JPH0659571B2 - 放電加工用電源装置 - Google Patents

放電加工用電源装置

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JPH0659571B2
JPH0659571B2 JP60041521A JP4152185A JPH0659571B2 JP H0659571 B2 JPH0659571 B2 JP H0659571B2 JP 60041521 A JP60041521 A JP 60041521A JP 4152185 A JP4152185 A JP 4152185A JP H0659571 B2 JPH0659571 B2 JP H0659571B2
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潔 井上
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/02Wire-cutting
    • B23H7/04Apparatus for supplying current to working gap; Electric circuits specially adapted therefor

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、放電加工用電源装置、特に加工用電極と被加
工物間の間隙に間歇的な電圧パルスを印加することによ
りパルス放電を生ぜしめる電源装置に関するもので、特
にいわゆる水または水を主成分とする液を加工液とする
放電加工の際に使用して有用な、あるいはさらに電解に
より比較的易溶解性の金属、合金を少なくとも一部以上
有効成分として含有する電極材を加工用電極および被加
工物の両方または何れか一方として使用する放電加工の
際に適用して有用な電源装置に関するものであり、特に
中加工以上の仕上加工のように、一方を加工精度を要
し、他方で加工間隙の平均加工電圧が高くなる(例え
ば、パルス電源形式にもよるが、無放電パルスや電圧パ
ルスの印加開始時から、加工間隙で放電が開始するまで
の放電開始遅延期間が長くなるように加工条件を保って
加工する)場合等に適用するに好適な電源装置に関す
る。
(従来の技術) しかして、上記水または水を主成分とする水系の加工液
を使用する放電加工としては、いわゆるワイヤカット放
電加工が良く知られているが、加工形状に応じた棒状や
成形形状等の加工用電極を用いる放電加工においても、
例えば特開昭56−101,197号公報、同56-163,8
44号公報、同57-48,430号公報等に記載されているよう
に用いられるようになって来ており、この意味で本発明
の電源装置はワイヤカット放電加工用には限らないもの
である。
また上記電解により比較的易溶解性の金属、合金を少な
くとも一部以上有効成分として含有する電極材として
は、例えばWC−Co合金の如き金属炭化物、金属窒化物、
金属硼化物等の一般的に高硬度、高融点の粒子をFe、N
i、Cr、Cu、Co、Zn、Al、Cd、Mn、Sn、Pb等の金属、合
金を結合材として焼結等によ固めたいわゆる超硬合金等
がその典型的な例であるが、上記超硬合金に限らず、ま
た鋳造等によって製造された合金中にも該当する合金が
あるものである。
すなわち、加工液として水または水を主成分とする水系
加工液を用い、そして、電解により比較的易溶解性の金
属、合金を一部以上有効成分として含む材料、例えば焼
結WC−Co合金を加工用電極及び被加工物電極の両方又は
何れか一方、通常は被加工物として放電加工する場合、
その典型としては、焼結WC−Co合金からなる被加工物を
黄銅等の銅系合金からなるワイヤ電極を用いて、また加
工液としては勿論純水等の水または水系加工液を用いて
ワイヤカット放電加工する場合があるが、従来通常の加
工用電源例えば、直流電圧源をトランジスタ等のスイッ
チング素子によりオン、オフして間歇的な矩形波電圧パ
ルス列を生成供給する非蓄勢式加工用電源、直流電圧源
によってコンデンサを充電し、これを電極、被加工物間
の加工間隙に放電させる蓄勢式加工用電源、およびコン
デンサの充電回路と放電回路の両方または何れか一方に
スイッチング素子を挿入し、該スイッチング素子のオ
