JP3662979B2 - 熱収縮性筒状体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として瓶や合成樹脂製容器等に装着されるキャップシール等として使用される熱収縮性筒状体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱収縮性筒状体、例えば瓶や合成樹脂製の容器等の開口部に安全性や密封性を高めるために装着されるキャップシール10として使用されるものとしては、図4に示すように筒状の熱収縮性フィルムからなるキャップシール本体11に、開口手段として縦方向に2条のミシン目12が刻設されたものが使用されており、該キャップシール10はキャップシール本体11を容器の上部に嵌装した後に、熱収縮させて容器に密着装着させる。
そして、容器等を使用するために、キャップシール10を開封する場合には、前記ミシン目12からキャップシール本体11を破断して開封するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにキャップシール本体11にミシン目12が形成された場合には、熱収縮させた時に、キャップシール本体11の収縮によってミシン目12が大きく開口することがあり、外観を損なったり、或いは該開口部分からキャップシール本体11が破けやすいという欠点があった。
【0004】
このような問題を解決するために、開封手段として上記のようなミシン目12を形成する代わりに開封テープを粘着剤を介してキャップシール本体の内面側に接着したキャップシールが使用されていた。
【0005】
しかしながら、このように粘着剤を介して開封テープをキャップシール本体に接着した場合には、熱収縮時にテープが皺になったり剥離し易く、また開封時にも開封テープが剥離し易く、特に該開封テープをキャップシール本体の外面側に接着した場合には、開封テープを引っ張った時に開封テープのみが剥離されてキャップシール本体を良好に破断することができないため、必ず内面側に接着しなければならず、製造する際に不便であった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、開封テープ沿いに確実に破断することができる開封容易な熱収縮性筒状体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(構成)
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その解決するための手段としては、熱収縮性を有する筒状体本体1 に開封テープ2 が貼着された熱収縮性筒状体において、前記開封テープ 2 が熱収縮性を有し、且つ前記筒状体本体 1 と開封テープ 2 が同種の合成樹脂より形成され、前記開封テープ2 が筒状体本体1 の外面に溶剤又は溶剤を含む接着剤によって貼着されてなることにある。
【0008】
(作用)
本発明の熱収縮性筒状体は、開封テープ2 は溶剤又は溶剤を含んだ接着剤によって筒状体本体1 に貼着されているため、溶剤によって筒状体本体1 の開封テープ2 が貼着された部分は脆弱化されて、開封テープ2 によって筒状体本体1 を破断する場合に、開封テープ2 が貼着された位置で破断しやすく開封が容易である。
【0009】
また、溶剤又は溶剤を含む接着剤が開封テープ2に塗布された場合には、開封テープ2の端縁が筒状体本体1表面に特に強く当接して、端縁に塗布された溶剤成分による脆弱化が開封テープ2の端縁が当接する位置で大きく、開封テープ2 の両側部の破断位置に沿って、確実に筒状体本体1を破断することができる。
【0010】
さらに、開封テープ2 が熱収縮性を有している場合には、筒状体本体1 の熱収縮時に開封テープ2 が筒状体本体1 に追随して良好に収縮し、シワ等が生じることがなく、また、開封テープ2 と筒状体本体1 が同種の合成樹脂から形成されている場合には、両者を溶着によって強固に接着することができ、開封時に、開封テープ2 が筒状体本体1 から剥離して、破断できないということがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明していく。
図1に示す1は熱収縮性を有する筒状のキャップシール本体で、該キャップシール本体1は、厚さ約60μm程度のポリ塩化ビニルよりなる横一軸延伸フィルムの横方向を周方向として形成され、該キャップシール本体1は上端縁6が内側に折れ曲がり、且つ側周部は下方に向かって径がやや広がった形状に形成されている。
【0012】
また、該キャップシール本体1には、必要に応じて商品名や任意のデザイン等の印刷を施してもよい。
【0013】
