが、このような機械的に設けた文字、図形パターンは極めてコピー容易である。これに対して本実施例による文字、図形パターンは信号面のピットパターンを用いて形成されるので、前述したようにコピーが極めて困難である。
【0069】
以下、本発明の第2の実施例について説明する。
【0070】
本実施例では、オリジナル盤では、CLV方式のCD−ROMの一部の領域に、特に、CAV方式によってピットを作成する領域を設け、この領域に前述したように文字、図形パターンを形成する。
【0071】
このCD−ROMの文字、図形パターンを形成する領域外の領域には、通常通りCLV方式でデータを記録する。ここで、オリジナル盤のデータをコピーするために、コピー盤の製作を単純にCLV方式で行うと、CLV方式のオリジナル盤上にCAV方式で形成された文字、図形パターンもCLV方式でコピーされる。この結果、CAV方式で目視可能に記録された文字、図形パターンは、前述した第1実施例に係るCD−ROMと同様に、線速度の変化により、コピー盤では変形が著しく変形して目視不能となり、消滅したように見える。オリジナル盤のCAV方式による領域に相当する領域のみを、CAV方式によってコピー盤の製作するためには、オリジナル盤のCAV方式による領域の検出や、CAV方式による領域の角速度の検出や、検出した内容に適合した回転制御や書き込み周期の制御を伴うため困難である。したがって、本第2実施例によれば、前述した第1実施例同様、CD−ROMの再生内容を調べることなく、文字、図形パターン14の有無により、CD−ROMが不法なコピー版であることを目視により識別することができるようになる。
【0072】
さて、図5に、本実施例に係るオリジナル盤のCLV方式によるデータ記録領域とCAV方式の文字、図形パターン領域の配置と線速度を示す。図中の、横軸Rはディスクの回転中心から計った距離(半径)、縦軸はその距離のトラックをトラッキングする線速度vである。
【0073】
図5において、線速度が一定の部分はCLV方式、内周から外周に向かって線速度が増加する部分がCAV方式の部分である。
【0074】
図示するように、CLV方式中にCAV方式を挿入するには幾つかの方法が考えられるが、実線で示したCLV1−CAV1−CLV2をたどる方法は、CLV領域とCAV領域間が線速度のギャップなしにつなげるので両領域の境界部でもデータを連続してスムーズに記録でき、また、データの再生も容易になり、回転速度制御も容易である。
【0075】
これに対して、点線で示したCLV1−CAV2−CLV3やCLV1−CAV3−CLV4等をたどる方法では、CLV領域とCAV領域間にトラッキング線速度のずれがあるので、この境界部ではディスクの回転速度を急速に変化させる必要がある。再生時も同様である。しかし、CLVとCAVの領域間に大きなトラッキング線速度差を設定できるので、コピー盤上で文字、図形パターンを確実に消滅させることができる。また、後述するように再生装置においてCAV領域の有無より、オリジナル盤かコピー盤かの判別を行なうことができるようになる。
【0076】
なお、同様にして、逆に、CAV方式のCD−ROMに、CLV式によってピットパターンを形成する領域を設け、ここに文字、図形パターンを形成するようにするようにしてもよく、これによっても同様の効果を得ることができる。
【0077】
次に、第3実施例について説明する。
【0078】
本第3実施例では、前記第2実施例で示したCAV方式により文字、図形パターンを形成する領域を複数設け、かつ、各CAV領域の角速度を相互に異なるようにする。このようにすることにより、オリジナル盤のCAV方式による領域の検出や、CAV方式による領域の角速度を検出して、オリジナル盤と同じ領域構成のCD−ROMを製作しようとする際の作業の困難度が著しく高まるので、コピー防止効果を一段と強めることができる。
【0079】
図6に、複数のCAV領域の配置と線速度の関係を示す。
【0080】
図6(a)は複数のCAV領域CAV4、CAV5等をディスク4の半径方向に分離して設けた場合であり、各CAV領域とCLV領域の線速度は図5の実線、または点線で示すように接続する。
【0081】
図6(b)は複数のCAV領域CAV6〜CAV8等をディスク4の半径方向に隣接してして設けた場合であり、各CAV領域CAV6、CAV8等とCLV領域CLV5、CLV6間の線速度は例えば図7の実線、または点線のように接続する。
【0082】
また、図6(c)は円形帯状の領域内を円周方向に区切って複数のCAV領域CAV9〜CAV11等を設けた場合である。各CAV領域CAV9、CAV10、CAV11の線速度は例えば図8の実線、または点線のようにつなぎ、1周毎に元の線速度に戻るようにする。なお、各CAV領域の長さ(角度)は必ずしも均等である必要はなく、また、各CAV領域間にはCLV部分を適宜挿入することもできる。また、図6(a)、(b)において、各CAV領域の角速度を互いに異ならせる必要もなく、同じ角速度のCAV領域を存在させてもよい。
