JP3663963B2 - インクプリンタ、インクプリンタの駆動方法及びインク射出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体インクを用いた記録装置に係り、とくに音響トランスジューサを用いたインクプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の音響インクプリンタは次のようなものである。
【0003】
例えば、特開平5-278218号公報(米国特許第5191354 号)によれば、かかる音響インクプリンタとは適当な高さの励起周波数で液体インクの自由表面に周期的に摂動を生じさせる。この振動圧の振幅が臨海の立ち上がり振幅レベル以上であれば、液体インクの自由表面上に1またはそれ以上の定在表面張力波が生成される。上記摂動を生じさせるため、音響変換機(トランスジューサ)はドライバに接続され駆動される。
【0004】
特開平8-187853号公報(米国特許第5589864 号)によれば、トランスジューサとしての圧電デバイスはRF信号によって駆動される。圧電デバイスにはPINダイオード又はバラクタが直列に接続され、バラクタの場合にはそのインピーダンスを変化させることにより、RF信号をオンおよびオフに切り替えることによってインク射出を制御している。
【0005】
しかし、このようなインクプリンタではインク滴の飛翔効率が低いという問題がある。すなわち、インク滴を発生させるため圧電素子に駆動電流を供給しているが、インク滴の発生に使用されるエネルギーはごく一部に過ぎない。
【0006】
このため、特開平9-248906号公報に記載のインクプリンタでは、駆動回路の共振がインク滴の飛翔効率に大きな影響を及ぼすことに着目する。この発明で駆動回路の共振とは、信号線のインダクタンスと圧電体のキャパシタンスとの電気的な共振現象を意味する。このインクプリンタでは、直流バイアスを印加して圧電体のキャパシタンスを低下させ駆動回路全体の共振周波数を高めることにより、圧電素子に所望の駆動パワーが伝達される。すなわち交流駆動信号に直流バイアスを重畳することにより駆動効率を向上することができる。
【0007】
特開平5-31895 号では、インクミストを用いて記録を行うインクジェットヘッドの駆動装置として、ダイオードに直流電圧を印加することにより必要とする交流電気信号を制御するダイオードスイッチ回路が示される(図6参照)。この回路では、ダイオード(D1)の出力側にはヘッド(HEAD)と並列に交流素子コイル(L1)を設けるが、直流電圧素子コンデンサは使用しないことにより交流電気信号(RF)の伝搬損失を軽減している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのようにしてもインク滴の飛翔効率は十分ではない。そこで、本発明は、上記事実に鑑み成されたもので、圧電素子を駆動する際の消費電力を削減することの可能なインクプリンタ、インクプリンタの駆動方法及びインク射出方法を提案することを第1の目的とする。
【0009】
また、上記のような音響インクプリンタの駆動回路には一般的に、交流信号電源が用いられている。これは、音響インクプリンタにおけるインク粒径はインク内の波長に比例するため、駆動する信号周波数が所望の記録密度にするには、非常に高い周波数(例えば、600dpiの記録密度を達成しようとすると、おおよそ、150MHzの周波数が必要となる)が必要となることと、インクを吐出するためには、音響エネルギーを焦点に蓄えてメニスカスを形成し、インク表面張力より吐出力が上回る状態になるまで音響エネルギーの注入を継続する必要があることからである。
【0010】
しかしながら、交流信号電源は、該電源自体が大型であるので、音響インクプリンタの駆動回路が大型となると共に、消費電力が大きいという欠点がある。
【0011】
一方、図14には、音響インクプリンタとは本質的に異なる技術分野である医療用の超音波診断装置の一部のブロック図が示されている。この超音波診断装置では、圧電素子70と並列回路を構成するようにインダクタンス80を接続させ、充電コンデンサ90に電荷を蓄積しておいて、メイントランジスタ92及びプリトランジスタ94をオンすることにより、充電コンデンサ90に蓄積された電荷を圧電素子70及びインダクタンス80に供給し、次に、メイントランジスタ92及びプリトランジスタ94をオフすることにより、充電コンデンサ90に蓄積された電荷の供給を停止すると共にインダクタンス80に蓄えられた電力を圧電素子70に供給している(並列回路のフライホイール効果を利用する)。これにより、圧電素子70には結果として交流信号が供給される。
【0012】
このように、交流信号電源に代え、充電コンデンサ90の蓄積電荷と並列回路のフライホイール効果を利用して、圧電素子70に結果として交流信号を供給することができるので、医療用の超音波診断装置の構成を音響インクプリンタの駆動回路に適用しようとすることも考えられる。しかし、次の理由で医療用の超音波診断装置の構成を音響インクプリンタの駆動回路に適用することはできない。
【0013】
