JP2560264B2 - 多足歩行装置 - Google Patents

多足歩行装置

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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
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    • B62D57/00Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ロボットの多足歩行
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自力移動するロボットとして、車輪を使
用するもの、キャタピラを使用するもの、脚を使用する
もの等が開発されている。脚を使用する歩行ロボット用
としては、2足、3足、4足、6足等の多足歩行装置が
開発されている。4足以上の脚を有する多足歩行装置に
おいては、例えば3本以上の接地脚を接地させて装置の
重量を支持した状態で、他の一本を遊脚として他の地点
に移動させた後、接地させ、このような接地脚と遊脚を
交互に切替えることにより装置の重量を支持しつつ、装
置の移動、歩行を行っている。
【0003】このような多足歩行装置の歩行は比較的静
的な動作である。一方、脚が前方へ倒れ込む動きをうま
く利用した動的な歩行動作をする動的多足歩行装置も開
発されている。このような動的多足歩行装置において
は、更に、多足の脚としては装置の重量を支える支持脚
としての機能と、地面を蹴って歩行に推進力を与える推
進脚としての2つの機能を持つ必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、開発されている
動的歩行を行う多足歩行装置51においては、図8に示
すようにそれぞれ全ての脚はフレーム52に取付けられ
前脚53も後脚54も同じ構造になっていて、膝関節5
6にアクチュエータ58を有し、このアクチュエータ5
8で装置の重量を支持すると共に、本体前進のための推
進力を与える構造になっている。しかし、装置の重心2
1は装置のほぼ中央にあって、すべての前脚53及び後
脚54に重量が作用し、従って関節が歩行動作をしない
場合でも、この関節で重量を支持するためには、関節に
取り付けたアクチュエータは常に作動していなければな
らないし、また、その出力も大きなものを必要とする。
一方、歩行動作をする場合には、脚は装置の重量を支え
た状態で水平方向に推進力を発生させる必要があるた
め、関節に使用するアクチュエータとしては、かなり出
力の大きなものを必要とし、そのためにアクチュエータ
の重量も大きくなる。
【0005】この発明は、上記の如き事情に鑑みてなさ
れたものであって、多足歩行装置の脚に必要な重量の支
持と推進力の供給の機能をできるだけ分離して、前脚に
は主として重量の支持を分担させ、後脚には主として推
進力の供給を分担させ、これによって使用エネルギーの
効率を向上させると共に、アクチュエータの小型化を実
現し、また必要なアクチュエータの数を減少させること
ができる多足歩行装置を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の多足歩行装置は、重量支持力が大きい複数の一
方の脚と推進力が大きい複数の他方の脚とを有し、一方
の脚は他方の脚よりも推進力が小さく、他方の脚は一方
の脚よりも重量支持力が小さく、装置全体の重量の半分
以上を一方の脚で支え、装置全体の推進力の半分以上を
他方の脚で供給するように構成したことを特徴としてい
る。また、この発明の他の多足歩行装置は、前脚と後脚
とを有する多足歩行装置であって、前脚は重量支持機構
を有していてかつ推進力発生用アクチュエータを有さ
ず、後脚は推進力発生用アクチュエータを有し、多足歩
行装置全体の重心を前脚寄りに置くことを特徴としてい
る。
【0007】
【作用】この発明の多足歩行装置では、多足歩行装置の
脚の全体に要求される重量支持機能と推進力供給機能と
を分離し、多足歩行装置の重量を主として前脚で支持さ
せ、後脚には多足歩行装置全体の重量の影響が少ない状
態で推進力を供給する構造としたので、前脚について
は、その関節に用いるアクチュエータは多足歩行装置の
