JP3664429B2 - Pvc粘着テープ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電線の集束などに用いられるPVC粘着テープ、特に、耐熱性が求められる分野に応用されるPVC粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
PVC粘着テープは、塩ビテープ、塩ビ絶縁テープなどとも云われ、ポリ塩化ビニル、可塑剤及び各種充填剤(顔料)などからなる塩化ビニル樹脂より構成される支持体に粘着剤が塗布されてなるものあり、電気的接続部の絶縁、電線の集束を始め一般的な用途を含めて広く用いられている。
【0003】
この用途の一例として、ワイヤーハーネス分野を挙げることができる。ワイヤーハーネスは多数の被覆電線からなり、その主要部には、電線保護及び自動車内各所への配索を容易にする目的で、PVC粘着テープがテープ幅方向1/2ずつ重なるように巻かれている。
【0004】
ワイヤーハーネスの一部はエンジンルーム内各種機器にも配索されるが、エンジンルームでの繰り返しの熱履歴により、ワイヤーハーネスに巻かれたPVC粘着テープが変色し、著しく美観を損なうと云った問題点があった。
【0005】
ここで、特開平8−259909号公報記載の技術では支持体原料である可塑剤としてポリエステル系可塑剤を、粘着剤原料である酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を用いることによって、耐熱性を向上させることが提案されている。しかしながらこの技術を以てしても、変色を充分なレベルに抑えることができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、エンジンルーム内などの高熱によっても変色の少ないPVC粘着テープを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のPVC粘着テープは上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、塩化ビニル樹脂からなる支持体と粘着剤からなる粘着層とを有するPVC粘着テープにおいて、塩化ビニル樹脂に用いられている可塑剤がポリエステル系可塑剤であり、かつ、支持体と粘着層との間にポリウレタン系ラテックスからなる下塗り層を有するPVC粘着テープである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のPVC粘着テープにおいて、塩化ビニル樹脂からなる支持体と粘着剤からなる粘着層との間にポリウレタン系ラテックスからなる下塗り層がないと、PVC粘着テープの熱履歴による変色を小さいものとすることができず、本発明の効果は得られない。このようなポリウレタン系ラテックスからなる下塗り層と、支持体を構成する塩化ビニル樹脂中の可塑剤であるポリエステル系可塑剤とによって、熱履歴による変色の少なく、かつ、充分な粘着性を有するPVC粘着テープを得ることができる。
【0009】
本発明において、支持体を構成する塩化ビニル樹脂のベース樹脂であるポリ塩化ビニルとしては、通常、重合度が800〜2000、好ましくは1000〜1500程度のものが望ましい。
【0010】
また、支持体に使用される可塑剤としては、ポリエステル系可塑剤であることが必要である。この可塑剤はベース樹脂100重量部に対し、30〜150重量部添加する。この配合割合が30重量部未満では、可塑化効果が不充分であり、テープの柔軟性が損なわれることがある。一方、この配合割合が、150重量部超では、テープの引張強さが低下しやすくなる。この配合割合は、柔軟性及び引張強さのバランスからみて、ベース樹脂100重量部に対して、40〜60重量部の範囲が好ましい。
【0011】
塩化ビニル樹脂には可塑剤の他、必要に応じて、酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、酸化チタンなどの充填剤・顔料、鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系、カルシウム−亜鉛系あるいは錫系などのポリ塩化ビニル用安定剤などを配合することができる。これらの成分の配合割合は、通常、ベース樹脂であるポリ塩化ビニル100重量部に対して、充填剤・顔料は1〜50重量部、安定剤が1〜5重量部である。
【0012】
支持体は上記原料を混練したのちフィルム状に加工して得る。このとき必要に応じて熱安定性を向上させるために、架橋構造を導入する。その場合、上記支持体原料に架橋助剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルイタコネート、トリアリルシアヌレート、トリアリルホスフェートなどの架橋助剤を通常ベース樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部添加する。
【0013】
本発明では、粘着剤としてポリウレタン系ラテックスからなるものを使用する。その他、ポリウレタン系ラテックスの他ゴム系粘着剤は天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴムなどの合成ゴムのラテックスあるいはこれらを適宜に混合し、ポリテルペン系、ガムロジン、ロジンエステル系、フェノール樹脂、クロマンインデン樹脂、石油系炭化水素樹脂などの粘着付与剤、酸化防止剤、また、必要に応じて軟化剤を添加して得ることができる。なお、上記ゴム成分としては、天然ゴム30〜70重量%と合成ゴム70〜30重量%との混合物が好ましい。
【0014】
酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤であることが、変色防止効果が高いため好ましい。