【0083】
なお、オリジナル盤にCAV方式で、文字、図形パターンを目視可能に記録し、コピー盤をCAV方式でコピーした場合でも、オリジナル盤と同じ角速度(偏差率1×10-6以下)でコピーしないと目視不能となるため、オリジナル盤のCAV方式による領域位置や、CAV方式による領域の角速度を検出して、オリジナル盤と同じく文字、図形パターンの形成されたCD−ROMを製作しようとしても、やはり、前記第1実施例同様の困難を伴う。
【0084】
以下、第4の実施例について説明する。
【0085】
本第4実施例では、CLVまたはCAV方式によって文字、図形パターンを形成する領域をCD−ROMのデータ領域(プログラム領域)外に設け、その分だけデータ記録容量を確保する。
【0086】
図9(a)はCD−ROMの断面図である。
【0087】
図9(a)において、データはプログラムスタート径(φ50)の位置から外周方向に向かって、最大でもプログラム最大径(φ116)を越えない位置まで順次記録される。したがって、データ量が少ない場合はデータが記録されるプログラム領域の外径はプログラム最大径の内側になり、これをプログラムアウト径と呼んでいる。また、そのプログラムアウト径の外側には”0”データを記録するリードアウト領域と呼ばれる領域が設けられる。
【0088】
また、リードインスタート径の外側にはTOC(table of content、プログラム領域内のデータ索引情報等を記録する)が設けられ、これをリードイン領域と呼んでいる。
【0089】
通常、リードイン領域の内側と上記リードアウト領域の外側は共に鏡面で構成される。鏡面にはピットがないため、光ピックアップは、この領域ではフォーカシング動作もトラッキング動作も行なうことができない。
【0090】
本実施例では、文字、図形パターンをCLVもしくはCAV方式によって形成する領域を、リードイン領域の内側、リードアウト領域の外側の、少なくともいづれか一方に設ける。
【0091】
なお、リードアウト領域の外側に設ける場合には、図9に示すようにリードアウト径(φ117)の外側は、文字、図形パターンを入れるには狭いので、実際にはプログラムアウト径をφ111としてリードアウト領域がリードアウト径(φ117)より内側に設け、その外側に文字、図形パターンを形成する領域を設けるようにするのがよい。
【0092】
また、リードアウト領域の外側に細い鏡面領域を設け、その外側に文字、図形パターンを形成する領域を設けるようにしてもよい。または、リードイン領域の内側に細い鏡面領域を設け、その内側に文字、図形パターンを形成する領域を設けるようにしてもよい。
【0093】
従来の再生装置ではリードアウト領域の外側の鏡面を飛び越してデータ読み出し動作を行なうことはできない、したがって、鏡面部を設けるとその外側にある文字、図形パターンデータは読み出されない。したがってコピー版にはこの文字、図形パターンデータが記録されなくなるので、後述するように、再生装置において、再生時に、この文字、図形パターンの有無を、その領域より再生したデータより判定すれば、オリジナル版であるかコピー版であるかを識別することができる。
【0094】
以下、第5実施例について説明する。
【0095】
本第5実施例は前記第4実施例に係るCD−ROMを再生する再生装置についてのものである。
【0096】
図10に、本実施例に係る再生装置の構成を示す。
【0097】
図中、光ピックアップ3によりCD−ROM4から読み出された再生信号は前置増幅器6により増幅、波形等価され、CDデジタル信号処理部408によりEFM復調され、CD−ROMコントローラ409に送られる。CD−ROMコントローラ409は、受け取ったデータの誤り訂正や元のデータ配列への復元を行なった後データをホストシステム410に送る。ここで、実際には、CD−ROMへの記録されるチャネルビットパターンは、スクランブルしたデータ列と誤り訂正符号をEFM変調したものである。ただし、文字、図形パターンを形成する際に用いるチャネルビットパターンは、必ずしもデータをスクランブルして作成する必要はなく、CD−ROMに記録するチャネルビットパターンとして直接作成するようにしてもよい。なお、スクランブルしたデータ列と誤り訂正符号をEFM変調したチャネルビットパターンのピットパターンで文字、図形パターンを形成する場合には、スクランブルの内容を考慮して元のデータ列を作成するようにする。
【0098】
ここで、本実施例に係る再生装置では、音楽用CDも利用可能である。音楽用CDを再生する場合、CD−ROMコントローラ409は、復元したデータをD/A回路411に与える。D/A回路411は、与えられたデータをアナログ信号に変換して出力する。