ン、オフを周期的に行なうか、コンデンサの充電および
放電さらには加工間隙の加工状態に応じて上記スイッチ
ング素子のオン、オフを制御する形式の加工電源等の何
れの加工電源を使用した場合でも、加工電圧印加極性
は、通常正極性(被加工物が正、ワイヤ電極が負)とし
て加工されるものであり、被加工物のワイヤカット加工
面は、その加工面の内部側から焼結合金の結合材である
コバルトCoが、局部的にまたはほぼ全体的にある深さ
(例えば約0.01〜0.02mm前後)の部分迄電解作
用、陽極溶解作用等の電気化学的作用によって溶出して
しまっていて、折角の加工処理が全くの無駄となるか、
少なくとも品質上は勿論のこと、特にコーナ部における
腐食量の増大等により加工精度上も大きな問題があっ
た。
上記の如き各加工用電源の直流電圧源の出力無負荷電圧
は、少なくとも約80V乃至100Vまたはそれ以上
で、約200V前後というのは普通であり、約300V
前後という物もどちらかといえば多い方であり、このた
め、正常放電加工時における加工間隙の平均電圧または
平均加工電圧が例えば約150V前後ということも珍ら
しいことではなかった。
例えば、特開昭41−9,399号公報記載の如き、一
定の電圧パルス幅または時間と、一定の電圧パルス間休
止幅または時間を有する矩形波パルスの加工用電源の場
合、電圧パルス幅と休止幅の比を1(デューティーファ
クタ;1/2)、供給電圧パルスの約50〜80%が放電
する(短絡、アーク等を含む、他は無負荷電圧パルス)
状態がほぼ正常加工状態として、今仮りに約80%の供
給電圧パルスが充電している状態とし、しかもその放電
パルスの全てが、各電圧パルスの立上りから少しの時間
遅れも無く放電を開始したと仮定し、また上記電圧パル
ス(放電パルス)の幅を従来通常のワイヤカット放電加
工における数μs、例えば約5μsとする(従って休止
幅も5μs)と、加工液は通常水または水を主成分とす
る水系加工液であるから、各放電パルスにおける放電電
圧(放電維持電圧)は約30V程度であって(電圧パル
スの無負荷電圧値とはほとんど無関係である。)、さら
に今また前記電圧パルスの無負荷電圧を、例えば、約1
00Vとすると、加工間隙の平均加工電圧は計算上約2
2Vということになるが実際には、例えば約30数Vま
たはそれ以上と計算上の値よりもかなり高い値となる。
平均加工電圧がこのように計算上の値よりも高い主な理
由の1つは、第7図(A)に示す印加電圧パルスに対
し、ワイヤ電極と被加工物間の電圧は(B)のようにな
るからである。すなわち、当該印加パルスによって放電
が生じなかった場合に、ワイヤ電極と被加工物間の浮遊
容量等により供給電圧パルスによる電荷が残留し、この
電荷がワイヤ電極と被加工物間の浮遊容量、等価抵抗や
インダクタンス成分によって決定される時定数に基づい
て曲線Cに示すように放電すると共に、放電が生じた場
合は、僅かで通常殆んど無視しうるものの、例えば曲線
Dに示すように、放電電圧から次第に電圧が低下す放電
曲線を描くからである。
しかして、またこの平均加工電圧の値は、加工状態がア
ーク状等不良状態となる限界に近い放電割合(約80
%)を設定し、しかもその各放電パルスが電圧パルスの
印加時から少しの時間遅れもなく放電を開始したものと
仮定しているだけでなく、デューティーファクタも比較
的小さく設定し、さらに電圧パルスの無負荷電圧も低い
場合(100V)であるから、通常の正常加工状態のワ
イヤカット放電加工の平均加工電圧の半分またはそれ以
下、通常数分の1乃至それ以下の低い値であることが判
る。尤も、電圧パルスの幅が数10μs、例えば約30
μs以上で、棒状や形状電極等による加工液を水とする
放電加工では(加工液が水の場合、電圧パルス幅の広い
領域では電解作用が増し、良好な放電が維持できない
し、上記電解作用による幣害は避けられない。)、正常
放電加工時の各放電パルス中における放電電圧(放電維
持電圧)は約18V前後と低いものの、このような加工
条件領域では、アーク放電とならないように供給電圧パ
ルスに対する放電パルスの割合を減らすように制御した
り、また、デューティーファクタが通常の場合例えば3/
4等大きく設定されるているから、前述の場合程ではな
いにしても、加工間隙の平均加工電圧は前記22Vより
