JP3661633B2 - 電子ビームテストシステム及び電子ビームテスト方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビームテストシステム及び電子ビームテスト方法に係わり、特に、DC信号や観測したいタイミングの前の時刻から電位変化が無い信号に対してもHigh/Lowを判定できる電子ビームテストシステム及び電子ビームテスト方法に関する。
【0002】
【背景技術】
図4は、従来の電子ビームテストシステムを示す構成図である。
【0003】
電子ビームテストシステム100は、電子ビームプローバ101と、これに接続されたデバイスを駆動させるための高精度LSIテスタ102と、電子ビームプローバ101及び高精度LSIテスタ102を制御する制御EWS(エンジニアリング ワーク ステーション)106とを備えている。
【0004】
電子ビームプローバ101は、パルスビーム化のためのビームブランカ103、電位分布観測・波形測定のための分析グリッド104、及び、これに接続された波形測定ユニット105をSEM(走査型電子顕微鏡)に付加したような構造となっている。X−Y移動ステージ108上には半導体ウエハを載置する固定ステージ109が配置されている。
【0005】
固定ステージ109に良品又は不良品の半導体ウエハ(半導体集積回路装置)を載置する。
【0006】
この半導体ウエハは、テストヘッド110に接続され、このテストヘッド110によって動作させられる。具体的には、テストヘッド110から、半導体ウエハの各入力端子に、クロック信号を含む所定のテストパターン信号を入力する。
【0007】
フィールドエミッションガン(FE−Gun)107により電子ビームを照射し、この電子ビームをビームブランカ103を通して動作中の半導体ウエハに照射する。
【0008】
そして、半導体ウエハからの二次電子を分析グリッド104を通して二次電子検出器111によって検出し、波形測定ユニット105によって動作中の半導体ウエハの電圧波形などを測定する。
【0009】
図5には、半導体ウエハに供給されるテストパターン信号とその測定波形の一例が示されている。ここでは半導体ウエハの配線のクロック信号波形と、パッシベーション膜上に現れる微分波形の一例を示す。
【0010】
同図に示すように、電子ビームテストシステムにおける電圧波形測定では、パッシベーション膜上に現れる微分波形を捉える。そして、半導体ウエハに供給されるテストパターン信号が、観測したいパターン信号になったタイミングにおいて、クロック周期を長くし、任意時刻の電位コントラスト画像を取り込む。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の電子ビームテストシステムにおいて、クロックのようなパルス信号では、Low電位の画像は明るく、High電位の画像は暗くなるので、パッシベーション膜を剥離しなくてもパッシベーション膜が無い状態と同様に観測することができる。
【0012】
しかし、従来の手法では、DC(直流)信号や観測したいタイミングの前から電位変化が無かった信号に関しては、画像がグレー(中間色)になってしまい、High/Lowの判断ができず、電位の認識が困難であった。
【0013】
また、従来の手法では、テストパターンをループさせながら、所望のテストパターン信号が入力されるたびに電位コントラストを取り込むという処理を行っていた。従って、テストパターンがループする毎に電位コントラストを取り込むという複数ショットが必要であった。そして、得られた複数の電位コントラストを積算し、最終的な電位コントラスト画像を生成していた。
【0014】
従って、従来の手法では、電位コントラストの画像の生成に時間がかかり、結果として、プロセス結果に起因する不良または故障を迅速に解析することができないという問題があった。
【0015】
加えて、このような従来の手法では、繰り返し再現性がない不良現象を観測することができないという問題があった。
【0016】
本発明は前記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、半導体集積回路装置の電位情報を1回の現象を観測することで取得することができ、しかもDC信号や観測したいタイミングの前から電位変化が無い信号に対してもHigh/Lowを判定できる電子ビームテストシステム及び電子ビームテスト方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る電子ビームシステムは、
被解析対象物である半導体集積回路装置に電子ビームを照射して解析のための電位コントラストを取得する電子ビームテストシステムである。
【0018】
このシステムは、
前記半導体集積回路装置へ、解析のためのテストパターン信号を供給するとともに、前記テストパターン信号を所与のタイミングでホールドし、その後、前記半導体集積回路装置の直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させるテスタと、
前記基準電位にした後の電位コントラストを取り込む検出器と、
を具備する。
【0019】
この電子ビームシステムでは、所望のタイミングでのテストパターン信号を所定時間ホールドし、このホールドされたテストパターン信号(入力信号)及び直流電源電位を基準電位に変化させるという構成を採用する。この構成を採用することにより、ホールドされたテストパターン信号等を基準電位に変化させると、観測したい信号がDC(直流)信号でも、また観測したいタイミングの前から電位変化がなかった信号でも、これを微分波形として検出することができる。
【0020】
以上のように、DC信号や、観測したいタイミングの前の時刻から電位変化がない信号に対しても、HighまたはLowを判定することができる。
【0021】
加えて、本発明によれば、パッシベーション膜上において信号ラインの電位を減衰信号として検出することができる。このため、良好な電位コントラスト画像の生成を、テストパターン信号をループさせることなく1回の現象の観測(単発現象の観測)で実現ができる。すなわち、波形の減衰という単発動作現象を観測し、電位コントラスト画像を生成することができるため、半導体集積回路装置のパッシベーション膜上から電位情報をシングルショットで簡単に取得可能なシステムを実現することができる。
【0022】
(2)また、本発明においては、
前記半導体集積回路装置に電子ビームを照射する電子銃と、
前記電子銃と前記半導体集積回路装置との間に配置された、電位分布観測のための分析グリッドをさらに含むことも可能である。
【0023】
(3)また、本発明は、
被解析対象物である半導体集積回路装置を載置するステージであって平面上を自在に移動可能なステージをさらに含むことも可能である。
【0024】
(4)本発明に係る電子ビームシステムは、
被解析対象物である半導体集積回路装置に電子ビームを照射して解析のための電位コントラストを取得する電子ビームテストシステムである。
【0025】
このシステムは、
前記被解析対象物である半導体集積回路装置を載置する第1ステージと、
この半導体集積回路装置と比較するための良品の半導体集積回路装置を載置する第2ステージと、
前記被解析対象物である半導体集積回路装置及び前記良品の半導体集積回路装置へ、解析のためのテストパターン信号を供給するとともに、前記テストパターン信号を所与のタイミングでホールドし、その後、前記各半導体集積回路装置の直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させる動作を前記被解析対象物である半導体集積回路装置及び前記良品の半導体集積回路装置それぞれに対して行うテスタと、
前記基準電位にした直後の前記被解析対象物である半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込む第1検出器と、
前記基準電位にした直後の前記良品の半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込む第2検出器と、
