JP3664882B2 - 熱交換器用スケール除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば原子力発電プラントにおいて用いられる蒸気発生器のような熱交換器に関し、特に、熱交換器の管群内のスケールを除去するための除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
熱交換器は様々な産業分野で比較的に広く使用される装置であるが、使用に伴って内部の伝熱管や管支持板にスケールと呼ばれる汚れが生じるので、熱交換器の性能を維持するためこの汚染物を取り除く必要がある。管支持板には、伝熱管を通すための通常ベック穴(BEC = Broached Egg Crater)と称される異形の穴が形成されており、該穴を画成する壁面と伝熱管の外周面との間には隙間が存在するので、該隙間近傍の伝熱管の外周面、特に管支持板の下面側にスケールが付着しやすい。
【0003】
このようなスケールを除去するために、従来、様々なスケール除去装置が提案され開発されてきた。原子力発電プラント用の熱交換器である蒸気発生器は、作業員が所定量以上の放射線の照射を受けないようにするという健康管理上の制限があるほか、相当に大形の設備であるにもかかわらず、その内部にある伝熱管は、非常に多数の本数に達し、密に詰まって配設されており、しかも、各伝熱管は、その直径が約22mm程度と細く、かつ比較的に薄肉のものであって、強い衝撃を受ければ損傷する可能性もある。また、蒸気発生器内には、例えば7枚というように複数の管支持板が設けられており、管支持板間の距離は、蒸気発生器全体の高さに比べればはるかに短いので、このような諸々の条件を踏まえてスケール除去装置を構成しなければならない。そのため、総合的にみて満足しうるようなスケール除去装置は、未だ提供されていない。
【0004】
例えば、本出願人の特開平9−026107号公報に記載された蒸気発生器の洗浄装置は、図17に総括的に符号200で示すように、挿入機構201と案内機構210とを具備し、挿入機構201は、手前側に駆動装置202を有すると共に、先端側に固定板203を有し、第2ジャッキ204の作動で固定すると共に、手前側と先端側の中間に受け板206及び第1ジャッキ209を設けて、案内機構210を上方へ90度方向転換させる機構としている。また、案内機構210は、曲面が移動できるように多数の短冊形の押え板211に分割され、案内機構210の背面には、高圧ホース及び電線ケーブル207を取り付け可能とし、案内機構210の先端部には、洗浄部本体208を設け、そこにある噴射ノズルは180度回転できる機構としている。
【0005】
しかし、この特開平9−026107号公報に記載の洗浄装置200では、噴射ノズルの送りは、案内機構210の水平部の矢印方向への一方向のみの移動に依拠しているため、駆動装置202の力の作用方向が案内機構210の水平部と少しでも整列していないと、送りが円滑に行われない問題がある。蒸気発生器の胴部には、直径方向に対峙して1対のハンドホール即ち検査穴が設けられており、上述の洗浄装置200の挿入機構201はこの1対のハンドホール間に架け渡されるものであるが、上記1対のハンドホールは、設計上、互いに直径方向に正確に整列して形成されているはずであるにも拘わらず、実際上は、許容されている製造公差のために両ハンドホールの中心間には若干の上下方向の偏心が避けられない。そのため、特開平9−026107号公報記載の洗浄装置では、第2ジャッキ204を使って手動で挿入機構201の位置を調節している。これは、構成を複雑にするだけでなく、作業性を悪化させ、製造コストの低下となる。
【0006】
また、上述の特開平9−026107号公報に記載の案内機構210は、上述したように多数(40〜50個)の短冊形の押え板211に分割されているが、伝熱管212を損傷しないようにするためには、各押え板211に伝熱管ガイド機構が必要になり、これでは構造が非常に複雑となり、このように複雑な装置を実用に供することは実質的に困難である。
【0007】
また、本出願人の特開平9−090084号公報に開示された別のスケール除去装置300は、図18及び図19に示すように、ノズル装置302が管支持板のフロースロットを通り上方の洗浄位置へ到達しうるように、最下段と最上段の管支持板の間を伸縮可能な入れ子式昇降装置301を備えている。この昇降装置301は複数段に伸縮可能な入れ子式シリンダ303と、同入れ子式シリンダ303の下端が固定され左右に複数個の走行ローラ及び最下端に支持ローラ(特開平9−090084号公報の図3及び図4参照)を設けられた支持台304とを有している。また、この昇降装置301は、蒸気発生器の対向するハンドホールに架け渡された走行レール305上を支持台304が移動可能である。そして、この昇降装置301は、それに結んだ4本のワイヤ306の操作によってハンドホールから走行レール305に沿って蒸気発生器内に搬入して鉛直に立て起こされるようになっている
【0008】
しかし、このスケール除去装置300においても、走行レール305が蒸気発生器のハンドホール間に架け渡されるため、上述の特開平9−026107号公報に記載の案内機構210と同様の問題が生じるだけでなく、昇降装置301の入れ子式シリンダ303の搬入・立て起こしをリジッドではない4本のワイヤ306の操作によっておこなうので、各ワイヤに対応したウインチ306a〜306dの操作が必要である。しかも、入れ子式シリンダ303を立てるときと倒すときとでは、各ワイヤの角度を微妙に調節しなければならず、ウインチの制御が煩雑となり、高コストの熟練作業員を必要とする。
【0009】
更に、昇降装置の先端に連結されるフレキシブルランスの従来例としては、同様に本出願人の特開平9−079505号公報に記載のものがある。このフレキシブルランス400は、図20及び図21に示すように、2枚の薄い帯状のバネ鋼板401で注水ホース402と光ファイバ406と窒素ガスホース403とを挟み、1対の送りドラム405により繰り出す。バネ鋼板401の両縁は粘着テープ404により留められている。このように、フレキシブルランス400は全体を帯状に整形しつつ、繰り出され、伝熱管の列間に挿入して、スケールを洗い流すものである。
【0010】
しかし、このフレキシブルランスも幾つかの解決すべき問題を含んでいる。例えば、2枚のバネ鋼板401を曲げたときに両者間にズレが起こり、これがランス先端にある洗浄ノズルの角度等に影響を及ぼして、効果的なスケール洗浄を困難にする可能性があり、また、送りドラム405によるフレキシブルランスの繰り出しでは、通常ゴム製である送りドラム405とバネ鋼板401との間に滑りが起こって、フレキシブルランスの繰り出しに悪影響が出ることが容易に予測される。
【0011】
従って、本発明の一般的な目的は、蒸気発生器内への据え付けにより問題が生ずることなく、昇降装置を蒸気発生器内でスムーズに立て起こし、上昇させ、その先端にあるフレキシブルランスを信頼性のある仕方で洗浄位置へ送り出すことができる、構造が簡単で、しかも作業性のよい熱交換器管群内のスケール除去装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的から、請求項1に係る本発明の熱交換器用スケール除去装置は、胴部と、該胴部の横断方向に該胴部内に水平に配置された複数の管支持板と、前記胴部内にチューブレーンを画成するように前記各管支持板を貫いて列状に延びる複数の伝熱管と、前記管支持板のうちの少なくとも1つの管支持板の直上に直径方向に対峙して前記胴部に形成された1対の検査穴とを有し、前記各管支持板の、前記チューブレーンに対応する部分には、フロースロットが形成されている熱交換器に適用されるスケール除去装置であって、
(a)前記管支持板のうちの少なくとも1つの管支持板上に載置されて装着されるガイドレールアセンブリと、
(b)該ガイドレールアセンブリに沿って移動自在の移動・接続手段と、
(c)該移動・接続手段に傾倒自在に接続されると共に、2連のシリンダアセンブリからなる昇降装置組立体と、
(d)該昇降装置組立体の起立・傾倒手段と、
(e)前記2連のシリンダアセンブリの上端部に支持される伸縮アーム組立体であって、前記シリンダアセンブリに整列する垂直アーム部と、該垂直アーム部に関して旋回可能に取り付けられる旋回アーム部と、該旋回アーム部に対して入れ子式に伸縮する伸縮アーム部とを備える前記伸縮アーム組立体と、
(f)先端にランス挿入管を備えて前記伸縮アーム部に取り付けられたランス送り装置と、
(g)該ランス送り装置の内部に収容され、該ランス送り装置により引戻し自在に送り出される洗浄ノズル付きフレキシブルランスと、
を備えている。
【0013】
この熱交換器用スケール除去装置において、請求項2に係る本発明によると、前記ガイドレールアセンブリが装着される管支持板は、最下方の管支持板であり、該ガイドレールアセンブリは、該最下方の管支持板に形成されたフロースロットに係合して固定されている。
【0014】
また、請求項3に係る本発明のように、前記移動・接続手段は、前記ガイドレールアセンブリのガイドレールに沿って移動可能な移動台車と、該移動台車の上に装着される接続台車とに分離可能であり、前記昇降装置組立体は該接続台車に起立・傾倒自在に接続されることが好ましい。
【0015】
更に、請求項4に係る本発明によると、前記昇降装置組立体は、前記2連のシリンダアセンブリを収容する筒状本体部を有し、前記起立・傾倒手段は、前記筒状本体部の外周面に接続されるワイヤと前記移動台車に接続される液圧式起立・傾倒装置とからなり、該ワイヤ及び該液圧式起立・傾倒装置を操作することにより前記昇降装置組立体の起立・傾倒状態を調整する。
【0016】
請求項5に記載の本発明では、前記昇降装置組立体は、前記2連のシリンダアセンブリの上端部と前記伸縮アーム組立体の下端部との間に、前記2連のシリンダアセンブリが上昇・下降する際の前記伝熱管に沿った移動を案内する案内ローラ組立体を含むチューブガイド機構を備えており、該案内ローラ組立体は、前記管支持板の各々に形成された前記フロースロットを通過する際に開状態の案内位置から閉状態の非案内位置に切り換わるようにされている。
【0017】
請求項6に記載の本発明のように、前記ランス挿入管は、前記ランス送り装置に関して旋回可能に支持されていることが好ましい。
【0018】
最後に、請求項7に係る本発明のように、前記フレキシブルランスは、洗浄ノズルと、該洗浄ノズルにそれぞれ一端が流体連絡関係で接続された2本の高圧水ホースと、該洗浄ノズルに一端が光連絡関係で接続された1本のイメージスコープと、該洗浄ノズルにそれぞれ一端が固定された2本のスチールベルトと、前記高圧水ホース、前記イメージスコープ及び前記スチールベルトを相互に固定するため、それらの長さ方向に沿って離間して配置され、前記高圧水ホース、前記イメージスコープ及び前記スチールベルトに係合するロック部材とを備え、ベルト状の形状に構成されていることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明するが、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとすする。また、本発明は、以下の説明から分かるように、この実施形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0020】
<蒸気発生器の一般的説明>
図1は、本発明によるスケール除去装置10を蒸気発生器に取り付けた状態で示すもので、これにより上記スケール除去装置10の全体構成の概要を把握できるであろう。しかし、本発明をより良く理解するためには、蒸気発生器について説明する必要があると思われるので、図1を参照してその概要を簡単に説明する。符号1は、同一高さの位置に1対のハンドホールもしくは検査穴1aが直径方向に対峙して形成された蒸気発生器のほぼ円筒形の胴部を表しており、胴部1内の下方部位には管板(図示せず)が配設されて図示しない水室を画成し、一方、この管板よりも上方には、上記水室と連通するように多数の通常U字形の伝熱管12が配置されると共に、該伝熱管12を横方向から支持するように複数(図には下から2枚のみを示すが、代表的には7枚程度)の管支持板13a,13b・・・・水平に配置されている。各伝熱管12は、管支持板13a,13b・・・・に形成された通常ベック穴(BEC = Broached Egg Crater)と称する異形の穴を貫いて上下に延びている。
【0021】
上記水室内のスペースは、仕切板によりホットレッグ部とコールドレッグ部に分けられていて、各U字形伝熱管12の一端はホットレッグ部に連通し、他端はコールドレッグ部に連通しており、一方、図示しない管板よりも上方の胴部部分には、いずれも図示しない給水入口及び蒸気出口が形成されている。
【0022】
従って、例えば原子力発電プラントの蒸気発生器の場合、原子炉から送られてきた高温高圧の冷却材は、蒸気発生器の水室のホットレッグ部に入り、伝熱管12の内部を通ってコールドレッグ部に至り、再び原子炉に戻される。一方、上記給水入口からは給水が胴部1内に供給され、伝熱管12の周りを満たす。従って、この給水は伝熱管12の内部を流れる冷却材により加熱されて蒸気となり、上記蒸気出口から出て、発電のために蒸気タービン(図示せず)に送られる。このように給水が蒸気に変態するために、管支持板に形成された上記ベック穴の特に直下部分近傍にスケールと称する汚れが付着する。このスケールを放置すると、伝熱管の腐食等の原因になるため定期的に除去しなければならない。
【0023】
<スケール除去装置の概要説明>
本発明によるスケール除去装置10は、このスケールを効果的に除去するために開発されたもので、胴部1の外周面に、このスケール除去装置10を操作するための諸機器からなる操作装置アセンブリ20が取り付けられる。胴部1内には、操作装置アセンブリ20と作動上連絡して、ガイドレールアセンブリ30が組み込まれている。このガイドレールアセンブリ30は、この実施形態では、最下方にある第1の管支持板13a上に載置され、ガイドレールアセンブリ30の各端部の近傍に上述したハンドホール1aがある。
【0024】
このガイドレールアセンブリ30により支持され案内されるのが、昇降装置組立体(以下、単に昇降装置という)50を移動・起立・傾倒可能に支持する移動・接続台車組立体(移動・接続手段)40である。図1において垂直上方に延びる昇降装置50の起立・傾倒は、ウインチ25等の助成下に、リジッドな水圧式起立・傾倒装置60により行われる。また、昇降装置50は、チューブガイド装置70と伸縮アーム組立体80とを含んでおり、この伸縮アーム組立体80の先端にランス送り装置90が取り付けられている。ランス送り装置90によりフレキシブルランスの先端に設けた洗浄ヘッドが管群内の所定位置に送り込まれる。該フレキシブルランスは、流体噴射ノズルを含み、そこから噴射されてスケールに衝突する流体の圧力によりスケールを剥がし除去する。管支持板上に落下した除去スケールは別の手段により胴部外に排出されるが、この手段は本発明の一部ではないため、説明を省略する。
【0025】
<スケール除去装置の組立て>
上述したスケール除去装置10は、蒸気発生器胴部の外部にあるときは半分解状態であるが、次のような手順で胴部内に搬入し組み立てられる。
1.ハンドホール1aから手を挿入して、監視カメラ100を胴部1a内に取りつける。監視カメラ100の具体的な取付方法及び装置については後述する。
2.ガイドレールアセンブリの装着時に伝熱管12を損傷から保護するため、伝熱管プロテクタ110を管群レーンに設置する。伝熱管プロテクタ110の詳細については後述する。
3.ガイドレールアセンブリ30を構成する分割式のガイドレール(実施形態では2分割)31をハンドホール1aを介して胴部1内に導入する。このとき移動台車41は予めガイドレールに装着しておく。
4.水圧式起立・傾倒装置60をハンドホール1aを介して胴部1内に搬入し、移動台車41に接続する。
5.その後、チューブガイド機構70、伸縮アーム80及びランス送り装置90等が接続された状態で、昇降装置50を横向きにして移動台車41の奥までハンドホール1aから挿入する。
6.次に、接続台車42をハンドホール経由で胴部内に搬入し、移動台車41と接続台車42とを固定して移動・接続台車組立体40とする。
7.水圧式起立・傾倒装置60により後述するウインチ及びラックの助成下に昇降装置50を図示の直立状態に保持する。これにより、汚染部分、特に管支持板の下側を洗浄する準備が完了する。
【0026】
<操作装置アセンブリ20の詳細構造>
次に、図1、図3及び図4を参照して操作装置アセンブリ20の詳細構造について説明する。操作装置アセンブリ20は、ハンドホール1aの上方にある適宜の位置で胴部1に固定的に取り付けられるフレーム構造の取付台21と、この取付台21により垂直方向に移動自在に支持・案内されるフレーム構造のウインチ取付台22と、該ウインチ取付台22の上方部位にあるホルダ22aにより水平方向に移動可能に支持された水平方向移動台23とを備えている。
【0027】
取付台21にはブラケット21aが装着されており、該ブラケット21aにより手動ウインチ21bが支持されている。同ウインチのワイヤ21cの先端はウインチ取付台22に設けられたフック22bに結合されている。従って、手動ウインチ21bの操作によりウインチ取付台22延いてはそこに支持された各種装置を上下動させることができる。胴部1内へのガイドレールアセンブリ等の搬入の支障にならないように、搬入時、ウインチ取付台22等は、図3に示す上方位置に保持される。
【0028】
水平方向に移動可能な移動台23に支持されているのは、前述した昇降装置50用の昇降ウインチ24と、前述した水圧式起立・傾倒装置60と協動する立て起こしウインチ25とである。昇降ウインチ24は、昇降巻取りドラム24aと、図示しないが、そこに基端が取り付けられ他端が昇降装置50に取り付けられた昇降位置検出ワイヤ24bと、駆動モータ24cとを有する。この昇降ウインチ24により、昇降装置50の最上端にあるランス送り装置90の昇降量を検出することができる。立て起こしウインチ25は、ケース25a内に収納されたワイヤドラム25bと、このワイヤドラム25bに基端で固定され他端で昇降装置50の昇降装置本体部51に固定される立て起こしワイヤ25cとを有する。また、立て起こしウインチ25は、ケース25aに図示のように装着された減速機構付きモータ25dを含んでいる。従って、該立て起こしウインチ25が水圧式起立・傾倒装置60と協動して後述するように昇降装置50を立て起こすことができる。なお、取付台21には各種ランプを含む作業指示装置21dが装着されている。
【0029】
操作装置アセンブリ20は、更に、図4に最も良く示す横方向送り装置26を含んでいる。この横方向送り装置26は、予め胴部1のハンドホール1aを囲んで適宜の手段により装着されるもので、同ハンドホール1aに突起部27aで直結される固定台27を有している。固定台27の平面部27bには、直径方向に対峙した1対のハンドホール1aと好ましくは直線状に整列して、1対のブロック状ガイド28が取り付けられている。このガイド28はその天板28aが着脱自在となっており、天板28aを取り外すことにより、矩形断面の送りラック棒29を上方から受け入れることができるように構成されている。図示の実施形態においては、送りラック棒29は、1本の連続した棒状部材として示されているが、適宜相互に接続されて長い棒状部材となる分割式のものでもよい。
【0030】
送りラック棒29の先端には、L字形クランクのように形成された移動台車連結部材29aが設けられており、その下端部29bで後述するように移動・接続台車組立体40の移動台車41(図1)に係合するようになっている。横方向送り装置26は、送りラック棒29を駆動するために、そのラック部29cに係合するピニオンギヤ26aと、該ピニオンギヤを回転駆動する送りモータ26bとを含んでいる。送りモータ26bには周知のエンコーダ(図示せず)が接続されており、その回転量延いては送りラック棒29の移動量、即ち移動・接続台車組立体40の移動量を検出しうる。図4において固定台27の左側面に見えるものは、上述したピニオンギヤ26aとラック部29cの係合を手動で選択的に解除することができるハンドル26cである。このハンドル26cとラック部29cの機械的な接続関係は、当業者にとって周知のものでよいため、図示を省略する。
【0031】
<補助的機器>
次に、蒸気発生器の胴部1a内に本発明のスケール除去装置10を搬入し組み立てるに先立って該胴部1a内に予め装着される補助的機器について簡単に説明する。この補助的機器には、図5に最も良く示す伝熱管プロテクタ110と、図6に最も良く示す監視カメラ100とがある。
【0032】
図1において、蒸気発生器の胴部1内には、1対のハンドホール1aに整列してチューブレーンと称する相対的に広いスペースSが存在する。このスペースSを挟むように伝熱管の管群が存在するので、本発明のスケール除去装置10をこのチューブレーンSに設置するに際し、チューブレーンSに対峙する管群の伝熱管12を損傷しないように、チューブレーンSの両側に伝熱管プロテクタ110を敷設するのが好ましい(この実施形態では片側にあるもののみを図示)。図5に示すように、伝熱管プロテクタ110は、ナイロン系の樹脂から形成されたベルト状本体を有し、その長手方向に沿って適宜の間隔で取り付けられた複数のクリップ111を備える。
【0033】
該クリップ111は、離間して位置する2つの指状部材112と、それらの端部を接続する基部113とから断面コ字形に形成されており、基部113でベルト状本体に取り付けられ、2つの指状部材112が隣接する伝熱管12の間に挿入されることにより、管群側に装着される。図示しない伝熱管プロテクタも同様にしてチューブレーンに敷設される。なお、全作業の終了後、各伝熱管プロテクタのクリップ111を伝熱管12から取り外すには、図示しないが、敷設位置にある両伝熱管プロテクタ110の上縁に橋状に除去治具を掛け渡し、この除去治具により各伝熱管プロテクタ110の上縁をレーン内側に引っ張りつつ曲げることにより、各クリップ111を隣接伝熱管から簡単に外すことができる。
【0034】
次に、監視カメラ100の装着について図1及び図6を参照して説明する。この監視カメラ100は、蒸気発生器胴部1内へのガイドレール31の搬入、胴部1内での移動・接続台車組立体40の組立て、この移動・接続台車組立体40への昇降装置50の取付け、昇降装置50の立て起こし等の諸作業を特に遠隔的に監視するためのものであるから、第1及び第2管支持板13a,13bの間でなるべく胴部内面近くの上方位置、即ち図1に示す位置に配設するのが好適である。また、監視カメラ100は、片側のハンドホール1aから挿入されるものが1つあるだけでなく、他方の側のハンドホール1aから挿入される別のものが存在していてもよい。
【0035】
図6において、監視カメラ100は、本体部101と、該本体部101に回転自在に支承された支持腕102とを備え、該支持腕102に、CCDカメラ制御部103と、CCDカメラ(図示せず)に光学的に連係したズームレンズ104と、監視対象を照射する照明ランプ105とが支持されている。一方、本体部101には、管群側が伝熱管の外形形状に倣って蒲鉾型に凹んだ側面106aを有する伝熱管クランプ106と、該クランプ106を伝熱管12に対して接近させたり離隔させたりするための空気シリンダ107と、鎖線で示すようにズームレンズ104及び照明ランプ105等を駆動するためのカメラ旋回モータ駆動部108とを支持している。
【0036】
図示しないが、この監視カメラ100には、本体部101に取り付けうる棒状部材が垂下していて、この棒状部材を持ってハンドホール1aから胴部1内に監視カメラ100を搬入し、希望位置に配設することができる。また、図示しないが、電源ケーブルや空気ホース等はハンドホール1aを介してこの監視カメラ100に引き込まれる。
【0037】
<ガイドレールアセンブリの詳細構造>
図1に示すように、管支持板には、蒸気発生器胴部内のチューブレーンSに対応する位置に、細長い複数のフロースロット1bが形成されている。このスロット1bを利用して、2分割式のガイドレール31a,31bからなるガイドレールアセンブリ30の固定が行われる。即ち、各ハンドホール1aから1つのガイドレール31a,31bを入れチューブレーンS上に置く。
【0038】
図7において、各ガイドレール31a,31bは実質的に同一の構造であるため、図1において左側のガイドレール31aについて代表的に説明すると、該ガイドレール31aは、フランジ部34を除いて頂部が開放した中空部33を内部に有するチャンネル形状のものであり、そのハンドホール側の端部には、ガイドレール固定クランプ装置32が設けられている。このクランプ装置32は、掴み部32aと板状のクランプ部32bとからなり、ハンドホール1aから手を伸ばして、クランプ部32bをフロースロット1bに導入し、掴み部32aを操作して、該クランプ部32bとガイドレール底部との間で管支持板13aを挟持する。かくして、管支持板上へのガイドレール、延いてはガイドレールアセンブリ30の固定が行われる。
【0039】
<移動・接続台車組立体>
上述したようにガイドレールを胴部1内に導入もしくは搬入する際には、移動台車41は、ガイドレールの中空部33に既に収容された状態であるが、接続台車42については、これが移動台車41に接続された状態でハンドホール1aから諸機器を搬入すると、ハンドホール−1aが搬入に干渉する可能性があるため、昇降装置50、水圧式起立・傾倒装置60、チューブガイド装置70、ランス送り装置90等が胴部内に運び込まれてから、移動台車41に固定される。移動台車41は、そのフランジ部45をガイドレール31aのフランジ部34上に載置させて、ガイドレールの中空部33に嵌まるボート状の形状を有し、長手方向の両端部の外側には、T字形をした連結部41aが設けられている。移動台車41のフランジ部45の幅はガイドレール31aのフランジ部34のほぼ半分である。そして、連結部41aに、図4に関連して説明した送り装置26の送りラック棒29に設けられた移動台車連結部材29aの可撓性を有する下端部29bが嵌まり、ロックされるような周知の構造になっている。この実施形態ではロックの解除は手動により行われる。また、移動台車41の各側部には、2つの窓41bが開口しており、各窓41bから部分的に外部に突出するように、ガイドレール31aに沿った移動台車41の移動を案内する回転ローラ41cが設けられている。回転ローラ41cはガイドレール31aのフランジ部34の内側面に当接する。また、移動台車41の長手方向端部の内側には、2つの凹所41dが形成されている。
【0040】
接続台車42は、全体として、上記移動台車41上に配置されるのに適した大きさと形状を有しており、長手方向の両側部に、ガイドレール31aのフランジ部34に載置される脚部46を備える。接続台車42の底部42aは脚部46の下面よりも上方にあり、移動台車41のフランジ部45上に載置される。そして、接続台車42の底部42aの両端下部にシリンダ収納ブロック43を有しており、該ブロック43内に1対のシリンダ44が収容されている。上述した接続台車42を移動台車41上の所定位置に置いてから、接続台車42に設けたシリンダ44に流体を供給すれば、図示しないロッドがシリンダ44から出て、移動台車41の凹所41dに係合し、かくして移動台車41と接続台車42との接続が完了する。
【0041】
更に、接続台車42の頂部には、昇降装置50を旋回可能に装着するための構造である昇降装置旋回ガイド47及び昇降装置垂直クランプ48が設けられている。後述するが、昇降装置50の下端部には、旋回ピン装置52とフック状の接続台車クランプ53とが設けられており、それらと、接続台車42のスパナ頭部のような形状の突起部である昇降装置旋回ガイド47及び昇降装置垂直クランプ48とがそれぞれ連係するようになっている。符号49は、図7において接続台車42の頂部右端及び頂部左端に設けられたカバーであり、図示しないが、このカバー49により閉じられた凹所に所要の電装品を収容することができる。
【0042】
昇降装置50を移動・接続台車組立体40に接続するためには、旋回ピン装置52を、そこに内向きに設けられたピン52aが昇降装置旋回ガイド47のピン受け凹部47aに嵌まるように位置決めする。そして、ピン52aを凹部47aに嵌合させながら、後述する諸装置を操作して昇降装置50を徐々に起立させれば、最終的に昇降装置垂直クランプ48,53が係合してロックされ、昇降装置50は垂直状態に保持される。なお、昇降装置垂直クランプ48,53のロックは、昇降装置垂直クランプ53が昇降装置垂直クランプ48に入ると、図示しないシリンダが作動してプレートが昇降装置垂直クランプ53のフック部53aに入ることにより行われる。符号54は、流体案内管であり、符号55はカップラーを表している。
【0043】
<水圧式起立・傾倒装置>
次に、図1、図7及び図8を参照して水圧式起立・傾倒装置60の構造について説明する。図8において、水圧式起立・傾倒装置60は、2つの立て起こし旋回シリンダ装置61,62と、水圧供給分配マニホルド63と、立て起こし伸縮シリンダ装置64とを有する。これらの機器61〜64は符号65,66等で示した側版により相互に接続され、前述した移動・接続台車組立体40を介してガイドレールに沿って一体的に摺動するようになっている。図示しないが、2つの旋回シリンダ装置61,62の間にはラックが存在しており、立て起こし伸縮シリンダ装置64の作動ロッド(図示せず)の端部に設けられたピニオンがこのラックに係合するようになっている。従って、旋回シリンダ装置61,62を作動してラックを移動させれば、ピニオンが回転し、立て起こし伸縮シリンダ装置64を旋回もしくは揺動、即ち立て起こしたり、寝かせたりすることができる。2つの旋回シリンダ装置を用いることにより、各旋回シリンダ装置をハンドホールからの搬入搬出に好適な小型に形成しながら、十分な推力を得て、一方のシリンダでラックを押し、他方のシリンダでラックを引くことができる。
【0044】
この実施形態では、旋回シリンダ装置61,62及び立て起こし伸縮シリンダ装置64の作動流体は、水圧供給分配マニホルド63を経由する水であり、水は、集合的に示した各種の水圧配管67,68を通って旋回シリンダ装置61,62及び立て起こし伸縮シリンダ装置64を駆動する。
【0045】
立て起こし伸縮シリンダ装置64の旋回時における上記ピニオンから昇降装置本体部51までの距離の変化に追随するために、立て起こし伸縮シリンダ装置64の作動ロッド64aの上端64bは、昇降装置本体部51に対してスライド可能に接している。立て起こし旋回シリンダ装置61の端部に設けられているのは、移動台車連結部69であり、これは、移動台車41のT字形をした突起である連結部41a(図7参照)を補完するT字形の凹部を有する突起部69aと、その上方に位置するロック部69bとを含み、移動台車41の連結部41aに突起部69aを嵌め込むことにより、ロック部69bで自動的にロックする構造である。ロックを解除したい場合には、ハンドホール1aから手を伸ばしてロック部69bを上方へ回せばよい。
【0046】
<昇降装置組立体>
次に、特に図9の(a)及び(b)等を参照して昇降装置組立体50について説明するが、重複を避けるために、図1,7及び8に関連して説明した部分については説明を省略する。図9において、符号51は既述した筒状の昇降装置本体部であり、その下端部には前述した旋回ピン装置52及び接続台車クランプ53等が設けられており、上端部にはチューブガイド装置70の取付台56が設けられている。昇降装置本体部51は筒状の部材であり、その内部に水圧駆動の1対のもしくは2連の入れ子式伸縮シリンダアセンブリもしくは組立体57が設けられている。
【0047】
各シリンダ組立体57は、この実施形態では、入れ子式に嵌まり合うように徐々に小径となる11本のシリンダ57a,57b,・・・からなり、最上方のシリンダ57aの上端が取付台56に固定される。また、図1及び図3に関連して説明した昇降位置検出ワイヤ24bは、昇降装置本体部51の下端部内に設けたガイドローラ51aを経由して2組のシリンダ組立体57の間を通り、上述した取付台56に取り付けられている。シリンダ組立体57が伸長することにより昇降位置検出ワイヤ24bは引き出され、昇降装置本体部51の上端部にある取付台56の位置延いてはその取付台56に取り付けられた長さ不変の部材の位置を検出する。
【0048】
また、図1及び図3に関連して説明した立て起こしワイヤ25c(起立・傾倒手段)は、昇降装置本体部51の上端部近傍で該昇降装置本体部51の両側に取り付けられたワイヤシーブ51bに取り付けられている。立て起こしワイヤ25c及び水圧式起立・傾倒装置60による昇降装置50の傾倒動作については、後述する。
【0049】
取付台56の平らな頂部56aには、ほぼ半円柱状の凹所56bを有する接続部材58が設けられている。図9の(b)に示すように、この取付台56へのチューブガイド装置(図1及び図10参照)70の取り付けは、フレーム構造体71の下端部に形成された横穴71aが上記凹所56bに整列するように、フレーム構造体71を取付台56上に載置し、しかる後、ピン59を凹所56b及び横穴71aに挿通することにより行う。なお、挿通されたピン59は適宜の手段で脱落を防止されている。
【0050】
次に、このチューブガイド装置70の詳細構造について、本発明によるスケール除去装置10の動作を理解するために必要な機構を中心として、図10を参照して説明する。昇降装置50のシリンダ組立体57は、洗浄位置に到達するために、管支持板13a,13b・・・(図1参照)等に形成したフロースロット1bを通り抜けて伸長しなければならず、相当な長さに達する。従って、昇降装置50のシリンダ組立体57の伸長状態で装置が揺れて伝熱管12に接触して損傷させないように、このチューブガイド装置70は案内ローラ組立体からなる特別な保護装置72を備えている。また、上述のように、フロースロット1bを通過しなければならないので、この案内ローラ組立体72には、そのための特別な工夫も施されている。
【0051】
図10において、チューブガイド装置70は、フロースロット1bの短辺方向の寸法よりも短い厚さに形成された窓枠状のフレーム構造体71を有する。保護装置72は上側及び下側案内ローラ組立体72a,72bからなり、フレーム構造体71の2つの窓部もしくは開口部71c,71dに、開閉自在の上側及び下側案内ローラ組立体72a,72bが配設されている。また、フレーム構造体71の上端部は、後述する伸縮アーム組立体80を例えばボルト(図示せず)のような手段で取り付けるための平らな面71bを有する取付台71aとなっている。図10の(a)は案内ローラ組立体72a,72bの開状態を示し、図10の(b)は閉状態を示す。上側及び下側案内ローラ組立体72a,72bの構造自体は同一であるため、一方のみについて説明する。
【0052】
各案内ローラ組立体は、左側に4本、右側に4本、計8本のガイドレバー73を有する。案内ローラ組立体の開状態では、各ガイドレバーはほぼ水平方向に平行に延び、案内ローラ組立体の閉状態ではほぼ垂直方向に延びる。これらのガイドレバー73の基端部はリンク機構74で相互に接続されているが、リンク機構74のメカニズム自体は周知であるから更なる説明は省略することができる。窓枠状のフレーム構造体71の垂直部75a,75b内には、上記リンク機構74に組み合う図示しない開閉シリンダが組み込まれていて、各開閉シリンダの作動により、関連した上側又は下側の8つのガイドレバー73を同一方向に揺動もしくは移動させることができる。
【0053】
8本のガイドレバー73のうち横方向に所定量離間して配置された各2本の隣接ガイドレバー間には、ガイドローラ76が回転自在に設けられ、一方、各ガイドレバー73の先端部近傍には、1つのサイドローラ77が回転自在に設けられる。ガイドレバー73が開状態にあるときには、図10の(a)に鎖線で示した伝熱管12は、各1対のガイドレバー間にある。従って、昇降装置50のシリンダ組立体57が伸長もしくは収縮して、延いてはチューブガイド装置70が上方もしくは下方に移動するときに、ガイドローラ76及びサイドローラ77により案内される。
【0054】
次に、開状態にあるガイドレバー73が管支持板13bのフロースロット1bを画成する壁面に干渉しないように、チューブガイド装置70には、更に、管支持板検知装置が設けられていて、その検出信号により、フレーム構造体71の垂直部75a,75b内に設けた図示しない上記開閉シリンダの作動を制御するようになっている。即ち、図10の(b)に示すように、フレーム構造体71の管群に面する側面には、上部に1つ、中央部に2つ、下部に1つ、計4つの近接スイッチでよい位置検知装置78a〜78dが設けられている。位置検知装置78bは裏側の側面にあり、図10の(b)には点線で表れている。
【0055】
チューブガイド装置70の管支持板通過とガイドレバー73の開閉タイミングについて、図10の(a)に示す状態にあるチューブガイド装置が上昇移動する場合について代表的に説明する。先ず、更なるチューブガイド装置70の上昇移動に伴い、最上方の位置検知装置78aが管支持板を検知すると、上側案内ローラ組立体72aの全ガイドレバー73が開閉シリンダを介して閉状態に移行し、チューブガイド装置70の下半部の管支持板通過を許容する。そして、今度は中央の位置検知装置78bが上記管支持板を検知すると、上側案内ローラ組立体72aの全ガイドレバー73が開閉シリンダを介して開状態に移行し、その直後に、別の位置検知装置78cが上記管支持板を検知すると、下側案内ローラ組立体72bの全ガイドレバー73が開閉シリンダを介して閉状態に移行し、チューブガイド装置70の上半部の管支持板通過を許容する。最下方の位置検知装置78dが管支持板を検知すると、下側案内ローラ組立体72bの全ガイドレバー73が開閉シリンダを介して開状態に移行し、かくして全てのガイドレバーが開状態となりチューブガイド装置70を好適にガイドする。
【0056】
<伸縮アーム組立体>
図11に示すように、この伸縮アーム組立体80は、上記チューブガイド装置70の取付台71aに装着される。伸縮アーム組立体80は、チューブガイド機構70から垂直上方に延びる垂直アーム部81と、該垂直アーム部81に対して旋回可能な旋回アーム部82と、該旋回アーム部82に関して伸縮する伸縮アーム部83とを備えており、該旋回アーム部82及び伸縮アーム部83は、図11の(a)に示す洗浄作業時の水平状態と、図11の(b)に示す移動時の垂直状態とをとりうる。
【0057】
旋回アーム部82は、符号84で示す部分で垂直アーム部81に旋回可能に取り付けられると共に、レバー85により支持されている。垂直アーム部81内には鎖線で概略的に示した旋回シリンダ81aが設けられており、該旋回シリンダ81aのロッド81bが上下動することにより、その先端に設けられたピン81cがスロット81dに沿って上下動し、以ってレバー85を介して旋回アーム部82及び伸縮アーム部83が矢印で示すように旋回する。
【0058】
旋回アーム部82内には、伸縮シリンダ82aが設けられている。その作動ロッド82bは伸縮アーム部83に接続されていて、作動ロッド82bの作動に連動して伸縮アーム部83も矢印で示すように伸縮するようになっている。伸縮アーム部83の先端にあるのはランス送り装置接続部材86であり、旋回アーム部82の図11の(a)において右側端部の上方に設けられているのは、ランスガイド87である。図示しないが、後述するランス送り装置に送り込まれるランスは、図2から了解されるように、ランスガイド87から旋回アーム部82及び伸縮アーム部83の側面を通り、ランス送り装置90に導入される。
【0059】
図1に符号89で示されたケーブル・ホースアセンブリは、図11に示すように垂直アーム部81内にまで延び、そこを更に上方に敷設されていて、一部がリニアエンコーダのようなリニアスケール88に連絡している。このリニアスケール88がランス送り装置接続部材86延いては後述するランス送り装置90の位置を検出する。
【0060】
<ランス送り装置概要>
図11に示した伸縮アーム部83の先端にあるランス送り装置接続部材86に図12のランス送り装置90が取り付けられる。このランス送り装置90は、内部をフレキシブルランス120(図13参照)が通るランス挿入管91と、ケース92aで囲まれランス押付け機構等を有するランス送り機構92とを含んでおり、これらは基台151上に装着される。また、±90度旋回可能なランス挿入管91には、洗浄しようとする管列の間にその先端を位置させた後、このランス挿入管91を管群により支持するためのクランプ機構93が設けられている。ランス押付け機構を含むランス送り機構92及びクランプ機構93の詳細については図14を参照して後述する。なお、基台151の前端部分に符号94で示すようにCCDカメラ及び照明ランプを設けておくと作業の監視に都合がよい。
【0061】
<洗浄ヘッド付きフレキシブルランス>
図13は、上述したランス挿入管91の先端から被洗浄位置に送り出されるフレキシブルランス120の一部、特に洗浄ヘッド121の近傍部分を示している。フレキシブルランス120は、2本の高圧ホース122と、フレキシブルランスに剛性を付与するためそれらの外側に配置された2本のスチールベルト123と、高圧ホース122間に延在する1本のイメージガイド124とからベルト状に形成されている。このフレキシブルランス120の送入及び引戻しを容易にするために、所定の間隔で長さ方向に離間した複数のロック部材である樹脂ブロック125がフレキシブルランス120の側面に配設されている。このロック部材は、後述するチェーンと組み合って駆動される被駆動部材となる。
【0062】
各樹脂ブロック125は、単一部品から一体成形されていて、スチールベルト123が通るスリット125aと、2本の高圧ホース122が通る大径の円柱穴125bと、1本のイメージガイド124が通る小径の円柱穴125cとを有し、予め2本のスチールベルト123と、2本の高圧ホース122と、1本のイメージガイド124とを各樹脂ブロック125に通してから、符号126で示す部分で該樹脂ブロック125をスチールベルト123にピンで固定することにより、フレキシブルランス120に組み付けることができる。
【0063】
2本のスチールベルト123、2本の高圧ホース122、及び1本のイメージガイド(イメージスコープ)124の各先端部は、洗浄ヘッド121に取り付けられる。この洗浄ヘッド121は、ほぼ直方体の第1部分121aと、それに連なる台形状の第2部分121bとを有し、第1部分121aの短辺により画成される各側面には2つのノズル穴127が画成され、第2部分121bの丸く形成された各側面には2つのノズル穴128が画成されている。イメージガイド124の先端は、洗浄ヘッドの第2部分121bの前端面にまで延びており、そこにCCDカメラ(イメージスコープ)129が設けられている。この実施形態では、2つのノズル穴127からの水ジェットの拡散角度は約14度であり、別の2つのノズル穴128からの水ジェットの拡散角度は約2度である。なお、水ジェットの噴射は、洗浄中のフレキシブルランス120の姿勢を安定させるために、洗浄ヘッド121の対峙する両側面のノズル穴から同時に上下方向に行うことが好ましい。
【0064】
<ランス送り装置詳細>
次に、図14〜図16を参照してランス送り装置90について説明する。このランス送り装置90のランス挿入管91は±90度旋回可能であり、そのために、水圧式の旋回用復動シリンダ131を備える。このシリンダ131から延びるロッド132にはラック133が形成されており、該ラック133は、歯車134を介して歯車列136に連絡しており、最終的に、ランス挿入管91側の歯車135に連絡している。この歯車135の回転軸は、図14において右側に見える作動軸137と同軸状に整列しているので、ランス挿入管91は、図12に示す状態から90度旋回した位置(図2参照)に旋回することができる。
【0065】
また、ランス送り装置90は、例えば洗浄作業中に洗浄ノズルから噴射される高圧水の反作用でフレキシブルランス120が不安定な運動を起こさないように、ランス挿入管91に装着された前述のクランプ機構93を備えている。このクランプ機構93は、固定用単動エアシリンダ138と、その内部の作動ロッド139と、該作動ロッドの先端に設けられた伝熱管係合部140とを有する。係合部140は図12に示すように屋根形に形成されているが、隣接する伝熱管の間に入って該伝熱管に係合し、以ってランス挿入管91を安定的に保持することができれば、上述のよう形状に限定されない。なお、このシリンダ138内には戻しばね(図示せず)が設けられているので、圧力を解放すれば、作動ロッド139は元の位置に戻り、伝熱管係合部140は伝熱管との係合から解放される。
【0066】
ランス送り装置90は、フレキシブルランス120を管群内に送り込んだり引き戻したりするために、逆回転可能な電動モータ141と、その出力軸により回転駆動されるウォーム歯車142と、該ウォーム歯車142と噛み合う歯車列143を介して回転駆動される1対のスプロケット144,144とを有すると共に、該スプロケット144,144に掛け渡されたチェーン145を有しており、このチェーン145が、フレキシブルランス120に係合する。即ち、フレキシブルランス120は、図13に示すように、その長さ方向に一定の間隔で離間した樹脂ブロック125,125・・・を有しているため、チェーン145のリンクが該樹脂ブロック125,125間に嵌まり込んで回動することにより、フレキシブルランス120の駆動が行われる構成となっている。
【0067】
更に、フレキシブルランス120とチェーン145との係合を良好にしてフレキシブルランス120の送りを円滑にするために、前述した諸部材141〜144等は、一体的に移動可能の支持台146に設けられていて、該支持台146に関連した押付用シリンダ147を作動することにより、チェーン145をフレキシブルランス120に選択的に押し付けられるようになっている。
【0068】
図2に示したようなランス120が伝熱管12の管群中に挿入され、ランス挿入管91が+90゜(又は−90゜)旋回した状態で電動モータ141に故障が発生したり、シリンダホースの抜け、断線等が発生したりした場合には、装置を器外に搬出するために、図12の状態に戻さなければならない。
【0069】
そのために、本発明のランス送り装置90は、非常搬出可能化装置150を有している。水圧式復動シリンダ152を作動させると電動モータ141からチェーン145までの駆動系及び支持台146、押付用シリンダ147が右側に移動し、ランスが後退する。そして押付用シリンダ147によりチェーン145をランす120から引き離し、水圧式復動シリンダ152により、電動モータ141からチェーン145までの駆動系及び支持台146、押付用シリンダ147が左側に移動し、押付用シリンダ147によりチェーン145をランス120に押し付ける。この一連の動作の繰り返しによりランスを戻すことができる。
また、押付用シリンダ147によりチェーン145をランス120から引き離し、ランス120をハンドホール1aから引っ張ることによってもランス120を戻すことは可能である。
次に、ランス挿入管91においては、支持台146側にその旋回軸心(作動軸137と整列する)から偏心してワイヤ148の一端が接続されており、その他端は、ランス送り装置基台151側の案内部を経由して、同基台151に設けられた圧縮コイルばね149に接続されている。旋回用復動シリンダ131の圧力を解放すれば、支持台146側がワイヤ148により引っ張られて図12の状態に戻される。
【0070】
<スケール除去装置の動作説明>
以上の説明により、本発明によるスケール除去装置10の作動も当業者が容易に実施しうる程度に理解しうるものと思うが、洗浄ノズルを洗浄位置へ移動させて洗浄を行うまでの一連の動作について、特に図1を参照して簡略に述べると次のようである。なお、洗浄作業後に本発明のスケール除去装置10の胴部からの取り出しについては、ほぼ逆の作業を行えばよいので、その説明は省略する。
【0071】
ガイドレールアセンブリ30、移動・接続台車組立体40、昇降装置50、水圧式起立・傾倒装置60、ランス送り装置90等を胴部1内に搬入したら、昇降装置50をガイドレール上でのほぼ横に寝た状態から、図1に示すように起立した状態に旋回させなければならない(図1では昇降装置のシリンダアセンブリが若干伸長した状態になっているが、起立作業を開始する前には完全に収縮した状態となっている)。図から分かるように、昇降装置50の下端からランス送り装置90の先端までの長さは、管支持板13a,13b間の直線距離よりもかなり長いので、この起立作業の際には、移動・接続台車組立体40をガイドレールの端の位置(図1において左端位置)に引っ張っておいてから、水圧式起立・傾倒装置60を作動させて、監視カメラ100により監視しつつ、昇降装置50を徐々に起立させる。
【0072】
そして、ランス送り装置90の先端がフロースロット1bに臨むようになったら、或いはその前から、移動・接続台車組立体40を徐々に右側に移動させながら、水圧式起立・傾倒装置60を更に作動させつつ、立て起こしウインチ25を作動してワイヤ25cを引っ張り、昇降装置50の起立を行う。
【0073】
このようにして昇降装置50が完全に起立したら、洗浄ノズルが予定した洗浄位置の高さに達するように、昇降装置50のレベルシリンダアセンブリを伸長させる。この状態が図1である。この場合、昇降装置50、延いてはランス送り装置90の昇降量は、昇降位置検出ワイヤ24bにより検出されており、勿論、制御可能である。
【0074】
その後、図11に示すように、伸縮アーム組立体80の旋回アーム部82を垂直アーム部81に対して直交(必ずしも直交させる必要はなく、傾斜していてもよい)する状態に旋回させてから、伸縮アーム部83を適宜伸ばす(最大ストローク300mm)。そして、ランス送り装置90を作動して、そのランス挿入管91を図12に示す上向き状態から図2に示す横向きの洗浄状態に旋回させ、伝熱管列の間に挿入する。この場合、図1に符号89で示されたケーブル・ホースアセンブリは、図11に示すように垂直アーム部81内にまで延び、そこを更に上方に敷設されていて、一部がリニアエンコーダのようなリニアスケール88に連絡している。このリニアスケール88がランス送り装置接続部材86延いてはランス送り装置90の位置を検出し、洗浄ヘッド121の挿入量も電動モータ141の回転数を検出するので勿論制御可能である。このように位置づけられた洗浄ヘッド121から高圧水を図2に示すように噴射すれば、その位置にあるスケールを除去することがある。従って、本発明によるスケール除去装置10を移動させることにより、胴部内の管群のスケールを全て洗浄除去しうる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る本発明によれば、胴部と、該胴部の横断方向に該胴部内に水平に配置された複数の管支持板と、前記胴部内にチューブレーンを画成するように前記各管支持板を貫いて列状に延びる複数の伝熱管と、前記管支持板のうちの少なくとも1つの管支持板の直上に直径方向に対峙して前記胴部に形成された1対の検査穴とを有し、前記各管支持板の、前記チューブレーンに対応する部分には、フロースロットが形成されている熱交換器に適用されるスケール除去装置は、(a)前記管支持板のうちの少なくとも1つの管支持板上に装着されるガイドレールアセンブリと、(b)該ガイドレールアセンブリに沿って移動自在の移動・接続手段と、(c)該移動・接続手段に傾倒自在に接続されると共に、2連のシリンダアセンブリからなる昇降装置組立体と、(d)該昇降装置組立体の起立・傾倒手段と、(e)前記2連のシリンダアセンブリの上端部に支持される伸縮アーム組立体であって、前記シリンダアセンブリに整列する垂直アーム部と、該垂直アーム部に関して旋回可能に取り付けられる旋回アーム部と、該旋回アーム部に対して入れ子式に伸縮する伸縮アーム部とを備える前記伸縮アーム組立体と、(f)先端にランス挿入管を備えて前記伸縮アーム部に取り付けられたランス送り装置と、(g)該ランス送り装置の内部に収容され、該ランス送り装置により引戻し自在に送り出される洗浄ノズル付きフレキシブルランスとを備えており、特に、ガイドレールアセンブリは、水平出しされる管支持板上に装着されるため、このガイドレールアセンブリも正確に水平に配置され、そこに移動・接続手段を介して装着される昇降装置組立体も正確に垂直に配置されるので、狭い管列間でも洗浄ヘッドを容易にかつ伝熱管を損傷することなく位置づけることができ、これは効率的かつ信頼性のある洗浄作業につながる。
【0076】
また、請求項2に係る本発明によれば、前記ガイドレールアセンブリが装着される管支持板は、最下方の管支持板であり、該ガイドレールアセンブリは、該最下方の管支持板に形成されたフロースロットに係合して固定されているので、ガイドレールアセンブリの支持が安定し、更に信頼性のあるスケール除去作業を保証すると共に、洗浄可能範囲が最大になる。
【0077】
請求項3に係る本発明によれば、前記移動・接続手段は、前記ガイドレールアセンブリのガイドレールに沿って移動可能な移動台車と、該移動台車の上に装着される接続台車とに分離可能であり、前記昇降装置組立体は該接続台車に起立・傾倒自在に接続されるので、胴部内に搬入する際には、移動台車と接続台車と昇降装置組立体とを分離しておくことができ、搬入作業が容易になる。
【0078】
また、請求項4に記載の本発明においては、前記昇降装置組立体は、前記2連のシリンダアセンブリを収容する筒状本体部を有し、前記起立・傾倒手段は、前記筒状本体部の外周面に接続されるワイヤと前記移動台車に接続される液圧式起立・傾倒装置とからなり、該ワイヤ及び該液圧式起立・傾倒装置を操作することにより前記昇降装置組立体の起立・傾倒状態を調整するので、2連のシリンダアセンブリなら胴部内にハンドホールから容易に搬入でき、また、液圧式起立・傾倒装置はリジッドな装置であるから、ワイヤと組み合わせても昇降装置組立体の起立・傾倒作業が従来の場合ほど複雑になることがなく、熟練作業員の必要がなくなり、しかも短時間で所与の作業を実施できる。
【0079】
更に、請求項5に係る本発明によれば、前記昇降装置組立体は、前記2連のシリンダアセンブリの上端部と前記伸縮アーム組立体の下端部との間に、前記2連のシリンダアセンブリが上昇・下降する際の前記伝熱管に沿った移動を案内する案内ローラ組立体を含むチューブガイド機構を備えており、該案内ローラ組立体は、前記管支持板の各々に形成された前記フロースロットを通過する際に開状態の案内位置から閉状態の非案内位置に切り換わるようにされているので、最上方の管支持板の近傍までランス送り装置を昇降ささせなければならないような場合でも、伝熱管に損傷を与えるようなことがなく、しかも管支持板に形成されたフロースロットを安全に通過できる。請求項6に記載の本発明のように、前記ランス挿入管が前記ランス送り装置に関して旋回可能に支持されていると有利である。
【0080】
最後に、請求項7に記載の本発明のように、前記フレキシブルランスは、洗浄ノズルと、該洗浄ノズルにそれぞれ一端が流体連絡関係で接続された2本の高圧水ホースと、該洗浄ノズルに一端が光連絡関係で接続された1本のイメージスコープと、該洗浄ノズルにそれぞれ一端が固定された2本のスチールベルトと、前記高圧水ホース、前記イメージスコープ及び前記スチールベルトを相互に固定するため、それらの長さ方向に沿って離間して配置され、前記高圧水ホース、前記イメージスコープ及び前記スチールベルトに係合するロック部材とを備え、ベルト状の形状に構成されていると、フレキシブルランスに無用な応力が働くことがなく滑らかに湾曲可能となり、また、ロック部材間に凹部が生じるため、これを利用してフレキシブルランスを駆動することができ、所望の位置への洗浄ヘッドの位置決めを正確かつ迅速におこなうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 蒸気発生器の胴部内に設置された本発明のスケール除去装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】 図1のスケール除去装置における洗浄状態を示す部分拡大斜視図である。
【図3】 スケール除去装置を操作するために蒸気発生器の胴部外周に設けられる操作装置アセンブリを示す斜視図である。
【図4】 図3の操作装置アセンブリの一部を構成する移動台車送り装置の斜視図である。
【図5】 本発明のスケール除去装置を搬入する前に胴部内に据え付けられる伝熱管プロテクタの斜視図である。
【図6】 本発明のスケール除去装置を搬入する前に胴部内に据え付けられる監視カメラの斜視図である。
【図7】 移動台車及び接続台車の接続前の移動・接続台車組立体の斜視図である。
【図8】 ガイドレール上に設置された水圧式起立・傾倒装置の斜視図である。
【図9】 (a)は昇降装置組立体の斜視図、(b)はその上部にあるチューブガイド装置の部分斜視図である。
【図10】 (a)は開状態にあるチューブガイド装置の全体斜視図、(b)は閉状態にあるチューブガイド装置の全体斜視図である。
【図11】 (a)はチューブガイド装置の上部に取り付けられる洗浄作業時の状態にある伸縮アーム組立体の斜視図、(b)は昇降時の状態にある伸縮アーム組立体の斜視図である。
【図12】 図11の伸縮アーム組立体に取り付けられるランス送り装置の斜視図である。
【図13】 図12のランス送り装置により送り出されるフレキシブルランスの斜視図である。
【図14】 ランス送り装置の断面図である。
【図15】 図14のXV−XV線に沿った断面図である。
【図16】 (a)は図14のXVIa−XVIa線に沿った断面図、(b)は図14のXVIb−XVIb線に沿った断面図である。
【図17】 従来のスケール除去装置の一例を示す斜視図である。
【図18】 従来の別のスケール除去装置を示す斜視図である。
【図19】 図18に示したスケール除去装置における昇降装置の起立・傾倒装置を示す図である。
【図20】 従来のフレキシブルランスの送り装置を示す平面図である。
【図21】 図20のフレキシブルランスを示す斜視図である。
【符号の説明】
S…チューブレーン、1…蒸気発生器の胴部、1a…ハンドホール(検査穴)、1b…フロースロット、10…スケール除去装置、12…伝熱管、13a,13b…管支持板、20…操作装置アセンブリ、25…立て起こしウインチ(起立・傾倒手段)、25c…立て起こしワイヤ(起立・傾倒手段)、30…ガイドレールアセンブリ、31(31a,31b)…ガイドレール、40…移動・接続手段(移動・接続台車組立体)、41…移動台車、42…接続台車、50…昇降装置組立体、51…筒状の昇降装置本体部(筒状本体部)、60…水圧式起立・傾倒装置、70…チューブガイド装置、72…案内ローラ組立体、80…伸縮アーム組立体、81…垂直アーム部、82…旋回アーム部、83…伸縮アーム部、90…ランス送り装置、91…ランス挿入管、120…フレキシブルランス、121…洗浄ヘッド、122…高圧水ホース、123…スチールベルト、124…イメージガイド(イメージスコープ)、125…ロック部材(樹脂ブロック)、127…洗浄ノズル、128…洗浄ノズル、129…CCDカメラ(イメージスコープ)。
Claims (7)
- 胴部と、該胴部の横断方向に該胴部内に水平に配置された複数の管支持板と、前記胴部内にチューブレーンを画成するように前記各管支持板を貫いて列状に延びる複数の伝熱管と、前記管支持板のうちの少なくとも1つの管支持板の直上に直径方向に対峙して前記胴部に形成された1対の検査穴とを有し、前記各管支持板の、前記チューブレーンに対応する部分には、フロースロットが形成されている熱交換器に適用されるスケール除去装置であって、
(a)前記管支持板のうちの少なくとも1つの管支持板上に載置されて装着されるガイドレールアセンブリと、
(b)該ガイドレールアセンブリに沿って移動自在の移動・接続手段と、
(c)該移動・接続手段に傾倒自在に接続されると共に、2連のシリンダアセンブリからなる昇降装置組立体と、
(d)該昇降装置組立体の起立・傾倒手段と、
(e)前記2連のシリンダアセンブリの上端部に支持される伸縮アーム組立体であって、前記シリンダアセンブリに整列する垂直アーム部と、該垂直アーム部に関して旋回可能に取り付けられる旋回アーム部と、該旋回アーム部に対して入れ子式に伸縮する伸縮アーム部とを備える前記伸縮アーム組立体と、
(f)先端にランス挿入管を備えて前記伸縮アーム部に取り付けられたランス送り装置と、
(g)該ランス送り装置の内部に収容され、該ランス送り装置により引戻し自在に送り出される洗浄ノズル付きフレキシブルランスと、
を備えた熱交換器用スケール除去装置。 - 前記ガイドレールアセンブリが装着される管支持板は、最下方の管支持板であり、該ガイドレールアセンブリは、該最下方の管支持板に形成されたフロースロットに係合して固定されている請求項1に記載の熱交換器用スケール除去装置。
- 前記移動・接続手段は、前記ガイドレールアセンブリのガイドレールに沿って移動可能な移動台車と、該移動台車の上に装着される接続台車とに分離可能であり、前記昇降装置組立体は該接続台車に起立・傾倒自在に接続される請求項1又は2に記載の熱交換器用スケール除去装置。
- 前記昇降装置組立体は、前記2連のシリンダアセンブリを収容する筒状本体部を有し、前記起立・傾倒手段は、前記筒状本体部の外周面に接続されるワイヤと前記移動台車に接続される液圧式起立・傾倒装置とからなり、該ワイヤ及び該液圧式起立・傾倒装置を操作することにより前記昇降装置組立体の起立・傾倒状態を調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器用スケール除去装置。
- 前記昇降装置組立体は、前記2連のシリンダアセンブリの上端部と前記伸縮アーム組立体の下端部との間に、前記2連のシリンダアセンブリが上昇・下降する際の前記伝熱管に沿った移動を案内する案内ローラ組立体を含むチューブガイド機構を備えており、該案内ローラ組立体は、前記管支持板の各々に形成された前記フロースロットを通過する際に開状態の案内位置から閉状態の非案内位置に切り換わるようにされている請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器用スケール除去装置。
- 前記ランス挿入管は、前記ランス送り装置に関して旋回可能に支持されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱交換器用スケール除去装置。
- 前記フレキシブルランスは、洗浄ノズルと、該洗浄ノズルにそれぞれ一端が流体連絡関係で接続された2本の高圧水ホースと、該洗浄ノズルに一端が光連絡関係で接続された1本のイメージスコープと、該洗浄ノズルにそれぞれ一端が固定された2本のスチールベルトと、前記高圧水ホース、前記イメージスコープ及び前記スチールベルトを相互に固定するため、それらの長さ方向に沿って離間して配置され、前記高圧水ホース、前記イメージスコープ及び前記スチールベルトに係合するロック部材とを備え、ベルト状の形状に構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器用スケール除去装置。
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