【0099】
また、CD−ROMコントローラ409は、ホストシステム410よりのアクセスコマンドに基づいて、アクセス制御部405を介して、サーボ回路404によるサーボ動作、ピックアップ送り装置406による光ピックアップ3の移動動作を制御する。
【0100】
さて、このような再生装置において、ディスクモータ11の回転サーボは、サーボ回路404によって次のように行なわれる。
【0101】
図11には、サーボ回路404の回転サーボ系の構成を示した。
【0102】
同期検出器5は前置増幅器6が増幅、波形等化した再生信号より、前述した同期信号を抽出する。f−V変換器7は同期信号をその周波数に比例する電圧に変換する。位相比較器8は同期信号の周波数を水晶9の発振周波数(基準周波数)と位相比較して位相ズレに比例する誤差信号を加算回路10に送りf−V変換器7の出力を補正する。加算回路10の出力は適宜増幅されてディスクモータ11に送られ、回転数を制御する。また、ディスクモータ11の実際の回転速度は、回転速度検出器412によって検出され、CD−ROMコントローラ409に送られる。回転速度検出器412は、ディスクモータ11に取り付けたタコジェネレータやエンコーダによって実現するこができる。
【0103】
このような構成によって、ディスクモータ11は、同期信号周波数が一定に保たれるよう、その回転数が制御される。ここで、CAV領域から読みだされた同期信号の周波数が、位相比較器9の同期引込み範囲内にあれば、CLV方式、CAV方式に関わり、ディスクモータ11の回転数を、同期信号周波数が一定に保たれるよう制御することができる。
【0104】
この結果、CLV方式ではディスクモータ11の回転速度が内周部から外周部に行くにつれて遅くなるように制御されてトラックの線速度が一定に保たれる。また、CAV方式ではディスクモータ11の回転速度が常に一定になるように制御される。なお、ここで、前記第2実施例〜第4実施例において、CLV方式のCD−ROM中に設けた、CAV方式によって文字、図形パターンを形成した領域も本再生装置で再生することができるように、CAV方式で用いる角速度を、位相比較器9の同期引込み範囲を考慮して定めている。
【0105】
さて、前記第4実施例に係るCD−ROMの製作時には、CD−ROMにTOC(Table of contents)情報として、ディスクが音楽用CDであるのかCD−ROMであるかの識別情報が記録される。また、TOCに引き続いて記録されるプログラムJIS情報交換用CD−ROMのボリューム及びファイルの構造(JIS X0606−1990)で規定された領域(システム領域等)に、CD−ROMの正規の提供者を示す所定のパスワードを記憶しておく。パスワードは暗号化して記憶するようにしてもよい。
【0106】
一方、再生装置のCD−ROMコントローラ409内のメモリには、この前記第4実施例に係るCD−ROMの正規の提供者が用いるパスワードと、この正規の提供者が提供するCD−ROMの文字、図形パターンを形成した領域の位置についての情報を記憶しておく。この位置についての情報は、例えば、文字、図形パターンを形成した領域のリードアウト領域からの距離とする。
【0107】
なお、パスワードを暗号化してCD−ROMに記憶する場合には、CD−ROMコントローラ409に、暗号化されたパスワードの解読手段を備えるようにする。
【0108】
さて、本実施例に係る再生装置は、リードアウト領域の外側に記録された文字、図形パターンを形成した領域の有無を検出し、これより再生しようとするCD−ROMがオリジナル版であるかコピー版であるのかの真疑判定を行なう。なお、この文字、図形パターンはCLV方式、あるいはCAV方式のいずれで形成されいてもよい。
【0109】
図12、図13に、再生装置の行なう再生処理の手順を示す。
【0110】
図示するように、再生装置のCD−ROMコントローラ409は、新たなCD−ROMがマウントされると、図10に示す処理を実行する。
【0111】
すなわち、ステップ502にてディスクのTOC(Table of contents)情報を読み出してリードアウト位置を調べ、ステップ503にて当該ディスクが音楽用CDかCD−ROMであるかを判別する。音楽用CDであれば、再生データをD/A回路に与える音楽用CDの再生処理を行なう。
【0112】
CD−ROMの場合には、ステップ504に移り、TOCに引き続いて記録されているプログラムJIS情報交換用CD−ROMのボリューム及びファイルの構造(JIS X0606−1990)で規定された領域(システム領域等)の内容を調べて、CD−ROMの提供者のパスワードを検索し、ステップ505にてパスワードがCD−ROMコントローラ409内のメモリに記憶しておいたパスワードと一致するかを調べ、一致する場合にはステップ506へ移行して専用ディスクビットフラグをセットし、処理を終了する。ステップ505にてパスワードが不一致ならばステップ507へ移行して専用ビットフラグをクリアし、処理を終了する。