を具備する。
【0026】
前記電子ビームテストシステムによれば、被解析対象物である半導体集積回路装置の電位コントラストを良品の半導体集積回路装置の電位コントラストと比較することができる。これにより、解析時間を大幅に短縮することができる。
【0027】
(5)また、本発明において、
被解析対象物である半導体集積回路装置に電子ビームを照射する第1電子銃と、
良品の半導体集積回路装置に電子ビームを照射する第2電子銃と、
前記第1電子銃と第1ステージとの間に配置された、電位分布観測のための第1分析グリッドと、
前記第2電子銃と第2ステージとの間に配置された、電位分布観測のための第2分析グリッドと、
をさらに含むことも可能である。
【0028】
(6)また、本発明に係る電子ビームシステムは、
被解析対象物である半導体集積回路装置に電子ビームを照射して電位コントラストを取得する電子ビームテストシステムであって、
前記半導体集積回路装置へ供給されるテストパターン信号を所与のタイミングでホールドし、その後、前記半導体集積回路装置の直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させ、その直後の前記半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込むことを特徴とする。
【0029】
(7)さらに、本発明に係る電子ビームシステムは、
被解析対象物である半導体集積回路装置及びこの半導体集積回路装置と比較するための良品の半導体集積回路装置に電子ビームを照射して各半導体集積回路装置から電位コントラストを取得する電子ビームテストシステムであって、
前記被解析対象物である半導体集積回路装置及び前記良品の半導体集積回路装置へ供給されるテストパターン信号を所与のタイミングでホールドし、その後、前記各半導体集積回路装置の直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させる動作を前記各半導体集積回路装置それぞれに対して行い、
前記基準電位にした直後の前記被解析対象物である半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込むとともに、前記基準電位にした直後の前記良品の半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込むことを特徴とする。
【0030】
(8)また、本発明において、
前記基準電位を、接地電位とすることも可能である。
【0031】
すなわち、実際のパッシベーション膜上では、電極電位をHighからLow(接地電位)に変化させたときは、その逆のときに比べ、その後に発生する減衰波形の電位保持時間がテストパターン信号のホールド時間の2倍近くなることが確認されている。従って、基準電位を、接地電位に設定することにより、十分長い減衰時間を得ることができる。この十分長い減衰期間を利用して、電位情報をより詳細に取得し、半導体集積回路装置のプロセス結果に起因する不良または故障をより確実に検出することが可能となる。
【0032】
(9)また、本発明において、
前記半導体集積回路装置に対する電子ビームの照射は、フレームスキャン照射として行われ、かつこのフレームスキャン照射は、少なくとも前記テストパターン信号のホールド期間中及び前記電位コントラストの取り込み期間にて行うように電子ビーム制御を行うビーム制御部を有することも可能である。
【0033】
供給テストパターン信号のホールド期間中に、電子ビームをフレームスキャン照射することにより、半導体集積回路装置表面のパッシベーション膜表面の電位を充電により初期化させておく。そして、ホールドした信号電位を基準電位に変化させた後の電位コントラストの取り込み期間中においても、電子ビームをフレームスキャン照射することにより、減衰波形を確実に発生させることができる。
【0034】
(10)また、本発明において、
前記電位コントラストの取り込みを、前記基準電位にした直後の電位コントラストの減衰期間中に複数回にわたり順次行い、取り込まれた複数の電位コントラストを所与のルールに従い積算し電位コントラスト画像を生成するコントラスト画像生成部をさらに有するように形成することも可能である。
【0035】
ホールドされたテストパターン信号を基準電位に変化させることにより、パッシベーション膜上において信号ラインの電位を大きな減衰信号として検出することができる。このため、本発明は、この減衰期間中に電位コントラストを複数回に渡り順次取り込み、取り込まれた複数の電位コントラストを所定のルールに従い積算し、電位コントラスト画像を生成するという構成を採用する。これにより、電位コントラストの強度と、S/N比とを両立した更に良好な電位コントラスト画像の生成を、単発現象の観測で実現ができる。すなわち、波形の減衰という単発現象を観測し、半導体集積回路装置の電位情報をパッシベーション膜上からシングルショットで簡単にかつより確実に取得可能なシステムを実現することができる。
【0036】
また、本発明において、
前記電位コントラスト画像の生成は、
最先に取り込まれた電位コントラストの積算割合を後に取り込まれた電位コントラストの積算割合より大きく設定して行われるような構成を採用することも可能である。
【0037】
このようにすることにより、取り込まれた複数回の電位コントラストの記憶手段(例えばフレームメモリ)への画像格納割合を最適化することができ、電位コントラスト強度とS/N比とをさらに最適化した電位コントラスト画像を生成することができる。
【0038】
(11)また、本発明において、
前記供給テストパターン信号のホールド開始に関連付けて、
前記直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させるタイミング及び前記電位コントラストの取り込み開始タイミングを決定するという構成を採用することも可能である。
【0039】
以上の構成を採用することにより、電位を基準電位に変化させるタイミングと、電位コントラストの取り込み開始タイミングは最初に1度だけ設定しておけばよく、その後、解析対象となる半導体集積回路装置の品種を変えた場合でも、さらには、観測したいテストパターン信号のタイミングが変わった場合でも、電位を基準電位に変化させるタイミングや、電位コントラストの取り込み開始タイミングを再度設定し直す必要がなく、システム全体の取り扱いが極めて簡単なものとなる。
【0040】
このような構成の一例として、例えば、テストパターン信号を半導体集積回路装置に供給するシステム部分と、半導体集積回路装置に電子ビームを照射し電位コントラストの取り込むシステム部分とがハードウエア的に別々に形成されているシステムを想定すると、上記トリガの発生を以下のように行う構成を採用することも可能である。
【0041】
上記システムの一例として、
テストパターン信号を供給するシステム部分は、
前記供給テストパターン信号のホールド開始に関連付けてトリガ信号を発生させるとともに、所定のホールド時間経過後に、前記直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させ、
電位コントラストを取り込むシステム部分は、
前記トリガ信号の発生から所定の遅延時間経過後に画像取り込み用の垂直走査のタイミングをリセットし、前記リセット後、所定回数の垂直走査が終了したタイミングに同期して、前記電位コントラストの取り込み開始を行ない、
前記所定の遅延時間は、
前記ホールド時間経過のタイミングに、前記リセット後の所定回数の垂直走査が終了するタイミングが一致する値に設定されるという構成を採用することも可能である。
【0042】
また、上記システムの他の一例として、
テストパターン信号を供給するシステム部分は、
前記供給テストパターン信号のホールド開始に関連付けてトリガ信号を発生させるとともに、所定のホールド時間経過後に、前記直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させ、
