JP3662291B2 - 放電加工方法及び放電加工用電源装置 - Google Patents

放電加工方法及び放電加工用電源装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、加工用電極として棒状や所望型形状の総型電極を用いる型彫り放電加工方法及び加工用電源装置に係り、特に前記型彫り放電加工の中仕上げ乃至仕上げ加工に於て、電極低消耗状態で、電極有消耗条件並みの高速加工等の加工性能が得られる放電加工方法及び該放電加工方法を実現させるための加工用電源装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
被加工体に対し棒状や所望形状に成形した総型電極を加工槽内の加工液中に於て微小間隙を介して相対向させ、両者間に休止時間を置いて間歇的な電圧パルスを印加して放電を発生させ、前記対向方向の相対的な加工送りと共に、必要に応じ前記対向方向とほぼ直角方向の並進運動送りを与えながら穿孔又は型彫り加工をする放電加工に於ては、電極、被加工体の種類、材質、及び両者の組合せにもよるが、電極として銅又は炭素(グラファイト)、或いはさらに銅タングステンや銀タングステンを用い、そして被加工体として鋼材等の鉄材、或いはさらに黄銅やアルミニウム又はその合金を用いる通常の加工に於ては、加工面粗度が荒加工の粗い方から約20〜30μmRmax程度迄の中加工乃至中仕上げ加工程度迄は、電圧パルスのパルス幅又は印加電圧パルスに基づいて発生する放電パルスのパルス幅で言うと、放電電流振幅(設定)にもよるがパルス幅が大きい方から大凡30〜50μs乃至は10〜30μs迄は、当該電圧パルス又は放電パルスによる加工特性を電極低消耗の条件に設定した加工で、加工速度等の加工性能を大幅に損なわさせずに対応可能であるが、前記中仕上げ加工以上の仕上げ加工、例えば加工面粗度約10μmRmax前後程度及びそれ以上の加工になると、加工条件又は加工特性として、相互にほぼ同一の加工面粗度のとき、電圧パルスのパルス幅又は放電パルスのパルス幅が他に対して小さく、かつそのパルス幅の大きさの割りに放電電流振幅が大きい電極有消耗の加工条件か、電圧パルスのパルス幅又は放電パルスのパルス幅が前記有消耗の場合に対して大きく、かつ放電電流振幅がパルス幅の大きさの割りに小さいと共に前記有消耗の場合に対しても小さい電極低消耗乃至無消耗の加工条件かを、加工の目的や加工の態様及び電極条件等により何れかの加工条件とするかを選択することが必要となる。
【0003】
即ち、上述中仕上げ以上の仕上げ加工の加工条件領域に於ては、電極低消耗乃至無消耗条件(加工電圧極性が通常電極を正極とする逆極性)に設定すると加工速度が極端に遅くて加工に長時間を要するようになり、他方電極有消耗条件(加工電圧極性が通常電極を負極とする正極性)に設定すると加工電極の消耗が大きく、加工電極が消耗変形及び形崩れするから、電極低消耗乃至無消耗加工の場合のように、前述対向方向とほぼ直角方向の並進運動の加工送りを付与する加工を付加等しても、電極が消耗変形したことによる形崩れを補償をする加工は困難で予め手間と費用の嵩む複数個の電極を製作用意する必要があると共に、手間が掛り、かつ加工精度を損う可能性がある電極交換をするか、高価な電極自動交換手段を設備することが必要となるものである。
【0004】
而して、本発明は、後述するように一面から見れば正負両極性パルスによる加工方法を包含するものであるが、かかる従来技術としては、例えば特開昭60−201826号公報や特開平4−101,722号公報等多数に及んでいるが、その多くは加工液(主として水系加工液)の電気分解作用の防止と、該電解作用に伴なう被加工体の電食防止のために加工間隙の平均加工電圧をほぼゼロに保って放電加工をするためのものである。しかしながら、正負両極性パルスによる加工方法に係る特公昭59−26,414号公報には本発明の要旨とする技術思想の上位概念を包含する記載があるため検討するに、電極を負極又は正極とする正極性及び逆極性の何れの加工の場合でも、加工電圧パルス又は放電パルスの加工間隙への印加供給極性を何れか一方の一定の状態にしておくと電極材の被加工体加工面への付着・堆積、又は被加工体材の電極加工面への付着・堆積が進行すると加工が不安定となり、加工速度、加工能率が低下するから、加工中加工電圧を検出するようにし、該検出加工電圧の所定レベル以上と以下との判別により加工間隙への電圧パルス又は放電パルスの印加供給極性を切換えるようにしたものであるが、その中には電極有消耗加工と電極無消耗加工との切換え制御による組み合わせ加工の技術を包含していることは明らかであるが、これ以上は、本発明との具体的関係は不明であって、本発明の技術思想を開示しているものではないと考えられる。
【0005】