も相当高いのが普通である。
そしてまた、上記放電電圧約18Vというのは、既に各
放電時等に電解作用がある割合で生じているからであっ
て、後述する本発明の目的とする電解作用を殆んど生じ
させないか、電解作用の極めて少ない放電加工用電源の
設定加工条件電圧パルス幅としては、上記約30μsと
いうのは、相当程度上限に近いものということができ
る。
また、加工用電源として、例えば特公昭44−13,1
95号公報記載の如き、電圧パルスの印加時間、特にそ
の無負荷電圧の期間が、各所定の休止幅の後印加される
電圧パルスによる放電開始の遅れに比例して増大する形
式の矩形波パルス加工電源では、加工間隙の平均加工電
圧が前述の公報記載のそれよりも増大することは明らか
である。
また、前に述べた蓄勢式加工電源や、コンデンサの充放
電両方の回路またはいずれか一方にオン、オフスイッチ
ング素子を挿入した形式の加工電源等においても、放電
時間が短縮される一方において、加工間隙への電圧印加
期間が増大する傾向となるから、かかる形式の加工用電
源の場合も前述のものよりも加工間隙の平均加工電圧が
高いのが普通である。
このような各種電源における電圧パルス印加時からの放
電開始の遅れは、間隙抵抗が印加電圧値に対して設定値
以上大きいことによるものであることは当然であるが、
さらに間隙長に対する間隙抵抗の大きさ(加工液の性
状)や、加工間隙の静電容量、被加工物と電極との間に
介在する絶縁体の静電容量、スイッチング素子の静電容
量等による電圧の立ち上がりの遅れ等も関係しているも
のである。
ところで、放電加工の加工間隙状態では種々の状態があ
るから、一概には言えないが、水または水を主成分とす
る液を加工液とする放電加工において、加工間隙の平均
加工電圧が高い程、加工間隙での電解作用およびその量
が増すことは事実であり、そしてさらに加工間隙で現に
放電が行なわれていなくて、電圧が印加されている期間
(主として無負荷電圧印加時間)に電解作用およびその
量がほぼ比例していることは極めて明らかなことであ
る。また、印加電圧パルスに基づく放電中、特にその放
電電圧が、例えば約25V前後またはそれ以上と高い場
合には、放電と共にまたは同時に一部電解作用が加工間
隙で生じていると言われている。
(発明が解決しようとする問題点) そこで本発明の目的は、電解作用が少なく、従ってその
結果として例えば電極構成材料中に含まれている他より
も易電解溶出性の金属、合金の溶出を防止ないしは従来
よりも少なくして加工が可能な、そして一般的には電解
作用の割合が多いことによる欠点を除去した加工用電源
を提案するにあり、加工間隙の平均間隙または加工電圧
を約22〜20V、好ましくは約20〜18V、さらに
好ましくは約15〜10V程度以下に保つように制御し
て加工することが可能な加工用電源を提案するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、加工電極と被加工物間の加工間隙に水または
水を主成分とする加工液を介在させた状態で両者間に休
止時間を有する所定の時間幅の電圧パルスを印加し、こ
れにより両者間にパルス放電を生じさせて加工を行なう
ワイヤカット又は型彫放電加工において、所定複数個の
電圧パルスが印加される期間又は所定時間内の加工電極
と被加工物との間の平均加工電圧、平均加工電流若しく
は放電率を検出さらには演算する手段と、前記平均加工
電圧が所定基準に対して高いほど、或るいは前記平均加
工電流もしくは放電率が所定基準に対して低いほど前記
電圧パルスの繰り返し周波数が低くなるように前記電圧
パルス印加周波数の制御を行なう周波数制御回路とを備
え、更に前記電圧パルスの印加休止時間中加工電極と被
加工物間を電気的に短絡させるスイッチング素子、又は
前記休止時間中であって、その開始から所定時間経過後
に加工電極と被加工物間に前記電圧パルスと逆極性の電
圧パルスを印加するスイッチング素子と、前記スイッチ
ング素子の作動制御回路を設けて成ることを特徴とす
る。
なお、本発明の適用可能な電源形式としては、前記特公
昭41−9,399号公報記載の形式のもの、およびコ
ンデンサの少なくとも放電回路にオン、オフスイッチン
グ素子を挿設した形式のものを利用しうるが、前記特公
昭44−13,195号公報記載のものも、例えばスイ