【0113】
図12に示す処理が終了すると、CD−ROMコントローラ409は、次に、図13に示す処理を実行する。ただし、ステップ503にてマウントされたディスクが音楽用CDと判定されている場合には、図13に示す処理を実行しない。
【0114】
すなわち、まず、ステップ602にて専用ディスクビットフラグを判定し、これがセットされていればステップ1701以降のステップに移行し、専用ディスクビットフラグがクリアされていればステップ603にて、従来と同様に、そのディスクの内容に応じた処理を行う。もしくは、専用ディスクビットフラグがクリアされていれば、すなわち、パスワードが一致しない場合には、このディスクを排出する等の手法により利用不可能とするようにすることもできる。
【0115】
ステップ1701では、予め内部のメモリに記憶しておいた文字、図形パターンを形成した領域の位置についての情報を参照して、この領域を読みだす処理を行なう。このとき、この領域の内側に鏡面領域が存在しても、これを超えて、文字、図形パターンを形成した領域を読みだすようにする。そして、ステップ1702で、この文字、図形パターン記録領域にデータが存在するか否かを判定し、存在すれば正規のCD−ROMと判定し、その後は、CD−ROMを再生し、データをホストシステムに送る(ステップ610)。
【0116】
一方、文字、図形パターン記録領域にデータが存在しない場合には、当該CD−ROMがコピー版であることを表示したり、CD−ROMを排出したり、再生動作を中止したりすることにより、このCD−ROMを利用不可能にする(ステップ612)。このような処理の結果、オリジナル盤をフルコピーしたコピー盤は、再生装置で利用することができない。
【0117】
なお、通常の再生装置においては、ステップ502にて求めたリードアウト位置から先は読み出し動作は行なわれない。
【0118】
以下、第6の実施例について説明する。
【0119】
本第6実施例は、前記第2、3実施例に係るCD−ROM、もしくは、前記第4実施例においてCAV方式によって文字図形パターンを形成したCD−ROMを再生する再生装置についてのものである。
【0120】
すなわち、本第6実施例では文字、図形パターンがCAV方式で形成されているCD−ROMを対象にする。
【0121】
さて、本実施例に係る再生装置の構成は、前記第5実施例に係る再生装置の構成と同じである。ただし、本実施例では、文字、図形パターンがCAV方式で記録されているか否かを判定する。一般的にコピーCLV方式とCAV方式を混在させたコピー盤の製作は困難であるので、本実施例では、文字、図形パターンがCAV方式で記録されている場合にはオリジナル盤と判定する。
【0122】
このために、図10に示す処理が終了すると、CD−ROMコントローラ409は、次に、図13に示す処理に代えて図14に示す処理を実行する。ただし、ステップ503にてマウントされたディスクが音楽用CDと判定されている場合には、図14に示す処理を実行しない。
【0123】
すなわち、まず、ステップ602にて専用ディスクビットフラグを判定し、これがセットされていればステップ604以降のステップに移行し、専用ディスクビットフラグがクリアされていればステップ603にて、従来同様、そのディスクの内容に応じた処理を行う。
【0124】
ステップ604では、予め内部のメモリに記憶しておいた文字、図形パターンを形成した領域の位置についての情報を参照して、文字、図形パターン記録領域内のトラックmをアクセスする。次いでステップ605にて、トラックmリード時の回転速度を、回転速度検出器412を介して検出する。
【0125】
なお、1回転の途中で光ピックアップ3が1トラック、リバースジャンプするよう(同じトラックをトラッキングし続けるように)に制御し、ある特定のデータパターンの再生タイミングから、次に、このデータパターンが再生される時点までの経過時間を計測することにより、1回転に要した時間を測定し、回転速度を検出することもできる。また、この際、この特定のデータパターンとしては、文字、図形の特徴的な部分に対応するデータパターンを用いることができる。なお、このようにして回転速度を検出する場合には、この特徴的な部分のデータパターンは、前記ディスクのメモリにパスワードに対応づけて再生装置内のメモリに記憶させておくようにするのがよい。
【0126】
さて、次に、ステップ606にて、文字パターン記録領域内のトラックmとは異なる任意のトラックnをアクセスし、ステップ607にて、トラックnの回転速度を同様にして検出する。
