JP3666098B2 - 複層ガラス及び複層ガラス構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複層ガラス及び複層ガラス構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
2枚のガラス板がその周辺部に配されている第1スペーサを介在して配置され、前記2枚のガラス板間に空気層が形成され、第1スペーサの側面と前記ガラス板の主表面とがなす各々の境界面にブチルゴムの1次シールが施工され、第1スペーサのガラス板端縁側に、シリコーン系又はポリスルフィド系などのシール材による2次シールが施工されてなる複層ガラスは、高い断熱性を示すので、特に関東以北の寒冷地のビル及び住宅などの建造物に多用されている。
【0003】
複層ガラスは2枚のガラス板を用いることにより、高い遮音性も発揮できるので、空港等の大きな騒音を出す場所の建造物にも用いられている。
【0004】
複層ガラスは、金属製スペーサを用いるタイプと、樹脂製スペーサを用いるタイプが商品化されている。樹脂製スペーサはその耐久性が短いことなどの問題があるので、一般的には、金属製スペーサを用いるタイプの複層ガラスが多用されている。金属製スペーサは中空構造で、その内部に吸湿剤を有するものが通常使用されている。
【0005】
複層ガラスは、その内部に形成される密封空気層に湿気が侵入しないように、ガラス板の主表面と接するスペーサの両側面には、透湿抵抗の高いブチルゴムの1次シールが施工される。このため、金属製スペーサに設置された吸湿剤の働きにより、複層ガラスの内部密封空気層が乾燥空気となり断熱性が高くなる。
【0006】
ブチルゴムは、透湿抵抗は高いが保形性及び復元性は低いので、ブチルゴムのみでは複層ガラスの強度保持が困難である。このため、スペーサの外側であるガラス板端縁側に、2枚のガラス板を接着する目的で、シリコーン系又はポリスルフィド系の接着剤が2次シール材として打設される。
【0007】
第1スペーサの側面と前記ガラス板の主表面とがなす各々の境界面に施工されるブチルゴムは、できるだけ薄く、かつ長い方が、透湿抵抗が高くなり、長期的な耐久性が増加する。
【0008】
そのため、複層ガラスの製造時には、2枚のガラス板を一定圧力で一定時間押さえつけることにより、ブチルゴムの所定の厚さ及び長さが確保されるようにコントロールしていた。
【0009】
近年、特に、省エネルギーの観点から複層ガラス化を要するケースも多く、かつ、単に複層ガラス化するだけでなく、ビルの高層化及び使用されるガラス板の面積の拡大化により、高強度である強化ガラス板又は倍強度ガラス板を用いての複層ガラス化を要するケースも増えてきた。
【0010】
強化ガラス板及び倍強度ガラス板は、フロートガラス板などのガラス板を熱処理して、ガラス板の表面に圧縮応力層を作ることにより高強度とされたガラス板である。
【0011】
未強化のフロートガラス板などと比較すれば、強化ガラス板及び倍強度ガラス板はその全体的な反りの値が大きいことがあり、また、その主表面には部分的な凹凸が多く生じることもあった。
【0012】
これらの反りや部分的な凹凸は、その量が一定でないため、複層ガラスの生産時にこれらをコントロールすることを要した。
【0013】
このような凹凸を有する強化ガラス板及び倍強度ガラス板に金属製スペーサを用いて、従来例と同様の方法で複層ガラスを製造すると、第1スペーサの側面とガラス板の主表面とがなす各々の境界面に施工されるブチルゴムの層は、部分的に厚い所と薄い所とが生じる可能性が高かった。
【0014】
ブチルゴムの層は厚すぎると湿気が通過しやすくなり、薄すぎると複層ガラスの変形時にブチルゴムが切れることにより湿気が通過し透湿抵抗が低下する可能性があった。
【0015】
また、近年強化ガラス板の4隅に孔を明けて、強化ガラス板を躯体にボルト止めすることなどにより壁面を構成するDPG構法(ドット・ポイント・グレージング構法:ガラス点支持構法)が普及し、DPG構法においても、省エネルギー及び遮音性の向上の観点から複層ガラス化への要望が高かった。