ッチング素子のオンにより加工間隙に直流電圧源の無負
荷電圧を印加したとき、該電圧印加時より所望微小の期
間内に加工間隙で放電が開始されない場合には、一旦ス
イッチング素子をオフとして電圧印加を中断し、所望、
例えば休止幅と同程度の中断期間の後にスイッチング素
子を再びオンにして加工間隙に次の電圧パルスを印加す
るようにして、上記所望微小期間内に加工間隙で放電が
開始されたものだけ所定時間幅の放電をさせるようにす
る等の手段を付設すれば、ある程度の目的を達せさせる
ことができると思惟される。
なお上記において、平均加工電圧を検出または測定する
ための所定複数個の電圧パルスが印加される期間または
所定時間内の所定時間とは、設定加工条件において、加
工のための電圧パルスが通常少なくとも2個以上(各電
圧パルスと次の電圧パルスが印加されるまでの電圧パル
ス休止時間を含む)、例えば通常5〜30個程度の電圧
パルスが印加される期間または時間のことであるが、設
定加工条件によっては、例えば電圧パルス幅(時間)が
ある程度以上長い場合には、1個の電圧パルスが印加さ
れる期間または時間(前または次の電圧パルス迄の電圧
パルス間休止時間を含む)程度に平均加工電圧の検出時
定数が設定されることがある。そしてこの平均加工電圧
の検出手段および回路としては、公知のまたは慣用の回
路や素子等を適宜用いることができるものである。
(作用) 本発明においては、加工間隙の平均加工電圧、平均加工
電流または放電率を検出し、平均加工電圧が高くなった
場合、もしくは平均加工電流または放電率が所定基準に
対して(即ち、例えばその当該時点で加工間隙に印加さ
れている電圧パルスの周波数に対して所定割合以上)低
下している場合、加工電極と被加工物との間に印加する
電圧パルスの周波数を低下させることにより、実質的に
無負荷電圧が加工間隙に印加されている時間を減少させ
ることを可能にし、また更に、電圧パルスの印加休止時
間にスイッチング素子により間隙を電気的に短絡する
か、前記電圧パルスと逆極性の電圧パルスを印加するよ
うにして休止時間中の間隙電圧を零または逆電圧とし、
これにより加工間隙の平均間隙または加工電圧を低下さ
せ、前述の如く好ましくは20〜15V程度またはそれ
以下に保って加工しようとするものである。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例を示す電気回路図であり、ワ
イヤカット放電加工の例を示す。1はワイヤ電極、2は
被加工物、3は加工電源、4は限流抵抗、5はスイッチ
ング素子、6は前記ワイヤ電極1と被加工物2との間の
平均間隙または加工電圧を検出する電圧検出回路であ
り、その入力には給電ブラシまたはローラ9を介して電
気的に接続される回路7と被加工物2につながる回路8
がそれぞれ接続されている。10は前記電圧検出回路6
の出力に基づき、前記スイッチング素子5、および前記
回路7,8を短絡させるスイッチング素子11を制御す
る制御回路である。12は例えば200KHz〜1MHz程度
の高周波の電圧パルス(すなわち、スイッチング素子5
の通常のオンオフ周波数程度またはその数倍以上の周波
数の電圧パルス)を、抵抗13およびコンデンサ14を
介してワイヤ電極1と被加工物2との間に印加して放電
を促進する高周波発振器で、必要に応じて付設されるも
のである。
第2図は第1図の回路の詳細例であり、前記電圧検出回
路6は前記回路7,8間の電圧、即ち電圧パルスが例え
ば5〜30個印加される期間に応答するような検出時定
数を有する電圧積分回路15と、その値を後述のプリセ
ットカウンタ22の出力間隔時間Tにより除算する除算
回路16と、その除算結果の電圧を保持するホールド回
路17とからなる。また、前記制御回路10は、前記ホ
ールド回路17の出力電圧の高低に逆比例した周波数の
パルス出力を得るV/f変換回路(電圧−周波数変換回
路)18と、該回路18の出力から矩形波のパルス出力
を得て加工の目的に応じて設定した電圧パルス間休止幅
と所定時間幅の電圧パルスを生成するように前記スイッ
チング素子5にゲートパルスを加わえる前記特公昭41
−9,399号公報、同44−13,195号公報、同
50−21,072号公報、同52−18,541号公
報、同58−33,208号公報等、その他例えば米国
