JP3665911B2 - 半導体光素子の製造方法,及び半導体光素子 - Google Patents

半導体光素子の製造方法,及び半導体光素子 Download PDF

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Description

【0002】
【発明の属する技術分野】
の発明は、ドーピング制御が容易なBeドーピング方法,及び成長層表面を鏡面にできるエピタキシャル成長方法を用いた半導体光素子の製造方法、及びかかる製造方法により製造される半導体光素子に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
現在、有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いたIII-V族化合物半導体の結晶成長においては、そのp型ドーパントとして亜鉛(Zn)が最も一般的に用いられている。しかしZnの拡散係数は、たとえば、GaAs中において、700℃で4×10-14 cm-2/sと大きく、結晶中を早く動くため、Znの急峻なプロファイルを得るのは非常に困難で、設計通りのデバイス構造を得ることはできなかった。また、半導体レーザのp型クラッド層等のp型不純物としてZnを用いた場合、Znが活性層に拡散することにより、半導体レーザの発光効率等が悪くなるという問題もあった。
【0004】
また、AlGaInP結晶にZnをドーピングする場合は、ドーパントであるZnとホストのAl+Ga+Inの供給量はほぼ同じにする必要があり、ドーピング効率が悪いという問題があった。
【0005】
一方、分子線エピタキシ(MBE)法ではZnより拡散しにくいBeがp型ドーパントとして用いられており、MOCVD法でもBeをp型ドーパントとして用いることが検討されてきた。
【0006】
たとえば、J.D.パーソンズらは、ジャーナルオブクリスタルグロース(Journal of Crystal Growth 77(1986)32-36 North-Holland, Amsterdam "MOVPE GROWTH OF BERYLLIUM-DOPED GALLIUM ARSENIDE USING DIETHYLBERYLLIUM")に、有機金属気相成長法によりGaAsを結晶成長する際の、Beドーピングに関する研究成果を発表している。この文献では、ドーパント材料としてジエチルベリリウム(以下DEBeと記す)を用いている。また、この文献の他にも、例えば、アプライドフィジックスレターズ(Appl.Phys.Lett. 53(24), 12 December 1988, 2411-2413) 等に、有機金属気相成長法によるIII-V族化合物半導体の結晶成長における、Beドーピングに関する記述は見られるが、いずれもBeのドーパント材料としてDEBeを用いたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のIII-V族化合物半導体の結晶成長の際のBeドーピングには、Beの有機金属としてDEBeを用いていた。DEBeは合成時に酸素の混入が避けられないため、材料の純度を上げることが困難であり、このため、従来のDEBeを用いたBeドーピング方法では、ドーピング時に酸素が不純物として結晶中に混入し、電気的特性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0008】
また、ドーパント材料の蒸気圧は低い方がドーピング制御における取り扱いが容易であるという利点があるが、DEBeの蒸気圧は取り扱いの容易さという観点からは、十分低いとはいえないものであった。
【0011】
の発明は、上記の問題を解消するためになされたものであり、高性能の半導体光素子を容易に作製することのできる半導体光素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
さらに、この発明は、高品質なBeドーピング層を備えた半導体光素子を実現することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
の発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、p型InP基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体長波長埋め込みレーザを製造する方法において、上記p型層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。
【0029】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、n型InP基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体長波長埋め込みレーザを製造する方法において、上記p型層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。
【0030】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、n型GaAs基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体可視光レーザを製造する方法において、上記p型層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。
【0031】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、n型GaAs基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体短波長レーザを製造する方法において、上記p型層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。
【0033】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層の内少なくとも一層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0034】
【数1】
Figure 0003665911
【0035】
として、その表面が鏡面となるInPを成長させることにより形成するものである。
【0036】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層の内少なくとも一層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を7×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0037】
【数2】
Figure 0003665911
【0038】
として、その表面が鏡面となるInPを成長させることにより形成するものである。
【0039】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層の内少なくとも一層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0040】
【数3】
Figure 0003665911
【0041】
として、その表面が鏡面となるInGaAsを成長させることにより形成するものである。
【0042】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層の内少なくとも一層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0043】
【数4】
Figure 0003665911
【0044】
として、その表面が鏡面となるInGaAsPを成長させることにより形成するものである。
【0045】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項)は、上記の半導体光素子の製造方法(請求項ないしのいずれか)において、上記基板としてp型InP基板を用い、半導体長波長埋め込みレーザを製造するものである。
【0046】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項10)は、上記の半導体光素子の製造方法(請求項ないしのいずれか)において、上記基板としてn型InP基板を用い、半導体長波長埋め込みレーザを製造するものである。
【0047】
また、この発明に係る半導体光素子の製造方法(請求項11)は、上記の半導体光素子の製造方法(請求項ないしのいずれか)において、上記基板としてInP基板を用い、フォトダイオードを製造するものである。
【0049】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項12)は、p型InP基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体長波長埋め込みレーザにおいて、上記p型層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものである。
【0050】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項13)は、n型InP基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体長波長埋め込みレーザにおいて、上記p型層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものである。
【0051】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項14)は、n型GaAs基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体可視光レーザにおいて、上記p型層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものである。
【0052】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項15)は、n型GaAs基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体短波長レーザにおいて、上記p型層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものである。
【0054】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項16)は、基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、上記p型層の内少なくとも一層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングされるとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0055】
【数1】
Figure 0003665911
【0056】
として成長させた、その表面が鏡面となるInPからなるものである。
【0057】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項17)は、基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、上記p型層の内少なくとも一層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングされるとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を7×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0058】
【数2】
Figure 0003665911
【0059】
として成長させた、その表面が鏡面となるInPからなるものである。
【0060】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項18)は、基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、上記p型層の内少なくとも一層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングされるとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0061】
【数3】
Figure 0003665911
【0062】
として成長させた、その表面が鏡面となるInGaAsからなるものである。
【0063】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項19)は、基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、上記p型層の内少なくとも一層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングされるとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0064】
【数4】
Figure 0003665911
【0065】
として成長させた、その表面が鏡面となるInGaAsPからなるものである。
【0066】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項20)は、上記の半導体光素子(請求項16ないし19のいずれか)において、上記半導体光素子は、上記基板がp型InP基板である、半導体長波長埋め込みレーザである。
【0067】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項21)は、上記の半導体光素子(請求項16ないし19のいずれか)において、上記半導体光素子は、上記基板がn型InP基板である、半導体長波長埋め込みレーザである。
【0068】
また、この発明に係る半導体光素子(請求項22)は、上記の半導体光素子(請求項16ないし19のいずれか)において、上記半導体光素子は、上記基板がInP基板である、フォトダイオードである。
【0069】
【発明の実施の形態】
参考例
構成1.
この発明の参考例におけるBeドーピング方法は、III-V族化合物半導体をエピタキシャル成長する際に、III-V族化合物半導体結晶中にベリリウムをドーピングするためのドーパント材料として、(MeCP)2 Beを用いるようにしたものである。これにより、図1に示すように、(MeCP)2 Beが、従来のベリリウムをドーピングするためのドーパント材料として用いられていた有機金属であるジメチルベリリウム(DMBe)よりも蒸気圧が低いので、ドーピング制御を容易とでき、また、(MeCP)2 BeはDMBeよりも純度の高いものを容易に入手できるので、ドーピングの際に酸素等の不純物が結晶中に混入するのを抑制することが容易であり、品質の高いp型層を容易に実現できる。
【0070】
構成2.
また、この発明の参考例におけるBeドーピング方法は、MOCVD法,MOMBE法,CBE法のいずれかによって、III-V族化合物半導体をエピタキシャル成長する際に、III-V族化合物半導体結晶中にベリリウムをドーピングするためのドーパント材料として、(MeCP)2 Beを用いるようにしたものである。このため、MOCVD法,MOMBE法,CBE法のいずれかによって、品質の高いp型層を容易に実現できる。
【0071】
実施例1.
