JP3086364B2 - 放電加工方法及びその装置 - Google Patents

放電加工方法及びその装置

Info

Publication number
JP3086364B2
JP3086364B2 JP05173719A JP17371993A JP3086364B2 JP 3086364 B2 JP3086364 B2 JP 3086364B2 JP 05173719 A JP05173719 A JP 05173719A JP 17371993 A JP17371993 A JP 17371993A JP 3086364 B2 JP3086364 B2 JP 3086364B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
power supply
machining
supply circuit
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05173719A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH071238A (ja
Inventor
伸嘉 鍋倉
邦治 山田
知 田嶌
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sodick Co Ltd
Original Assignee
Sodick Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sodick Co Ltd filed Critical Sodick Co Ltd
Priority to JP05173719A priority Critical patent/JP3086364B2/ja
Publication of JPH071238A publication Critical patent/JPH071238A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3086364B2 publication Critical patent/JP3086364B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電加工方法及びその
装置に係り、特にインパルス電流を印加するようにした
放電加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、放電加工装置は、電極と被加工
物(以下ワークと称す)とを油系または水系等の加工液
を介して数ミクロン乃至数10ミクロン(μm)の間隙
に対向させ、高い繰り返し数のパルス状の放電電流を発
生させることにより形成される放電痕の累積により加工
を行うものである。パルス状の放電電流は、略一定の波
高値及び時間幅を有し、且つオン状態とオフ状態とを繰
り返して継続的に流れている。この加工原理から、パル
ス状の放電電流は、ワーク材質・硬度や加工間隙におけ
る放電状態等に応じて最適な状態に制御されている必要
があり、この最適制御により最適な放電加工が可能とな
る。
【0003】放電加工装置における放電の電圧は、電極
及びワーク間に形成される放電間隙の状況に応じて種々
の波形を有している。例えば間隙にガス・タール・カー
ボン等の加工液の分解物やチップ等の金属加工粉が多く
介在している場合は、間隙のインピーダンスが下がった
状態となり、短い放電待機時間とその後に続く一定の放
電電圧が維持される波形を呈している。また、前記分解
物が余り無い場合は、適度な放電待機時間を有し比較的
なだらかな立ち下がりと略安定した電圧レベルでの放電
を示す波形を呈する。更に、放電時に間隙が適切な範囲
のLZ(低インピーダンス)レベルとHZ(高インピー
ダンス)レベルの間にある場合は安定した放電状態であ
り、良好な放電波形である。ところで、放電加工時に電
極とワークとの間の極間にガス・タール・カーボン等の
加工液の分解物やチップ等の金属加工粉が多く溜るとア
ーク等の異常な放電が発生する。そのために、従来にあ
っては異常放電(アークの前駆現象的放電とアーク放電
を含む)が発生すると例えば断続的に繰り返し印加され
る電圧の休止時間を例えば10倍程度と長くすることが
行われていた。図5はこの時の状態を示す電圧または電
流の波形図である。図5(A)は電極とワークの間の放
電電圧波形を示し、図5(B)は放電時に流れる放電電
流波形を示し、図5(C)は放電が正常に行われたか否
かを示す電流検出信号(HZ/LZ)の波形である。こ
の電流検出信号は、放電電流が高インピーダンスレベル
と低インピーダンスレベルの検出レベル外であった時異
常放電が発生したと判断し、異常放電検出信号を発生す
る。そして、アーク等の異常放電が発生すると、次の放
電電圧を印加するまでの休止期間T1を通常の正常放電
時における休止期間T2の約10倍程長く設定し、極間
の安定を図るようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に異常アーク発生時に休止期間を伸ばすように放電制御
を行うと、放電による生成物の発生が抑制されてある程