特許第3,697,879号明細書等に記載の放電加工
用オンオフゲートパルス発生回路からなる波形整形回路
19と、該回路19の出力を反転して前記スイッチング
素子11に加わえる反転回路20と、該回路20の出力
パルス数をカウントし、設定器21に設定された数をカ
ウントすると出力fを出すプリセットカウンタ22と、
該カウンタ22の出力パルス間隔(パルスfの立下がり
から次のパルスfの立上がりまでの時間間隔)における
発振器23からのクロックパルス数を計数して時間間隔
Tを求めるカウンタ24と、その出力値を電圧に変換す
るD/A変換回路25とからなり、該D/A変換回路2
5により得られる時間間隔に相当する出力Tが前記除算
回路16に加わえられ、一方前記プリセットカウンタ2
2の出力パルスfがタイミング信号として、前記積分回
路15、除算回路16およびホールド回路17に加わえ
られる。
第3図は第1図および第2図に示した回路の動作を説明
する波形図であり、各波形図の左端部に記載した符号は
第2図中に示す各部の信号を表わしている。第2図にお
いて、いま時間tの時点において、プリセットカウンタ
22からの矩形波パルスfが出力された場合、積分回路
15はクリアされると同時に、該出力パルスfにより、
除算回路16は、積分回路15により得られた電圧値を
カウンタ24およびD/A変換回路25により得られた
時間間隔に相当する電圧で除算して平均間隙または平均
加工電圧V1を求め、ホールド回路17はその値V1を保持
する。V/f変換回路18は該ホールド回路17に保持
された電圧V1に応じた(所定の反比例の関係にある)周
波数のパルスを発生させ、このV/f変換回路18の出
力パルスは、第3図dに示すように正常な標準状態の前
記電圧V1(例えば、加工間隙の平均加工電圧約20V)
に対応した周期T1のものとなる。このパルスdは前記波
形整形回路19に加わえられ、設定された加工条件の電
圧パルス間休止幅τoffを有する加工用の電圧パルスτ
onを生成させるパルスeをゲートパルスとして成形し、
このパルスeは前記スイッチング素子5に加わえられて
該スイッチング素子5が間歇的に時間τonの間オンとな
るので、ワイヤ電極1と被加工物2との間に間歇的に設
定加工条件の休止幅τoffを置いて所定設定時間幅τon
の電圧パルスが加わえられる。また、スイッチング素子
5がオフである期間は、反転回路20の出力によりスイ
ッチング素子11がパルスによってオンとなり、ワイ
ヤ電極1と被加工物2間が短絡される。このようなスイ
ッチング素子5,11の動作により、加工間隙、すなわ
ち電極1と被加工物2との間の電圧はaに示すようにな
る。波形aにおいて、a1,a2,a4,a5は放電を生じた時
の波形であり、a3は放電を生じなかった時の波形であ
る。積分回路15は、この加工間隙の電圧を積分するの
で、bに示すような出力電圧が得られる。なお、図示の
場合は、設定加工条件において、V/f変換回路18の
パルス出力周波数が標準的な目標とする値で、あるいは
さらには、加工間隙が目標とする正常加工状態、例えば
平均加工電圧約20Vのときにおいて、積分回路15の
放電時定数が、電圧パルスが5個次々と印加供給される
期間とほぼ同一程度か、それより少し長く、前記電圧パ
ルス5個全部が放電しない無負荷電圧パルスの時に最大
積分電圧値となる充電および放電時定数を有する積分回
路15と考えると考えやすい。
プリセットカウンタ22は反転回路20からの5個のパ
ルスを計数するとパルスfを出力するものとすれば、a5
の波形の立下がり時点にてパルスfが出力され、該パル
スfの立上がりでカウンタ回路24はパルスfの時間間
隔Tに相当する値を出力し、D/A変換回路25はその
値に相当する電圧を除算回路16に出力する。除算回路
16は積分回路15の出力電圧Vを前記時間間隔Tに相
当する電圧値で除算し、その結果ホールド回路17で保
持する電圧V2を出力する。V/f変換回路18は、電圧
Vが高い(低い)程出力周波数を低く(高く)する構成
を有するので、この例に示すように、前に保持されてい
た電圧V1よりも次に保持される電圧V2が低くなった場合
には、V/f変換回路18の出力周波数は第3図のdで
示すように高くなり、第3図のd,e,に示すよう
に、前回よりも短かい周期T2(T1>T2)の出力でスイッ
