JP3663183B2 - 電磁調理器用樹脂容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導により発熱する層を備えた食器その他の樹脂容器に関し、例えば病院食や機内食の加熱用食器として用いるのに適した電磁調理器用樹脂容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁調理器には電磁誘導により発熱する専用の容器が用いられる。このような電磁調理器用容器としては、磁性材料からなるもの(特開平5−101874号公報参照)、樹脂製の容器の内部に磁性材料または導電材料からなる発熱体を内蔵させたもの(特開平10−14760号公報、特開2001−204627号公報および特許3145023号公報参照)等が知られている。特に、発熱体を内蔵させた樹脂容器は、病院、レストラン、航空機等での使用に適した業務用の食器として期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の樹脂製の電磁調理器用樹脂容器は、樹脂容器を構成する樹脂材料の熱伝導率が低いために、内容物の加熱が不十分になることがある。また、長時間加熱が続くと、発熱体の周囲に熱が滞り、熱応力によって容器が変形しやすくなる。
これに対し、熱伝導率の高い樹脂材料を用いることで容器の熱伝導率を高めることも考えられる。しかし、このような樹脂容器では、発熱体の熱で容器表面の温度が高くなり過ぎる。我が国のように食器を手で持って食事をする習慣のある国ではきわめて不便である。
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、内容物を加熱しやすく、しかも手で持ちやすい電磁調理器用樹脂容器を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
前記課題を解決するための本発明の電磁調理器用樹脂容器は、樹脂成形体の内部に電磁誘導によって発熱する発熱体を埋め込んで形成されている。その樹脂成形体は、相互に熱伝導率の異なる二つの樹脂層であって両層を構成する樹脂が同一である二つの樹脂層を少なくとも備える。前記容器の外側に、それらの樹脂層のうち低熱伝導樹脂層が設けられている。また、前記発熱体よりも前記容器の内側に、それらの樹脂層のうち高熱伝導樹脂層が設けられている。そして、高熱伝導樹脂層は、前記低熱伝導樹脂層の樹脂材料に高熱伝導フィラーを混合してなる複合材料で構成されている。
ここで「低熱伝導樹脂層」とは、樹脂成形体を構成する複数の樹脂層のうち相対的に熱伝導性の低い樹脂層をいう。同様に、樹脂成形体を構成する複数の樹脂層のうち相対的に熱伝導性の高い樹脂層を「高熱伝導樹脂層」という。
【0005】
かかる構成の電磁調理器用樹脂容器は、容器の内容物を加熱する場合、発熱体の熱が高熱伝導樹脂層に積極的に伝熱し、容器の内側面に多く放熱する。これにより内容物を効率よく加熱することができる。また、発熱体の周囲に熱が滞りにくいことから、長時間加熱しても熱応力による容器の変形が起こりにくい。さらに、容器の外側は熱の伝わりにくい低熱伝導樹脂層で形成されるため、容器外側面の温度上昇が抑えられる。したがって手で容器を持ち易くなる。さらに、低熱伝導樹脂層は保温効果を兼ね備えるため内容物が冷めにくい。
特に、低熱伝導樹脂層を構成する樹脂材料と高熱伝導樹脂層を構成する樹脂材料とが同一であるので、両者の相溶性が良好である。このため、各層を良好に接合させることが容易であり、高強度の容器を提供できる。
【0006】
本発明の電磁調理器用樹脂容器のうち好ましいものでは、前記発熱体が前記高熱伝導樹脂層と前記低熱伝導樹脂層との間に埋め込まれている。
このような構成の樹脂容器は製造が容易である。また、発熱体よりも容器内側は実質的に高熱伝導樹脂層から構成されるとともに、発熱体よりも容器外側は実質的に低熱伝導樹脂層から構成されているので、この高熱伝導樹脂層を内容物の加熱のために効率よく利用することができる。
【0007】