即ち、充電コンデンサ90に蓄積された電荷を圧電素子70及びインダクタンス80に供給するためには、圧電素子70及びインダクタンス80のインピーダンスより充電抵抗95の抵抗値が十分大きい必要がある。しかし、充電抵抗95の抵抗値が大きいと、充電コンデンサ90と充電抵抗95の充電時定数τ(=充電抵抗95の抵抗値×充電コンデンサ90の容量値)が大きくなる。このように充電時定数が大きいと充電時間が長くなり、前述したように、インク表面張力より吐出力が上回る状態になるまで音響エネルギーの注入を継続することができない。即ち、インクを吐出することができない。
【0014】
本発明は、上記事実に鑑み成されたもので、交流信号電源を用いずに圧電素子に結果として交流信号を発生させることの可能なインクプリンタを提供することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的達成のため第1の発明に係るインクプリンタは、液体インクと音響的に接続された圧電素子に交流信号を供給してインクの射出を行う。
【0016】
この圧電素子にはインダクタンスが並列に接続されている。これにより、インダクタンと圧電素子とにより共振回路が構成される。上記のように交流信号が圧電素子に供給されると、この共振回路にエネルギーが蓄積される。
【0017】
スイッチング手段は、圧電素子と交流信号との接続を制御する。
【0018】
制御手段は、入力信号に応じてスイッチング手段にオン又はオフを繰り返し行わせることによりインクの射出を開始させる。即ち、スイッチング手段がオンのときには交流信号が圧電素子に供給される。このとき、前述したように、共振回路にエネルギーが蓄積される。スイッチング手段がオフのときには上記共振回路に蓄積されたエネルギーが圧電素子に供給される。つまり、圧電素子には上記交流信号又は共振回路に基づくエネルギーが交互に供給され、液体インクが振動し、インクの射出が開始する。
【0019】
このように本発明に係るインクプリンタは、圧電素子にインダクタンスを並列に接続させて共振回路を構成し、圧電素子に交流信号又は共振回路に基づくエネルギーを交互に供給して、インクの射出を開始するので、インクを射出させるために交流信号を常に供給する必要がなく、消費電力を削減することができる。
【0020】
また、本発明のインクプリンタの駆動方法は、液体インクと音響的に接続された圧電素子に交流信号を供給してインクの射出を行う。この圧電素子には並列にインダクタンスを接続して共振回路を形成し、圧電素子と交流信号とのオン又はオフを繰り返し行わせることにより交流信号又は共振回路に基づくエネルギーを交互に供給してインクの射出を開始させる。
【0021】
このように本発明のインクプリンタの駆動方法は、圧電素子にインダクタンスを並列に接続させて共振回路を構成し、圧電素子と交流信号とのオン又はオフを繰り返し行わせることにより交流信号又は共振回路に基づくエネルギーを交互に供給してインクの射出を開始させるので、インクを射出させるために交流信号を常に供給する必要がなく、消費電力を削減することができる。
【0022】
ところで、以上は、液体インクと音響的に接続された圧電素子に交流信号を供給してインクの射出を行うインク射出方法として把握でき、このインク射出方法は、圧電素子の音響出力を周期的に変化させ、該周期的に変化する音響出力を継続させることによりインクの射出を行わせるものである。
【0023】
上記第2の目的達成するため第2の発明に係るインクプリンタは、液体インクと音響的に接続された圧電素子に音響信号を発生させてインクの射出を行うインクプリンタである。本インクプリンタには、圧電素子と並列回路を構成するようにインダクタンスが接続され、電荷を蓄積する電荷蓄積手段を備えている。
【0024】
第1のスイッチング手段は、オンすることにより、電荷蓄積手段と並列回路とを接続すると共に、オフすることにより、該接続を開放する。
【0025】
一方、第2のスイッチング手段は、入力信号に応じて、第1のスイッチング手段がオンのときにオフして、第1のスイッチング手段を介して並列回路に、電荷蓄積手段に蓄積された電荷を放電させ、第1のスイッチング手段がオフのときにオンして、電荷蓄積手段に電荷を蓄積させる。即ち、例えば、第2のスイッチング手段は、オンすることにより、電荷蓄積手段と電源(電荷蓄積手段に電荷を供給するための電源)とを接続すると共に、オフすることにより、該接続を開放する。この第2のスイッチング手段は、入力信号に応じてオン・オフするが、入力信号は、制御手段から与えられる。即ち、制御手段は、第1のスイッチング手段がオンしかつ第2のスイッチング手段がオフすると共に第1のスイッチング手段がオフしかつ第2のスイッチング手段がオンするように制御信号(上記入力信号に対応する)を与える。
【0026】
ところで、上記のように、第1のスイッチング手段がオンしかつ第2のスイッチング手段がオフすると、第1のスイッチング手段のオンにより電荷蓄積手段と並列回路とが接続され、第2のスイッチング手段のオフにより第1のスイッチング手段を介して並列回路に、電荷蓄積手段に蓄積された電荷が放電される。即ち、第2のスイッチング手段のオフにより、電荷蓄積手段からみた上記並列回路のインピーダンスより電荷蓄積手段と上記電源との間の抵抗のほうが大きくなり、電荷蓄積手段に蓄積された電荷は並列回路に放電される。これにより、圧電素子が駆動されると共に上記共振回路にエネルギーが蓄積される。
【0027】