チング素子5,11がオンオフされることになる。
このように、加工間隙に加わえる電圧パルスの数当たり
の放電回数が多いことにより、平均加工電圧が低くなっ
た場合には電圧パルスの時間幅τonは設定加工条件によ
る設定値で変化がなく、電圧パルス休止幅τoffが短か
くなってスイッチング素子5,11のオンオフ周波数を
高め、逆に平均加工電圧が高くなった場合には、V/f
変換回路18の出力パルスdの出力周波数は低くなっ
て、電圧パルス間の休止幅τoffが長くなり、スイッチ
ング素子5,11のオンオフ周波数を低くして、加工間
隙に電圧パルスを加わえても放電をしないとか、電圧パ
ルス印加時より放電開始迄の遅延時間が長くなるよう
な、加工間隙で放電が発生しにくいときに、余計な電圧
パルスを次々と印加することなく電圧パルスの印加周波
数を低減させることにより、加工間隙の平均電圧値を低
く保って加工を行なうことができる。また本実施例のよ
うに、スイッチング素子11を設けて、スイッチング素
子5がオフである期間はワイヤ電極1と被加工物2とを
短絡することによって、放電加工回路や加工間隙等の浮
遊容量による残溜電圧を消失させ、加工間隙の平均加工
電圧をより低下させることができる。
第1図および第2図の例では平均加工電圧によって電圧
パルスの周波数制御を行なうようにしたが、回路7また
は8に抵抗を挿入してその降下電圧を積分回路15に入
力し、一方、V/f変換回路18はホールドされた電圧
が高いほど出力周波数を高くする平均加工電流による検
出方式とすることによっても同様の効果を上げることが
できる。
また、平均加工電圧検出回路6として、周知のポテンシ
ョメータを回路7,8に接続して加工間隙電圧をV/f
変換回路18に直接、または電圧パルスが2個以上、例
えば3個前後印加される期間程度の時定数を有する遅延
回路網を介して電圧信号を入力させ、V/f変換回路1
8の出力パルスdの周波数をほぼ連続に近い状態で次々
と変化させ得る状態のものを使用するようにすることが
でき、制御回路10が実質的にV/f変換回路だけの簡
単な構成とすることができる。
第4図は、そのような実施例の一例をブロックダイヤグ
ラム図で示したもので、前記第1図および第2図と同一
の符号を付したものは、同一物または同一機能物であ
る。図において、6′は加工間隙の電圧を検出するポテ
ンショメータ、6″はポテンショメータ6′によって検
出された加工間隙の電圧を所定の時定数で平滑化する平
滑回路で、この2つにより加工間隙の平均加工電圧を検
出する回路が構成され、この平均加工電圧がV/f変換
回路18に入力するように構成されている。
第5図は、型彫またはワイヤカット放電加工における本
発明の他の実施例であり、前記実施例と同一または同一
機能のものには同一の記号が付してある。図において、
27は加工電極1′と被加工物2との間の電圧を検出
し、あるレベル以上であれば出力「1」の信号を出力
し、他の場合には出力「0」の信号を出力する電圧検出
回路である。28〜30は本実施例により放電回路まわ
りに設けられた回路で、28は前記スイッチング素子5
のオン動作によって加わえられる加工電圧パルスと逆極
性の電圧パルスを前記加工電圧パルス間の休止期間中に
加工間隙に印加する直流電源、29は限流抵抗、30は
パルス形成用スイッチング素子である。
31Aおよび31Bはそれぞれ加工電圧パルスのオン時
間τonとオフ時間τoffを設定する手動設定器、31
A′および31B′はそれぞれのデータセレクタ、32
Aおよび32Bは同じくオン・オフ時間のデータを貯蔵
しているそれぞれのパルスロム、33はデータセレクタ
31A′および31B′によってパルスロム32A,3
2Bより交互に読み出されるオン時間とオフ時間のデー
タが交互にロードされるプリセットカウンタ、34はデ
ータロード用のモノステーブルエレメント、35はスイ
ッチング素子5等を制御するバイステーブルエレメン
ト、36はクロックパルス発振器、37および38はオ
ン時間およびオフ時間用アンド回路、39はオア回路、
40は電圧パルスの印加を開始後の一定時間(第6図の
T4)を設定するプリセットカウンタ、41は前記プリセ
ット値の調整設定器、42はアンド回路、43は必要に
応じて電圧パルスのオン時間設定側に挿設して各放電パ
ルスの時間幅を一定とするためのアンド回路で、上記本
発明に係るプリセットカウンタ部分の構成を除くと、例
えば特開昭56−120,226号公報等に記載された
ものと実質上同一であるから、回路の構成および作動の
詳細についての説明は省略する。44,45はそれぞれ
前記アンド回路42およびプリセットカウンタ33の終
了信号aを計数するカウンタ、46はカウンタ44の計
数値をカウンタ45の計数値の1/2で割ることにより、
放電率を求める演算回路、47は演算回路46により求
められる放電率が小さいほど、前記電圧パルス間休止時
間τoffのデータセレクタ31B′に対し、より長い時
間が切換設定されるように周波数制御を行なう信号を出
力する制御回路、48Aは遅延回路、48Bは前記バイ
ステーブルエレメント35の出力dの立上がり時点から
適宜遅延して電圧パルス間休止時間幅τoffよりも短か
い所定時間幅のパルスを出力するモノステーブルエレメ
ントである。
次に第5図の回路の動作を説明する。第5図において、
前の電圧パルス間休止時間τoffが経過した時点でプリ
セットカウンタ33から休止時間終了信号aが出力する
と、バイステーブルエレメント35が反転して出力cが
オン、出力dがオフとなることにより、スイッチング素
子5がオンになり、加工間隙に電圧パルスの印加を開始
すると共に、同バイステーブルエレメント35の出力c
が電圧パルス幅τonを選択設定するデータセレクタ31
A′,パルスロム32A、およびアンド回路37に入力
し、制御回路47により切換選択設定されていた電圧パ
ルスのオン時間T3(=τon,クロックパルス発振器36
の連続出力パルスFの数−第6図参照)をモノステーブ
ルエレメント34の出力bに応じてプリセットカウンタ
33にロードし、該ロード値からアンド回路37および
オア回路39経由のクロックパルスgにより減算カウン
トを開始する。この時、第6図Bの場合のように、アン
ド回路37から出力するクロックパルス数が、プリセッ
トカウンタ40にロード設定されているプリセット値T4
に達する前に加工間隙での放電が開始されれば、電圧検
出回路27の出力eがオフとなり、当該電圧パルスによ
って放電期間中アンド回路42の出力iがオンとなるこ
とはない。従って、プリセットカウンタ33がアンド回
路37の出力クロックパルスgにより設定オン時間数を
減算カウント終了する迄スイッチング素子5をオン継続
して放電を続けさせ、オン時間終了によりプリセットカ
ウンタ33から終了信号aが出力すると、バイステーブ
ルエレメント35を反転させてスイッチング素子5をオ
フにし、同バイステーブルエレメント35の出力信号d
がデータセレクタ31B′、パルスロム32B、および
アンド回路38に入力し、オフ時間T5(=τoff)をプ
リセットカウンタ33にロードすると共に、その減算カ
ウントを開始してオフ時間計数工程に移行する。また、
バイステーブルエレメント35の出力信号dの立上がり
信号が遅延回路48Aで適宜遅延してモノステーブルエ
レメント48Bを作動させ、オフ時間(=τoff)より
も短かい所定時間だけモノステーブルエレメント48B
の出力がオンとなり、スイッチング素子30がオンとな
ることにより、加工間隙に直流電源28による加工用電
圧パルスとは逆極性の逆電圧パルスが加工間隙に印加さ
れる。
しかるに、第6図Aの場合のように、前述のプリセット
カウンタ40がアンド回路37出力クロックパルスを加
工間隙で放電が開始する前にカウントしてしまうと、該
プリセットカウンタ40は信号fを出力し、これと電圧
検出回路27の出力とによってアンド回路42の出力i
はオンとなり、この出力によって放電しないパルスをカ
ウントするカウンタ44は1だけ歩進する。このとき、
出力iは、バイステーブルエレメント35に入力して反
転させ、スイッチング素子5およびデータセレクタ31
B′とアンド回路38に信号を入力すると共に、プリセ
ットカウンタ33の設定オン時間T3の信号をクリヤし、
そしてモノステーブルエレメント34に代わってプリセ
ットカウンタ33にオフ時間T5のデータをロードさせ、
時間T4経過後、時間T5の電圧パルス休止時間τoffに移
行させる。一方、印加電圧パルスと計数するカウント4
5はプリセットカウンタ33の終了信号がパルスaを計
