JP3665013B2 - 脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置 - Google Patents

脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二足移動ロボット等の脚式移動ロボットの脚体の関節に、該関節を駆動するための関節アクチュエータを補助する補助駆動力を発生する脚体関節アシスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の脚体を備えた脚式移動ロボットでは、各脚体は、複数のリンク部材を上体から複数の関節を介して順次連接して構成されている。例えば、人と同様の二本の脚体を備えた二足移動ロボットでは、各脚体は、大腿部、下腿部、足平部に相当するリンク部材をロボットの上体からそれぞれ股関節、膝関節、足首関節を介して順次連接して構成されている。そして、この種の脚式移動ロボットは、各脚体の関節に電動モータ等の関節アクチュエータにより駆動力を付与することにより、ロボットの移動を行うための各脚体の運動が行われる。
【0003】
ところで、この種の移動ロボットでは、例えばその移動速度を上昇させると、各脚体の着床状態(各脚体の支持脚期の状態)において、床反力等により各脚体の関節に作用する力が比較的大きなものとなり易く、ひいては、その力に抗して関節アクチュエータに発生させるべき駆動力が比較的大きなものとなり易い。例えば二足移動ロボットでは、人の走行時の歩容(脚体の運動パターン)と同様の歩容形態でロボットを走行させるような場合には、本願発明者等の知見によれば、特に各脚体の支持脚期において、膝関節の関節アクチュエータに発生させるべき駆動力が大きなものとなる。この場合、関節アクチュエータが例えば電動モータである場合には、上記駆動力は電動モータの回生動作あるいは力行動作により発生させることとなるが、いずれの動作でも該電動モータやバッテリ等の電源に大電流を通電する必要がある。このため、ジュール熱等によるエネルギー損失が過大なものとなり易い。また、大容量の電動モータを必要とするため、該電動モータの重量やサイズが大きなものとなる。尚、各脚体の離床状態(各脚体の遊脚期の状態)では、膝関節等の関節アクチュエータに発生させるべき駆動力は、一般に各脚体の着床状態の場合よりも十分に小さい。
【0004】
一方、例えば特開2001−198864号公報(特に同公報の図9)に見られるように、二足移動ロボットの各脚体の膝関節により連結された二つのリンク部材(大腿部及び下腿部)の間にばねを設けたものが知られている。
【0005】
この二足移動ロボットは、ロボットの水平方向の移動を行いながら該ロボットの水平方向の運動エネルギーをばねの弾性エネルギーに変換して蓄積し、その弾性エネルギーを利用してロボットの跳び上がり動作を行うようにしたものである。このようにばねを備えた二足移動ロボットでは、その走行動作時等における部分的な期間、特に各脚体の支持脚期において、膝関節に発生させるべき駆動力の一部をばねの弾性力よりまかない、膝関節の関節アクチュエータの負担を軽減することが可能である。
【0006】
しかしながら、この二足移動ロボットでは、膝関節における脚体の曲げ度合いが大きくなればなるほど、ばねの弾性力は脚体の伸ばし方向に増大する。また、例えば二足移動ロボットを平坦な床上で移動させる場合、一般に各脚体の膝関節における最大の曲げ度合いは、各脚体の着床状態よりも離床状態において大きくなる。
【0007】
このため、前記公報の二足移動ロボットでは、各脚体の膝関節に発生させるべき駆動力が比較的小さなもので済む各脚体の遊脚期においては、支持脚期よりもばねの弾性力が大きなものとなる。従って、各脚体の遊脚期では、このばねの大きな弾性力を打ち消すような駆動力を膝関節の関節アクチュエータに発生させなければならない。このため、各脚体の遊脚期においては、膝関節の関節アクチュエータが大きな駆動力を発生しなければならず、ひいては、二足移動ロボットの移動時の全般にわたって関節アクチュエータの駆動力を比較的小さなものに抑えることができない。さらに、二足移動ロボットに階段の昇降を行わせる場合には、膝関節に発生させるべき駆動力が比較的小さな状態で、且つ該膝関節における脚体の曲げ度合いが比較的大きなものとなる状態があるため、膝関節の関節アクチュエータに発生させる駆動力が大きなものとなってしまうことがある。この結果、ロボットのトータル的なエネルギーの利用効率を高めることが困難である。
【0008】
また、前記公報の二足移動ロボットでは、膝関節における脚体の曲げ度合いの増加に伴い、ばねの弾性力は単調に増加するため、各脚体の遊脚期等において脚体を最大限に曲げたときにおけるばねの弾性変形量が大きなものとなる。このため、そのような大きな弾性変形量を許容し得るばねを用いる必要があり、該ばねの構成が大型化してしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、脚式移動ロボットの関節アクチュエータにかかる負担を効果的に低減し、ひいては、エネルギーの良好な利用効率を確保することができ、また、構成の小型化を図ることができる脚体関節アシスト装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、脚式移動ロボットを例えば平坦な床上を通常的な歩容形態で移動させる場合に各脚体の膝関節等の関節に発生させるべき駆動力(以下、ここでは必要駆動力という)に関して次のような知見を得た。すなわち、各脚体の関節の必要駆動力が、関節アクチュエータの駆動力以外の補助駆動力を要する程度に大きなものとなるのは、基本的には該脚体が着床状態となる期間(該脚体の支持脚期)においてのみである。また、該脚体の支持脚期においては、関節により連結された一対のリンク部材間の相対的変位量の最大値は、該脚体が離床状態となる期間(該脚体の遊脚期)よりも小さい。さらに、該脚体の支持脚期においては、概ね、上記一対のリンク部材間の相対的変位量が最大(極大)となるときに、関節の必要駆動力が最も大きくなる。従って、前記補助駆動力をばね手段により発生させる場合、その補助駆動力は上記一対のリンク部材間の相対的変位量が、ある変位量以下の比較的小さい範囲に存する状態で、該相対的変位量の増加に伴いばね手段の弾性力、ひいては補助駆動力が増加するようにすればよく、該相対的変位量が比較的大きい範囲では、ばね手段の弾性力、ひいては補助駆動力は増加する必要はない。
【0011】
本発明は、上体から複数のリンク部材を複数の関節を介して連接してなる脚体を複数備えた脚式移動ロボットにおける各脚体の特定関節を介して連結された一対のリンク部材を、該特定関節回りに駆動する関節アクチュエータの駆動力と併せて該一対のリンク部材に作用する該特定関節回りの補助駆動力を、該特定関節における脚体の屈伸運動に応じて蓄積する弾性エネルギーにより発生するばね手段を備えた脚体関節アシスト装置に関する。そして、前記課題を解決するための本発明の第1態様の脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置は、前記特定関節における脚体の曲げ度合が大きくなるにつれて増加する前記一対のリンク部材間の屈曲角度所定角度以下であるときには、該一対のリンク部材の伸ばし方向に、屈曲角度の増加に伴って増加する補助駆動力を前記ばね手段が発生し、該屈曲角度が前記所定角度を超えた後には、該一対のリンク部材の伸ばし方向に、前記所定角度における補助駆動力よりも小さ且つ、前記脚式移動ロボットを一定の歩容形態で移動させる際の各脚体の着床状態における前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度において0を超える補助駆動力を前記ばね手段が発生することを特徴とする。また、前記課題を解決するための本発明の第2態様の脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置は、前記特定関節における脚体の曲げ度合が大きくなるにつれて増加する前記一対のリンク部材間の屈曲角度が所定角度以下であるときには、該一対のリンク部材の伸ばし方向に、該屈曲角度の増加に伴って増加する補助駆動力を前記ばね手段が発生し、該屈曲角度が前記所定角度を超えた後には、該一対のリンク部材の伸ばし方向に、前記所定角度における補助駆動力とほぼ同一、且つ、前記脚式移動ロボットを一定の歩容形態で移動させる際の各脚体の着床状態における前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度において0を超える補助駆動力を前記ばね手段が発生することを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、脚体の特定関節回りの屈伸運動に際して、前記一対のリンク部材間の屈曲角度が所定角度に増加するまでは、該屈曲角度の増加に伴い、当該一対のリンク部材の伸ばし方向について、前記ばね手段によって発生され、当該一対のリンク部材に前記特定関節回りに作用する補助駆動力が増加する。そして、前記屈曲角度が所定角度を超えた後には、前記補助駆動力は、前記所定角度における該補助駆動力よりも小さい駆動力、又は該所定角度における補助駆動力とほぼ同一の駆動力になる。別の言い方をすれば、前記一対のリンク部材間の屈曲角度が所定角度に増加するまでは、該屈曲角度の増加側への特定関節における脚体の屈伸運動に伴い、ばね手段の弾性変形が進行する(ばね手段が弾性エネルギーを蓄積していく)こととなる。そして、前記一対のリンク部材間の屈曲角度が所定角度を超えた後は、特定関節における脚体の屈伸運動に伴い、屈伸運動の単位変化に対するばね手段の弾性エネルギーの蓄積量の変化の割合が低下しているか、もしくは、ばね手段の弾性変形状態が元の状態に復元していく(ばね手段が蓄積した弾性エネルギーを放出していく)か、もしくは、ばね手段の弾性変形状態がほぼ一定に維持されることとなる。さらに別の言い方をすれば、前記一対のリンク部材間の屈曲角度に対して、ばね手段による補助駆動力が上記のような特性で変化するように、両リンク部材間の特定関節における屈伸運動が適宜の運動伝達手段を介してばね手段に伝達されることとなる。