電位コントラストを取り込むシステム部分は、
前記トリガ信号の発生から所定の遅延時間経過後に画像取り込み用の垂直走査のタイミングをリセットし、かつ前記電位コントラストの取り込み開始を行ない、
前記所定の遅延時間は、
前記ホールド時間経過のタイミングに、前記垂直走査をリセットするタイミングが一致する値に設定されるという構成を採用することも可能である。
【0043】
以上の構成を採用することにより、テストパターン信号を半導体集積回路装置に供給するシステム部分と、半導体集積回路装置に電子ビームを照射し電位コントラストの取り込むシステム部分とがハードウエア的に別々に形成されているシステムであっても、トリガ信号の発生に合わせて、電位コントラストの取り込み開始タイミングは最初に1度だけ設定しておけばよく、その後、解析対象となる半導体集積回路装置の品種を変えた場合でも、さらには、観測したいテストパターン信号のタイミングが変わった場合でも、電位を基準電位に変化させるタイミングや、電位コントラストの取り込み開始タイミングを再度設定し直す必要がなく、システム全体の取り扱いが極めて簡単なものとなる。
【0044】
(12)また、本発明に係る電子ビームテスト方法は、
被解析対象物である半導体集積回路装置に供給されるテストパターンを観測したいタイミングで所定時間ホールドし、その後、前記半導体集積回路装置の直流電源及び前記ホールドされたテストパターン信号を基準電位に変化させ、更に、前記半導体集積回路装置に対し電子ビームの照射を行うとともに、
前記基準電位に変化させた直後の電位コントラストを取り込むことにより、プロセス欠陥に起因する不良又は故障を解析する為の電位コントラスト画像を生成することを特徴とする。
【0045】
(13)また、本発明に係る電子ビームテスト方法は、
被解析対象物である半導体集積回路装置に供給されるテストパターンを観測したいタイミングで所定時間ホールドし、その後、前記半導体集積回路装置の直流電源及び前記ホールドされたテストパターン信号を基準電位に変化させ、更に、前記半導体集積回路装置に対し電子ビームの照射を行うとともに、前記半導体集積回路装置と比較するための良品の半導体集積回路装置に供給されるテストパターンを観測したいタイミングで所定時間ホールドし、その後、当該良品の半導体集積回路装置の直流電源及び前記ホールドされたテストパターン信号を基準電位に変化させ、更に、前記良品の半導体集積回路装置に対し電子ビームの照射を行い、
前記基準電位に変化させた直後の両半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込むことにより、両半導体集積回路装置の電位コントラスト画像を生成し、両電位コントラスト画像を比較することにより、前記被解析対象物のプロセス欠陥に起因する不良又は故障を解析することを特徴とする。
【0046】
(14)また、本発明の方法において、
前記半導体集積回路装置に対する電子ビームの照射は、フレームスキャン照射として行われ、フレームスキャン照射は、少なくとも前記供給テストパターン信号のホールド期間中及び前記電位コントラストの取り込み期間にて行う構成を採用することも可能である。
【0047】
(15)また、本発明の方法において、
前記電位コントラストの取り込みを、前記基準電位にした直後の電位コントラストの減衰期間中に複数回に渡り順次行ない、取り込まれた複数の電位コントラストを所与のルールに従い積算し前記電位コントラスト画像を生成するという構成を採用することも可能である。
【0048】
(16)また、本発明は、単体としての半導体集積回路装置の状態でこれを解析するように接してもよく、また半導体集積回路装置が形成された半導体ウエハの状態で半導体集積回路装置を解析するように構成してもよく、またそのいずれの状態においても半導体集積回路装置を解析できるように構成してもよい。
【0049】
(17)また、本発明において、半導体集積回路装置へ供給されるテストパターン信号が、所望のテストパターン信号となったタイミングにおいて、テストパターン信号をホールドすることなく、直接、半導体集積回路装置の直流電源の電位及びテストパターン信号の電位を基準電位に変化させ、基準電位に変化した直後において、前記電位コントラストの取り込みを行うという構成を採用することも可能である。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0051】
1:システム全体の構成
図1は、本発明の実施の形態によるプロセス電子ビームテストシステムを示す構成図である。
【0052】
このプロセス電子ビームテストシステムは、CMOSスタティック動作の半導体集積回路装置においてプロセス欠陥に起因する不良及び故障を解析する専用の電子ビームテストシステムである。
【0053】
本実施の形態のシステムは、半導体集積回路装置単体の状態においてこれを解析することもでき、また半導体集積回路装置が形成された半導体ウエハの状態でも半導体集積回路装置を解析するようにも形成されている。なお、必要に応じて、半導体集積回路装置単体の場合においてのみこの解析を行うように形成してもよく、またこれとは逆に、半導体集積回路装置が形成された半導体ウエハの状態でのみ、これを解析するように形成してもよい。
【0054】
プロセス電子ビームテストシステム10は、電子ビームプローバ13と、これに接続されたデバイスを駆動させるための解析専用LSIテスタ14と、電子ビームプローバ13及び解析専用LSIテスタ14を制御する制御パソコン17と、電子ビームプローバ用のプローバ制御器50と、プローバ制御器50を制御するプローバ制御パソコン52と、を備えている。
【0055】
電子ビームプローバ13は第1及び第2の鏡体11、12を有する。第1及び第2の鏡体11、12それぞれの上側には電子ビームを照射するサーマルW−Gun15、16が配置されている。第1及び第2の鏡体11、12それぞれの下側には電位分布観測・波形測定のための分析グリッド18、19が配置されている。
【0056】
電子ビームプローバ13内には、第1及び第2の鏡体11、12の下方に位置するX−Y移動共通ステージ20が配置されている。このステージ20には、第1の鏡体11の下方に位置する固定ステージ21が配置されていると共に第2の鏡体12の下方に位置するX−Y移動ステージ22が配置されている。
【0057】
固定ステージ21には比較用の良品の半導体集積回路装置がセットされる。X−Y移動ステージ22には測定用(不良品)の半導体集積回路装置がセットされる。なお、良品と不良品をセットするステージは逆でも良い。
【0058】
なお、必要に応じて、良品の半導体集積回路装置が形成されたウエハを固定ステージ21上に載置し、不良品の半導体集積回路装置が形成された半導体ウエハをX−Y移動ステージ22上に載置し、これらの半導体ウエハを、LSIテスタ14によって上述したと同様に動作するようにしてもよい。
【0059】
固定ステージ21の近傍には二次電子検出器23が配置されており、X−Y移動ステージ22の近傍には二次電子検出器24が配置されている。
【0060】
測定用の半導体集積回路装置及び良品の半導体集積回路装置それぞれは解析専用LSIテスタ14に接続されている。
【0061】
解析用LSIテスタ14は、良品/不良品の半導体集積回路装置を駆動する。具体的には、図8に示すテストパターン信号及び直流電源からの電圧VDDを対象とする半導体集積回路装置へ供給することで、これらの半導体集積回路装置を駆動する。
【0062】
このとき、供給される直流電源の電圧は、電源電位VDDに設定される。加えて、供給されるテストパターン信号は、クロック信号に同期して、各入力端子から複数の信号の組み合わせ(High及びLowの信号の組み合わせ)として供給される。ここでは4つの信号波形の組み合わせとして、テストパターン信号が順次供給される場合を例示する。
【0063】