2は、前記キャップシール本体1の外面の上下方向と長手方向が一致するように貼着された開封テープで、該開封テープ2は、上記キャップシール本体1と同様に熱収縮性を有した厚さ約30μm程度のポリ塩化ビニル製フィルムから細いテープ状に形成されたものである。
【0014】
該開封テープ2は、例えば、テトラヒドロフラン等の前記ポリ塩化ビニルを溶着可能な有機溶剤を開封テープ2の一面側に塗布し、該溶剤によって前記キャップシール本体1の外面の所定位置に溶着されている。
【0015】
キャップシール本体1と開封テープ2の溶着面は、溶剤によって一度溶解してその後固着されて一体化して溶着されるが、この時、キャップシール本体1に溶剤が塗布された開封テープ2を押圧して溶着するため、キャップシール本体1表面の開封テープ2が貼着された部分は溶剤によって脆弱化される。
【0016】
またこの時、開封テープ2の端縁が当接する筒状体本体1の表面の破断位置1a,1b では、溶剤が塗布された開封テープ2をキャップシール本体1の表面に貼着して押圧する際に開封テープ2の端縁がキャップシール本体1の表面と接触し、その結果図2に示すように、溶剤による表面の脆弱化が起こるため、キャップシール本体1の引き裂き等に対する強度が該位置では特に弱くなる。
【0017】
3は、キャップシール本体1の折り曲げられた上端部6に突設されたつまみ部で、該つまみ部3は、溶着された開封テープ2の幅よりもやや広くなるように形成されている。
【0018】
このような構成からなるキャップシール4は、容器の上部に被嵌された後に熱収縮されて、図3に示すように容器5の上部の形状に沿って密着状態で装着される。
【0019】
さらに、このようにキャップシール4が装着された容器5を使用する時等にキャップシール4を開封する場合には、図3に示すように、前記つまみ部3を把持して、該つまみ部3から開封テープ2を下方へ引っ張り、キャップシール本体1を破断する。
【0020】
この時、上記のようにキャップシール本体1の開封テープ2が溶着された溶着部分、特に開封テープ2の端縁が当たるキャップシール本体1の破断位置1a,1b は溶剤によって脆弱化されているため、キャップシール本体1のフィルムの強度が他の部分に比べて低下しており、つまみ部3から該開封テープ2を引っ張ることによって、破断位置1a,1b に沿って容易にキャップシール本体1を破断することができ、また破断口も開封テープ2の側端沿いの破断位置1a,1b においてきれいに形成される。
【0021】
さらに、開封テープ2は溶剤によってキャップシール本体1に確実に溶着されているため、外面に設けられた開封テープ2を引っ張っても、開封テープ2がキャップシール本体1から剥離してしまうことなく、開封テープ2と共にキャップシール本体1が破断されて、キャップシール4を開封することができる。
【0022】
また、キャップシール本体1と略同様の熱収縮性を有する開封テープ2を溶剤によってキャップシール本体1に溶着したため、熱収縮時に開封テープ2が剥離したり、また開封テープの接着部分に収縮不良が生じてしわ等が発生することがなくキャップシール4の外観が損なわれることもない。
【0023】
尚、上記実施の形態においては、キャップシール本体1を熱収縮性を有するポリ塩化ビニルから形成したが、キャップシール本体1の材質としてはこの他、熱収縮性のポリスチレンやポリエステル等で、有機溶剤によって溶解又は膨潤して脆弱化する材質であればよい。
また、開封テープ2の材質も同様に、ポリ塩化ビニル以外にも、熱収縮性を有するポリスチレンやポリエステル、又はこれらを内面に有する積層フィルム等であってもよい。
特に、キャップシール本体1と開封テープ2の材質が同種のものであれば溶着によって強固に接着されるため好ましい。
【0024】
また、キャップシール本体1と開封テープ2は、必ずしも有機溶剤によって溶着可能である必要はなく、例えばポリ塩化ビニルフィルムからなるキャップシール本体1とポリエステルフィルムからなる開封テープ2の場合には、ポリ塩化ビニルフィルムからなるキャップシール本体1を脆弱化することが可能な溶剤を含む接着剤によって接着してもよい。
【0025】
この場合には、キャップシール本体1と開封テープ2は接着剤を介して接着されるが、該接着剤に含まれる溶剤によってキャップシール本体1のフィルムは脆弱化され強度が低下するため、上記実施の形態と同様に、開封テープ2の両側端部に沿って容易に破断することができる。
【0026】
要は、キャップシール本体1が溶剤によって脆弱化される材質であればよく、また必ずしもキャップシール本体1と開封テープ2は溶剤で溶着されなくとも、溶剤を含む接着剤を介して接着されてもよいのである。
【0027】
