JP3901926B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関弁である吸・排気弁の開閉時期及びバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変にできる内燃機関の動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知にように、機関低速低負荷時における燃費の改善や安定した運転性並びに高速高負荷時における吸気の充填効率の向上による十分な出力を確保する等のために、吸気・排気バルブの開閉時期とバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変制御する動弁装置は従来から種々提供されており、その一例として特開昭55−137305号公報等に記載されているものが知られている。
【0003】
図10に基づきその概略を説明すれば、シリンダヘッド1のアッパデッキの略中央近傍上方位置にカムシャフト2が設けられていると共に、該カムシャフト2の外周にカム2aが一体に設けられている。また、カムシャフト2の側部には、制御シャフト3が平行に配置されており、この制御シャフト3に偏心カム4を介してロッカアーム5が揺動自在に軸支されている。一方、シリンダヘッド1に摺動自在に設けられた吸気弁6の上端部には、バルブリフター7を介して揺動カム8が配置されている。この揺動カム8は、バルブリフター7の上方にカムシャフト2と並行に配置された支軸9に揺動自在に軸支され、下端のカム面8aがバルブリフター7の上面に当接している。また、前記ロッカアーム5は、一端部5aがカム2aの外周面に当接していると共に、他端部5bが揺動カム8の上端面8bに当接して、カム2aのリフトを揺動カム8及びバルブリフター7を介して吸気弁6に伝達するようになっている。
【0004】
また、前記制御シャフト3は、図外のアクチュエータによって所定角度範囲で回転制御されて、偏心カム4の回動位置を制御し、これによってロッカアーム5の揺動支点を変化させるようになっている。
【0005】
そして、偏心カム4が正逆の所定回動位置に制御されるとロッカアーム5の揺動支点が変化して、他端部5bの揺動カム8の上端面8bに対する当接位置が図中上下方向に変化し、これによって揺動カム8のカム面8aのバルブリフター7上面に対する当接位置の変化に伴い、揺動カム8の揺動軌跡が変化することにより吸気弁6の開閉時期(バルブタイミング)とバルブリフト量を可変制御するようになっている。尚、図中10は、揺動カム8の上端面8bを常時ロッカアーム5の他端部5bに弾接付勢するスプリングである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の動弁装置にあっては、カムシャフト2と制御シャフト3が別個に設けられて、該制御シャフト3がカムシャフト2の上方に配置されているため、シリンダヘッド1上方の高さが大きくなってしまう。このため、特に制御シャフト3を設置する大きなスペースが要求される。
【0007】
しかも、制御シャフト3を別個に設けたことにより、シリンダヘッド1上に制御シャフト3を支持する支持機構の設置が要求されるため、該シリンダヘッド1の上部構造の大きな変更が余儀なくされる。この結果、製造作業性が悪化して、コストの高騰を招いている。
【0008】
また、カムシャフト2の他に支軸9を必要とするので、部品点数が増加すると共に、カムシャフト2と支軸9との互いの軸心のずれが生じ易くなり、これによってバルブタイミングの制御精度が低下するおそれがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の可変動弁装置の課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、機関のクランク軸によって回転駆動される吸気側カムシャフト及び排気側カムシャフトと、一方側のカムシャフトの外周に固定されて、前記吸気側あるいは排気側の一方側の機関弁を開作動させる駆動カムと、前記吸気側あるいは排気側の他方のカムシャフトに揺動自在に支持されて、他方側の機関弁を開作動させる揺動カムと、前記他方側のカムシャフトに軸心を偏倚して固定された偏心カムと、該偏心カムの外周に揺動自在に支持されて、一端部が前記揺動カムに機械的に連係したロッカアームと、前記一方のカムシャフト側に設けられて、制御アームを