【0127】
そして、ステップ608で、トラックnとトラックmの回転速度を比較し、これらが一致していれば、ステップ609へ移って文字、図形パターンがCAV方式で記録されている正規のCD−ROMと判定し、ステップ610に移る。ステップ610では、CD−ROMを再生し、データをホストシステムに送る。
【0128】
一方、トラックnとトラックmの回転速度が一致しない場合には、当該CD−ROMがコピー版であることを表示したり、CD−ROMを排出したり、再生動作を中止したりすることにより、このCD−ROMを利用不可能にする(ステップ611、612)。
【0129】
このような処理の結果、CAV方式で文字、図形パターンが形成されているオリジナル盤をCLV方式でフルコピーしたコピー盤は、再生装置で利用することができない。
【0130】
なお、以上の処理において、上記トラックnとトラックmは、文字、図形パターンの領域内の相互にできるだけ離れた位置のものすることが望ましい。回転速度の一致、不一致判定を確実に行なうことができるからである。
【0131】
また、回転速度を検出するトラック数は、二つより増やして、コピー盤か否かの判定を、より確実に行なうようにしてもよい。たとえば、文字、図形パターンの領域内の全トラックの回転速度を検出して、各検出値の一致、不一致を求めるようにしてもよい。
【0132】
以下、本発明の第7の実施例について説明する。
【0133】
本実施例では、文字、図形パターンを形成しているピットパターンに対応するデータの値より、コピー盤の判定を行なう再生装置についてのものである。
【0134】
本実施例に係る姿勢装置は、前記第5実施例に係る再生装置の構成と同じである。ただし、CD−ROMコントローラ409には予め、文字、図形パターンを形成した領域を再生して得られるデータパターンを照合用データパターンとして記憶しておく。また、図10に示す処理が終了すると、CD−ROMコントローラ409は、次に、図12に示す処理に代えて図15に示す処理を実行する。ただし、ステップ503にてマウントされたディスクが音楽用CDと判定されている場合には、図15に示す処理を実行しない。
【0135】
さて、図15に示す処理では、まず、ステップ602にて専用ディスクビットフラグを判定し、これがセットされていればステッ704以降のステップに移行し、専用ディスクビットフラグがクリアされていればステップ603にて、従来同様、そのディスクの内容に応じた処理を行う。
【0136】
ステップ704では、予め内部のメモリに記憶しておいた文字、図形パターンを形成した領域の位置についての情報を参照して、文字、図形パターン記録領域のデータを読み出し、次いで、ステップ705にて、内部のメモリに予め記憶しておいた照合用のデータパターンを読み出し、ステップ706にて、ステップ704で読みだしたデータのパターンとステップ705にて読み出したデータパターンを照合する。そして、照合した結果が一致すればステップ707に移って当該ディスクがオリジナル版であると判定し、ステップ708に移る。ステップ708では、CD−ROMを再生し、データをホストシステムに送る。
【0137】
一方、一致しない場合には、当該CD−ROMがコピー版であることを表示したり、CD−ROMを排出したり、再生動作を中止したりすることにより、このCD−ROMを利用不可能にする(ステップ709、710)。
【0138】
このような処理の結果、オリジナル盤と見せかけるために、文字、図形パターンを印刷等の手法によってCD−ROM上に形成したコピー盤を再生装置で利用できなくすることができる。
【0139】
なお、以上の処理で、CD−ROMコントローラ409内のメモリに予め記憶した照合用のデータパターンは、CD−ROMの文字、図形パターンを形成した領域を再生して得られるデータパターン全体のとするのではなく、文字、図形パターンの中の特徴的な部分に対応するデータパターンのみとするようにしてもよい。
【0140】
すなわち、たとえば、図16に示すような、文字、図形パターンの中の特徴的な部分に対応するデータパターンのみを記憶し、この部分のみを照合して判定を行なうようにしてもよい。
【0141】
なお、図16に示した例ではトラック801,トラック802,トラック803の内容のみを照合すれば、文字、図形パターンの特徴に対応したデータパターンを得ることができる。
【0142】
また特徴の照合にはこれらのトラックの全周分のデータパターンは必要ないので、文字、図形パターンの特徴部分に対応するセクタのみを読み出し照合するようにしてもよい。ここで、所定数のフレームで1セクタが構成されており、各セクタにはセクタを識別するためのセクタ番号が与えられている。なお、この場合には、文字、図形パターンの特徴部分に対応するセクタをアクセスするために必要となるトラック801、802,803等のトラック番号や、セクタ番号等はCD−ROM409内のメモリに予め記憶しておくようにする。