度、極間状態が安定化するが、しかしながら、この場合
には加工速度が悪化し、しかも一度発生した生成物が同
一箇所に滞留したり、または電極に付着して、極間から
の排出が困難になるという問題点があった。
【0005】また、他の制御方法として特公昭46−1
9112号公報に開示されているように主パルス間に小
容量の補助パルスを印加する方法も提案されてはいる
が、これは主パルスにより生じた噴山の溶断や不溶性酸
化膜の溶解を目的としたものであり、生成物の積極的な
排出はできない。本発明は、以上のような問題点に着目
し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本
発明の目的は、異常放電が発生した時に次の放電電圧が
印加されるまでの休止期間において加工電流に対して十
分高い値で且つ短いパルス幅のインパルス電流を印加
し、発生した生成物を極間から強制的に排出することが
できる放電加工方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、上記問題
点を解決するために、工具電極と被加工物との間に断続
的にパルス状の電圧を印加し両極間に放電を発生させて
被加工物の加工を行うようになした放電加工方法におい
て、前記電極と被加工物との間の放電状態に応じて前記
パルス状の印加電圧の休止期間中に極間に流れる放電電
流よりも十分高い値のインパルス電流を印加するように
したものである。
【0007】第2の発明は、対向配置した工具電極と被
加工物との両極間に放電加工用の電圧パルスを印加する
ように構成された電源回路を予め設定された加工条件に
基づいて制御する主電源回路制御手段を備えた放電加工
装置において、前記両極間の放電状態を検出する放電状
態検出手段と、前記放電状態検出手段が異常放電を検出
した時に前記電圧パルスの印加しない期間を所定時間延
長するように設定値を変更する加工条件制御手段と、前
記電源回路によって発生する放電の際に流れる加工電流
よりも十分高い値のインパルス電流を印加する補助電源
回路と、前記放電状態検出手段が異常放電を検出した時
に前記電圧パルスの印加しない期間に前記インパルス電
流を少なくとも1回印加するように前記補助電源回路を
制御する補助電源回路制御手段とを備えるようにしたも
のである。
【0008】
【作用】第1の発明によれば、放電状態が悪化して異常
放電が発生した場合には次の放電電流の休止期間中に過
大な例えば通常時の電流の5〜10倍の大きさのインパ
ルス電流を印加するようにしたので、その衝撃力により
極間に溜っていた生成物は容易に排出されてしまい、迅
速に正常な極間に戻すことができる。
【0009】第2の発明によれば、放電状態検出手段は
両極間の放電状態を検出し、この手段により異常放電が
検出されると加工条件制御手段は電圧パルスの印加しな
い期間を所定時間延長させる。そして、補助電源回路制
御手段は補助電源回路を駆動し、電圧パルスを印加しな
い期間に、通常の放電の際に流れる加工電流よりも十分
に高い値のインパルス電流を両極間に印加させる。そし
て、この衝撃力により極間に溜っていた生成物を確実に
排出する。
【0010】
【実施例】以下に、本発明に係る放電加工方法及びその
装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は
本発明の放電加工装置の一実施例を示す概略構成図、図
2は図1に示す装置の部分的構成図、図3は図2に示す
回路中の電圧または電流の波形を示す図である。
【0011】まず、図1に示す各構成部分の機能を説明
すると、符号50は加工条件制御手段であり、制御プロ
グラムに従い設定された加工条件やNCプログラムに応
じた指令値を各手段に送信する。加工条件の設定は図示
しない入力装置を介して直接設定されるか、番号等の入
力によって選択的に設定される。符号14は主電源回路
制御手段であり、ゲートパルスを発生させるゲート回路
により構成される。この制御手段は、ゲートパルスの出
力によってスイッチングトランジスタ16をオンオフ
し、加工条件制御手段50で設定されるオン時間、オフ
時間、平均加工電流等を制御する。
【0012】符号30は放電状態検出手段であり、放電
状態を検出し、極間状態の正常と異常を判別する。この
検出手段としては、例えば特開平4−304924号公
報等に開示される公知の手段が用いられる。符号32は
補助電源回路制御手段であり、メインゲートのパルスに
よってオフ時間を認知する。
【0013】具体的には各手段は以下のように構成され
る。図示するように加工用の工具電極2とワーク(被加
工物)4を僅かな間隙Gを介して対向配置させ、これら
に直流電源6を接続することにより放電主回路8を形成
する。この放電主回路8内には、電極2の方向が順方向
になされたダイオード10、放電時の電流を抑制する抵
抗12及びスイッチングトランジスタ16が順次直列接
続されている。加工条件制御手段50に規定された種々
の加工条件に基づいて主電源回路制御手段14は所定時
間上記トランジスタ16をオン・オフさせて電極2とワ
ーク4との間に所定の波高値のパルス電圧を後述するよ