【0013】
従って、前記両リンク部材間の屈曲角度が所定角度を超えて比較的大きなものとなる状態(例えばロボットを平坦な床上で移動させる場合における各脚体の遊脚期の状態)では、ばね手段の弾性力、ひいては前記補助駆動力が過剰に大きなものに増加することがない。また、両リンク部材間の屈曲角度が所定角度以下の比較的小さなものとなる状態(例えばロボットを平坦な床上で移動させる場合における各脚体の支持脚期の状態)では、ばね手段の弾性力、ひいては前記補助駆動力は、両リンク部材間の屈曲角度の増加に伴い、増加する。このため、脚式移動ロボットの移動時に、ばね手段による前記特定関節への補助駆動力をさほど要しない状態では、該補助駆動力を不必要に大きなものとすることがないと共に、該特定関節への補助駆動力を要する状態では、該補助駆動力を支障なくばね手段により発生させることができる。この結果、脚式移動ロボットの移動時に、前記特定関節を駆動する関節アクチュエータの負担(該関節アクチュエータに発生させる駆動力)を過剰に増やしたりすることなく、効果的に軽減することができ、ひいてはエネルギーの良好な利用効率を確保することができる。特に、前記関節アクチュエータが電動モータである場合には、該電動モータに発生させる駆動力、ひいては、該電動モータの通電電流が比較的小さなもので済むことから、ジュール熱等によるエネルギー損失を極力小さくして、エネルギーの利用効率を高めることができると共に、比較的小型な電動モータを用いることができる。従って、本発明は、前記関節アクチュエタータが電動モータである場合に特に好適である。また、ばね手段は、前記相対的変位量が前記所定の変位量に達したときに、該ばね手段の弾性変形量がほぼ最大になるようにすることが可能となるので、該ばね手段の構成の小型化を図ることが可能となる。
【0016】
また、本発明の脚体関節アシスト装置は、ばね手段による補助駆動力の変化の変曲点となる前記所定角度が、前記脚式移動ロボットを一定の歩容形態で移動させる際の各脚体の離床状態における前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度よりも小さい角度に設定されていることを特徴とする
【0017】
これによれば、各脚体の離床状態(各脚体の遊脚期の状態)において、各脚体の前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度よりも小さい角度で前記ばね手段の補助駆動力がほぼ最大となる。この結果、各脚体の離床状態で各脚体の前記一対のリンク部材間の曲げ度合いが比較的大きなものとなる状態において、ばね手段の補助駆動力が過剰に大きなものとなることがなく、前記関節アクチュエータの負担を低く抑えることができる。
【0018】
さらに本発明の脚体関節アシスト装置は、前記所定角度が、前記脚式移動ロボットを一定の歩容形態で移動させる際の各脚体の着床状態における前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度の近傍の角度に設定されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、各脚体の着床状態(支持脚期の状態)において、前記特定関節における脚体の曲げ度合いがほぼ最大(極大)に増加するまで、該曲げ度合いの増加に伴って、一対のリンク部材の伸ばし方向に、ばね手段により当該一対のリンク部材に与えられる特定関節回りの補助駆動力が増加し、該曲げ度合いがほぼ最大の曲げ度合いに達したときに、該補助駆動力がほぼ最大になる。また、一般に、各脚体の支持脚期における特定関節の必要駆動力は、前述のように脚体の曲げ度合いがほぼ最大となるときに、該必要駆動力も最大となる。従って、脚式移動ロボットを一定の歩容で移動させる際に、特定関節の必要駆動力が最も大きくなるようなときに、ばね手段による補助駆動力をほぼ最大の補助駆動力にするすることができる。この結果、特定関節回りの一対のリンク部材の必要駆動力が大きくなる各脚体の支持脚期における関節アクチュエータの負担を最小限に留めることができる。
【0020】
また、前記脚式移動ロボットが、前記リンク部材としての大腿部、下腿部及び足平部を前記上体側から股関節、膝関節及び足首関節を介して順番に連接してなる脚体を2本備えた二足移動ロボットである場合においては、前記特定関節は、前記一対のリンク部材としての大腿部及び下腿部を屈伸自在に連結する膝関節であることが好適である。これは、該膝関節が、ロボットの移動時の着床状態において適正な歩容を確保するために比較的大きな必要駆動力を要するからである。
【0021】
以上説明した本発明では、前記ばね手段は、コイルばね、板ばね、ねじりばね、金属ばね、ゴム等の固体ばねでよいことはもちろんであるが、空気ばね等の、気体の圧縮又は膨張により前記補助駆動力が弾性的に発生する気体ばねであることが好適である。すなわち、気体ばねは、それ自身の振動を生じ難い(振動が減衰しやすい)ので、前記特定関節に作用する補助駆動力が振動的なものとなるような事態を抑制することができる。この結果、各脚体の運動を円滑に制御することが可能となる。
【0022】
また、特に前記一対のリンク部材間の相対的変位運動が屈伸運動である場合には、前記ばね手段は、シリンダと、前記一対のリンク部材間の屈伸運動に連動して該シリンダ内を摺動自在に設けられたピストンと、該シリンダ内に形成されて該ピストンの摺動に伴い体積が変化する気室と、該気室に充填された気体と備え、該気室の体積変化に伴う該気室内の気体の圧縮又は膨張により前記補助駆動力を弾性的に発生する気体ばねであることが好適である。
【0023】
このような構造のばね手段(以下、ここではシリンダ構造の気体ばね手段という)では、該ばね手段が気体ばねであることにより、上述のように各脚体の運動を円滑に制御することができる他、該ばね手段の構成や、該ばね手段に前記一対のリンク部材間の屈伸運動を該ばね手段に伝達するための構成(前記一対のリンク部材の屈伸運動を行わせる前記特定関節の回転運動をピストンの直動運動に変換する機構)が比較的簡単なものとなる。また、この場合、前記ピストンは、前記一対の屈曲角度が前記所定の変位量に相当する所定の屈曲角度以下の範囲で該屈曲角度の増加に伴い、前記気室の気体を圧縮又は膨張させる方向に移動できればよいので、該ピストンの必要ストロークが比較的小さなものでよく、シリンダ構造の気体ばね手段を比較的小型なものとすることができる。
【0024】
なお、本発明において、前記一対のリンク部材間の屈曲角度に対して、ばね手段の補助駆動力を前述のように変化させるように特定関節回りの脚体の屈伸運動を該ばね手段に伝達するための機構(運動伝達手段)は、ばね手段の種類等によって種々様々の形態が可能である。例えば、ばね手段が、コイルばねや、前記シリンダ構造の気体ばね手段のように、直線的な運動によって弾性力を発生する直動型のものである場合には、上記運動伝達手段は、例えば、前記特定関節の回転運動をクランク軸やカム等を介してピストン等の直動運動に変換するような回転運動・直動変換機構を用いて構成することが可能である。
【0025】
また、前述のように、ばね手段を例えば前記シリンダ構造の気体ばね手段により構成した場合には、前記気室の体積変化に伴う該気室内の気体の圧縮又は膨張を阻止するように該気室内の気体を該気室の外部に流動させるために該気室に接続された流通路と、該流通路を開閉する弁手段と、該弁手段を各脚体の離床状態で開弁させると共に各脚体の着床状態で閉弁させる制御手段とを備えることが好ましい。
【0026】
これによれば、各脚体の着床状態(各脚体の支持脚期の状態)で前記弁手段を閉弁させたときには、前記一対のリンク部材間の相対的変位運動(屈伸運動)に伴う前記気室内の気体の圧縮又は膨張により、ばね手段(シリンダ構造の気体ばね手段)の補助駆動力が発生する一方、各脚体の離床状態(各脚体の遊脚期の状態)で前記弁手段を開弁させたときには、前記気室内の気体の圧縮又は膨張が生じないので、前記特定関節に、ばね手段による特定関節への補助駆動力が作用しなくなる。この場合、弁手段の開弁を行う各脚体の離床状態では、該脚体の特定関節の必要駆動力は、前記関節アクチュエータのみにより発生させることとなるが、各脚体の離床状態では、前述のように該脚体の関節の必要駆動力が比較的小さい。従って、各脚体の離床状態では、ばね手段の補助駆動力を打ち消すような駆動力を前記関節アクチュエータに発生させる必要が生じるような状況が解消され、該関節アクチュエータの負担をより効果的に軽減することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態を図1〜図7を参照して説明する。図1は本実施形態における脚式移動ロボットとしての二足移動ロボットの構成を模式化して示したものであり、同図示のように、ロボット1は、上体2から下方に延設された二本の脚体3,3を備えている。尚、これらの脚体3,3は後述のアシスト装置を含めて同一構造であるため、一方の脚体3(図ではロボット1の前方に向かって右側の脚体3)については、その一部分のみを図示している。