【0016】
DPG構法では、ガラス板のエッジ部分が露出するため、第1スペーサの側面とガラス板の主表面とがなす各々の境界面に施工されるブチルゴムがそのまま見えてしまうので、意匠上の問題となることがあった。
【0017】
さらに、DPG構法はガラス板の撓みを許容することに特徴があり、ガラス板が風圧を受けた際に、ガラス板の周辺端部は1〜3mm程度面外方向に撓む。複層ガラスをDPG構法に適用する場合、複層ガラスの第1スペーサ両側の接着面に用いられるブチルゴムは高粘性体であり、ガラス板に対して粘着しているが保形性及び復元性は弱いために、撓みと風圧力の影響で前記ブチルゴムが流動化し、空気層側にはみ出る可能性があった。
【0018】
この流動化を防止する方法として、第1スペーサの空気層側にブチルゴムによらない材料を用いてシールを施工したり、両面テープを施工したりすることも考えられたが、製造時の施工性が悪かった。
【0019】
また、複層ガラスをなす2枚のガラス板に穿設された孔の周りに配された第2スぺーサの側面と前記ガラス板の主表面とがなす各々の境界面に施工された孔周りシール材としてのブチルゴムについても、同様に、そのまま見えてしまうという意匠上の問題や、ブチルゴムの流動化の問題があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、強化ガラス又は倍強度ガラスを用いた複層ガラス及び複層ガラス構造体において、強化処理に伴って生ずるガラス板の反りや部分的な凹凸のために、ブチルゴム層の厚さを適正にコントロールするのが難しく、ブチルゴムに求められる透湿防止機能が充分に得られないという問題、及び、前記複層ガラスを用いたDPG構法の複層ガラス構造体においてガラス板の撓みによりブチルゴムが流動化し透湿防止機能が低下するという問題などの解決にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2枚のガラス板がその周辺部に配されている第1スペーサを介在して配置され、前記2枚のガラス板間に空気層が形成され、前記ガラス板のうち少なくとも1枚は強化ガラス板又は倍強度ガラス板であり、第1スペーサの側面と前記ガラス板の主表面とがなす各々の境界面にブチルゴムを塗布し1次シールが施工され、第1スペーサのガラス板端縁側に2次シールが施工されてなる複層ガラスにおいて、前記第1スペーサは、その側面の空気層側に沿って周方向に連続状突起を有し、前記第1スペーサは、そのブチルゴム接着可能面高さが8mm以上であり、ブチルゴム塗布当初の状態で前記第1スペーサの空気層側の端部から2mm以上ブチルゴムを塗布しない領域を設け、該接着可能面が黒色仕上げであることを特徴とする複層ガラスを提供する。
【0022】
以下に作用を述べると、本発明において、ブチルゴムの塗布量を増加すると増加したブチルゴムが、強化ガラス又は倍強度ガラスの表面の凸凹に対応し金属製スペーサとガラスとを密着させる機能を果たす。また、ブチルゴムの接着可能な面積を増加させたこのスペーサは、部分的に余分となったブチルゴムが空気層側にはみだすことなく、ガラス板との隙間に残ることを可能とし、さらに、スペーサを黒色化することにより、この部分的な波打ちが意匠上問題視されることを解決する。
【0023】
また、前記第1スペーサは、その側面の空気層側に沿って周方向に連続状突起を有することを特徴とする。
【0024】
以下に作用を述べると、本発明において、スペーサ側面の空気層側の連続状突起はブチルゴムの潰れを防ぐので、強化ガラス等の表面の微細な凸凹に対しても、最低限のブチルゴムの厚みを確保する機能を果たす。DPG構法においても、連続的突起状部を有するドーナツ状リングスペーサを用いて孔周りの処理を行うことができ、前述と同様な作用効果をもたらす。
【0025】
また、前記複層ガラスの2枚のガラス板には孔が同位置に穿設され、これらの孔径よりも大きい内寸を有する第2スペーサがこれらの孔の周りに配され、第2スペーサの側面と前記ガラス板の主表面とがなす各々の境界面にブチルゴムの孔周りシールが施工されてなる複層ガラス構造体において、第2スペーサは、そのブチルゴム接着可能面高さが8mm以上であり、該接着可能面が黒色仕上げであることを特徴とする複層ガラス構造体を提供する。