本発明の電磁調理器用樹脂容器は、前記低熱伝導樹脂層と前記高熱伝導樹脂層との間に前記発熱体が埋め込まれた三層構造部分を有する底壁と、前記底壁の周端部に立ち上げられ、前記低熱伝導樹脂層および前記高熱伝導樹脂層からなる二層構造部分を有する側壁とを備えた構成とすることができる。
かかる構成では、発熱体の熱が高熱伝導樹脂層を伝わり、この熱が底壁および側壁の内側面から容器内に放熱し、内容物を効率よく加熱する。底壁のみに発熱体が埋め込まれるため、容器側面の持ち易さが良好になる。
【0008】
また、本発明の電磁調理器用樹脂容器は、前記低熱伝導樹脂層と前記高熱伝導樹脂層との間に前記発熱体が埋め込まれた三層構造部分を有する底壁と、前記底壁の周端部に立ち上げられ、前記低熱伝導樹脂層からなる単層構造の側壁とを備えた構成とすることができる。
かかる構成では、発熱体の熱が高熱伝導樹脂層を介して主に容器内の底面から放熱し、内容物を加熱する。単層構造の側壁は発熱体の熱で温度変化しにくいため、容器の外側を触っても熱さを感じにくい。また、高価な高熱伝導樹脂の使用量を抑えることができ、製造コストの削減を図ることも可能になる。
【0009】
本発明の電磁調理器用樹脂容器は、前記低熱伝導樹脂層および前記高熱伝導性樹脂層がそれぞれ異なる色彩の樹脂材料で構成することができる。
容器の高温部分と低温部分とを肉眼で容易に識別することができれば、調理や食事の際により快適に容器を使用することができる。そこで前記発明では、低熱伝導樹脂層と高熱伝導樹脂層とを異なる色彩の材料で構成することにより、容器の温度差を色で見分けることができるようにした。
【0011】
本発明の電磁調理器用樹脂容器の好ましい例では、前記低熱伝導樹脂層および前記高熱伝導樹脂層の樹脂材料がポリフェニレンサルファイドである。他の好ましい例では、前記高熱伝導フィラーがセラミック系ファイバである。さらに、このセラミック系ファイバが前記高熱伝導樹脂層の厚さ方向に配向した構成とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
前記発熱体の構成材料としては、電磁誘導により発熱するものであればよく、抵抗率が大きく比誘磁率の高い磁性体または誘電体を用いることができる。例えば、ステンレス、アルミニウム、銀、亜鉛等を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
この発熱体の形状は特に限定されず、例えば板状、箔状、網状、棒状、粒状等とすることができる。板状または箔状の発熱体にパンチ穴を形成して樹脂層との接合性を高めてもよい。
【0013】
前記低熱伝導樹脂層を構成する材料としては、耐熱性および耐衝撃性に優れた樹脂を用いるとよい。例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、メラミン樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド(PAI)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)等の樹脂を使用することができる。これらのうち耐熱性が150℃以上の樹脂が好ましく使用される。かかる樹脂の典型例としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリカーボネート(PC)が挙げられる。本発明にとって特に好適な樹脂材料はポリフェニレンサルファイド(PPS)である。
【0014】
前記高熱伝導樹脂層は、典型的には樹脂と高熱伝導フィラーとを含有する。高熱伝導樹脂層を構成する樹脂としては、低熱伝導樹脂層の構成材料として例示した前述の樹脂等を用いることができる。両層の接合強度を高めやすいという観点から、両層を構成する樹脂が同一であることが特に好ましい。
【0015】