【0143】
なお、CD−ROM409内のメモリに予め記憶しておくデータパターンは、データパターンに暗号化、符号化処理を加えたものとし、メモリ容量を低減するようにしてもよい。
【0144】
以上、本発明に係る光ディスク、再生装置の実施例を、情報記録媒体がCD−ROMである場合について説明した。
【0145】
しかし、以上の各実施例は、CD−ROMの他、光学的特徴を与えることにより情報を記録する他の情報記録媒体、たとえばCD、ミニディスク、光ディスク、光磁気ディスクにも同様に適用することができる。また、たとえば、光カードのような非ディスク型の情報記録媒体にも適用することができる。
【0146】
ここで、光カードへの適用例を示しておく。
【0147】
図17は光カードの記録/再生の原理を示したものである。
【0148】
光カードの記録/再生の方式としては、図17(a)に示すカード回転型と、同図(b)に示すヘッド回転型と、同図(c)に示すカード往復運動型、同図(c)に示すビームスキャン型とがある。
【0149】
カード回転型と、同図(b)に示すヘッド回転型は、記憶媒体の形状が異なるのみで、CD−ROMと本質的に同じである。したがって、これらの方式については、前記各実施例を、そのまま適用することができる。
【0150】
また、カード往復運動型、ビームスキャン型についても、データに対応するピットパターンで、コピーによっては再現困難な、文字、図形パターンを形成することができる。
【0151】
以上、本発明の実施例を説明した。
【0152】
以上のように、本発明の実施例によれば、商標、著作権に係る目視可能な文字、図形パターンを形成したCD−ROM等の光ディスクを得ることができる。
【0153】
さらに、このオリジナル版の光ディスクからコピー版の光ディスクを製作すると、文字、図形パターンが歪んだり、あるいは目視不能となる。すなわち、コピー盤は、即座に目視により識別されてしまう。そして、このことをもって不法なコピーを抑止する効果を期待することができる。
【0154】
また、文字、図形パターンの記録領域を分割することによりさらに、コピー版の光ディスクの文字、図形パターンの歪や、目視不能部分を顕在化することができる。さらに、各文字、図形パターンを情報記録用光ディスクのプログラムアウト径の外周部、またはリードインスタート径の内周部に各文字、図形パターンを記録することにより、光ディスクの情報記録容量が損なわずに、文字、図形パターンを記録することができる。
【0155】
さらに、光ディスクにはパスワードが記録され、再生装置はこのパスワードと文字、図形パターンの領域の情報よりコピー版を識別し、これを利用不可能とする。
【0156】
再生装置は、トラッキング線速度より、文字、図形パターン記録領域がCAV方式で記録されているかよりコピー版を識別し、これを利用不可能とする。また、文字、図形パターンの領域より読みだしたデータを調べてコピー版を識別し、これを利用不可能とする。
【0157】
なお、ゲームや辞書類等のCD−ROM出版物分野では、通常専用化した再生装置を用いる。そこで、本実施例に係る再生装置をこれに用いれば、不法なコピーによる光ディスクは用できなくなるので、不法なコピー版の光ディスクの横行を抑止する効果を発揮するものと期待される。
【0158】
また、同様の文字、図形パターンを各種方式の光カードに記録して光ディスクの場合と同様な効果を得ることができる。
【0159】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来と同様の製作工程によって原版を製作することができ、コピーによってパターン形状を再現することが極めて困難な、目視可能なパターンを形成した情報記録媒体を提供することができ、この情報記録媒体をコピーして作成した情報記録媒体の利用を拒絶する再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るCD−ROMの外観を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るCD−ROMのピットパターンの形状を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るCD−ROMのピットパターンを示す図である。