【0026】
また、前記第2スペーサは、その側面の空気層側に沿って周方向に連続状突起を有することを特徴とする。なお、該スペーサはその空気層側の端部に沿って周方向に連続状突起を有する。
【0027】
【実施例】
図4、5は、本発明の複層ガラスの第3、4実施例の要部断面図であり、外側ガラス板1と内側ガラス板3が、各々その周辺部に配されている第1スペーサ4a、4b、4d、4eにより隔置され、外側ガラス板1及び内側ガラス板3と第1スペーサとの間にはブチルゴム5の1次シールが、第1スペーサのガラス板端縁側には、シリコーン系又はポリスルフィド系などのシール材による2次シール6が施工されて、空気層2を形成している。符号72は吸湿剤であり、73は吸湿口である。
【0028】
後述するように、ヒンジボルトを用い複層ガラスを連結し複層ガラス構造体として用いる場合には、複層ガラスのエッジ部分は露出しているが、サッシ枠材などの枠材に複層ガラスを収める場合には、複層ガラスの端部のほとんどは枠材により覆われて露出していない(図は枠材を用いない場合を例示する)。
【0029】
図6は、本発明の複層ガラス構造体の第2実施例の要部断面図であり、外側ガラス板1と内側ガラス板3が、各々その周辺部に配されている第1スペーサ4c、4fにより隔置され、外側ガラス板1及び内側ガラス板3と第1スペーサとの間にはブチルゴム5の1次シールが、第1スペーサのガラス板端縁側には2次シール6bが施工されて、空気層2を形成している。符号72は吸湿剤である。第1スペーサ4c、4fの内部には、内部に吸湿剤を有する内部スペーサ7、7が配されている。
【0030】
これら複層ガラスをなす外側ガラス板1と内側ガラス板3とには、その4隅に孔が明けられ、ヒンジボルト9がガラスライナー92とプラスチック製のワッシャ12を介してフラットナット11により取付けられていて、この孔よりも大きい内寸を有するリング状の第2スペーサ8a、8bが孔の周りに配され、外側ガラス板1及び内側ガラス板3と第2スペーサとの間にはブチルゴム5の1次シールが、第2スペーサの取付け用孔側には2次シール6aが施工されている。また、ヒンジボルト9と2次シール6aの外表面などにより囲まれる隙間には現場打ちシーリング10が施工されている。
【0031】
これらの複層ガラスと複層ガラスの間にはバックアップ材18が配置されウエザーシール13が施されている。
【0032】
以下に、これら本発明の特徴を述べる。
前述のようにビルの高層化などに伴い高い強度をもつ複層ガラスが要求されているため、さらに複層ガラスによるDPG構法の場合には、複層ガラスをなす2枚の外側ガラス板1及び内側ガラス板2のうち少なくとも1枚は強化ガラス板又は倍強度ガラス板が用いられ、より好ましくは2枚とも強化ガラス板又は倍強度ガラス板が用いられる。また、これらガラス板の厚さは要求される設計風圧やガラス板の縦横の寸法などに応じて選択されるが、一般に8〜19mmのものが使用される。
【0033】
本発明は、複層ガラスをなすガラス板のうち少なくとも1枚は強化ガラス板又は倍強度ガラス板の使用を前提とし、その場合において生ずる問題を解決しようとするもので、図1〜6に示す実施例においては、外側ガラス板1にも内側ガラス板3にも強化ガラス板が使用され、その厚みは各々12mm、5mmである。
【0034】
空気層を形成するスペーサは複層ガラスの使用環境の要求性能に応じてその厚みが選択され、一般的に6〜12mmの空気層を形成するスペーサが用いられるが、これ以上の厚みを有するスペーサであっても基本的な問題はない。
【0035】
強化ガラス板又は倍強度ガラス板の反りについては、2枚の外側ガラス板及び内側ガラス板の反り方向を同一にして、一定時間、一定圧力で密着させること及び、2次シールの接着力でかなり補正できる。しかし、強化ガラス板又は倍強度ガラス板の表面の凸凹に関してはこの方法では解決困難であった。
【0036】