半導体集積回路装置において、プロセス結果に起因する不良及び故障を解析する場合には、高速のクロックは必要とされない。このため実施例のテスタ14は、低速のクロックを用いる。しかも信号波形に高いタイミング精度が要求されることがないため、本実施の形態のテスタ14は、プロセス欠陥専用のものとして形成される。この結果、本実施例のシステムは、簡単な構成で安価なものとなる。
【0064】
良品の半導体集積回路装置を準備し、この良品の半導体集積回路装置を固定ステージ21上に載置する。被解析対象物である不良品の半導体集積回路装置を準備し、この不良品の半導体集積回路装置をX−Y移動ステージ22上に載置する。これらの半導体集積回路装置は、解析専用LSIテスタ14に接続され、このLSIテスタ14によって前述したように動作させられる。
【0065】
サーマルW−Gun15、16により電子ビームを照射し、この電子ビームを動作中の半導体集積回路装置にフレームスキャン照射する。そして、半導体集積回路装置からの二次電子を分析グリッド18、19を通して二次電子検出器23、24によって検出し、電位コントラストを取得する。第1及び第2の鏡体を有する電子ビームプローバを用いることにより、良品と不良品の電位コントラストをリアルタイムで比較する。これにより、不良品の半導体集積回路装置を解析することができる。
【0066】
前述のように、電位コントラストを取得し電位コントラスト画像を生成するために、本実施の形態のプローバ制御器50には、A/D変換器30、31と、フレームメモリ32、33とが設けられている。そして、二次電子検出器23、24で検出された電位コントラスト信号は、対応するA/D変換器30、31でデジタル信号に変換され、フレームメモリ32、33に書き込まれることになる。このとき、プローバ制御パソコン52及びプローバ制御器50は、サーマルW−Gun15、16及び分析グリッド18、19を用いた半導体集積回路装置への電子ビーム照射を制御する電子ビーム制御部として機能するとともに、二次電子検出器23、24、A/D変換器30、31及びフレームメモリ32、33とともにコントラスト画像生成部としても機能する。
【0067】
2:ホールド及び画像取り込み
図2は、半導体集積回路装置における各波形の具体例を示す。ここでは、配線のクロック波形、パッシベーション膜上からのクロック波形、入力信号波形、パッシベーション膜上からの入力信号波形、直流電源波形及びパッシベーション膜上からの直流電源波形の一例を示す。
【0068】
良品及び不良品の各半導体集積回路装置は、同じタイプのテストパターン信号が供給されるとともに、直流電源の電圧が供給された状態で動作している。
【0069】
そして、図2に示すように、観測したいタイミング(観測したいテストパターン信号が入力されたタイミング)でテストパターン信号を所定時間(例えば5秒程度)ホールドし、直流電源の電位及び入力信号(テストパターン信号)を基準電位(例えば接地電位(GND))に高速で変化させた直後、電位コントラストを所定時間(例えば1秒程度)取り込む。
【0070】
半導体集積回路装置に対する電子ビームのフレームスキャン照射は、少なくともテストパターン信号のホールド期間中と、電位コントラストの取り込み期間中は行われる。
【0071】
テストパターン信号を所定時間ホールドするのは、電子ビームのフレームスキャン照射によりパッシベーション膜に電子を充分に充電させて初期化させておくためである。
【0072】
そして、直流電源の電位及びテストパターン信号を基準電位に高速で変化させることにより、各信号ラインの電位(例えばHighレベル)をパッシベーション膜上において、所与の微分波形として検出することができる。
【0073】
なお、高速信号でしか不良を再現できない場合やチップ内部ディレイ回路で観測したい時刻の電位を保持できない場合は、ホールド期間を設けず、観測したいタイミングとなった直後に、電源電圧の電位及び入力信号を基準電位、例えばGNDに高速で変化させ、その直後に電位コントラストを同様に取り込んでもよい。
【0074】
図3は、電位コントラスト生成のメカニズムを説明するものである。
【0075】
図3(a)は、電位コントラストを取得する半導体集積回路装置の一部を示す断面図であり、図3(a)に示すように、Al合金配線25の上にはパッシベーション膜26が形成されている。このパッシベーション膜26に図1に示すサーマルW−Gun15、16により電子ビームを照射する。そして、観測したい時刻でテストパターン信号を所定時間ホールドし、ホールドした信号の電位及び直流電源の電位を、基準電位、例えばGNDに高速で変化させた直後、電位コントラストを所定時間取り込む。この際、例えばホールドした信号の電位がHighレベルの場合にのみ、図3(c)に示すような微分波形が発生することが確認された。
【0076】
以下に、Al合金配線25に供給されホールドされているテストパターン信号が、Highレベルの場合と、Lowレベルの場合に分けて、その詳細を説明する。
【0077】
まず、Al合金配線25に、Highレベルのテストパターン信号が供給された状態でこの入力信号がホールドされた場合を想定する。図3(b)は、この状態における半導体集積回路装置を模擬的に表した等価回路図であり、図3(c)は、この状態でのパッシベーション膜26の表面電位Vsの波形を示す図である。
【0078】
Al合金配線25にHighレベルの信号が供給されている場合に、この信号をホールドすることは、図3(b)の等価回路において、スイッチをオン側にセットすることと等価であり、このためパッシベーション膜25の表面電位Vsは図3(c)に示すよう接地電位(GND)となることが観測される。
【0079】
そして、直流電源の電位及びホールドされた入力信号の電位を、基準電位(ここでは接地電位)に高速で変化させる。この電位の変化は、図3(b)の等価回路において、スイッチをオフすることと等価であり、図3(c)に示すように、パッシベーション膜26の表面電位Vsは微分波形として観測されることが確認された。
【0080】
次に、図3(a)に示すAl合金配線25にLowレベルのパターン信号が供給されている場合を想定する。図3(d)は、この状態における半導体集積回路装置の等価回路図であり、図3(e)は、この状態でのパッシベーション膜26の表面電位Vsを示す。
【0081】
Lowレベルのテストパターン信号をホールドした状態は、図3(d)に示す等価回路において、スイッチをオンした状態と等価であり、パッシベーション膜26の表面電位Vsは図3(e)に示すようLowレベルの信号として観測される。
【0082】
この状態において、直流電源の電位及びホールドした入力信号を、基準電位、ここでは接地電位に高速で変化させる。このような電位変化は、図3(d)において、スイッチをオフすることと等価であるが、Al合金配線25の信号レベルは引き続いてLowであるため、パッシベーション膜26の表面電位Vsは、図3(e)に示すように引き続いてLowレベルのまま変化しない。
【0083】
このように、本実施の形態のシステムでは、半導体集積回路装置に供給されるテストパターン信号を観測したいタイミングで所定時間ホールドし、これを基準電位に高速で変化させることにより、Lowレベルの信号が供給されているAl合金配線25上のパッシベーション膜26上の電位Vsは変化せず、Lowレベルの信号として検出されるが、Highレベルの信号が供給されているAl合金配線25上のパッシベーション膜26の表面電位Vsは、図3(c)に示すマイナス電位方向への微分波形として観測される。この微分波形は、Al合金配線25に供給される信号がHighレベルの信号であれば、これがDC信号や、観測したいタイミングの前の時刻から電位変化がないようなHighレベル信号であっても、確実に発生する。
【0084】
以上のように、本実施の形態のシステムでは、Al合金配線25上のパッシベーション膜26の表面で観測される電位Vsの信号を観測することにより、Al合金配線25の信号の電位がHighかLowかを検出でき、特に、Al合金配線25の信号が、従来のシステムでは観測できなかったDC信号や、観測したいタイミングの前の情報から電位変化がないようなHighのような信号であっても、これを確実に検出することができる。