うに複数、例えば2通りの周期で印加し得るように構成
されている。
【0014】このように構成された放電主回路8には、
電極と被加工物との間の放電状態に応じてパルス状の放
電電流の休止期間中に通常の放電電流よりも十分高い値
のインパルス電流を印加するインパルス電流印加手段1
8が接続されている。具体的には、この印加手段18は
上記電極2及びワーク4にそれぞれ補助直流電源20の
+、−極を接続してなる補助電源回路22を有してお
り、この補助電源回路22にはダイオード24、過電流
が流れることを防止する抵抗26及びこの補助電源回路
をオン・オフするためのスイッチングトランジスタ28
が順次接続されている。
【0015】また、上記電極2とワーク4は、これらの
間の放電状態を検出するための放電状態検出回路(手
段)30に接続されており、例えば放電電流により放電
状態が正常であるか否かを判断するように構成されてい
る。この検出回路30は、特開平4−304924号公
報に示される検出信号回路のように構成されており、放
電電流検出部31と異常放電判別部33を有している。
この放電電流検出部31は例えば電極2とワーク4とに
接続されてこれに流れる放電電流を検出する電流検出回
路34を有しており、この出力は第1電流コンパレータ
36の−端子へ接続されると共に第2電流コンパレータ
38の+端子へも入力されている。また、第1電流コン
パレータ36の+端子には、第1の基準電圧を発生する
第1基準電圧源40が接続され、第2電流コンパレータ
38の−端子には、第2の基準電圧を発生する第2基準
電圧源42が接続されている。
【0016】この検出回路30は、図3(B)に示す放
電電流の立ち上がりを検出して放電が正常であるか否か
を判断するものであり、そのために第1の基準電圧及び
第2の基準電圧は図3(B)の放電電流の波高値の相異
を検出し得るような値に設定されている。そして、第1
及び第2電流コンパレータ36、38の各出力は、フリ
ップフロップ46、48へ各々入力されてチェックパル
スCP1、CP2のタイミングでOR回路44へ出力さ
れ、このOR回路44の出力は、異常放電の場合、すな
わち検出値が第1の基準電圧以上の時または第2の基準
電圧以下の場合には図3(C)の波形に示すように異常
放電検知信号が出力される。以上の検出回路は例えば特
開平4−304924号公報で開示された装置を用いれ
ばよく、また放電電圧を検出する等他の構成でも構わな
い。
【0017】そして、この検出回路30の出力は、前記
主電源回路制御手段14と補助電源回路制御手段32と
に接続されている。上記制御手段14は異常な放電すな
わち異常放電を示す信号を入力すると次の放電電圧を印
加するまでの休止期間を正常放電時における休止期間よ
りも長く、例えば10倍程度長くするように設定する。
【0018】また、補助電源回路制御手段32の出力は
前記スイッチングトランジスタ28をオン・オフするた
めにこのベースに接続されており、放電状態検出回路
(手段)30から入力される異常放電検出信号に基づい
て所定のタイミングで補助回路のゲート信号を出力し得
るように構成される。この補助電源回路制御手段32
は、放電状態が異常である旨の信号、すなわち異常放電
信号を入力すると次の印加電圧が立ち上がるまでの休止
期間の途中で単発の或いは複数のインパルス電流を印加
するためのゲート信号を出力するように構成されてお
り、特に、異常放電が連続して生じた場合にはそれに対
応させて休止期間中に印加するインパルス電流の印加数
を次第に増加させるように構成されている。尚、ここで
いう休止期間は放電電圧が印加されていない時を表し、
初期設定された休止期間だけでなく、休止期間を長くす
る等制御された期間を含んでなるものである。
【0019】この制御手段32は、放電状態検出手段3
0からの出力及び加工条件制御手段50からの出力を入
力するインパルス電流制御手段52を有し、この制御手
段52の出力は補助回路ゲートパルス発生手段56に送
られる。この発生手段56の出力はスイッチングトラン
ジスタ28のゲートに印加されて、インパルス電流制御
手段52の指令値に基づいて主電源回路の休止期間中に
所定のパルス幅のゲート信号を所定回数出力してスイッ
チングトランジスタ28をオンオフする。また、上記制
御手段52には、異常放電の回数をカウントする異常放
電回数計数手段54が接続されている。
【0020】上記インパルス電流制御手段52は、異常
放電が検知された場合には異常放電回数計数手段54よ
り前回までの計数値nを得て今回の回数を加算して異常
放電回数計数手段54をカウントアップする。そして前
回までの計数値nに今回の回数を加算した回数だけゲー
トパルスが出力されるようにゲートのオフ時間にタイミ
ングを合致させて補助回路ゲートパルス発生手段56に
信号を出力する。この時前回までの計数値nが予め設定
された1休止期間内に印加するインパルス電流の印加回
数の最大数(規定数)に達していた場合には加算はせず
前回の印加回数に基づいて補助回路ゲートパルス発生手
段56に信号を出力する。尚、加工条件制御手段50か
ら加工条件の設定値の変更があった場合には1休止期間
内に印加するインパルス電流の回数の最大規定数を変更