一方、第1のスイッチング手段がオフしかつ第2のスイッチング手段がオンすると、第1のスイッチング手段のオフにより電荷蓄積手段と並列回路との接続が開放され、第2のスイッチング手段のオンにより、電荷蓄積手段と上記電源とが接続されて、電荷蓄積手段に電荷が蓄積される。なお、電荷蓄積手段に電荷が蓄積されているときには、上記共振回路に蓄積されたエネルギーにより圧電素子が駆動される。
【0028】
つまり、圧電素子には上記電荷蓄積手段からの電荷及び共振回路に基づくエネルギーが交互に供給され、結果として圧電素子に音響信号を発生させ、これにより、液体インクが振動し、インクの射出が開始する。
【0029】
このように本発明に係るインクプリンタは、圧電素子にインダクタンスを並列に接続させて共振回路を構成し、圧電素子に上記電荷蓄積手段からの電荷及び共振回路に基づくエネルギーを交互に供給して、インクの射出を開始するので、交流信号電源を用いずに圧電素子に結果として交流信号を発生させることができる。 なお、本発明に係るインクプリンタであっても、インクを射出させるために、電源から電荷蓄積手段に常に電荷を供給する必要がなく、消費電力を削減することができる。
【0030】
なお、上記制御手段は、上記音響信号の1波長の内の最初の1/4波長を形成するように、第1のスイッチング手段がオンしかつ前記第2のスイッチング手段がオフし(つまり放電)、交流信号の1波長の内の残り3/4波長の間、第1のスイッチング手段がオフしかつ第2のスイッチング手段がオンする(つまり充電)ように制御する。
【0031】
なお、液体インクと音響的に接続された圧電素子に音響信号を発生させてインクの射出を行うと共に圧電素子と並列回路を構成するようにインダクタンスが接続されたインクプリンタの駆動方法では、第1のスイッチング手段をオンすることにより、電荷蓄積手段と並列回路とを接続し、かつ、第2のスイッチング手段をオンすることにより、第1のスイッチング手段を介して並列回路に、電荷蓄積手段に蓄積された電荷を放電させ、第1のスイッチング手段をオフすることにより、電荷蓄積手段と並列回路との接続を開放し、かつ、第2のスイッチング手段をオフすることにより、電荷蓄積手段に電荷を蓄積させる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
[第1の実施の形態]
図1に本発明の実施の形態であるインク吐出装置のインク吐出部20と駆動回路30の模式図を示す。
【0034】
図1に示すように、本実施の形態に係るインク吐出装置のインク吐出部20は、側壁部3により囲まれた内部が液体インクに満たされたインク室4となっており、かつ、上部にインク吐出部1を有するインク保持部(ヘッド)2を備えている。インク保持部2の下部には、上部電極6と下部電極8とにより挟まれた、インクと音響的に接続された圧電素子7が配置されている。インク室4内の上部電極6の上部には、圧電素子7により発生した超音波をインク吐出部1に集束させるフレネルレンズ5が配置されている。なお、本実施の形態に係るインク吐出装置は、音響インクプリンタに備えられており、インク吐出部1のインク吐出方向には、図示しない記録媒体が配置される。
【0035】
下部電極8には、スイッチング手段としての切換器10を介して、RF−AMPにより構成された圧電素子駆動回路12の一方の出力端が接続され、上部電極6には圧電素子駆動回路12の他方の出力端が接続されている。切換器10には、制御手段としてのコントローラ11が接続されている。
【0036】
そして、本実施の形態に係るインク吐出装置では、上部電極6と下部電極8とに、圧電素子7と並列に、かつ、圧電素子7及び圧電素子駆動回路12に最接近した位置に、インダクタンス9が接続されている。また、切換器10は圧電素子7及び圧電素子駆動回路12に接近した位置に接続されている。
【0037】
図2に駆動回路30から圧電素子までの等価回路を示す。圧電素子7は、コンデンサCd に、インダクタンスLS 、コンデンサCS 、及び抵抗RS の直列共振回路13が並列に接続した等価回路で表すことができる。コンデンサCd とインダクタンスLd とはTANK回路とよばれる並列共振回路を形成する。このTANK回路は、エネルギーを一旦蓄えた後、切換器10を開く(オフする)と、コンデンサCd とインダクタンスLdとの間で、所定周波数(=(1/(2・π・√(Cd ・Ld ))で、エネルギー(電力)が移動(振動)する。なお、Cd とLd で決まる自己共振周波数は駆動回路12からの交流信号の周波数と等しくなるように設定されている。
【0038】
この場合、インダクタンスLS 、コンデンサCS 、及び抵抗RS の制限要素が存在するので、上記エネルギーの移動の際にエネルギーが減少(減衰振動)する。この減衰振動は、Cd 、LS 、CS 、RS の各値により定まる。そして、容量比(=Cd /CS )が1以上でありかつLS 、CS 、及びRS の直列共振回路11の尖鋭度Q=(1/(2πfCS ・RS )が1以上であれば、1周期以上減衰振動する。
【0039】
このように、コンデンサCd とインダクタンスLdとの間でエネルギー減衰振動するので、この振動により抵抗RS に電力が供給され(即ち、交流信号が供給され)、圧電素子7が振動し、超音波が発生する。即ち、TANK回路に蓄えられたエネルギーが超音波発生に利用される。よって、圧電素子駆動回路12から駆動電流を供給しなくても、TANK回路に蓄えられたエネルギーにより、圧電素子7を振動させ、超音波を発生させることができる。従って、本実施の形態では、後述するように、切換器10のオン・オフを制御し、圧電素子駆動回路12からの電力とTANK回路からの電力と交互に切り換えて、圧電素子7に供給し、コンデンサCd とインダクタンスLdとの間でエネルギー減衰振動を利用して、消費電力を削減している。
【0040】
図3に駆動電圧の波形と圧電素子の振幅の時間的関係を説明する。(A)は交流電源、(B)はコントローラ11から切換器10への出力信号、(C)は圧電素子7の上、下部電極間の電圧、(D)は圧電素子の音響振幅である。
【0041】
まず画像信号に応じて切換器10にオン信号を出力する。オン信号を入力した切換器10は、オンして、圧電素子7を挟んでいる下部電極8と圧電素子駆動回路12とを接続する。これにより、切換器10をオン状態にする導通期間T1の間、圧電素子駆動回路12と圧電振動子7とが導通し、圧電振動子7には圧電素子駆動回路12から、図3(C)に示すように、圧電素子駆動回路12の高周波の駆動電流に対応する交流電流(交流信号)が供給される。よって、圧電素子7からは図3(D)に示す超音波が発生する。このとき上記TANK回路には前述したようにエネルギーが蓄積される。圧電振動子7に交流電流が供給された初期の段階では、BURST 波のため、立ち上がり特性を有している。
【0042】
上記導通期間T1が経過すると切換器10をオフ状態にする非導通期間T2に移行し、切換器10への出力はオフ信号に変わり、これにより、切換器10は、オフして、圧電素子駆動回路12と下部電極8との接続を開放する。よって、圧電振動子7に対する圧電素子駆動回路12からの交流電流の供給が停止する。しかしながら、前述したように、TANK回路から上記蓄積された電力が圧電振動子7に供給される。よって、圧電振動子7に対する圧電素子駆動回路12からの交流電流の供給が停止しても、TANK回路からの電力により圧電振動子7が振動し、超音波が引き続き発生する。
【0043】
非導通期間T2では圧電素子7の上、下部電極間の電圧は次第に減衰するが、インク液面は緩やかに上昇し続ける。非導通期間T2が経過すると切換器10の出力は再びオン信号に変わる。このように導通期間T1と非導通期間T2とを繰り返してインク液面は上昇を続け、ついにはインク液面からインク滴を分離して吐出する。
【0044】
ここで、導通期間、非導通期間は次のように予め定めている。インク吐出期間の間は、前述したように、圧電素子駆動回路12から圧電振動子7に交流電流を常に供給しているわけでなく、インク吐出期間から非導通期間を間引いた導通期間内に限って交流電流を供給している。間引き率(=導通期間/(導通期間+非導通期間))は、インダクタンスLS 、コンデンサCS 、及び抵抗RS を制限要素としてコンデンサCd とインダクタンスLdの共振回路(TANK回路)の尖鋭度Qの値から、インク吐出期間に渡って圧電素子の振動が継続するように、決定している。即ち、この間引き率は、振動子の等価回路定数と減衰比により、インク吐出期間に渡って圧電素子の振動が継続するように、決定される。なお、導通期間と非導通期間とが同じ場合の消費電力は、間引かない場合の50%となり、間引き率が25%の場合の消費電力は、間引かない場合の25%となる。このように間引き率が決定されると、間引き率に応じた導通期間、非導通期間は、例えば、図3(B)に示すように、駆動電流(交流信号)の複数周期分を導通期間T1、非導通期間T2としてもよい。
【0045】
また、図4(A)、図4(B)に示すように、駆動電流(即ち、圧電素子から発生する超音波)の1周期の1/4の時間(1波長λ/4に対応)を1導通期間T11、残りの3/4の時間を1非導通期間T21としてもよい。なお、駆動電流の1周期の1/4の時間としているのは、1/4の時間経過したときに上記駆動電流が最大値をとるので、この前後では利用率が落ちるからである。
【0046】
更に、図5(A)、図5(B)に示すように、上記駆動電流の1周期の1/4の時間(λ/4に対応)を1導通期間T11、残りの3/4の時間を1非導通期間T21としたものを、駆動電流の複数周期分継続し、その後は、駆動電流の複数周期分を非導通期間として、これを繰り返すようにしてもよい。なお、図5(A)、図5(B)に示した例では、消費電力の削減効果は、間引き率×(1/4)となるため、最低間引き率が50%の場合でも、12.5%(1/8)となる。この効果を利用して大幅に消費電力を削減することができる。なお、駆動電流の1周期の1/4の時間とは、図5及び図6では、駆動電流の1周期の最初の1/4周期の時間であるが、本発明はこれに限定されず、振幅がゼロから最大になるまでの時間であればよく、1/2周期から3/4周期までの時間でもよく、駆動電流の1周期の最初の1/4周期の時間及び1/2周期から3/4周期までの時間でもよい。
【0047】
以上説明したように、圧電素子駆動回路と圧電素子との間に、切換器を介して、圧電素子に並列にインダクタンスを接続し、切換器を制御して圧電素子駆動回路からの電力とTANK回路からの電力と交互に切り換えて、圧電素子に供給し、エネルギー減衰振動を利用するので、消費電力を削減することができる。また、圧電素子の音響出力を常に最大出力になるようにしていないので、消費電力を削減することができる、という側面もある。なお、特開平05-057891 号公報は、ピエゾオンデマンド方式の一種であり、液柱形成用圧点素子に供給される電力は液柱振動が最大になる以前に遮断している。しかしながら、電力を遮断してから液柱振動が増大になるまでの時間は圧電素子が励振されない点で本実施の形態で明らかに異なる。
【0048】
また、前述した実施の形態では、圧電素子に最接近した位置に、インダクタンスを接続しているので、接続線内で消費される電力を少なくすることができる。
【0049】
ここで、圧電素子の駆動を開始したときからインクが吐出するまでのインク吐出期間内で圧電素子の振動が一時的に停止すると、インクの液面のエネルギーが圧電素子の振動の停止により減少してしまい、再度エネルギーを蓄積しなければならず、電力が無駄に消費される。しかし、本実施の形態では、インク吐出期間の間、圧電素子の振動を継続するようにしている、即ち、圧電素子と交流電流とのオン又はオフを繰り返し行わせる時間的デューティーがTANK回路に基づくエネルギーを実質的に消滅させないようにしているので、インク室内のインクの液面のエネルギーを、液面が液面ミニスカス振動するためのエネルギーになるまで増加させることができ、電力を有効に活用することができる。
【0050】
なお、本実施の形態は、高周波数の交流電流を供給する圧電素子駆動回路を用いたが、本発明はこれに限定されず、スイッチング回路を用いてスイッチングにより高周波数の交流電流を供給する回路を用いてもよい。
【0051】
また、前述した実施の形態は、圧電素子により発生した超音波をインク吐出部に集束させるためにフレネルレンズを用いたが、本発明はこれに限定されず、超音波の位相を制御して超音波をインク吐出部に集束させるようにしもよい。
【0052】
更に、前述した実施の形態は、インク吐出装置を、圧電素子により発生した超音波をインク吐出部に集束させる音響インクプリンタに適用した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、圧電素子により発生した超音波をインク吐出部に集束させない音響インクプリンタや、ノズル板を設けた音響インクプリンタに適用してもよい。更に、インク保持部(ヘッド)を1つ備えた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、同時に複数の圧電素子を励振する場合やカラー化に対応すべく複数の印字ヘッドを有する場合にも同様に適用することができる。
【0053】
【実施例】
以下、第1の実施の形態に対応する3つの実施例を説明する。なお、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
[第1の実施例]
図7(A)に示すように、第1の実施例に係る音響インクプリンタでは、切換器10として、通常状態ではオフとなるように付勢されている接点10A1を有するリレー10Aを備えている。コントローラ11は、リレー10Aをオンするために、図示しないコイルに所定の電流を供給して磁界を発生させて、接点10A1を接続させ、リレー10Aをオフするために、該電流の供給を停止する。コントローラ11は、このようにリレー10Aを制御して、図3(B)、図4(A)、図5(A)のように制御する。
[第2の実施例]
図7(B)に示すように、第2の実施例に係る音響インクプリンタでは、切換器10として、ダイオード10Bを備えている。コントローラ11は、所定の信号を供給して逆バイアス状態にして、ダイオード10Bをオフする。なお、コントローラ11からの信号の出力が停止すると、ダイオード10Bはオンする。コントローラ11は、このようにダイオード10Bを制御して、図3(B)、図4(A)、図5(A)のように制御する。
[第3の実施例]
図7(C)に示すように、第3の実施例に係る音響インクプリンタでは、切換器10として、トランジスタ10Cを備えている。コントローラ11は、ベース電流を出力してトランジスタ10Cをオンし、ベース電流の出力を停止してトランジスタ10Cをオフする。コントローラ11は、このようにトランジスタ10Cを制御して、図3(B)、図4(A)、図5(A)のように制御する。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同様の構成部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図8に示すように、第2の実施の形態に係る音響インクプリンタは、電荷を蓄積する充電コンデンサ56と、オンすることにより、インダクタンス9及び圧電素子7から構成される並列回路15と充電コンデンサ56とを接続すると共に、オフすることにより、該接続を開放する第1のトランジスタ52と、制御信号に応じて、第1のトランジスタ52がオンのときにオフして、第1のトランジスタ52を介して並列回路15に、充電コンデンサ56に蓄積された電荷を放電させ、第1のトランジスタ52がオフのときにオンして、充電コンデンサ56に電荷を蓄積させる第2のトランジスタ54と、を備えている。なお、その他、前述したインク吐出部等を有する点は、第1の実施の形態と同様である。
【0056】
即ち、第1のトランジスタ52のコレクタ側は正電源(+V)と並列回路15とに接続されている。本実施の形態では、第2のトランジスタ54として、内部抵抗が少ないジャンクションFETを用いている。第2のトランジスタ54は、オンすることにより、充電コンデンサ56と負電源(−V)(充電コンデンサ56に負電荷を蓄積させる電源)とを接続すると共に、オフすることにより、該接続を開放する。即ち、第2のトランジスタ54のソース側は負電源(−V)に接続されている。第1のトランジスタ52のエミッタ側と第2のトランジスタのドレイン側とには、充電コンデンサ56の一端が接続され、充電コンデンサ56の他端はアースされている。第1のトランジスタ52のベース側と第2のトランジスタのゲート側とには、画像信号が入力される制御回路58が接続されている。
【0057】
次に、図9のタイミングチャートを参照して、本実施の形態の作用を説明する。制御回路58は、第1のトランジスタ52がオンしかつ第2のトランジスタ54がオフすると共に第1のトランジスタ52がオフしかつ第2のトランジスタ54がオンするように制御信号を与える。
【0058】
即ち、図9(A)、図9(B)にはそれぞれ、第1のトランジスタ52のベース側及び第2のトランジスタ54のゲート側に入力する電圧波形が示されている。図9(A)、図9(B)に示すように、制御回路58は、単位インクドットを形成するための画像信号に応じて、第1のトランジスタ52のベース側及び第2のトランジスタ54のゲート側に、第1のトランジスタ52がオンしかつ第2のトランジスタ54がオフするようにロー状態の電圧を出力し、第1のトランジスタ52がオフしかつ第2のトランジスタ54がオンするようにハイ状態の電圧を出力する。なお、第1のトランジスタ52のベース側及び第2のトランジスタ54のゲート側に入力されるハイ状態のときの電圧値は各々異なるが、これは、第1のトランジスタ52及び第2のトランジスタ54の素子の特性によるものである。
【0059】
上記のように、第1のトランジスタ52がオンしかつ第2のトランジスタ54がオフすると、第1のトランジスタ52のオンにより充電コンデンサ56と並列回路15とが接続され、第2のトランジスタ54のオフにより第1のトランジスタ52を介して並列回路15に、充電コンデンサ56に蓄積された電荷が放電される。即ち、第2のトランジスタ54のオフにより、充電コンデンサ56からみた上記並列回路15のインピーダンスより充電コンデンサ56からみた負電源(−V)側の抵抗(実際は第2のトランジスタ54がオフであるので無限大)が大きくなり、充電コンデンサ56に蓄積された電荷は並列回路15に放電される。これにより、圧電素子が駆動されると共に並列回路15にエネルギーが蓄積される。
【0060】
一方、第1のトランジスタ52がオフしかつ第2のトランジスタ54がオンすると、第1のトランジスタ52のオフにより充電コンデンサ56と並列回路15との接続が開放され、第2のトランジスタ54のオンにより、充電コンデンサ56と上記電源とが接続されて、充電コンデンサ56に電荷が蓄積される。なお、第1のトランジスタ52のオフにより、第2のトランジスタ54の内部抵抗より充電コンデンサ56からみた上記並列回路15のインピーダンス(実際は第1のトランジスタ52がオフであるので無限大)が大きくなり、充電コンデンサ56に蓄積された電荷は並列回路15に放電されない。なお、充電コンデンサ56に電荷が蓄積されているときには、並列回路15に蓄積されたエネルギーにより圧電素子7が駆動される。
【0061】
つまり、圧電素子7には上記充電コンデンサ56からの電荷及び共振回路15に基づくエネルギーが交互に供給され、結果として圧電素子7に音響信号を発生させ、これにより、液体インクが振動し、インクの射出が開始する。
【0062】
即ち、上記制御回路58は、図9(D)に示すように、音響信号の1波長の内の最初の1/4波長を形成するように、第1のトランジスタ52がオンしかつ第2のトランジスタ54がオフし(つまり放電)、交流信号の1波長の内の残り3/4波長の間、第1のトランジスタ52がオフしかつ第2のトランジスタ54がオンする(つまり充電)ように制御する。
【0063】
このように本発明に係るインクプリンタは、圧電素子にインダクタンスを並列に接続させて並列回路(共振回路)を構成し、圧電素子に充電コンデンサからの電荷及び共振回路に基づくエネルギーを交互に供給して、インクの射出を開始するので、交流信号電源を用いずに圧電素子に結果として交流信号を発生させることができる。
【0064】
なお、本発明に係るインクプリンタであっても、インクを射出させるために、電源から充電コンデンサに常に電荷を供給する必要がなく、消費電力を削減することができる。
【0065】
【実施例】
以下、第2の実施の形態に対応する3つの実施例を説明する。なお、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
[第1の実施例]
図10に示すように、第1の実施例においては、制御回路58内に、画像信号が入力されるコントローラ60を設けている。コントローラ60には、抵抗を介してトランジスタ62のベース側が接続されている。トランジスタ62のコレクタ側には正電源(+V2)に、エミッタ側は、負電源(−V3)、抵抗を介してトランジスタ64のベース側が接続されている。トランジスタ64のコレクタ側は正電源(+V2)に接続され、エミッタ側は、負電源(−V3)及びレベルシフト用のダイオード68、抵抗、接点Pを介して第1のトランジスタ52のベース側に接続されている。トランジスタ62のコレクタ側とトランジスタ64のベース側との間には、レベルシフト用のダイオード66を介して第2のトランジスタ54のドレイン側が接続されている。接点Pには、ダイオード66を介してトランジスタ62のコレクタ側も接続されている。よって、接点Pでは、トランジスタ62のコレクタ側の出力と、トランジスタ64のコレクタ側の出力と、が加算され、第1のトランジスタ52のベース側に入力する。なお、トランジスタ64は抵抗と共に反転回路を構成するため、トランジスタ62のコレクタ側の出力と、トランジスタ64のコレクタ側の出力と、は反転している。
【0066】
次に、図11に示したタイミングチャートを参照して、本実施例の作用を説明する。画像信号に応じてコントローラ60は、図11(A)に示すように、駆動信号を出力する。なお、図11(A)に示すように、駆動信号が正確な方形波となっていないのは、回路回路58内のタイミング遅れを考慮したためである。
【0067】
駆動信号(ハイ状態)は、トランジスタ62のベース側に入力されて、トランジスタ62がオンする。トランジスタ62のエミッタ出力は、トランジスタ64のベース側に入力されてトランジスタ64がオンすると共に、ダイオード66及び抵抗を介して所定レベルにシフトして第2のトランジスタ54のゲート側に入力されかつダイオード66を介して所定レベルにシフトして接点Pに入力する。トランジスタ64がオンしてエミッタ出力はダイオード68を介して所定レベルにシフトされて接点Pに入力される。接点Pでは、ダイオード66を介して所定レベルにシフトされたトランジスタ62のエミッタ出力と、ダイオード68を介して所定レベルにシフトされたトランジスタ64のエミッタ出力と、が加算されて、第1のトランジスタ52のベース側には、図11(B)に示すように、駆動信号に対応して、結果として、ロー状態の電圧が入力する。このとき、第2のトランジスタ54のゲート側には、ダイオード66を介して所定レベルにシフトされたトランジスタ62のエミッタ出力(ロー状態の電圧(図11(C)参照))が入力する。第1のトランジスタ52のベース側及び第2のトランジスタ54のゲート側にロー状態の電圧が入力されると、前述したように、第1のトランジスタ52がオンしかつ第2のトランジスタ54がオフする。これにより、上記のように、第1のトランジスタ52を介して並列回路15に、充電コンデンサ56に蓄積された電荷が放電される。これにより、圧電素子7には音響信号が供給される。
【0068】
駆動信号がロー状態となると上記とは逆特性となり、第1のトランジスタ52のベース側及び第2のトランジスタ54のゲート側にハイ状態の電圧が入力される。これにより、第1のトランジスタ52がオフしかつ第2のトランジスタ54がオンする。よって、第1のトランジスタ52のオフにより充電コンデンサ56と並列回路15との接続が開放され、第2のトランジスタ54のオンにより、充電コンデンサ56と負電源とが接続されて、充電コンデンサ56に電荷が蓄積される。なお、充電コンデンサ56に電荷が蓄積されているときには、並列回路15に蓄積されたエネルギーにより圧電素子7が駆動される。
【0069】
図11(D)にはA部の電圧波形が、図11(E)にはB部の電圧波形が、それぞれ示されている。図11(D)、図11(E)に示すように、コントローラ60は上記の駆動信号を出力して、音響信号の1波長の内の最初の1/4波長を形成するように、第1のトランジスタ52をオンしかつ第2のトランジスタ54をオフさせて、圧電素子7に上記充電コンデンサ56からの電荷を放電させ、交流信号の1波長の内の残り3/4波長の間は、第1のトランジスタ52をオフしかつ第2のトランジスタ54をオンさせて、充電コンデンサ56を充電させると共に並列回路15に蓄積されたエネルギーにより圧電素子7を駆動させている。
【0070】
このように、圧電素子7に上記充電コンデンサ56からの電荷及び共振回路15に基づくエネルギーを交互に供給して、結果として圧電素子7に音響信号を発生させ、これにより、液体インクを振動させて、インクの射出を開始している。
[第2の実施例]
第2の実施例に係る制御回路58Nは、前述した第1の実施例(第2の実施の形態)の制御回路58と略同様の構成であるので、説明を省略する。第1の実施例(第2の実施の形態)では、図10に示すように、第1のトランジスタ52のコレクタ側に正電源、第2のトランジスタ54のソース側に負電源、の合計2つの電源を有しているが、本発明はこれに限定されず、図12に示すように、本第2の実施例では、第2のトランジスタ54のソース側に負電源の1つの電源を有している点で相違する。動作は、前述した第1の実施例と同様であるので、その説明を省略する。なお、第2の実施例では、負電源に代えて正電源を有するようにしてもよい。
[第3の実施例]
図13に示すように、第3の実施例では、第1のトランジスタ52のエミンタ側に負電源(−Q)が、第2のトランジスタ53のドレイン側に正電源(+O)が、それぞれ接続されている点で、第1の実施例において、第1のトランジスタ52のコレクタ側に正電源、第2のトランジスタ54のソース側に負電源が接続されている点と相違する。即ち、充電コンデンサ56から放電される電荷は、第1の実施例では負電荷であるのに対して、第3の実施例では正電荷である点で相違する。
【0071】
なお、その他、第1のトランジスタ52及び第2のトランジスタ53には、レベル調整回路75を介してコントローラ60が接続されている。なお、動作は前述した実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、圧電素子にインダクタンスを並列に接続させて共振回路を構成し、圧電素子に上記交流信号又は共振回路に基づくエネルギーを交互に供給して、インクの射出を開始するので、インクを射出させるために交流信号を常に供給する必要がないので、消費電力を削減することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態であるインク吐出部と駆動回路の模式図である。
【図2】 駆動回路から圧電素子までの等価回路である。
【図3】 駆動電圧の波形と圧電素子の振動の関係を示すタイミングチャートである。
【図4】 変形例の駆動電圧の波形である。
【図5】 第2の変形例の駆動電圧の波形である。
【図6】 ダイオードスイッチを用いた圧電デバイス駆動回路の従来例を示した図である。
【図7】 第1の実施の形態に対応する3種類の実施例に係るインクプリンタのブロック図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態であるインクプリンタのブロック図である。
【図9】 第2の実施の形態であるインクプリンタのタイミングチャートである。
【図10】 本発明の第2の実施の形態に対応する第1の実施例に係るインクプリンタのブロック図である。
【図11】 第2の実施の形態に対応する第1の実施例に係るインクプリンタのタイミングチャートである。
【図12】 本発明の第2の実施の形態に対応する第2の実施例に係るインクプリンタのブロック図である。
【図13】 本発明の第2の実施の形態に対応する第3の実施例に係るインクプリンタのブロック図である。
【図14】 医療用の超音波診断装置の一部のブロック図である。
【符号の説明】
7 圧電素子
9 インダクタンス
10 切換器(スイッチング手段)
11 コントローラ(制御手段)
52 第1のトランジスタ(第1のスイッチング手段)
54 第2のトランジスタ(第2のスイッチング手段)
56 充電コンデンサ(電荷蓄積手段)
Claims (10)
- 液体インクと音響的に接続された圧電素子に交流信号を供給してインクの射出を行うインクプリンタであって、
前記圧電素子と並列に接続されたインダクタンスと、
前記圧電素子と前記交流信号との接続を制御するスイッチング手段と、
入力信号に応じて前記スイッチング手段にオン又はオフを繰り返し行わせることにより前記インクの射出を開始させる制御手段と、
を有するインクプリンタ。 - 前記オン又はオフを繰り返す周期が前記交流信号の複数周期に等しい請求項1記載のインクプリンタ。
- 前記オン又はオフを繰り返す周期が前記交流信号の周期より小である請求項1記載のインクプリンタ。
- 前記入力信号が単位インクドットを形成するための画像信号に基づいて形成される請求項1記載のインクプリンタ。
- 前記圧電素子と並列に接続されたインダクタンスとからなる共振回路の自己共振周波数と前記交流信号の周波数が等しい請求項1記載のインクプリンタ。
- 液体インクと音響的に接続された圧電素子に交流信号を供給してインクの射出を行うインクプリンタの駆動方法であって、
前記圧電素子と並列にインダクタンスを接続して共振回路を形成し、
前記圧電素子と前記交流信号とのオン又はオフを繰り返し行わせることにより前記交流信号又は前記共振回路に基づくエネルギーを交互に供給して前記インクの射出を開始させるインクプリンタの駆動方法。 - 前記圧電素子と前記交流信号とのオン又はオフを繰り返し行わせる時間的デューティーが前記共振回路に基づくエネルギーを実質的に消滅させないように設定される請求項6記載のインクプリンタの駆動方法
- 液体インクと音響的に接続された圧電素子に交流信号を供給してインクの射出を行うインク射出方法であって、
前記圧電素子の音響出力を周期的に変化させ、該周期的に変化する音響出力を継続させることにより前記インクの射出を行わせるインク射出方法。 - 前記音響出力の周期的な変化が一定振動の第1の期間と減衰振動の第2の期間とを組み合わせて構成される請求項8記載のインク射出方法。
- 液体インクと音響的に接続された圧電素子に音響信号を発生させてインクの射出を行うインクプリンタであって、
前記圧電素子と並列回路を構成するように接続されたインダクタンスと、
電荷を蓄積する電荷蓄積手段と、
オンすることにより、前記電荷蓄積手段と前記並列回路とを接続すると共に、オフすることにより、該接続を開放する第1のスイッチング手段と、
入力信号に応じて、前記第1のスイッチング手段がオンのときにオフして、前記第1のスイッチング手段を介して前記並列回路に、前記電荷蓄積手段に蓄積された電荷を放電させ、前記第1のスイッチング手段がオフのときにオンして、前記電荷蓄積手段に電荷を蓄積させる第2のスイッチング手段と、
を備えたインクプリンタ。
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