【0028】
各脚体3は、人間の脚と同様、大腿部4、下腿部5、及び足平部6を上体2から股関節7、膝関節8、足首関節9を介して順次連接して構成されている。より詳しく言えば、各脚体3の大腿部4は、上体2から股関節7を介して延設され、下腿部5は膝関節8を介して大腿部4に連接され、足平部6は足首関節9を介して下腿部5に連接されている。尚、大腿部4、下腿部5、及び足平部6はそれぞれ本発明におけるリンク部材に相当するものである。
【0029】
この場合、股関節7は、ロボット1の前後、左右、上下方向の3軸回りの回転動作が可能とされ、膝関節8は、左右方向の1軸回りの回転動作が可能とされ、足首関節9は、前後、左右方向の2軸回りの回転動作が可能とされている。これらの各関節7,8,9の回転動作により、各脚体3は人間の脚とほぼ同様の運動が可能となっている。そして、例えば膝関節8には、その左右方向の1軸回りの回転動作を行なうために、関節アクチュエータとしての電動モータ10(以下、膝関節電動モータ10という)が設けられている。また、図示は省略するが、股関節8には、その3軸回りの回転動作を行なうための3個の電動モータが設けられ、足首関節9には、その2軸回りの回転動作をそれぞれ行なうための2個の電動モータが設けられている。
【0030】
ここで、本実施形態では、前記膝関節8は本発明における特定関節に相当するものであり、該膝関節8の基本構造を図2を参照してさらに説明する。図2に示すように、膝関節8は、その回転軸心C上に、下腿部5と一体に回転軸部11を備えており、この回転軸部11の両端部が大腿部4に軸受け12,12を介して回転自在に支承されている。そして、この回転軸部11の一端部に膝関節電動モータ10のロータ(図示しない)が接続されている。また、膝関節電動モータ10のステータ(図示しない)と一体のハウジング10aは、大腿部4に固定されている。尚、膝関節電動モータ10のロータは、例えば減速機を介して回転軸部11に接続されていてもよい。
【0031】
このように構成された膝関節8では、膝関節電動モータ10から回転軸部11に回転駆動力(トルク)を付与すると、下腿部5が回転軸部11と共に大腿部4に対して相対的に回転軸心Cの回りに回転する。これにより大腿部4及び下腿部5間の相対的変位運動としての屈伸運動(以下、膝屈伸運動という)が行われる。
【0032】
尚、本実施形態では、各足平部6に作用する床反力(詳しくはロボット1の前後、左右、上下の3軸方向の並進力及び3軸回りのモーメント)を検出するために、図1に示すように各足平部6は6軸力センサ13を介して足首関節9に連結されている。また、各関節7〜9には、その回転位置(詳しくは、各関節7〜9の電動モータの回転角)を検出するためのエンコーダ(図示しない)が備えられている。
【0033】
図1及び図2に示すように、ロボット1は、本発明における特定関節としての各脚体3の膝関節8に補助駆動力(膝関節電動モータ10の回転駆動力と並列に膝関節8の回転軸部11に作用する補助的な回転力)を付与するためのアシスト装置14が各脚体3毎に具備している。
【0034】
このアシスト装置14は、弾性力を発生するばね手段15と、このばね手段15に膝屈伸運動を伝達する運動伝達手段16とを具備するものである。前記ばね手段15は、本実施形態では気体ばねであり、大腿部4の内部に該大腿部4の軸心方向(図では上下方向)に延在して形成されたシリンダ17と、該シリンダ17にその軸心方向に摺動自在に収容されたピストン18とを備えている。そして、ピストン18の上下でシリンダ17内に形成された気室19,20のうち、例えば上側の気室19に空気等の気体(図1及び図2に点描で示す)が密封状態で充填されている。尚、下側の気室20は、その内部の気圧がほぼ一定に維持されるように、大腿部4に設けられた開放通気路4aを介して大気側に開放されている。また、前記シリンダ17は、その軸心が膝関節8の回転軸部11の軸心と交差するような位置で設けられている。
【0035】
このように構成されたばね手段15では、ピストン18の摺動(図1及び図2では上下動)に応じて気室19の体積が変化して、該気室19内の気体が圧縮又は膨張する。これにより、該気体が弾性エネルギーを蓄積して、その弾性力がピストン18に作用する。尚、気室19,20内のそれぞれの気圧がほぼ同等になるようなピストン18の移動位置では、ばね手段15の気室19内の気体は弾性エネルギーを放出した状態となり、ピストン18には弾性力が作用しない。
【0036】
前記運動伝達手段16は、膝屈伸運動(回転軸部11の回転運動)を直動運動に変換してばね手段15のピストン18に伝達するものであり、ピストン18から気室20を貫通して膝関節8に向かってシリンダ17と同心に延設されたピストンロッド21と、このピストンロッド21の先端部(図1及び図2では下端部)を膝関節8の回転軸部11に連結する第1及び第2リンクアーム22,23とを備えている。第1リンクアーム22は、その一端部がピストンロッド21の先端部に、回転軸部11と平行な軸心を有する軸ピン24を介して回転自在に連結されている。また、第1リンクアーム22の他端部は、第2リンクアーム23の一端部に、回転軸部11と平行な軸心を有する軸ピン25を介して回転自在に連結されている。そして、第2リンクアーム23は、その他端部が回転軸部11の外周部に固定され、該回転軸部11と一体に回転軸心C回りに回転可能とされている。
【0037】
このように構成された運動伝達手段16では、膝屈伸運動(回転軸部11の回転運動)に応じてピストン18がピストンロッド21と共にシリンダ17の軸心方向に移動することとなる。これにより前記ばね手段15の弾性体本体としての前記気室19内の気体が圧縮又は膨張され、弾性力を発生することとなる。そして、この弾性力は、ピストン18、ピストンロッド21、並びに第1及び第2リンクアーム22,23を順に介して膝関節8の回転軸部11に補助駆動力(以下、膝回転補助力という)として作用する。
【0038】
脚体3の膝屈伸運動に伴う前記ピストン18の運動と、前記膝回転補助力の変化の特性とについてさらに説明する。本実施形態のアシスト装置14では、膝屈伸運動の際にピストン18の移動位置が図3に示すように変化するようになっている。また、このとき、ばね手段15の膝回転補助力は、各脚体3の大腿部4及び下腿部5間の屈曲角度である膝曲げ角θに対して図4に示すように変化する。
【0039】
尚、図3では、便宜上、大腿部4は仮想線で表示し、下腿部5は棒状に表示している。また、前記膝曲げ角θは、図1に示すように大腿部4の軸心に対して下腿部5の軸心がなす角度として定義したものである。従って、大腿部4及び下腿部5のそれぞれの軸心が同方向に延在するように脚体3を伸ばした状態(図3(a)の状態)がθ=0の状態であり、膝関節8における脚体3の曲げ度合いが大きくなるに伴い膝曲げ角θは増加する。また、図4では膝回転補助力は、膝関節8における脚体3の曲げ方向の回転力を正の値とし、脚体3の伸ばし方向の回転力を負の値としている。
【0040】
ここで、上記のようなピストン18の運動と、ばね手段15の膝回転補助力の特性とについてさらに説明する前に、本実施形態でロボット1に行わせる移動形態に関して図5を参照して説明しておく。本実施形態では、平地(平坦な床)における人間の通常的な走行の場合と同じような足運びの形態(以下、人間の通常走行歩容形態という)で、ロボット1の走行動作を行わせるようにしている。そして、この走行動作を行わせる場合、各脚体3の膝曲げ角θの目標値(これはロボット1の後述する目標歩容により定まる。以下、目標膝曲げ角という)と、この目標膝曲げ角に対応して該脚体3の膝関節8の回転軸部11に発生させる必要のある回転力(以下、必要膝回転力という)とは、それぞれ例えば図5の上段図、下段図に示すような経時的変化を呈する。
【0041】
すなわち、人間の通常走行歩容形態と同様の歩容形態でロボット1を平坦な床上で走行させる場合、図5の上段図に示すように、脚体3の足平部6が着床状態となる支持脚期の前半では目標膝曲げ角は増加する(膝関節8における脚体3の曲げ度合いが大きくなる)。そして、支持脚期の後半では、該支持脚期の終了直前まで目標膝曲げ角は減少する(膝関節8における脚体3の曲げ度合いが小さくなる)。さらに、支持脚期の終了直前から、遊脚期(脚体3の足平部6が離床状態となる期間)の前半にかけて、目標膝曲げ角は増加していき、その後、遊脚期の後半では、遊脚期の終了直前まで、目標膝曲げ角は減少していく。また、遊脚期の終了直前では、目標膝曲げ角は若干増加する。従って、ロボット1の走行動作時の目標膝曲げ角は、支持脚期の中間時点と、遊脚期の中間時点とにおいてそれぞれ極大値θa,θbを採り、また、支持脚期の終了直前、及び遊脚期の終了直前において極小値を採る。
【0042】
尚、以下の説明においては、各脚体3の支持脚期及び遊脚期における目標膝曲げ角の極大値θa,θbをそれぞれ支持脚期最大膝曲げ角θa、遊脚期最大膝曲げ角θbと称する。人間の通常走行歩容形態と同様の歩容形態でのロボット1の走行動作では、一般に、前記支持脚期最大膝曲げ角θaは、概ね40〜60度の範囲内の角度が好適である。また、前記遊脚期最大膝曲げ角θbは、支持脚期最大膝曲げ角θaよりも大きく、例えば該支持脚期最大膝曲げ角θaの概ね2倍程度の角度である。