するようにしておくとなおよい。また、加工条件制御手
段50の信号を得て主電源回路のゲートのオフ時間以外
の加工条件の設定値に応じて加工条件制御手段50の信
号を得て印加するインパルス電流のパルスを変更するよ
うに構成されており、ここでは設定されたピーク電流値
の10倍の電流値のインパルス電流が印加されるように
なしてある。従って例えば設定されたピーク電流値が1
0Aの時は100Aのインパルス電流が印加され、2A
に変更されると20Aのインパルス電流が印加される。
放電状態検出手段30からの信号が正常放電であった場
合には、異常放電回数計数手段の計数値をクリアする。
【0021】次に、以上のように構成された装置を用い
て実施される本発明方法を図3及び図4も参照しつつ説
明する。まず、図3(A)は電極2とワーク4との間の
放電電圧波形を示し、図3(B)は放電時に電極−ワー
ク間に流れる放電電流波形を示し、図3(C)は放電状
態検出回路30から出力される電流検出信号波形(HZ
/LZ)を示し、図3(D)はインパルス電流波形を示
し、図3(E)は電極−ワーク間に流れる全体の加工電
流波形を示す。
【0022】まず、各種の初期加工条件を設定し(S
1)、この予め設定された各種の加工条件に従って加工
条件制御手段50は主電源回路制御手段14に設定値に
応じた指令信号を送り、主電源回路制御手段14は、そ
の指令信号に基づいて所定のインターバルでスイッチン
グトランジスタ16がオン・オフするようにゲートパル
スを発振する。これにより主直流電源6からの電圧が電
極2とワーク4との間に印加され、放電加工が行われる
(S2)。この時、電極2とワーク6との間の放電電圧
は、図3(A)に示すようになり、パルスが立っている
ところがスイッチングトランジスタ16のオンの期間で
あり、パルス休止期間がオフの期間である。放電が開始
されると電極−ワーク間の放電電圧の値は低下し、この
時流れる放電電流は図3(B)に示すようになる。
【0023】放電加工が開始されると電極−ワーク間に
流れる放電電流は常時、放電状態検出回路によって監視
され(S3)、その放電電流が所定の範囲にあるかどう
かを検出することによって放電状態が正常であるか否
か、すなわち高インピーダンス或いは低インピーダンス
によってアーク等の異常放電が発生しているか否かが判
断される(S4)。異常放電が発生している場合には、
僅かな検出時間T3例えば15μsの遅れの後、パルス
が立てられる。この時の検出結果は図3(C)に示す電
流検出信号として出力される。尚、異常放電検知信号の
出力されるタイミングはチェックパルスCP1、CP2
の出力またはフリップフロップ46、48の数等で定ま
るものである。
【0024】放電電流のパルスにおいて図中左より2番
目〜4番目のパルスA1、A2、A3が異常放電を示
し、パルスA1、A2が高インピーダンス状態で生じる
異常放電、パルスA3が低インピーダンス状態で生じる
異常放電を示している。主電源回路制御手段14は、通
常の正常放電時には、パルス休止期間が、加工条件制御
手段50に設定された時間tμsに対応しているが、こ
のような異常放電が検出されると主電源回路制御手段1
4は、次の放電電圧を印加するまでの期間、すなわちパ
ルスの休止期間を上記の休止期間tμsよりも大きく、
例えば10倍程度大きくして10tμsに設定する(S
5)。これと同時に、異常放電回数計数手段54のカウ
ンタを1だけカウントアップする。
【0025】そして、上述のように異常放電が検出され
ると、補助電源回路制御手段32は、補助電源回路22
のゲート信号を出力してスイッチングトランジスタ28
をオン・オフし、異常な放電電流の立ち下がりに引き続
く休止期間に図3(D)に示すような放電電流に対して
十分高い値のインパルス電流を電極−ワーク間に印加し
て流す(S6)。従って、結果的に、電極−ワーク間に
は、図3(F)に示すような加工電流が流れることにな
る。このインパルス電流の1休止期間における印加数
は、異常放電状態が連続して生じている場合にはそれに
応じて次第に増加させ、最大値は例えば10発に設定す
る。図示例にあっては、3回連続して異常放電が検出さ
れたので、それに応じて1休止期間における印加数を
1、2、3発と徐々に増加させている。そして、正常放
電が検出された時には、次の休止期間は再度tμsに設
定されて元に戻ることになる。この場合、インパルス電
流の大きさL1は、実験により得られた結果によれば、
正常放電時の放電電流の大きさL2の例えば5〜20倍
程度に設定するのがよく、通常20〜100A程度の電
流に設定する。この設定値は異常放電状態回復の効果と
面粗度や加工精度に対する影響を考慮して決定すればよ
いが、主加工パルスの設定電流値を考慮して決定するこ
とが好ましい。また、インパルス電流のパルス幅も同様
の点を考慮して1〜5μs程度の極めて短いものがよ
い。
【0026】具体的には、放電状態が更に検知され(S
7)、S4に示したと同様に異常放電判別部33によっ
て異常放電か否かが判断される(S8)。放電状態が正
常状態に回復すると、休止期間の長さを初期値に戻し
(S9)、再度、S3へ戻る。また、S8の判断にてま
だ異常放電状態が継続している場合には、前回までのイ