【0085】
具体的には、クロック波形や、電位変化のある信号波形も、これを電位コントラストとして取得できる。これに加えて、直流信号や、観測したいタイミングの前後で電位変化がない信号に対しても、微分波形による電位変化を生じさせ、その電位レベルがHighかLowかを判定できる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、ホールドされたテストパターン信号等を基準電位に変化させることにより、パッシベーション膜上において信号ラインの電位を大きな減衰信号として検出することができる。このため、この減衰期間中に電位コントラストを複数回に渡り順次取り込み、取り込まれた複数の電位コントラストを所定のルールに従い積算し、電位コントラスト画像を生成するという構成を採用することにより、電位コントラストの強度と、S/N比とを両立した更に良好な電位コントラスト画像の生成を、1回の画像取得のための観測(単発現象の観測)で実現ができる。
【0087】
すなわち、従来のシステムでは、テストパターン信号を半導体集積回路装置に繰り返して入力し、所望のテストパターン信号が入力されるたびに電位コントラストを繰り返し取り込むという、複数ショットが必要となり、この様にして得られた複数の電位コントラストを積算し最終的な電位コントラスト画像を生成していた。従って、電位コントラスト画像の生成に時間がかかるととともに、ループするテストパターンにおいて、最適なタイミングで同期を取りながら、各ループでの電位コントラスト取得を行わねばならない。このため、システム全体が複雑かつ高価なものとなることが避けられず、またこのことが解析ミスを引き起こす誘引となっていた。しかも、従来のシステムでは、繰り返し再現性の無い不良現象を解析することもできなかった。
【0088】
これに対し、本実施の形態のシステムでは、前述したように、波形の減衰という単発動作現象を観測し、半導体集積回路装置のパッシベーション膜上から電位情報をシングルショットで簡単にかつ確実に取得可能なシステムを実現することができる。従って、本実施の形態のシステムでは、電位コントラスト画像の生成を短時間で行うことができ、かつその構成を簡単かつ安価なものとすることができる。しかも、従来のシステムでは解析できなかった、繰り返し再現性の無い不良現象をも解析することができ、しかも従来に比べ解析ミスが少なくなり解析精度を高めることができる。
【0089】
特に、本実施の形態では、減衰期間中において、電位コントラストを複数回に渡り取り込んでいるため、よりS/N比の高い、しかも十分な電位コントラスト強度を持った電位コントラスト画像を得ることができる。
【0090】
また、前記電位コントラスト画像の生成は、最先に取り込まれた電位コントラストの積算割合を後に取り込まれた電位コントラストの積算割合より大きく設定して行われるような構成を採用することが好ましい。
【0091】
このようにすることにより、取り込まれた複数回の電位コントラストのフレームメモリへの画像格納割合を最適化することができ、電位コントラスト強度とS/N比とをさらに最適化した電位コントラスト画像を生成することができる。
【0092】
また、本実施の形態のシステムでは、前記供給テストパターン信号のホールド開始に関連付けて、前記直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させるタイミング及び前記電位コントラストの取り込み開始タイミングを決定するという構成を採用することが好ましい。
【0093】
以上の構成を採用することにより、電位を基準電位に変化させるタイミングと、電位コントラストの取り込み開始タイミングは最初に1度だけ設定しておけばよく、その後解析対象となる半導体集積回路装置の品種を変えた場合でも、さらには、観測したいテストパターン信号のタイミングが変わった場合でも、電位を基準電位に変化させるタイミングや、電位コントラストの取り込み開始タイミングを再度設定し直す必要がなく、システム全体の取り扱いが極めて簡単なものとなり、しかも解析の準備時間を大幅に短縮し、迅速な不良解析を実現できる。
【0094】
また、実施の形態では、第1及び第2の鏡体を有する電子ビームプローバを用いることにより、良品と不良品の電位コントラストをリアルタイムで比較でき、解析時間を大幅に短縮することができる。これに対して、従来の電子ビームテストシステムでは、良品と不良品を入れ替えて測定する必要があった。
【0095】
また、実施の形態では、2つの鏡体11、12を使用しているが、個々の鏡体の製造コストを低くし、さらに解析専用LSIテスタを低速にすることで低コスト化している。このため、システム全体としては低コストを実現することができる。従来の電子ビームテストシステムは非常に高価であったが、本実施の形態によるプロセス電子ビームテストシステムは低コストを実現したものである。
【0096】
すなわち、本実施の形態によるプロセス電子ビームテストシステムは、プロセス欠陥に起因する不良や故障を解析する専用の電子ビームテストシステムである。したがって、設計不良でしばしば生じる速度マージン不良に対応させる必要はなく、またDCに近い電位変化が無い信号でもHighかLowの判断が可能になる。このため、従来の電子ビームテスタにあった波形測定機能を不要とすることができるので、高速波形を測定するためのビームブランカ・波形測定ユニットが不要になる。また、第1種局所電界効果を利用して電位コントラストを取得する場合には分析グリッドも不要になる。さらに、電子ビームをパルス化する必要が無くなったため、高輝度のFE−Gunを使用する必要が無くなり、このための高度低真空設備(ターボ分子・イオンポンプ等)も不要となる。よって、システム全体としては低コストを実現することができる。
【0097】
以上説明した本実施の形態のシステム、特にシングルショットの画像取得を実現可能とした本実施の形態のシステムの作用効果をまとめると、以下の通りである。
【0098】
a:繰り返し再現性がない不良現象を観測することが可能となる。
【0099】
b:テストパターン信号をループさせないため、LSIテスターの設定、操作が極めて容易になる。
【0100】
c:上記bの結果、LSIテスタの操作に精通しないものでも解析が可能となる。
【0101】
d:上記bの結果、解析準備期間が短縮され、解析スピードを向上させることができる。
【0102】
e:上記bの結果、解析準備期間が少なくなり、解析精度を上げることができる。
【0103】
3:実施例のシステムの具体例
以下に、本実施の形態に係る電子ビームテストシステムを、より詳細に説明する。
【0104】
3−1:フレームスキャン
まず、電位コントラストの取得のためのフレームスキャンのしくみを説明する。図6はディスプレイとその静電偏向板を示しており、図7は、水平走査のノコギリ波、垂直走査の階段波を示している。
【0105】
水平走査回路によりディスプレイ左右の偏向板に1つ目のノコギリ波が印加されると、左から右に対して走査線が1本走り再び元の位置に戻る。この走査線はディスプレイ最上部に横1本走った状態で、走査に要した時間は例えば300μsec.である。
【0106】
次に2つ目のノコギリ波が印加されると、垂直走査回路から垂直走査の階段波が1ステップ進められた(2本目)信号が発せられ、2本目の走査線は先の1本目の走査線より下側に1ステップ移動した位置に走査される。
【0107】
正確には、1つ目のノコギリ波によって走査線が左から右に1本走り再び元の位置に戻った瞬間、その詳細位置は1本目の走査線より下側に1ステップ移動した位置になる。垂直走査線は例えば512ステップの階段波であり、これによって512本の走査線が走り1つの画面(1フレーム)が構成される。
【0108】
この場合1フレームの描画に必要な時間は、この例では、
300μsec.×512=153.6msec.
となる。
【0109】
本実施の形態において、以上のようなディスプレイのフレームスキャンは、電子ビームプローバ内で試料(LSIチップ)表面に対して行われる一次電子ビームのフレームスキャン照射と完全に同期して行われる。
【0110】
なお、水平走査はノコギリ波で示したが、デジタルスキャンであれば階段波になる。また垂直走査の階段波に関しては、以降の説明図ではノコギリ状に示す。
【0111】
3−2:電位コントラストの取り込み
本実施の形態のシステムでは、電子ビームをフレームスキャン照射したままでテストパターンをホールドしパッシベーション膜表面の電位を初期化させた後、電源(VDD・GND)を含むすべてのテスタ14からの信号電位をGND電位に変化させ、その直後に、上述したようにフレームスキャンした像のみを電位像として取り込む。
【0112】
本実施の形態のシステムでは、LSIテスタ14のようにテストパターン信号を供給するシステム部分と、電子ビームプローバ13及びプローバ制御器50のように電位コントラストを取り込むシステム部分とが、ハードウエア的に別体に形成されている場合には、両システム部分の内部遅延等を考慮し、両者が良好に同期を取りながら、テストパターン信号のホールド、ホールドされたテストパターン信号の基準電位への変化、及びフレームスキャンした電位像の取り込みを行うように構成する必要がある。
【0113】
このため、本実施の形態のシステムでは、図8に示すように、前記供給テストパターン信号のホールド開始に関連付けてトリガ信号を発生させるとともに、所定のホールド時間経過後に、前記直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させる。
【0114】
そして、前記トリガ信号の発生から所定の遅延時間(図8の遅延2の時間)経過後に画像取り込み用の垂直走査のタイミングをリセットし、前記リセット後、所定回数の垂直走査が終了したタイミングに同期して、前記電位コントラストの取り込み開始を行う。
【0115】
ここにおいて、前記所定の遅延時間(遅延2の時間)は、前記ホールド時間経過のタイミングに、前記リセット後の所定回数の垂直走査が終了するタイミングが一致する値に設定されるという構成を採用する。
【0116】
以下に、図8に沿って、その具体的な例を示す。
【0117】
まずLSIテスタ14がテストパターンをホールドした後、LSIテスタ14からプローバ制御器50にトリガ信号を出力する。
【0118】
プローバ制御器50は、このトリガ信号に基づき、画像取り込み用の垂直走査のタイミングをリセットし、このリセット後は、所定回数(ここでは6回)の垂直走査が終了したタイミングに同期して、電位コントラストの取り込み開始が行われるように、回路各部におけるタイミングを調整する。
【0119】
ここでは、テスタ14が試料(LSIチップ)への信号電位・電源をGNDに変化させた直後、プローバ制御器50側で電位像が取得されるようにタイミングを調整する。
【0120】
LSIテスタ14が、テストパターンをホールドしてからトリガ信号を出力するまでのシステム内部の遅延1を仮に30msec固定であると仮定し、テストパターンのホールドに必要な時間を1secとし、このパターンホールド間に6個垂直走査ののこぎり刃を入れるとすると(6回フレームスキャンする)、プローバ制御器50にトリガ信号が入力されてから、このプローバ制御器50が実際に画像取り込み用の垂直走査のタイミングをリセットするまでに要する内部遅延2の時間は、以下の式から、48.4msecとなるように調整される。
【0121】
{1sec.−30msec−(153.6msec×6)}=48.4msec.
そして、リセット後の垂直走査が、6回終了した時点で、図8に示すように、フレームメモリへの電位コントラスト画像の取り込みを開始する。
【0122】
図8の例では、4フレーム分画像を取り込む様子を示している。フレームスキャンは常時行われ電子ビームは常に照射されたままであるが、フレームメモリに取り込まれる画像は所定タイミングの4フレーム分のみである。
【0123】
図8に示す本実施の形態のシステムでは、この遅延2の調整を最初に1度だけ実施しておけば、テストパターンのホールドから画像取り込みまでの条件は固定されているため、観察したいタイミングや解析対象品種(LSIチップの品種)が替わってクロックレート等が変化しても設定を変える必要はないという利点がある。
【0124】
次に、図8に示すシステムの変形例を、図10に基づき説明する。
【0125】
図10に示すように、この変形例に係る実施の形態のシステムは、テスタ14が、供給テストパターン信号のホールドの開始に同期して所定の内部遅延時間(遅延1)経過後にトリガ信号を発生し、かつ所定のホールド期間(ここでは1sec)経過後に、ホールドしたテストパターン信号の電位及び直流電源の電位を基準電位であるGNDへ変化させる。
【0126】
前記トリガ信号が入力された、プローバ制御器50は、トリガ信号の発生から所定の遅延時間(図10の遅延2に相当する時間)経過後に画像取り込み用の垂直走査のタイミングをリセットし、かつ電位コントラストの取り込み開始を行う。
【0127】
ここにおいて、前記遅延2の時間は、ホールド時間経過のタイミングに、垂直走査をリセットするタイミングが一致する値に設定される。
【0128】
このような構成を採用しても、図8に示す実施の形態と同様に、遅延2の調整を最初の1度だけ実施しておけば、テストパターンのホールドから画像取り込みまでの条件は固定されているため、図8に示す実施の形態と、同様の作用効果を奏することができる。
【0129】
3−3:電位コントラストの積算
次に、図9に基づき、電位コントラスト取得の手順を説明する。
【0130】
パッシベーション膜上に現れた電位コントラストは、図9(A)に示されるように指数関数的に減少する(放電波形)。
【0131】
同図において、縦軸はV(電圧)、横軸はt(時間)を表す。
【0132】
これを式に表すと次のようになる(微分回路放電電圧の式)。
【0133】
Vt=V0・ε-t/(CR)
ここにおいて、Vt:時間tでの電圧、V0:初期電圧、ε:自然対数の底、t:時刻、C:パッシベーション膜の容量、R:絶運膜表面からGND電極に対する抵抗値である。
【0134】
このような振る舞いを持つ電位情報をより効果的に取得し、単発現象の観測(1回の画像取得による観測)を実現するため、まず電位保持期間に画像取得期間を合わせ、V(t))が大きいt=0のとき取得した画像信号を最も大きな割合でフレームメモリに格納し、その後時間の経過に伴ってフレームメモリに格納する画像信号の割合を徐々に小さくしながら画像積算を進める。具体的には、上図の放電波形で例えば時間軸を4分割しt0〜3とした場合、それぞれの時間におけるフレームメモリへの画像取得格納の割合を図9(B)に示すようにする。
【0135】
このように、電位コントラストの強さに応じてフレームメモリに格納する画像信号の割合を変化させることで、像のS/Nを確保しながら効果的に電位コントラストを取得することができる。
【0136】
以下に、本実施の形態の画像積算方法の具体例を示す。
【0137】
Vt(時間tでの電圧)が、V0(初期電圧)の10%程度に減衰した時刻までの電位コントラスト信号(Vt/V0≒0.1)を4分割して取得する場合を例にとり説明する。
【0138】
T/(CR)=2.1のときVt/V0≒0.1になるので、この時刻までの電位コントラスト信号を、時間を4等分して取り込む。各時間(t0〜3)でのVt/V0は以下のとおりになる。
【0139】
Vt/V0={V0・ε-t/(CR)}/V0=ε-t/(CR)
t0:ε-0=1.00
t1:ε-0.7=0.50
t2:ε-1.4=0.25
t3:ε-2.1=0.12
各時刻での電位の大きさに比例してフレームメモリへの画像格納割合を決めると、以下のようになる。
【0140】
t0:1.00/(1.00+0.50+0.25+0.15+0.12)=0.54
t1:0.50/(1.00+0.50+0.25+0.15+0.12)=0.27
t2:0.25/(1.00+0.50+0.25+0.15+0.12)=0.13
t3:0.12/(1.00+0.50+0.25+0.15+0.12)=0.06
すなわち、電位コントラスト(Vt)が大きいt0の時の画像信号を54%と最も高い割合でフレームメモリに格納し、V(t)が小さくなるに従ってその格納割合を小さくする。
【0141】
このように、本実施の形態のシステムでは、電位コントラストの減衰期間中に画像を複数回にわたり順次取り込み、最先に取り込まれた電位コントラストの積算割合を後に取り込まれた電位コントラストの積算割合より大きく設定して、電位コントラスト画像を生成する。これにより、各時刻毎のフレームメモリへの画像格納割合を最適化することができ、電位コントラスト強度とS/N比を両立した良好な電位コントラスト画像を生成することができる。
【0142】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
【0143】
例えば、本実施の形態においては、基準電位として接地電位を用い、半導体集積回路装置に供給されるテストパターン信号を観測したいタイミングで所定時間ホールドし、その後、直流電源の電位及びホールドされたテストパターン信号を、接地電位に変化させる場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限らず、必要に応じてその他の基準電位、例えば電源電位や、中間電位等を必要に応じて基準電位として用いるように形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のプロセス電子ビームテストシステムの説明図である。
【図2】配線のクロック波形、パッシベーション膜上からのクロック波形、入力信号波形、パッシベーション膜上からの入力信号波形、電源波形及びパッシベーション膜上からの電源波形の一例を示すものである。
【図3】電位コントラスト生成のメカニズムを説明するものであって、(a)は、電位コントラストを取得する半導体集積回路装置の一部を示す断面図であり、(b)(d)は、(a)に示す半導体集積回路装置の等価回路図であり、(c)(e)は、(a)のパッシベーション膜の表面で発生する微分波形を示す図である。
【図4】従来の電子ビームテストシステムの説明図である。
【図5】配線のクロック信号波形とパッシベーション上に現れる微分波形の一例を示すものである。
【図6】画像取り込みのフレームスキャンの説明図である。
【図7】水平及び垂直走査の説明図である。
【図8】テストパターン信号及びテストパターン信号のホールド、さらには画像取り込みのタイミングを表すタイミングチャート図である。
【図9】同図(A)は、画像取り込みのタイミングを表す説明図であり、同図(B)は取り込まれた複数の電位コントラスト画像を積算する際の処理の説明図である。
【図10】テストパターン信号及びテストパターン信号のホールド、さらには画像取り込みのタイミングを表すタイミングチャートの他の一例の説明図である。
【符号の説明】
10 プロセス電子ビームテストシステム
11 第1の鏡体
12 第2の鏡体
13 電子ビームプローバ
14 解析専用LSIテスタ
15、16 サーマルW−Gun
17 制御パソコン
18、19 分析グリッド
20 X−Y移動共通ステージ
21 固定ステージ
22 X−Y移動ステージ
23、24 二次電子検出器
25 Al合金配線
26 パッシベーション膜
100 電子ビームテストシステム
101 電子ビームプローバ
102 高精度LSIテスタ
103 ビームブランカ
104 分析グリッド
105 波形測定ユニット
106 制御EWS
107 フィールドエミッションガン(FE−Gun)
108 X−Y移動ステージ
109 固定ステージ
110 テストヘッド
111 二次電子検出器
Claims (19)
- 被解析対象物である半導体集積回路装置に電子ビームを照射して解析のための電位コントラストを取得する電子ビームテストシステムであって、
前記半導体集積回路装置へ、解析のためのテストパターン信号を供給するとともに、前記テストパターン信号を所与のタイミングでホールドし、その後、前記半導体集積回路装置の直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させるテスタと、
前記基準電位にした直後の電位コントラストの減衰期間中に電位コントラストを取り込む検出器と、
を具備することを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項1において、
前記半導体集積回路装置に電子ビームを照射する電子銃と、
前記電子銃と前記半導体集積回路装置との間に配置された、電位分布観測のための分析グリッドをさらに含むことを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項1、2のいずれかにおいて、
被解析対象物である半導体集積回路装置を載置するステージであって平面上を自在に移動可能なステージをさらに含むことを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 被解析対象物である半導体集積回路装置に電子ビームを照射して解析のための電位コントラストを取得する電子ビームテストシステムであって、
前記被解析対象物である半導体集積回路装置を載置する第1ステージと、
この半導体集積回路装置と比較するための良品の半導体集積回路装置を載置する第2ステージと、
前記被解析対象物である半導体集積回路装置及び前記良品の半導体集積回路装置へ、解析のためのテストパターン信号を供給するとともに、前記テストパターン信号を所与のタイミングでホールドし、その後、前記各半導体集積回路装置の直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させる動作を前記被解析対象物である半導体集積回路装置及び前記良品の半導体集積回路装置それぞれに対して行うテスタと、
前記基準電位にした直後の電位コントラストの減衰期間中に前記被解析対象物である半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込む第1検出器と、
前記基準電位にした直後の電位コントラストの減衰期間中に前記良品の半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込む第2検出器と、
を具備することを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項4において、
被解析対象物である半導体集積回路装置に電子ビームを照射する第1電子銃と、
良品の半導体集積回路装置に電子ビームを照射する第2電子銃と、
前記第1電子銃と第1ステージとの間に配置された、電位分布観測のための第1分析グリッドと、
前記第2電子銃と第2ステージとの間に配置された、電位分布観測のための第2分析グリッドと、
をさらに含むことを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 被解析対象物である半導体集積回路装置に電子ビームを照射して電位コントラストを取得する電子ビームテストシステムであって、
