JP3663312B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば吸気弁あるいは排気弁の特にバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変にできる内燃機関の可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の可変動弁装置としては、本出願人が先に出願した特願平9−212831号に記載されたものがある
図10に基づいて概略を説明すれば、この可変動弁装置は、吸気弁側に適用されたもので、クランク軸の回転に同期して回転する駆動軸51の外周に、軸心Yが駆動軸51の軸心Xから偏心した駆動カム52が設けられていると共に、駆動カム52の回転力が多節リンク状の伝達機構を介して伝達されて、吸気弁53の上端部に有するバルブリフター54の上面をカム面55が摺接して吸気弁53を開閉作動させる揺動カム56を有している。
【0003】
前記伝達機構は、揺動カム56の上方に配置されて制御軸57に揺動自在に支持されたロッカアーム58と、円環状の一端部59aが駆動カム52の外周面に嵌合しかつ他端部59bがロッカアーム58の一端部58aにピン60を介して回転自在に連結されたリンクアーム59と、一端部61aがロッカアーム58の他端部58bにピン62を介して回転自在に連結され、他端部61bが前記揺動カム56の端部にピン63を介して回転自在に連結されたリンクロッド61とから構成されている。
【0004】
また、前記制御軸57の外周面には、軸心P1が制御軸57の軸心P2から所定量偏心した制御カム64が固定されている。この制御カム64は、ロッカアーム58のほぼ中央に穿設された支持孔58c内に回転自在に嵌入保持されて、その回転位置に応じてロッカアーム58の揺動支点を変化させて、揺動カム56のカム面55のバルブリフター54上面に対する転接位置を変化させて、吸気弁53のバルブリフトを可変制御するようになっている。
【0005】
すなわち、機関運転状態が、高回転高負荷域である場合は、図外のアクチュエータが制御軸57を介して制御カム64を一方向へ回転させて、制御カム64を同方向へ回転させるため、図示のように、ロッカアーム58の揺動支点が駆動軸51に近づく方向に移動する。これにより、揺動カム56は、リンクロッド61などによって端部56aが押し下げられて、バルブリフター54上面の当接位置がリフト部55c側に移動するため、吸気弁53のバルブリフト特性が最大となるように制御される。
【0006】
一方、低回転低負荷域に移行した場合は、図外のアクチュエータによって制御軸57を他方向へ回転させて、制御カム64も同方向へ回転させることにより、ロッカアーム58の揺動支点位置を駆動軸より離れる方向へ移動させる。これにより、ロッカアーム58とリンクロッド61との枢支点が上方に移動して揺動カム56のカムノーズ部側の端部56aを引き上げ、これによって揺動カム56のバルブリフター54上面上の当接位置がリフト部55cから離れる方向に移動する。したがって、吸気弁53は、そのバルブリフト特性が最小となるように制御される。
【0007】
したがって、機関運転状態に応じて機関性能を十分に発揮させる、つまり燃費や出力の向上などを図ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の可変動弁装置にあっては、制御カム64の回転位置に応じてロッカアーム58の揺動支点を変化させることによりバルブリフト特性を大小可変にすることができるものの、制御カム64の回転方向、とりわけ最大バルブリフト制御位置から最小バルブリフト制御への回転方向や最小バルブリフト制御の回転位置などについては十分に考慮されていなかった。