【0043】
前記必要膝回転力(脚体3の曲げ方向の回転力を正の値、伸ばし方向の回転力を負の値とする)は、図5の下段図に示すように、支持脚期の前半(概ね目標膝曲げ角が増加する期間)では、正の回転力から負の回転力に大きく減少する(脚体3の伸ばし方向に必要膝回転力が大きく増加する)。そして、支持脚期の後半では、該支持脚期の終了直前まで(概ね目標膝曲げ角が減少する期間)、必要膝回転力の絶対値が減少し(脚体3の伸ばし方向の必要膝回転力が減少する)、該支持脚期の終了直前でほぼ「0」の回転力になる。さらに、支持脚期の終了直前から遊脚期の前半にかけては、必要膝回転力は、若干負の値に緩やかに減少し、その後、遊脚期の後半では、必要膝回転力は、負の値から正の値に緩やかに増加していく。従って、ロボット1の走行動作時の必要膝回転力は、特に、支持脚期において、脚体3の伸ばし方向に大きくなる。そして、この支持脚期における伸ばし方向の必要膝回転力は、概ね、目標膝曲げ角の増加に伴って増加すると共に、目標膝曲げ角の減少に伴って減少し、目標膝曲げ角が前記支持脚期最大膝曲げ角θaに達する時点とほぼ同時に最大(極大)となる。
【0044】
本実施形態では、ロボット1の走行動作時のこのような目標膝回転角及び必要膝回転力の経時的変化の特性を考慮し、前記アシスト装置14のピストン18の運動特性とばね手段15の膝回転補助力の特性とが次のように設定されている。すなわち、前記アシスト装置14では、脚体3を図3(a)に示すように伸ばした状態(θ=0の状態)から膝関節8における脚体3の曲げ動作を行ったとき、膝曲げ角θが比較的小さい状態(例えば図3(b)の状態)では、ピストン18が気室19の気体を圧縮する方向(図では上方向)に移動する。そして、膝曲げ角θがさらに増加して、図3(c)に示すある所定角度θxに達すると、ピストン18が気室19の気体を圧縮する方向に最大限に移動した状態になる(ピストン18が上死点に達する)。さらに膝曲げ角θが、上記所定角度θxを超えて増加すると(例えば図3(d)の状態)、ピストン18の移動方向が上記と逆方向(図では下方向)に転じる。尚、図3(d)の状態は、例えば膝曲げ角θが前記遊脚期最大膝曲げ角θbであるときの状態である。
【0045】
別の言い方をすれば、本実施形態では、膝曲げ角θが、上記所定角度θx(<θb)になったときに、ピストン18が上死点に達するように運動伝達手段15(詳しくはピストン18の移動位置に対する前記第1及び第2リンクアーム22,23の姿勢関係や長さ関係)が構成されている。この場合、本実施形態では、上記所定角度θx(以下、ピストン上死点角度θxという)は、ロボット1の前述の走行動作における前記遊脚期最大膝曲げ角θbよりも小さく、前記支持脚期最大膝曲げ角θaよりも若干大きな角度とされている。
【0046】
上記のようなピストン18の運動によって、ばね手段15の膝回転補助力は、膝曲げ角θに対して、図4に示すような特性で変化する。すなわち、膝関節8における脚体3の曲げ動作によって膝曲げ角θが「0」から増加していくと、該膝曲げ角θが前記ピストン上死点角度θxよりも若干小さい所定角度θyに達するまでは、ばね手段15の膝回転補助力は正の値(脚体3の曲げ方向の回転力)から負の値(脚体3の伸ばし方向の回転力)に減少していく。換言すれば、膝回転補助力は、膝曲げ角θの増加に伴い脚体3の曲げ方向から伸ばし方向に増加していく。そして、膝曲げ角θがさらに増加して、該膝曲げ角θが上記所定角度θyからピストン上死点角度θxよりも若干大きい所定角度θy’までの範囲(θy<θ<θy’の範囲)、すなわち、前記ピストン上死点角度θxの近傍範囲内の値になると、膝回転補助力は、伸ばし方向から曲げ方向の値に転じる。尚、|θx−θy|=|θx−θy’|である。また、θ=θxであるときの、膝回転補助力は「0」である。
【0047】
さらに、膝曲げ角θが上記所定角度θy’を超えると、ばね手段15の膝回転補助力は膝曲げ角θの増加に伴い脚体3の曲げ方向で減少していく。つまり、該膝回転補助力は、ピストン上死点角度θxよりも若干小さい所定角度θyで脚体3の伸ばし方向に最大(極大)となると共に、ピストン上死点角度θxよりも若干大きい所定角度θy’で脚体3の曲げ方向に最大(極大)となる。この場合、上記所定角度θy,θy’における膝回転補助力の大きさ(絶対値)は同一である。従って、膝回転補助力の絶対値は、上記所定角度θy,θy’で最大となる(以下、θy,θy’を補助力最大角度という)。
【0048】
ここで、本実施形態では、前記補助力最大角度θy,θy’のうち、ピストン上死点角度θxよりも小さい補助力最大角度θyは、前記図3(b)に示す膝曲げ角θyであり、前記支持脚期最大膝曲げ角θaの近傍の角度で、該支持脚期最大膝曲げ角θaよりも若干大きい角度とされている(θa<θy)。また、本実施形態では、膝曲げ角θが、ロボット1の前述の走行動作時の各脚体3の支持脚期において、該支持脚期の前半で前記必要膝回転力が「0」となる角度(図5の角度θ1)の近傍の角度、もしくは該支持脚期の後半で前記必要膝回転力が「0」となる角度(図5の角度θ2)の近傍の角度としてあらかじめ定めた所定角度θz(図4参照)に一致するときに、前記シリンダ17の気室19内の気体の圧力が気室20内の気圧(≒大気圧)とほぼ同等となってピストン18に気体の弾性力が作用せず(ばね手段15が弾性エネルギーを放出した状態になる)、ひいては、前記膝回転補助力が「0」となるように、気室19の気体の圧力があらかじめ調整されている。尚、上記所定角度θzは、前記補助力最大角度θyや支持脚期最大膝曲げ角θaよりも小さく、例えば5〜15度の範囲内の角度である。
【0049】
図1に戻って、ロボット1の上体2には、各脚体3の各関節7〜9の動作制御等を行う制御ユニット26や、各関節7〜9の電動モータ等の電源としての蓄電装置27、上体2の傾斜角を検出する傾斜センサ28、各電動モータの通電を制御するためのモータドライバ回路29等が搭載されている。尚、傾斜センサ28は、ジャイロセンサ、加速度センサ等を用いて構成されたものである。また、蓄電装置27はバッテリ(二次電池)や、コンデンサ等により構成されたものである。
【0050】
制御ユニット26は、マイクロコンピュータ等を含む電子回路により構成されたものであり、図6に示すように、その機能的構成として、歩容生成器30及びモータ制御器31を備えている。
【0051】
歩容生成器30は、ロボット1の両脚体3,3の目標歩容(両脚体3,3の目標とする運動形態)を規定する歩容パラメータ(歩幅、歩行周期、運動モード等)を、外部からの指令、あるいはあらかじめ設定されたティーチングデータ(移動計画データ)等に応じて、ロボット1の移動時の1歩毎(支持脚が切換わる毎)に決定し、さらにこれを基に所定の制御サイクル毎の目標歩容(瞬時目標歩容)を生成するものである。ここで、本実施形態で歩容生成器30が生成する歩容パラメータは、ロボット1に通常的な歩行動作を行なわせるための目標歩容や、人間の通常走行歩容形態と同様の歩容形態でロボット1の走行動作を行わせるための目標歩容等を規定するパラメータである。そして、該目標歩容は、例えばロボット1の上体2の位置及び姿勢の目標値(以下、目標上体位置/姿勢という)と、ロボット1の各足平部6の位置及び姿勢の目標値(以下、目標足平位置/姿勢という)と、両足平部6,6にそれぞれ作用する床反力(並進力及びモーメント)の合力(全床反力)の目標値(以下、目標全床反力という)と、該全床反力の作用点としての所謂ZMP(Zero Moment Point)の目標位置(以下、目標ZMPという)とから構成されるものである。尚、上記目標歩容の構成要素のより具体的な内容については、例えば本願出願人が特開平11−300660号公報にて詳細に説明している通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。また、目標歩容の内容は、必ずしも上記公報に開示されているものに限られるものではなく、基本的には、ロボット1の目標とする運動形態を表現できるものであればよい。
【0052】
モータ制御器31は、前記膝関節電動モータ10を含めて、各関節7〜9の電動モータを逐次制御する(詳しくは該電動モータの回転角を逐次制御する)ものである。このモータ制御器31は、歩容生成器30により生成された目標歩容や、前記傾斜センサ28により検出される上体2の実傾斜角、図示しないエンコーダを用いて検出される脚体3の各関節7〜9の実回転角、前記6軸力センサ13により検出される各足平部6の実床反力のデータ等に基づいて、後述するように、各電動モータに発生させるべきトルクを規定するトルク指令(具体的には電動モータの通電電流を規定する指令値)を逐次生成する。そして、該モータ制御器31は、生成したトルク指令をモータドライバ回路29に出力し、該モータドライバ回路29を介してトルク指令に応じたトルクを各電動モータに発生させる。
【0053】
次に、本実施形態のシステムの作動を説明する。前記制御ユニット26は、タイマの初期化等の所定の初期化処理を行った後、あらかじめ定められた所定の制御サイクル(例えば50ms)毎に、図7のフローチャートの処理を実行する。すなわち、制御ユニット26は、まず、ロボット1の歩容の切替わりタイミングであるか否かを判断する(STEP1)。ここで、歩容の切替わりタイミングは、詳しくは、ロボット1の移動時の支持脚が一方の脚体3から他方の脚体3に切替わるタイミングである。そして、STEP1で歩容の切替わりタイミングでない場合には、制御ユニット26の処理は後述のSTEP3の処理に進む。