前記半導体集積回路装置へ供給されるテストパターン信号を所与のタイミングでホールドし、その後、前記半導体集積回路装置の直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させ、その直後の電位コントラストの減衰期間中に前記半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込むことを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 被解析対象物である半導体集積回路装置及びこの半導体集積回路装置と比較するための良品の半導体集積回路装置に電子ビームを照射して各半導体集積回路装置から電位コントラストを取得する電子ビームテストシステムであって、
前記被解析対象物である半導体集積回路装置及び前記良品の半導体集積回路装置へ供給されるテストパターン信号を所与のタイミングでホールドし、その後、前記各半導体集積回路装置の直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させる動作を前記各半導体集積回路装置それぞれに対して行い、
前記基準電位にした直後の電位コントラストの減衰期間中に前記被解析対象物である半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込むとともに、前記基準電位にした直後の前記良品の半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込むことを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項1〜7のいずれかにおいて、
前記基準電位は、接地電位であることを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項1〜8のいずれかにおいて、
前記半導体集積回路装置に対する電子ビームの照射は、フレームスキャン照射として行われ、かつこのフレームスキャン照射は、少なくとも前記テストパターン信号のホールド期間中及び前記電位コントラストの取り込み期間にて行うように電子ビーム制御を行うビーム制御部を有することを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項1〜9のいずれかにおいて、
前記電位コントラストの取り込みを、前記基準電位にした直後の電位コントラストの減衰期間中に複数回にわたり順次行い、取り込まれた複数の電位コントラストを所与のルールに従い積算し電位コントラスト画像を生成するコントラスト画像生成部を有することを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項10において、
前記電位コントラスト画像の生成は、
最先に取り込まれた電位コントラストの積算割合を後に取り込まれた電位コントラストの積算割合より大きく設定して行われることを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項1〜11のいずれかにおいて、
前記供給テストパターン信号のホールド開始に関連付けて、
前記直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させるタイミング及び前記電位コントラストの取り込み開始タイミングを決定することを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項12において、
前記供給テストパターン信号のホールド開始に関連付けてトリガ信号を発生させるとともに、所定のホールド時間経過後に、前記直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させ、
前記トリガ信号の発生から所定の遅延時間経過後に画像取り込み用の垂直走査のタイミングをリセットし、前記リセット後、所定回数の垂直走査が終了したタイミングに同期して、前記電位コントラストの取り込み開始を行ない、
前記所定の遅延時間は、前記ホールド時間が経過するタイミングと、前記リセット後の所定回数の垂直走査が終了するタイミングとが一致するように設定されることを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項12において、
前記供給テストパターン信号のホールド開始に関連付けてトリガ信号を発生させるとともに、所定のホールド時間経過後に、前記直流電源の電位及び前記ホールドされたテストパターン信号の電位を基準電位に変化させ、
前記トリガ信号の発生から所定の遅延時間経過後に画像取り込み用の垂直走査のタイミングをリセットし、かつ前記電位コントラストの取り込み開始を行ない、
前記所定の遅延時間は、前記画像取り込み用の垂直走査のタイミングのリセットが、前記ホールド時間が経過するタイミングで行なわれるように設定されることを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 請求項1〜14のいずれかにおいて、
半導体集積回路装置へ供給されるテストパターン信号が、所望のテストパターン信号となったタイミングにおいて、テストパターン信号をホールドすることなく、直接、半導体集積回路装置の直流電源の電位及びテストパターン信号の電位を基準電位に変化させ、基準電位に変化した直後において、前記電位コントラストの取り込みを行うことを特徴とする電子ビームテストシステム。 - 被解析対象物である半導体集積回路装置に供給されるテストパターンを観測したいタイミングで所定時間ホールドし、その後、前記半導体集積回路装置の直流電源及び前記ホールドされたテストパターン信号を基準電位に変化させ、更に、前記半導体集積回路装置に対し電子ビームの照射を行うとともに、
前記基準電位に変化させた直後の電位コントラストの減衰期間中に電位コントラストを取り込むことにより、プロセス欠陥に起因する不良又は故障を解析する為の電位コントラスト画像を生成することを特徴とする電子ビームテスト方法。 - 被解析対象物である半導体集積回路装置に供給されるテストパターンを観測したいタイミングで所定時間ホールドし、その後、前記半導体集積回路装置の直流電源及び前記ホールドされたテストパターン信号を基準電位に変化させ、更に、前記半導体集積回路装置に対し電子ビームの照射を行うとともに、前記半導体集積回路装置と比較するための良品の半導体集積回路装置に供給されるテストパターンを観測したいタイミングで所定時間ホールドし、その後、当該良品の半導体集積回路装置の直流電源及び前記ホールドされたテストパターン信号を基準電位に変化させ、更に、前記良品の半導体集積回路装置に対し電子ビームの照射を行い、
前記基準電位に変化させた直後の電位コントラストの減衰期間中に前記両半導体集積回路装置の電位コントラストを取り込むことにより、両半導体集積回路装置の電位コントラスト画像を生成し、両電位コントラスト画像を比較することにより、前記被解析対象物のプロセス欠陥に起因する不良又は故障を解析することを特徴とする電子ビームテスト方法。 - 請求項16、17のいずれかにおいて、
前記半導体集積回路装置に対する電子ビームの照射は、フレームスキャン照射として行われ、フレームスキャン照射は、少なくとも前記供給テストパターン信号のホールド期間中及び前記電位コントラストの取り込み期間にて行うことを特徴とする電子ビームテスト方法。 - 請求項16〜18のいずれかにおいて、
前記電位コントラストの取り込みを、前記基準電位にした直後の電位コントラストの減衰期間中に複数回に渡り順次行ない、取り込まれた複数の電位コントラストを所与のルールに従い積算し前記電位コントラスト画像を生成することを特徴とする電子ビームテスト方法。
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