介して前記ロッカアームの他端部に連係した制御軸とを備え、該制御軸の回動位置に応じてロッカアームの揺動支点を制御することによって前記揺動カムの機関弁に対する摺接位置を変化させて、該機関弁のリフト量を可変制御することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記制御軸の外周に制御カムを一体に固定すると共に、該制御カムに前記制御アームを介して前記ロッカアームの他端部に連係すると共に、前記制御軸の回動位置を、機関運転状態を検出するコントローラによって駆動するアクチュエータにより制御することを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、制御アームの一端部を前記制御軸に直接連結固定すると共に、他端部にリンクアームの一端部を回転自在に連結し、該リンクアームの他端部をロッカアームの他端部に回転自在に連結したことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、制御アームの一端部を前記制御軸に直接連結固定すると共に、前記ロッカアームの他端部にスリットを形成し、このスリットに前記制御アームの他端部を摺動自在に係合したことを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記一方側のカムシャフトを排気側カムシャフトに設定する一方、他方側のカムシャフトを吸気側カムシャフトに設定したことを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、一方のカムシャフトである例えば排気側カムシャフトと他方の吸気側カムシャフトとを、クランク軸によってそれぞれ直接回転駆動して、排気側カムシャフトに固定された駆動カムによって排気弁を開閉作動させる一方、吸気弁は吸気側カムシャフトに固定された偏心カムの回動に伴って揺動するロッカアームを介して揺動カムの揺動によって開閉作動されると共に、制御軸の回動位置に応じてロッカアームの揺動支点を変化させることにより、揺動カムの吸気弁つまりバルブリフター上面に対する摺接位置を変化させることにより、吸気弁のバルブリフト特性を変化させるようになっている。
【0015】
そして、前述のように、ロッカアームや偏心カムを吸気側カムシャフトに直接設けることによってロッカアームの支持軸や偏心カムの支持機構などをカムシャフトと別個に設ける必要が全くなくなるため、部品点数の増加の抑制と機関上方向の省スペース化が図れる。
【0016】
一方、前記制御軸を排気側カムシャフトの軸受を利用して軸受けして、該排気側カムシャフトの側部付近に配置すれば、前記ロッカアームなどを吸気側カムシャフトに設けることと相俟って、装置全体の高さを十分に低くすることが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明の可変動弁装置の第1の実施形態を示しており、この可変動弁装置は、シリンダヘッド11に装着されて、このシリンダヘッド11の両側部に図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられた吸気弁12及び排気弁13と、シリンダヘッド11の上部両側に機関前後方向に沿って並設された各1本の吸気側カムシャフト14及び排気側カムシャフト15と、該排気側シャフト15に固定されて、前記排気弁13をバルブスプリングのばね力に抗して開作動させる駆動カム16と、吸気側シャフト14に揺動自在に支持されて、吸気弁12をバルブスプリングのばね力に抗して開作動させる揺動カム17と、吸気側カムシャフト14の揺動カム17に伝達する伝達機構18と、伝達機構18の姿勢を制御して吸気弁12に対する揺動カム17の摺接位置を変化させて吸気弁12のバルブリフト量を可変制御する制御機構19とを備えている。
【0018】
前記吸気弁12と排気弁13は、図外の傘部と一体のバルブステムの上端部に有蓋円筒状の直動型バルブリフター20、21が設けられており、このバルブリフター20、21はシリンダヘッド11の円柱状の保持孔内にそれぞれ摺動自在に設けられている。
【0019】
前記吸気側カムシャフト14と排気側カムシャフト15は、前端部に設けられた図外の従動スプロケットやタイミングチェーンを介して機関のクランク軸から回転力が伝達されていると共に、シリンダヘッド11の上端部にボルト固定された吸気側カム軸受25と排気側カム軸受40に回転自在にそれぞれ軸支されている。
【0020】
また、この排気側カムシャフト15は、排気弁13に対応する位置に前記駆動カム16が一体に設けられており、この駆動カム16は、一般的な雨滴状に形成されて、外周面が排気側バルブリフター21の上面に摺接している。
【0021】
前記吸気側カムシャフト14は、外周面の各気筒間位置に前記伝達機構18の一部を構成する偏心カム22が固定されていると共に、前記吸気弁12に対応する位置に吸気弁12を開作動させる前記揺動カム17が揺動自在に支持されている。
【0022】
前記揺動カム17は、図1、図2に示すようにほぼ横U字形状を呈し、筒状の基端部17aの内部には、吸気側カムシャフト14が回転自在に挿通する支持孔が貫通形成されていると共に、前記基端部17aから斜め上方向に延びるカムノーズ部17bには、ピン孔が貫通形成されている。
【0023】
さらに、揺動カム17の下面には、図1に示すように基端部17a側の基円面24aと、該基円面24aから先端部の端縁側に円弧状に延びるカム面24bとが形成されており、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブリフター20の上面所定位置に当接するようになっている。すなわち、図1に示すように基円面24aの所定角度範囲がベースサークル区間になり、カム面24bの前記ベースサークル区間から所定角度範囲がいわゆるランプ区間となり、さらにカム面24bのランプ区間から先端部(カムノーズ部17b)までの所定角度範囲がリフト区間になるように設定されている。
【0024】
前記伝達機構18は、前記偏心カム22と、該偏心カム22の外周面に揺動自在に支持されたロッカアーム27と、ロッカアーム27の一端部27aと揺動カム17のカムノーズ部17b側とを連係するリンクロッド28とから構成されている。
【0025】
前記偏心カム22は、ほぼ円盤状に形成されて、軸心X1が図1に示すように吸気側カムシャフト14の軸心Xからε分だけオフセット配置されている。
【0026】
前記ロッカアーム27は、図1に示すようにほぼく字形状に折曲形成され、機関幅方向に延設されて、その長さは比較的短く設定されていると共に、中央の基部に有するカム孔27cを介して偏心カム22に揺動自在に支持されている。また、ロッカアーム27の一端部27aには、前記リンクロッド28と連結するピン30の先端部が回転自在に挿通支持されるピン挿通孔が貫通形成されている一方、他端部27bには、後述する制御アーム34と連結するピン31が回転自在に挿通支持されるピン孔が貫通形成されている。
【0027】
前記リンクロッド28は、短尺なく字形状に折曲形成されて、円形状の両端部に形成された各ピン挿通孔に、ロッカアーム27の一端部27aに圧入したピン31と、前記揺動カム17のカムノーズ部17bのピン孔に圧入したピン32がそれぞれ回転自在に挿通されている。
【0028】
尚、各ピン30,31,32の先端部には、各ピン挿通孔からの抜け出しを防止する図外のスナップリングが嵌着されている。
【0029】
前記制御機構19は、前記排気側カムシャフト15のカム軸受40に回動自在に支持された制御軸29と、該制御軸29に固定された制御カム33と、該制御カム33と前記ロッカアーム27の他端部27bとを連係する前記制御アーム34と、前記制御軸29を回動させる図外の電動アクチュエータとを備えている。
【0030】
前記制御軸29は、排気側カムシャフト15の吸気側寄りの側方位置に配置されて、機関前後方向に延設されていると共に、後端部に接続された前記電動アクチュエータによって所定回動範囲内で回転するように制御されている。
【0031】
前記制御カム33は、円環状を呈し、図1に示すように軸心P1が制御軸29の軸心P2からα分だけ偏倚している。
【0032】
前記制御アーム34は、直線状を呈し比較的大径な一端部34aに形成されたカム孔34c内に前記制御カム33摺動自在に嵌合していると共に、小径な他端部34bが前記ロッカアーム27の他端部27bにピン31によって回動自在に連結されている。
【0033】
前記電動アクチュエータは、機関の運転状態を検出する図外のコントローラからの制御信号によって駆動するようになっている。
【0034】
コントローラは、クランク角センサやエアーフローメータ,水温センサ等の各種のセンサからの検出信号に基づいて現在の機関運転状態を演算等により検出して、前記電動アクチュエータに制御信号を出力している。
【0035】
以下、本実施形態の作用を説明すれば、排気弁13は、排気側カムシャフト15の回転駆動により駆動カム16が回転してバルブスプリングのばね力とともに開閉作動すると共に、機関運転状態の変化に拘わらず、駆動カム16のカムプロフィールによって同一かつ固定的なバルブリフト特性を示す。
【0036】
一方、各吸気弁12は、吸気側カムシャフト14の回転駆動力によって偏心カム22が偏心回動することによってロッカアーム27が揺動し、この揺動力によってリンクロッド28を介して揺動カム17を揺動させることにより開閉作動される共に、機関運転状態の変化に応じてバルブリフト特性が変化する。
【0037】
すなわち、まず、機関低速低負荷時には、コントローラからの制御信号によって電動アクチュエータによって制御軸29が一方に回転駆動される。このため、制御カム33は、軸心P1が図1,図2に示すように制御軸29の軸心P2から図示のように右下方の回動位置に保持され、厚肉部33aが制御軸29から右下方向に偏心回動する。このため、ロッカアーム27は、他端部27b側が下方に引き下げられて全体が図示のように反時計方向に回動し、これによって揺動カム17のカムリフト部17bがリンクロッド29を介して強制的に若干引き上げられて全体が図中反時計方向に回動し、バルブリフター16の上面に対する下面の当接位置が基円部24aの端縁側寄りになる。
【0038】
したがって、図1、図2に示すように吸気側カムシャフト14の回転に伴い偏心カム22が回転して、ロッカアーム27を揺動させることによりリンクロッド28を介して揺動カム17を揺動させると、そのリフト力がバルブリフター20に伝達され、そのリフト量L1が図2に示すように比較的小さくなる。
【0039】
よって、かかる低速低負荷域では、図5の一点鎖線で示すように吸気弁12のバルブリフト量が小さくなると共に、開時期が遅くなり、排気弁13とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
【0040】
一方、機関高速高負荷時に移行した場合は、コントローラからの制御信号によって電動アクチュエータが反対方向に回転駆動される。したがって、図3及び図4に示すように制御軸29が、今度は制御カム33を図1に示す位置から時計方向に回転させ、軸心P1(厚肉部33a)を左上方向位置に移動させる。このため、ロッカアーム27は、今度は全体が時計方向に回動して他端部27bが揺動カム17の上端部カムノーズ部17bをリンクロッド28を介して下方へ押圧して該揺動カム17全体を所定量だけ時計方向へ回動させる。
【0041】
したがって、揺動カム17のバルブリフター20上面に対する下面当接位置が図3,図4に示すように図中右側位置に移動する。このため、偏心カム22が回転してロッカアーム27の一端部27aをリンクロッド28を介して下方へ押し出すと、バルブリフター20に対するそのリフト量L2は図4に示すように大きくなる。
【0042】
よって、かかる高速高負荷域では、図5の実線で示すように、バルブリフト特性が低速低負荷域に比較して大きくなり、バルブリフト量も大きくなると共に、各吸気弁12の開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。
【0043】
このように、本実施形態では、吸気弁12の開閉時期やバルブリフト量を可変にできることは勿論のこと、吸気側カムシャフト14に、偏心カム22を一体に設けると共に、揺動カム17やロッカアーム27をも揺動自在に設けたため、装置の高さを十分に低くできる。
【0044】
すなわち、偏心カム22の回転駆動を従来のような独自のカムシャフトではなく既存の吸気側カムシャフト14によって行い、また、この吸気側カムシャフト14に揺動カム17とロッカアーム27とを一緒に支持させるようにしたため、シリンダヘッド11上方のバルブトレインの高さを低くすることが可能になる。この結果、装置を直列型やV型のエンジンに拘わらず、該エンジンへの搭載性が良好になると共に、エンジンフードの高さを十分に低く設定できる。また、部品点数の増加を抑制できるため、製造作業能率の向上とコストの低廉化が図れる。
【0045】
しかも、前記ロッカアーム27の吸気側カムシャフト14に対する配置構成からして、制御軸29を、排気側カムシャフト15のカム軸受40を利用して排気側カムシャフト15の吸気側カムシャフト14寄りの側部に配置することが可能になるため、該制御軸29の配置高さを十分に低い位置に設定できる。したがって、この点からしてもバルブトレインの高さを十分に低くすることが可能になる。
【0046】
また、制御軸29や制御カム33及び制御アーム34は、排気側カムシャフト15と吸気側カムシャフト14との間の所謂デットスペースに配置してあるため、該デッドスペースの有効利用が図れると共に、周囲にこれらの回動を規制するような部材もないことから大きな回動範囲に設定することが可能になる。この結果、制御カム33の制御軸29の軸心P2からの偏心量αを大きく設定できるため、ロッカアーム27の回動範囲を大きくすることができ吸気弁12のバルブリフト特性を大きく変化させることができる。
【0047】
また、吸気側カムシャフト14や排気側カムシャフト15及びこれらの軸受25、40などの構造を変更するものではないため、シリンダヘッド11の形状変更を要さず、既存の内燃機関にそのまま搭載することが可能となる。この結果、製造コストの高騰を抑制できる。
【0048】
また、前記偏心量αの増加にともなって、揺動カム17の大きな揺動角を得ることができるので、揺動カム17の前記ランプ区間θ2を大きくすることが可能になり、これによってバルブリフター20と揺動カム17の衝突速度を緩和でき、この結果、駆動騒音の発生を抑制することが可能になる。
【0049】
さらに、揺動カム17は、ロッカアーム27によりリンクロッド28を介して強制的に左右に揺動させられるため、従来のようなリターンスプリングが不要になり、これによってスプリング反力によるフリクションの発生を防止できる。
【0050】
図6及び図7は本発明の第2の実施形態を示し、前述の制御カム33を廃止して短尺な制御アーム34の一端部34aを内部中空状の制御軸29に直接固定する一方、他端部34bとロッカアーム27の他端部27bとを直線状のリンクアーム35によって連係したものである。
【0051】
したがって、制御アーム34の他端部34b側の回動量が大きくなるため、制御軸29の回転作動角を小さくできる。この結果、電動アクチュエータの駆動負荷を低減できるので、該電動アクチュエータの小型化が図れ、装置全体のコンパクト化と電力消費の低減化が図れる。
【0052】
図8及び図9は第3の実施形態を示し、制御カム33を廃止した点では第2の実施形態と同様であるが、さらにリンクアーム35を廃止する一方、ロッカアーム27の他端部27bに端縁から中心方向に向かってスリット36を形成し、このスリット36に制御アーム34の他端部34bに固定された摺動ピン37を摺動自在に係合させる構成とした。この摺動ピン37は、基部が前記制御アーム34の他端部34bに形成された保持孔38内に回動自在に支持されていると共に、先端部の両側に前記スリット36の対向内面に係合する2面巾の平面状に形成されている。なお、前記基部はスナップリングなどで保持孔38からの抜けが防止されている。
【0053】
したがって、制御軸29の回転に伴い制御アーム34の摺動ピン37の先端部がロッカアーム27のスリット36内を摺動しながら該ロッカアーム27の回動位置制御を行なう。このため、この回動位置の制御精度が向上すると共に、部品点数の削減によって構造の簡素化とコストの低廉化が図れる。
【0054】
尚、本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、吸排気弁12、13を一気筒当りそれぞれ2つ設けたものに適用できることは勿論のこと、この場合、揺動カム17も2つ設けてこれらのプロフィールを異ならせて、2つの吸気弁12にリフト差を与えることも可能である。これによって1つの気筒内での吸気スワール効果が大きくなり、燃焼性が良好になる効果が得られる。また、一方側のカムシャフトを吸気側カムシャフトに設定すると共に、他方側のカムシャフトを排気側カムシャフトに設定することも可能である。
【0055】
また、アクチュエータを電動に替えて油圧式のものとすることも可能であり、この場合、油圧アクチュエータがシリンダヘッド11に直接取付られていることから、油圧回路構造も単純化することができるため、通路抵抗が低減されて、該油圧アクチュエータの作動応答性が良好になる。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、シリンダヘッド上のバルブトレインの高さを十分に低くすることができる。この結果、直列型、V型のエンジンに拘わらず該エンジンに対する装置の搭載性が良好になると共に、エンジンフードの高さも可及的に低く設定することができる。