【0054】
また、STEP1で歩容の切替わりタイミングである場合には、制御ユニット26は、外部から与えられるロボット1の動作指令や、あらかじめ設定された移動計画データに基づいて、ロボット1の目標歩容を規定する歩容パラメータを前記歩容生成器30により生成(更新)する(STEP2)。ここで、該歩容生成器30が生成する歩容パラメータにより規定される目標歩容は、例えば次回の歩容の切替わりタイミング、もしくは、それよりも若干先のタイミングまでの目標歩容である。また、この場合、例えばロボット1の走行動作を行うべき旨の動作指令が外部から与えられている場合や、ロボット1の移動計画データによってロボット1の走行動作を行うべき状況である場合には、歩容生成器30が生成する歩容パラメータにより規定される目標歩容は、ロボット1の走行動作の目標歩容である。この場合の目標歩容に応じて定まる目標膝曲げ角が前記図5に示したような経時的変化を呈するものとなる。
【0055】
次いで、制御ユニット26は、STEP3〜5の処理をモータ制御器31により実行する。このSTEP3〜5の処理は、ばね手段15の膝回転補助力が膝関節8に作用しないとした場合に、前記目標歩容にロボット1の運動を追従させるために要する各関節7〜9の電動モータのトルク指令(以下、基本トルク指令という)を求めるための処理である。尚、このSTEP3〜5の処理は、既に本願出願人が特開平11−300660号公報にて詳細に説明しているので、以下にSTEP3〜5の処理の概要を説明する。
【0056】
STEP3では、制御ユニット26は、歩容生成器30により現在生成されている歩容パラメータに基づいて瞬時目標歩容を求める。この瞬時目標歩容は、制御ユニット26の処理の制御サイクル毎の目標歩容である。該瞬時目標歩容は、先にも述べたように、制御サイクル毎の、目標上体位置/姿勢、目標足平位置/姿勢、目標全床反力、目標ZMPとから成る。尚、STEP3の処理では、さらに、上記目標足平位置/姿勢、目標全床反力、目標ZMP等に基づいて、制御サイクル毎の各脚体3の目標床反力及びその目標床反力の作用点も求められる。
【0057】
STEP4では、制御ユニット26は、複合コンプライアンス動作処理により、上記瞬時目標歩容のうちの目標足平位置/姿勢を修正する。この複合コンプライアンス動作処理では、より詳しくは、ロボット1の上体2の実傾斜角(これは前記傾斜センサ28により検出される)を、前記目標上体位置/姿勢により定まる目標傾斜角に復元させる(上体2の実傾斜角と目標傾斜角との偏差を「0」に収束させる)ためにロボット1に作用させるべき床反力(モーメント)が求められる。そして、この床反力(モーメント)と上記目標全床反力との合力を、ロボット1に実際に作用させるべきトータルの床反力の目標値とし、この目標値に、各足平部6の6軸力センサ13により検出される各足平部6の実床反力の合力を追従させるように、制御サイクル毎の目標足平位置/姿勢が修正される。このような複合コンプライアンス動作処理は、ロボット1の姿勢の自律的な安定性を確保するためのものである。
【0058】
そして、STEP5では、制御ユニット26は、ロボット1の各脚体3の関節7〜9の各電動モータに対する基本トルク指令を求める。この処理では、より具体的には、瞬時目標歩容における目標上体位置/姿勢、上述のようにSTEP4で修正された目標足平位置/姿勢等から、ロボット1のモデル(剛体リンクモデル)に基づく逆キネマティクス演算処理によって、ロボット1の各脚体3の各関節7〜9の目標回転角が求められる。そして、この目標回転角に、各関節7〜9の実回転角(これは、各関節7〜9に備えた図示しないエンコーダにより検出される)を追従させるように、各関節7〜9の電動モータの基本トルク指令が求められる。
【0059】
この場合、例えば各脚体3の膝関節電動モータ10の基本トルク指令(これは前記必要膝回転力に対応する)は、膝関節8の目標膝曲げ角と該膝関節8の実際の膝曲げ角θ(膝曲げ角θの検出値)との偏差Δθと、該脚体3に対する前記目標床反力を発生させるために必要な膝関節電動モータ10のトルクTff(以下、基準トルクTffという)とから、次式(1)により求められる。
【0060】
基本トルク指令=Kp・Δθ+Kv・(dΔθ/dt)+Tff ……(1)
尚、式(1)の演算に用いる基準トルクTffは、目標上体位置/姿勢、目標足平位置/姿勢、脚体3に対する目標床反力や、各関節7,8,9の目標回転角加速度等から、ロボット1のモデルに基づく逆キネマティクス演算処理(逆動力学演算処理)によって求められる。また、式(1)中のKp、Kvは、あらかじめ定められたゲイン係数であり、dΔθ/dtは、偏差Δθの時間微分値である。
【0061】
ここで、式(1)の右辺第1項及び第2項は、上記偏差Δθに応じたフィードバック制御項であり、右辺第3項は、脚体3に作用する床反力の影響を補償するためのフィードフォワード制御項である。そして、特に、右辺第2項は、膝曲げ角θの目標値に対する振動を速やかに減衰させる緩衝機能(ダンピング機能)を有する項である。
【0062】
膝関節8以外の他の関節7,9の各電動モータについても上記と同様に基本トルク指令が求められる。このようにして求められる基本トルク指令は、先にも説明したように、アシスト装置14のばね手段15による膝回転補助力が膝関節8に作用しないとした場合に、前記目標歩容にロボット1の運動を追従させるために要する各関節7〜9の電動モータのトルク指令である。
【0063】
制御ユニット26は、次に、アシスト装置14のばね手段15による膝回転補助力(詳しくは制御サイクル毎の膝回転補助力)を推定する(STEP6)。この膝回転補助力の推定値は、モータ制御器31が、膝関節電動モータ10に対する最終的なトルク指令を決定するために用いるものであり、本実施形態では、例えば該モータ制御器31により次のように求められる。すなわち、前記図4に示したばね手段15の膝回転補助力の膝曲げ角θに対する特性を表すデータがあらかじめデータテーブルあるいはその特性の近似式として図示しないメモリに記憶保持されている。そして、モータ制御器31は、現在の膝曲げ角θの検出値(あるいは目標値)から上記データテーブルあるいは近似式に基づいて膝回転補助力を推定する。尚、膝回転補助力は、力センサ等を用いて直接的に検出するようにすることも可能である。
【0064】
次いで、制御ユニット26は、モータ制御器31により、脚体3の各関節7〜9の電動モータの制御サイクル毎の最終的なトルク指令としての最終トルク指令を決定する(STEP7)。この場合、膝関節電動モータ10に対する最終トルク指令は、前記STEP5で式(1)により求めた基本トルク指令(膝回転補助力が「0」であると仮定した場合に目標歩容に応じて膝関節8に発生させるべきトルクの指令値)から、前記STEP6で求めた膝回転補助力を減算することで、膝関節電動モータ10に対する最終トルク指令を決定する。すなわち、膝関節電動モータ10に対する最終トルク指令(膝関節電動モータ10に実際に発生させるべきトルクの指令値)と膝回転補助力との和が基本トルク指令となるように膝関節電動モータ10に対する最終トルク指令を生成する。尚、膝関節8以外の関節7,9の電動モータに対する最終トルク指令は、前記基本トルク指令がそのまま用いられる。
【0065】
次いで、制御ユニット26は、上述のように決定した最終トルク指令をモータドライバ回路29に出力し(STEP8)、これにより制御サイクル毎の処理を終了する。この最終トルク指令の出力に応じて、各関節7〜9の電動モータに通電され、該電動モータの回転角、すなわち、各関節7〜9の回転角が前記目標上体位置/姿勢や目標足平位置/姿勢(前記複合コンプライアンス動作処理による修正を施したもの)により定まる所要の回転角に追従するように制御される。従って、歩容パラメータにより規定される目標歩容に従って、ロボット1の移動が行われる。
【0066】
かかる本実施形態のシステムでは、ロボット1の走行動作時の各脚体3の支持脚期において、膝曲げ角θが増加する期間では、ばね手段15の膝回転補助力が脚体3の伸ばし方向に増加し、膝曲げ角θが減少する期間では、ばね手段15の膝回転補助力(脚体3の伸ばし方向の膝回転補助力)が減少する。従って、基本的には、必要膝回転力が脚体3の伸ばし方向に大きく増加する期間では、それに合わせてばね手段15の膝回転補助力が増加し、続いて、この脚体3の伸ばし方向の必要膝回転力が減少する期間では、それに合わせてばね手段15の膝回転補助力が減少する。つまり、各脚体3の支持脚期では、脚体3の伸ばし方向の必要膝回転力の増減に追従するようにして、ばね手段15の膝回転補助力が増減することとなる。また、この場合、脚体3の伸ばし方向の必要膝回転力がほぼ最大となるタイミングにおいて、ばね手段15の膝回転補助力が極大となる。このため、各脚体3の支持脚期では、膝関節電動モータ10が発生する駆動力(トルク)は比較的小さなもので済む。
【0067】