この結果、場合によっては、制御カム64の回転方向により最小リフトを十分には小さくできなかったり、あるいは最小バルブリフト制御時において、リンクロッド61両端部61a,61b側の各ピン62,63の軸心を結ぶ線Q1とピン63の軸心と駆動軸51の軸心Xを結ぶ線が直線状になってロック状態になり、吸気弁53の閉状態から開作動への変換時にリンクロッド,揺動カムの円滑な回動が阻害されてしまうといった問題を招くおそれがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の可変動弁装置の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、機関のクランク軸に同期して回転し、外周に駆動カムが設けられた駆動軸と、該駆動軸に揺動自在に支持されて、機関弁をバルブリフターを介して開閉作動させる揺動カムと、一端部が駆動カムの外周に摺動自在に嵌合したリンクアームと、前記駆動軸とほぼ平行に配設された制御軸に揺動自在に設けられて、一端部が前記リンクアームの他端部に回転自在に連係したロッカアームと、一端部がロッカアームの他端部に連係し、他端部が前記揺動カムの端部に回転自在に連結したリンクロッドと、前記制御軸の外周に軸心が偏心状態に固定されて、制御軸の回転位置に応じてロッカアームの揺動支点を変化させる制御カムとを備え、前記ロッカアームの揺動支点の変化に応じて、揺動カムのカム面のバルブリフター上面に対する当接位置を変化させて機関弁のバルブリフトを可変にする内燃機関の可変動弁装置において、前記制御軸の回転により制御カムの軸心が前記駆動軸に接近した所定の回転位置で機関弁の最大バルブリフトとなるように設定すると共に、機関弁の最小バルブリフト制御時における前記制御カムの軸心を、制御軸の軸心と最大バルブリフト時の制御カムの軸心を結ぶ線上から前記ロッカアームとリンクアームとの枢支点側寄りに回転制御したことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明は、制御カムの軸心を、前記最大バルブリフト時の回転位置から前記ロッカアームとリンクアームとの枢支点側へ所定回転角度まで回転させることによって、最小バルブリフトに制御したことを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、最大バルブリフト制御時から最小バルブリフトへ制御する際に、制御カムの軸心側にある肉厚部を駆動軸に接近した位置からリンクアームとロッカアームの枢支点方向に回転させるようにしたため、ロッカアーム全体がリンクアーム側へ回動した形になり、これによって最小リフトを充分小さくすることができることは勿論のこと、ロッカアームとリンクロッドとの枢支点をリンクアーム側へ移動させることができるため、リンクロッド両端部の枢支点と駆動軸の軸心を結ぶ線を屈曲状とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可変動弁装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。この実施形態の可変動弁装置は、1気筒あたり2つの吸気弁を備えかつ吸気弁のバルリフト量を機関運転状態に応じて可変にする可変機構を備えている。
【0013】
すなわち、この可変動弁装置は、シリンダヘッド11に図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられた一対の吸気弁12,12と、シリンダヘッド11上部の軸受14に回転自在に支持された中空状の駆動軸13と、該駆動軸13に圧入等により固設された偏心回転カムである2つの駆動カム15,15と、駆動軸13の外周面13aに揺動自在に支持されて、各吸気弁12,12の上端部に配設されたバルブリフター16,16に摺接して各吸気弁12,12を開作動させる揺動カム17,17と、駆動カム15と揺動カム17,17との間に連係されて、駆動カム15の回転力を揺動カム17,17の揺動力として伝達する伝達機構18と、該伝達機構18の作動位置を可変にする可変機構19とを備えている。
【0014】
前記駆動軸13は、機関前後方向に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた図外の従動スプロケットや該従動スプロケットに巻装されたタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達されており、この回転方向は図1中反時計方向に設定されている。
【0015】
前記軸受14は、シリンダヘッド11の上端部に設けられて駆動軸13の上部を支持するメインブラケット14aと、該メインブラケット14aの上端部に設けられて後述する制御軸32を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,14cによって上方から共締め固定されている。
【0016】