以下、この発明の参考例の一実施例によるBeドーピング方法を図について説明する。
本実施例は、InPを結晶成長する際に、このInP結晶中にBeをドーピングするためのBeの有機金属として(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いたものである。
【0072】
ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム(以下(MeCP)2 Beと記す)は、室温で液体,蒸気圧は約0.05torrである。
【0073】
図1は、(MeCP)2 BeとDEBeの蒸気圧を比較して示した図であり、図において、曲線1は(MeCP)2 Beの蒸気圧を、曲線2はDEBeの蒸気圧をそれぞれ示す。図に示されるように、(MeCP)2 Beの蒸気圧は、DEBeの蒸気圧よりも低く、常温(300°K)では1桁以上低い。
【0074】
ドーピングガスは蒸気圧が低い方が取扱が容易であり、ドーピングガスの供給の制御が容易となる利点があり、特に細かいドーピング制御が必要な場合等には極めて有益である。
【0075】
即ち、本実施例では、ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いることにより、DEBeをドーパント材料として用いる従来のBeドーピング方法に比して、制御性を向上することができる。
【0076】
また、一般にCやHが多いと、金属元素と有機元素が熱分解し易いので、(MeCP)2 Be=(CH3 C5 H4 )2 BeはDEBe=(C2 H5 )2 Beよりも低温で分解し易い。ただし、この分解は100℃以上で生ずるものであり、それ以下の温度では(MeCP)2 Beは安定である。高温まで金属元素と有機元素の熱分解が生じにくい場合には、金属元素とともに有機元素、特に炭素(C)が結晶中に取り込まれ易く、GaAsのように、その結晶中でCがアクセプタとなる半導体材料においては問題とはならないが、InPのように、その結晶中でCがドナーとなる半導体材料においては、BeとともにCが結晶中に取り込まれるとBeがCによってコンペンセイトされ、p型キャリア濃度が低下してしまうという問題がある。Beのドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いる本実施例では、(CH3 C5 H4 )が低温でBeと分解するので、結晶中にCが取り込まれにくく、BeのCによるコンペンセイトが少ないため、p型キャリア濃度の低下を抑制することができる。
【0077】
以下、MOCVD法によりInP層を結晶成長する際に、(MeCP)2 Beを用いてBeをドーピングした時のドーピング特性について詳述する。
図2は、成長圧力76torr、V/III 比100で成長したInPの成長温度をパラメータとしたBeのドーピング特性を示す図である。(MeCP)2 Beの供給量(H2 のキャリアガス量)が増加するに従い、ホール濃度も線形に増加している。また成長温度を上げるに従い、ホール濃度は増加する。InPの場合、不純物の濃度が4×1018cm-3程度で飽和するが、この飽和領域までドーピングの線形性は保たれている。成長温度665°C,(MeCP2 )2 Beの供給量60cc/minでホール濃度3×1018cm-3が得られている。成長したサンプルの表面モフォロジーはすべて鏡面である。
【0078】
図3は(MeCP)2 BeをBeのドーパント材料として用いて結晶成長したBeドープInPの、ホール測定によるキャリア濃度とキャパシタンス−ボルテージ(C−V)測定によるキャリア濃度との関係を示す図である。図に示されるように、ホール濃度とイオン化している不純物濃度はほぼ同じであり、酸素等のBe以外の不純物が殆ど混入していないことがわかる。
【0079】
また、図4は(MeCP)2 BeをBeのドーパント材料として用いて結晶成長したBeドープInPの、SIMSによる濃度測定値とホール測定又はC−V測定によるキャリア濃度との関係を示す図である。図に示されるように、InP中におけるBeの活性化率はほぼ1であり、Beは全てイオン化している。
【0080】
また、実験では、(MeCP)2 Beを用いたBeのドーピング効率は、DEZnを用いてZnをドーピングした場合と比較して7〜8倍高いことも認められた。
【0081】
図5は、ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて結晶成長したBeドープInP,及びドーパント材料としてDMZnを用いて結晶成長したZnドープInPの、ホール濃度とPLピーク波長との関係を示す図である。図に示されるように、ZnドープInPはホール濃度を高くすると長波長側にシフトするが、BeドープInPはホール濃度にかかわらずPLピーク波長は一定である。また、図6は、ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いてそれぞれ異なる成長温度で結晶成長したBeドープInPの、ホール濃度とPLピーク波長との関係を示す図である。ホール濃度とPLピーク波長との関係に成長温度への依存性は見られない。
【0082】
図7はドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて結晶成長したBeドープInP,及びドーパント材料としてDMZnを用いて結晶成長したZnドープInPの、ホール濃度とPL半値巾との関係を示す図である。図に示されるように、ZnドープInP,BeドープInPのいずれもホール濃度が高くなるとPL半値巾は広くなる。また図8はドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて、それぞれ異なる成長温度で結晶成長したBeドープInPの、ホール濃度とPL半値巾との関係を示す図である。ホール濃度とPL半値巾との関係に成長温度への依存性は見られない。
【0083】
図9は、アンドープInP層上にBeドープInP層,又はZnドープInP層を成長した時のBe又はZnの深さ方向のp型不純物プロファイルをSIMS測定した結果を示す図である。図に示されるように、ZnはアンドープInP層に拡散するためアンドープInP/ZnドープInP界面で急峻に変化するp型不純物プロファイルが得られないのに対し、BeはアンドープInPとBeドープInP界面で急峻に変化するp型不純物プロファイルが得られる。これは、Beの拡散係数がZnに比してきわめて小さい(たとえば、GaAs中において、725℃で4×10-16 cm-2/s)ためである。図7,図8で示したように、本実施例の方法によりBeをドーピングした場合であっても、ホール濃度を高くなるとPL半値巾は広くなる。従って例えば、半導体レーザのp型クラッド層等のp型不純物としてBeを用いた場合に、活性層に大量に拡散するとすれば、Znをp型不純物として用いた場合と同様、レーザの特性に悪影響を及ぼす。しかしながら、図9から明らかなように、半導体レーザのp型クラッド層のp型不純物としてBeを用いた場合に、Beが活性層に大量に拡散することはなく、p型不純物としてZnを用いた場合に問題となっていたレーザの特性の劣化は生じない。
【0084】
このように、本実施例では、InP層をエピタキシャル成長する際に、該InP層中にBeをドーピングするためのドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いるようにしたから、(MeCP)2 Beが、従来のベリリウムをドーピングするためのドーパント材料として用いられていた有機金属であるジメチルベリリウム(DMBe)よりも蒸気圧が低いので、ドーピング制御を容易とでき、また、(MeCP)2 BeはDMBeよりも純度の高いものを容易に入手できるので、ドーピングの際に酸素等の不純物が結晶中に混入するのを抑制することが容易であり、品質の高いp型層を容易に実現できる。
【0085】
なお、本実施例ではInPにドーピングした例について述べたが、結晶の母材がInP系,AlGaAs系,AlGaInP系,GaN系等III-V族化合物半導体すべての材料においてBeのドーピングが可能である。
【0086】
また、結晶成長法もMOCVD法に限らず、MOMBE法,CBE等、有機金属である(MeCP)2 Beをドーパント材料として用いて結晶成長を行うことができる全ての結晶成長方法に適用することができる。
【0087】
実施の形態1.
構成1.
この発明の実施の形態1における半導体光素子の製造方法は、図11に示すように、基板11上に、III-V族化合物半導体からなるp型層12,16,18及びIII-V族化合物半導体からなるn型層14,17,19を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する際に、上記p型層12,16,18を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。これにより、品質の高いp型層12,16,18を容易に実現でき、高性能の半導体光素子を作製することができる。
【0088】
構成2.
また、この発明の実施の形態1における半導体光素子の製造方法(請求項)は、図11に示すように、p型InP基板11上に、III-V族化合物半導体からなるp型層12,16,18,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層14,17,19を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体長波長埋め込みレーザを製造する際に、上記p型層12,16,18を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。これにより、品質の高いp型層12,16,18を容易に実現でき、高性能の、p型InP基板11を用いた半導体長波長埋め込みレーザを作製することができる。
【0089】
構成3.
また、この発明の実施の形態1における半導体光素子は、図10に示すように、基板11上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層12,16,18,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層14,17,19を備えた半導体光素子の、上記p型層12,16,18を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものとしたものである。これにより、p型不純物の活性層13への拡散による光学的特性の劣化の少ない半導体光素子を、容易に実現できる。
【0090】
構成4.
また、この発明の実施の形態1における半導体光素子(請求項12)は、図10に示すように、p型InP基板11上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層12,16,18,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層14,17,19を備えた半導体長波長埋め込みレーザの、上記p型層12,16,18が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものとしたから、p型不純物の活性層13への拡散による光学的特性の劣化の少ない、p型InP基板11を用いた半導体長波長埋め込みレーザを、容易に実現できる。
【0091】
実施例2.
図10は本発明の実施の形態の一実施例による半導体光素子の製造方法によって作製した、InP系半導体レーザの構造を示す図であり、図11はその製造工程を示す斜視図である。図10において、11は(100)面を有するp型InP基板である。Beドープp型InPクラッド層12は基板11上に配置され、アンドープInGaAsP活性層13はp型InPクラッド層12上に配置され、Sドープn型InPクラッド層14は活性層13上に配置される。n型クラッド層14,活性層13,及びp型クラッド層12は、基板11まで達するエッチングにより、メサ形状に成形されている。Beドープp型InPバッファ層16,Sドープn型InP電流ブロック層17,及びBeドープp型InP電流ブロック層18はメサの両側に、メサを埋め込むように、順次配置される。Sドープn型InPコンタクト層19は、メサ上、及びp型InP電流ブロック層18上に配置される。p側電極20は基板11裏面に、n側電極21はコンタクト層19上にそれぞれ配置される。
【0092】
次に、製造工程について説明する。
まず、不純物としてZnを3〜5×1018cm-3を含む,(100)面を有するp型InP基板11の上に、有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて、Beドープp型InPクラッド層12(p型不純物濃度1×1018cm-3),アンドープInGaAsP活性層13,Sドープn型InPクラッド層14(n型不純物濃度1×1018cm-3)を順次エピタキシャル成長する(図11(a) )。各層の典型的な層厚は、p型InPクラッド層12が2μm、アンドープInGaAsP活性層13が0.1μm、n型InPクラッド層14が0.5μmである。
【0093】
結晶成長温度は640℃、結晶成長に使用する材料ガスは、インジウムに関してはトリメチルインジウム(TMI)を、ガリウムに関してはトリエチルガリウム(TEG)を、砒素に関してはアルシン(AsH3 )を、リンに関してはホスフィン(PH3 )を用いる。Beドープのためのドーピングガスとしては(MeCP)2 Beを、SドープのためのドーピングガスとしてはH2 Sを用いる。V/III 比はほぼ100である。
【0094】
次にスパッタ技術,フォトリソグラフィー,並びにHFをエッチャントとして用いた化学エッチングにより〈011〉方向にストライプ状のSiO2 マスク15を形成し(図11(b) )、更に、HBr系エッチャントを用いた化学エッチングによりメサ構造を形成する(図11(c) )。
【0095】
このようにして作製したメサ構造に、有機金属気相成長法(MOVPE)を用いて、Beドープp型InPバッファ層16(p型不純物濃度7×1017cm-3),Sドープn型InP電流ブロック層17(n型不純物濃度7×1018cm-3),Beドープp型InP電流ブロック層18(p型不純物濃度7×1017cm-3)を順次選択埋め込み成長をする(図11(d) )。
【0096】
各層の典型的な層厚は、p型InPバッファ層16が0.7μm、n型InP電流ブロック層17が0.8μm、p型InP電流ブロック層18が1μmである。
【0097】
SiO2 ストライプ状マスク15を化学エッチングにより除去した後、Sドープn型InPコンタクト層19(n型不純物濃度7×1018cm-3)をMOCVD法を用いてエピタキシャル成長をする(図11(e) )。n型InPコンタクト層19の典型的な層厚は2μmである。この後、基板11裏面にp側電極20を、コンタクト層19上にn側電極21をそれぞれ形成し、さらに、劈開による端面形成工程等を経て、図10に示す半導体レーザが完成する。
【0098】
このようにして作製した半導体レーザは、p型ドーパントであるBeの拡散が十分に小さいため、BeがアンドープInGaAsP活性層13に拡散することによって光学的特性が劣化することはなく、デバイスのリニアリティーが向上し、歪み特性が向上する。また、活性層へのBeの拡散が少ないため、pクラッド層のキャリア濃度を3×1018cm-3まで上げることができ、デバイスの抵抗が下がって高出力化が可能になる。
【0099】
また、本実施例では、Beをドーピングするためのドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いるようにしたから、ドーピング制御が容易であり、かつ、品質の高いp型層を容易に実現でき、デバイスの特性をさらに向上することができる。
【0100】
実施の形態2.
構成1.
この発明の実施の形態2における半導体光素子の製造方法は、図13に示すように、基板31上に、III-V族化合物半導体からなるp型層34,36,38及びIII-V族化合物半導体からなるn型層32,37を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する際に、上記p型層34,36,38を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。これにより、品質の高いp型層34,36,38を容易に実現でき、高性能の半導体光素子を作製することができる。
【0101】
構成2.
また、この発明の実施の形態における半導体光素子の製造方法(請求項)は、図13に示すように、n型InP基板31上に、III-V族化合物半導体からなるp型層34,36,38,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層32,37を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体長波長埋め込みレーザを製造する際に、上記p型層34,36,38を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたから、品質の高いp型層34,36,38を容易に実現でき、高性能の、n型InP基板31を用いた半導体長波長埋め込みレーザを作製することができる。
【0102】
構成3.
また、この発明の実施の形態2における半導体光素子は、図12に示すように、基板31上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層34,36,38,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層32,37を備えた半導体光素子の、上記p型層34,36,38を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものとしたものである。
これにより、p型不純物の活性層33への拡散による光学的特性の劣化の少ない半導体光素子を、容易に実現できる。
【0103】
構成4.
また、この発明の実施の形態2における半導体光素子(請求項13)は、図12に示すように、n型InP基板31上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層34,36,38,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層32,37を備えた半導体長波長埋め込みレーザの、上記p型層34,36,38を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成したものである。これにより、p型不純物の活性層33への拡散による光学的特性の劣化の少ない、n型InP基板31を用いた半導体長波長埋め込みレーザを、容易に実現できる。
【0104】
実施例3.
図12は本発明の実施の形態の一実施例による半導体光素子の製造方法によって作製した、他のInP系半導体レーザの構造を示す図であり、図13はその製造工程を示す斜視図である。図12において、31は(100)面を有するn型InP基板である。Sドープn型InPクラッド層32は基板31上に配置され、アンドープInGaAsP活性層33はn型InPクラッド層32上に配置され、Beドープp型InPクラッド層34は活性層33上に配置される。p型クラッド層34,活性層33,及びn型クラッド層32は、基板31まで達するエッチングにより、メサ形状に成形されている。Beドープp型InP電流ブロック層36,及びSドープn型InP電流ブロック層37はメサの両側に、メサを埋め込むように、順次配置される。Beドープp型InPコンタクト層38は、メサ上、及びn型InP電流ブロック層37上に配置される。n側電極39は基板31裏面に、p側電極40はコンタクト層38上にそれぞれ配置される。
【0105】
次に製造工程について説明する。まず、(100)面を有するn型InP基板31の上に、MOCVD法を用いて、Sドープn型InPクラッド層32(n型不純物濃度1×1018cm-3),アンドープInGaAsP活性層33,ベリリウム(Be)ドープp型InPクラッド層34(p型不純物濃度1×1018cm-3)を順次エピタキシャル成長する。各層の典型的な層厚は、n型InPクラッド層32が1μm、アンドープInGaAsP活性層33が0.1μm、p型InPクラッド層34が0.5μmである(図13(a) )。
【0106】
結晶成長温度は640℃、結晶成長に使用する材料ガスは、インジウムに関してはトリメチルインジウム(TMI)を、ガリウムに関してはトリエチルガリウム(TEG)を、砒素に関してはアルシン(AsH3 )を、リンに関してはホスフィン(PH3 )を用いる。Beドープのためのドーピングガスとしては(MeCP)2 Beを、SドープのためのドーピングガスとしてはH2 Sを用いる。V/III 比はほぼ100である。
【0107】
次にスパッタ技術,フォトリソグラフィー,並びにHFをエッチャントとして用いた化学エッチングにより〈011〉方向にストライプ状のSiO2 マスク35を形成し(図13(b) )、更に、HBr系エッチャントを用いた化学エッチングによりメサ構造を形成する(図13(c) )。
【0108】
このようにして作製したメサ構造に、MOCVD法を用いて、Beドープp型InP電流ブロック層36(p型不純物濃度7×1017cm-3),Sドープn型InP電流ブロック層37(n型不純物濃度7×1018cm-3)を順次選択埋め込み成長をする(図13(d) )。
各層の典型的な層厚は、p型InP電流ブロック層36が1μm、n型InP電流ブロック層37が1μmである。
【0109】
SiO2 ストライプ状マスク35を化学エッチングにより除去した後、Beドープp型InPコンタクト層38(p型不純物濃度1×1018cm-3)をMOCVD法を用いてエピタキシャル成長をする(図13(e) )。p型InPコンタクト層38の典型的な層厚は2μmである。この後、基板31裏面にn側電極39を、コンタクト層38上にp側電極40をそれぞれ形成し、さらに、劈開による端面形成工程等を経て、図12に示す半導体レーザが完成する。
【0110】
このようにして作製した半導体レーザは、p型ドーパントであるBeの拡散が十分に小さく、BeがアンドープInGaAsP活性層33に拡散することによって光学的特性が劣化することはない。
【0111】
また、本実施例でも上記実施例2と同様、Beをドーピングするためのドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いるようにしたから、ドーピング制御が容易であり、かつ、品質の高いp型層を容易に実現でき、デバイスの特性をさらに向上することができる。
【0112】
なお、実施例2,実施例3で説明した、図10,図12の構造は、これに逆バイアス電圧を印加することにより変調器として使用することが可能であるが、この場合には、Beの拡散が少ないためアンドープ活性層3のキャリア濃度が5×1016cm-3以下となり、活性層での光の吸収が抑えられて消光比を大きくすることができる。
【0113】
実施の形態3.
構成1.
この発明の実施の形態3における半導体光素子の製造方法は、図15に示すように、基板51上に、III-V族化合物半導体からなるp型層55,56,57,58,59,62,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層52,53,61を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する際に、上記p型層55,56,57,58,59,62を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。これにより、品質の高いp型層55,56,57,58,59,62を容易に実現でき、高性能の半導体光素子を作製することができる。
【0114】
構成2.
また、この発明の実施の形態3における半導体光素子の製造方法(請求項)は、図15に示すように、n型GaAs基板51上に、III-V族化合物半導体からなるp型層55,56,57,58,59,62,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層52,53,61を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体可視光レーザを製造する際に、上記p型層55,56,57,58,59,62を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたから、品質の高いp型層55,56,57,58,59,62を容易に実現でき、高性能の、n型GaAs基板51を用いた半導体可視光レーザを作製することができる。
【0115】
構成3.
また、この発明の実施の形態3における半導体光素子は、図14に示すように、基板51上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層55,56,57,58,59,62,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層52,53,61を備えた半導体光素子の、上記p型層55,56,57,58,59,62を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成してなるものである。これにより、p型不純物の活性層54への拡散による光学的特性の劣化の少ない半導体光素子を、容易に実現できる。
【0116】
構成4.
また、この発明の実施の形態3における半導体光素子(請求項14)は、図14に示すように、n型GaAs基板51上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層55,56,57,58,59,62,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層52,53,61を備えた半導体可視光レーザにおいて、上記p型層55,56,57,58,59,62が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものである。これにより、品質の高いp型層55,56,57,58,59,62を容易に実現でき、高性能の、n型GaAs基板51を用いた半導体可視光レーザを作製することができる。
【0117】
実施例4.
図14は本発明の実施の形態の一実施例による半導体光素子の製造方法によって作製した、AlGaInP系半導体レーザの構造を示す図であり、図15はその製造工程を示す斜視図である。図14において、51は(100)面を有するn型GaAs基板である。Siドープn型GaAsバッファ層52,Siドープn型AlGaInPクラッド層53,アンドープGaInP活性層54,Beドープp型AlGaInPクラッド層55,及びBeドープp型GaInPエッチングストッパ層56は、基板51上に順次積層して配置される。また、Beドープp型AlGaInPクラッド層57はエッチングストッパ層56上に配置され、Beドープp型GaInPバンド不連続緩和層58はp型AlGaInPクラッド層57上に配置され、Beドープp型GaAsキャップ層59はバンド不連続緩和層58上に配置される。キャップ層59,バンド不連続緩和層58,及びp型クラッド層57はリッジストライプ形状に成形されている。Siドープn型GaAs電流ブロック層61はリッジストライプの両側のエッチングストッパ層56上に、リッジストライプを埋め込むように配置される。Beドープp型GaAsコンタクト層62は、リッジ上、及びn型GaAs電流ブロック層61上に配置される。n側電極63は基板51裏面に、p側電極64はコンタクト層62上にそれぞれ配置される。
【0118】
次に製造工程について説明する。まず、(100)面を有するn型GaAs基板51の上に、MOCVD法を用いて、Siドープn型GaAsバッファ層52,Siドープn型Al0.35Ga0.15In0.5 Pクラッド層53(n型不純物濃度4×1017cm-3),アンドープGaInP活性層54,Beドープp型Al0.35Ga0.15In0.5 Pクラッド層55(p型不純物濃度7×1017cm-3),Beドープp型Ga0.5 In0.5 Pエッチングストッパ層56(p型不純物濃度1×1018cm-3),Beドープp型Al0.35Ga0.15In0.5 Pクラッド層57(p型不純物濃度9×1017cm-3),Beドープp型Ga0.5 In0.5 Pバンド不連続緩和層58(p型不純物濃度3×1018cm-3),及びBeドープp型GaAsキャップ層59(p型不純物濃度1×1019cm-3)を順次エピタキシャル成長する(図15(a) )。各層の典型的な層厚は、バッファ層52が0.5μm、n型クラッド層53が1.5μm、活性層54が700オングストローム(70nm)、p型クラッド層55が0.25μm、エッチングストッパ層56が50オングストローム(5nm)、p型クラッド層57が1.4μm、バンド不連続緩和層58が0.1μm、キャップ層59が0.4μmである。
【0119】
結晶成長温度は700℃、結晶成長に使用する材料ガスは、アルミニウムに関してはトリメチルアルミニウム(TMA)を、インジウムに関してはトリメチルインジウム(TMI)を、リンに関してはホスフィン(PH3 )を、砒素に関してはアルシン(AsH3 )を用いる。また、ガリウムに関しては、GaAs成長時にはトリメチルガリウム(TMG)を、その他のGa化合物半導体の成長時には形成トリエチルガリウム(TEG)を用いる。Beドープのためのドーピングガスとしては(MeCP)2 Beを、SiドープのためのドーピングガスとしてはSiH4 を用いる。V/III 比はAlGaInP成長時には200、GaInP成長時には400である。
【0120】
次にスパッタ技術,フォトリソグラフィー,並びに化学エッチングにより〈01/1〉方向にストライプ状のSiNマスク60を形成し(図15(b) )、更に化学エッチングによりリッジ構造を形成する(図15(c) )。
【0121】
このようにして作製したリッジ構造に、MOCVD法を用いて、Siドープn型GaAs電流ブロック層61(n型不純物濃度4×1018cm-3)を選択埋め込み成長をする(図15(d) )。電流ブロック層61の典型的な層厚は1.2μmである。
【0122】
SiNストライプ状マスク60を化学エッチングにより除去した後、Beドープp型GaAsコンタクト層62(p型不純物濃度1×1019cm-3)をMOCVD法を用いてエピタキシャル成長する(図15(e) )。コンタクト層62の典型的な層厚は2μmである。この後、基板51裏面にn側電極63を、コンタクト層62上にp側電極64をそれぞれ形成し、さらに、劈開による端面形成工程等を経て、図14に示す半導体レーザが完成する。
【0123】
このようにして作製した半導体レーザは、p型ドーパントであるBeの拡散が十分に小さく、BeがアンドープGaInP活性層54に拡散することによって光学的特性が劣化することはない。また、ドーパントにZnを用いた場合、pクラッド層のZn濃度が9×1017cm-3以上になるとZnが活性層に拡散してデバトス特性を劣化させるため、pクラッド層のキャリア濃度を上げることができなかったが、Beを用いることによりp型ドーパントの拡散が抑えられpクラッド層のキャリア濃度を上げることができるため、デバイスの高速化,高出力化が可能となる。
【0124】
また、本実施例でも上記実施例2,実施例3と同様、Beをドーピングするためのドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いるようにしたから、ドーピング制御が容易であり、かつ、品質の高いp型層を容易に実現でき、デバイスの特性をさらに向上することができる。
【0125】
実施の形態4.
構成1.
この発明の実施の形態4における半導体光素子の製造方法は、図17に示すように、基板71上に、III-V族化合物半導体からなるp型層75,76,77,78,81,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層72,73,80を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する際に、上記p型層75,76,77,78,81を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。これにより、品質の高いp型層75,76,77,78,81を容易に実現でき、高性能の半導体光素子を作製することができる。
【0126】
構成2.
また、この発明の実施の形態4における半導体光素子の製造方法(請求項)は、図17に示すように、n型GaAs基板71上に、III-V族化合物半導体からなるp型層75,76,77,78,81,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層72,73,80を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体可視光レーザを製造する際に、上記p型層75,76,77,78,81を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。これにより、品質の高いp型層75,76,77,78,81を容易に実現でき、高性能の、n型GaAs基板71を用いた半導体短波長レーザを作製することができる。
【0127】
構成3.
また、この発明の実施の形態4における半導体光素子は、図16に示すように、基板71上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層75,76,77,78,81,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層72,73,80を備えた半導体光素子の、上記p型層75,76,77,78,81を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものとしたものである。これにより、p型不純物の活性層74への拡散による光学的特性の劣化の少ない半導体光素子を、容易に実現できる。
【0128】
構成4.
また、この発明の実施の形態4における半導体光素子(請求項15)は、図16に示すように、n型GaAs基板71上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層75,76,77,78,81,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層72,73,80を備えた半導体短波長レーザにおいて、上記p型層75,76,77,78,81が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものである。これにより、p型不純物の活性層74への拡散による光学的特性の劣化の少ない、n型GaAs基板71を用いた半導体短波長レーザを、容易に実現できる。
【0129】
実施例5.
図16は本発明の実施の形態の一実施例による半導体光素子の製造方法によって作製した、AlGaAs系半導体レーザの構造を示す図であり、図17はその製造工程を示す斜視図である。図16において、71は(100)面を有するn型GaAs基板である。Seドープn型GaAsバッファ層72,Seドープn型Al0.48Ga0.52Asクラッド層73,アンドープAl0.1 Ga0.9 As/Al0.35Ga0.65As活性層74,Beドープp型Al0.48Ga0.52Asクラッド層75,及びBeドープp型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層76は、基板71上に順次積層して配置される。また、Beドープp型Al0.48Ga0.52Asクラッド層77はエッチングストッパ層76上に配置され、Beドープp型GaAsキャップ層78はクラッド層77上に配置される。キャップ層78,及びp型クラッド層77はリッジストライプ形状に成形されている。Siドープn型GaAs電流ブロック層80はリッジストライプの両側のエッチングストッパ層76上に、リッジストライプを埋め込むように配置される。Beドープp型GaAsコンタクト層81は、リッジ上、及びn型GaAs電流ブロック層80上に配置される。n側電極82は基板71裏面に、p側電極83はコンタクト層81上にそれぞれ配置される。
【0130】
次に製造工程について説明する。まず、(100)面を有するn型GaAs基板71の上に、MOCVD法を用いて、Seドープn型GaAsバッファ層72(n型不純物濃度1×1018cm-3),Seドープn型Al0.48Ga0.52Asクラッド層73(n型不純物濃度4×1017cm-3),アンドープAl0.1 Ga0.9 As/Al0.35Ga0.65As活性層74,Beドープp型Al0.48Ga0.52Asクラッド層75(p型不純物濃度2×1018cm-3),Beドープp型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層76,Beドープp型Al0.48Ga0.52Asクラッド層77(p型不純物濃度2×1018cm-3),及びBeドープp型GaAsキャップ層78(p型不純物濃度1×1019cm-3)を順次エピタキシャル成長する(図17(a) )。各層の典型的な層厚は、n型バッファ層72が1μm、n型クラッド層73が1.5μm、活性層74が0.1μm、p型クラッド層75が0.3μm、エッチングストッパ層76が50オングストローム(5nm)、p型クラッド層77が1.1μm、キャップ層78が0.7μmである。
【0131】
結晶成長温度は675℃、結晶成長に使用する材料ガスは、アルミニウムに関してはトリメチルアルミニウム(TMA)を、ガリウムに関してはトリメチルガリウム(TMG)を、砒素に関してはアルシン(AsH3 )を用いる。また、Beドープのためのドーピングガスとしては(MeCP)2 Beを、SeドープのためのドーピングガスとしてはH2 Seを、SiドープのためのドーピングガスとしてはSiH4 を用いる。V/III 比は200である。
【0132】
次にスパッタ技術,フォトリソグラフィー,並びに化学エッチングにより〈011〉方向にストライプ状のSiONマスク79を形成し(図17(b) )、更に化学エッチングによりリッジ構造を形成する(図17(c) )。
【0133】
このようにして作製したリッジ構造に、MOCVD法を用いて、Siドープn型GaAs電流ブロック層80(n型不純物濃度5×1018cm-3)を選択埋め込み成長をする(図17(d) )。電流ブロック層80の典型的な層厚は1.5μmである。
【0134】
SiONストライプ状マスク79を化学エッチングにより除去した後、Beドープp型GaAsコンタクト層81(p型不純物濃度1×1019cm-3)をMOCVD法を用いてエピタキシャル成長する(図17(e) )。コンタクト層81の典型的な層厚は2.5μmである。この後、基板71裏面にn側電極82を、コンタクト層81上にp側電極83をそれぞれ形成し、さらに、劈開による端面形成工程等を経て、図16に示す半導体レーザが完成する。
【0135】
このようにして作製した半導体レーザは、p型ドーパントであるBeの拡散が十分に小さく、BeがアンドープAl0.1 Ga0.9 As/Al0.35Ga0.65As活性層74に拡散することによって光学的特性が劣化することはなく、デバイスの信頼性が向上する。
【0136】
また、本実施例でも上記実施例2ないし実施例4と同様、Beをドーピングするためのドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いるようにしたから、ドーピング制御が容易であり、かつ、品質の高いp型層を容易に実現でき、デバイスの特性をさらに向上することができる。
【0137】
実施の形態5.
構成1.
この発明の実施の形態5における半導体光素子の製造方法は、図19に示すように、基板91上に、III-V族化合物半導体からなるp型層96,97,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層93,94を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する際に、上記p型層96,97を(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。これにより、品質の高いp型層96,97を容易に実現でき、高性能の半導体光素子を作製することができる。
【0138】
構成2.
また、この発明の実施の形態5における半導体光素子の製造方法は、図19に示すように、サファイア基板91上に、III-V族化合物半導体からなるp型層96,97,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層93,94を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体青色発光ダイオードを製造する際に、上記p型層96,97を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成するようにしたものである。これにより、品質の高いp型層96,97を容易に実現でき、高性能の、サファイア基板91を用いた半導体青色発光ダイオードを作製することができる。
【0139】
構成3.
また、この発明の実施の形態5における半導体光素子は、図18に示すように、基板91上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層96,97,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層93,94を備えた半導体光素子において、上記p型層96,97が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものである。これにより、p型不純物の活性層95への拡散による光学的特性の劣化の少ない半導体光素子を、容易に実現できる。
【0140】
構成4.
また、この発明の実施の形態5における半導体光素子は、図18に示すように、サファイア基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層96,97,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層93,94を備えた半導体青色発光ダイオードにおいて、上記p型層96,97が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングして形成されたものである。これにより、p型不純物の活性層への拡散による光学的特性の劣化の少ない、サファイア基板91を用いた半導体青色発光ダイオードを、容易に実現できる。
【0141】
実施例6.
図18は本発明の実施の形態の一実施例による半導体光素子の製造方法によって作製した、GaN系半導体青色発光ダイオードの構造を示す図であり、図19はその製造工程を示す斜視図である。図18において、91は(0001)面を有するサファイア基板である。アンドープGaNバッファ層92,Siドープn型GaNクラッド層93,Siドープn型AlGaN層94,ZnドープInGaN活性層95,Beドープp型AlGaN層96,及びBeドープp型GaN層97は、基板91上に順次積層して配置される。p型GaN層97,p型AlGaN層96,InGaN活性層95,n型AlGaN層94,及びn型GaNクラッド層93は、その一部分が、p型GaN層97側からn型GaNクラッド層93の中ほどに達するまでエッチング除去されており、該部分においてn型GaNクラッド層93が露出している。n側電極99が露出したn型GaNクラッド層93上に設けられ、p側電極100がp型GaN層97上に設けられている。
【0142】
次に製造工程について説明する。(0001)面を有するサファイア基板91の上に、MOCVD法を用いて、アンドープGaNバッファ層92,Siドープn型GaNクラッド層93(n型不純物濃度5×1018cm-3),Siドープn型AlGaN層94(n型不純物濃度5×1018cm-3),ZnドープInGaN層95,Beドープp型AlGaN層96(p型不純物濃度5×1018cm-3),Beドープp型GaN層97(p型不純物濃度8×1018cm-3)を順次エピタキシャル成長する(図19(a) )。各層の典型的な層厚は、GaNバッファ層92が500オングストローム(50nm)、n型GaNクラッド層93が4μm、n型AlGaN層94が0.25μm、InGaN層95が500オングストローム(50nm)、p型AlGaN層96が0.25μm、p型GaN層97が0.5μmである。
【0143】
結晶成長温度は1000℃、結晶成長に使用する材料ガスは、アルミニウムに関してはトリメチルアルミニウム(TMA)を、ガリウムに関してはトリメチルガリウム(TMG)を、窒素に関してはアンモニア(NH3 )を用いる。また、Beドープのためのドーピングガスとしては(MeCP)2 Beを、SiドープのためのドーピングガスとしてはSiH4 を、ZnドープのためのドーピングガスとしてはDEZnを用いる。V/III 比は1000である。
結晶成長の後、更に窒素雰囲気で700°Cにて1時間アニールを行い、p型層の抵抗を下げる。
【0144】
次にスパッタ技術,フォトリソグラフィー,並びに化学エッチングにより、マスク98を形成し(図19(b) )、更に化学エッチングにより図19(c) のように階段上の構造を形成する。
【0145】
マスク98を化学エッチングにより除去した後、スパッタ技術,フォトリソグラフィーによりn側電極99,及びp側電極100を形成し、チップ分割工程等を経て図18に示す半導体発光ダイオードが完成する。
【0146】
このようにして作製した半導体発光ダイオードは、p型ドーパントであるBeの拡散が十分に小さく、BeがZnドープInGaN層95に拡散することによって光学的特性が劣化することはなく、また、p型層の抵抗が下がって高出力化が可能となる。
【0147】
また、本実施例でも上記実施例2ないし実施例5と同様、Beをドーピングするためのドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いるようにしたから、ドーピング制御が容易であり、かつ、品質の高いp型層を容易に実現でき、デバイスの特性をさらに向上することができる。
【0148】
実施の形態.
構成1.
この発明の実施の形態におけるエピタキシャル成長方法は、III-V族化合物半導体をエピタキシャル成長する方法において、ドーパント材料として、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0149】
【数1】
Figure 0003665911
【0150】
として、その表面が鏡面となるInPを成長させるものである。この成長条件を用いてInPを成長させることにより、図21に示すように、InP成長層の表面を鏡面とすることができる。
【0151】
構成2.
また、この発明の実施の形態におけるエピタキシャル成長方法は、III-V族化合物半導体をエピタキシャル成長する方法において、ドーパント材料として、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を7×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0152】
【数2】
Figure 0003665911
【0153】
として、その表面が鏡面となるInPを成長させるものである。この成長条件を用いてInPを成長させることにより、図20に示すように、InP成長層の表面を鏡面とすることができる。
【0154】
構成3.
また、この発明の実施の形態6における半導体光素子の製造方法(請求項)は、基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層の内少なくとも一層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0155】
【数1】
Figure 0003665911
【0156】
として、その表面が鏡面となるInPを成長させることにより形成するものである。これにより、図22に示すように、n型InP基板1を用いた長波長埋め込み半導体レーザ素子を製造するに際して、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層4を成長させるようにしたので、このp型クラッド層4に続けて成長するコンタクト層5の表面をも鏡面とすることができ、ストライプ状のSiO2 膜6をマスクとして、この膜の下の成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができ、活性層3の幅の変動が抑制され、このため良好なレーザ特性を有する長波長埋め込み半導体レーザ装置を安定に再現性良く作製することができる。また、図23に示すように、p型InP基板11を用いた長波長埋め込み半導体レーザ素子を製造するに際して、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層12を成長させるようにしたので、このクラッド層12上に成長させる活性層3の表面をも鏡面とすることができ、レーザ特性の良好な半導体レーザ素子を安定に、再現性良く作製することができる。
【0157】
構成4.
また、この発明の実施の形態6における半導体光素子の製造方法(請求項)は、基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層の内少なくとも一層を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を7×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0158】
【数2】
Figure 0003665911
【0159】
として、その表面が鏡面となるInPを成長させることにより形成するものである。これにより、図22に示すように、n型InP基板1を用いた長波長埋め込み半導体レーザ素子を製造するに際して、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層4を成長させるようにしたので、このp型クラッド層4に続けて成長するコンタクト層5の表面をも鏡面とすることができ、ストライプ状のSiO2 膜6をマスクとして、この膜の下の成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができ、活性層3の幅の変動が抑制され、このため良好なレーザ特性を有する長波長埋め込み半導体レーザ装置を安定に再現性良く作製することができる。また、図23に示すように、p型InP基板11を用いた長波長埋め込み半導体レーザ素子を製造するに際して、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層12を成長させるようにしたので、このクラッド層12上に成長させる活性層3の表面をも鏡面とすることができ、レーザ特性の良好な半導体レーザ素子を安定に、再現性良く作製することができる。
【0160】
構成5.
この発明の実施の形態6における半導体光素子(請求項16)は、基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、上記p型層の内少なくとも一層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングされるとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0161】
【数1】
Figure 0003665911
【0162】
として成長させた、その表面が鏡面となるInPからなるものである。これにより、n型InP基板1を用いた長波長埋め込み半導体レーザ素子において、図22に示すように、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層4を成長させるようにしたので、このp型クラッド層4に続けて成長するコンタクト層5の表面をも鏡面とすることができ、エピタキシャル成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができ、活性層3の幅の変動が抑制され、このため良好なレーザ特性が得られる。また、p型InP基板11を用いた長波長埋め込み半導体レーザにおいて、図23に示すように、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層12を成長させるようにしたので、このクラッド層12上に成長させる活性層3の表面をも鏡面とすることができ、良好なレーザ特性が得られる。
【0163】
構成6.
また、この発明の実施の形態6における半導体光素子(請求項17)は、基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、上記p型層の内少なくとも一層が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングされるとともに、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を7×1017/cm3以上とし、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0164】
【数2】
Figure 0003665911
【0165】
として成長させた、その表面が鏡面となるInPからなるものである。これにより、n型InP基板1を用いた長波長埋め込み半導体レーザ素子において、図22に示すように、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層4を成長させるようにしたので、このp型クラッド層4に続けて成長するコンタクト層5の表面をも鏡面とすることができ、エピタキシャル成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができ、活性層3の幅の変動が抑制され、このため良好なレーザ特性が得られる。また、p型InP基板11を用いた長波長埋め込み半導体レーザにおいて、図23に示すように、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層12を成長させるようにしたので、このクラッド層12上に成長させる活性層3の表面をも鏡面とすることができ、良好なレーザ特性が得られる。
【0166】
実施例7.
この発明の実施の形態による一実施例について説明する。
図20に、ドーパント材料として前述の(MeCP)2 Beを用いて、BeドープInP層をMOCVD法によりエピタキシャル成長させる際に、このInP層表面において鏡面が得られる成長条件(成長温度:Tg〔K〕、成長速度:Rg〔μm/hour〕)について示す。ただし、成長温度Tgは 773≦Tg≦973(K)の範囲内にあり、キャリア濃度は7×1017cm-3以上である。図20においては、InP層の表面が鏡面である点を○で示し、白濁面である点を●で示している。成長温度が、665℃と高い時には、成長速度が3.5μm/hourで鏡面が得られる。成長温度を下げるに従い、鏡面が得られる成長速度範囲は広がり、成長温度600℃では成長速度が1.4μm/hourでも鏡面が得られる。
【0167】
図20からキャリア濃度7×1017cm-3以上の上記BeドープInP層において鏡面が得られる成長条件範囲は、
【0168】
【数2】
Figure 0003665911
【0169】
であることがわかる。
【0170】
また、図21に、キャリア濃度が図20に示したものより広い範囲の5×1017cm-3以上の場合の上記BeドープInP層において、鏡面が得られる成長条件(成長温度:Tg〔K〕,成長速度:Rg〔μm/hour〕)を示す。図20の場合と同様に成長温度を下げるに従い、成長速度を下げた条件でも鏡面を得ることができる。
【0171】
図21から、キャリア濃度5×1017cm-3以上のBeドープInP層において鏡面が得られる成長条件範囲は、
【0172】
【数1】
Figure 0003665911
【0173】
であることがわかる。
【0174】
上記InP層の表面モフォロジーは、成長膜厚や成長時間には依らない。また、上記BeドープInP層の成長は、減圧MOCVD装置を用いて成長圧力76〜150Torr、V/III 比=50〜400で、その表面が(100)面であるInP基板上で行った。これは、MOCVD法にとって一般的な成長条件である。
【0175】
図22に、上記の表面が鏡面となる成長条件で成長させたBeドープp型InPをクラッド層4に用いた長波長埋め込み半導体レーザの製造方法を示す。この製造方法においては、まず、n型InP基板1上に、n型InPクラッド層2,活性層3,上記Beドープp型InPクラッド層4,p型InGaAsコンタクト層5を順にエピタキシャル成長させた後、コンタクト層5表面にストライプ状のSiO2 膜6を形成し、このSiO2 膜6をマスクとして上記のエピタキシャル成長層をメサエッチングする。このエッチングが完了した状態における断面図が図22である。この後、上記実施例3において説明した、図13に示した製造方法と同様に電流ブロック層を形成し、さらにn側電極,p側電極を形成して、図12に示したような長波長埋め込み半導体レーザが作製される。
【0176】
この際、もしBeドープInP層4の表面が鏡面でなく荒れていると、続けて成長するコンタクト層5の表面も荒れて図22のようにストライプ状のSiO2 膜6をマスクに、この膜の下の成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができなくなる。さらに、このサイドエッチング量の変動によって活性層3の幅が変動し、このため良好なレーザ特性を再現性良く得ることが困難となる。
【0177】
図23に、上記の表面が鏡面となる成長条件で成長させたBeドープp型InPをp型InP基板11上に成長させるクラッド層12に用いた長波長埋め込み半導体レーザの製造方法を示す。この製造方法においては、まず、p型InP基板11上に、上記Beドープp型InPクラッド層12,活性層3,n型InPクラッド層2を順にエピタキシャル成長させる。この状態を示す断面図が図23である。この後、上記実施例2において説明した、図11に示した製造方法と同様に、上記エピタキシャル成長層をメサエッチし、このメサエッチにより除去された部分に電流ブロック層を形成し、さらにコンタクト層,n側電極,p側電極を形成して、図10に示したような長波長埋め込み半導体レーザが作製される。
【0178】
この際、もしBeドープp型InPクラッド層12の表面が鏡面でなく荒れていると、続けて成長する活性層3の表面も荒れて、レーザ特性悪化の原因となる。 本実施例7においては、(MeCP)2 Beを用いてBeをドープしたInPをエピタキシャル成長する際に、その成長温度と成長速度を上記の条件の範囲内としたので、InP層表面において鏡面が容易に得られる。
【0179】
さらに、本実施例7においては、n型InP基板1を用いた長波長埋め込み半導体レーザの製造方法において、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層4を成長させるようにしたので、このp型クラッド層4に続けて成長するコンタクト層5の表面をも鏡面とすることができ、ストライプ状のSiO2 膜6をマスクとして、この膜の下の成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができ、活性層3の幅の変動が抑制され、このため良好なレーザ特性を有する長波長埋め込み半導体レーザを安定に再現性良く作製することができる。
【0180】
また、本実施例7においては、p型InP基板を用いた長波長埋め込み半導体レーザの製造方法において、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InPクラッド層を成長させるようにしたので、このクラッド層上に成長させる活性層の表面をも鏡面とすることができ、レーザ特性の良好な半導体レーザを安定に、再現性良く作製することができる。
【0181】
実施の形態
構成1.
この発明の実施の形態におけるエピタキシャル成長方法は、III-V族化合物半導体をエピタキシャル成長する方法において、ドーパント材料として、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0182】
【数3】
Figure 0003665911
【0183】
として、その表面が鏡面となるInGaAsを成長させるものである。この成長条件を用いてInGaAsを成長させることにより、図24に示すように、InGaAs成長層の表面を鏡面とすることができる。
【0184】
構成2.
また、この発明の実施の形態7における半導体光素子の製造方法(請求項)は、図22に示すように、基板1上に、III-V族化合物半導体からなるp型層4,5,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層1,2を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層の内少なくとも一層5を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0185】
【数3】
Figure 0003665911
【0186】
として、その表面が鏡面となるInGaAsを成長させることにより形成するものである。これにより、上記のエピタキシャル成長条件によってp型InGaAsコンタクト層5を成長させることができるので、このコンタクト層5の表面を鏡面とすることができ、このため、コンタクト層5とこの層の表面に形成されるp側電極との接触を良好なオーミック接触とすることができる。さらに、ストライプ状のSiO2 膜6をマスクとして、この膜の下の成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができ、活性層3の幅の変動を抑制することができるので、良好なレーザ特性を有する長波長埋め込み半導体レーザを安定に再現性良く作製することができる。
【0187】
構成3.
また、この発明の実施の形態7における半導体光素子(請求項18)は、図22に示すように、基板1上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層4,5,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層2を備えた半導体光素子において、上記p型層4.5の内少なくとも一層5が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングされるとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0188】
【数3】
Figure 0003665911
【0189】
として成長させた、その表面が鏡面となるInGaAsからなるものである。これにより、長波長埋め込み半導体レーザにおいて、上記のエピタキシャル成長条件によってp型InGaAsコンタクト層5を成長させることができるので、このコンタクト層5の表面を鏡面とすることができ、このため、コンタクト層5とこの層の表面に形成されるp側電極との接触を良好なオーミック接触とすることができる。さらに、この膜の下のエピタキシャル成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができ、活性層3の幅の変動を抑制することができるので、良好なレーザ特性を得ることができる。
【0190】
実施例8.
この発明の実施の形態による一実施例について説明する。
図24に、ドーパント材料として前述の(MeCP)2 Beを用いて、BeドープInGaAs層をMOCVD法によりエピタキシャル成長させる際に、このInGaAs層表面において鏡面が得られる成長条件(成長温度:Tg〔k〕,成長速度:Rg〔μm/hour〕)について示す。ただし、成長温度Tgは 773≦Tg≦973(K)の範囲内にある。図24においては、図20,21と同様に、InP層の表面が鏡面である点を○で示し、白濁面である点を●で示している。成長温度が、625℃と高い時は、成長速度2μm/hourで鏡面が得られる。成長温度を下げるに従い鏡面が得られる成長速度範囲は広がり、1.4μm/hourでも鏡面が得られる。
【0191】
図24からBeドープInGaAsの鏡面が得られる成長条件の範囲は、
【0192】
【数3】
Figure 0003665911
【0193】
であることがわかる。
【0194】
図22に、上記の表面が鏡面となる成長条件で成長させたBeドープp型InGaAsをコンタクト層5に用いた長波長埋め込み半導体レーザの製造方法を示す。ただし、このInGaAsの組成はInPに格子整合する組成であり、Gaの組成比は0.467である。この製造方法は、上記実施例7に記したものと同じであるため、その説明は省略する。
【0195】
この際、もしBeドープInGaAsコンタクト層5の表面が荒れていると電極の金属材料が、異常に沈みこむことが考えられる。また、コンタクト層5上にストライプ状のSiO2 膜6を形成して、これをマスクとしてSiO2 膜6下のエピタキシャル成長層をメサエッチングをする時に、コンタクト層5の表面が荒れてサイドエッチング量を精密に制御することができなくなり、このため活性層3の幅が変動し、良好なレーザの初期活性を有する半導体レーザを安定に、再現性良く作製することができない。
【0196】
本実施例8においては、(MeCP)2 Beを用いてBeをドープしたInGaAsをエピタキシャル成長する際に、その成長温度と成長速度を上記の条件の範囲内としたので、InGaAs層表面において鏡面が容易に得られる。
【0197】
さらに、本実施例8においては、n型InP基板1を用いた長波長埋め込み半導体レーザの製造方法において、上記のエピタキシャル成長方法によってp型InGaAsコンタクト層5を成長させるようにしたので、このコンタクト層5の表面を鏡面とすることができ、このため、コンタクト層5とこの層の表面に形成されるp側電極との接触を良好なオーミック接触とすることができる。さらに、ストライプ状のSiO2 膜6をマスクとして、この膜の下の成長層をメサエッチングする時に、そのサイドエッチング量を精度よく制御することができ、活性層3の幅の変動を抑制することができるので、良好なレーザ特性を有する長波長埋め込み半導体レーザを安定に再現性良く作製することができる。
【0198】
実施の形態
構成1.
この発明の実施の形態におけるエピタキシャル成長方法は、III-V族化合物半導体をエピタキシャル成長する方法において、ドーパント材料として、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0199】
【数4】
Figure 0003665911
【0200】
として、その表面が鏡面となるInGaAsPを成長させるものである。この成長条件を用いてInGaAsPを成長させることにより、図25に示すように、InGaAsP成長層の表面を鏡面とすることができる。
【0201】
構成2.
また、この発明の実施の形態8における半導体光素子の製造方法(請求項)は、図26に示すように、基板1上に、III-V族化合物半導体からなるp型層110,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層の内少なくとも一層110を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングするとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0202】
【数4】
Figure 0003665911
【0203】
として、その表面が鏡面となるInGaAsPを成長させることにより形成するものである。このエピタキシャル成長条件によって半導体レーザの多重量子井戸活性層103のp型InGaAsPバリア層を成長させることにより、このバリア層110の表面を鏡面とすることができ、このため、バリア層110の表面に成長するInGaAsウェル層111の膜厚を均一なものとすることができる。これにより、良好な多重量子井戸構造を形成することができ、多重量子井戸活性層3におけるPLのスペクトルの半値幅を狭くすることができるとともに、良好な初期特性をを有する半導体レーザを得ることができる。
【0204】
構成3.
また、この発明の実施の形態8における半導体光素子(請求項19)は、図26に示すように、基板上にエピタキシャル成長されたIII-V族化合物半導体からなるp型層110,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、上記p型層の内少なくとも一層110が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングされるとともに、成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0205】
【数4】
Figure 0003665911
【0206】
として成長させた、その表面が鏡面となるInGaAsPからなるものである。このため、多重量子井戸活性層103を備えた半導体レーザにおいて、上記のエピタキシャル成長条件によって多重量子井戸活性層103のp型InGaAsPバリア層110を成長させることができるので、このバリア層110の表面を鏡面とすることができ、バリア層110の表面に成長するInGaAsウェル層111の膜厚を均一なものとすることができる。これにより、良好な多重量子井戸構造を形成することができ、多重量子井戸活性層103におけるPLのスペクトルの半値幅を狭くすることができるとともに、良好なレーザの初期特性を得ることができる。
【0207】
実施例9.
この発明の実施の形態による一実施例について説明する。
図25に、ドーパント材料として前述の(MeCP)2 Beを用いて、BeドープInGaAsP層をMOCVD法によりエピタキシャル成長させる際に、このInGaAsP層表面において鏡面が得られる成長条件(成長温度:Tg〔k〕,成長速度:Rg〔μm/hour〕)について示す。ただし、成長温度Tgは 773≦Tg≦973(K)の範囲内にある。図25においても、図20,21,24と同様に、InGaAsP層の表面が鏡面である点を○で示し、白濁面である点を●で示している。上記実施例7,8と同様に成長温度を下げることにより、成長速度の低い条件でも鏡面が得られる。
【0208】
図25からBeドープInGaAsPの鏡面が得られる成長条件の範囲は、
【0209】
【数4】
Figure 0003665911
【0210】
であることがわかる。
【0211】
図26に、上記の表面が鏡面となる成長条件で成長させたBeドープp型InGaAsPをバリア層110に用いた、レーザの多重量子井戸活性層103のエネルギーバンド図を示す。図の右側が禁制帯側であり、左側が伝導帯側である。また、図中の111はInGaAsウェル層である。ただし、このInGaAsPの組成は、Gaの組成比が0.2025、Asの組成比が0.441であるものであり、このときのバンドギャップに対応する光の波長λg =1.18μmである。
【0212】
この際、もし上記InGaAsPバリア層110の表面が鏡面でなく、白濁面であると、このバリア層110の上に成長するInGaAsウェル層111の膜厚にゆらぎが生じ、良好な多重量子井戸構造を得ることができず、多重量子井戸活性層103のフォトルミネッセンス(以下PLと略記する)のスペクトルの半値幅が増大し、レーザ初期特性が劣化する。
【0213】
本実施例9においては、(MeCP)2 Beを用いてBeをドープしたInGaAsPをエピタキシャル成長する際に、その成長温度と成長速度を上記の条件の範囲内としたので、InGaAsP層表面において鏡面が容易に得られる。
【0214】
さらに、本実施例9においては、半導体レーザの多重量子井戸活性層103において、上記のエピタキシャル成長方法によって、表面が鏡面のp型InGaAsPバリア層110を成長させるようにしたので、このバリア層110の表面を鏡面とすることができ、このため、バリア層110の表面に成長するInGaAsウェル層111の膜厚を均一なものとすることができる。これにより、良好な多重量子井戸構造を形成することができ、多重量子井戸活性層103におけるPLのスペクトルの半値幅を狭くすることができるとともに、良好な初期特性を有する半導体レーザを得ることができる。
【0215】
実施の形態9.