又、本発明は、表現を変えると一種の異種パルス混合による放電加工方法とも見ることができ、かかる従来技術としても、例えば、特開昭53−72,290号公報や、特開昭54−59,697号公報等多数に及んでいるが、所定の加工用電圧パルス又は放電パルスによる加工中にパルス幅と放電流振幅の両方又は何れか一方が大きい電圧パルスを混合供給して放電を行なわせて多量の加工屑を発生介在させることにより加工間隙を攪拌及び広めたり、次々と供給される電圧パルスによる放電が行なわれ易くして、安定加工状態による高加工性能状態とをさせたり、或いは前記大きい電圧パルスの代りに次の加工電圧パルスによる放電の発生を容易とするガスパルスを供給するもの等で本発明とは殆んど無関係のものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
而して前述のように、穿孔加工や型彫り加工をする放電加工に於ては、高い電流振幅の放電パルスが高い繰り返し率で繰り返えされ、同一加工面粗さに於ける加工速度がより大きくて加工性能の高い電極有消耗の加工条件で加工をする事が望ましいが、電極消耗が大きく、変形、型崩れする問題があり、そして加工条件が中仕上げ加工以上の仕上げ加工になると電圧パルスの幅又は電圧パルスに基づいて発生する放電パルスのパルス幅は放電電流の振幅との割合でもより狭い、小さな値の正極性である所から電極消耗がより多くなるものである。
【0007】
一方前述のように、電極、被加工体の材質、組合せにもよるが、電極消耗を少なくする加工条件として電極低消耗乃至無消耗加工が知られているが、該電極低消耗乃至無消耗の加工条件は、上述材料固有の性質の問題、例えば電極有消耗とほぼ同一の加工面粗度が得られる場合で比較すると電圧パルスのパルス幅又は該電圧パルスに基づく放電パルスのパルス幅が数倍乃至10倍又はそれ以上と大きく、かつその放電電流の振幅(又は電流密度)が数分の1乃至10分の1又はそれ以下と小さくて電極と被加工体(正極と負極)へのエネルギ配分比率を変化させることの外に、正極側の加工面に加工液の分解による炭素(カーボン)皮膜を付着形成させて正極側の加工面を消耗から保護するものである。
【0008】
そこで、本発明者は、前述中仕上げ加工以上の電極有消耗条件の加工中に、該電極有消耗の加工条件の電圧パルス中に電極低消耗乃至無消耗の加工条件となる電圧パルスを組み入れて放電させ、電極有消耗の電圧パルス群と交互に又は間歇的に繰り返し組み入れて電極加工面に炭素(カーボン)皮膜を形成させながら前記電極有消耗の加工を遂行することにより、前記加工性能の優れた電極有消耗の放電加工を電極低消耗の状態で行なうことが出来ることを見出したことにより本発明が提案されるものである。
【0009】
よって本発明の目的は、中仕上げ以上の仕上げ加工で加工速度等の加工性能が優れている電極有消耗の加工条件の穿孔、型彫り等の放電加工が電極低消耗状態で加工が行なわれる放電加工方法を提供すること、及び前記電極有消耗の加工条件の穿孔、型彫り等の放電加工が、電極低消耗の状態で加工が行なわれる放電加工用電源装置を提供することにあるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の本発明の目的は、(1)被加工体に対して棒状や所定形状に成形した総型電極を加工槽内の加工液中に於いて間隙を介して相対向させ両者間に休止時間を置いて間歇的な電圧パルスを印加して放電を発生させ、前記対向方向の相対的な加工送りと共に、必要に応じ前記対向方向と直角方向の並進運動送りを与えながら穿孔若しくは型彫り加工する放電加工方法であって、
前記電圧パルスとして、印加電圧パルスのパルス幅又は印加電圧パルスに基づいて発生する放電パルスのパルス幅に対して放電電流の電流振幅が大きい電極有消耗条件の電圧パルスを使用して加工面粗さが5〜30μmRmaxの中仕上げ以上の仕上げ加工を行なう放電加工方法に於いて、
前記電極有消耗の電圧パルスに対してパルス幅が大きく放電電流振幅が同等以下と小さくて加工面粗さが、前記選択設定された電極有消耗の電圧パルスによる加工面粗さと同一となるように選定された電極低消耗条件の電圧パルスの複数個から成る電圧パルス列が、前記電極有消耗の電圧パルスの複数個から成る電圧パルス列の各列間に、加工間隙に印加される電圧パルスの数にして、前記電極低消耗の電圧パルスの割り合いが20〜50%の少ない割合となるように組み入れられ、さらに、前記電極有消耗の電圧パルス列が加工間隙に正極性で印加されるのに対し、前記電極低消耗の電圧パルス列が逆極性に印加されて加工が行われる放電加工方法とすることにより達成される。
【0011】
又、前述の本発明の目的は、(2)被加工体に対し棒状電極や所望形状に成形した総型電極を加工槽内の加工液中に於いて微小加工間隙を介して相対向させ、両者間に電子スイッチ素子のオン・オフ制御により休止時間を置いて間歇的な電圧パルスを印加して放電を発生させ、前記対向方向の相対的な加工送りと共に、必要に応じ前記対向方向とほぼ直角方向の並進運動送りを与えながら穿孔若しくは型彫り加工する放電加工に於いて、