高熱伝導樹脂層に含有される高熱伝導フィラーとしては、ガラス、結晶性シリカ、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド、炭化ケイ素、炭化チタニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタニウム、窒化アルミニウム、ホウ化ジルコニウム、ケイ化モリブデン、グラファイト、ホウ化リン、硫化ベリリウム等から構成された繊維状、粒状等の粉末を使用してもよい。これらの高熱伝導フィラーの2種以上を併用してもよい。これらのうち、ガラスファイバ等のセラミック系ファイバが好ましく使用される。このようなセラミック系ファイバを用いると、容器の軽量化を図りやすく、また、容器の強度を高めやすいからである。
【0016】
高熱伝導性樹脂層全体の質量に占める高熱伝導フィラーの含有割合は、例えば5〜70質量%の範囲とすることができる。好ましい含有割合は10〜50質量%の範囲であり、より好ましい範囲は20〜40質量%である。高熱伝導フィラーの含有割合が上記範囲よりも少なすぎると熱伝導性の向上効果が低くなる。一方、高熱伝導フィラーの含有割合が上記範囲よりも多すぎると、高熱伝導性樹脂層の成形性が低下したり、その外観の滑らかさが損なわれたりしやすい。望ましくは、高熱伝導フィラーの含有割合を30質量%程度(例えば25〜35質量%)に設定するとよい。
【0017】
高熱伝導フィラーとしてセラミック系ファイバ(典型的にはガラスファイバ)のように繊維状のものを用いる場合には、その含有量や繊維配向などを制御することにより、高熱伝導樹脂層に熱伝導異方性をもたせてもよい。高熱伝導樹脂層の層厚方向にセラミック系ファイバの繊維軸を配向させると、容器の内側に熱を伝えやすくすることができる。例えば、発熱体を埋め込んだ底壁の内側に、前記のような熱伝導異方性をもつ高熱伝導樹脂層を採用すると、より加熱効率が高く、かつ手で持ち易い電磁調理器用樹脂容器を実現することが可能になる。ここで、加熱効率を高めるためには高熱伝導フィラーの配向度は高いほど有利であるが、少なくともランダムよりも層厚方向に配向していれば加熱効率を向上させることが可能である。
また、セラミック系ファイバ等の含有量や繊維配向を制御することで高熱伝導樹脂層に熱膨張異方性をもたせてもよい。例えば、低熱伝導性樹脂層と高熱伝導樹脂層との接合面の熱膨張差を抑えるために、層厚方向に熱膨張による応力を逃がすようにしてもよい。
【0018】
前記高熱伝導樹脂層の熱伝導率が1.2 W/m・K以上、望ましくは3 W/m・K以上になるように高熱伝導フィラーの種類や含有量等を調節するとよい。これらを適切に調節することにより、3〜5W/m・K(より適切な条件では3〜10W/m・K)の熱伝導率をもつ高熱伝導樹脂層を得ることも可能である。
【0019】
前記高熱伝導樹脂層は、樹脂成形体のうち少なくとも発熱体よりも容器内側に位置する部分に設けられている。すなわち本発明の樹脂容器では、発熱体が埋設された箇所から容器内面(内容物が収容される部分の表面)に至る最短伝熱経路が、実質的に高熱伝導樹脂層により構成されている。これにより、発熱体の熱を容器内面方向に効率よく伝えることができる。また、樹脂成形体の容器内側に相当する部分であって埋設された発熱体から離れた部分にも、この最短伝熱経路から連続して高熱伝導樹脂層を設けることができる。例えば図1に示すように、容器内面の全部を包含する内側部分の全域を高熱伝導樹脂層で覆った(形成した)構成とすることができる。また、発熱体が底壁に埋設された構成において、この底壁の内面から立ち上がった側壁下部の内面までを包含する内側部分を一続きの高熱伝導樹脂層で覆い(形成し)、その一方で側壁上部には高熱伝導樹脂層を設けない構成とすることもできる。このように側壁の一部(下部)に高熱伝導樹脂層を設ける場合は、加熱対象である食品等の内容物が接触しやすい部分に前記高熱伝導樹脂層が配置されるように設計するのが望ましい。
【0020】
さらに、高熱伝導樹脂層の一部は発熱体よりも容器外側に位置していてもよい。例えば、発熱体が高熱伝導樹脂層の内部に埋め込まれた構成とすることができる。このとき、発熱体より容器内側にある高熱伝導樹脂層の厚さが、発熱体より容器外側にある高熱伝導樹脂層の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0021】