重量を支持するに足る出力をもつものであれば足り、推
進力を供給する能力をほとんど必要としないので、アク
チュエータは小出力の構造簡単なものを使用することが
できる。一方、後脚については、その関節に用いるアク
チュエータは多足歩行装置の重量を支持する能力をほと
んど必要とせず、もっぱら地面を蹴って推進力を供給す
る機能を持つだけでよいので、アクチュエータの出力は
小さいもので足り、また、構造の簡単なアクチュエータ
を使用することができる。
【0008】この多足歩行装置においては、それぞれの
脚が装置の重量を支持した状態で推進力を与える必要が
ないので、エネルギーの消費効率は上昇し、また、アク
チュエータの数が減少し、またはアクチュエータが小型
化するので、結局アクチュエータの数が減少し、または
アクチュエータの重量が減少し、装置全体の重量が減少
し、エネルギーの消費効率を向上させる。
【0009】
【実施例】以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面
について説明する。図1、図2及び図3において1はロ
ボットの多足歩行装置である。多足歩行装置1はフレー
ム2を有し、フレーム2に前脚3a、3b、後脚4a、
4bを有する。前脚3a、3bでは脚部材5a、5bを
膝関節6を介して回転可能に接続しており、下端部に接
地部材7を有する。脚部材5a、5bは剛性を有する棒
状体である。膝関節6は回転型関節で、膝関節6の姿勢
を制御するためのロータリーアクチュエータ8を有す
る。前脚3a、3bは上端部で股関節11によってフレ
ーム2に連結しており、股関節11には股関節11の姿
勢を制御するためのロータリーアクチュエータ12が備
えられている。一方、後脚4a、4bは脚部材13a、
13bを膝関節14で連結して備えており、下端部に接
地部材15を有する。脚部材13a、13bは剛性を有
する棒体である。膝関節14には膝関節14の姿勢を制
御するためのロータリーアクチュエータ16を備えてい
る。後脚4a、4bは股関節17を介してフレーム2に
連結している。股関節17には股関節17の姿勢を制御
するためのロータリーアクチュエータ18が設けられて
いる。ここで特に重要なこととして歩行する歩行装置全
体の重心21が前脚3a、3bの直上付近に位置するよ
うに構成されている。ただし、歩行装置の設計若しくは
機器の配置の都合上、重心21が前脚3a、3bの直上
付近に置くことができない場合には、フレーム2の延長
部22にカウンターバランス23を設け、このカウンタ
ーバランス23の重量との共働で歩行装置の全体の重心
21が前脚3a、3bの直上付近に位置するように構成
する。
【0010】このように構成された前脚3a、3b、後
脚4a、4bを協調動作させて、歩行動作を行う。この
協調動作は前脚3aの膝関節6、股関節11、後脚の膝
関節14、股関節17に設けられたロータリーアクチュ
エータ8、12、16、18を制御して行う。歩行動作
の場合は、前脚3a、3bはもっぱら多足歩行装置1の
重量を支持し、一方、後脚4a、4bはもっぱら地面2
4を蹴って推進力を供給する。前脚3a、3bは右足、
左足となって交互に支持脚と遊脚が切り替わり、支持脚
の時は多足歩行装置1の全重量を支持し、この時、膝関
節6はロックして脚部材5a、5bがあたかも一本の剛
体として機能し、この時、膝関節6のロータリーアクチ
ュエータ8は動作しない。左前脚3aは遊脚となり、膝
関節6がわずかに曲がった状態で接地部材7を地面24
から浮き上がらせ、この状態で股関節11のロータリー
アクチュエータ12を動作させて、脚を前に出す。次の
動作では、左前脚3aが接地脚となり、右前脚3bが遊
脚となる。一方、後脚4a、4bにおいては、右後脚4
bが支持脚の場合は接地部材15が接地した状態で膝関
節14と股関節17のロータリーアクチュエータ16及
び18が動作して、右後脚4bが地面24を蹴り、多足
歩行装置1に前進の推進力を与える。この時、左後脚4
aは遊脚となり、接地部材15が地面24から離れ、膝
関節14、股関節17のロータリーアクチュエータ1
6、18が動作して左後脚4aが前に出る。次の動作に
おいては、前に出た左後脚4aが接地して支持脚とな
る。このような動作を協調動作して歩行が行われる。
【0011】後脚により前方への推進力を得るには、脚
先と地面との間に摩擦力がある程度必要であり、この摩
擦力は以下のように得ることができる。歩行装置が歩行
中には、前脚は図4に示すように前方に倒れ込んでお
り、また、図5に示すように後方に倒れ込んでいる。図
4及び図5のように、このときの重力成分の一部が後脚
に作用し、結果として後脚の地面との摩擦力が得られ
る。
【0012】そこで、前脚付近の全体重心位置を調節し
たり、カウンターバランスを歩行中に動的に調節するこ
とにより必要最小限の摩擦力は確保することができる。
【0013】図6及び図7はこの発明の他の実施例を示
すものであって、この他の実施例に関わる多足歩行装置
1bは前脚3a、3bの膝関節6bを回転型関節とする
のではなくて、直動型関節とし、この直動型関節を駆動
するアクチュエータとして直動型アクチュエータ8bを
設けたものである。この実施例の多足歩行装置1bにお
いては、前脚3a、3bを遊脚とする場合に、膝関節6
bを曲げるのではなく、膝関節6bを縮めて接地部材7
を地面から浮かし、遊脚とする。この直動型関節は、支
持脚となる場合にはロックして剛性の棒体とする。
【0014】このように構成された多足歩行装置1、1
bにおいては、多足歩行装置1、1bの重量、重心位置
はもっぱら前脚3a、3bの直上付近に位置し、これに
よって多足歩行装置1、1bの重量は主として前脚3
a、3bによって、支持される。しかも、前脚3a、3
bが支持脚となる時、膝関節6、6bはロックされてし
まうのでエネルギを消費することがない。つまり、前脚
3a、3bにおいて多足歩行装置1、1bの重量を支持
するアクチュエータは不要となる。一方、後脚4a、4
bは元々多足歩行装置1、1bの重量が作用せず、従っ
てここでも多足歩行装置1、1bの重量を支持するアク
チュエータは省略され、もっぱら推進力を与えるための
アクチュエータだけが必要とされる。
【0015】
【発明の効果】このようにこの発明では、アクチュエー
タにより多足歩行装置の重量を支持することがないの
で、アクチュエータの出力は小さいものですみ、また、
アクチュエータの数を減らすことができ、エネルギーの
消費効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の多足歩行装置の構成斜視説明図。
【図2】多足歩行装置の上面図。
【図3】多足歩行装置の側面図。
【図4】前脚と後脚の荷重の分布を示す説明図。
【図5】前脚と後脚の荷重の他の分布を示す説明図。
【図6】この発明の他の実施例に関わる多足歩行装置の
上面図。
【図7】他の多足歩行装置の側面図。
【図8】従来の多足歩行装置の構成斜視説明図。
【符号の説明】
1、1b 多足歩行装置 2 フレーム 3a、3b 前脚 4a、4b 後脚 5a、5b 脚部材 6、6b 膝関節 7 接地部材 8 ロータリーアクチュエータ 8b 直動型アクチュエータ 11 股関節 12 ロータリーアクチュエータ 13a、13b 脚部材 14 膝関節 15 接地部材 16 ロータリーアクチュエータ 17 股関節 18 ロータリーアクチュエータ 21 重心 22 延長部 23 カウンターバランス 24 地面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量支持力が大きい複数の一方の脚と推
    進力が大きい複数の他方の脚とを有し、前記一方の脚は
    前記他方の脚よりも推進力が小さく、前記他方の脚は前
    記一方の脚よりも重量支持力が小さく、装置全体の重量
    の半分以上を前記一方の脚で支え、装置全体の推進力の
    半分以上を前記他方の脚で供給するように構成したこと
    を特徴とする多足歩行装置。
  2. 【請求項2】 前脚と後脚とを有する多足歩行装置であ
    って、前記前脚は重量支持機構を有していてかつ推進力
    発生用アクチュエータを有さず、前記後脚は推進力発生
    用アクチュエータを有し、前記多足歩行装置全体の重心
    を前記前脚寄りに置くことを特徴とする多足歩行装置。
  3. 【請求項3】 前記多足歩行装置全体の重心の位置を調
    整するためのカウンターバランスを設けたことを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の多足歩行装置。
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