前記電圧パルスとして、印加電圧パルスのパルス幅又は印加電圧パルスに基づく放電パルスのパルス幅が中仕上げ加工以上の仕上げ加工の所望の小さいパルス幅と所定の大きい放電電流振幅値と所望の電圧パルス間休止時間及び電圧パルスの印加極性を設定し得る電極有消耗の電圧パルス条件設定装置と、印加電圧パルスのパルス幅又は放電パルスのパルス幅が前記電極有消耗の設定パルス幅より大きいパルス幅と前記設定放電電流振幅より小さい放電電流振幅と所望の電圧パルス間休止時間及び電圧パルスの印加極性を設定し得る電極低消耗の電圧パルス条件設定装置と、前記電極有消耗と電極低消耗の各電圧パルス又は放電パルスを前記加工間隙に繰り返し連続して供給する数を選択設定する夫々の電圧パルス数設定装置と、前記オン・オフ電子スイッチ素子を所望複数個有するスイッチ素子部と、該スイッチ素子部と加工間隙間に挿設される印加電圧パルスの極性切換装置と、前記加工間隙に印加される電圧パルス又は加工間隙での放電パルスの信号を検出する放電パルス検出装置と、該パルス検出装置が検出したパルス数を計数するカウンタであって、設定された計数値をカウントする毎に信号を出力する計数器と、前記スイッチ素子部に前記2つの電圧パルス条件設定装置からの設定入力に応じスイッチ素子にオン・オフゲート信号を供給するパルス発生装置及びスイッチ素子部のオン・オフ電流設定信号を供給する放電電流振幅設定装置と、前記電極有消耗及び電極低消耗の各電圧パルス数設定装置からの各設定数入力信号により前記スイッチ素子部をオン・オフ制御して電極有消耗電圧パルスと電極低消耗電圧パルスの混合率を制御する混合比率制御装置であって、前記計数器が設定されている一方の電圧パルス数をカウントしたとき出力する信号により他方の計数すべき電圧パルス数を計数器に切換え設定し、該設定された電圧パルス数に対応する側の電圧パルス条件設定装置の設定電圧パルス条件の信号を前記ゲートパルス発生装置と放電電流振幅設定装置と極性切換装置とに供給するように切換える前記の混合比率制御装置とから成る放電加工用電源装置とすることにより達成されるものである。
【0012】
【作用】
本発明の放電加工方法は、上述のような構成であるから、電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスによる中仕上げ以上の仕上げ加工の際に、電極消耗の過多の問題を除き加工性能的には優れた電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスによる所定放電数の放電加工の後に、電極表面に炭素(カーボン)皮膜を形成する電極低消耗条件の電圧パルス又は放電パルスによる放電を2個以上の複数個行なわせて、以後之を繰り返すことにより、
電極有消耗加工時に電極消耗が低減した状態で加工が行われ、全体として優れた加工性能の放電加工が行なえるようになる。
【0013】
又本発明の放電加工用電源装置は、上述のような構成であるから、電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスと電極低消耗条件の電圧パルス又は放電パルスを夫々所望複数個ずつ、かつ夫々所望の電圧印加極性で交互に繰り返し加工間隙に印加供給することができ、電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスによる中仕上げ以上の電極有消耗仕上げ加工を電極低消耗状態の加工として確実に遂行することができるようになる。
【0014】
【実施例】
図1は、本発明の原理的な放電加工方法の実施に使用する放電加工用電源装置のブロックダイアグラム図を示すもので、1は図示しない加工槽中の載物台等に加工液中に浸漬した状態で配置される被加工体2に対し所望微小加工間隙を介して相対向せしめられる棒状や所望形状に成形した総型等の加工電極で、前記対向方向の相対的な加工送りと必要に応じ前記対向方向とほぼ直角方向の相対的な並進運動送りが与えられる。3は加工用直流電源、4はMOS・FET等のオン・オフ電子スイッチ素子4Aと電流制限抵抗4Bとを直列に接続した電圧パルス形成回路が電流容量に応じ所望複数個並設されたスイッチ素子部、5は制御装置であって、放電加工用の数値制御用のプログラムにより、前記電極1及び被加工体2に加工送り等の送りを与える図示しないモータを駆動制御する数値制御装置、紙テープ、磁気テープ、又はFDD等の数値制御情報の読取り装置、CRT等の数値情報外の表示装置及び各種キーボード等の入力設定及び切換手段等が設けられる。6は電極有消耗の電圧パルス条件設定装置で前記制御装置5から手動又はプログラムや条件等の読み取りにより電圧パルスのパルス幅、又は印加電圧パルスにより発生する放電パルスのパルス幅を電極有消耗条件での中仕上げ以上の仕上げ加工の所望の小さい値に設定するパルス幅設定部6Aと、該電圧パルス間休止時間設定部6B、及び前記設定パルス幅に対して大きな振幅の放電電流をスイッチ素子部4のスイッチ素子稼動数により設定する放電電流振幅設定部6Cとを有し、之に対して7は電極低消耗の電圧パルス条件設定装置で前記装置6と同様に、電圧パルスのパルス幅又は印加電圧パルスによる放電パルスのパルス幅を前記電極有消耗設定パルス幅より大きい値に設定するパルス幅設定部7Aと、該電圧パルス間休止時間設定部7B、及び前記電極有消耗の電流振幅設定部6Cに設定された値より小さい電流値が設定される放電電流振幅設定部7Cとを有し、之等の電圧パルス条件設定装置6及び7は先ず設定装置6に於て加工の目的とする加工面粗度が得られる電極有消耗条件の所望の電圧パルス条件を入力設定し、そしてこの電極有消耗の加工面粗度とほぼ同一乃至は、好しくは加工面粗度を悪化させないと言う意味でほぼ同一面粗度又はそれ以上の良面粗度の加工が行なわれる電極低消耗乃至無消耗条件の電圧パルス条件を設定装置7に於て設定するようにするものである。8はスイッチ素子部4の電子スイッチ素子4Aにオン・オフゲート信号を供給するパルス発生装置で、スリーステートバッファ又はスリーステートロジックの論理ゲート9A,9B、及び10A,10Bを介して前記各電圧パルス条件設定装置6,7の各パルス幅設定部6A,7A、及び休止時間設定部6B,7Bに接続され、論理ゲートの切換えにより、設定された電極有消耗又は電極低消耗条件の電圧パルス条件のオン・オフゲート信号をスイッチ素子部4に供給する。11は放電電流振幅設定装置で同じく論理ゲート9C,10Cを介して設定装置6,7より切換入力する放電電流振幅の設定情報によりスイッチ素子部4の作動電子スイッチ素子4Aの数を設定する。12は前記論理ゲート9A,9B,9Cと10A,10B,10Cとを切換えて加工間隙に電極有消耗電圧パルス又は放電パルスと電極低消耗電圧パルス又は放電パルスの印加供給を切換えて両電圧パルス又は放電パルスの供給混合比率を制御する混合比率制御装置で、前記設定装置6に設定された電極有消耗電圧パルスの連続繰り返し供給数の信号を前記制御装置5より入力設定されている電極有消耗電圧パルス数設定装置13から入力すると共に電極低消耗電圧パルスの連続繰り返し供給数の信号も同様にして電極低消耗電圧パルス数設定装置14から入力するように構成されている。15は加工間隙の放電パルス検出装置で、スイッチ素子部4の電圧パルスゲート信号入力によりスイッチ・オンして加工間隙に印加される電圧パルス、通常前記印加電圧パルスに基づき発生する放電の開始を検出し、パルス発生装置8からのスイッチ素子4Aのオンゲート信号の計測を開始させ、各電圧パルス印加毎の発生放電パルスのパルス幅を一定にして放電エネルギを揃えようとするものであるが、之は本発明に必須のものではなく、このことは前記混合比率制御装置12の切換え作動の制御信号を供給する放電パルス数計数器16も同様であって、図示実施例では放電パルス検出装置15の検出信号をカウントしているが、該計数器16はパルス発生装置8の出力ゲート信号を計数するようにしても良く、又前記検出装置15が電流値検出装置を兼用している場合には電流振幅設定装置11に検出信号を供給する構成が採られる。17は必要に応じて設けられる加工間隙の放電加工状態検出判別装置で、所望に応じ加工状態の悪化等を検出した場合に、例えば電極有消耗電圧パルスと電極低消耗電圧パルスの印加混合比率、又は前記電極低消耗電圧パルスの繰り返し連続印加数を混合比率制御装置12に変更させたりするものである。又18は加工間隙に印加供給される電圧パルス又は放電パルスの良否等を検出判別して、前記放電パルス数計数器16に良放電と検出した放電パルスのみをカウントする等するもので、例えば印加電圧パルス中放電しない電圧パルスを除外するとか、放電パルスでもアーク状又は短絡パルス等を除外して正常放電電圧値の正常放電パルスのみをカウントさせて、電圧パルス等のカウントによる印加電圧パルスの種類の切換え制御を加工間隙に実際にかつ正常に放電している実加工状態により行なわせる場合等に設けられるもので、一定のパルス幅の電圧パルスを一定の休止時間を置いて規則的に繰り返し加わえて放電加工をするような場合には、例えばゲートパルス数や放電パルス数のみをカウントする構成とすることができる。
【0015】
図1の回路作動の例を、図2の加工間隙電圧電流作動波形及び一部の回路部分のタイミングチャート図により説明すると、図に於て、VGAPは間隙電圧波形、IGAPは間隙放電流波形、CNは計数器16に於ける放電パルスのカウント状態、CRSは計数器16に於ける計数値のリセット及びセットの状態、GATEはパルス発生装置8からスイッチ素子部4へ供給されるゲート信号、及びMSは混合比率制御装置12の電圧パルス数設定装置13,14から入力する各設定パルス数に従いスリーステートロジック論理ゲート9A,9B,9Cと10A,10B,10Cに出力する出力信号及び該信号に従がい電極有消耗又は電極低消耗の何れの加工条件にあるかを示す線図である。図示の場合には、電極有消耗電圧パルス数設定装置13には電圧又は放電パルス数が「5」と設定され、又電極低消耗電圧パルス数設定装置14には電圧又は放電パルス数が「2」と設定されている場合で、混合比率制御装置12からの信号により論理ゲート9A,9B,9Cを介して電極有消耗電圧パルス条件設定装置6に記憶してある電極有消耗の電圧パルス条件の情報をゲートパルス発生装置8と放電電流振幅設定装置11に供給して設定すると共に、該設定条件の電圧パルスを何個加工間隙に連続して繰り返し供給するかを放電パルス数計数器16をリセットとしてその数を設定し、スイッチ素子部4のスイッチオンにより放電加工を開始する。
【0016】
先ず、設定装置6による電圧パルス又は放電パルス条件の設定であるが(図示図2の場合、各電圧パルス印加毎に発生する放電パルスが所定の一定パルス幅となるようにオン・クランプ制御であるから)、放電パルスのパルス幅が中仕上げ加工以上の仕上加工で例えば5〜30μs前後程度と狭く、之に対して放電電流振幅が例えば20〜50A前後程と大きい値の電極有消耗条件の、即ち電極消耗はあるが、所定加工面粗さに対する加工速度が大きく加工性能の高い放電パルスを順次繰り返し発生させて加工が開始され、その放電パルスを放電パルス検出装置15で検出して放電パルス数計数器16にカウントさせ積算カウント数が設定数「5」に達すると計数器16は混合比率制御装置12に信号を出力し、該混合比率制御装置12は出力信号を反転して論理ゲート9A,9B,9Cをハイ・インピーダンス状態にすると共に論理ゲート10A,10B,10Cを開き電極低消耗電圧パルス条件設定装置7に記憶してある電極低消耗の電圧パルス条件の情報をゲートパルス発生装置8と放電電流振幅設定装置11に供給して設定すると共に、該設定条件の電圧パルスを図示の場合2個連続して繰り返し供給するために放電パルス数計数器16をリセットしてその「2」をセットし、スイッチ素子部4のスイッチをオンとする。この場合設定装置7による放電パルスのパルス幅と放電電流振幅は、設定装置6による電極有消耗条件の放電パルスによって得られる加工面粗度とほぼ同一前後又はそれ以上の加工面粗度が得られる電極低消耗条件のそれであって、例えば放電パルスのパルス幅は数10μs乃至200μs前後、放電電流振幅は10A前後又はそれ以下の値であるが如くである。そしてこの電極低消耗条件の放電パルスが設定値の2に達すると再び電極有消耗条件の放電パルスによる電極有消耗状態の加工に移行することになり、以後之を繰り返すことになるが前記加工液として穿孔及び型彫り放電加工としては慣用の炭化水素系の油系放電加工液を用いて加工を行なうと(上記電極低消耗条件の放電パルスによる加工、通常2個以上の放電パルスを比較的短い休止時間を置いて繰り返えされる)、電極加工面に加工液の分解による炭素(カーボン)皮膜が形成され、該炭素(カーボン)皮膜は所謂電極低消耗乃至無消耗の加工が行なえる重要な一因子であって、該炭素(カーボン)皮膜が形成された加工面を有する電極で、上記電極有消耗加工に移行した際に電極加工面は消耗から保護されるものである。
【0017】
そして、このことは、上述本発明のように電極有消耗条件の加工と電極加工面に炭素(カーボン)皮膜が形成される電極低消耗条件の加工とを夫々所定複数放電パルス毎に順次に交互に繰り返すようにすると、電極消耗量は電極有消耗放電パルスのみでの加工の場合の電極消耗量と電極低消耗放電パルスのみで加工の場合の電極消耗量の和の値より小さいことが実験で確かめられており、又電極有消耗放電パルスに対する電極低消耗放電パルスを0から100%迄混合比率を増大させて行くと、混合比率(M)の増大と共に、電極有消耗放電パルスと電極低消耗放電パルスの作用が独立と考えた場合と比較して消耗率の減少の割合が大きいことが判った。
【0018】
図3は、電極有消耗放電パルスをパルス幅20μs、電流振幅20A、電極低消耗放電パルスをパルス幅100μs、電流振幅6Aとし、電極、被加工体を何れも15mmφCu材としたときのもので、横軸に電極有消耗放電パルスに対する電極低消耗放電パルスの混合割合M、縦軸に電極消耗率(電極消耗量/被加工体加工量)を取った場合の特性曲線図で、右下りの実線は前述両放電パルスの電極消耗に対する作用が夫々独立と考えた時の消耗率の変化特性、図上混合割合M=0.5上の黒丸は夫々の放電パルスで夫々独立に加工した実験結果の値、破線は前述電極有消耗放電パルスに電極低消耗放電パルスの混合割合を順次に増大させて行った場合の電極消耗率の特性曲線図である。
【0019】
図4は、他のより具体的な実験例に於ける電極有消耗放電パルスに対する電極低消耗放電パルスの混合比率と加工速度及び電極消耗率の関係を示す特性曲線図で、その電極有消耗放電パルスの条件と加工性能及び電極低消耗放電パルスの条件と加工性能は夫々下記表1の如くである。なお、電極は約10mmφの電気銅、被加工体はSKD11、加工液は油系放電加工液である。
【0020】
【表1】
Figure 0003662291
【0021】
上記図4の特性曲性図によれば、電極有消耗放電パルスに対する電極低消耗放電パルスの混合及び混合率の増大に応じ、混合率約40〜50%位迄で電極消耗率は電極有消耗放電パルスのみの値から可成り急速に低下し、之に対し加工速度は一且上昇して混合率約30%位で最高値に達した後約50%の所で元に戻った後急速に低下する所から、図示では電極低消耗放電パルス混合率約30%の所が、加工速度が従来の電極有消耗の設定放電パルスによる場合よりも高く電極消耗率が約1/3以下である所から、加工性能的には最も優れているようであるが、その前後の混合率の条件を目的等に応じて選択することができる。
【0022】
上記の実験例は、電極有消耗条件の放電パルスによる加工を、電極消耗比を10%の如く出来る丈低く押さえるために、該電極有消耗条件での加工電圧パルスの印加電圧極性を逆極性に設定し、混合する電圧低消耗条件の放電パルスの印加電圧極性、逆極性と同じ場合のものであるが、本発明は、前記電極有消耗条件での加工、特に中仕上げ加工以上の仕上げ加工を、加工性能発揮上好ましい正極性加工とし、電極低消耗で電極加工面に耐消耗性保護炭素(カーボン)皮膜を形成させる電極低消耗の逆極性加工と組合せ混合した場合にも有効に機能するものである。
【0023】
図5は、そのような本発明の放電加工方法の実施に有効な加工用電源装置の一実施例を示すもので、前記図1の加工用電源装置のスイッチ素子部4と電極1、被加工体2から成る加工間隙間に、スイッチ素子部4の電子スイッチ素子4Aの断続により生成される電圧パルスを供給する電圧印加極性の電子極性切換器19を設けたもので、該電子極性切換器19は、例えば前述特開平4−101722号公報図1等に開示されている被制御電子パワースイッチ素子4個をブリッジ接続構成した加工用電圧パルスの供給回路して応答可能な電子回路が用いられるものである。加工間隙へ供給する電圧パルスの電圧印加極性は、電極有消耗の電圧パルス条件設定装置6の電圧極性設定部6Dに於て、制御装置5を介する入力により正極性の条件情報が入力設定されており、之に対し電極低消耗の電圧パルス条件の電圧極性設定部7Dには逆極性の条件情報が入力設定され、混合比率制御装置12の信号出力によりスリーステートロジックの論理ゲート9A,9B,9C,9Dが開かれて電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスが加工間隙印加供給されるときは正極性となるように極性切換器19を切換え、該電極有消耗の電圧パルス又は放電パルスを所定設定数加工間隙に印加供給したことが計数器16によって計数されて混合比率制御装置12が切換えられると論理ゲート10A,10B,10C,10Dが開き、電極低消耗条件の電圧パルス又は放電パルスが逆極性で加工間隙に印加供給されるように極性切換器19を切換えるものである。
【0024】
図6は、前記図5の加工用電源回路装置の一設定及び制御例を説明するタイミングチャート図で、前述図2と同じくくVGAPは間隙電圧波形、IGAPは間隙放電電流波形とその数、MSは混合比率制御装置12の出力信号が電極有消耗又は電極低消耗の何れの加工条件にあるかとを示す線図、そしてPは電圧パルス又は放電パルスの加工間隙への印加供給電圧極性が正極性か逆極性の何れの条件にあるかを示す線図であり、図示の場合電極有消耗電圧パルス数設定装置13には電圧パルス又は放電パルスの数が「6」と設定され、又電極低消耗電圧パルス設定装置14には電圧パルス又は放電パルスの数が「3」と設定されている場合で、更に図示の場合電極有消耗条件での加工の際には放電パルスのパルス幅を格別一定に保持する必要がないため電極消耗条件の電圧パルスが印加供給されて放電が行なわれる場合には、ゲートパルス発生装置8に対して放電パルス検出装置15から所謂オシクランプ等の放電パルスのパルス幅一定確保の制御作動が行なわれて居らず、上記放電パルスのパルス幅は大小不揃いであるが、他方の電極低消耗条件での加工の際には電極を出来る丈消耗させないため、またその放電によって電極加工面に加工液の分解付着による炭素(カーボン)皮膜から成る耐消耗保護膜を確実に形成させる必要があり、このためには電圧パルスの印加によって発生する全ての放電パルスのパルス幅が設定値よりも短かくなることのない所定一定値又は一定値以上で、放電電流が設定よりも大きくなることがない所定一定値又は一定値以下とすることが必要であるから、電極低消耗条件の電圧パルスが印加供給されて放電が行なわれる場合には、ゲートパルス発生装置8に対して放電パルス検出装置15から電圧パルスの印加に基づく放電開始時から設定パルス幅の放電が継続する制御信号が供給されるものである。
【0025】
そして、上記電極低消耗条件での加工で、電極低消耗状態のより確実な現出、及び確保には、電極消耗条件の電圧パルスを所望の比較的小さい休止時間を置いて繰り返し加工間隙に印加供給して放電をさせるこが望ましく、従って前記電極低消耗電圧パルス数設定装置14には通常少なくとも「2」以上の数が設定されるものである。
【0026】
図7は、前記図6の加工用電源回路による具体的な実験例に於ける正極性の電極有消耗電圧パルスに対する逆極性の電極低消耗放電パルスの混合比率Mと加工速度g/min、及び電極消耗率E/W%の関係を示す特性曲線図で、その電極有消耗及び低消耗電圧パルス又は放電パルスの条件と加工性能は下記表2の通りである。なお、電極、被加工体、及び加工液は前述図4の実験例の場合と同一である。
【0027】
【表2】
Figure 0003662291
【0028】
上記図7の特性曲線図によれば、電極有消耗放電パルスに対する電極低消耗放電パルスの混合及び混合率の増大に応じ、混合率約40〜50%位迄で電極消耗率は電極有消耗放電パルスのみの値から極めて急速に低下し、加工速度の低下が約0.13g/minから約0.10g/minと大きな低下がない前記混合率40%で、電極消耗率が約31%から約8%へと大幅に低下させた状態で加工することができることが判かる。
【0029】
これ等の実験例によると、全部の加工電圧パルス又は放電パルス数に対する電極低消耗条件の電圧パルス又は放電パルスの組み込み数の割合、前記混合比率Mの上下限は、加工速度の低下が少なくて電極消耗率の低下が顕著となる10%以上、好ましくは20〜30%以上で、加工速度の低下が極端に大きくなくて電極消耗率の低下が顕著でなくなる50%以下、好ましくは40%以下とすることが好ましいものであり、本発明の放電加工方法は、電極有消耗電圧パルス又は放電パルスと、電極低消耗電圧パルス又は放電パルスとが、加工間隙に夫々所望複数個ずつ交互に供給印加され、平均して前者の電極有消耗電圧パルス又は放電パルスの印加数が後者の電極低消耗電圧パルス又は放電パルスに対して多い設定と為されているものである。
【0030】
そして、一部前述した所であるが、全体的に比較的安定した加工状態で本発明の放電加工方法が進行する限りに於ては、電極低消耗条件での加工の際に放電パルスの各パルス幅を所定の一定とする制御等をしなくても電極消耗比が極端に悪化することはないから、前記放電パルス数計数器16はゲートパルス発生装置8の出力ゲート信号による各電極有消耗条件と電極低消耗条件の各電圧パルスの印加供給数をカウントするようにしても良い。
【0031】
又前記放電パルス数計数器16は、各放電パルス、特に電極低消耗条件の加工の際の放電パルスの場合は、該放電パルスのパルス幅が所望一定値のパルス幅となるように制御された放電パルスの数をカウントするように構成するものであるが、更には、電極有消耗電圧パルス又は放電パルスの場合も含めて、例えば設定パルス幅の期間又はその約1/2以下のより短い期間しか放電しない無負荷パルスとか非有効放電パルスとか、放電パルス中でも短絡パルスとかアーク状放電パルスの正常放電パルス以外の放電パルスを電圧放電パルス良否判別装置18によって振り分け、放電パルス数計数装置16に正常放電パルスのみをカウントさせるようにするのが目的達成上はより好ましいのである。
【0032】
又前記加工間隙の放電加工状態を検出判別する装置を設け、前記電極有消耗電圧パルス、電極低消耗電圧パルスの混合印加割合又は比率とか、夫々の電圧パルス数設定装置13と14に設定された混合割合の変調制御等を、例えば放電状態が正常ならば設定値となるように、そして放電状態の悪化に対応して電極有消耗電圧パルスの数を増大させる等の種々の制御が可能なものである。
【0033】
そして、又本発明の加工方法は、電極低消耗条件の電圧パルスによる加工の際には、現に電極消耗が極めて少ないか、無消耗に近くそして次の電極有消耗条件の電パルス又は放電パルスによる加工の際に、電極加工面に、直前の電極低消耗条件の電圧パルスによる加工の際に、加工液の分解による耐消耗保護炭素(カーボン)皮膜が形成されていなければならない訳で、その為には、前述加工電圧パルス又は放電パルスのパルス条件及び使用加工液条件(油系放電加工液)の外に使用電極と被加工体の材質組合せも電極低消耗条件をより良く満足させる組合せが好ましいもので、そのような材質及び組合せとしては電極に、銅、銅タングステン、銀タングステン、又は炭素(グラファイト)を用いるのに対し、被加工体として鋼材等の鉄材、黄銅、又はアルミニウム若しくはその合金等の組合せが知られているもので、本発明がそのような電極・被加工体の材質及び組合せの際に使用して有効なこと既に明らかである。
【0034】
【発明の効果】
本発明の放電加工方法は、上述のような構成であるから、電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスによる中仕上げ以上の仕上げ加工の際に、電極消耗の過多の問題を除き加工性能的には優れた電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスによる所定放電数の放電加工の後に電極表面に炭素(カーボン)皮膜を形成する電極低消耗条件の電圧パルス又は放電パルスによる放電を2個以上の複数個行なわせて、以後来之を繰り返すことにより、電極有消耗加工時に電極消耗が低減した状態で加工が行われ全体として優れた加工性能の放電加工が行なえるようになる。
【0035】
又本発明の放電加工用電源装置は、上述のような構成であるから、電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスと電極低消耗条件の電圧パルス又は放電パルスを夫々所望複数個ずつ、かつ夫々所望の電圧印加極性で交互に繰り返し加工間隙に印加供給することができ、電極有消耗条件の電圧パルス又は放電パルスによる中仕上げ以上の電極有消耗仕上げ加工を電極低消耗条件の加工として確実に遂行することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的な放電加工方法の実施に使用する放電加工用電源装置のブロックダイアグラム図。
【図2】図1の各部の電圧、電流作動波形及び一部の回路部分のタイミングチャート図。
【図3】本発明を説明するための異種電圧パルスの混合割合に対する電極消耗率の特性曲線図。
【図4】本発明の図1の加工用電源装置による一加工実験例の特性曲線図。
【図5】本発明の実効的な放電加工方法の実施に使用する放電加工用電源装置のブロックダイアグラム図。