【図4】本発明の第1実施例に係るCD−ROMをコピーした場合に生じるピットのずれを示す図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るCD−ROMのトラックの半径位置と線速度の関係を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例に係るCD−ROMの文字、図形パター領域ンの配置と、その記憶方式を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例に係るCD−ROMのトラックの半径位置と線速度の関係を示す図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るCD−ROMのトラックの半径位置と線速度の関係を示す図である。
【図9】本発明の第4実施例に係るCD−ROMの文字、図形パターン領域と鏡面部の配置を示す図である。
【図10】本発明の第5実施例に係る再生装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第5実施例に係るサーボ回路の回転サーボ系の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5実施例に係る再生装置のCD−ROMコントローラが行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第5実施例に係る再生装置のCD−ROMコントローラが行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第6実施例に係る再生装置のCD−ROMコントローラが行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第7実施例に係る再生装置のCD−ROMコントローラが行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第7実施例に係る再生装置のCD−ROMコントローラ賀正号に用いる文字、図形パターンの特徴部の例を示す図である。
【図17】光カードの記録、再生方式を示す図である。
【図18】CD−ROMに記録されるフレームを示す図である。
【符号の説明】
1…フレーム
2…同期信号
3…ピックアップ
4…光ディスク
5…同期信号検出器
6…前置増幅器
7…f-V変換器
8…位相比較器
9…水晶発振器
10…加算器
11…ディスクモータ
14…文字、図形パターン
142…3Tピット
143…11Tピット
404…サーボ回路
405…アクセス制御部
406…ピックアップ送り装置
408…CD信号処理部
409…CD−ROMコントローラ
410…ホストシステム
412…回転速度検出器
Claims (1)
- 記録面を備え、当該記録面上の複数のトラック上に形成されたピットパターンによって情報を記録した光ディスクを再生する光ディスク再生装置であって、
該光ディスクは、所定数のトラックに渡って目視可能なサイズの文字もしくは図形のパターンを呈する表示パターン領域を有し、該表示パターン領域は、その表示パターン領域を構成する各トラックにおける特定のピットパターンの平均の光学的反射率がほぼ同一のピットパターンによって構成され、かつ該表示パターン領域とその周辺領域のピットパターンの平均の光学的反射率を異ならせることで、該平均の光学的反射率の変化する境界によって、目視可能なサイズの文字もしくは図形のパターンの輪郭を形成し、さらに、前記表示パターン領域に形成されたピットパターンは、光ディスクの回転速度を一定とするCAV (Constant Angular Velocity) 方式に従って形成されており、前記表示パターン領域以外の記録面上の領域に形成されたピットパターンは、前記トラックのトラッキング線速度を一定とするCLV (Constant Line Velocity) 方式に従って形成されており、
装着された光ディスクを回転する回転手段と、
光ディスクのトラック上をトレースし、トラック上に形成されたピットパターンを検出する光ピックアップと、
ピットパターンの検出周波数が一定になるように前記回転手段の回転速度を制御する回転制御手段と、
前記回転手段の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
光ディスクの前記表示パターン領域の位置を特定する位置情報を記憶するメモリと、
前記メモリに記憶した位置情報で特定される前記表示パターン領域の少なくとも2つのトラックをアクセスする手段と、
前記回転速度検出手段が検出した、前記少なくとも2つのトラックのアクセス時の前記回転手段の回転速度より、当該前記メモリに記憶した位置情報で特定される前記表示パターン領域に前記CAV方式に従ってピットパターンが形成されているか否かを判定し、形成されていなかった場合に、装着された光ディスクの以降の再生を中止する再生抑止手段とを有することを特徴とする光ディスク再生装置。
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