フェノール系の酸化防止剤としては、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4−ジオキシジフェニル、ヒドロキノン・モノベンジルエーテル、2,6−ジアミルヒドロキノン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどを挙げることができる。
【0015】
これら混合比率は通常、ゴム成分100重量部(ラテックスを用いるときにはその乾燥後重量として)あたり、粘着付与剤40〜100重量部(エマルジョン状の粘着付与剤を用いるときにはその乾燥後重量として)、酸化防止剤1〜5重量部(エマルジョン状の酸化防止剤を用いるときにはその乾燥後重量として)である。これら粘着剤層はPVC粘着テープとして求められる粘着性その他の性能が得られる厚さ(通常0.005mm以上0.05mm以下)である必要がある。
【0016】
ここで、本発明のPVC粘着テープは上述した塩化ビニル樹脂からなる支持体と粘着剤からなる粘着層との間に下塗り層を有する。この構成でないと、本発明の効果が得られず、また、PVC粘着テープとして求められる粘着性が不足する。
【0017】
下塗り層としては、絶縁性、耐熱性などPVC粘着テープの原料として求められる性能を持ち、粘着剤成分が支持体に移行するのを妨げ、かつ、粘着剤及び支持体との間に剥がれなどを生じないような成分で構成される。そのようなものとして、ゴムを挙げることができる。このようなゴム層は製膜性を有するラテックスを塗布し、乾燥させることで得ることができる。なお、ゴム成分としては、特に、ポリウレタン系のゴムを用いたときに高い効果が得られる。
【0018】
本発明のPVC粘着テープにおいて、下塗り層の厚さは0.001mm以上であることが望ましい。0.001mm以下であると、本発明の効果が充分には得られない。
【0019】
【実施例】
以下に本発明のPVC粘着テープについての実施例及び比較例について説明する。
支持体を形成する塩化ビニル樹脂は重合度1100のポリ塩化ビニルを100重量部、可塑剤としてフタル酸エステル系可塑剤(協和発酵製ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP))あるいはポリエステル系可塑剤(旭電化製アデカサイザーPN170)のいずれかを50重量部、複合安定剤(旭電化製RUP103)を4重量部、及び充填剤として炭酸カルシウム(白石カルシウム工業製ホワイトンYSBを20重量部となるよう混練し、フィルム化して厚さ0.1mmのフィルムを得た。
【0020】
下塗り層としては、これら支持体にポリウレタンラテックスであるハイドランAP−60(大日本インキ化学工業製、以下「ポリウレタン系」とも云う)あるいは天然ゴム系ラテックスであるMGラテックス(天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合したもの、以下「天然ゴム系」とも云う)を塗布して厚さ0.005mmのゴム層を設けた。なお、下塗り層は比較例においては設けない場合もある。
【0021】
粘着剤としては、天然ゴム系ラテックス(ガスリー社製スタンダード)と合成ゴム系ラテックス(イーテック社製PL4602A)とをそれぞれ含有固形分重量比が2:3となるように混合して混合ラテックスを得た。この混合ラテックスの含有固形分を100重量部として、またフェノール系酸化防止剤(チバガイギー社製チヌビンB75)を含有固形分換算で0.5重量部を添加して粘着剤(エマルジョン)とし、乾燥後の厚さが0.03mmとなるように塗布し、乾燥させて粘着層を形成した。
【0022】
このようにして粘着シートを作成した後テープ状に切断してPVC粘着テープとした。本発明に係るPVC粘着テープの概念を図1にモデル化して示す。すなわち、ポリエステル系可塑剤を可塑剤として有する支持体と、粘着剤からなる粘着層との間に下塗り層が配されている。
【0023】
なお、比較のため、下塗り層あり・なし、粘着層あり・なし、及び下塗り層も粘着層をも有さないテープとともに空気中72時間120℃に保ってこれらの変色状況を調べた。
【0024】
そのときの変色状態を視認で調べ、変色の少ない良好なものを◎、比較的変色の少ないものを○、変色のかなり多いものを△、非常に多いものを×と評価し、また、同時に、色彩色差計(ミノルタ社製CR300)を用いてJIS Z8730に準拠して熱処理前後の色差を調べた。
【0025】
【表1】
【0026】
表1により本発明の実施例のPVC粘着テープは耐熱性に優れ、長時間の熱履歴によっても変色がほとんどないことが判る。
【0027】
【発明の効果】
本発明のPVC粘着テープは、熱履歴によっても変色が極めて少ない優れたPVC粘着テープである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るPVC粘着テープの概念を示すモデル図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は電線の集束などに用いられるPVC粘着テープ、特に、耐熱性が求められる分野に応用されるPVC粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
PVC粘着テープは、塩ビテープ、塩ビ絶縁テープなどとも云われ、ポリ塩化ビニル、可塑剤及び各種充填剤(顔料)などからなる塩化ビニル樹脂より構成される支持体に粘着剤が塗布されてなるものあり、電気的接続部の絶縁、電線の集束を始め一般的な用途を含めて広く用いられている。
【0003】
この用途の一例として、ワイヤーハーネス分野を挙げることができる。ワイヤーハーネスは多数の被覆電線からなり、その主要部には、電線保護及び自動車内各所への配索を容易にする目的で、PVC粘着テープがテープ幅方向1/2ずつ重なるように巻かれている。
【0004】