前記低熱伝導樹脂層は容器の外側(典型的には容器の外面を包含する部分)に設けられている。容器外面の全部を包含する外側部分の全域を低熱伝導樹脂層で覆った(形成した)構成が好ましい。あるいは、容器外面のうち一部範囲(例えば、容器の使用時に手で触れにくい箇所)には低熱伝導樹脂層を設けない構成としてもよい。
なお、本発明の電磁調理器用樹脂容器が備える低熱伝導樹脂層および高熱伝導樹脂層の数は、いずれも一つでもよく二つ以上でもよい。
【0022】
低熱伝導樹脂層と高熱伝導性樹脂層との色彩を異ならせる(透明度、濃淡等の違いを含む)ことにより、各層の設けられた箇所の識別性を向上させることができる。両層の色彩を異ならせる方法としては、一方または両方の層に従来公知の着色剤を含有させる方法が好ましく用いられる。あるいは、両層を構成する樹脂自体の色彩を異ならせてもよい。
【0023】
前記発熱体は、樹脂成形体の一箇所に埋め込まれていてもよく、二箇所以上に分けて埋め込まれていてもよい。少なくとも樹脂成形体の底部に発熱体が埋め込まれていることが好ましい。ここで「底部」とは、電磁調理器用樹脂容器の使用時において相対的に下側に位置する部分(典型的には、電磁調理器に対して発熱可能に近接する部分)をいう。例えば、樹脂成形体の底壁や、この底壁に続く壁面のうち底に近い部分(典型的には側壁下部)が「底部」に該当する。
【0024】
本発明の容器は、低熱伝導樹脂層と高熱伝導樹脂層との間に発熱体が埋め込まれた三層構造部分を有する底壁を備えることが好ましい。底壁の内面(内容物が収容される側の表面)からみて、発熱体が埋め込まれた部分(三層構造部分)の面積の割合が内面全体の50%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。一般に、かかる面積が大きいほど迅速な加熱が実現される。この観点から、底壁内面のほぼ全面をカバーし得る大きさの発熱体が埋め込まれているものが特に好ましい。
【0025】
本発明は、皿類、碗類、カップ類等の各種形状の食器に好ましく適用することができる。ここでいう「食器」には食品等を載せるためのトレー等も含まれる。本発明は、碗類、丼類、鉢類、湯のみ類等の和食器や、各種カップ類、徳利等のように径の小さい食器に対して特に好ましく適用される。その他、重箱、弁当箱、水筒、コンテナ等の保存容器に本発明を適用してもよい。また、電磁調理器用の調理用容器(鍋、やかん、フライパン等)に本発明を適用することも可能である。
なお、本明細書において「調理」とは飲食物等を加熱する処理一般(保温を含む)をいう。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
第1実施例による電磁調理器用樹脂容器を図1および図2に示す。図1および図2は、取手付きカップの縦断面および横断面を示したものである。
図1および図2に示すように、カップ10は、円形の底壁2とその外周部に立ち上げられる側壁3からなる。底壁2の内部には電磁誘導により発熱する発熱体4が埋め込まれている。側壁3の外周面には取手5が設けられる。カップ10にはコーヒー、スープなどの飲料が入る。
【0027】
底壁2および側壁3は、相互に熱伝導率の異なる二種の樹脂層、すなわち低熱伝導樹脂層Lおよび高熱伝導樹脂層Hを備える。すなわちこのカップ10は、外側に低熱伝導樹脂層L、内側に高熱伝導樹脂層Hを配置した二層構造の樹脂成形体を主体に構成されている。
【0028】
底壁2には、低熱伝導樹脂層Lと高熱伝導樹脂層Hとの間に板状の発熱体4が設けられる。発熱体4は、これらの層の間に挟まれて固定される。すなわち、底壁2の断面は、低熱伝導樹脂層Lと高熱伝導樹脂層Hとの間に発熱体4を挟んだ三層構造になっている。
【0029】
側壁3は、カップ10の外側に低熱伝導樹脂層L、内側に高熱伝導樹脂層Hが設けられる。これらの樹脂層は、底壁2の低熱伝導樹脂層Lおよび高熱伝導樹脂層Hに連なって筒状に延びる。側壁3の低熱伝導樹脂層Lと高熱伝導樹脂層Hとの間には発熱体が埋め込まれない。側壁3の断面は、低熱伝導樹脂層Lと高熱伝導樹脂層Hの二層構造である。