【0057】
また、部品点数の増加を抑制でき、製造作業能率の向上とコストの低廉化が図れる。
【0058】
さらに、吸気側カムシャフトや排気側カムシャフト及びこれらの軸受などの構造を変更するものではないため、シリンダヘッドの形状変更を要さず、既存の内燃機関にそのまま搭載することが可能となる。この結果、製造コストの高騰を抑制できる。
【0059】
しかも、制御軸と制御アームとを機関の幅方向のデットスペースに配置したため、このデットスペースの有効利用が図れると共に、制御アームの回動を規制する部材などがないため、制御アームの回動範囲を大きく設定することができる。したがって、バルブリフト特性を大きく変化させることができ、機関性能を向上させることが可能になる。
【0060】
請求項3に記載の発明によれば、制御カムを廃止することによって部品点数の削減と構造の簡素化が図れると共に、組立作業性も良好になる。
【0061】
請求項4に記載の発明によれば、さらに部品点数の削減が図れ、製造コストと組立作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す要部断面図。
【図2】同実施形態の低バルブリフト時の作用説明図。
【図3】同実施形態の高バルブリフト時の作用説明図。
【図4】同実施形態の高バルブリフト時の作用説明図。
【図5】同実施形態のバルブタイミングとバルブリフトの特性図。
【図6】第2の実施形態を示す要部断面図。
【図7】同実施形態の作用説明図。
【図8】第3の実施形態を示す要部断面図。
【図9】同実施形態の作用説明図。
【図10】従来の可変動弁装置を示す断面図。
【符号の説明】
11…シリンダヘッド
12…吸気弁
13…排気弁
14…吸気側カムシャフト
15…排気側カムシャフト
16…駆動カム
17…揺動カム
18…伝達機構
19…制御機構
22…偏心カム
27…ロッカアーム
27a…一端部
27b…他端部
28…リンクロッド
29…制御軸
33…制御カム
34…制御アーム

Claims (5)

  1. 機関のクランク軸によって回転駆動される吸気側カムシャフト及び排気側カムシャフトと、一方側のカムシャフトの外周に固定されて、前記吸気側あるいは排気側の一方側の機関弁を開作動させる駆動カムと、前記吸気側あるいは排気側の他方のカムシャフトに揺動自在に支持されて、他方側の機関弁を開作動させる揺動カムと、前記他方側のカムシャフトに軸心を偏倚して固定された偏心カムと、該偏心カムの外周に揺動自在に支持されて、一端部が前記揺動カムに機械的に連係したロッカアームと、前記一方のカムシャフト側に設けられて、制御アームを介して前記ロッカアームの他端部に連係した制御軸とを備え、
    該制御軸の回動位置に応じてロッカアームの揺動支点を制御することによって前記揺動カムの機関弁に対する摺接位置を変化させて、該機関弁のリフト量を可変制御することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記制御軸の外周に制御カムを一体に固定すると共に、該制御カムに前記制御アームを介して前記ロッカアームの他端部に連係すると共に、前記制御軸の回動位置を、機関運転状態を検出するコントローラによって駆動するアクチュエータにより制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 制御アームの一端部を前記制御軸に直接連結固定すると共に、他端部にリンクアームの一端部を回転自在に連結し、該リンクアームの他端部をロッカアームの他端部に回転自在に連結したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 制御アームの一端部を前記制御軸に直接連結固定すると共に、前記ロッカアームの他端部にスリットを形成し、このスリットに前記制御アームの他端部を摺動自在に係合したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記一方側のカムシャフトを排気側カムシャフトに設定する一方、他方側のカムシャフトを吸気側カムシャフトに設定したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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