数し、その計数値がカウンタ45にあらかじめ設定され
ている値に達すると、演算回路46にカウント44の計
数値jとカウンタ45の計数値K(偶数)とから、下記
の式により、放電率pを求める。
p=j/(k/2) そしてこの放電率pが小さい場合は、制御回路47によ
る前記時間T5の時間を長くし、反対に、放電率pが大き
い場合は、制御回路47による前記時間T5の時間を短か
くする。この実施例においても、放電率が低下すれば、
平均加工電圧が上昇するから、前記実施例と同様の作用
効果を上げることができる。また、本実施例において
は、電圧パルス休止時間の開始時点で逆電圧を印加して
いるので、平均加工電圧を例えば、10Vまたはそれ以
下、場合によっては零Vに低下させることができる。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明によれば、平均加工電圧が高
い程、あるいは放電率が小さい程加工間隙に印加する加
工電圧パルスの周波数を低下させると共に、電圧パルス
の印加休止時間に間隙を電気的に短絡するか、又は逆極
性の電圧パルスを印加するようにしたので、平均加工電
圧を従来よりも低下させることができ、電極または被加
工物構成材料中に含まれている他よりも易電解溶出性の
金属、合金の溶出を防止ないしは従来よりも少なくして
加工を行なうことが可能となり、また、コーナー部にお
ける腐食量を低減し、加工精度を向上させることができ
る。
以上本発明の実施例を2〜3の実施例により説明した
が、本発明は前述実施例によって何等制限されるもので
はなく、前記した公知例公報記載に止まらず、各部の構
成等において公知技術との置換が可能なことは当業者に
明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す回路図、第2図はその
一部の詳細例を示す回路図、第3図は第2図の動作説明
に供する波形図、第4図は本発明の他の実施例を示すブ
ロックダイヤグラム図、第5図は本発明のさらに他の実
施例を示す回路図、第6図は第5図の動作説明に供する
波形図、第7図A,Bは従来の加工回路の電圧波形図で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工電極と被加工物間の加工間隙に水また
    は水を主成分とする加工液を介在させた状態で両者間に
    休止時間を有する所定の時間幅の電圧パルスを印加し、
    これにより両者間にパルス放電を生じさせて加工を行な
    うワイヤカット又は型彫放電加工において、所定複数個
    の電圧パルスが印加される期間又は所定時間内の加工電
    極と被加工物との間の平均加工電圧、平均加工電流若し
    くは放電率を検出さらには演算する手段と、前記平均加
    工電圧が所定基準に対して高いほど、或るいは前記平均
    加工電流もしくは放電率が所定基準に対して低いほど前
    記電圧パルスの繰り返し周波数が低くなるように前記電
    圧パルス印加周波数の制御を行なう周波数制御回路とを
    備え、更に前記電圧パルスの印加休止時間中加工電極と
    被加工物間を電気的に短絡させるスイッチング素子、又
    は前記休止時間であって、その開始から所定時間経過後
    に加工電極と被加工物間に前記電圧パルスと逆極性の電
    圧パルスを印加するスイッチング素子と、前記スイッチ
    ング素子の作動制御回路を設けて成ることを特徴とする
    放電加工用電源装置。
  2. 【請求項2】前記周波数制御回路が、電圧パルス間の休
    止時間を実質上制御するものである特許請求の範囲第1
    項記載の放電加工用電源装置。
  3. 【請求項3】前記周波数制御回路が、電圧パルス間の休
    止時間と電圧パルスの時間幅とを制御するものである特
    許請求の範囲第1項記載の放電加工用電源装置。
  4. 【請求項4】前記周波数制御回路が、周波数をF、平均
    加工電圧をVとした時、式F・V=C(但し、Cは定
    数)が成立する周波数変換装置である特許請求の範囲第
    1項、第2項、又は第3項のいずれかに記載の放電加工
    用電源装置。
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