【図6】図5の加工用電源回路の一設定及び制御例を説明するためのタイミングチャート図。
【図7】本発明の図5の加工用電源装置による一加工実験例の特性曲線図。
【符号の説明】
1 電極
2 被加工体
3 直流電源
4 スイッチ素子部
4A 電子スイッチ素子
4B 電流制限抵抗
5 制御装置
6 電極有消耗の電圧パルス条件設定装置
7 電極低消耗の電圧パルス条件設定装置
6A,7A パルス幅設定部
6B,7B 休止時間設定部
6C,7C 放電電流振幅設定部
6D,7D 電圧極性設定部
8 ゲートパルス発生装置
9A,9B,9C,9D スリーステートロジック論理ゲート
10A,10B,10C,10D スリーステートロジック論理ゲート
11 放電電流振幅設定装置
12 混合比率制御装置
13 電極有消耗電圧パルス数設定装置
14 電極低消耗電圧パルス数設定装置
15 放電パルス検出装置
16 放電パルス数計数器
17 放電状態検出判別装置
18 電圧・放電パルス良否判別装置
19 電子極性切換器

Claims (2)

  1. 被加工体に対して棒状や所定形状に成形した総型電極を加工槽内の加工液中に於いて間隙を介して相対向させ両者間に休止時間を置いて間歇的な電圧パルスを印加して放電を発生させ、前記対向方向の相対的な加工送りと共に、必要に応じ前記対向方向と直角方向の並進運動送りを与えながら穿孔若しくは型彫り加工する放電加工方法であって、
    前記電圧パルスとして、印加電圧パルスのパルス幅又は印加電圧パルスに基づいて発生する放電パルスのパルス幅に対して放電電流の電流振幅が大きい電極有消耗条件の電圧パルスを使用して加工面粗さが5〜30μmRmaxの中仕上げ以上の仕上げ加工を行なう放電加工方法に於いて、
    前記電極有消耗の電圧パルスに対してパルス幅が大きく放電電流振幅が同等以下と小さくて加工面粗さが、前記選択設定された電極有消耗の電圧パルスによる加工面粗さと同一となるように選定された電極低消耗条件の電圧パルスの複数個から成る電圧パルス列が、
    前記電極有消耗の電圧パルスの複数個から成る電圧パルス列の各列間に、加工間隙に印加される電圧パルスの数にして、前記電極低消耗の電圧パルスの割り合いが20〜50%の少ない割合となるように組み入れられ、さらに、前記電極有消耗の電圧パルス列が加工間隙に正極性で印加されるのに対し、前記電極低消耗の電圧パルス列が逆極性に印加されて加工が行われることを特徴とする放電加工方法。
  2. 被加工体に対し棒状電極や所望形状に成形した総型電極を加工槽内の加工液中に於いて微小加工間隙を介して相対向させ、両者間に電子スイッチ素子のオン・オフ制御により休止時間を置いて間歇的な電圧パルスを印加して放電を発生させ、前記対向方向の相対的な加工送りと共に、必要に応じ前記対向方向とほぼ直角方向の並進運動送りを与えながら穿孔若しくは型彫り加工する放電加工に於いて、
    前記電圧パルスとして、印加電圧パルスのパルス幅又は印加電圧パルスに基づく放電パルスのパルス幅が中仕上げ加工以上の仕上げ加工の所望の小さいパルス幅と所定の大きい放電電流振幅値と所望の電圧パルス間休止時間及び電圧パルスの印加極性を設定し得る電極有消耗の電圧パルス条件設定装置と、印加電圧パルスのパルス幅又は放電パルスのパルス幅が前記電極有消耗の設定パルス幅より大きいパルス幅と前記設定放電電流振幅より小さい放電電流振幅と所望の電圧パルス間休止時間及び電圧パルスの印加極性を設定し得る電極低消耗の電圧パルス条件設定装置と、前記電極有消耗と電極低消耗の各電圧パルス又は放電パルスを前記加工間隙に繰り返し連続して供給する数を選択設定する夫々の電圧パルス数設定装置と、前記オン・オフ電子スイッチ素子を所望複数個有するスイッチ素子部と、該スイッチ素子部と加工間隙間に挿設される印加電圧パルスの極性切換装置と、前記加工間隙に印加される電圧パルス又は加工間隙での放電パルスの信号を検出する放電パルス検出装置と、該パルス検出装置が検出したパルス数を計数するカウンタであって、設定された計数値をカウントする毎に信号を出力する計数器と、前記スイッチ素子部に前記2つの電圧パルス条件設定装置からの設定入力に応じスイッチ素子にオン・オフゲート信号を供給するパルス発生装置及びスイッチ素子部のオン・オフ電流設定信号を供給する放電電流振幅設定装置と、前記電極有消耗及び電極低消耗の各電圧パルス数設定装置からの各設定数入力信号により前記スイッチ素子部をオン・オフ制御して電極有消耗電圧パルスと電極低消耗電圧パルスの混合率を制御する混合比率制御装置であって、前記計数器が設定されている一方の電圧パルス数をカウントしたとき出力する信号により他方の計数すべき電圧パルス数を計数器に切換え設定し、該設定された電圧パルス数に対応する側の電圧パルス条件設定装置の設定電圧パルス条件の信号を前記ゲートパルス発生装置と放電電流振幅設定装置と極性切換装置とに供給するように切換える前記の混合比率制御装置とから成ることを特徴とする放電加工用電源装置。
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