スペーサの「ブチルゴム接着可能面高さ」は、そのスペーサの側面方向の高さであってブチルゴムを接着できる面の高さである。通常は、スペーサの側面全体にブチルゴムが塗布されるので、「ブチルゴム接着可能面高さ」はブチルゴムを接着してある面の高さである。
【0037】
本発明では、特にこの表面の凸凹に対応するためにブチルゴムの設置量を、従来例におけるフロートガラス板を用いた複層ガラス場合の2〜4倍に増加させている。一般的な材質のブチルゴム(比重1.08)を用いた場合、1mの長さのスペーサの両側に塗布されるブチルゴムの重量は5〜7gである。前述のように、本発明ではこの量を従来例の2〜4倍に増加して10〜20g塗布している。ブチル量を増加することで、ガラス表面の凸凹部にもブチルが充填され、複層ガラスとしての性能が確保できる。
【0038】
しかし、一般に使用される既存の金属スペーサにおいては、ブチルゴム接着可能面高さは5〜7mm程度の長さであり、5mmが多い。そのため、ブチルゴムの塗布量を増加させても、ブチルゴムは単なる高粘性体であるから空気層側に溢れやすく有効に機能しがたかった。
【0039】
【0040】
本発明ではこうした点を考慮しつつ、ブチルゴムが空気層側に溢れないようにするために、スペーサは、その側面の空気層側に沿って周方向に連続状突起を有し、ブチルゴム接着可能面高さが8mm以上であるスペーサを用い、ブチルゴム塗布当初の状態でスペーサの空気層側の端部から2mm以上ブチルゴムを塗布しない領域を設け、ブチルゴムの塗布量を従来の2〜4倍にしてある。本発明に用いるスペーサは、アルミニウム合金押し出し製の金属スペーサが好適である。
【0041】
ブチルゴム接着可能面高さは8mm以上でも、透湿防止性能面では支障ないが、DPG構法のように、複層ガラスのエッジ部分を露出した使用方法の場合には意匠性が低下する欠点がある。
【0042】
また、単にブチルゴム接着可能面高さが8mm以上のスペーサを用い、2枚のガラス板をペアリング化して、ブチルゴムの塗布量を増加させると、ガラス板の表面の凸凹に応じてブチルゴム面が波打つために、通常のシルバー色のアルマイト仕上げでは美観上好ましくない。特に、複層ガラスのエッジ部分を露出するDPG構法において使用する場合には意匠面で大きな問題となる。
【0043】
このため、本発明では、スペーサは、その側面の空気層側に沿って周方向に連続状突起 を有し、スペーサのブチルゴム接着可能面高さを8mm以上とし、ブチルゴム塗布当初の状態でスペーサの空気層側の端部から2mm以上ブチルゴムを塗布しない領域を設け、スペーサ側面のブチルゴム接触面を黒色仕上げとし、このブチルゴムの波打ちを目立たなくすることを提案する。なお、意匠性をも考慮して、前記接着面高さは8〜20mmが好ましく、10〜15mmがより好ましい。
【0044】
スペーサの空気層側の吸湿口を設けた部分を黒色化することは意匠上の要求から知られていたが、従来は、スペーサのブチルゴム接着可能面高さが8mm以上のスペーサは用いられていなかったために、スペーサのブチルゴムとの接触面を黒色化することは知られていなかった。黒色化の方法については、黒色化されるものの材質は問わないが、黒色の酸化皮膜処理が簡単であり、たとえば、アルミニウム合金押し出し製のスペーサの場合にはブラックアルマイト処理(黒色アルマイト処理ともいう)を行いうる。
【0045】
DPG構法を用いた複層ガラス構造体の孔周りにも、ブチルゴム接着可能面高さを8mm以上とし、ブチルゴム接触面を黒色仕上げとしたスペーサの使用により上記同様の効果を得るとともに、スペーサの断面積の大型化によりスペーサの強度が向上するのでスペーサがより潰れにくくなる。
【0046】
さらに、DPG構法はガラス板の撓みを許容する構造であるが、当該スペーサは断面積が大きいので、ガラス板の曲げ変形に対する断面2次モーメントが大きくなり、ガラス板の撓みをより抑制できる。ガラス板の撓みは、ブチルゴムを流動化させる要因となるが、この撓みを抑制できるのでブチルゴムが流動化する傾向を抑えてブチルゴムの耐久性を向上させる。
【0047】