ンパルス電流の印加数nが規定数、すなわち本実施例に
あっては10よりも小さいか否かが判断され(S1
0)、そして、NOの場合すなわちインパルス電流の印
加数が規定数に達している場合には、休止期間中にイン
パルス電流を規定数(最大)だけ印加し(S11)、Y
ESの場合には(n+1)回のインパルス電流を休止期
間中に印加し(S12)、共にS7へ戻って同様な操作
を繰り返すことになる。
【0027】このように異常放電が発生した場合にはそ
れに引き続く休止期間中に十分高い値のインパルス電流
を印加するようにしたので、例えば極間に溜っているカ
ーボンやタール等の生成物をインパルス電流の衝撃力に
より迅速に排出することができ、正常な放電状態を容易
に回復することができる。従って、加工速度もそれ程低
下させることなくこれを高く維持することが可能とな
る。
【0028】また、本実施例においては、異常放電状態
が連続して生じている場合には、それに対応させて1休
止期間におけるインパルス電圧の印加数を次第に増加さ
せて衝撃力を増すようにしているので極間に溜る生成物
を一層迅速に排出することができ、更に迅速な放電回復
を得ることができる。尚、上記実施例においては1休止
期間におけるインパルス電流の印加数を最大10発とし
たがこの印加数は休止期間とインパルス電流のパルス幅
によるものであってこれに限定されないのは勿論であ
る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のように優れた作用効果を発揮することができる。放電
状態が異常な時には休止期間中に十分高い値のインパル
ス電流を印加するようにしたので、その衝撃力により極
間に溜っている生成物等を迅速に排除することができ、
正常放電状態を迅速に回復することができる。従って、
異常放電時においても極間状態の回復を助長し、加工速
度が高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための放電加工装置を示
す概略構成図である。
【図2】図1に示す装置の回路構成図である。
【図3】図2に示す回路中の電圧または電流の波形を示
す図である。
【図4】本発明方法の流れを示すフローチャートであ
る。
【図5】従来の放電加工方法を説明するための電圧また
は電流の波形を示す図である。
【符号の説明】
2 工具電極 4 ワーク(被加工物) 8 放電主回路 14 主電源回路制御手段 18 インパルス電流印加手段 20 補助直流電源 22 補助電源回路 28 スイッチングトランジスタ 30 放電状態検出回路(手段) 32 補助電源回路制御手段 50 加工条件制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−18342(JP,A) 特開 昭54−59697(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 1/00 - 7/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具電極と被加工物との間に断続的にパ
    ルス状の電圧を印加し両極間に放電を発生させて被加工
    物の加工を行うようになした放電加工方法において、前
    記電極と被加工物との間の放電状態に応じて前記パルス
    状の印加電圧の休止期間中に極間に流れる放電電流より
    も十分高い値のインパルス電流を印加したことを特徴と
    する放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記パルス状の放電電圧の休止期間は、
    前記放電状態の劣化したことに応じて長くされると共に
    前記放電状態の劣化が続くことに応じて1休止期間中に
    印加させる前記インパルス電流の印加数を増加させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の放電加工方法。
  3. 【請求項3】 対向配置した工具電極と被加工物との両
    極間に放電加工用の電圧パルスを印加するように構成さ
    れた電源回路を予め設定された加工条件に基づいて制御
    する主電源回路制御手段を備えた放電加工装置におい
    て、前記両極間の放電状態を検出する放電状態検出手段
    と、前記放電状態検出手段が異常放電を検出した時に前
    記電圧パルスの印加しない期間を所定時間延長するよう
    に設定値を変更する加工条件制御手段と、前記電源回路
    によって発生する放電の際に流れる加工電流よりも十分
    高い値のインパルス電流を印加する補助電源回路と、前
    記放電状態検出手段が異常放電を検出した時に前記電圧
    パルスの印加しない期間に前記インパルス電流を少なく
    とも1回印加するように前記補助電源回路を制御する補
    助電源回路制御手段とを備えた放電加工装置。
  4. 【請求項4】 異常放電が連続して発生した時には前記
    異常放電の発生回数に応じて前記電圧パルスの印加しな
    い期間に前記インパルス電流を印加する数を増減するよ