構成1.
この発明の実施の形態9における半導体光素子の製造方法(請求項11)は、図28に示すように、InP基板1上に、III-V族化合物半導体からなるp型層123,124,125,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層2,121を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、上記p型層123,124,125を、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングし、かつ成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) として成長させるとともに、
上記p型層の内InP層124については、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とした場合は、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0216】
【数1】
Figure 0003665911
【0217】
とし、
上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を7×1017/cm3 以上とした場合は、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0218】
【数2】
Figure 0003665911
【0219】
として成長させてその表面を鏡面とし、
上記p型層の内InGaAs層125については、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0220】
【数3】
Figure 0003665911
【0221】
として成長させてその表面を鏡面とし、
上記p型層の内InGaAsP層123については、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0222】
【数4】
Figure 0003665911
【0223】
として成長させてその表面を鏡面とし、フォトダイオードを製造するものである。このように、p型層の成長を上記の条件で行うため、容易にその表面を鏡面とすることができ、このため、p型InGaAsコンタクト層125とこの層の表面に形成する表面電極127との接触を良好なものとすることができる。また、SiO2 膜6をマスクにした成長層のメサエッチングにおいて、この成長層のサイドエッチング量を精度よく制御することができ、光吸収層122の幅の変動を抑制することができる。これによりPD特性を向上させることができる。また、上記のようにこれらのp型層のp型不純物にはBeを用いているため、これにZnを用いた場合と比較して、上記p型InGaAsPガイド層123から、アンドープInGaAs光吸収層122に対するp型不純物の拡散が抑制される。このため、高速応答特性の良好なPDを得ることができる。
【0224】
構成2.
また、この発明の実施の形態9における半導体光素子(請求項22)は、図27に示すように、InP基板1上にエピタキシャル成長された、III-V族化合物半導体からなるp型層123,124,125,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層2,121を備えた半導体光素子において、上記p型層123,124,125が、(MeCP)2 Beを用いてベリリウムをドーピングし、かつ成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) として成長させたものであるとともに、
上記p型層の内InP層124は、上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とした場合は、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0225】
【数1】
Figure 0003665911
【0226】
とし、
上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を7×1017/cm3 以上とした場合は、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0227】
【数2】
Figure 0003665911
【0228】
として成長させてその表面を鏡面とした層であり、
上記p型層の内InGaAs層125は、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0229】
【数3】
Figure 0003665911
【0230】
として成長させてその表面を鏡面とした層であり、
上記p型層の内InGaAsP層123は、成長速度Rg(単位:μm/hour)を
【0231】
【数4】
Figure 0003665911
【0232】
として成長させてその表面を鏡面とした層であるフォトダイオード(PD)である。このPDは、上記の条件で成長させた、その表面が鏡面であるp型層を備えており、このため、p型InGaAsコンタクト層125とこの層の表面に形成する表面電極127との接触が良好なものとなる。また、InP基板上のエピタキシャル成長層のサイドエッチング量を精度よく制御することができ、光吸収層122の幅の変動を抑制することができる。これによりPD特性を向上させることができる。また、上記のようにこれらのp型層のp型不純物にはBeを用いているため、これにZnを用いた場合と比較して、上記p型InGaAsPガイド層123から、アンドープInGaAs光吸収層122に対するp型不純物の拡散が抑制される。このため、PDの高速応答特性を良好なものとすることができる。
【0233】
実施例10.
この発明の実施の形態による一実施例について説明する。
図27は、上記の実施の形態で示した、ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用い、成長温度と成長速度を前述の成長層の表面が鏡面となる条件でエピタキシャル成長させたp型InGaAsPガイド層123,p型InPクラッド層124,p型InGaAsコンタクト層125を備えた高速応答導波路フォトダイオード(Photo Diode; PD)の斜視図(図27(a)),及びこのPDの本体140を拡大した斜視図(図27(b))である。
【0234】
このPDにおいては、図27(a) に示すように、光はアンドープInGaAs光吸収層122に入射し、ここで電子・正孔対を発生させる。表面電極127,裏面電極128の間には逆方向バイアス電圧が印加されているため、上記の電子・正孔対を電流として取り出すことができる。表面電極127は、PD本体140上の領域においては、p型InGaAsコンタクト層125と接触しているが、この領域以外では、SiN膜129上またはSiO2 膜130上に形成されており、半導体層(FeドープInP電流ブロック層126)とは絶縁されている。
【0235】
次に、本実施例10における上記高速応答導波路PDの製造方法について説明する。図28は、このPDの製造方法を示す断面図である。
まず、図28(a)に示すように、n型InP基板1上に、n型InPクラッド層2(膜厚:1μm,キャリア濃度:1×1018cm-3),n型InGaAsPガイド層121(0.8μm,1×1018cm-3),アンドープInGaAs光吸収層122(0.6μm,1×1015cm-3以下),p型InGaAsPガイド層123(0.8μm,1×1018cm-3),p型InPクラッド層124(2μm,1×1018cm-3),p型InGaAsコンタクト層125(0.25μm,1×1019cm-3)を順にMOCVD法を用いてエピタキシャル成長させる。ただし、アンドープInGaAs光吸収層122の組成は、InPに格子整合する組成であり、Gaの組成比は0.467である。また、InGaAsPガイド層121,123の組成は、λg=1.4μmとなる組成であり、Gaの組成比は0.34,Asの組成比は0.734である。この際、これらの成長層の内のp型層は、上記のように実施の形態で示した、ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用い、成長温度と成長速度を前述の成長層の表面が鏡面となる条件でエピタキシャル成長させる。これは、成長温度が 773≦Tg≦973(K)の範囲内であれば、すべての層の成長速度を3.5μm/h以上とすることにより実現できる。また、成長層の膜厚の制御性を向上させるため、あるいはMOCVD装置の制約から、成長速度を3.5μm/hより低くしなくてはいけない場合は、全ての層を低温で成長するか、またはp型層の成長を開始する前のいずれかの層あるいはヘテロ接合界面の成長時に成長温度を下げて成長させることによりp型層の表面を鏡面とすることができる。
【0236】
次に、スパッタにより、p型InGaAsコンタクト層125の表面の全面にSiO2 膜6を被着させた後、通常の写真製版技術とエッチングを用いて幅10μm,長さ(図28の断面に垂直な方向)25μmのストライプ状のSiO2 膜6を形成し、さらにこのSiO2 膜6をマスクとして上記のエピタキシャル成長層をウェットエッチングして、図28(b) に示すようなメサを形成する。このメサの高さ(すなわちメサエッチングの深さ)は5μmである。
【0237】
次に、上記SiO2 膜6をマスクとして、MOCVD法によりFeドープInP電流ブロック層126を選択成長させ、上記のメサエッチングにより除去された成長層の部分に、電流ブロック層126を埋め込む。さらに、SiO2 膜6をHF系のエッチング液を用いて除去した後、図28(c) に示すように、p型InGaAsコンタクト層125表面にTi/Auからなる表面電極127を形成し、n型InP基板1の裏面にAuGe/Auからなる裏面電極128を形成する。
【0238】
本実施例10においては、p型層の成長を上記の条件で行うため、容易にその表面を鏡面とすることができる。このため、p型InGaAsコンタクト層125とこの層の表面に形成する表面電極127との接触を良好なものとすることができる。また、SiO2 膜6をマスクにした成長層のメサエッチングにおいて、この成長層のサイドエッチング量を精度よく制御することができ、光吸収層122の幅の変動を抑制することができる。これによりPD特性を向上させることができる。また、上記のようにこれらのp型層のp型不純物にはBeを用いているため、これにZnを用いた場合と比較して、上記p型InGaAsPガイド層123から、アンドープInGaAs光吸収層122に対するp型不純物の拡散が抑制される。このp型不純物が光吸収層122に拡散すると、この光吸収層を挟んで形成されているp-n 接合容量が増加し、PDの高速応答特性が劣化するが、本実施例10においては、上記のように、光吸収層122に対するp型InGaAsPガイド層123からのp型不純物の拡散が抑制されているため、高速応答特性の良好なPDを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (MeCP)2 BeとDMBeの蒸気圧を示す図である。
【図2】 ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いたBeドーピング特性を示す図である。
【図3】 ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて結晶成長したBeドープInPの、ホール測定によるキャリア濃度とC−V測定によるキャリア濃度との関係を示す図である。
【図4】 ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて結晶成長したBeドープInPの、キャリア濃度とSIMSによる不純物濃度測定値との関係を示す図である。
【図5】 ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて結晶成長したBeドープInP,及びドーパント材料としてDMZnを用いて結晶成長したZnドープInPの、ホール濃度とPLピーク波長との関係を示す図である。
【図6】 ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて結晶成長したBeドープInPの、ホール濃度とPLピーク波長との関係を示す図である。
【図7】 ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて結晶成長したBeドープInP,及びドーパント材料としてDMZnを用いて結晶成長したZnドープInPの、ホール濃度とPL半値巾との関係を示す図である。
【図8】 ドーパント材料として(MeCP)2 Beを用いて結晶成長したBeドープInPの、ホール濃度とPL半値巾との関係を示す図である。
【図9】 アンドープInP層上にBeドープInP層,又はZnドープInP層を成長した時のBe又はZnの深さ方向のp型不純物プロファイルをSIMS測定した結果を示す図である。
【図10】 この発明の第2の実施例による半導体光素子の製造方法によって作製されたp−InP基板を用いた半導体長波長埋め込みレーザを示す斜視図である。
【図11】 この発明の第2の実施例による半導体光素子の製造方法を示す工程図である。
【図12】 この発明の第3の実施例による半導体光素子の製造方法によって作製されたn−InP基板を用いた半導体長波長埋め込みレーザを示す斜視図である。
【図13】 この発明の第3の実施例による半導体光素子の製造方法を示す工程図である。
【図14】 この発明の第4の実施例による半導体光素子の製造方法によって作製されたn−GaAs基板を用いた半導体可視光レーザを示す斜視図である。
【図15】 この発明の第4の実施例による半導体光素子の製造方法を示す工程図である。
【図16】 この発明の第5の実施例による半導体光素子の製造方法によって作製されたn−GaAs基板を用いた半導体短波長レーザを示す斜視図である。
【図17】 この発明の第5の実施例による半導体光素子の製造方法を示す工程図である。
【図18】 この発明の第6の実施例による半導体光素子の製造方法によって作製されたサファイア基板を用いた青色半導体発光ダイオードを示す斜視図である。
【図19】 この発明の第6の実施例による半導体光素子の製造方法を示す工程図である。
【図20】 この発明の第7の実施例によるエピタキシャル成長方法における成長層表面が鏡面となる成長温度Tg ,成長速度Rg を示す図である。
【図21】 この発明の第7の実施例によるエピタキシャル成長方法における成長層表面が鏡面となる成長温度Tg ,成長速度Rg を示す図である。
【図22】 この発明の第7の実施例による半導体光素子の製造方法を示す工程図である。
【図23】 この発明の第7の実施例による他の半導体光素子の製造方法を示す工程図である。
【図24】 この発明の第8の実施例によるエピタキシャル成長方法における成長層表面が鏡面となる成長温度Tg ,成長速度Rg を示す図である。
【図25】 この発明の第9の実施例によるエピタキシャル成長方法における成長層表面が鏡面となる成長温度Tg ,成長速度Rg を示す図である。
【図26】 この発明の第9の実施例による半導体光素子の多重量子井戸活性層のエネルギーバンド図である。
【図27】 この発明の第10の実施例による半導体光素子の製造方法によって作製された高速応答導波路PDを示す斜視図(a) ,及びその導波路PD本体を拡大して示す斜視図(b) である。