図1〜6に示す例では、ブラックアルマイト処理が行われたアルミニウム合金押し出し製の12mmの空気層を形成する第1スペーサ4a、4b、4c、4d、4f及び第2スペーサ8a、8bを用いている。このため、スペーサの厚みB1、B2、B3、B4、B5、B6は、12mmである。
【0048】
第1スペーサ4a、4b、4c、4d、4fについて、ブチルゴム接着可能面高さA1、A2、A3、A4、A5、A6は12mmとしたが、第1スペーサと2次シール6との接着性を高めるための端部のR形状(符号20)があるので、実質的なブチルゴム接着可能面高さは9.5mmである。一般的な既存スペーサの場合のブチルゴム接着可能面高さは5mmであるので、上記実施例の第1スペーサの約2倍となっている。
【0049】
また、図3に示す複層ガラス構造体に用いている第2スペーサ8aは、ブラックアルマイト処理された、外径が70mm、内径が52mm、ブチルゴム接着可能面高さC3が9mm、スペーサの厚みD3が12mmの、アルミニウム合金削り出し製のドーナツ状スペーサである。外側ガラス板1に明けられた皿孔の空気層側の内径は36.5mmである。
【0050】
図1、2、3に示す実施例の塗布当初の状態においては、第1スペーサ4a、4b、4c及び第2スペーサ8aの各々の空気層側の端部から2mm以上、特には3mm以上、ブチルゴムを塗布しない領域を設けることが好ましい。実施例の塗布当初の状態においては、3mm高さのブチルゴムを塗布しない領域が設けてある。
【0051】
本発明におけるスペーサ側面に施すブチルゴムは、透湿抵抗とガラス板への密着性などに優れるものが用いられ、たとえば、横浜ゴム株式会社より販売されているブチルゴム(商品名:ハマタイト PRC−488−Y)が用いられる。
【0052】
本発明では、前述したガラス板表面の凸凹によりブチルゴムが空気層側に溢れないようにするために、スペーサの側面の空気層側に沿って周方向に、好ましくはアルミニウム合金押し出し製のスペーサの両側に、一定寸法の連続状突起を設けてなる複層ガラスを提案する。該スペーサはその空気層側の端部に沿って周方向に連続状突起を有することが好ましい。該突起としては、曲線状のものや、直線状のものを数個組合せて用いることもできるが、意匠性と製作容易性の理由から直線状に連続していることがより好ましい。
【0053】
複層ガラス製造時に、このスペーサ両端に設けられた連続状突起が、2枚のガラス板の主表面とスペーサとの境界面に施工されるブチルゴムの1次シールの厚みを確保するストッパとして機能する。複層ガラスは、その製造時に圧力を加えられるが、2枚のガラス板は、スペーサの連続状突起のため、ある寸法以上は接近できない。連続状突起は側面の一部にのみ設けているで、他の部分が最低限のブチルゴム厚さを確保することになる。
【0054】
さらに、この連続状突起をより効果的に機能させるため、本発明では、ブチルゴムの塗布量を従来例の2〜4倍に増加して、1mの長さのスペーサの両側に10〜20g塗布している。ブチルゴム量を増加することで、ガラス表面の凸凹部にもブチルゴムが充填され、複層ガラスとしての性能が確保できる。
【0055】
複層ガラスの製造時に両ガラス板の表面から加えられる圧力が大きくても、連続状突起がぶつかるため、ブチルゴムがそれ以上潰れることはなく、最低限のブチルゴム厚は確保される。増量されたブチルゴムは、スペーサ表面を広がって行くが、空気層側に設けられた連続状突起にせき止められるため、それ以上はみだすことは基本的にはない。
【0056】
DPG構法を用いた複層ガラス構造体の孔周りにも、側面の空気層側に沿って周方向に連続状突起を有するスペーサを使用することにより、ブチルゴムの流動化を抑制できる。該スペーサはその空気層側の端部に沿って周方向に連続状突起を有することが好ましい。該突起としては、曲線状のものや、直線状のものを数個組合せて用いることもできるが、意匠性と製作容易性の理由から周方向に連続していることがより好ましい。
【0057】
図4、5、6に示す例においては、第1スペーサ4d、4e、4f及び第2スペーサ8bの連続状突起16、19の高さは0.4mmで、幅は1mmであり、この0.4mmがブチルゴムの厚さの最低限の設定量になっている。
【0058】
図6に示す複層ガラス構造体に用いている第2スペーサ8bは、ブラックアルマイト処理された、外径が70mm、内径が52mm、ブチルゴム接着可能面高さC6が9mm、スペーサの厚みD3が12mmの、アルミニウム合金削り出し製のドーナツ状スペーサである。外側ガラス板1に明けられた皿孔の空気層側の内径は36.5mmである。
【0059】
複層ガラスにおいて、一般に吸湿剤は不可欠であり、図1、4に示すように、アルミ製の第1スペーサを中空にし、その内部に吸湿剤を封入することが最も簡便であるが、空気層側に吸湿口を設けなければならない。この吸湿口としては、微細な吸湿口を多数設けることが好ましい。
【0060】
また、第1スペーサに部分的に吸湿口を明ける方法もあるが、吸湿性能が不十分になる欠点があった。逆に吸湿口を明けすぎると内部の吸湿剤が第1スペーサから落ちてしまう問題があった。
【0061】
本発明ではこの問題を解決すべく、図2、5に示すように、多数の微細な吸湿口73を有し幅が9mmの既存のスペーサを内部スペーサとして用い、該内部スペーサを、本発明によるブチルゴムの接着面積を高めた第1スペーサが囲う2重構造とした複層ガラスを提案する。第1スペーサ4b、4eの内面下部中央に配されている支持部17は内部スペーサ7を支えている。第1スペーサは中空のアルミニウム合金製押し出しスペーサである。
【0062】
直線材である部分スペーサ4本をその接合状態のコーナー部分が90°になるようにそれぞれ接合することで、平面形状が4角形状の第1スペーサを得る。コーナー部の処理は重要であり、一般的にはコーナーキーと呼ばれる亜鉛ダイキャスト製のアングル材が、部分スペーサ端部に挿入、嵌合されて一体化する。
【0063】
ところが、本発明に用いる第1スペーサは、ブチルゴムの接着面積を増加させるために第1スペーサの全体重量が増し、この挿入による摩擦力だけでは前記4角形状の保持が困難となった。そこで、本発明では、ネジ加工を施してあるアングル材を第1スペーサのコーナー部にセットし、空気層側から付着材としての雄ネジなどのボルト状部品を締め込むことで、しっかりした結合が得られるようにした。
【0064】
図7は、本発明の複層ガラスの実施例に用いるスペーサのコーナー部分の構成を説明する説明図である。図7に示すように、第1スペーサ4gは、部分スペーサ19a、19b、19c(図示せず)、19d(図示せず)よりなり、第1スペーサ4gの隅部を形成するこれら部分スペーサの端部は斜めに隅切り加工されている。
【0065】
その両側に雌ネジが加工されているコーナー用のアングル材14、14、14、14が、これら部分スペーサ内部の端部に配されていて、部分スペーサとアングル材14とを、付着材としての雄ネジ15により付着することにより、これら4本の部分スペーサが接合されている。また、コーナー部の透湿性を確保するために、斜隅切り部分にはブチルゴム80が充填されている。
【0066】
アングル材14は、平面寸法が30mm×30mm、断面の厚みが5mm、幅がほぼ10mmであり、アルミ押し出し製の加工品でブラックアルマイト処理してある。
【0067】
空気層側からのネジ止めで固定することにより、4角形状のスペーサを製作可能としたため、経済性、施工性を高めている。
【0068】
【発明の効果】
請求項1の発明は、強化ガラス板又は倍強度ガラス板を用いた複層ガラスにおいて、強化ガラス板又は倍強度ガラス板に特有の反りや部分的な凹凸に起因する透湿抵抗の性能のコントロールの不安定や劣化の問題を解決することを目的としており、第1スペーサは、その側面の空気層側に沿って周方向に連続状突起を有し、前第1スペーサのブチルゴム接着可能面高さを8mm以上とし、ブチルゴム塗布当初の状態で前記第1スペーサの空気層側の端部から2mm以上ブチルゴムを塗布しない領域を設けることにより、空気層側にブチルゴムをはみ出させることなく、従来のブチルゴム塗布量の2〜4倍の塗布量の塗布が容易に可能となり、かつ該接着面を黒色仕上げとすることにより、この多量の塗布により複層ガラスのエッジ部分を挟持する枠材よりはみでて見える「ガラス板の凹凸によるブチルゴムの波打ち」を目立たなくすることができ、品質の安定した意匠性に優れた複層ガラスが容易に供給できる。
【0069】
【0070】
【0071】
請求項2の発明は、ブチルゴム接着可能面高さを8mm以上とスペーサの大型化の利点を生かすものであり、そのスペーサの内部に、吸湿剤とその吸湿口を有する既存の量産品である内部スペーサを内蔵させることにより、スペーサに微細な吸湿口を自社加工しなくてもよい。
【0072】
【0073】
請求項3の発明は、前述の請求項1の効果と基本的に同様の効果があるが、特に周辺部が露出するDPG構法においては、「ガラス板の凹凸によるブチルゴムの波打ち」を目立たなくすることがより求められるので、その課題を解決し、意匠上からも問題なく使用できる。また、DPG構法では、4隅の点支持であるため、辺中央部の撓みが大きくなる。この撓みが原因となり、繰り返し風圧力を受けた際、周辺部のブチルゴムが空気層側へはみ出してくる現象が、実験で確認されているが、本発明で用いているスペーサにより、ブチルゴムが動いても空気層側に沿って周方向に連続状突起を有し、ブチルゴム塗布当初の状態で前記第2スペーサの空気層側の端部から2mm以上ブチルゴムを塗布しない領域を設け、およびスペーサの寸法が大きいため空気層側へはみだすことはなく、長期的に品質の安定した製品が供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複層ガラスの第1例の要部断面図
【図2】複層ガラスの第2例の要部断面図
【図3】複層ガラス構造体の第1例の要部断面図
【図4】本発明の複層ガラスの第3実施例の要部断面図
【図5】本発明の複層ガラスの第4実施例の要部断面図
【図6】本発明の複層ガラス構造体の第2実施例の要部断面図
【図7】本発明の複層ガラスの実施例に用いるスペーサのコーナー部分の構成を説明する説明図であり、(a)は該部分の平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図、(c)は(a)のB−B線に沿った断面図
【符号の説明】
1:外側ガラス板(ガラス板)
2:空気層
3:内側ガラス板(ガラス板)
4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g:第1スペーサ
5:ブチルゴム(1次シール)
6、6a、6b:2次シール
7:内部スペーサ
72:吸湿剤
73:吸湿口
8a、8b:第2スペーサ
9:ヒンジボルト
92:ガラスライナー
10:現場打ちシーリング
11:フラットナット(雌ネジ)
12:ワッシャ
13:ウェザーシール
14:コーナー部アングル材
15:雄ネジ(付着材)
16、19:連続状突起
17:支持部
18:バックアップ材
19a、19b、19c、19d:部分スペーサ
20:R形状
Claims (2)
- 2枚のガラス板がその周辺部に配されている第1スペーサを介在して配置され、前記2枚のガラス板間に空気層が形成され、前記ガラス板のうち少なくとも1枚は強化ガラス板又は倍強度ガラス板であり、第1スペーサの側面と前記ガラス板の主表面とがなす各々の境界面にブチルゴムを塗布し1次シールが施工され、第1スペーサのガラス板端縁側に2次シールが施工されてなる複層ガラスにおいて、前記第1スペーサは、その側面の空気層側に沿って周方向に連続状突起を有し、該連続突起の高さは0.4mm以上であり、前記第1スペーサは、そのブチルゴム接着可能面高さが8mm以上であり、ブチルゴム塗布当初の状態で前記第1スペーサの空気層側の端部から2mm以上ブチルゴムを塗布しない領域を設け、該接着可能面が黒色仕上げであることを特徴とする複層ガラス。
- 前記第1スペーサは、空気層側に開口を有してなる中空スぺーサの内部に、吸湿剤を有する内部スペーサが配されていることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラス。
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