従って、溶剤の材質も、上記実施の形態で使用したテトラヒドロフラン以外にも、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、トルエン、塩化メチレン等の有機溶剤のなかからフィルムの材質に合わせて適宜選択することができ、さらにこれらの溶剤を含む接着剤を使用することも上記のように可能である。
【0028】
尚、上記実施の形態においては溶剤を開封テープ2の一面側に塗布して、該開封テープ2をキャップシール本体1に貼着したが、溶剤はキャップシール本体1の表面に塗布してもよい。
但し、開封テープ2に溶剤を塗布してから、該開封テープ2をキャップシール本体1に押圧して溶着させた場合には、特に開封テープ2の端縁が当接するキャップシール本体1表面の破断位置1a,1b が溶剤によって脆弱化され、該位置からキャップシール本体1 を破断しやすくなるという利点がある。
【0029】
また、上記実施の形態においては、開封テープ2をキャップシール本体1の外面側に取り付けたが、開封テープ2を取り付けるのはキャップシール本体1の内面側であってもよく、さらに、上記実施の形態では、キャップシール本体1の縦方向に開封テープ2を取り付けて、キャップシール本体1を下方に向かって破断するように形成したが、例えばキャップシール本体の周方向に開封テープを取り付けて、周方向に破断できるように形成してもよい。
【0030】
また、上記実施の形態では、キャップシール本体1が上端縁が内側に折れ曲がり、側周部が下方に向かって径がやや広がるような形状に形成されたが、キャップシール本体としてはこのように成形されていない偏平に折り畳んだ筒状体(チュープ状)のものを直接容器に装着するものでもよい。
【0031】
さらに、上記実施の形態では熱収縮性筒状体をキャップシールとして使用したが、キャップシール以外にも容器の胴部に装着する筒状ラベル等として使用してもよく、熱収縮性筒状体の使用方法は限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、溶剤によって筒状体本体の開封テープとの接着部分の強度が低下されるため、該強度が低下した部分に沿って、開封テープによって容易に破断することができ、破断口も良好に開封することができる。
【0033】
また、開封テープが筒状体本体に溶剤によって溶着された場合には、確実に開封テープが取り付けられ、開封時に開封テープが剥離するおそれがなく確実に開封できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱収縮性筒状体の一例としてのキャップシールを示す斜視図。
【図2】図1のA−A線断面の要部拡大図。
【図3】容器に装着されたキャップシールを開封する状態を示す斜視図。
【図4】従来のキャップシールを示す斜視図。
【符号の説明】
1 キャップシール本体(筒状体本体)
2 開封テープ
3 つまみ部
4 キャップシール(熱収縮性筒状体)
5 容器
Claims (1)
- 熱収縮性を有する筒状体本体(1) に開封テープ(2) が貼着された熱収縮性筒状体において、前記開封テープ (2) が熱収縮性を有し、且つ前記筒状体本体 (1) と開封テープ (2) が同種の合成樹脂より形成され、前記開封テープ(2) が筒状体本体(1) の外面に溶剤又は溶剤を含む接着剤によって貼着されてなることを特徴とする熱収縮性筒状体。
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JP20607295A JP3662979B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 熱収縮性筒状体 |
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JP20607295A JP3662979B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 熱収縮性筒状体 |
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JP20607295A Expired - Fee Related JP3662979B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 熱収縮性筒状体 |
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1995
- 1995-08-11 JP JP20607295A patent/JP3662979B2/ja not_active Expired - Fee Related
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