【図28】 この発明の第10の実施例による半導体光素子の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 n型InP基板、2 n型InPクラッド層、3 活性層、4 Beドープp型InPクラッド層、5 Beドープp型InGaAsコンタクト層、6 SiO2 膜、11 p型InP基板、12 Beドープp型InPクラッド層、13 アンドープInGaAsP活性層、14 Sドープn型InPクラッド層、16 Beドープp型InPバッファ層、17 Sドープn型InP電流ブロック層、18 Beドープp型InP電流ブロック層、19 Sドープn型InPコンタクト層、20 p側電極、21 n側電極、31 n型InP基板、
32 Sドープn型InPクラッド層、33 アンドープInGaAsP活性層、34 Beドープp型InPクラッド層、36 Beドープp型InP電流ブロック層、37 Sドープn型InP電流ブロック層、38 Beドープp型InPコンタクト層、39 n側電極、40 p側電極、51 n型GaAs基板、52 Siドープn型GaAsバッファ層、53 Siドープn型AlGaInPクラッド層、54 アンドープGaInP活性層、55 Beドープp型AlGaInPクラッド層、56 Beドープp型GaInPエッチングストッパ層、57 Beドープp型AlGaInPクラッド層、58 Beドープp型GaInPバンド不連続緩和層、59 Beドープp型GaAsキャップ層、
61 Siドープn型GaAs電流ブロック層、62 Beドープp型GaAsコンタクト層、63 n側電極、64 p側電極、71 n型GaAs基板、
72 Seドープn型GaAsバッファ層、73 Seドープn型Al0.48Ga0.52Asクラッド層、74 アンドープAl0.1 Ga0.9 As/Al0.35Ga0.65As量子井戸活性層、75 Beドープp型Al0.48Ga0.52Asクラッド層、76 Beドープp型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層、77 Beドープp型Al0.48Ga0.52Asクラッド層、78 Beドープp型GaAsキャップ層、80 Siドープn型GaAs電流ブロック層、81 Beドープp型GaAsコンタクト層、82 n側電極、83 p側電極、91 サファイア基板、92 アンドープGaNバッファ層、93 Siドープn型GaNクラッド層、94 Siドープn型AlGaN層、95 ZnドープInGaN層、96 Beドープp型AlGaN層、97 Beドープp型AlGaN層、
99 n側電極、100 p側電極、103 多重量子井戸活性層、110 BeドープInGaAsPバリア層、111 InGaAsウェル層、121 n型InGaAsPガイド層、122 アンドープInGaAs光吸収層、123p型InGaAsPガイド層、124 p型InPクラッド層、125 p型InGaAsコンタクト層、126 FeドープInP電流ブロック層、127表面電極(Ti/Au)、128 裏面電極(AuGe/Au)、129 SiN膜、130 SiO2 膜、140 導波路PD本体。

Claims (22)

  1. p型InP基板上に、III-V族化合物半導体からなるp型層,及びIII-V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体長波長埋め込みレーザを製造する方法において、
    上記p型層を、有機金属(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成することを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  2. n型InP基板上に、 III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体長波長埋め込みレーザを製造する方法において、
    上記p型層を、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成することを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  3. n型GaAs基板上に、 III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体可視光レーザを製造する方法において、
    上記p型層を、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成することを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  4. n型GaAs基板上に、 III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体短波長レーザを製造する方法において、
    上記p型層を、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成することを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  5. 基板上に、 III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、
    上記p型層を、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成し、
    上記p型層の内少なくとも一層のエピタキシャル成長は、
    有機金属(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングするとともに、
    上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とし、
    成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、
    成長速度Rg(単位:μm/hour)を
    Figure 0003665911
    として、その表面が鏡面となるInPを成長させるものであることを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  6. 請求項に記載の半導体光素子の製造方法において、
    上記ベリリウムをドーピングした後の上記InPのキャリア濃度を7×1017/cm3以上とし、
    成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、
    成長速度Rg(単位:μm/hour)を
    Figure 0003665911
    とすることを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  7. 基板上に、 III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、
    上記p型層を、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成し、
    上記p型層の内少なくとも一層のエピタキシャル成長は、
    有機金属(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングするとともに、
    成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、
    成長速度Rg(単位:μm/hour)を
    Figure 0003665911
    として、その表面が鏡面となるInGaAsを成長させるものであることを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  8. 基板上に、 III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を気相エピタキシャル成長法によってエピタキシャル成長して半導体光素子を製造する半導体光素子の製造方法において、
    上記p型層を、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成し、
    上記p型層の内少なくとも一層のエピタキシャル成長は、
    有機金属(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングするとともに、 成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、
    成長速度Rg(単位:μm/hour)を
    Figure 0003665911
    として、その表面が鏡面となるInGaAsPを成長させるものであることを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  9. 請求項ないしのいずれかに記載の半導体光素子の製造方法において、
    上記基板としてp型InP基板を用い、半導体長波長埋め込みレーザを製造することを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  10. 請求項ないしのいずれかに記載の半導体光素子の製造方法において、
    上記基板としてn型InP基板を用い、半導体長波長埋め込みレーザを製造することを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  11. 請求項ないしのいずれかに記載の半導体光素子の製造方法において、
    上記基板としてInP基板を用い、フォトダイオードを製造することを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  12. p型InP基板上にエピタキシャル成長された III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体長波長埋め込みレーザにおいて、
    上記p型層が、有機金属(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成されたものであることを特徴とする半導体光素子。
  13. n型InP基板上にエピタキシャル成長された III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体長波長埋め込みレーザにおいて、
    上記p型層が、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成されたものであることを特徴とする半導体光素子。
  14. n型GaAs基板上にエピタキシャル成長された III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体可視光レーザにおいて、
    上記p型層が、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成されたものであることを特徴とする半導体光素子。
  15. n型GaAs基板上にエピタキシャル成長された III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体短波長レーザにおいて、
    上記p型層が、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成されたものであることを特徴とする半導体光素子。
  16. 基板上にエピタキシャル成長された III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、
    上記p型層が、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成し、
    上記p型層の内少なくとも一層が、
    有機金属(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングするとともに、
    上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を5×1017/cm3以上とし、
    成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、
    成長速度Rg(単位:μm/hour)を
    Figure 0003665911
    として成長させた、その表面が鏡面となるInPからなるものであることを特徴とする半導体光素子。
  17. 請求項16記載の半導体光素子において、
    上記ベリリウムをドーピングした後のキャリア濃度を7×1017/cm3以上とし、
    成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、
    成長速度Rg(単位:μm/hour)を
    Figure 0003665911
    とすることを特徴とする半導体光素子。
  18. 基板上にエピタキシャル成長された III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、
    上記p型層が、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成し、
    上記p型層の内少なくとも一層が、
    有機金属(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングするとともに、
    成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、
    成長速度Rg(単位:μm/hour)を
    Figure 0003665911
    として成長させた、その表面が鏡面となるInGaAsからなるものであることを特徴とする半導体光素子。
  19. 基板上にエピタキシャル成長された III- V族化合物半導体からなるp型層,及び III- V族化合物半導体からなるn型層を備えた半導体光素子において、
    上記p型層が、有機金属(CH 3 5 4 2 Be(=(MeCP) 2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングして形成し、
    上記p型層の内少なくとも一層が、
    有機金属(CH3 C5 H4 )2 Be(=(MeCP)2 Be:ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム)を用いてベリリウムをドーピングするとともに、
    成長温度Tg(単位:K)を 773≦Tg≦973(K) とし、
    成長速度Rg(単位:μm/hour)を
    Figure 0003665911
    として成長させた、その表面が鏡面となるInGaAsPからなるものであることを特徴とする半導体光素子。
  20. 請求項16ないし19のいずれかに記載の半導体光素子において、
    上記半導体光素子は、上記基板がp型InP基板である、半導体長波長埋め込みレーザであることを特徴とする半導体光素子。
  21. 請求項16ないし19のいずれかに記載の半導体光素子において、
    上記半導体光素子は、上記基板がn型InP基板である、半導体長波長埋め込みレーザであることを特徴とする半導体光素子。
  22. 請求項16ないし19のいずれかに記載の半導体光素子において、
    上記半導体光素子は、上記基板がInP基板である、フォトダイオードであることを特徴とする半導体光素子。
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