前記両駆動カム15は、図4にも示すように、ほぼリング状を呈し、小径なカム本体15aと、該カム本体15aの外端面に一体に設けられたフランジ部15bとからなり、内部軸方向に駆動軸挿通孔15cが貫通形成されていると共に、カム本体15aの軸心Yが駆動軸13の軸心Xから径方向へ所定量だけオフセットしている。また、この各駆動カム15は、駆動軸13に対し前記両バルブリフター16,16に干渉しない両外側に駆動軸挿通孔15cを介して圧入固定されていると共に、両方のカム本体15a,15aの外周面15d,15dが同一のカムプロフィールに形成されている。
【0017】
前記バルブリフター16,16は、有蓋円筒状に形成され、シリンダヘッド11の保持孔内に摺動自在に保持されていると共に、揺動カム17,17が摺接する上面16a,16aが平坦状に形成されている。
【0018】
前記揺動カム17は、図1〜図3及び図6,図7に示すようにほぼ雨滴状を呈し、ほぼ円環状の基端部20に駆動軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔20aが貫通形成されていると共に、一端部のカムノーズ部22側にピン孔21aが貫通形成されている。また、揺動カム17の下面には、カム面22が形成され、基端部20側の基円面22aと該基円面22aからカムノーズ部21側に円弧状に延びるランプ面22bと該ランプ面22bからカムノーズ部21の先端側に有する最大リフトの頂面22cに連なるリフト面22dとが形成されており、該基円面22aとランプ面22bリフト面22d及び頂面22cとが、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブリフター16の上面16a所定位置に当接するようになっている。
【0019】
すなわち、図5に示すバルブリフト特性からみると、図1に示すように基円面22aの所定角度範囲θ1がベースサークル区間になり、ランプ面22bの前記ベースサークル区間θ1から所定角度範囲θ2がいわゆるランプ区間となり、さらにランプ面22bのランプ区間θ2から頂面22cまでの所定角度範囲θ3がリフト区間になるように設定されている。
【0020】
前記伝達機構18は、駆動軸13の上方に配置されたロッカアーム23と、該ロッカアーム23の一端部23aと駆動カム15とを連係するリンクアーム24と、ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17とを連係するリンクロッド25とを備えている。
【0021】
前記各ロッカアーム23は、図3に示すように平面からみてほぼクランク状に折曲形成され、中央に有する筒状基部が後述する制御カム33に回転自在に支持されている。また、各筒状基部の各外端に外端部に突設された前記一端部23aには、ピン26が嵌入するピン孔23cが貫通形成されている一方、各基部の各内端部に夫々突設された前記他端部23bには、各リンクロッド25の一端部25aと連結するピン27が嵌入するピン孔23eが形成されている。
【0022】
また、前記リンクアーム24は、比較的大径な円環状の基部24aと、該基部24aの外周面所定位置に突設された突出端24bとを備え、基部24aの中央位置には、前記駆動カム15のカム本体15aの外周面に回転自在に嵌合する嵌合孔24cが形成されている一方、突出端24bには、前記ピン26が回転自在に挿通するピン孔24dが貫通形成されている。
【0023】
さらに、前記リンクロッド25は、図1にも示すようにロッカアーム23側が凹状のほぼく字形状に形成され、両端部25a,25bには前記ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17のカムノーズ部21の各ピン孔23e,21aに圧入した各ピン27,28の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔25c,25dが貫通形成されており、前記ピン28の軸心が揺動カム17の枢支点になっている。
【0024】
尚、各ピン26,27,28の一端部には、リンクアーム24やリンクロッド25の軸方向の移動を規制するスナップリング29,30,31,が設けられている。
【0025】
前記可変機構19は、駆動軸13の上方位置に同じ軸受14に回転自在に支持された制御軸32と、該制御軸32の外周に固定されてロッカアーム23の揺動支点となる制御カム33とを備えている。
【0026】
前記制御軸32は、駆動軸13と並行に機関前後方向に配設されていると共に、一端部に設けられた図外の電磁アクチュエータによって所定回転角度範囲内で回転するようになっている。
【0027】
また、前記制御カム33は、夫々円筒状を呈し、図に示すように軸心P1位置が肉厚部33aの分だけ制御軸32の軸心P2からα分だけ偏倚している。
【0028】
そして、前記制御軸32の前記回転角度範囲は、図6A及び図7Aに示すように、制御カム33の軸心P1で示せば、伝達機構18及び揺動カム17の連結構造上、制御カム33の肉厚部33aが駆動軸13の軸心Xに接近した位置Soが吸気弁12の最大バルブリフト制御位置となっており、この位置So(第1の回転角度位置)から図1中時計方向、つまりロッカアーム18とリンクアーム24とを連結するピン26側へ約150°の角度位置S2(第2の回転角度位置)の範囲で回転するようになっており、この角度位置S2が吸気弁12の最小バルブリフト制御位置となるように設定してある。また、この制御カム33は、第2回転角度位置S2から第1の回転角度位置Soまでは制御軸32によって図中反時計方向に回転するものの、第1の回転角度位置Soから第2の回転角度位置S2までは図6Aに示すように揺動カム17による吸気弁12の開作動方向(矢印R方向)と同一回転方向になるように設定されている。
【0029】
さらに、前記制御軸32を前述の第1,第2の回転角度位置So,S2の範囲内で回転制御する電磁アクチュエータは、機関の運転状態を検出する図外のコントローラからの制御信号によって駆動するようになっている。このコントローラは、クランク角センサやエアーフローメータ,水温センサ等の各種のセンサからの検出信号に基づいて現在の機関運転状態を演算等により検出して、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力している。
【0030】
以下、本実施形態の作用を説明すれば、まず、機関低速低負荷時には、コントローラからの制御信号によって電磁アクチュエータを介して制御軸32が時計方向に回転駆動される。このため、制御カム33は、軸心P1が図6A,Bの実線に示すように、肉厚部33aが駆動軸13から上方向に離間移動し、制御軸32の軸心P2から左上方の第2の回動角度位置(S2)に保持される。これにより、ロッカアーム端部23bとリンクロッドの枢支点は、駆動軸13に対して上方向へ移動し、このため、各揺動カム17は、リンクロッド25を介してカムノーズ部21側を強制的に引き上げられて全体が反時計方向へ回動する。尚、図6A実線は、揺動カム17が最も揺動した位置、すなわち、バルブリフトがピークとなる位置を示す。図6B実線は、揺動カムが最も跳ね上がり、バルブがリフトしていない位置を示す。
【0031】
したがって、図6A,Bに示すように、駆動カム15が回転してリンクアーム24を介してロッカアーム23の一端部23aを押し上げると、そのリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム17及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフト量L1は図6に示すように充分小さくなる。
【0032】
よって、かかる低速低負荷域では、図8の破線で示すようにバルブリフト量が小さくなると共に、各吸気弁12の開時期が遅くなり、排気弁とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
【0033】
一方、機関高速高負荷時に移行した場合は、コントローラからの制御信号によって電磁アクチュエータにより制御軸32が反時計方向に回転駆動される。したがって、図7A,Bに示すように制御軸32が、制御カム33を図6実線に示す位置から反時計方向へ第1回転角度位置(So)まで回転させ、軸心P1(肉厚部33a)を下方向へ移動させる。このため、ロッカアーム23は、今度は全体が駆動軸13方向(下方向)に移動して端部23bが揺動カム17のカムノーズ部21をリンクロッド25を介して下方へ押圧して該揺動カム17全体を所定量だけ時計方向へ回動させる。
【0034】
したがって、揺動カム17のバルブリフター16上面16aに対するカム面22の当接位置が図7A,Bに示すように右方向位置(リフト部22d側)に移動する。このため、図7Aに示すように駆動カム15が回転してロッカアーム23の一端部23aをリンクアーム24を介して押し上げると、バルブリフター16に対するそのリフト量L2は図7に示すように大きくなる。
【0035】
よって、かかる高速高負荷域では、カムリフト特性が低速低負荷域に比較して大きくなり、図8の実線で示すようにバルブリフト量も大きくなると共に、各吸気弁12の開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。
【0036】
そして、かかる最大バルブリフト制御時から低速低負荷域に移行した場合は、前述したように、制御カム33が図6A,Bに示すように第1回転角度位置Soから第2回転角度位置S2まで回転するわけであるが、この制御カム33の回転方向及び回転角度位置によってリフトを充分小さくすることができると共に、リンクロッド25のロックを回避することが可能になる。
【0037】
すなわち、まず制御カム33の回転方向について図6A,Bに基づいて考察すると、最大リフト制御位置である第1回転角度位置Soから最小リフトに制御するには、本実施形態のように、図中時計方向へ回転させる場合(図6実線)と、逆に反時計方向へ同じ回転角度で回転させる(図6一点鎖線)ことによって最小リフトに制御することが可能となる。ここで、反時計方向へ回転させた場合は、図6Aの一点鎖線に示すように、制御カム33の軸心P1がS2'に移行し、ロッカアーム23とリンクアーム24の最大リフト時の枢支点MOが右上方のM'点に移動しロッカアームの揺動中心が上方位置に移動し、このため、ロッカアーム23とリンクロッド25の最大リフト時の枢支点Koが右側上方位置K'点に移動する。したがって、揺動カム17は、かかるリンクロッド25の上方位置K'点への移動に伴ってカムノーズ部21側が引き上げられてリフト部22dから遠ざかる側へ当接位置が変わり最小リフトにすることができる。しかしながら、その際、ロッカアーム全体が時計方向に回転させられているので、K'点位置は十分な高さになっていないため、最小リフトでも零リフトに十分に近づけることができない。
【0038】
これに対し、本実施形態では、制御カム33を図中時計方向に回転させるようにしたため、図6Aに示すように制御カム33の軸心P1が第2回転角度位置S2に移動すると、枢支点MOが左下方のM点に移動するため、ロッカアーム23全体が同図実線に示すように反時計回りに回転する。このため、枢支点KがK'点よりもさらに左上方向へ移動し、したがって、揺動カム17はリンクロッド25の左上方移動に伴ってカムノーズ部21側が相対的に大きく引き上げられて基円部22aに近い部分でバルブリフター16の上面16aに当接した形になる。したがって、最小リフトを零リフトに十分に近づけることができる。
【0039】
図9はかかる制御カム33、つまり制御軸32を時計方向(正転)あるいは反時計方向(逆転)させた場合の回転位相角θとバルブリフトLの相関特性を示し、最大リフト位置Soから制御軸32を正,逆方向へそれぞれd2,d2と同じだけ回転させると、前述のようにロッカアーム23とリングロッド25の枢支点K,K'点の位置関係から逆転側のθ2'の最小リフト位置では前述の理由からバルブリフトL1'が零リフトに十分に近づけることができなくなるのに対し、正転側のθ2の最小リフト位置ではバルブリフトL1を零リフトに十分に近づけることができる。この結果、吸気弁12のバルブリフト特性を改善することができ、機関性能の向上が図れる。
【0040】
しかも、制御軸32を正転させることによって、前述したロッカアーム23とリンクロッド25の枢支点(K点)が逆転させた場合の枢支点(K'点)よりもさらに左側へ移動することによって、図6B実線に示すようにリングロッド25の両端部25a,25bのピン27,28の軸心27a,28aを結ぶ直線Q1が他端部25b側のピン28の軸心28aと駆動軸13の軸心Xを結ぶ直線Q2が同一直線上にならずに屈曲状にすることができる。すなわち、制御軸32を逆転させて最小リフトを得る場合には、前述のように枢支点(K'点)が十分に左側に寄らないため、前記直線Q1と直線Q2がほぼ同一直線状になってしまい、これによりリンクロッド25が伸び切ったロック状態になるおそれがある。しかし、本実施形態ではかかる両直線Q1,Q2が屈曲状になるため、吸気弁12の閉状態から開作動に変換する際におけるリンクロッド25及び揺動カムの円滑な回動作用が得られ、吸気弁12の円滑な開閉作動が阻害されることはない。
【0041】
ここで、Q1とQ2のなす角φについて、図9により補足説明する。制御軸を最大リフト位置θ1からd2だけ回転させた時を考えると、正転の場合は、φ2が160°程度となり屈曲状を保ちつつ最小リフトL1を充分小さくできている。逆転の場合は、φ2′が略180°となり、伸び切りが発生しており、しかも最小リフトL1'も相対的に大きくなっている。
【0042】
本発明は、前記構成に限定されるものではなく、最大リフトの要求が低いエンジンの場合等、最大リフト位置Soをθ1より少し正転側θ1'にずらしてもかまわない。又、吸気側でなく排気側に適用することも可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の可変動弁装置によれば、機関弁の最大リフト時から最小リフトへの変換時に、制御カムの軸心つまり肉厚部をロッカアームとリンクアームとの枢支点側寄りに位置するように回転させたため、最小リフトを充分小さくでき、機関性能の向上が図れる。
【0044】
しかも、かかる最小リフト制御中における機関弁の閉作動中のリンクロッドのロックが回避されるため、バルブ閉状態から開作動への変換時のリンクロッド及び揺動カムの円滑な回動作用が阻害されることがなく、この結果、機関弁の常時円滑な開閉作動が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様を示す図2のA−A線断面図。
【図2】本実施態様を一部断面して示す側面図。
【図3】同実施態様の平面図。
【図4】同実施形態に供される駆動カムを示す斜視図。
【図5】揺動カムの基端面とカム面に対応したバルブリフト特性図。
【図6】A,Bは低速低負荷時の作用を示す図2のB−B線断面図。
【図7】A,Bは高速高負荷時の作用を示す図2のB−B線断面図。
【図8】本実施形態のバルブタイミングとバルブリフト特性図
【図9】本実施態様に供された制御軸を正転あるいは逆転させた場合の回転位相とバルブリフトの相関特性図。
【図10】先願の可変動弁装置を示す概略図。
【符号の説明】
11…シリンダヘッド
12…吸気弁
13…駆動軸
15…駆動カム
16…バルブリフター
17…揺動カム
18…伝達機構
19…可変機構
21…カムノーズ(端部)
22…カム面
23…ロッカアーム
23a,23b…端部
24…リンクアーム
25…リンクロッド
28…ピン
28a…軸心(枢支点)
P1…制御カムの軸心
P2…制御軸の軸心
Claims (2)
- 機関のクランク軸に同期して回転し、外周に駆動カムが設けられた駆動軸と、該駆動軸に揺動自在に支持されて、機関弁をバルブリフターを介して開閉作動させる揺動カムと、一端部が駆動カムの外周に摺動自在に嵌合したリンクアームと、前記駆動軸とほぼ平行に配設された制御軸に揺動自在に設けられて、一端部が前記リンクアームの他端部に回転自在に連係したロッカアームと、一端部がロッカアームの他端部に連係し、他端部が前記揺動カムの端部に回転自在に連結したリンクロッドと、前記制御軸の外周に軸心が偏心状態に固定されて、制御軸の回転位置に応じてロッカアームの揺動支点を変化させる制御カムとを備え、前記ロッカアームの揺動支点の変化に応じて、揺動カムのカム面のバルブリフター上面に対する当接位置を変化させて機関弁のバルブリフトを可変にする内燃機関の可変動弁装置において、
前記制御軸の回転により制御カムの軸心が前記駆動軸に接近した所定の回転位置で機関弁の最大バルブリフトとなるように設定すると共に、機関弁の最小バルブリフト制御時における前記制御カムの軸心を、制御軸の軸心と最大バルブリフト時の制御カムの軸心を結ぶ線上から前記ロッカアームとリンクアームとの枢支点側寄りに回転制御したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 制御カムの軸心を、前記最大バルブリフト時の回転位置から前記ロッカアームとリンクアームとの枢支点側へ所定回転角度まで回転させることによって、最小バルブリフトに制御したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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- 1999-02-05 JP JP02806099A patent/JP3663312B2/ja not_active Expired - Lifetime
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