ワイヤーハーネスの一部はエンジンルーム内各種機器にも配索されるが、エンジンルームでの繰り返しの熱履歴により、ワイヤーハーネスに巻かれたPVC粘着テープが変色し、著しく美観を損なうと云った問題点があった。
【0005】
ここで、特開平8−259909号公報記載の技術では支持体原料である可塑剤としてポリエステル系可塑剤を、粘着剤原料である酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を用いることによって、耐熱性を向上させることが提案されている。しかしながらこの技術を以てしても、変色を充分なレベルに抑えることができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、エンジンルーム内などの高熱によっても変色の少ないPVC粘着テープを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のPVC粘着テープは上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、塩化ビニル樹脂からなる支持体と粘着剤からなる粘着層とを有するPVC粘着テープにおいて、塩化ビニル樹脂に用いられている可塑剤がポリエステル系可塑剤であり、かつ、支持体と粘着層との間にポリウレタン系ラテックスからなる下塗り層を有するPVC粘着テープである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のPVC粘着テープにおいて、塩化ビニル樹脂からなる支持体と粘着剤からなる粘着層との間にポリウレタン系ラテックスからなる下塗り層がないと、PVC粘着テープの熱履歴による変色を小さいものとすることができず、本発明の効果は得られない。このようなポリウレタン系ラテックスからなる下塗り層と、支持体を構成する塩化ビニル樹脂中の可塑剤であるポリエステル系可塑剤とによって、熱履歴による変色の少なく、かつ、充分な粘着性を有するPVC粘着テープを得ることができる。
【0009】
本発明において、支持体を構成する塩化ビニル樹脂のベース樹脂であるポリ塩化ビニルとしては、通常、重合度が800〜2000、好ましくは1000〜1500程度のものが望ましい。
【0010】
また、支持体に使用される可塑剤としては、ポリエステル系可塑剤であることが必要である。この可塑剤はベース樹脂100重量部に対し、30〜150重量部添加する。この配合割合が30重量部未満では、可塑化効果が不充分であり、テープの柔軟性が損なわれることがある。一方、この配合割合が、150重量部超では、テープの引張強さが低下しやすくなる。この配合割合は、柔軟性及び引張強さのバランスからみて、ベース樹脂100重量部に対して、40〜60重量部の範囲が好ましい。
【0011】
塩化ビニル樹脂には可塑剤の他、必要に応じて、酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、酸化チタンなどの充填剤・顔料、鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系、カルシウム−亜鉛系あるいは錫系などのポリ塩化ビニル用安定剤などを配合することができる。これらの成分の配合割合は、通常、ベース樹脂であるポリ塩化ビニル100重量部に対して、充填剤・顔料は1〜50重量部、安定剤が1〜5重量部である。
【0012】
支持体は上記原料を混練したのちフィルム状に加工して得る。このとき必要に応じて熱安定性を向上させるために、架橋構造を導入する。その場合、上記支持体原料に架橋助剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルイタコネート、トリアリルシアヌレート、トリアリルホスフェートなどの架橋助剤を通常ベース樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部添加する。
【0013】
本発明では、粘着剤としてポリウレタン系ラテックスからなるものを使用する。その他、ポリウレタン系ラテックスの他ゴム系粘着剤は天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴムなどの合成ゴムのラテックスあるいはこれらを適宜に混合し、ポリテルペン系、ガムロジン、ロジンエステル系、フェノール樹脂、クロマンインデン樹脂、石油系炭化水素樹脂などの粘着付与剤、酸化防止剤、また、必要に応じて軟化剤を添加して得ることができる。なお、上記ゴム成分としては、天然ゴム30〜70重量%と合成ゴム70〜30重量%との混合物が好ましい。
【0014】
酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤であることが、変色防止効果が高いため好ましい。
フェノール系の酸化防止剤としては、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4−ジオキシジフェニル、ヒドロキノン・モノベンジルエーテル、2,6−ジアミルヒドロキノン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどを挙げることができる。
【0015】
これら混合比率は通常、ゴム成分100重量部(ラテックスを用いるときにはその乾燥後重量として)あたり、粘着付与剤40〜100重量部(エマルジョン状の粘着付与剤を用いるときにはその乾燥後重量として)、酸化防止剤1〜5重量部(エマルジョン状の酸化防止剤を用いるときにはその乾燥後重量として)である。これら粘着剤層はPVC粘着テープとして求められる粘着性その他の性能が得られる厚さ(通常0.005mm以上0.05mm以下)である必要がある。
【0016】
ここで、本発明のPVC粘着テープは上述した塩化ビニル樹脂からなる支持体と粘着剤からなる粘着層との間に下塗り層を有する。この構成でないと、本発明の効果が得られず、また、PVC粘着テープとして求められる粘着性が不足する。
【0017】
下塗り層としては、絶縁性、耐熱性などPVC粘着テープの原料として求められる性能を持ち、粘着剤成分が支持体に移行するのを妨げ、かつ、粘着剤及び支持体との間に剥がれなどを生じないような成分で構成される。そのようなものとして、ゴムを挙げることができる。このようなゴム層は製膜性を有するラテックスを塗布し、乾燥させることで得ることができる。なお、ゴム成分としては、特に、ポリウレタン系のゴムを用いたときに高い効果が得られる。
【0018】
本発明のPVC粘着テープにおいて、下塗り層の厚さは0.001mm以上であることが望ましい。0.001mm以下であると、本発明の効果が充分には得られない。
【0019】
【実施例】
以下に本発明のPVC粘着テープについての実施例及び比較例について説明する。
支持体を形成する塩化ビニル樹脂は重合度1100のポリ塩化ビニルを100重量部、可塑剤としてフタル酸エステル系可塑剤(協和発酵製ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP))あるいはポリエステル系可塑剤(旭電化製アデカサイザーPN170)のいずれかを50重量部、複合安定剤(旭電化製RUP103)を4重量部、及び充填剤として炭酸カルシウム(白石カルシウム工業製ホワイトンYSBを20重量部となるよう混練し、フィルム化して厚さ0.1mmのフィルムを得た。
【0020】
下塗り層としては、これら支持体にポリウレタンラテックスであるハイドランAP−60(大日本インキ化学工業製、以下「ポリウレタン系」とも云う)あるいは天然ゴム系ラテックスであるMGラテックス(天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合したもの、以下「天然ゴム系」とも云う)を塗布して厚さ0.005mmのゴム層を設けた。なお、下塗り層は比較例においては設けない場合もある。
【0021】
粘着剤としては、天然ゴム系ラテックス(ガスリー社製スタンダード)と合成ゴム系ラテックス(イーテック社製PL4602A)とをそれぞれ含有固形分重量比が2:3となるように混合して混合ラテックスを得た。この混合ラテックスの含有固形分を100重量部として、またフェノール系酸化防止剤(チバガイギー社製チヌビンB75)を含有固形分換算で0.5重量部を添加して粘着剤(エマルジョン)とし、乾燥後の厚さが0.03mmとなるように塗布し、乾燥させて粘着層を形成した。
【0022】
このようにして粘着シートを作成した後テープ状に切断してPVC粘着テープとした。本発明に係るPVC粘着テープの概念を図1にモデル化して示す。すなわち、ポリエステル系可塑剤を可塑剤として有する支持体と、粘着剤からなる粘着層との間に下塗り層が配されている。
【0023】
なお、比較のため、下塗り層あり・なし、粘着層あり・なし、及び下塗り層も粘着層をも有さないテープとともに空気中72時間120℃に保ってこれらの変色状況を調べた。
【0024】
そのときの変色状態を視認で調べ、変色の少ない良好なものを◎、比較的変色の少ないものを○、変色のかなり多いものを△、非常に多いものを×と評価し、また、同時に、色彩色差計(ミノルタ社製CR300)を用いてJIS Z8730に準拠して熱処理前後の色差を調べた。
【0025】
【表1】
【0026】
表1により本発明の実施例のPVC粘着テープは耐熱性に優れ、長時間の熱履歴によっても変色がほとんどないことが判る。
【0027】
【発明の効果】
本発明のPVC粘着テープは、熱履歴によっても変色が極めて少ない優れたPVC粘着テープである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るPVC粘着テープの概念を示すモデル図である。
Claims (2)
- 塩化ビニル樹脂からなる支持体と粘着剤からなる粘着層とを有するPVC粘着テープにおいて、塩化ビニル樹脂に用いられている可塑剤がポリエステル系可塑剤であり、かつ、支持体と粘着層との間にポリウレタン系ラテックスからなる下塗り層を有することを特徴とするPVC粘着テープ。
- 粘着剤が酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を有することを特徴とする請求項1に記載のPVC粘着テープ。
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JP15765899A JP3664429B2 (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | Pvc粘着テープ |
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JP15765899A JP3664429B2 (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | Pvc粘着テープ |
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JP15765899A Expired - Fee Related JP3664429B2 (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | Pvc粘着テープ |
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Cited By (1)
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1999
- 1999-06-04 JP JP15765899A patent/JP3664429B2/ja not_active Expired - Fee Related
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