JP3666080B2 - フォークリフトのティルトバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフトのマスト前後傾用のティルトシリンダを制御するティルトバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
フォークリフトのマストを前後傾させるためのティルトシリンダは、常に前傾方向(ロッド側)に負荷を受けている。そのため、オペレータがエンジンを切って運転席から離れているときに、第3者が不用意にティルトレバーを前傾方向に操作すると、マストが前傾する可能性があり、安全上好ましくない。このようなことから、一般に、ティルトシリンダを制御するティルトバルブには、油圧ポンプの停止時(エンジン停止時)にマストの前傾方向の動きを固定するティルトロック用のティルトロックスプールが設けられ、ティルトシリンダのロッド側に通じる通路を油圧的に閉鎖(ロック)し、ティルトレバーが操作されてもティルトシリンダが作動されないようにしている。
【0003】
図8は、従来のティルトバルブを断面構造で示すティルトシリンダ制御用の油圧回路図である。ティルトバルブ41のバルブハウジング42に軸方向に摺動自在に挿入されたティルトスプール43は、その軸方向の一端に組付けられたリターンスプリング44により常には図示の中立位置に保持されている。このときは、油圧ポンプ47からティルトバルブ41に送られる圧油は、第1のポンプポートP1からティルトスプール43のセンタバイパス43aを通り第1のタンクポートT1を経てオイルタンク48へと流出される。また、ティルトスプール43内にはティルトロックスプール45が軸方向に摺動自在に挿入され、常にはリターンスプリング46により図示右方へ押され、ティルトスプール43の第1の穴43gと第2の穴43hとの連通を遮断する閉鎖位置に保持されている。
【0004】
エンジンにより油圧ポンプ47が駆動されている状態において、ティルトスプール43を図示中立位置からリターンスプリング44に抗して前傾方向へシフト操作(図示右側へストロークS)すると、センタバイパス43aが閉じられ、第1及び第2のポンプポートP1及びP2に圧力が立つ。第2のポンプポートP2に立ち上がった圧力は、ティルトスプール43の第1の溝43bからシリンダエンドポートC1を経てティルトシリンダ49のエンド側に作用する。一方、第1のポンプポートP1に立ち上がった圧力は、ティルトスプール43のパイロット溝43dから絞り付きのパイロット穴43eを経てティルトスプール43のパイロット室43fに導入され、ティルトロックスプール45の軸方向の一端面に作用する。
【0005】
パイロット圧の作用を受けたティルトロックスプール45は、リターンスプリング46に抗して図示左方へシフト作動(ストロークS1)し、ティルトスプール43の第1の穴43gと第2の穴43hがティルトロックスプール45の斜面絞り45a付きの溝部45bを介して連通する。そのため、ティルトシリンダ49のロッド側の圧油は、シリンダロッドポートC2から第1の穴43g、斜面絞り45a付き溝部45b、第2の穴43hを通り第2のタンクポートT2を経てオイルタンク46へ流出される。かくして、ティルトシリンダ49が伸長作動し、マスト50が前傾される。
【0006】
なお、ティルトスプール43を図示左方へシフト操作したときは、シリンダエンドポートC1が第1の溝43bを介して第3のタンクポートT3と連通し、シリンダロッドポートC2が第2の溝43cを介して第2のポンプポートP2に連通する。そのため、油圧ポンプ47の圧油がロッド側に送られ、エンド側の圧油が押し出されてティルトシリンダ49が縮小作動し、マスト50が後傾する。
【0007】
一方、油圧ポンプ47の停止状態では、ポンプポートP1,P2には油圧が立ち上がらないため、たとえティルトスプール43がマスト前傾方向へ操作されても、ティルトロックスプール45が移動されず、ティルトシリンダ49のロッド側通路の閉鎖状態が保持される。即ち、マスト50のティルトロック状態が保持される。従って、オペレータがエンジンを切って運転席から離れているときには、第3者が不用意にティルトレバーを前傾方向に操作しても、マスト50が前傾することがなく、安全が確保される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のティルトバルブにおいては、ティルトスプール43がマスト前傾方向へシフト操作されたとき、第2のポンプポートP2に立ち上がった圧力がティルトスプール43の第1の溝43bからシリンダエンドポートC1を経てティルトシリンダ49のエンド側に作用するが、そのとき、ロッド側ではティルトロックスプール45がシフト作動して通路が開くまでに時間がかかり、圧力の逃げ場がない。即ち、ティルトロックスプール45の作動遅れにより、ティルトシリンダ49のロッド側には異常な高圧、即ちサージ圧が発生し、このことがティルトシリンダ等の油圧部品の耐久性を落とす原因となっている。
【0009】
この場合、パイロット通路の絞りを大きく(緩く)設定してティルトロックスプール45の動きが素早く行われるようにすると、サージ圧は防止できても油圧の脈動に原因してティルトロックスプール45が振動する、いわゆるチャタリングが発生し、ティルトシリンダ49の作動の円滑性が損なわれることになる。即ち、ティルトロックスプール45の作動遅れによるサージ圧の発生と、チャタリングの発生とは裏腹の関係にあり、単に絞りの調整では上記両方の問題を解決することは難しい。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フォークリフトのティルトバルブにおいて、ティルトスプールのマスト前傾方向へのシフト操作時にサージ圧及びチャタリングが発生しないようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を講じている。即ち、請求項1の発明は、バルブハウジングと、該バルブハウジングに軸方向に摺動可能に設けられた圧油の流れ方向制御用のティルトスプールと、該ティルトスプール内に軸方向に摺動可能に収容されたティルトロック用のティルトロックスプールとを備え、前記ティルトスプールのマスト前傾方向へのシフト操作時に、前記ティルトロックスプールにパイロット圧を作用させることにより該ティルトロックスプールを所定ストロークでシフト作動させてティルトロックを解除する構成のフォークリフトのティルトバルブにおいて、前記ティルトロックスプールに形成された受圧面に、前記ティルトスプールに形成されたパイロット通路を経て導入されるパイロット圧を作用させて前記ティルトロックスプールをシフト作動し、シフト作動後は前記パイロット通路よりも断面積が小さい絞りを経て導入されるパイロット圧のみを作用させてシフト位置に保持する構成としたことを特徴とする。
【0012】
上記のように構成された請求項1の発明によると、ティルトスプールをマスト前傾方向へシフト操作したとき、ティルトロックスプールはパイロット通路からパイロット圧によりシフト作動されてシフトロックを解除する。そして、シフトロック解除後はパイロット通路よりも断面積が小さい絞りを経たパイロット圧でシフト位置に保持される。このため、ティルトロックスプールのシフト作動は素早く行われ、シフト後のティルトロックスプールは圧油の脈動の影響を受け難くくなる。
【0013】
請求項2の発明は、バルブハウジングと、該バルブハウジングに軸方向に摺動可能に設けられた圧油の流れ方向制御用のティルトスプールと、該ティルトスプール内に軸方向に摺動可能に収容されたティルトロック用のティルトロックスプールとを備え、前記ティルトスプールのマスト前傾方向へのシフト操作時に、前記ティルトロックスプールにパイロット圧を作用させることにより該ティルトロックスプールを所定ストロークでシフト作動させてティルトロックを解除する構成のフォークリフトのティルトバルブにおいて、前記ティルトロックスプールの2箇所に受圧面を設定し、前記ティルトスプールには、前記ティルトロックスプールの各受圧面に対応するパイロット室と、そのパイロット室にパイロット圧を導入するための断面積の異なる大小2つのパイロット通路を設け、その2つのパイロット通路のうち、断面積の大きいパイロット通路は少なくともティルトロックスプールのストロークエンドで閉鎖され、該閉鎖後は断面積の小さいパイロット通路のみによってパイロット圧を導入する構成としたことを特徴とする。
【0014】
上記のように構成された請求項2の発明によると、ティルトスプールをマスト前傾方向へシフト操作したとき、ティルトロックスプールは大小2つのパイロット通路を経てパイロット室に導入されるパイロット圧の作用を受圧面に受けてシフト作動される。そして、ティルトロックスプールがストロークエンドに達すると、断面積の大きいパイロット通路が閉鎖され、その閉鎖後は断面積の小さいパイロット通路のみから導入されるパイロット圧でシフト位置に保持される。このため、ティルトロックスプールのシフト作動は素早く行われ、シフト後のティルトロックスプールは圧油の脈動の影響を受け難くくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。まず、図1〜図3に基づいて本発明の実施の形態1を説明する。図1はティルトバルブを断面構造で示すティルトシリンダ制御用の油圧回路図である。図2及び図3はティルトバルブの主要部を示す断面図であり、図2はティルトロック状態を示し、図3はティルトロック解除状態を示している。本実施の形態に係るティルトバルブ1は6ポート3位置形の手動操作式切換弁であって、マスト19の前傾を固定するティルトロック用のティルトロックスプール5が一体に組み込まれたティルトロックバルブ内蔵タイプである。
【0016】
図1に示すように、ティルトバルブ1は、そのバルブハウジング2に軸方向に摺動可能に挿入された圧油の流れ方向制御用のティルトスプール3を備えている。このティルトスプール3は、その軸方向の一端に組付けられたリターンスプリング4により常には図示の中立位置に保持されている。ティルトスプール3は中立位置では、バルブハウジング2に形成された第1のポンプポートP1と第1のタンクポートT1とをセンタバイパス3aを介して連通し、油圧ポンプ16から送られた圧油がタンク17へ流出されるようになっており、またティルトシリンダ18のシリンダエンドポートC1及びシリンダロッドポートC2をそれぞれ閉鎖している。
【0017】
また、ティルトスプール3の外周には、そのシフト操作によりシリンダエンドポートC1を第2のポンプポートP2又は第3のタンクポートT3に連通するための第1の溝3bと、シリンダロッドポートC2を第2のポンプポートP2に連通するための第2の溝3cが形成され、さらにシリンダロッドポートC2を第2のタンクポートT2に連通するための第1の穴3dと第2の穴3eが径方向に形成され、それら両穴3d,3eは油圧ポンプ16の停止時にマスト19の前傾方向への動きを固定するティルトロック用のティルトロックスプール5により閉鎖されている。
【0018】
即ち、ティルトスプール3に形成された筒穴内には、ティルトロックスプール5が軸方向に摺動可能に収容され、常にはリターンスプリング6により図示右方に押されてティルトロック位置に保持され、その位置で前記第1と第2の穴3d,3eの連通を遮断してロッド側油路を閉鎖している。そして、ティルトロックスプール5は、前記リターンスプリング6に抗して図示左方へシフト操作されたときに、その外周に形成された斜面絞り5a付きの溝部5bを介して前記第1の穴3dと第2の穴3eとを連通してシフトロックを解除するようになっており、そのシフト作動は第1のポンプポートP1から導入されるパイロット圧で行われるようになっている。
【0019】
図2に示すように、ティルトロックスプール5の軸方向一端部(リターンスプリング6の反対側)には小径部5cが形成され、この小径部5cと本体(大径部)との段差面がシフト作動用の第1の受圧面7とされ、小径部5cの端面がシフト位置保持用の第2の受圧面8とされている。そして、ティルトスプール3には各受圧面7,8にパイロット圧を作用させる第1及び第2のパイロット室9,10と、それらパイロット室9,10にパイロット圧を導入するための断面積の異なる大小2つのパイロット穴11,12と、それらパイロット穴11,12を相互に連通するための外周面に形成されたパイロット圧取入用のパイロット溝13とを備えている。
【0020】
なお、パイロット溝13は、ティルトスプール3の中立位置では第2のタンクポートT2に連通し、ティルトスプール3のマスト前傾方向へのシフト操作時には第1のポンプポートP1に連通されるようになっている。そして、このパイロット穴11,12とパイロット溝13が請求項1及び2に記載のパイロット通路に相当する。
【0021】
しかして、断面積の大きいパイロット穴11(以下、大径パイロット穴という)は、第1のパイロット室9に対してティルトロックスプール5の小径部5c外周に形成された溝14を介して連通しており、ティルトロックスプール5のシフト作動後のストロークエンドでは溝14から外れて小径部5cの外面により閉鎖されるように設定されている。一方、断面積の小さいパイロット穴12(以下、小径パイロット穴という)は、穴内に絞り15を備えており、常時第2のパイロット室10に連通している。なお、図中20はティルトロックスプール5に形成されたドレン用の穴である。
【0022】
本実施の形態のティルトバルブ装置は、上述のように構成したものであり、ティルトスプール3が図1に示す中立位置にあるときは、第1のポンプポートP1はセンタバイパス3aを介して第1のタンクポートT1に連通し、シリンダエンドポートC1はティルトスプール3のランド部により閉鎖され、シリンダロッドポートC2に通じる第1の穴3dがティルトロックスプール5により閉鎖されている。即ち、ティルトバルブ1はティルトシリンダ18のロッド側油路を閉鎖したティルトロック状態にある。
【0023】
従って、オペレータがエンジンを切って運転席から離れている油圧ポンプ16の停止状態において、第3者がティルトレバーを操作してティルトスプール3を前傾方向にシフト操作しても、ティルトロックスプール5はティルトスプール3と一体に移動するだけであり、ティルトロック状態が保持される。そのため、常に前傾方向に負荷を受けているマスト19が前傾されることがなく、安全が確保される。
【0024】
一方、油圧ポンプ16の作動状態においては、ティルトスプール3が前傾方向にシフト操作(図示右側へストロークS)されると、該ティルトスプール3のランド部により第1のタンクポートT1が閉じられ、第1及び第2のポンプポートP1,P2に圧力が立つ。第2のポンプポートP2に立ち上がった圧力は、第1の溝3bを介して連通されたシリンダエンドポートC1を経てティルトシリンダ18のエンド側に作用する。また、第1のタンクポートP1に立ち上がった圧力は、パイロット溝13から大径及び小径パイロット穴11,12を経て第1及び第2のパイロット室9,10に導入され、ティルトロックスプール5の第1及び第2の受圧面7,8に作用する。
【0025】
そのため、ティストロックスプール5はリターンスプリング6に抗して図示左方へシフト作動(ストロークS1)される。そして、このシフト作動がストロークエンドに達すると、図3に示すように、大径パイロット穴11がティルトロックスプール5の小径部5cにより閉鎖される。そのため、その後は小径パイロット穴12を経て導入されるパイロット圧のみが第2の受圧面8に作用してシフト位置に保持する。
【0026】
かくして、ティルトロックスプール5がシフト作動されると、第1の穴3dと第2の穴3eが斜面絞り5a付きの溝部5bを介して連通するため、ティルトシリンダ18のロッド側の圧油は、ティルトスプール3のシフト操作により第2のタンクポートT2に連通された第2の穴3eを経てタンク17に流出される。従って、ティルトシリンダ18が伸長作動し、マスト3を前傾する。
【0027】
なお、ティルトロックスプール5はティルトスプール3が中立位置に復帰操作されたときに、パイロット溝13が第2のタンクポートT2に連通してパイロット室9,10の圧油が流出されることに伴いリターンスプリング6により押し戻されて初期のティルトロック位置に復帰される。また、ティルトスプール3の後傾方向(図示左方)へのシフト操作時には、シリンダエンドポートC1が第1の溝3bを介して第3のタンクポートT3に連通し、シリンダロッドポートC2が第2の溝3dを介して第2のポンプポートP2に連通するため、ティルトシリンダ18が縮小方向に作動してマスト19が後傾される。このときはパイロット溝13が第2のタンクポートT2に連通したままであり、ティルトロックスプール5はティルトスプール3と一体となって移動するだけである。
【0028】
このように、本実施の形態によれば、ティルトスプール3に形成された大径パイロット穴11を経て導入されるパイロット圧によりティルトロックスプール5をシフト作動させるため、そのシフト動作は素早いものとなり、サージ圧の発生が抑えられる。また、シフト作動後は絞り15を備えた小径パイロット穴12を経て導入されるパイロット圧のみによりシフト位置に保持するため、ティルトロックスプール5が油圧の脈動の影響を受け難くなり、ティルトロックスプール5のチャタリングの発生が抑えられる。従って、ティルトシリンダ18等の油圧部品の耐久性が向上されるとともに、ティルトシリンダ18の円滑な前傾動作を確保することができる。
【0029】
次に本発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。この実施の形態2は、パイロット室及びパイロット通路をそれぞれ1つとし、そのパイロット通路の断面積を可変絞りにより変化させるようにしたものである。即ち、ティルトロックスプール5の本体と小径部5cとの段差面を受圧面7とし、この受圧面7にパイロット圧を作用させるパイロット室9が形成されている。大径パイロット穴11は、ティルトロックスプール5に形成された斜面絞り21付きの溝部22を介してパイロット室9と連通されており、ティルトロックスプール5のシフト作動時のストロークエンドで、(B)に示す如くその開口部面積が斜面絞り21によって絞られる構成となっている。この場合はドレン用の穴20はティルトロックスプール5の小径部5cが嵌合する筒穴まで貫通されている。なお、その他の構成については実施の形態1と同様に構成されている
【0030】
従って、実施の形態2によれば、ティルトスプール3のマスト前傾方向へのシフト操作時には、(A)に示す如く大径のパイロット穴11から溝部22を経てパイロット室9に導入されるパイロット圧によりティルトロックスプール5を素早くシフト作動させることによりサージ圧の発生を防止することができ、シフト作動後は(B)に示す如くパイロット穴11の開口部の開口面積を斜面絞り21により縮小化してティルトロックスプール5をシフト位置に保持することによりチャタリングの発生を防止することが可能となる。
【0031】
図5は実施の形態3を示したものである。この実施の形態3は、前述した実施の形態1で説明された第1のパイロット室9と第2のパイロット室10とをティルトロックスプール5内を軸方向に延びる連通穴23によって連絡したものであり、その他については実施の形態1と同様に構成されている。このような構成としたときは、連通穴23を経て第2のパイロット室10側に圧油が送られることによりティルトロックスプール5の素早いシフト作動を得ることが可能となる。このことは、小径パイロット穴12のより小径化が可能となり、チャタリングの発生を防止する上でより有効である。
【0032】
図6は実施の形態4を示しており、この実施の形態4では、ティルトロックスプール5の本体と小径部5cの段差面を受圧面7とし、その受圧面7にパイロット圧を作用させる1つのパイロット室9が形成されている。そして、1つのパイロット室9に断面積の異なる大小2つのパイロット穴11,12からそれぞれパイロット圧が導入される構成となっている。大径パイロット穴11は実施の形態1と同様に構成され、ティルトロックスプール5のティルトロック位置では(A)に示す如く開口部が溝部14に開放し、シフト移動後には(B)に示す如く小径部5cにより閉鎖される。一方、小径パイロット穴12はティルトロック位置ではその開口部が本体により閉鎖され、シフト移動後にパイロット室9に開放する。
【0033】
従って、上記のような構成を採用した場合であっても実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
また、図7は実施の形態5を示している。この実施の形態5では、1つのパイロット室10と大小2つのパイロット穴11,12が備えられ、パイロット室10はティルトロックスプール5の軸端面の受圧面8に対応して形成されている。大径パイロット穴11はティルトロックスプール5の外周に形成した溝部14と、その溝部14に一端が開口し、他端がパイロット室10に開口する穴24を介してパイロット室10に通じている。小径パイロット穴12は直接パイロット室10に連通されている。そして、大径パイロット穴11はティルトロックスプール5のシフト作動後にその外周によって塞がれる構成としている。なお、その他の構成については実施の形態1と同様である。
【0035】
従って、実施の形態5の構成によるときは、上述した実施の形態1と同様の作用効果が得られることのほか、ティルトロックスプール5の外形形状及びそれが収容されるティルトスプール3の筒穴形状を単純化することができ、加工コストの低減に有効である。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態には特許請求の範囲に記載した技術的事項の他に次のような各種の技術的事項が含まれていることを付記しておく。
【0037】
(A)請求項2記載のフォークリフトのティルトバルブにおいて、前記2つのパイロット室が相互に連通される構成とした。このような構成を採用したときは、断面積の大きいパイロット通路側のパイロット室から断面積の小さいパイロット通路側のパイロット室に圧油が流入するので、ティルトロックスプールのシフト作動の迅速性を確保した上で小さい方のパイロット通路の断面積をより縮小することが可能となり、このことはチャタリングの防止効果がより向上する。
【0038】
(B)バルブハウジングと、該バルブハウジングに軸方向に摺動可能に設けられた圧油の流れ方向制御用のティルトスプールと、該ティルトスプール内に軸方向に摺動可能に収容されたティルトロック用のティルトロックスプールとを備え、前記ティルトスプールのマスト前傾方向へのシフト操作時に、前記ティルトロックスプールにパイロット圧を作用させることにより該ティルトロックスプールを所定ストロークでシフトさせてティルトロックを解除する構成のティルトバルブにおいて、
前記ティルトスプールには、前記ティルトロックスプールの軸方向の一端面にパイロット圧を作用させるためのパイロット室と、そのパイロット室にパイロット圧を導入するための断面積の異なる大小2つのパイロット通路を設け、その2つのパイロット通路のうち、断面積の小さいパイロット通路は直接パイロット室に連通され、断面積の大きいパイロット通路は前記ティルトロックスプールに形成された連絡通路を介して前記パイロット室に連通されるとともに少なくともティルトロックスプールのストロークエンドでは前記連絡通路に対して遮断される構成とした。
【0039】
このような構成を採用したときは、2つのパイロット室を構成する場合に比べてティルトロックスプールの外形及びこのティルトロックスプールが摺動可能に収容されるティルトスプールの筒穴形状を簡素化することが可能となる。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1及び2の発明によれば、断面積が大きい通路を経てパイロット圧を導入することでティルトロックスプールのシフト作動を素早く行うことができるため、サージ圧の発生を防止してティルトシリンダ等の油圧部品の耐久性を高めることが可能となる。また、ティルトロックスプールのシフト作動後のシフト位置の保持は、断面積が小さい通路を経てパイロット圧を導入する(すなわち絞りのかけられたパイロット圧で行われる)ため、圧油の脈動の影響を受け難くなり、チャタリングの発生を防止してティルトシリンダの円滑な作動性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るティルトバルブを断面構造で示すティルトシリンダ制御用の油圧回路図である。
【図2】ティルトバルブの主要部を示す断面図であり、ティルトロック状態を示す。
【図3】ティルトバルブの主要部を示す断面図であり、ティルトロック解除状態を示している。
【図4】実施の形態2を示す断面図であり、(A)はティルトロック状態を示し、(B)はティルトロック解除状態を示す。
【図5】実施の形態3を示す断面図であり、(A)はティルトロック状態を示し、(B)はティルトロック解除状態を示す。
【図6】実施の形態4を示す断面図であり、(A)はティルトロック状態を示し、(B)はティルトロック解除状態を示す。
【図7】実施の形態5を示す断面図であり、(A)はティルトロック状態を示し、(B)はティルトロック解除状態を示す。
【図8】従来のティルトバルブを断面構造で示すティルトシリンダ制御用の油圧回路図である。
【符号の説明】
1…ティルトバルブ 3…ティルトスプール
5…ティルトロックスプール 7,8…受圧面
9,10…パイロット室 11…大径パイロット穴
12…小径パイロット穴 15…絞り
18…ティルトシリンダ
Claims (2)
- バルブハウジングと、該バルブハウジングに軸方向に摺動可能に設けられた圧油の流れ方向制御用のティルトスプールと、該ティルトスプール内に軸方向に摺動可能に収容されたティルトロック用のティルトロックスプールとを備え、前記ティルトスプールのマスト前傾方向へのシフト操作時に、前記ティルトロックスプールにパイロット圧を作用させることにより該ティルトロックスプールを所定ストロークでシフト作動させてティルトロックを解除する構成のフォークリフトのティルトバルブにおいて、
前記ティルトロックスプールに形成された受圧面に、前記ティルトスプールに形成されたパイロット通路を経て導入されるパイロット圧を作用させて前記ティルトロックスプールをシフト作動し、シフト作動後は前記パイロット通路よりも断面積が小さい絞りを経て導入されるパイロット圧のみを作用させてシフト位置に保持する構成としたフォークリフトのティルトバルブ。 - バルブハウジングと、該バルブハウジングに軸方向に摺動可能に設けられた圧油の流れ方向制御用のティルトスプールと、該ティルトスプール内に軸方向に摺動可能に収容されたティルトロック用のティルトロックスプールとを備え、前記ティルトスプールのマスト前傾方向へのシフト操作時に、前記ティルトロックスプールにパイロット圧を作用させることにより該ティルトロックスプールを所定ストロークでシフト作動させてティルトロックを解除する構成のフォークリフトのティルトバルブにおいて、
前記ティルトロックスプールの2箇所に受圧面を設定し、前記ティルトスプールには、前記ティルトロックスプールの各受圧面に対応するパイロット室と、そのパイロット室にパイロット圧を導入するための断面積の異なる大小2つのパイロット通路を設け、その2つのパイロット通路のうち、断面積の大きいパイロット通路は少なくともティルトロックスプールのストロークエンドで閉鎖され、該閉鎖後は断面積の小さいパイロット通路のみによってパイロット圧を導入する構成としたフォークリフトのティルトバルブ。
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| JP29685995A JP3666080B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | フォークリフトのティルトバルブ |
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| JP29685995A JP3666080B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | フォークリフトのティルトバルブ |
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| JPH09142797A JPH09142797A (ja) | 1997-06-03 |
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