また、各脚体3の遊脚期では、膝曲げ角θが前記遊脚期最大膝曲げ角θbまで増加していく期間では、該膝曲げ角θが前記ピストン上死点角度θxよりも若干小さい補助力最大角度θyに達するまでは、該膝曲げ角θの増加に伴いばね手段15の膝回転補助力が脚体3の伸ばし方向に増加するものの、上記補助力最大角度θyを超えた膝曲げ角θでは、ばね手段15の膝回転補助力の大きさ(絶対値)は、補助力最大角度θyにおける膝回転補助力の大きさよりも小さい回転力か、もしくは、該補助力最大角度θyにおける膝回転補助力と同じ大きさの回転力(θ=θy’の場合)になる。従って、各脚体3の遊脚期において、ばね手段15の膝回転補助力の大きさ(絶対値)は、補助力最大角度θyにおける膝回転補助力よりも大きくなることはなく、膝曲げ角θの必要膝回転力に対して大きくかけ離れたものになることはない。このため、遊脚期において膝関節電動モータ10に発生させる駆動力(トルク)が過剰に大きなものとなることもなく、該駆動力は比較的小さなもので済む。
【0068】
従って、ロボット1の走行動作時の各脚体3の支持脚期及び遊脚期を合わせた全期間において膝関節電動モータ10に発生させる駆動力は比較的小さなもので済む。このため、膝関節電動モータ10に大電流を通電しなければならないような状況がなく、ジュール熱等によるエネルギー損失が少ないものとなる。
【0069】
また、脚体3の支持脚期において、膝曲げ角θが増加していく状態では、ロボット1の運動エネルギーによって、ばね手段15が弾性エネルギーを蓄積しつつ弾性力(膝回転補助力)を発生し、次いで膝曲げ角θが減少していく状態では、ばね手段15は、蓄積した弾性エネルギーを放出しつつ弾性力(膝回転補助力)を発生する。そして、この場合、ばね手段15の弾性エネルギーとロボット1の運動エネルギーとの間の変換時のエネルギー損失は、一般に極めて小さい。
【0070】
この結果、本実施形態のシステムではエネルギーの利用効率を良好に確保することができる。
【0071】
また、ばね手段15のピストン18は、前記遊脚期最大膝曲げ角θbよりも小さい膝曲げ角θ(=ピストン上死点角度θx)において上死点に達するので、ピストン18の可動範囲が比較的小さいものとなる。このため、ばね手段15の構成を小型なものとすることができる。
【0072】
さらに、本実施形態では、補助力最大角度θyを支持脚期最大膝曲げ角θaよりも若干大きくしているので、脚体3の支持脚期における膝曲げ角θの増減に対して、ばね手段15の膝回転補助力が単調的に(リニア状に)増減するため、前述の複合コンプライアンス動作処理によるロボット1の安定性を円滑に確保することができる。
【0073】
次に、本発明の第2実施形態を図8を参照して説明する。尚、本実施形態は、前記第1実施形態のものと、アシスト装置の一部の構成のみが相違するものであるので、該第1実施形態と同一構成部分については、該第1実施形態と同一の参照符号及び図面を用いて説明を省略する。
【0074】
図8を参照して、本実施形態のアシスト装置32は、前記第1実施形態のものと同様、気体ばねであるばね手段33と、このばね手段33に膝屈伸運動を伝達する運動伝達手段34により構成されている。この場合、ばね手段33は、その基本構成は前記第1実施形態のものと同一であり、シリンダ17及びピストン18を備えるものである。但し、本実施形態では、シリンダ17内の気室19,20のうち、ピストン18の下側の気室20に空気等の気体(図に点描で示す)が密封状態で充填され、上側の気室19は大腿部4に設けた開放通気路4bを介して大気側に開放されている。
【0075】
また、運動伝達手段34は、その基本構成は第1実施形態のものと同一であり、ピストン18と膝関節8の回転軸部11とをピストンロッド21、並びに第1及び第2リンクアーム22,23により連結して構成されたものである。但し、本実施形態では、脚体3を伸ばした状態から、膝関節8における脚体3の曲げ動作を行なったとき、膝曲げ角θがある所定角度に達するまでは、ピストン18が気室20内の気体を圧縮する方向(図では下方)に移動し、その所定角度を超えると、上記と逆方向(図では上方)に移動するように運動伝達手段34(詳しくは、ピストン18の移動位置に対する第1及び第2リンクアーム22,23の姿勢関係や長さ関係)が構成されている。つまり、上記所定角度でピストン18が所謂下死点に達するように運動伝達手段34が構成されている。この場合、上記所定角度は、前記第1実施形態で説明したピストン上死点角度θxと同じ角度とされている。以上説明した以外の構成は前記第1実施形態のものと全く同一である。また、制御ユニット26による制御処理も前記第1実施形態と同一である。
【0076】
かかる本実施形態のアシスト装置32では、ばね手段33が気室20内の気体の弾性力により発生する膝回転補助力の膝曲げ角θに対する変化の特性は、前記第1実施形態のものと同一となる(図4参照)。従って、前記第1実施形態で説明したロボット1の走行動作時における前記支持脚期最大膝曲げ角θa(図5参照)よりも若干大きく且つピストン上死点角度θxよりも若干小さい前記補助力最大角度θyと、ピストン上死点角度θxよりも若干大きい補助力最大角度θyとでばね手段15の膝回転補助力の大きさ(絶対値)が最大になる。このため、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0077】
次に、本発明の第3実施形態を図9を参照して説明する。尚、本実施形態は、前記第1実施形態のものと、アシスト装置の一部の構成のみが相違するものであるので、該第1実施形態と同一構成部分については、該第1実施形態と同一の参照符号及び図面を用いて説明を省略する。
【0078】
図9を参照して、本実施形態のアシスト装置35は、気体ばねであるばね手段36と、このばね手段36に膝屈伸運動を伝達する運動伝達手段37とにより構成されている。この場合、ばね手段36は、その基本構成は前記第1実施形態のばね手段15と同一であり、シリンダ17及びピストン18を備え、ピストン18の上側の気室19に気体を密封状態で充填したものである。尚、本実施形態では、シリンダ17は、その軸心(ピストン18の軸心)が膝関節8の回転軸部11から該回転軸部11の径方向に離間する位置に存するように大腿部4内に配置されている。また、ピストン18の下側の気室20は、大腿部4に設けた開放通気路4cを介して大気側に開放されている。
【0079】
また、運動伝達手段37は、本実施形態では、膝関節8の回転軸部11に該回転軸部11と一体に回転可能に装着されたカム38と、ピストン18から気室20を貫通してシリンダ17と同心に下方に延設されたピストンロッド21と、該ピストンロッド21の下端部に回転自在に装着されたローラ40とにより構成され、該ローラ40がカム38の外周面(カム面)に転動自在に当接されている。従って、膝屈伸運動に伴いカム38が回転軸部11と共に回転すると、カム38の外周面(カム面)の形状に沿ってピストンロッド21及びローラ40がピストン18と共にシリンダ17の軸心方向に移動する。
【0080】
この場合、前記カム38のカム面(外周面)は、脚体3を伸ばした状態から、膝関節8における脚体3の曲げ動作を行なったとき、膝曲げ角θが前記第1実施形態で説明した前記遊脚期最大膝曲げ角θbよりも小さいある所定角度に達するまでは、ピストン18が気室19内の気体を圧縮する方向(図では上方)に移動し、その所定角度を超えると、上記と逆方向(図では下方)に移動するように形成されている。つまり、上記所定角度でピストン18が上死点に達するようにカム38のカム面の形状が設定されている(以下、上記所定角度を前記第1実施形態と同様、ピストン上死点角度という)。また、この場合、カム38のカム面は、膝曲げ角θに対するばね手段36の膝回転補助力の特性が、例えば前記第1実施形態のもの(図4参照)とほぼ同一になるように形成されている。すなわち、本実施形態におけるピストン上死点角度が前記第1実施形態におけるピストン上死点角度θxとほぼ同一になり、また、該ピストン上死点角度θxよりも小さく、且つ、ロボット1の走行動作時の前記支持脚期最大膝曲げ角θaよりも若干大きい角度(図4のθyとほぼ同一の角度)と、ピストン上死点角度θxよりも若干大きい角度とでばね手段36の膝回転補助力の大きさ(絶対値)が最大(極大)になるようにカム38のカム面が形成されている。以上説明した以外の構成、並びに制御ユニット26の制御処理は、前記第1実施形態と同一である。
【0081】
かかる本実施形態のアシスト装置35では、ばね手段36が発生する膝回転補助力の膝曲げ角θに対する変化の特性が前記第1実施形態と同様であるので、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0082】
次に、本発明の第4実施形態を図10及び図11を参照して説明する。尚、本実施形態は、前記第3実施形態のものと、アシスト装置の一部の構成のみが相違するものであるので、該第3実施形態と同一構成部分については、該第3実施形態と同一の参照符号及び図面を用いて説明を省略する。
【0083】
図10を参照して、本実施形態のアシスト装置41は、その基本的構成は前記第3実施形態のものと同一であり、該第3実施形態のものと同一構成のばね手段36と、このばね手段36にカム38’を介して膝屈伸運動を伝達する運動伝達手段37’とにより構成されている。但し、この場合、本実施形態のアシスト装置41の運動伝達手段37’では、カム38’のカム面は、ピストン18が上死点に達する膝曲げ角θであるピストン上死点角度θx1(図11参照)が、前記第3実施形態よりも大きい角度とされ、例えばロボット1の走行動作における前記遊脚期最大膝曲げ角θbにより近い角度になるように形成されている。
【0084】
また、この場合、カム38’のカム面は、図11に実線で示すように、ばね手段36の膝回転補助力が「0」となるピストン上死点角度θx1よりも小さく、且つ、前記支持脚期最大膝曲げ角θaよりも若干大きい所定角度θy1で脚体3の伸ばし方向に最大(極大)となるように形成されている。換言すれば、カム38’のカム面は、上記所定角度θy1(以下、補助力最大角度θy1という)よりも小さい膝曲げ角θでは、膝曲げ角θの増加に伴い、脚体3の伸ばし方向にばね手段36の膝回転補助力を増加させ、補助力最大角度θy1よりも大きい膝曲げ角θでは、該膝曲げ角θの増加に伴い、脚体3の伸ばし方向の膝回転補助力が減少するように形成されている。このような膝回転補助力の特性は、例えば、カム38’のカム面の前記ローラ40との接触箇所における半径(膝関節8の回転軸部11の軸心からの距離)が、前記第3実施形態の場合よりも膝曲げ角θに対して緩やかに変化するように該カム面を形成しておくことで実現される。尚、本実施形態では、膝曲げ角θがピストン上死点角度θx1を超えると、ばね手段36の膝回転補助力は、脚体3の曲げ方向に増加するものの、前記遊脚期最大膝曲げ角θbにおける膝回転補助力の大きさ(絶対値)は、前記補助力最大角度θy1における膝回転補助力の大きさ(絶対値)よりも小さいものとされている。
【0085】
かかる本実施形態では、前記第1実施形態のものと同様に、ロボット1の走行動作時における支持脚期最大膝曲げ角θaよりも若干大きい膝曲げ角θ(=θy1)でばね手段36の膝回転補助力の大きさ(絶対値)が最大になるので、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。そして、この場合、特に、膝回転補助力が膝曲げ角θに対して滑らかに変化することから、膝回転補助力の急変、ひいては膝関節電動モータ10の駆動力の急変を避けることができる。
【0086】
尚、上述した第4実施形態に関し、ピストン上死点角度θx1をさらに大きくした場合(例えば遊脚期最大膝曲げ角θbよりも大きくする)には、膝曲げ角θが補助力最大角度θy1を超えても、遊脚期最大膝曲げ角θbよりも小さい膝曲げ角θでは、ばね手段36の膝回転補助力が脚体3の曲げ方向に変化しないようにすることも可能である。
【0087】
さらに、ピストン上死点角度θx1をさらに大きくした場合には、例えば、カム38’のカム面の前記ローラ40との接触箇所における半径が前記第4実施形態の場合よりも膝曲げ角θに対して緩やかに変化するように該カム面を形成しておくことで、図11に仮想線で示すように膝曲げ角θが補助力最大角度θy1を超えたときにばね手段36の膝回転補助力がほぼ一定となる(膝回転補助力が補助力最大角度θy1における値とほぼ同等に維持される)ようにすることも可能である。
【0088】
このようなばね手段36の膝回転補助力の特性によれば、ロボット1の走行動作時の各脚体3の遊脚期においては、膝曲げ角θが補助力最大角度θy1を越えると、ばね手段36の膝回転補助力がほぼ一定となり、前記第3実施形態の場合よりも膝関節電動モータ10の負担は増える。しかしながら、補助力最大角度θy1よりも大きい膝曲げ角θでのばね手段36の膝回転補助力のさらなる増加が生じないため、該膝回転補助力が必要膝回転力に対して過大になることはない。この結果、ロボット1の走行動作時に膝関節電動モータ10に発生させなければならない最大駆動力(最大トルク)を低めの駆動力に抑えることができ、ひいては、ジュール熱等によるエネルギー損失を抑えてエネルギーの良好な利用効率を確保することができる。
【0089】
また、以上説明した第1〜第4実施形態では、ばね手段15,33,36は、シリンダ17内の気室19,20のうちの一方のみに弾性力を発生する気体を充填して密封するようにしたが、気室19,20の両者に気体を充填して密封するようにしてもよい。この場合、気室19,20に充填する気体の圧力を比較的高圧なものとしておくことで、ばね手段が発生する膝回転補助力を高めることができる。
【0090】
また、前記第3及び第4実施形態では、前記第1実施形態の場合と同様に、シリンダ17を、その軸心が膝関節8の回転軸部11の軸心と交差するような位置に配置するようにしてもよい。
【0091】
また、前記第1〜第4実施形態では、ばね手段15,33,36を大腿部4内に収容するようにしたが、該大腿部4の外部(脚体3の外部)にばね手段を設けるようにしてもよく、あるいは、ばね手段を下腿部5内に収容するようにしてもよい。
【0092】
次に、本発明の第5実施形態を図12及び図13を参照して説明する。尚、本実施形態は、前記第1実施形態のものと、アシスト装置の一部の構成並びに制御ユニットの一部の処理のみが相違するものであるので、該第1実施形態と同一構成部分については、該第1実施形態と同一の参照符号及び図面を用いて説明を省略する。
【0093】
図12を参照して、本実施形態のアシスト装置42は、気体ばねであるばね手段43と、このばね手段43に膝屈伸運動を伝達する運動伝達手段16とにより構成されている。この場合、ばね手段43は、その基本構成は前記第1実施形態のばね手段15と同一であり、シリンダ17及びピストン18を備えるものである。但し、本実施形態では、シリンダ17内の気室19,20の両者に加圧された気体が充填されて密封されている。そして、気室19,20は、開閉自在な電磁切換え弁44を有する通気路45を介して互いに接続されている。尚、運動伝達手段16の構成は、前記第1実施形態のものと同一である。また、図12では電磁切換え弁44及び通気路45は、脚体3の外部に設けられているが、脚体3の内部に収容されていてもよい。また、前記電磁切換え弁44及び通気路45は、それぞれ本発明における弁手段、流通路に相当するものである。
【0094】
このように構成されたアシスト装置42では、電磁切換え弁44の閉弁状態では、脚体3の膝屈伸運動に応じて前記第1実施形態と全く同様にピストン18が移動することで、ばね手段43は、気室19,20内の気体の弾性力による膝回転補助力を発生する。そして、この場合の膝回転補助力の膝曲げ角θに対する変化の特性は、前記第1実施形態のもの(図4参照)と同様である(但し、各膝曲げ角θで発生する膝回転補助力の大きさは、気室19,20内の気体の圧力等によって一般には、前記第1実施形態のものと相違する)。また、電磁切換え弁44の開弁状態では、脚体3の膝屈伸運動に応じてピストン18は移動するものの、前記気室19,20内の気体が相互に流通することで、該気体の圧縮又は膨張が生じない。このため、脚体3の膝屈伸運動は、ばね手段43の気体には伝達されず、該ばね手段43はほとんど弾性力を発生しない。従って、電磁切換え弁44の開弁状態におけるばね手段43の膝回転補助力は、膝曲げ角θによらずにほぼ「0」となる。
【0095】
また、図13を参照して、本実施形態では、制御ユニット26は、前記第1実施形態のものと同様に歩容生成器30及びモータ制御器31を具備することに加えて、さらに前記電磁切換え弁44を開閉制御する切換え弁制御器46を機能的手段として備えている。この切換え弁制御器46は、ロボット1の走行動作時に前記歩容生成器30が生成する目標歩容(詳しくは、目標歩容を規定する歩容パラメータ)がロボット1の前述の走行動作以外の歩容(例えばロボット1の通常的な歩行を行う場合の歩容等)であるときには、電磁切換え弁44を開弁状態に制御する。また、目標歩容がロボット1の前述の走行動作(人間の通常走行歩容形態と同様の形態での走行動作)を行う場合の歩容である場合には、切換え弁制御器46は、その目標歩容に基づいて、制御ユニット26の制御サイクル毎に逐次、現在時刻が脚体3の支持脚期であるか遊脚期であるかを判断し、支持脚期であるときには、電磁切換え弁44を閉弁状態に制御する。また、切換え弁制御器46は、脚体3の遊脚期であるときには、電磁切換え弁44を開弁状態に制御するようにしている。尚、制御ユニット26の切換え弁制御器46は本発明における制御手段に相当するものである。
【0096】
以上説明した以外の構成、並びに制御ユニット26の制御処理は、前記第1実施形態のものと同一である。但し、この場合において、前述のように電磁切換え弁44の開弁状態では、ばね手段43の膝回転補助力はほぼ「0」であるので、制御ユニット26が前記図7のSTEP6で推定する膝回転補助力は、電磁切換え弁44を開弁状態とする脚体3の遊脚期では「0」である。従って、この場合には、図7のSTEP5で求められる各関節7〜9の電動モータの基本トルク指令がそのまま、図7のSTEP7で決定される最終トルク指令となる。
【0097】
かかる本実施形態のアシスト装置42では、人間の通常走行歩容形態と同様の歩容形態でのロボット1の走行動作時において、各脚体3の支持脚期では、前記第1実施形態と同様にばね手段43の膝回転補助力が発生するので、該支持脚期における作用効果は前記第1実施形態と同様である。すなわち、各脚体3の支持脚期で膝関節電動モータ10に発生させるべき駆動力(トルク)が比較的小さなもので済み、該膝関節電動モータ10の負担を軽減することができる。
【0098】
一方、ロボット1の走行動作時おける各脚体3の遊脚期ではばね手段43の膝回転補助力は発生しないものの、該遊脚期では元々、必要膝回転力は小さいので、膝関節電動モータ10に発生させる駆動力は、基本的には、前記第1〜第4実施形態の場合よりも小さくなる。従って、ロボット1の走行動作時の全期間にわたって膝関節電動モータ10に発生させる駆動力を小さなものにすることができる。また、ロボット1の走行動作時の遊脚期では、ばね手段43の膝回転補助力が発生しないことから、支持脚期におけるばね手段43の膝回転補助力(脚体3の伸ばし方向の膝回転補助力)の最大値(極大値)を大きく設定することができる。この結果、支持脚期における膝関節電動モータ10の負担を極力低減することができ、ひいては、走行動作時の全期間にわたって、膝関節電動モータ10に発生させる駆動力を極力小さな駆動力に抑えることができる。このため、ロボット1のエネルギー利用効率をより高めることができると共に、膝関節電動モータ10を小型化することができる。
【0099】
尚、前記第5実施形態では、シリンダ17の気室19,20の両者に気体を充填して密封したものを示したが、前記第1〜第4実施形態のように気室19,20の一方に気体を密封状態で充填し、他方の気室を大気側に開放してもよい。この場合、前記第5実施形態のように各脚体3の遊脚期等においてばね手段の膝回転補助力を発生させないようにするためには、例えば前記第1、第3及び第4実施形態のようにシリンダ17内の気室19に気体を充填して密封した場合には、図14(a)に示すように、気室19を開閉自在な電磁切換え弁47を有する通気路48を介して大気側に開放可能にしておく。また、前記第2実施形態のように気室20に気体を充填して密封した場合には、図14(b)に示すように、気室20を開閉自在な電磁切換え弁47を有する通気路48を介して大気側に開放可能にしておく。そして、それらの電磁切換え弁47を前記第5実施形態と同様に開閉制御するようにすればよい。
【0100】
また、前記第5実施形態では、運動伝達手段16は、第1実施形態のものと同一構成としたが、例えば前記第3実施形態や第4実施形態のもののように、カムを用いて運動伝達手段を構成するようにしてもよい。
【0101】
また、以上説明した第1〜第5実施形態では、ばね手段として気体ばねを用いたが、コイルばね等の固体ばねを用いてもよい。この場合、例えば、前記第1〜第4実施形態のもので、ピストン18の上側の気室19あるいは下側の気室20に該ピストン18の移動に伴い伸縮するコイルばねを収容するようにすればよい。但し、一般にコイルばね等の固体ばねは、振動を生じやすいので、ロボット1の挙動を滑らかにする上では、前記第1〜第5実施形態のように気体ばねを使用することが好適である。
【0102】
また、以上説明した第1〜第5実施形態では、膝関節8を特定関節とした場合について説明したが、他の関節7,9についても、本発明を適用することが可能である。さらに、本発明は、二足移動ロボットに限らず、3本以上の脚体を備えた脚式移動ロボットについても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における脚式移動ロボットの全体構成を示す説明図。
【図2】図1のロボットの脚体の膝関節及びアシスト装置の構成を示す断面図。
【図3】図1のロボットのアシスト装置の作動説明図。
【図4】図1のロボットのアシスト装置のばね手段の特性を示す線図。
【図5】図1のロボットのアシスト装置の作動を説明するための線図。
【図6】図1のロボットに備えた制御ユニットの機能的構成を示すブロック図。
【図7】図6の制御ユニットの処理を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2実施形態におけるアシスト装置の構成を示す説明図。
【図9】本発明の第3実施形態におけるアシスト装置の構成を示す説明図。
【図10】本発明の第4実施形態におけるアシスト装置の構成を示す説明図。
【図11】図10のアシスト装置のばね手段の特性を示す線図。
【図12】本発明の第5実施形態にけるアシスト装置の構成を示す説明図。
【図13】第5実施形態における制御ユニットの機能的構成を示すブロック図。
【図14】第5実施形態に係わる変形態様の説明図。
【符号の説明】
1…二足移動ロボット(脚式移動ロボット)、2…上体、3…脚体、4…大腿部(リンク部材)、5…下腿部(リンク部材)、6…足平部(リンク部材)、7…股関節、8…膝関節(特定関節)、9…足首関節、10…膝関節電動モータ(関節アクチュエータ)、14,32,35,41,42…アシスト装置、15,33,36,43…ばね手段、17…シリンダ、18…ピストン、19,20…気室、44,47…電磁切換え弁(弁手段)、45,48…通気路(流通路)、46…切換え弁制御器(制御手段)。

Claims (8)

  1. 上体から複数のリンク部材を複数の関節を介して連接してなる脚体を複数備えた脚式移動ロボットにおける各脚体の特定関節を介して連結された一対のリンク部材を、該特定関節回りに駆動する関節アクチュエータの駆動力と併せて該一対のリンク部材に作用する該特定関節回りの補助駆動力を、該特定関節における脚体の屈伸運動に応じて蓄積する弾性エネルギーにより発生するばね手段を備えた脚体関節アシスト装置であって、
    前記特定関節における脚体の曲げ度合が大きくなるにつれて増加する前記一対のリンク部材間の屈曲角度所定角度以下であるときには、該一対のリンク部材の伸ばし方向に、屈曲角度の増加に伴って増加する補助駆動力を前記ばね手段が発生し、該屈曲角度が前記所定角度を超えた後には、該一対のリンク部材の伸ばし方向に、前記所定角度における補助駆動力よりも小さ且つ、前記脚式移動ロボットを一定の歩容形態で移動させる際の各脚体の着床状態における前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度において0を超える補助駆動力を前記ばね手段が発生することを特徴とする脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置。
  2. 上体から複数のリンク部材を複数の関節を介して連接してなる脚体を複数備えた脚式移動ロボットにおける各脚体の特定関節を介して連結された一対のリンク部材を、該特定関節回りに駆動する関節アクチュエータの駆動力と併せて該一対のリンク部材に作用する該特定関節回りの補助駆動力を、該特定関節における脚体の屈伸運動に応じて蓄積する弾性エネルギーにより発生するばね手段を備えた脚体関節アシスト装置であって、
    前記特定関節における脚体の曲げ度合が大きくなるにつれて増加する前記一対のリンク部材間の屈曲角度が所定角度以下であるときには、該一対のリンク部材の伸ばし方向に、該屈曲角度の増加に伴って増加する補助駆動力を前記ばね手段が発生し、該屈曲角度が前記所定角度を超えた後には、該一対のリンク部材の伸ばし方向に、前記所定角度における補助駆動力とほぼ同一、且つ、前記脚式移動ロボットを一定の歩容形態で移動させる際の各脚体の着床状態における前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度において0を超える補助駆動力を前記ばね手段が発生することを特徴とする脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置。
  3. 前記所定角度が、前記脚式移動ロボットを一定の歩容形態で移動させる際の各脚体の離床状態における前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度よりも小さい角度に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置。
  4. 前記所定角度が、前記脚式移動ロボットを一定の歩容形態で移動させる際の各脚体の着床状態における前記一対のリンク部材間の最大の屈曲角度の近傍の角度に設定されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置。
  5. 前記脚式移動ロボット、前記リンク部材としての大腿部、下腿部及び足平部を前記上体側から股関節、膝関節及び足首関節を介して順番に連接してなる脚体を2本備えた二足移動ロボットであると共に、前記特定関節は、前記一対のリンク部材としての大腿部及び下腿部を屈伸自在に連結する膝関節であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置。
  6. 前記ばね手段、気体の圧縮又は膨張により前記補助駆動力を弾性的に発生する気体ばねであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置。
  7. 前記ばね手段、シリンダと、前記一対のリンク部材間の屈伸運動に連動して該シリンダ内を摺動自在に設けられたピストンと、該シリンダ内に形成されて該ピストンの摺動に伴い体積が変化する気室と、該気室に充填された気体と備え、該気室の体積変化に伴う該気室内の気体の圧縮又は膨張により前記補助駆動力を弾性的に発生する気体ばねであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置。
  8. 前記気室の体積変化に伴う該気室内の圧縮又は膨張を阻止するように該気室内の気体を該気室の外部に流動させるために該気室に接続された流通路と、該流通路を開閉する弁手段と、該弁手段を各脚体の離床状態で開弁させると共に各脚体の着床状態で閉弁させる制御手段とを備えたことを特徴とする請求項7記載の脚式移動ロボットの脚体関節アシスト装置。
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