    うに前記補助電源回路を制御する補助電源回路制御手段
    を有した請求項3記載の放電加工装置。
JP05173719A 1993-06-21 1993-06-21 放電加工方法及びその装置 Expired - Fee Related JP3086364B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05173719A JP3086364B2 (ja) 1993-06-21 1993-06-21 放電加工方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05173719A JP3086364B2 (ja) 1993-06-21 1993-06-21 放電加工方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH071238A JPH071238A (ja) 1995-01-06
JP3086364B2 true JP3086364B2 (ja) 2000-09-11

Family

ID=15965881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05173719A Expired - Fee Related JP3086364B2 (ja) 1993-06-21 1993-06-21 放電加工方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3086364B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60229445D1 (de) 2002-07-12 2008-11-27 Mitsubishi Electric Corp Spannungsquelle für funkenerosion
JP6457427B2 (ja) 2016-04-15 2019-01-23 ファナック株式会社 ワイヤ放電加工装置
JP7181368B1 (ja) * 2021-10-15 2022-11-30 株式会社牧野フライス製作所 放電加工機用電源装置の診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH071238A (ja) 1995-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1993001017A1 (en) Wirecut electric discharge machining system
EP1806197B1 (en) Electric discharge machining power supply apparatus, and small-hole drilling electric discharge machining
JP5739563B2 (ja) 平均放電遅れ時間算出手段を備えたワイヤ放電加工機
JP2011093094A (ja) 放電加工装置
JP4772138B2 (ja) 仕上加工における局部的なスジの発生を抑制する機能を備えたワイヤカット放電加工機
US4720616A (en) Polarity reversal pulsing method and apparatus for EDM
US5416290A (en) Electric discharge machine power supply circuit
US4614854A (en) Wire EDM control circuit for rough and finished machining
EP0668119B1 (en) Method of controlling the operation of an electrical discharge machine
JP3086364B2 (ja) 放電加工方法及びその装置
JPH0244648B2 (ja)
EP0526089A1 (en) Electric discharge machining apparatus
JP2967682B2 (ja) 放電加工装置
JPS63318210A (ja) 放電加工機の制御装置
JP3026106B2 (ja) ワイヤカット放電加工装置
JPS61159326A (ja) 放電加工に於ける低レベル放電を検出して制御する方法と装置
JP2914123B2 (ja) 放電加工機用電源装置
JP2801280B2 (ja) ワイヤカット放電加工電源
JP3113305B2 (ja) 放電加工機
JP2713069B2 (ja) 放電加工装置
JPH08281516A (ja) 放電加工装置
JP2587956B2 (ja) ワイヤ放電加工機の制御装置
JPH0453646B2 (ja)
JPS60146624A (ja) 放電加工方法並びにその装置
JP2572416B2 (ja) 放電加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080707

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees