JP3662641B2 - プレート式熱交換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚のプレートを溶接付けしたプレートカセットをガスケットを介して複数枚積層してこれを2枚の厚板フレームにて両側より締付けることにより、プレート同士の溶接によって流体シールされた溶接側流路と、ガスケットによって流体シールされたガスケット側流路を交互に形成した溶接型のプレート式熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、溶接型のプレート式熱交換器は、図3に示す如き、プレートカセット(1)を複数枚積層することにより構成されている。
【0003】
上記プレートカセット(1)は、長方形状をした平板からなり、その表面に波形状をした伝熱面(2)を有し、4隅に流体の出入口となる溶接側通路孔(3)とガスケット側通路孔(4)がそれぞれ対をなして開口されるとともに、伝熱面(2)とガスケット側通路孔(4)が連通する略台形領域の周囲および溶接側通路孔(3)の周囲を囲繞するガスケット溝(図3の1点鎖線で示す)を形成したプレート(5)を、2枚1組として重合し、これを図3の点線で示した溶接ライン(W)に沿うように、即ち、溶接側通路孔(3)を伝熱面(2)と連通し、かつ、ガスケット側通路孔(4)を伝熱面(2)と二重に遮断するようにレーザー溶接等で気密に溶接付けされており、プレート(5)相互間に溶接ライン(W)によって流体シールされた溶接側流路を形成している。
【0004】
そして、このプレートカセット(1)に、図3の1点鎖線で示したガスケットライン(G)に沿うように、即ち、ガスケット側通路孔(4)を伝熱面(2)と連通し、かつ、溶接側通路孔(3)を伝熱面(2)と二重に遮断するように合成ゴム等の耐熱性を有する弾性体から製作されたガスケット(6)を装着し、これを複数枚積層するとともに、2枚のフレーム(7)にて両側より締付ることにより、プレートカセット(1)相互間にガスケット(6)によって流体シールされたガスケット側流路を形成させて溶接側流路とガスケット側流路が交互に形成される溶接型プレート式熱交換器を構成している。
【0005】
そして、上記溶接型プレート式熱交換器は、溶接側流路とガスケット側流路に溶接側流体とガスケット側流体を交互に流通することにより、両流体間で熱交換を行うようにしている。
【0006】
この種の溶接型プレート式熱交換器において、プレートカセット(1)とフレーム(7)間におけるガスケット側通路孔(4)の流体シールは、図4に示すように、プレートカセット(1)を形成するプレート(5)のガスケット側通路孔(4)の周囲を囲繞する溶接ライン溝に装着される流通孔ガスケット(8)を介して行われている。
【0007】
ところで、上記溶接型プレート式熱交換器におけるプレートカセット(1)とフレーム(7)間におけるシール高さは、プレートカセット(1)相互間におけるシール高さの半分であり、上記流通孔ガスケット(8)の厚みについても適切な圧縮率とするために、プレートカセット(1)相互間に介在されるガスケット(6)の約半分としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、溶接型プレート式熱交換器におけるプレートカセット(1)とフレーム(7)間におけるガスケット側通路孔(4)の流体シールを行う流通孔ガスケット(8)は、プレートカセット(1)を形成するプレート(5)のガスケット側通路孔(4)の周囲を囲繞する溶接ライン溝に装着されるが、この溶接ライン溝は、プレートカセット(1)を形成するときにレーザー溶接等により溝底同士が溶接されている。そのため、ガスケット側通路孔(4)の周囲を囲繞する溶接ライン溝の溝底は、溶接ビードによる凸凹が形成されている。
【0009】
従って、このような状態にあるガスケット側通路孔(4)の周囲を囲繞する溶接ライン溝に通路孔ガスケット(8)を装着させた際、プレート式熱交換器が締付け、あるいは加圧、加熱されることで、溶接ビートによる凸凹が形成された溶接ライン溝の溝底との接触によって通路孔ガスケット(8)の表面に傷がついたり亀裂が発生し易い。特に、通路孔ガスケット(8)はその厚みがプレートカセット(1)相互間に介在されるガスケット(6)の約半分と薄いため、圧縮代も小さく、溶接ライン溝の溝底の溶接の凸凹による厚み方向における形状の追随性が悪い。その結果、通路孔ガスケット(8)の寿命が極端に短くなったり、ガスケット側通路孔(4)における通路孔ガスケット(8)の流体シール性が悪くなってプレートカセット(1)とフレーム(7)間で流体漏れに至るという問題があった。
【0010】
本発明は、プレートカセットとフレーム間のガスケット側通路孔における通路孔ガスケットの長寿命化を図るとともに流体シール性の安定を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、中央に伝熱面を有し、4隅に流体の出入口となる溶接側通路孔とガスケット側通路孔とがそれぞれ対をなして開口するとともに、伝熱面とガスケット側通路孔が連通する略台形領域の周囲および溶接側通路孔の周囲を囲繞するガスケット溝を形成したプレートを、2枚1組として重合し、溶接側通路孔を伝熱面と連通し、かつ、ガスケット側通路孔を伝熱面と二重に遮断する溶接ラインに沿ってプレートの溝底同士を気密に溶接してプレートカセットを形成し、このプレートカセットをガスケットを介して複数枚積層するとともに、これを2枚の厚板フレームにて両側より締付けて溶接側流路とガスケット側流路を交互に形成したプレート式熱交換器において、プレートカセットを形成するプレートのガスケット側通路孔と伝熱面の間の部位に溶接ラインと位置をずらせて通路孔ガスケット専用溝を形成し、この通路孔ガスケット専用溝にプレートカセットとフレーム間におけるガスケット側通路孔の流体シールのためのガスケットを装着したものである。
【0012】
本発明によれば、プレートカセットとフレーム間におけるガスケット側通路孔の流体シールのための通路孔ガスケットを溶接ビードがないフラットな溝底を有する通路孔ガスケット専用溝に装着するから、通路孔ガスケットの表面に溶接ビードによる傷あるいは亀裂の発生を防止させることができるため、プレートカセット相互間に介在させるガスケットの約半分の厚みの通路孔ガスケットでもプレートカセットとフレーム間のガスケット側通路孔における流体シール性を安定させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプレート式熱交換器を図1および図2に示す実施の形態に基づいて説明する。尚、以下の記述において、従来の技術を示す図3および図4と同一の構成部材は、原則として同一の符号を付し、重複する事項に関しては説明を省略する。
【0014】
図1は本発明の溶接型プレート式熱交換器において使用されるプレートカセット(1)の要部を示すものであり、図2は図1のA−A線に沿う部分における本発明のプレート式熱交換器の要部断面図である。
【0015】
本発明のプレート式熱交換器は、プレートカセット(1)を形成するプレート(5)のガスケット側通路孔(4)と伝熱面(2)間の部位に溶接ライン(W)と位置をずらせて通路孔ガスケット専用溝(9)を形成し、この通路孔ガスケット専用溝(9)にプレートカセット(1)とフレーム(7)間におけるガスケット側通路孔(4)の流体シールのための通路孔ガスケット(8)を装着している。
【0016】
本発明のプレート式熱交換器においては、プレートカセット(1)とフレーム(7)間におけるガスケット側通路孔(4)の流体シールのための通路孔ガスケット(8)が溶接ビードがないフラットな溝底を有する通路孔ガスケット専用溝(9)に装着されているから、通路孔ガスケット(8)の表面に溶接ビードによる傷あるいは亀裂の発生を防止させることができるとともに、プレートカセット(1)とフレーム(7)間のガスケット側通路孔(4)における流体シール性を安定させることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プレートカセットを形成するプレートのガスケット側通路孔と伝熱面の間の部位に溶接ラインとは位置をずらせて通路孔ガスケット専用溝を形成することによって、プレートカセットとフレーム間におけるガスケット側通路孔の流体シールのための通路孔ガスケットを溶接ビードがないフラットな溝底を有する通路孔ガスケット専用溝に装着させることができる。
【0018】
その結果、プレートカセットとフレーム間のガスケット側通路孔における通路孔ガスケットの流体シール性を安定させ、かつ、通路孔ガスケットの表面に傷あるいは亀裂が発生することがないプレート式熱交換器を提供することができるとともに、樹脂製ガスケット等のプレートの表面の平滑性が要求されるガスケットにおいても適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレート式熱交換器において使用されるプレートカセットの要部平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う部分における本発明のプレート式熱交換器の要部断面図である。
【図3】従来のプレート式熱交換器において使用されるプレートカセットの平面図である。
【図4】図3のB−B線に沿う部分における従来のプレート式熱交換器の要部断面図である。
【符号の説明】
1 プレートカセット
2 伝熱面
3 溶接側通路孔
4 ガスケット側通路孔
5 プレート
6 ガスケット
7 フレーム
8 通路孔ガスケット
9 通路孔ガスケット専用溝
W 溶接ライン
G ガスケットライン

Claims (1)

  1. 中央に伝熱面を有し、4隅に流体の出入口となる溶接側通路孔とガスケット側通路孔とがそれぞれ対をなして開口するとともに、伝熱面とガスケット側通路孔が連通する略台形領域の周囲および溶接側通路孔の周囲を囲繞するガスケット溝を形成したプレートを、2枚1組として重合し、溶接側通路孔を伝熱面と連通し、かつ、ガスケット側通路孔を伝熱面と二重に遮断する溶接ラインに沿って溶接ライン溝の溝底同士を気密に溶接してプレートカセットを形成し、このプレートカセットをガスケットを介して複数枚積層するとともに、これを2枚の厚板フレームにて両側より締付けて溶接側流路とガスケット側流路を交互に形成したプレート式熱交換器において、
    プレートカセットを形成するプレートのガスケット側通路孔と伝熱面の間の部位に溶接ラインとは位置をずらせて通路孔ガスケット専用溝を形成し、この通路孔ガスケット専用溝にプレートカセットとフレーム間におけるガスケット側通路孔の流体シールのためのガスケットを装着したことを特徴とするプレート式熱交換器。
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