【0030】
カップ10を製造する際には、二色成形、二回成形等の成形方法で低熱伝導樹脂層Lおよび高熱伝導樹脂層Hを形成することができる。例えば、二色射出成形機を使用する場合、まず、第1シリンダより第1材料(高熱伝導樹脂)を射出成形して一次成形品とする。一度型開きをして一次成形品に発熱体を固定した後、一次成形品をコア側に付着させたまま金型回転盤を180゜回転させて型を閉じ、第2シリンダより第2材料(低熱伝導樹脂)を射出成形し、再び型を開いて二次成形品を取り出す。一次成形用金型と二次成形用金型の二組の金型を使用し、二組の射出装置をほぼ同時に作動させることで、半回転ごとに1ショットの成形品を得ることができる。
その他の製造方法として、二組の金型を垂直軸のまわりに背中合わせに取付けて垂直軸を中心にして半回転させる方法や、一組の金型内に一次成形用と二次成形用のキャビティ、コアのセットを設ける方法等を用いてもよい。
なお、前記第1実施例の変形例として、二以上の樹脂層を備える樹脂容器を製造する場合には、前記成形方法のシリンダの数を増して多色成形を行うとよい。
【0031】
図1に示すように、カップ10に飲料を入れて電磁調理器6に載せると、電磁誘導によって発熱体4が発熱し、この発熱体4からの伝熱によって低熱伝導樹脂層Lおよび高熱伝導樹脂層Hが加熱される。このとき、熱伝導率の高い高熱伝導樹脂層Hに発熱体4の熱がより速く伝達するため、図1矢印に示すように、カップ10の内側面に効率よく熱が放射される。容器内の飲料は、カップ10の内側面からの放熱によって直ぐに暖まる。
一方、低熱伝導樹脂層Lには発熱体4の熱が伝わりにくく、カップ10の外側面の温度が上がりにくいため、熱さを気にすることなく、カップ10を手で持ち上げることができる。
【0032】
底壁2の内部では、発熱体4の周囲の温度が比較的高くなる。この熱は、発熱体4に密着する高熱伝導樹脂層Hを通してカップ10内に積極的に放出されるので、発熱体4の周囲に熱が滞りにくく、底壁2の温度上昇が抑えられる。この結果、長時間加熱を続けても、発熱体4の熱で底壁2が変形しにくくなる。
【0033】
次に、本発明による電磁調理器用樹脂容器の製造例を示す。
低熱伝導樹脂層には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を使用し、高熱伝導樹脂層には、PPS樹脂にセラミック系ファイバを質量比でほぼ30%混合したもの(ファイバ入PPS)を使用した。発熱体には厚さ0.1〜1mm、直径65mmの円形ステンレス板(SUS板)を用いた。
【0034】
まず、射出成形により高熱伝導樹脂からなる一次成形品を形成し、この一次成形品の底面にステンレス板を接着剤により接着した。次いで、二次成形用の雄型に一次成形品をセッティングして、低熱伝導樹脂を射出成形し、二次成形品を得た。この二次成形品では、高熱伝導樹脂層と低熱伝導樹脂層との間にステンレス板を完全密着させることができた。ステンレス板は外からは見えないために美観的にも優れたものになった。
前記製造例による容器(容器A)に水100mlを入れて家庭用電磁調理器で加熱したところ、20分後には水温が69.5℃(ほぼ70℃)に達した。また、この加熱後の容器は、熱さを気にすることなく容易に手で持つことができた。
【0035】
これに対して、高熱伝導樹脂層を設けない容器(容器B;前記製造例で高熱伝導樹脂層を設けた部分にも低熱伝導樹脂層を設けた容器)を使用し、同様の条件で水を加熱したところ、20分後の水温はほぼ60℃であり、70℃まで加熱することはできなかった。この結果は、本発明の適用により加熱効率が大幅に向上することを示している。
一方、全体が高熱伝導樹脂層からなる容器(容器C;前記製造例で低熱伝導樹脂層を設けた部分にも高熱伝導樹脂層を設けた容器)を使用し、同様の条件で水を加熱したところ、20分後の水温はほぼ67℃であり、やはり70℃まで加熱することはできなかった。この結果は、本発明の適用により無駄な(内容物の加熱に寄与しない、あるいは内容物の熱を奪う)放熱が抑制され、結果的に加熱効率が大幅に向上することを示している。また、加熱後の容器は、熱いため素手で持ちにくいものであった。
【0036】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図3に示す。
第2実施例のカップ20は、低熱伝導樹脂層Lからなる単層構造の側壁23を採用したものである。底壁22は、低熱伝導樹脂層Lと高熱伝導樹脂層Hとの間に発熱体24を有する三層構造である。底壁22の外側に低熱伝導樹脂層Lが設けられ、内側に高熱伝導樹脂層Hが設けられている。なお、符号25は、第1実施例と同様な構成の取手である。
第2実施例の構成では、発熱体24の熱が高熱伝導樹脂層Hを通してカップ底面から容器内に積極的に伝達する。低熱伝導樹脂層Lからなる側壁23には熱が伝わりにくいため、内容物の温度が高い場合でも、カップ側面の温度がより低温に保たれる。カップ20を手で持つのも簡単である。
【0037】
(第3実施例)
本発明の第3実施例を図4に示す。第3実施例は、本発明をトレーに適用したものである。トレー30は、載置部(底壁)32と枠部(側壁)33からなる。載置部32には、低熱伝導樹脂層Lと高熱伝導樹脂層Hとの間に発熱体34が設けられている。枠部33は低熱伝導樹脂層Lの単層構造である。
第3実施例のトレー30によると、発熱体34の熱が高熱伝導樹脂層Hを通して放熱するため、載置面(容器内面)に接する食品等を効率よく加熱することができる。他方、トレー30の下面(底面)および枠面(枠部33の外面)は低熱伝導樹脂層Lにより熱の伝達が遮られるため、トレー30を手で持ち上げても熱さを感じにくい。
なお、第3実施例の変形例として、枠部33を省略して全体が板状のトレーにすることも可能である。
【0038】
(第4実施例)
第4実施例を図5に示す。第4実施例は、本発明を茶碗に適用したものである。茶碗40は、底壁42と側壁43とが湾曲して連なっている。底壁42の下方には高台47が設けられる。底壁42および側壁43には、容器の外側に低熱伝導樹脂層L、内側に高熱伝導樹脂層Hが設けられる。これらの樹脂層の間に椀形の発熱体44が埋め込まれる。
容器内に食品等を入れると、発熱体44の熱が高熱伝導樹脂層Hを通して容器の内側面から熱を放出し、食品等を効率よく加熱する。低熱伝導樹脂層Lにより発熱体44の熱が容器下面に伝わりにくいため、容器下面が熱くなりすぎることはない。したがって茶碗40を手で持ち上げたり支持したりしやすい。
【0039】
(第5実施例)
発熱体としてステンレス板に代えてアルミニウム箔を用いた点以外は第1実施例の容器Aと同様にして容器Dを作製した。この容器Dを使用し、第1実施例と同様の条件で家庭用電磁調理器により100mlの水を加熱したところ、20分後の水温は65.5℃であった。
また、容器Aで低熱伝導樹脂層に相当する部分および高熱伝導樹脂層に相当する部分のいずれにもアクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂を用い、その他の点は容器Aと同様にして高熱伝導樹脂層を設けない容器(容器E)を作製した。この容器Eを使用して同様に100mlの水を加熱したところ、20分後の水温は59.0℃であった。
さらに、外形形状が第4実施例と同様(図5参照)の陶磁器製容器を用意した。この陶磁器製容器には、高台47の内側に相当する底壁外面(表面)に、銀を主体とする導体ペーストを焼成してなる導体膜(発熱体)が設けられている。この陶磁器製容器を使用して同様に100mlの水を加熱したところ、20分後の水温は66.0℃であった。
【0040】
容器A(発熱体;SUS板、高熱伝導樹脂層;ファイバ入PPS)、容器D(発熱体;Al箔、高熱伝導樹脂層;ファイバ入PPS)、容器E(発熱体;SUS板、高熱伝導樹脂層なし(全体がAS樹脂から形成されている))および陶磁器製容器につき、第1実施例の条件で家庭用電磁調理器により100mlの水を加熱したときの加熱時間と水温との関係を表1および図6に示す。また、各容器を電磁調理器の調理面に載置する前後の電流および電圧の変化量から各容器の出力(W)を算出した。その結果を表1に併せて示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003663183
【0042】
図6から判るように、陶磁器製容器では加熱時間が長くなると(水温が高くなると)水温上昇速度が鈍る傾向が見られる。かかる傾向は容器Aおよび容器Dではあまり見られない。このことは、外側に低熱伝導樹脂層が設けられている容器Aおよび容器Dは、容器全体の熱伝導率がほぼ同等である陶磁器製容器に比べて保温性に優れることを示している。また、容器Aおよび容器Dの内側には高伝導樹脂層が設けられているので、陶磁器製容器と同等以上の到達温度を実現することができた。この加熱試験後の容器Aおよび容器Dには、クラック陥入等の異常はみられなかった。また、容器Aおよび容器Dに対して電磁調理器のON・OFFを10分間隔で10サイクル繰り返すサイクル試験を行ったところ、同様に樹脂層の変質等の異常は観察されなかった。
一方、内側・外側ともにAS樹脂を用いた容器Eは、出力自体は容器A,Dとほぼ同程度であるが、AS樹脂の熱伝導率が低いため水温の上昇が遅い。また、加熱試験後の容器Eには溶融やクラック陥入がみられた。
【0043】
なお、本発明はこれらの実施例に限定されることなく、他の種々の容器に適用することができる。低熱伝導樹脂層L、高熱伝導樹脂層Hおよび発熱体の厚さ、形状、材質等は容器の用途に応じて適宜変更することができる。
また、高熱伝導樹脂層Hに含有されるセラミック系ファイバfを利用して、この高熱伝導樹脂層Hに熱伝導異方性をもたせてもよい。例えば図7に示すように、セラミック系ファイバfの繊維軸を厚み方向(図7の上下方向)に配向させることにより、発熱体層Mの容器の内側への熱伝導率を大幅に向上させることが可能になる。
【0044】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例による電磁調理器用樹脂容器を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の第1実施例による電磁調理器用樹脂容器を示す横断面図である。
【図3】 本発明の第2実施例による電磁調理器用樹脂容器を示す断面図である。
【図4】 本発明の第3実施例による電磁調理器用樹脂容器を示す断面図である。
【図5】 本発明の第4実施例による電磁調理器用樹脂容器を示す断面図である。
【図6】 加熱時間と水温との関係を示す特性図である。
【図7】 本発明の電磁調理器用樹脂容器の壁面の層構造の一例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
10 カップ(電磁調理器用樹脂容器)
2 底壁
3 側壁
4 発熱体
5 取手
6 電磁調理器
L 低熱伝導樹脂層
H 高熱伝導樹脂層

Claims (3)

  1. 樹脂成形体の内部に電磁誘導によって発熱する発熱体が埋め込まれた電磁調理器用樹脂容器であって、
    前記樹脂成形体は相互に熱伝導率の異なる二つの樹脂層であって両層を構成する樹脂が同一である二つの樹脂層を少なくとも備えており、
    前記容器の外側に前記樹脂層のうち低熱伝導樹脂層が設けられており、かつ、前記発熱体よりも前記容器の内側に前記樹脂層のうち高熱伝導樹脂層が設けられており、
    前記高熱伝導樹脂層は前記低熱伝導樹脂層を構成する樹脂材料に高熱伝導フィラーを混合してなる複合材料で構成されている、電磁調理器用樹脂容器。
  2. 前記低熱伝導樹脂層および前記高熱伝導樹脂層を構成する樹脂材料がいずれもポリフェニレンサルファイドを主体とする、請求項1に記載の電磁調理器用樹脂容器。
  3. 前記高熱伝導フィラーがセラミック系ファイバである、請求項1または2に記載の電磁調理器用樹脂容器。
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